JPH1035241A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JPH1035241A
JPH1035241A JP21600796A JP21600796A JPH1035241A JP H1035241 A JPH1035241 A JP H1035241A JP 21600796 A JP21600796 A JP 21600796A JP 21600796 A JP21600796 A JP 21600796A JP H1035241 A JPH1035241 A JP H1035241A
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JP
Japan
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temperature
air
air temperature
estimated
mix door
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JP21600796A
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Mamoru Seiji
護 政氏
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Zexel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エアミックスドア開度を制御するにあたっ
て、水温センサを不要とし、応答性と安定性を高めて吹
出空気温度の制御精度を高めることができる車両用空調
装置を提供する。 【解決手段】 エアミックスドア開度とエバポレータ通
過空気温度とに基づいて吹出空気温度を推定する吹出空
気温度推定部BL4と、この推定された吹出空気温度と
車室内温度とに基づいて車室内温度の推定値を演算する
と共に、この車室内温度の推定値と室温センサBL1に
よって検出された車室内温度との差に基づいて吹出空気
温度推定値を修正するオブザーバBL5とを具備してい
る。オブザーバで修正された吹出空気温度推定値と目標
吹出空気温度とに基づいて、エアミックスドア15が制
御される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両に搭載され
る空調ユニットを制御する空調装置に係り、特に、空調
ユニットから車室へ吹き出す空気の吹出温度を推定する
車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、実開昭60−13805号公報
には、車室内温度を目標温度に調節する車両用空調装置
において、目標吹出温度演算部により演算された目標吹
出温度や水温センサによって検出されたヒータコアの水
温等に基づいてエアミックスドア開度を算出し、ヒータ
コアの水温が上昇する過渡時にあっても水温の変化に応
じてエアミックスドア開度を補正し、これにより吹出空
気温度を所望の値に保つようにする点が示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような構成にあっては、水温を検出するセンサが必要と
なるので空調装置のコストを下げにくく、また、目標と
する吹出温度に実際の吹出温度を収束させ、引いては所
望の室温環境を得るに当たり、室温と目標温度との偏差
や外気温度等を考慮して予め設定された古典制御理論に
基づく熱的平行状態を満たすようエアミックスドア開度
を設定しているので、種々の環境変化に対する温度制御
の過渡的応答が充分でない欠点がある。
【0004】そこで、この発明においては、エアミック
スドア開度を制御するにあたって、水温センサを不要と
し、また、応答性と安定性を充分高めて吹出空気温度の
制御精度を高めることができる車両用空調装置を提供す
ることを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】しかして、この発明にか
かる車両用空調装置は、エアミックスドアを含む空調制
