JPH1034831A - 複合シート,複合防水材および複合防水工法 - Google Patents

複合シート,複合防水材および複合防水工法

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JPH1034831A
JPH1034831A JP20922196A JP20922196A JPH1034831A JP H1034831 A JPH1034831 A JP H1034831A JP 20922196 A JP20922196 A JP 20922196A JP 20922196 A JP20922196 A JP 20922196A JP H1034831 A JPH1034831 A JP H1034831A
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JP
Japan
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composite
sheet
rubber
waterproof
thermoplastic resin
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Application number
JP20922196A
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English (en)
Inventor
Hikari Kano
光 加納
Yuuji Okiyoshi
勇二 沖吉
Yoshinobu Yasuda
義信 安田
Shuya Tsuji
修也 辻
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SOUWA KAGAKU SANGYO KK
Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
SOUWA KAGAKU SANGYO KK
Mitsuboshi Belting Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複合防水施工にあたり、下地やFRP防水層
の動きへの追従性にすぐれ、下地の動きやFRP防水層
の変形、ひび割れに対して変形の蓄積をなくすると共
に、ゴム性防水シートとFRP防水層との接着強度のよ
り一層の向上をはかる。 【解決手段】 ゴム製防水シート2,熱可塑性樹脂フィ
ルム3,繊維強化材の順で積層一体化した複合シートな
らびに基布5を加え、ゴム製防水シート2,熱可塑性樹
脂フィルム3,基布5,繊維強化材の順で積層一体化し
た複合シートを用い、建築物の下地1表面に、下地側1
からゴム製防水シート2,熱可塑性樹脂フィルム3,
(基布5),繊維強化熱硬化性樹脂防水層4の順に敷設
一体化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複合シート及び建築
物の屋上、ベランダ,バルコニー等の主としてコンクリ
ート下地面上に施工敷設する複合防水材ならびに複合防
水工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、建築構造物の防水工法としては、
ゴムアスファルトやウレタンエラストマーなどの粘稠液
を塗布して防水塗膜を形成させるか、または、ガラス繊
維などの繊維強化材を配置した後に液状の熱硬化性樹脂
を流し込み硬化させることによってFRP防水層を形成
する塗膜防水工法、あるいは上記の下地上にゴムアスフ
ァルトシートやゴムシートなどのルーフィングシートを
敷設するシート防水工法が一般に知られている。
【0003】このうち、前者の塗膜防水工法は、耐水
性,耐熱性,遮塩性,擦傷性、耐侯性,ガスバリヤ性に
優れるとともに継ぎ目なしの防水層が形成できるので美
観の良い防水層が得られる。また、シート防水よりも防
水層の強度が高いので人間が歩行するような場所への適
用が可能であるという利点を有している。
【0004】しかし、反面、繊維材料が混入しているた
