JPH1035223A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JPH1035223A
JPH1035223A JP8192364A JP19236496A JPH1035223A JP H1035223 A JPH1035223 A JP H1035223A JP 8192364 A JP8192364 A JP 8192364A JP 19236496 A JP19236496 A JP 19236496A JP H1035223 A JPH1035223 A JP H1035223A
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Masahiro Tamura
正広 田村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】わだち乗越しの際の操縦安定性と耐偏摩耗性と
を保持しつつ縁石に乗り上げた際に発生しがちであった
ブロックの欠けを防止する。 【解決手段】縦主溝2によりトレッド面3を複数個の陸
部に分割しかつトレッド縁とこのトレッド縁Eに隣り合
う縦主溝との間のショルダー側の陸部4A、又はそれに
隣り合う内の陸部4Bに、この陸部を横切り陸部にブロ
ックが並ぶ多数条の横溝5を形成するとともに、前記ブ
ロックにトレッド縁側の側壁に沿ってタイヤ周方向にの
びかつ横溝で両端が開口する小巾の縦小溝9を設けると
ともに、この縦小溝は、タイヤ周方向の中間位置に溝深
さが小の浅底部10を有しかつ横溝での開口端を最も深
い最深部11とするとともに浅底部と最深部との間に最
深部に向かって深さを増す増深部13を設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、わだち乗越し時に
おける操縦の安定性と耐偏摩耗性とを保持しつつ縁石に
乗り上げ時に発生しがちであったブロック欠けを防止し
うる空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】空気入りタイヤ、殊に大荷重が作用する
重荷重用タイヤにあっては、トレッドパターンとして耐
摩耗性を重視したリブパターンが広く用いられている。
しかしリブパターンにあってもタイヤの中央領域とショ
ルダー領域とにおいて外径差が接地時に縮小されないこ
となどに起因して、路面にショルダ領域のゴムが引きず
られながら回転走行することにより生じるいわゆる径差
摩耗、又この径差摩耗がタイヤ軸方向に拡大進展してシ
ョルダ領域のリブが中央領域に比して著しく摩耗する、
いわゆる肩落摩耗といったある特定のリブだけが他のリ
ブよりも早期に摩耗する偏摩耗が生じることが多々あ
る。
【0003】このような偏摩耗を防止するため、特開平
5−246213号公報、及び特開昭61−14320
5号公報に開示されかつ図7に示す如く、ショルダー領
域sにおいて、ショルダーリブaと、その内側に位置す
る内のリブbとの各ショルダーe側の縁部に巾狭、かつ
タイヤ周方向に連続する細溝gを設けることにより、シ
ョルダーリブaと内のリブbをリブ本体jと細陸部iと
に区分して、この細陸部iに図7の実線で示すように摩
耗を集中させリブ本体jに偏摩耗が生じるのを抑制する
ことが行われている。
【0004】他方、前記リブ基調からなるパターンを有
する空気入りタイヤにあっては、わだちのある路面を進
行する際にわだちから脱出する際に大きな外力を受け、
この外力によってハンドルが取られるワンダリングが発
生する。このようなワンダリングの発生を防止するため
には、グリップ力の向上、殊にショルダー領域における
グリップ力を高める必要があり、ショルダー領域に位置
する前記ショルダーリブ及び内のリブに横溝を設けて多
数のブロックが並ぶブロックパターンとして形成するこ
とにより解決を見ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし前記した如く横
溝を設けることにより、偏摩耗の抑制と、耐ワンダリン
グ性に対しては向上が見られたものの、ショルダーリブ
がブロック化され、周方向に短寸のブロックd…が並ぶ
