JPH1034813A - 金属材表面被膜構造とその形成方法 - Google Patents
金属材表面被膜構造とその形成方法Info
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- JPH1034813A JPH1034813A JP19761096A JP19761096A JPH1034813A JP H1034813 A JPH1034813 A JP H1034813A JP 19761096 A JP19761096 A JP 19761096A JP 19761096 A JP19761096 A JP 19761096A JP H1034813 A JPH1034813 A JP H1034813A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐蝕性、コストダウン、リサイクル性、メッ
キ層の耐ひび割れ性を向上できる金属材表面被膜構造と
その形成方法の提供。 【解決手段】 金属材1の素地の上に、電着塗装層2、
樹脂のアンダーコート層3A、金属または金属化合物の
層4、トップコート層5の順で積層形成した金属材表面
被膜構造。ただし、アンダーコート層3Aとトップコー
ト層5の樹脂の熱膨張率はほぼ同じとする。金属材1の
素地の上に、電着塗装層2、樹脂のアンダーコート層3
A、金属または金属化合物の層4、トップコート層5の
順で積層形成する金属材表面被膜構造の形成方法。
キ層の耐ひび割れ性を向上できる金属材表面被膜構造と
その形成方法の提供。 【解決手段】 金属材1の素地の上に、電着塗装層2、
樹脂のアンダーコート層3A、金属または金属化合物の
層4、トップコート層5の順で積層形成した金属材表面
被膜構造。ただし、アンダーコート層3Aとトップコー
ト層5の樹脂の熱膨張率はほぼ同じとする。金属材1の
素地の上に、電着塗装層2、樹脂のアンダーコート層3
A、金属または金属化合物の層4、トップコート層5の
順で積層形成する金属材表面被膜構造の形成方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属材表面の被膜
構造と、被膜形成方法に関する。
構造と、被膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミホイールなどの金属材表面の被膜
構造の形成方法としては、従来、特開平4−13123
2号公報が知られている。そこでは、金属材表面をショ
ットブラスト加工した後、その面に粉体塗装して下地処
理を施し、中間層としてアンダーコートした後に、クロ
ムのスパッタリングをし、さらにトップコートして、光
輝面にしている。
構造の形成方法としては、従来、特開平4−13123
2号公報が知られている。そこでは、金属材表面をショ
ットブラスト加工した後、その面に粉体塗装して下地処
理を施し、中間層としてアンダーコートした後に、クロ
ムのスパッタリングをし、さらにトップコートして、光
輝面にしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来方法に
は、つぎの問題がある。 粉体塗装層は金属素地との密着性が低く、熱膨張の
差、クッションなどによりひび割れが起こる。したがっ
て、耐蝕性、耐久性が低い。 光輝性を出すのにクロムを用いているので、コスト
が高くなる。 アルミと異なる金属(クロム)を用いるので、アル
ミのリサイクルをすることが困難である。 トップコート層焼付け時にクロム層に多数の微小ひ
び割れが生じやすい。本発明の目的は、光輝性、高級感
を従来クロムメッキタイプと同等かそれ以上に維持しつ
つ、耐蝕性、コスト低減、リサイクル性、金属層の耐ひ
び割れ性を向上させることができる、金属材表面被膜構
造とその形成方法を提供することにある。
は、つぎの問題がある。 粉体塗装層は金属素地との密着性が低く、熱膨張の
差、クッションなどによりひび割れが起こる。したがっ
て、耐蝕性、耐久性が低い。 光輝性を出すのにクロムを用いているので、コスト
が高くなる。 アルミと異なる金属(クロム)を用いるので、アル
ミのリサイクルをすることが困難である。 トップコート層焼付け時にクロム層に多数の微小ひ
び割れが生じやすい。本発明の目的は、光輝性、高級感
を従来クロムメッキタイプと同等かそれ以上に維持しつ
つ、耐蝕性、コスト低減、リサイクル性、金属層の耐ひ
び割れ性を向上させることができる、金属材表面被膜構