め材料の伸びが非常に小さくなる欠点があり、この欠点
は次のような問題を生じる。即ち、コンクリートやモル
タルなどの建築物においては、乾燥収縮や地盤沈下、地
震などにより、低速度及び高速度の伸縮運動が繰り返し
起こるため、その表面には必然的に亀裂が生じる。そし
て、この亀裂は漏水の原因になることから、これら建築
物に対しては防水施工を行う必要がある。一般に、この
ような防水施工を行う場合、適用される防水材として
は、建築物下地において低速及び高速の伸縮運動や亀裂
が生じた場合でも、形成された防水層自体は容易に亀裂
や剥離を生じないように、伸縮性、接着性、さらには耐
久性の優れたものであることが要求される。ところが、
前述のFRP塗膜防水材はその伸びが小さいため亀裂追
従性に劣る。これは建築物の屋上防水等の特に応力の集
中する箇所では防水材の破断につながるものである。ま
た、シート防水と比較すると防水層を均一な厚さに形成
し難く、しかも、ピンホール等が生じ易く完全な防水層
の形成に難点がある。
【0005】一方、後者のシート防水工法は、均一な厚
さの防水層が形成し易い反面,シート同士のラップ或い
はジョイントが必ずあるのでその部分の防水性に問題が
発生し易く、また、ジョイントが目立ち外観に劣るとい
う欠点がある。また、塗膜防水に比べると剛性が小さく
人間が歩行するような場所への適用は困難であった。
【0006】そこで、上記夫々の長短を考慮し、シート
と塗膜を組み合わせた複合防水工法が研究され、これに
ついて種々検討がなされて来たが、未だ完全な防水工法
は確立されているに至っていないのが現状である。その
理由としては、シート材料は一般にゴムシートやゴムア
スファルトシートが使用されるが、これらは熱可塑性物
質であり、その寸法安定性は極めて悪い、従って多くの
場合ポリエステル繊維などの補強材が導入されている。
一方、塗膜材料の多くは熱硬化性樹脂であるため、この
両者間には温度差に基づく線膨張係数の相違があり、そ
の接合界面においてソリやずれを生じ、やがては膨潤や
亀裂の原因となり、密着追従性のよい防水層が得られな
いなどの問題が挙げられる。
【0007】例えば、特公昭和61−17988号工法
においてはゴムアスファルトシートにウレタン塗膜防水
材を積層したものが開示されている。しかし、この構造
の場合、塗膜防水材に使用される溶剤がゴムアスファル
トシートに影響を及ぼし、安定な防水層の形成を阻害す
るという問題点がある。また、特開昭52−94617
号公報には、下地にポリウレタンを塗布し、その上にグ
ラスファイバーを敷いて合成樹脂を塗布してFRP層を
形成する複合防水工法が開示されているが、この場合は
ポリウレタン層とFRP層とのあいだの十分な接着強度
を得るのが難しく層間での剥離が起こるという問題が発
生していた。
【0008】また、特開平1−219242号公報では
FRPとポリウレタン樹脂の有用な部分を活かしたもの
として、ポリウレタン樹脂層上にFRP防水層を設けた
構造体が提案されている。ここでは、特に問題点となる
ポリウレタン樹脂層とFRP防水層の層間接着性につい
て、次のような改良策を提案している。即ち、ポリウレ
タン樹脂層側にFRPの樹脂と接着のよい、粒径0.4
mm以上のプラスチック粒状物を添加し、一体層を設け
るという方法である。この施工構造物および施工法は前
記したコンクリートのクラック追従性について優れた性
能を示す。しかし、この方法には次のような問題点があ
る。
【0009】すなわち、プラスチック粒状物がポリウレ
タン樹脂層の表面に現れた粒状物とFRPの樹脂が接触
し、接着力が向上するので、均一に粒状物が表面に凸状
型に現れていなければならないが、ウレタン樹脂、粒状
物の比重、塗装方法、塗装地の外、気温によるウレタン
樹脂の粘度変化などにより、粒状物が沈み込んで表面に
凸状に現れないことがあり、この場合にはFRP層とウ
レタン樹脂層の接着力が弱くなることである。
【0010】更に、特開平3−261547号公報に
は、FRP層とJISK6301に規定する試験方法で
引張伸び率が30%以上の高分子組成物層をFRP用接