ため、細陸部iの周方向長さも短小となる。
【0006】このため、走行時において縁石に乗り上げ
た場合、細陸部iが図8に示す如くめくれ上がり引きち
ぎられることとなり、耐偏摩耗を低下させ、又氷雪路走
行に際しては横すべりが発生しやすくなる他、タイヤの
見映えも劣る。
【0007】発明者は、前記細陸部のめくれ上がりを阻
止することについて検討を重ねた結果、縁石に乗り上げ
た際には、細溝gの溝底の開口端において応力が集中す
る結果、ブロックdに亀裂が生じるなどにより破損の原
因となることに着目し、この応力集中の緩和を図ること
によって、細陸部iの引きちぎれを防止しうることを見
出し、本発明を完成させたのである。
【0008】本発明は、ショルダー側の陸部及びそれに
隣り合う内の陸部を横溝で区切ることによりそれぞれブ
ロックを形成し、かつそのブロックに設ける縦小溝を設
け、しかもその溝深さを、開口端に向かって深さを増す
増深部を設けることを基本として、タイヤの耐偏摩耗性
と耐ワンダリング性能を保持しつつ、縁石乗り上げ時に
生じるブロックの欠けを防止でき、耐久性の向上と、走
行時における見映えを高めうる空気入りタイヤの提供を
目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、タイヤ周方向
にのびる縦主溝によりトレッド面を複数個の陸部に分割
しかつトレッド縁とこのトレッド縁に隣り合う縦主溝と
の間のショルダー側の陸部、又はショルダー側の陸部に
隣り合う内の陸部に、この陸部を横切り陸部をブロック
が並ぶブロック列とする多数条の横溝を形成するととも
に、前記ブロックにトレッド縁側の側壁に沿ってその近
傍でタイヤ周方向にのびかつ横溝で両端が開口する小巾
の縦小溝を設けるとともに、この縦小溝は、タイヤ周方
向の中間位置に溝深さが小の浅底部を有しかつ横溝での
開口端を最も深い最深部とするとともに浅底部と最深部
との間に最深部に向かって深さを増す増深部を設けてな
る空気入りタイヤである。
【0010】ショルダー側の陸部、又はそれに隣り合う
内の陸部は、周方向に並ぶブロックによって形成されて
いる。これによってわだちの乗越えに際してハンドルが
取られることなく、操縦が安定し、耐ワンダリング性能
を具えている。
【0011】又、前記ブロックにトレッド縁側の側壁に
沿って小巾の縦小溝を設けることにより、この縦小溝に
タイヤ走行時において、タイヤ中央域と、ショルダ域と
の径差によって生じる偏摩耗を縦小溝と前記側壁との間
に形成される細陸部に集中させて発生させることが出
来、他のリブに偏摩耗が生じるのを防ぎ、タイヤの耐久
性を高めうる。
【0012】しかも、縦小溝は、中間位置に浅底部を有
し、横溝での開口端を最深部とするとともに、浅底部と
最深部との間に最深部に向かって深さを増す増深部を設
けている。これによって、走行時においてタイヤが縁石
に乗り上げた際にも、縦小溝のショルダー側に形成され
る前記細陸部は、縁石に乗り上げによる該細陸部にめく
れが生じた場合であっても、応力は前記増深部の略全域
において分散されるため、縦小溝の開口端に応力が集中
し、亀裂が生じる危険を排除することが出来、ブロック
の破損を防ぎタイヤの耐久性を高めるとともに走行時に
おけるタイヤの見映えを向上しうる。
【0013】又請求項2に記載のように、浅底部はタイ
ヤ周方向に溝底面が同深さで連続する均深部を有し、か
つ前記増深部は開口端に向かって、溝深さを増して開口
端に連なり略直線で傾く傾斜面部を具え、しかも最深部
の溝深さDに対する、該溝深さDと傾斜面部両端の溝深
さとの差である落差hの比h/Dが0.1以上かつ0.
7以下とし、前記落差hに対する傾斜面部のタイヤ周方
向長さwの比w/hが0.6以上かつ1.2以下と規制
した場合には、前記縁石乗り上げ時において、縦小溝に
生じる応力を前記増深部の略全域に亘って均等に分担さ
せることが出来、ブロックの破損をより効果的に防止し
うる。
【0014】このように本発明においては、わだち乗り
越し時における操縦の安定性と耐偏摩耗とを保持しつつ
縁石への乗り上げ時に発生しがちであったブロックの欠
けを防止し、タイヤの耐久性を向上しかつ見映えを高め