御要素の制御量を熱負荷に関する複数の物理量に基づい
て算出し、吹出空気温度を設定された目標吹出空気温度
に収束するよう前記空調制御要素を制御するものにおい
て、車室内の温度を検出する室温センサと(BL1)、
エバポレータを通過した空気の温度を検出するエバ後温
度センサと(BL2)、エアミックスドアの開度(BL
3)及びエバポレータを通過した空気温度に基づいて車
室に吹き出す空気の吹出空気温度を推定する吹出空気温
度推定部と(BL4)、車室の空調に関する系の動的モ
デルに基づき、前記吹出空気温度の推定値を含む制御量
と室温センサによって検出された車室内温度とから前記
車室内温度の推定値を演算すると共に、この車室内温度
の推定値と前記室温センサによって検出された車室内温
度との差に基づいて前記推定された吹出空気温度を修正
するオブザーバ(BL5)とを具備するようにしたこと
に特徴がある(請求項1)。
【0006】したがって、吹出空気温度推定部(BL
4)では、エアミックスドアの開度(BL3)とエバ後
温度センサ(BL2)で検出されたエバポレータ通過空
気温度とに基づいて吹出空気温度が推定され、オブザー
バ(BL5)では、この推定された吹出空気温度と車室
内温度とに基づいて車室内温度の推定値が演算されると
共に、この車室内温度の推定値と室温センサ(BL1)
によって検出された車室内温度との差に基づいて前記推
定された吹出空気温度が修正されるので、吹出空気温度
を精度よく推定できる。
【0007】しかも、熱負荷に関する物理量に基づいて
目標吹出空気温度を演算する目標吹出温度演算部(BL
6)と、前記オブザーバにて修正された吹出空気温度お
よび前記目標吹出空気温度をもとに前記エアミックスド
アの開度を演算するエアミックスドア開度演算部(BL
7)とをさらに具備する構成が考えられる(請求項
2)。このような構成によれば、エアミックスドア開度
を所望の吹出空気温度が得られる状態に的確に且つ速や
かに調節することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面により説明する。
【0009】この発明に係る車両用空調装置は、複数の
空調制御要素の制御量を熱負荷に関する複数の物理量に
基づいて算出し、吹出空気温度を設定された目標吹出空
気温度に収束するよう空調制御要素を制御するものに係
り、下記する動的モデルに基づいて、現代制御理論に基
づく空調制御を行う場合に利用される。そこで、ここで
は特に本発明の特徴である吹出空気温度の推定部分を中
心に説明し、他の制御部分については必要に応じて説明
するに止める。
【0010】図1において、この発明に係る車両用空調
装置は、車室を温調するために空調ユニットの空気通路
11に、送風機12、エバポレータ13、ヒータコア1
4、及びヒータコア14の通過空気量を調節するエアミ
ックスドア15が配置され、エアミックスドア15の開
度を調節することで吹出空気温度を調節できるようにな
っている。また、車室内温度を検出する室温センサ16
と、エバポレータ13を通過した空気温度(エバ後温
度)を検出するエバ後温度センサ17とを少なくとも有
し、空気通路の最下流端部に設けられる図示しない吹出
口から吹き出す空気の温度をこれらセンサからの信号等
に基づいて目標吹出空気温度に収束するよう各空調制御
要素を制御するようになっている。
【0011】各空調制御要素の制御は、これを統括する
マイクロコンピュータ及びその周辺部品で構成されるコ
ントロールユニットで行われ、1次的に推定された吹出
空気温度を修正するオブザーバを有し、その具体例が図
2乃至図7に示されている。
【0012】図2において、コントロールユニットの機
能のうち、各種熱負荷要素に基づいて系の動的な内部変
数(状態変数)である室温Tr及び車体温Tbを推定す
ると共に、車室内への吹出温度Toと外気温の初期値T
aとを推定する制御系統が示されている。コントロール
ユニットは、吹出温度Toを1次的に推定する吹出温度
推定部1、外気温初期値Taを決定する外気温初期値決
定部2、日射量成分を算出する日射量直達・伝達成分演