着剤を介在して接着して敷設する工法が開示されている
が、この工法はFRP層と高分子組成物層との接着性は
向上していると言えるものの十分な接着とはいえない。
【0011】また、ゴムアスファルト防水層とFRP防
水層の複合防水の場合は、次のような問題がある。即
ち、建築物の屋根等の下地は、一見ではわからない程度
に横揺れしたり、傾いたり、ひび割れが発生する等の一
時的な動きを繰り返しており、その動きによってFRP
防水層の変形やひび割れが生じることにもなる。ゴムア
スファルト層が伸ばされた場合、下地が元の状態に戻っ
たあとでも伸ばされた状態で安定してしまう。そして次
の下地の動きの際には、一度伸ばされた状態から更に伸
ばされることになり、そのような変形を繰り返し受ける
ことによって、ゴムアスファルト層には変形が蓄積する
ことになるので、強度の低下が大きいという問題であ
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の如く従
来既知の各工法の一長一短にもとづき、これを更に改善
し、下地側にゴム性防水シートを用い、表面側にFRP
防水層を配設することにより、下地やFRP防水層の動
きへの追従性にすぐれ、下地の動きやFRP防水層の変
形、ひび割れに対して変形の蓄積をなくすると共に、ゴ
ム性防水シートとFRP防水層との接着強度のより一層
の向上をはかることを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】即ち、上記目的に適合す
るため、本発明は先ず建築物の下地表面に敷設する防水
材の基本的素材構成として、ゴム製防水シート,熱可塑
性樹脂フィルム,繊維強化材の順で積層一体化した複合
シートならびに基布を加え、ゴム製防水シート,熱可塑
性樹脂フィルム,繊維強化材の順で積層一体化した複合
シート、更に基布として不織布を用いた複合シートの構
成を特徴とする。また、本発明は前記目的に適合するた
め、上記複合シートを用い、建築物の下地表面に敷設す
る防水材構成として、下地側からゴム製防水シート、熱
可塑性樹脂フィルム、繊維強化熱硬化性樹脂防水層の順
に一体化した構成とした。
【0014】請求項5に記載の発明は上記の防水材構成
に更に基布を併用し、下地側からゴム製防水シート、熱
可塑性樹脂フィルム、基布、繊維強化熱硬化性樹脂防水
層の順に積層一体化したものである。また、請求項6記
載の発明は上記基布として不織布を用いることを特徴と
している。請求項7及び8記載の発明は上記複合防水材
構造をもって防水施工する複合防水工法であって、請求
項7記載の発明は、下地上に、下地側からゴム製防水シ
ートと熱可塑性樹脂フィルムと、繊維強化材を予め一体
化して敷設した後、液状の熱硬化性樹脂を前記繊維強化
材に含浸させるように塗布し、のち、熱硬化性樹脂を硬
化させることによって下地上に複合防水層を形成、施工
する工法である。
【0015】請求項8記載の発明は上記工法において、
基布を付加し、ゴム性防水シートと熱可塑性樹脂フィル
ムと基布を予め一体化して敷設し、その上に繊維強化材
を配設した後、液状の熱硬化性樹脂を前記繊維強化材に
含浸させるように塗布し、熱硬化性樹脂を硬化させるこ
とによって複合防水層を形成せしめるものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、更に本発明の具体的な実施
の形態を詳述する。
【0017】本発明複合シートは上述の如く、基本的に
ゴム製防水シート,熱可塑性樹脂フィルム,繊維強化材
よりなり、また複合防水材としてゴム製防水シート、熱
可塑性樹脂フィルム、繊維強化熱硬化性樹脂防水層より
なるものであり、発展態様として熱可塑性樹脂フィルム
と繊維強化材又は繊維強化熱硬化性樹脂防水層との間に
基布を介在せしめている。
【0018】ここで、ゴム製防水シートとしてはEPT
(エチレン・プロピレン・ターポリマー)、EPTとI
IR(ブチルゴム)のブレンド物等の加硫または非加硫
ゴムシートが用いられる。最も好ましくはEPTであ
る。EPTは他のゴムに比べて耐侯性に優れており長期
に亘って防水機能を保持することができる。また、発泡