うる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態の一例
を、空気入りタイヤがタイヤサイズが11R22.5の
重荷重用タイヤである場合を例にとり、図面に基づき説
明する。
【0016】図1〜4において空気入りタイヤは、タイ
ヤ周方向にのびる複数本の縦主溝2…によりトレッド面
3を複数個の陸部3A、3B、3C…に分割し、かつト
レッド縁Eとこのトレッド縁Eに隣り合う縦主溝2Aと
の間のショルダー側の陸部4Aと、このショルダー側の
陸部4Aに隣り合う内の陸部4Bに、これらの陸部4
A、4Bを横切り該陸部4A、4Bをブロック5…が並
ぶブロック列とする多数条の横溝6…を形成している。
【0017】なお本例においては、前記縦主溝2Aはジ
グザグ状に折曲がって周回するジグザグ溝として形成さ
れ、又、内の陸部4Bは、内の主溝2Bを隔ててタイヤ
赤道に跨がり配される中央の陸部4Cと隣接している。
【0018】又、本例においては、前記中央の陸部4C
もタイヤ赤道上をのびるジグザグ状の中央の縦溝16、
この中央縦溝16と前記内の主溝2Bとを結ぶ中央の横
溝17…とによって、多数個の中央のブロック19…を
2列配列したブロック列が形成される。従ってトレッド
面3にはブロック5…、19…が並ぶ複数のブロック列
からなるブロックパターンを形成している。
【0019】又、空気入りタイヤ1は、トレッド部22
からサイドウォール部23をへてビード部24のビード
コア25の周りを折返して立上がるカーカス26と、ト
レッド部22の内部かつ前記カーカス26の半径方向外
側に配されるベルト層27とを具える。
【0020】前記カーカス26は、ナイロン、レーヨ
ン、芳香族ポリアミドなどの有機繊維コード又はスチー
ルコードをタイヤ赤道Cに対して70〜90°傾けて配
列したラジアル又はセミラジアル構成からなるカーカス
プライを1枚又は複数枚重ね合わせて形成している。
【0021】前記ベルト層27は2〜4枚、本例では4
枚のベルトプライ27A、27B、27C、27Dをタ
イヤ半径方向内側から外側に向かって重ね合わせてな
り、これらのベルトプライ27A、27B、27C、2
7Dは、ナイロン、ポリエステル、レーヨン、芳香族ポ
リアミド等の有機繊維コード、又はスチールコードをタ
イヤ赤道面に対して傾斜させて配列しており、ベルトプ
ライ27Bと27Cのコードは互いに交差する向きに配
列している。本例では、前記ベルトプライ27A、27
B、27C、27Dはそのコードの傾きを半径方向内側
から外側に向かって50°右/18°右/18°左/1
8°左として配列している。
【0022】前記トレッド縁と隣り合う縦主溝2Aは、
本例においては、その溝深さGdをトレッド巾TWの6
〜12%、又その溝巾Gwを、前記トレッド巾TWの4
〜10%として形設される。
【0023】前記ブロック5には、トレッド縁E側の側
壁7に沿って、その近傍でタイヤ周方向にのびる縦小溝
9が設けられる。この縦小溝9は周方向前後の横溝6、
6にそれぞれで開口することにより、ブロック5を縦小
溝9によってトレッド縁E側の細陸部8と、タイヤ赤道
C側のブロック本体5aとに区分している。
【0024】ここで細陸部8の巾寸法w2は、該ブロッ
ク5のタイヤ軸方向の巾であるブロック巾w4の0.0
5〜0.3倍の範囲に設定される。なお、前記巾寸法w
2、w4に若干の変動がある場合には、平均値でもって
比較する。0.05倍未満では細陸部8の剛性が著しく
低下する結果、タイヤ軸方向への倒れ込みが容易とな
り、細陸部8表面の接地を保ちつつ滑らせることができ
ないために、細陸部8自体に摩耗を集中させ得ず他の陸
部に偏摩耗を発生させる原因となる。
【0025】さらに細陸部8の巾w2が小であることに
よって、縁石に乗り上げた際に、細陸部8は縁石との衝
合によりめくれが発生し、ブロックを破損させることが
ある。好ましくは、前記巾比w2/w4を0.05〜
0.2にするのがよい。又前記比w2/w4が0.05
〜0.08の範囲において、細陸部8の剛性が小とな
り、前記した効果が顕著に現れることとなる。
【0026】前記縦小溝9の溝巾w1は、0.5〜3.