算部3、車室に吹き出す吹出風量αを演算する演算部
4、制御上必要な制御パラメータを演算するパラメータ
演算部5、室温推定値Trs 、車体温推定値Tbs 、吹
出温度Toの修正量To’、外気温初期値Taの修正量
Ta’を演算するオブザーバ6、及び吹出温度Toの最
終推定値Tos を演算するTo修正部11を有してい
る。
【0013】吹出温度推定部1は、図3に示されるよう
に、熱負荷に関する諸量に基づいて間接的に算出され、
あるいは、開度検出器によって直接検出されたエアミッ
クスドア開度、エバポレータ後方のモードセンサにより
検出されたエバポレータ直後の通過空気温度(エバ後温
度)、及びヒータコアの水温固定値(例えば、80°C
とする)を入力し、これら信号に基づいて熱量を演算
し、この熱量に基づいて吹出温度Toを1次的に推定す
るようになっている。
【0014】外気温初期値決定部2は、図4に示される
ように、イグニッションスイッチ(IG.SW)を投入
した時点でマイクロコンピュータにより外気温の推定処
理が行われるもので、イグニッションスイッチを投入す
る前、または一端投入した後においては、ここでの外気
温の演算処理は行われないようになっている(ステップ
50)。IG.SW投入時の外気温推定処理は、先ず、
日射センサによって検出された日射量(Qsun)と、
室温センサによって検出された室温(Tr)を取り込み
(ステップ52、54)、次のステップ56において、
同ステップに示される予めROMに記憶されたマップデ
ータから外気温(Ta)を算出する。この算出された外
気温Taが35°Cより大きい場合には、35°Cを外
気温のMAXとしてTaを35°Cに固定し、外気温T
aが35°C以下である場合には、マップより算出され
た値がそのままTaに設定されるようになっている(ス
テップ58、60)。
【0015】日射量直達・伝達成分演算部3は、図5に
示されるように、日射センサより検出された日射量(Q
sun)と、日射センサからの信号をもとに算出された
日射高度Pとを入力し、車室内に直接侵入する日射熱量
(Qs1)と車体が吸収する日射熱量(Qs2)とを数
式1のように算出する。尚、数式中、h1,h2は演算
係数である。
【0016】
【数1】Qs1=Qsun・h1・sinP Qs2=Qsun・h2
【0017】吹出風量演算部4は、図6に示されるよう
に、空調ユニットの送風機に印加する電圧(ファン電
圧)Vと、吹出モードを変更するモードドアの開度(モ
ード開度)θ1と、インテークドアの開度(インテーク
開度)θ2と、エアミックスドアの開度θ3とを入力
し、ファン電圧Vから予めROMに記憶された電圧−送
風量変換マップ(A)に基づいて送風量f1を算出す
る。また、モード開度θ1から予め記憶されたモード開
度−配風比変換マップ(B)に基づいて配風比f2を算
出し、インテーク開度θ2から予め記憶されたインテー
ク開度−修正値変換マップ(C)に基づいて吸入モード
の変更による吹出風量の修正値f3を算出し、エアミッ
クスドア開度θ3から予め記憶されたエアミックスドア
開度−修正値変換マップ(D)に基づき、エアミックス
ドア開度の変更に伴う吹出風量の修正値f4を算出す
る。そして、これらマップから算出された諸量を乗じて
吹出風量α(=f1・f2・f3・f4)を算出するよ
うになっている。
【0018】ところで、オブザーバ6は、図7の制御ブ
ロックに示される構成となっており、予め同定したフィ
ードバック制御システム(制御対象7)に対する推定モ
デルを有し、検出可能な系の出力値Y(=Tr)と制御
指令値Uとを入力し、動的モデルの内部状態を表す状態
変数を推定すると共に、吹出温度Toと外気温度初期値
Taの修正量を推定するようになっている。
【0019】今、車室及び車体の熱収支モデルを数式2
のように考える。ここで、Taは外気温を表し、Toは
車室へ吹き出す空気の吹出温度、Trは車室内温度(室
温)、Tbは車体温度、Mrは車室内の熱容量、Mbは
車体の熱容量、αは前述した車室内へ吹き出す吹出風
量、βは車室内から車体への熱伝達率、δは車体から大
気への熱伝達率、Qs1は前述した直接車内に侵入する
日射熱量(日射量の直接成分)、Qs2は車体が吸収す