ポリエチレン、発泡ポリスチレンなどからなり下地側に
脱気用の溝を設けたシートをゴム製防水シートの下に接
着積層し、図示はしないが所定ピッチで配置した脱気筒
につながる通路を設けてもよい。そうすることによっ
て、下地から発生する蒸気を排出することができる。
【0019】このゴム製防水シートは厚みとして0.5
〜3.0mm、更に好ましくは1.0〜2.0mmのも
のが用いられ、3.0mmを越えるとジョイント部の段
差が大きくなって水たまりの原因となったり、剛性が大
きすぎて排水孔のある箇所などを施工する際に作業上の
取り扱いが不便となり、0.5mm未満であると耐外傷
性が十分に得られないので夫々好ましくない。
【0020】また、前記熱可塑性樹脂フィルムの素材と
しては、ポリエチレン、EVA、塩化ビニル、ポリプロ
ピレン、ポリスチレン、ポリアミド等の熱可塑性樹脂が
挙げられる。この熱可塑性樹脂フィルムの厚みは0.0
3〜0.1mmの範囲が好ましく、0.1mmを越える
と他の材料との熱融着の際にうける熱量のばらつきが発
生し易く、部分的に接着力不足となる可能性が高くな
り、0.03mm未満であると厚みがなく、単位面積当
たりの絶対的な樹脂の量が不足し基布やFRPを構成す
る繊維材料との間の接着力が得られないので好ましくな
い。
【0021】なお複合防水材において、繊維強化熱硬化
性樹脂防水層に使用される熱硬化性樹脂としては、不飽
和ポリエステル樹脂、ポリエステルアクリレートやエポ
キシアクリレートと呼ばれるビニルエステル樹脂、ウレ
タン変成ビニルエステル樹脂、また、アクリルシラップ
樹脂と呼ばれる熱可塑および熱硬化型のメチルメタクリ
レート樹脂、メタアクリル酸エステル変成樹脂等が用い
られる。これらの樹脂の基本組成はポリマーと架橋モノ
マーからなり、熱、光、過酸化物の添加でラジカル硬化
する。その他エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン
樹脂、アリル樹脂、キシレン樹脂など公知慣用の液状熱
硬化性樹脂等が挙げられ、好ましくは不飽和ポリエステ
ル樹脂、ビニルエステル樹脂である。 このうち、不飽
和ポリエステル樹脂としては、α、β−不飽和二塩基酸
又はその酸無水物と、芳香族飽和二塩基酸又はその酸無
水物と、グリコール類の重縮合によって製造され、場合
によっては酸成分として脂肪族或いは脂肪族飽和二塩基
酸を併用して製造された不飽和ポリエステル30〜80
重量部を、α、β−不飽和単量体70〜20重量部に溶
解して得られるものが挙げられる。また、ビニルエステ
ル樹脂には、不飽和ポリエステルの末端をビニル変性し
たもの、及びエポキシ樹脂骨格の末端をビニル変性した
ものが含まれる。これらは、必要により硬化触媒、硬化
促進剤等を添加するが、なかでも硬化触媒、硬化促進剤
の添加は頗る有用である。
【0022】上記のα,β−不飽和二塩基酸又はその酸
無水物としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロルマレイン酸及び
これらのエステル等があり、芳香族飽和二塩基酸又はそ
の酸無水物としては、フタル酸、無水フタル酸、イソフ
タル酸、テレフタル酸、ニトロフタル酸、テトラヒドロ
無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル
酸、ハロゲン化無水フタル酸及びこれらのエステル等が
あり、更に脂肪族或いは脂肪族飽和二塩基酸としてはシ
ュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン
酸、アゼライン酸、グルタル酸、ヘキサヒドロ無水フタ
ル酸及びこれらのエステル等があり、それぞれ単独或い
は併用して使用される。
【0023】グリコール類としては、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジ
プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,
4−ブタンジオール、2−メチルプロパン、1,3−ジ