0mmの範囲に設定される。0.5mm未満ではタイヤが接
地した際に、細陸部8とブロック本体5aとが衝合し、
ブロックは一体として機能するため、細陸部8自体に摩
耗を集中させることは出来ず他の陸部に偏摩耗を発生さ
せる他、タイヤ金型の製造に困難を来す。
【0027】又前記溝巾w1が3.0mmをこえると、細
陸部8とブロック本体5aとの離間距離が大となる結
果、細陸部8のタイヤ軸方向に対する変形量が大となり
ゴム欠けの原因となる他、細陸部8の表面に摩耗エネル
ギーを集中させることが出来ないことによる。好ましく
は1.5〜2.5mmの範囲とすることである。
【0028】この縦小溝9は、タイヤ周方向中間位置に
溝深さが小の浅底部10を有し、又横溝6で開口する開
口端Fで最も溝底が深い最深部11として形成してい
る。さらに、この浅底部10と最深部11との間に、最
深部11に向かって深さを増す増深部12を形成してい
る。
【0029】なお、本例では最深部11における溝深さ
Dは、前記縦主溝2Aの溝深さGdの50〜100%と
して形成される。最深部の溝深さDが前記縦主溝3Aの
溝深さGdの50%未満となれば、細陸部8の剛性が高
すぎてブロック本体5aとの間の剛性差が小となり、細
陸部8へ摩耗を集中させることが困難となる一方、10
0%をこえるとこのような溝深さDを確保するためにト
レッド部22のゴムケージが厚くなり、タイヤ重量が大
かつタイヤの発熱が大となるため好ましくない。なお、
細陸部8のゴム欠け等を確実に防止する観点から縦小溝
9の溝深さDを前記縦主溝3Aの溝深さGdの50〜8
0%とすることが更に好ましい。
【0030】本例では、前記浅底部10は、溝底面がタ
イヤ周方向に同深さで連続する均深部13を具えてい
る。他方、前記増進部12には、開口端Fに向かって溝
深さDを増して開口端Fに連なるとともに略直線で傾く
傾斜面部を具え、浅底面は台形状に形成されている。
【0031】さらに、最深部11の溝深さDに対する該
溝深さDと傾斜面部14両端の溝深さdとの差である落
差hの比h/Dを0.1以上かつ0.7以下とする一
方、前記落差hに対する傾斜面部14のタイヤ周方向長
さwの比w/hを0.6以上かつ1.2以下としてい
る。
【0032】前記比h/Dが0.1未満では落差hが小
さすぎ、傾斜面部14の上端又は開口端Fをなす下端に
応力が集中し、この応力集中点を起点としてトレッドゴ
ムに亀裂が生じやすい。より好ましくは比h/Dを0.
3以上とすることである。
【0033】他方、前記比h/Dが0.7をこえると、
浅底部10の溝深さdが浅くなるため、細陸部8の剛性
が過大となり、又、トレッド面の摩耗初期において、細
陸部ん8がブロック本体5aと一体化される結果、細陸
部8を設けた本来の目的である細陸部8がブロック本体
と分離して動くことが出来、細陸部8自体が摩耗犠牲部
となるという効果を奏し得ない。より好ましくは前記比
h/Dを0.5以下とすることである。
【0034】又比w/hが0.6未満では、傾斜面部1
4の上端、即ち浅底部10との接続端に応力が集中し、
そこから亀裂が発生しやすい。従ってより好ましくは
0.8以上とすることである。他方前記比w/hが1.
2をこえると傾斜面部14の下端、即ち前記開口端Fに
おいて応力が集中し、亀裂が発生しやすい。より好まし
くは前記比w/hを1.0以下とすることである。
【0035】なお前記増深部11は図5に示すように、
間口端Fに向かって階段状に溝深さを増すように形成し
てもよく、又図9に示すように開口端Fに小長さの平行
部を設けてもよく、さらには、図4に示すように増深部
11を傾斜面として形成した場合にあっても、その溝底
面を凸状又は凹状に湾曲させて形成してもよく、本発明
は種々な態様のものに変形できる。
【0036】
【実施例】タイヤサイズが11R22.5であり、かつ
図1及び図9に示すトレッドパターンと、図2に示す断
面構成を有するタイヤについて表1に示す仕様で試作す
る(実施例1〜8)とともにその性能についてテストを
行った。なお従来構成のタイヤ(従来例1〜2)につい
ても併せてテストを行い性能の比較を行った。
【0037】実施例、従来例、及び比較例ともタイヤの
断面構成は表2に示す基本構成によって形成した。又テ
ストに際してブロックは、ショルダー側の陸部4Aに配
されるブロックに限定してその縦小溝の構成を変化さ
せ、比較を行った。
【0038】テスト方法は次の通り。 A)偏摩耗テスト 各テストタイヤを7.50×22.5のリムに装着し、
8.00kgf/cm2 の内圧を付加するとともに、2−D
・4車両の前輪に装着し、かつ10ton の積載量のもと
で、乾燥舗装路を20000km走行させた後、図7に示
すようにブロック5の本体5aに発生した偏摩耗の最大
深さを測定した。なお偏摩耗量は、1mm未満であれば問
題はない。
【0039】B)縦小溝の損傷 A)項の走行後において縦小溝9に発生した亀裂の個数