造とその形成方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明はつぎの通りである。 (1) 金属材の素地に、樹脂の電着塗装層、樹脂のア
ンダーコート層、金属または金属化合物の層、樹脂のト
ップコート層を、順に形成した金属材表面被膜構造。 (2) 前記金属材がアルミニウム合金ホイールである
(1)記載の金属材表面被膜構造。 (3) 前記アンダーコート層の樹脂と前記トップコー
ト層の樹脂にはほぼ同じ熱膨張率を有する樹脂が用いら
れている(1)記載の金属材表面被膜構造。 (4) 前記電着塗装層、前記アンダーコート層の何れ
か少なくとも1つの層が黒系の色を有し、前記トップコ
ート層がクリヤー層である(1)記載の金属材表面被膜
構造。 (5) 前記金属または金属化合物の層が、アルミニウ
ム、窒化チタン、金からなるグループから選択された少
なくとも1種の金属または金属化合物の乾式メッキ層か
ら構成されている(1)または(2)記載の金属材表面
被膜構造。 (6) 金属材の素地の上に樹脂塗料を電着塗装して樹
脂の電着塗装層を形成する工程と、前記樹脂の電着塗装
層の上に樹脂のアンダーコート層を形成する工程と、前
記樹脂のアンダーコート層の上に金属または金属化合物
の層を乾式メッキにより形成する工程と、前記金属また
は金属化合物の層の上に樹脂塗料を塗装して樹脂のトッ
プコート層を形成する工程と、からなる金属材表面被膜
構造の形成方法。
明はつぎの通りである。 (1) 金属材の素地に、樹脂の電着塗装層、樹脂のア
ンダーコート層、金属または金属化合物の層、樹脂のト
ップコート層を、順に形成した金属材表面被膜構造。 (2) 前記金属材がアルミニウム合金ホイールである
(1)記載の金属材表面被膜構造。 (3) 前記アンダーコート層の樹脂と前記トップコー
ト層の樹脂にはほぼ同じ熱膨張率を有する樹脂が用いら
れている(1)記載の金属材表面被膜構造。 (4) 前記電着塗装層、前記アンダーコート層の何れ
か少なくとも1つの層が黒系の色を有し、前記トップコ
ート層がクリヤー層である(1)記載の金属材表面被膜
構造。 (5) 前記金属または金属化合物の層が、アルミニウ
ム、窒化チタン、金からなるグループから選択された少
なくとも1種の金属または金属化合物の乾式メッキ層か
ら構成されている(1)または(2)記載の金属材表面
被膜構造。 (6) 金属材の素地の上に樹脂塗料を電着塗装して樹
脂の電着塗装層を形成する工程と、前記樹脂の電着塗装
層の上に樹脂のアンダーコート層を形成する工程と、前
記樹脂のアンダーコート層の上に金属または金属化合物
の層を乾式メッキにより形成する工程と、前記金属また
は金属化合物の層の上に樹脂塗料を塗装して樹脂のトッ
プコート層を形成する工程と、からなる金属材表面被膜
構造の形成方法。
【0005】上記(1)、(2)の金属材表面被膜構造
および(6)の被膜構造の形成方法では、金属または金
属化合物の層はたとえば乾式メッキ層であるが、メッキ
の下地処理に電着塗装プラス樹脂アンダーコートを用い
ているので、電着塗装層が粉体塗装層に比べて金属素地
との密着性がよいことおよび緻密なことから、耐剥離
性、耐蝕性が、従来の粉体塗装プラス中間層構造に比べ
て向上される。上記(3)の金属材表面被膜構造では、
電着塗装層と乾式メッキ層との間に樹脂のアンダーコー
ト層を設け、このアンダーコート層の樹脂とトップコー
ト層の樹脂にほぼ同じ熱膨張の樹脂を用いているので、
メッキ層(金属または金属化合物の層)を挟む2層がト
ップコート層の焼付け時にほぼ同量熱膨張し、互いに異
なる量熱膨張する場合に比べてメッキ層に無理な歪が生
じず、トップコート層の焼付け時に金属メッキ層に多数
の微小クラックが生じることが抑制される。上記
(2)、(4)、(5)の金属材表面被膜構造では、金
属または金属化合物の層を純クロムとしなくても(たと
えば、安価のアルミ層としても)、下地の色(たとえ
ば、黒系統)がある程度透過して、深みのある高級感
(あたかもクロムメッキのような色)を出すことがで
き、クロムを用いないことによりコスト低減をはかるこ
とが可能となる。また、金属材がアルミホイールの場
合、メッキ層をアルミ層とすることにより、同種金属と
なり、アルミホイールのリサイクルが容易になる。
および(6)の被膜構造の形成方法では、金属または金
属化合物の層はたとえば乾式メッキ層であるが、メッキ
の下地処理に電着塗装プラス樹脂アンダーコートを用い
ているので、電着塗装層が粉体塗装層に比べて金属素地
との密着性がよいことおよび緻密なことから、耐剥離
性、耐蝕性が、従来の粉体塗装プラス中間層構造に比べ
て向上される。上記(3)の金属材表面被膜構造では、