る日射熱量(日射量の伝熱成分)を表す。
【0020】
【数2】Mr・dTr/dt=α(To−Tr)−β
(Tr−Tb)+Qs1 Mb・dTb/dt=β(Tr−Tb)−δ(Tb−T
a)+Qs2
【0021】上記微分方程式を行列表現すると、数式3
のようになり、これを書き直すと、図7の制御対象7を
示す数式4で表される状態方程式となる。ここで、X
(=[Tr,Tb]T )は状態変数ベクトルであり、U
(=[To,Ta,Qs1,Qs2]T )は制御指令値
ベクトルである。また、A,B,Cは、数式3の対応す
る係数行列である。
【0022】
【数3】
【0023】
【数4】dX/dt=A・X+B・U Y=Tr=C・X
【0024】以上の制御対象7に対して設けられたオブ
ザーバ6は、推定モデルにおいて推定される状態変数X
(室温Tr及び車体温度Tb)の推定値をXS (=[T
S,TbS T )とすると、推定モデルを数式5のよ
うに表わすことができ、これを書き換えれば、数式6の
ように表わすことができる。ここで、TrS は室温の推
定値、TbS は車体温度の推定値である。
【0025】
【数5】
【0026】
【数6】dXS /dt=A・XS +B・U YS =TrS =C・XS
【0027】さらに、図7で示すオブザーバ6は、状態
変数の推定誤差(XS −X)を零に収束させるために、
推定モデルにYとYS との偏差e(=Y−YS )に応じ
たフィードバック量を加えた構成となっている。
【0028】推定モデルは、大別すれば、Trの推定値
(TrS )を推定するTr推定部とTbの推定値(Tb
S )を推定するTb推定部とを有し、YとYS との偏差
e(=Y−YS )は、SW1を介してK1・(Y−
S )としてTr推定部に付加されると共に、SW2を
介してK2・(Y−YS )としてTb推定部に付加され
るようになっている。ここで、K1,K2はフィードバ
ック係数行列を表す。
【0029】YとYS との偏差e(=Y−YS )は、そ
の変化率の大きさが速度判定部8によって判定されるよ
うになっており、偏差の変化速度が所定速度より大きい
場合にはSW1が閉成(ON)されると共にSW2が開
成(OFF)され、偏差の変化速度が所定速度より小さ
い場合には、SW1が開成(OFF)されると共にSW
2が閉成(ON)されるようになっている。ここで、S
W1,SW2は、速度判定部8による判定結果によって
信号の流れを変更するために便宜的に用いられた概念表
記であり、実際にスイッチング素子として物理的に存在
するものではない。
【0030】ところで、吹出空気温度Toが室温Trに
与える影響をみると、図8(a)で示されるように、T
oのステップ信号に対してTrのステップ応答は比較的
応答速度が速く、これに対して外気温度Taが室温Tr
に与える影響をみると、図8(b)に示されるように、
Taのステップ信号に対してTrのステップ応答は、応
答速度が遅い。このような傾向は、吹出温度が車室内の
温調に直接影響を与えるのに対し、外気温度が車体を介
して車室内の温調に間接的に影響することから理解でき
る。
【0031】このような事実から、偏差e(=Y−
S )が、吹出温度推定部1によって推定された吹出温
度Toの推定誤差によって生じているのであれば、偏差
eの変化速度も速くなることから、eの変化速度が速い
場合にはToを入力値とするTr推定部へフィードバッ
ク量(=K1・e)を付加して動的モデルの修正を図
り、偏差eが外気温初期値決定部2によって決定された
外気温Taの算出誤差によって生じているのであれば、
偏差eの変化速度は遅くなることから、この場合にはT
aを入力値とするTb推定部へフィードバック量(=K
2・e)を付加して動的モデルの修正を図るようにして
いる。
【0032】尚、SW1又はSW2が開成された場合に
は、開成された時点での偏差eの値が記憶され(図7に
おいては、この偏差eが便宜上の概念素子として表記さ
れたHOLD9,10によって記憶される)、スイッチ
が開成された側の推定部にあってもこの記憶された値に
基づくフィードバック量が付加されるようになってい
る。