を目視により測定した。亀裂の数は、左右両輪に発生し
た個数の平均値を示す。
【0040】C)引き裂きテスト テストタイヤのショルダー側の陸部4Aに配されるブロ
ック5について図6に示すように、細陸部8の先端Pを
ブロック側に45度の角度αでタイヤ軸方向外方かつト
レッド面3に対して下方に45度の角度βで傾く向きに
引張り引裂き強さを測定するとともに、従来例1を10
0とする指数で示した。数値が大きいほど良好である。
【0041】D)わだち乗越しテスト A項の偏摩耗テスト時において、走行初期段階でわだち
乗越し時の操縦安定性をドライバーの官能により判定す
るとともに、5段階法により評価した。数値が大きいほ
ど良好であり3が平均値である。テスト結果を表1に示
す。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】テストの結果、実施例のものは従来例及び
比較例のものに比べて耐摩耗性及びわだち乗越し時にお
ける操縦安定性を保持しつつ縦小溝の損傷を低減し得た
ことが確認出来た。
【0045】
【発明の効果】叙上の如く本発明の空気入りタイヤは、
前記した如くショルダー側の陸部、内部に横溝を設ける
ことによりブロックを形成しかつそのブロックに、トレ
ッド縁に沿う縦小溝を設けるとともに、前記縦小溝に開
口端を最深部とし、最深部に向かって深さを増す増深部
を設けることを要旨としたため、わだち乗越し時におけ
る操縦安定性の確保と耐偏摩耗性を保持しつつ縁石に乗
上げた際に発生しがちであったブロックの欠けを防止で
き、タイヤの耐久性を高め、重荷重用タイヤに好適に採
用しうる。
【0046】又請求項2記載のように増深部を傾斜面と
して形成するとともに、傾斜面の高さ及び長さを規制す
ることによって、ブロックの欠けをより効果的に抑制し
うる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例のトレッドパターン
を示す展開平面図である。
【図2】その軸方向断面を示すX−X線断面図である。
【図3】ブロックを例示する斜視図である。
【図4】その縦小溝を示すタイヤ周方向断面図である。
【図5】縦小溝の他の形態を示すタイヤ周方向断面図で
ある。
【図6】ブロックの引裂き試験を示す斜視図である。
【図7】従来のブロックを示すタイヤ軸方向断面図であ
る。
【図8】従来のブロックの損傷状態を示す斜視図であ
る。
【図9】他の縦小溝を示すタイヤ周方向断面図である。
【図10】従来の縦小溝を示すタイヤ周方向断面図であ
る。
【符号の説明】
2、2A 縦主溝 3 トレッド面 4A ショルダ側の陸部 4B 内の陸部 5 ブロック 6 横溝 7 側壁 9 縦小溝 10 浅底部 11 最深部 12 増進部 13 均深部 14 傾斜面部 D 縦小溝の最深部の溝深さ E トレッド縁 F 開口端 Gd 縦主溝の溝深さ h 落差 TW トレッド巾 w 斜面部の長さ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タイヤ周方向にのびる縦主溝によりトレッ
    ド面を複数個の陸部に分割しかつトレッド縁とこのトレ
    ッド縁に隣り合う縦主溝との間のショルダー側の陸部、
    又はショルダー側の陸部に隣り合う内の陸部に、この陸
    部を横切り陸部をブロックが並ぶブロック列とする多数
    条の横溝を形成するとともに、 前記ブロックにトレッド縁側の側壁に沿ってその近傍で
    タイヤ周方向にのびかつ横溝で両端が開口する小巾の縦
    小溝を設けるとともに、 この縦小溝は、タイヤ周方向の中間位置に溝深さが小の
    浅底部を有しかつ横溝での開口端を最も深い最深部とす
    るとともに浅底部と最深部との間に最深部に向かって深
    さを増す増深部を設けてなる空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】前記浅底部は、タイヤ周方向に溝底面が同
    深さで連続する均深部を有し、かつ前記増深部は、開口
    端に向かって、溝深さを増して開口端に連なり略直線で
    傾く傾斜面部を具え、しかも、最深部の溝深さDに対す
    る、該溝深さDと傾斜面部両端の溝深さの差である落差
    hの比h/Dが0.1以上かつ0.7以下とし、前記落
    差hに対する傾斜面部のタイヤ周方向長さwの比w/h
    が0.6以上かつ1.2以下とするとともに、縦主溝の
    溝深さGdはトレッド巾の6〜12%、前記最深部の溝
    深さDは前記縦主溝の溝深さGdの50〜100%とし
    たことを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
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