電着塗装層と乾式メッキ層との間に樹脂のアンダーコー
ト層を設け、このアンダーコート層の樹脂とトップコー
ト層の樹脂にほぼ同じ熱膨張の樹脂を用いているので、
メッキ層(金属または金属化合物の層)を挟む2層がト
ップコート層の焼付け時にほぼ同量熱膨張し、互いに異
なる量熱膨張する場合に比べてメッキ層に無理な歪が生
じず、トップコート層の焼付け時に金属メッキ層に多数
の微小クラックが生じることが抑制される。上記
(2)、(4)、(5)の金属材表面被膜構造では、金
属または金属化合物の層を純クロムとしなくても(たと
えば、安価のアルミ層としても)、下地の色(たとえ
ば、黒系統)がある程度透過して、深みのある高級感
(あたかもクロムメッキのような色)を出すことがで
き、クロムを用いないことによりコスト低減をはかるこ
とが可能となる。また、金属材がアルミホイールの場
合、メッキ層をアルミ層とすることにより、同種金属と
なり、アルミホイールのリサイクルが容易になる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の金属材表面被膜構造は、
図1に示すように、金属材1の素地に、樹脂の電着塗装
層2、樹脂のアンダーコート層3A、金属または金属化
合物の層4(たとえば、金属の乾式メッキ層)、樹脂の
トップコート層5を、順に形成した構造からなる。金属
材素地は、金属(合金を含む)素地であればよく、たと
えばアルミニウム合金、マグネシウム合金、鉄などから
なる。金属材1は金属(合金を含む)からなる任意の部
材であり、たとえばアルミニウム合金ホイールからな
る。
図1に示すように、金属材1の素地に、樹脂の電着塗装
層2、樹脂のアンダーコート層3A、金属または金属化
合物の層4(たとえば、金属の乾式メッキ層)、樹脂の
トップコート層5を、順に形成した構造からなる。金属
材素地は、金属(合金を含む)素地であればよく、たと
えばアルミニウム合金、マグネシウム合金、鉄などから
なる。金属材1は金属(合金を含む)からなる任意の部
材であり、たとえばアルミニウム合金ホイールからな
る。
【0007】電着塗装層2は、金属材1の素地に直接密
着するように電着塗装により形成された樹脂層であれば
よく、たとえばエポキシ系のカチオン電着塗料の塗装層
からなり、層の厚さは10〜30μmである。この範囲
にするのは、10μmより薄いと鋳肌が出、30μmよ
り厚いと垂れが出るからである。電着塗装層2は、金属
素地への固着性、密着性が、粉体塗装層に比べてはるか
に良好で、かつ緻密で固いため、被膜構造の耐剥離性と
耐蝕性を向上させることができるとともに、素地の小さ
な凹凸を埋めることができその上の層のアンダーコート
層3Aとの密着性を良好にする。電着塗装層2は着色さ
れており、被膜構造の外観をクロムに似た色とするには
黒系統の色に着色され、層3Aはクリヤー(透明)とさ
れる。層3Aが黒系の塗料の場合は、層2は黒系である
必要はなく、クリヤーか他の色の塗料であってもよい。
また、層2、3Aを着色塗料とする場合、着色は黒系統
に限るものではなく、被膜構造の外観が下地の色が映え
た色となるため、たとえば被膜構造の外観を青みがかっ
た色とするには、電着塗装層2の着色を青色とする。
着するように電着塗装により形成された樹脂層であれば
よく、たとえばエポキシ系のカチオン電着塗料の塗装層
からなり、層の厚さは10〜30μmである。この範囲
にするのは、10μmより薄いと鋳肌が出、30μmよ
り厚いと垂れが出るからである。電着塗装層2は、金属
素地への固着性、密着性が、粉体塗装層に比べてはるか
に良好で、かつ緻密で固いため、被膜構造の耐剥離性と
耐蝕性を向上させることができるとともに、素地の小さ
な凹凸を埋めることができその上の層のアンダーコート
層3Aとの密着性を良好にする。電着塗装層2は着色さ
れており、被膜構造の外観をクロムに似た色とするには
黒系統の色に着色され、層3Aはクリヤー(透明)とさ
れる。層3Aが黒系の塗料の場合は、層2は黒系である
必要はなく、クリヤーか他の色の塗料であってもよい。
また、層2、3Aを着色塗料とする場合、着色は黒系統
に限るものではなく、被膜構造の外観が下地の色が映え
た色となるため、たとえば被膜構造の外観を青みがかっ
た色とするには、電着塗装層2の着色を青色とする。
【0008】樹脂のアンダーコート層3Aは、電着塗装
層2の上に直接密着するように形成された、たとえばア
クリル系、エポキシ系、ポリエステル系、ポリウレタン
系などの何れかの樹脂の塗装層からなる。樹脂のアンダ
ーコート層3Aを粉体塗装層を介することなく直接電着