【0033】また、吹出温度推定部1によって推定され
た吹出温度Toの推定誤差によって偏差e(=Y−
S )の変化が生じている場合には、その偏差eに基づ
いてToを修正すれば推定誤差を零に近づけることがで
きることから、例えば、G1・K1・(Y−YS )にT
oを加えてToの修正量(To’)を算出する。このオ
ブザーバ6で算出されたTo修正量(To’)が最終的
な吹出温度の推定値となる。これに対し、外気温初期値
決定部2によって決定された外気温Taの誤差によって
偏差eの変化が生じている場合には、この偏差eに基づ
いてTaを修正すれば外気温の決定誤差を零に近づける
ことができることから、例えば、G2・K2・(Y−Y
S )にTaを加えてTaの修正量(Ta’)を算出す
る。
【0034】このように、オブザーバ6によって推定モ
デルの状態変数を演算することができると共に、車室内
の吹出温度Toや外気温初期値Taを精度よく推定する
ことができるので、目標吹出温度と吹出温度推定値とに
基づいてエアミックスドア開度を制御する空調装置にあ
っては、吹出温度制御の制御精度を向上させることがで
きる。
【0035】図9に、その一例としてのコントロールユ
ニットによる経時的な制御処理例がフローチャートによ
って示されており、以下、このフローに基づいて説明す
ると、コントロールユニットは、各種センサ、温度設定
器からの信号を入力し(ステップ62)、数式7に示さ
れる関係式により、目標吹出空気温度Tを演算する(ス
テップ64)。ここで、Tptcは、温度設定器によっ
て設定された設定温度であり、a〜eは、演算定数であ
る。
【0036】
【数7】T=a・Tr+b・Ta+c・Qsun+d・
Tptc+e
【0037】そして、各種センサからの信号に基づき、
吹出空気温度の1次的な推定値(To)や、外気温初期
値(Ta)、日射量直達・伝達成分(Qs1,Qs
2)、吹出風量(α)、各種制御パラメータ等を演算し
(ステップ66)、次のステップ68で、これらの演算
結果に基づいて、室温推定値(TrS )、車体温推定値
(TbS )、To修正量(To’)、Ta修正量(T
a’)を演算する。即ち、ステップ68での、具体的な
演算式は省略するが、1次的な吹出空気温度推定値を含
む制御量と室温センサによって検出された車室内温度と
から車室内温度の推定値を演算すると共に、この車室内
温度の推定値と室温センサによって検出された車室内温
度との差に基づいて1次的に推定された吹出空気温度T
oを修正する。
【0038】しかる後に、オブザーバにて修正された吹
出空気温度(To修正量:To’)および前記目標吹出
空気温度Tをもとにエアミックスドア15の開度を演算
する。その具体例としては、図10に示されるように、
目標吹出空気温度Tからの修正量To’のずれSを算出
し(ステップ72)、このSが所定範囲内(例えば、±
2°C以内)にあるか否かを判定する(ステップ7
4)。Sが−2°Cより小さい場合には、修正された吹
出空気温度推定値To’が目標吹出空気温度Tより許容
できないほど高くなっているので、吹出空気温度を下げ
るためにエアミックスドア15をクール側へ移動させ
(ステップ76)、Sが2°Cより大きい場合には、修
正された吹出空気温度推定値To’が目標吹出空気温度
Tより許容できないほど低くなっているので、吹出空気
温度を上げるためにエアミックスドア15をホット側へ
移動させ(ステップ78)、Sが±2°C以内であれ
ば、修正された吹出空気温度推定値Ta’が目標吹出空
気温度Tにほぼ一致しているとみなしてエアミックスド
ア15を停止させる(ステップ80)。
【0039】尚、目標吹出温度の算出にあっては、上述
した所定の演算式から算出する代わりに、温度設定器に
よる設定温度に基づいて予め記憶されたマップから算出
するものであってもよい。また、エアミックスドア開度
の制御にあっても、目標吹出温度と吹出温度推定値とか
ら最適レギュレータ等を介して乗員の最適温熱感が得ら
れる開度を算出する従前の制御が利用可能である。
【0040】
【発明の効果】以上述べたようにこの発明によれば、エ
アミックスドア開度とエバポレータ通過空気温度とに基