オール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコ
ール、テトラエチレングリコール、1,5−ペンタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、ビスフェノール
A、水素化ビスフェノールA、エチレングリコールカー
ボネート、2,2−ジ−(4、ヒドロキシプロポキシジ
フェニル)プロパン等が挙げられ、単独或いは併用して
使用されるが、そのほかにエチレンオキサイド、プロピ
レンオキサイド等の酸化物も同様に使用できる。また、
グリコール類と酸成分の一部としてポリエチレンテレフ
タレート等の重縮合物も使用することができる。
【0024】また、上記α,β−不飽和単量体として
は、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、
クロルスチレン、ジクロルスチレン、ビニルナフタレ
ン、エチルビニルエーテル、メチルビニルケトン、メチ
ルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリ
レート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビ
ニル化合物およびジアリルフタレート、ジアリルフマレ
ート、ジアリルサクシネート、トリアリルシアヌレー
ト、等のアリル化合物などの不飽和ポリエステルやビニ
ルエステル樹脂と架橋可能のビニルモノマー或いはビニ
ルオリゴマー等が挙げられ、単独或いは併用して用いら
れるが、一般的にはスチレンが使用される。
【0025】次に硬化触媒としては、不飽和ポリエステ
ル樹脂、ビニルエステル樹脂等に作用するもので、例え
ばアゾイソブチロニトリルのようなアゾ化合物、ターシ
ャリ−ブチルバ−ベンゾエート、ターシャリ−パーオク
トエート、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケ
トンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等の有機
過酸化物等を挙げることができ、不飽和ポリエステル樹
脂100重量部に対して通常0.3〜3重量部の範囲で
用いることができる。
【0026】また、硬化促進剤としては、有機酸の金属
塩類、特にコバルト塩、例えば、ナフテン酸コバルト、
オクチル酸コバルト、アセチルアセトンコバルト等が使
用される。
【0027】一方、繊維強化材、特に防水材において熱
硬化性樹脂を強化する繊維強化材については通常FRP
に使用される各種繊維材が使用可能であり、例えば、ガ
ラス繊維、ポリアミド、ビニロン、ポリエステル、フェ
ノール、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエチレ
ン、アラミド等の有機繊維、カーボン繊維、金属繊維、
セラミックス繊維あるいはそれらの組み合わせである。
施工性、経済性を考慮した場合、好ましいのはガラス繊
維、有機繊維である。繊維の形態は、平織り、朱子織り
の如き織布又は不織布、マット状等があるが、施工性、
厚み保持等より不織布あるいはマット状が好ましい。
【0028】繊維強化材として不織布を用いる場合は、
目付量は30〜300g/m2 が用いられる。その中で
も100g/m2 以下のものは、樹脂を含浸させてFR
Pとしたときに柔軟性があり伸びのある層となり、用途
としては軽歩行程度が限界となるが、ゴムシートとの物
性が近づくことにより界面の剥離や残留応力によるメリ
を防止することができる。そして、100g/m2 以上
のものは重量物の設置や車両の通行に耐える必要がある
ような用途に用いることができる。また、ガラスロービ
ングを20〜100mmにカットして、チョプドストラ
ンドにして使用することも可能である。
【0029】なお、請求項2又は4記載の発明におい
て、ゴム製防水シート、熱可塑性樹脂フィルムと共に積
層される基布は、例えばポリエステル、ポリアミド、酢
酸ビニル、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエチレ
ン、ポリアミド等の単独又は混合した織布、不織布であ
り、特に不織布は好適である。
【0030】基布の厚みは0.5〜3.0mmの範囲、
目付量は20〜70g/m2 が好ましく、厚みが3.0
mmを越えたり、目付量が70g/m2 を越えると熱硬
化性樹脂の基布への含浸が不十分で接着力不足となり、
厚みが0.5mm未満であったり目付量が30g/m2
未満であるとFRPを構成する繊維材料との間の絡みが
少なくなりFRPとの間の接着力が小さくなるので好ま
しくない。そして、本発明は上記ゴム製防水シート、熱
可塑性樹脂フィルム、基布、繊維強化熱硬化製樹脂が下
地側より順に積層一体化されて複合防水層として施工さ
れるが、施工は通常現場施工によって行われる。
【0031】現場で本発明複合防水材を敷設し、複合防
水層を形成するには、先ず下地上にゴム製防水シートと
熱可塑性樹脂フィルムと繊維強化材を予め一体化した本
発明の複合シートを敷設し、液状の熱硬化性樹脂を前記
繊維強化材に含浸させるように塗布し、該熱硬化性樹脂
を硬化させさることによって複合防水材を形成するか、
下地上にゴム製防水シートと熱可塑性樹脂フィルムと基
布とを予め一体化した複合材を敷設し、その上に繊維強
化材を配設した後、液状の熱硬化性樹脂を前記繊維強化
材に含浸させるように塗布し、該熱硬化性樹脂を硬化さ
せることによって複合防水材を形成する。
【0032】具体的には、添付図面の図1に示すように
ゴム製防水シート2の加硫後の余熱を利用して熱可塑性
樹脂フィルム3を余熱の残ったゴム製防水シート2と重
ね合わせ、加圧することによって熱融着する。そして、
熱可塑性樹脂フィルム3に熱をかけて溶融させ、ガラス
などからなる短繊維の繊維強化材を溶融した熱可塑性樹
脂フィルム上に吹きつけるか、不織布などのマット状の
繊維強化材を溶融した熱可塑性樹脂フィルム上に積層し
て、その後、冷却してゴム製防水シートに熱可塑性樹脂
フィルムを介在してFRPを構成する繊維強化材のみが
一体化した複合シートからなる中間積層体をつくる。そ
れをゴム製防水シート2をプライマーや接着剤を塗布し
た下地1側にして敷設接着し、その上から硬化剤を混ぜ
合わせた熱硬化性樹脂を塗布して硬化させ、繊維強化熱
硬化性樹脂防水層4として複合防水材の敷設を完了す
る。なお、繊維強化材を一体化する際に、熱可塑性樹脂
フィルム上にバインダー糊を加熱して積層し繊維強化材
を融着してもよい。
【0033】また、基布を併用する場合には図2に示す
ようにゴム製防水シート2と不織布よりなる基布5は熱
可塑性樹脂フィルム3を介在して接着するが、現場にて
敷設するに先立って積層接着しておく。接着方法として
は、基布5と熱可塑性樹脂フィルム3を加熱融着してお
き、次に、ゴム製防水シート2の加硫後の余熱を利用し
て前記基布5と熱可塑性樹脂フィルム3の積層体の熱可
塑性樹脂フィルム側を余熱の残ったゴム製防水シート2
と重ね合わせ、加圧することによって熱融着する。そし
て、ゴム製防水シート2と基布5を熱可塑性樹脂フィル
ムを介在させて接着したものを現場で下地1上に基布5
が上になるように敷設する。そしてガラス等からなる短
繊維を予め熱硬化性樹脂に混合した液に更に硬化剤を混
ぜ合わせ、前記基布5の上から塗布し硬化させ、繊維強
化熱硬化性樹脂防水層4として硬化が完了したところで
本発明の複合防水材の敷設が完了する。
【0034】
【実施例】以下、更に本発明の実施例と共に効果を説明
する。
【0035】ゴム製防水シートのクラック追従性試験 ゴムシートに融着一体化した熱可塑性樹脂フィルムであ
るポリエチレンフィルムを加熱溶融し、繊維強化材とし
て目付量が150g/m2 のポリエステル不織布を一体
積層してMMA樹脂(大日本インキ化学社製ディオバー
VU−180)に硬化剤(BPOペースト)を2%混合
したものを塗布含浸した、図1の如きFRP防水層とゴ
ム製防水シートとの複合防水材(FRP/ゴム、実施例
1)を作成した。
【0036】一方、別にFRP防水層とゴムアスファル
トシートを一体積層した複合防水材(FRP/ゴムア
ス)及びゴム製ゴムシート(ゴム),アスファルト防水