づいて吹出空気温度を推定し、この推定された吹出空気
温度を含む制御量と室温センサで検出された車室内温度
とに基づき、車室の空調に関する系の動的モデルから車
室内温度の推定値を演算すると共にこの車室内温度の推
定値と実際の車室内温度との偏差によって吹出空気温度
の修正量を算出し、この修正量を考慮して最終的な吹出
空気温度の推定値が演算されるので、吹出空気温度を精
度よく推定できる。
【0041】このため、この推定された吹出空気温度と
目標吹出温度とによってエアミックスドアを所望の開度
に制御する車両用空調装置にあっては、エアミックスド
アを目標吹出温度が得られる開度に的確且つ速やかに収
束させることができ、吹出温度の制御精度を高めること
ができる。また、従来必要であった水温センサを用いな
くても精度の高いエアミックスドア制御が実現できるの
で、コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る車両用空調装置を示す機
能ブロック図である。
【図2】図2は、本発明に係る車両用空調装置で用いら
れるコントロールユニットにおいて温度推定値、車体温
度推定値、吹出温度推定値TsS を算出する制御系統図
を示す。
【図3】図3は、図2の制御系統図のうち吹出温度推定
部の構成を示すブロック線図である。
【図4】図4は、図2の制御系統図のうち外気温初期値
決定部での処理を示すフローチャートである。
【図5】図5は、図2の制御系統図のうち日射量直達・
伝熱成分演算部の構成を示すブロック線図である。
【図6】図6は、図2の制御系統図のうち吹出風量演算
部の構成を示すブロック線図である。
【図7】図7は、図2の制御系統図のうちオブザーバの
構成を示すブロック線図である。
【図8】図8(a)は、吹出温度Toの変化に対する室
温Trの変化を示す線図であり、図8(b)は、外気温
Taの変化に対する室温Trの変化を示す線図である。
【図9】図9は、コントロールユニットによる経時的な
制御動作例を示すフローチャートである。
【図10】図10は、コントロールユニットによるエア
ミックスドアの開度制御例を示すフローチャートであ
る。
【符号の説明】
BL1 室温センサ BL2 エバ後温度センサ BL3 エアミックスドア開度 BL4 吹出空気温度1次推定部 BL5 オブザーバ BL6 目標吹出空気温度演算部 BL7 エアミックスドア開度制御部 1 吹出温度推定部 6 オブザーバ 15 エアミックスドア 16 室温センサ 17 エバ後温度センサ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エアミックスドアを含む空調制御要素の
    制御量を熱負荷に関する複数の物理量に基づいて算出
    し、吹出空気温度を設定された目標吹出空気温度に収束
    するよう前記空調制御要素を制御する車両用空調装置に
    おいて、 車室内の温度を検出する室温センサと、 エバポレータを通過した空気の温度を検出するエバ後温
    度センサと、 前記エアミックスドアの開度及びエバポレータを通過し
    た空気温度に基づいて車室に吹き出す空気の吹出空気温
    度を推定する吹出空気温度推定部と、 車室の空調に関する系の動的モデルに基づき、前記吹出
    空気温度の推定値を含む制御量と室温センサによって検
    出された車室内温度とから前記車室内温度の推定値を演
    算すると共に、この車室内温度の推定値と前記室温セン
    サによって検出された車室内温度との差に基づいて前記
    推定された吹出空気温度を修正するオブザーバとを具備
    することを特徴とする車両用空調装置。
  2. 【請求項2】 熱負荷に関する物理量に基づいて目標吹
    出空気温度を演算する目標吹出温度演算部と、 前記オブザーバにて修正された吹出空気温度および前記
    目標吹出空気温度をもとに前記エアミックスドアの開度
    を演算するエアミックスドア開度演算部とをさらに具備
    することを特徴する請求項1記載の車両用空調装置。
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