材(アスファルト),FRP防水層(FRP)を夫々作
成し比較例1〜4とした。そして、上記の両者各試料を
JASS−8疲労試験に準じて試験し、20℃における
各試料の不具合発生時の強力と伸び量を測定した。結果
を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】表中、※1)はストロークオーバーで測定
不能であったことを示す。表1からわかるように、本発
明の実施例であるFRP/ゴムの複合防水材は、比較例
1〜3のFRP/ゴムアスの複合防水材、ゴム製防水シ
ート、アスファルト防水材の各々に比べて不具合発生時
の強力が85kg/40mmと大きく、耐久性にすぐれ
ることが分かる。また、比較例3、4のアスファルト防
水材、FRP防水材のみと比べると伸び量において勝っ
ているので、下地の動きや亀裂に対してゴムの層が緩衝
材として働き、上層のFRP防水材の亀裂を防止する効
果があることが分かる。
【0039】ゴムシートとFRPとの接着強度の試験 次に、上記図1のように熱可塑性樹脂フィルムを融着積
層したゴム製防水シートの熱可塑性樹脂フィルムを加熱
溶融して繊維強化材としてポリエステル不織布と一体積
層し硬化剤を混合したMMA樹脂を塗布含浸した防水材
(前記実施例1)と、図2のように熱可塑性樹脂フィル
ムを融着積層したゴム製防水シートの熱可塑性樹脂フィ
ルムを加熱溶融して基布である目付量の異なる不織布を
一体積層し、繊維強化材である450g/m2 チョップ
ドストランドガラスマットを不織布上に配置し熱硬化性
樹脂として不飽和ポリエステル樹脂(双和化学産業社製
ポリルーフS−2)に硬化剤(MEKPO)1.5%混
合したものを積層含浸した防水剤(実施例2〜6)と、
FRP防水材を熱可塑性樹脂フィルムを融着積層したゴ
ム製防水シートの上に単に設置積層した防水材(比較例
5)のそれぞれの接着強度を比べた。試験は、40mm
角のサンプルを用いて建研式接着力試験で行った。熱可
塑性樹脂フィルムとしては、厚み0.07mmのポリエ
チレンフィルムを用い、基布としては、厚み2mm、目
付量30〜100g/m2 のポリエステル不織布を用い
た。また、図1に示すような構造で、繊維強化材として
150g/m2 ポリエステル不織布を用いた複合防水材
の接着強度を測定した。 以下余白
【0040】
【表2】
【0041】表2からわかるように、繊維強化材を単に
積層した比較例5は、FRP防水材とゴム製防水シート
との間の接着力に劣っている。また、実施例5と実施例
6は、接着力としてある程度の力が得られているが、基
布である不織布を介在する場合により大きな接着力を得
るためには不織布の目付量を30〜70g/m2 の範囲
内とすることが好ましいと言える。
【0042】
【発明の効果】本発明は以上のように、ゴム製防水シー
ト、熱可塑性樹脂フィルム又は同フィルムと基布及び繊
維強化材をその順で積層一体化した複合シートならびに
該複合シートを素材とし、下地側からゴム製防水シー
ト、熱可塑性樹脂フィルム又は同フィルムと基布及び防
水層をその順で積層一体化した複合防水材であり、下地
側の防水層にゴム製防水シートを用いているので、FR
P防水層を形成する熱硬化性樹脂の溶剤に対して比較的
強いとともに、下地やFRP防水層の動きへの追従性に
優れており、しかも下地の動きやFRP防水層の変形、
ひび割れによって応力がかかってゴム製防水シートが変
形しても、下地が元に戻ってゴム製防水シートにかかっ
た応力がなくなりさえすれば歪みが戻るので、一時的に
シートに疲労がかかるものの変形が蓄積されることはな
い効果を有している。
【0043】また、本発明は表面に熱可塑性樹脂フィル
ムを介在させることによって、FRP防水層の繊維強化
材と強固に一体化することができ、ゴム製防水シートと
FRP防水層との接着強度にも優れた効果を有すると共
に、熱可塑性樹脂フィルムを000て不織布などの基布
を接着したゴム製防水シートを用いることによって、F
RPのガラスファイバーが基布と絡み合いFRP防水層
とゴム製防水シートを更により強固に接着することがで
きる。
【0044】更に、本発明は前記の如く複合シートとし
て構成しておくことにより、複合防水材を現場で施工す
る場合、予めゴム製防水シートにFRP防水層に用いら
れる繊維強化材を熱可塑性樹脂フィルムやバインダー糊
を介在して接着した複合シートを用いて、それを現場の
下地に敷設し、熱硬化性樹脂を流し込んで硬化させるだ
けで施工することができる利点があり、また、ゴム製防
水シートに熱可塑性樹脂フィルムを介在して不織布など
の基布を接着しておいたものを用い、それを下地に敷設
して繊維強化材を混入した熱硬化性樹脂を流し込めば、
比較的容易に複合防水材の施工を行うことができると共
に、ゴム製防水シートとFRP防水層との接着強度にも
優れたものを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1に係る複合防水材の施工例を
示す部分断面説明図である。
【図2】本発明の請求項2または3に係る複合防水材の
施工例を示す部分断面説明図である。
【符号の説明】
1 下地 2 ゴム製防水シート 3 熱可塑性樹脂フィルム 4 繊維強化熱硬化性樹脂防水層 5 基布
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安田 義信 神戸市北区星和台2−52−9 (72)発明者 辻 修也 大阪府阪南市光陽台1−19−10

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム製防水シート、熱可塑性樹脂フィル
    ム,繊維強化材の順で積層一体化したことを特徴とする
    複合シート。
  2. 【請求項2】 ゴム製防水シート,熱可塑性樹脂フィル
    ム,基布,繊維強化材の順で積層一体化したことを特徴
    とする複合シート。
  3. 【請求項3】 基布が不織布である請求項2記載の複合
    シート。
  4. 【請求項4】 建築物下地の表面に敷設する防水材にお
    いて、下地側からゴム製防水シート、熱可塑性樹脂フィ
    ルム、繊維強化熱硬化性樹脂防水層の順で積層一体化し
    てなることを特徴とする複合防水材。
  5. 【請求項5】 建築物下地の表面に敷設する防水材にお
    いて、下地側からゴム製防水シート,熱可塑性樹脂フィ
    ルム,基布,繊維強化熱硬化性樹脂防水層の順で積層一
    体化してなることを特徴とする複合防水材。
  6. 【請求項6】 基布が不織布である請求項5記載の複合
    防水材。
  7. 【請求項7】 下地上に下地側からゴム製防水シートと
    熱可塑性樹脂フィルムと繊維強化材を予め一体化して敷
    設した後、液状の熱硬化性樹脂を前記繊維強化材に含浸
    させるように塗布し、該熱硬化性樹脂を硬化させること
    によって下地上に複合防水層を形成することを特徴とす
    る複合防水工法。
  8. 【請求項8】 下地上に下地側からゴム製防水シートと
    熱可塑性樹脂フィルムと基布を予め一体化して敷設し、
    その上に繊維強化材を配設した後、液状の熱硬化性樹脂
    を前記繊維強化材に含浸させるように塗布し、該熱硬化
    性樹脂を硬化させることによって下地上に複合防水層を
    形成することを特徴とする複合防水工法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101078090B1 (ko) * 2011-03-10 2011-10-28 배기호 건물 옥상의 방근 방수용 시트
WO2015115304A1 (ja) * 2014-01-28 2015-08-06 三菱重工業株式会社 複合材料構造体の成形方法および複合材料構造体
KR101690138B1 (ko) * 2016-05-04 2016-12-30 씨엘엠테크(주) 멀티 합성고무를 이용한 콘크리트 구조물의 내구성 강화 복합 방수공법
CN106660407A (zh) * 2014-08-29 2017-05-10 株式会社普利司通 充气轮胎

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