塗装層2の上に形成する理由は、金属材1の形のシャー
プ性を出すためとコスト低減のためであり、主にユーザ
ニーズに対応するためである。ただし、耐蝕性は、粉体
塗装層有りの場合に比べて若干低下する。樹脂のアンダ
ーコート層3Aの樹脂と、トップコート層5の樹脂と
は、ほぼ同じ(同一を含む)熱膨張率を有する樹脂から
なる。したがって、トップコート層5にアクリル系樹脂
を用いた場合はアンダーコート層3Aにも同じアクリル
系樹脂またはアクリル変性樹脂を用いる。塗装方法に
は、たとえばエアー吹きつけ塗装(静電塗装でもよい)
を用いることができる。層3Aの厚さは15〜35μm
である。15μmより小の場合は、トップコート層5の
焼付け時に電着塗装層2のトップコート層5との熱膨張
差の影響が金属または金属化合物の層4に及ぶ度合いが
強くなり、トップコート層5の焼付け時に金属または金
属化合物の層4に微小亀裂が発生するおそれが生じるの
で、層3Aの厚さを15μm以上とする。また、層3A
の厚さが35μmを超えると、金属材1の形をシャープ
に反映させることができにくくなり、デザイン性が低下
するので、層3Aの厚さを35μm以下とする。
層2の上に直接密着するように形成された、たとえばア
クリル系、エポキシ系、ポリエステル系、ポリウレタン
系などの何れかの樹脂の塗装層からなる。樹脂のアンダ
ーコート層3Aを粉体塗装層を介することなく直接電着
塗装層2の上に形成する理由は、金属材1の形のシャー
プ性を出すためとコスト低減のためであり、主にユーザ
ニーズに対応するためである。ただし、耐蝕性は、粉体
塗装層有りの場合に比べて若干低下する。樹脂のアンダ
ーコート層3Aの樹脂と、トップコート層5の樹脂と
は、ほぼ同じ(同一を含む)熱膨張率を有する樹脂から
なる。したがって、トップコート層5にアクリル系樹脂
を用いた場合はアンダーコート層3Aにも同じアクリル
系樹脂またはアクリル変性樹脂を用いる。塗装方法に
は、たとえばエアー吹きつけ塗装(静電塗装でもよい)
を用いることができる。層3Aの厚さは15〜35μm
である。15μmより小の場合は、トップコート層5の
焼付け時に電着塗装層2のトップコート層5との熱膨張
差の影響が金属または金属化合物の層4に及ぶ度合いが
強くなり、トップコート層5の焼付け時に金属または金
属化合物の層4に微小亀裂が発生するおそれが生じるの
で、層3Aの厚さを15μm以上とする。また、層3A
の厚さが35μmを超えると、金属材1の形をシャープ
に反映させることができにくくなり、デザイン性が低下
するので、層3Aの厚さを35μm以下とする。
【0009】樹脂のアンダーコート層3Aの塗装方法
は、エアー吹きつけによる。他の塗装方法(たとえば、
静電塗装)によってもよいが、粉体塗装では15〜35
μmの厚さは薄過ぎ、塗装に熟練を要する。樹脂のアン
ダーコート層3Aの塗装の焼付けは、トップコート層5
の焼付けとほぼ同じ温度かそれ以上で焼付け、トップコ
ート層5の焼付け時にアンダーコート層3Aが変質しな
いようにする。電着塗装層2が外観から要求される色
(たとえば、黒系)に着色されている場合には、アンダ
ーコート層3Aはクリアー(透明)層か、あるいは電着
塗装層2と同系統の色に着色される。樹脂のアンダーコ
ート層3Aが、外観から要求される色(たとえば、黒
系)に着色されている場合には、電着塗装層2の色は任
意であり、クリヤーでもよい。
は、エアー吹きつけによる。他の塗装方法(たとえば、
静電塗装)によってもよいが、粉体塗装では15〜35
μmの厚さは薄過ぎ、塗装に熟練を要する。樹脂のアン
ダーコート層3Aの塗装の焼付けは、トップコート層5
の焼付けとほぼ同じ温度かそれ以上で焼付け、トップコ
ート層5の焼付け時にアンダーコート層3Aが変質しな
いようにする。電着塗装層2が外観から要求される色
(たとえば、黒系)に着色されている場合には、アンダ
ーコート層3Aはクリアー(透明)層か、あるいは電着
塗装層2と同系統の色に着色される。樹脂のアンダーコ
ート層3Aが、外観から要求される色(たとえば、黒
系)に着色されている場合には、電着塗装層2の色は任
意であり、クリヤーでもよい。
【0010】金属または金属化合物の層4は、たとえ
ば、アルミニウム、窒化チタン、金のからなるグループ
から選択された少なくとも1種の金属(純金属、合金を
含む)または金属化合物の、乾式メッキ層から構成され
ている。金属または金属化合物のメッキ層4は、これら
以外の金属または金属化合物から構成されていてもよ
く、コストが従来のクロムメッキ層と同じように高くて
もよい場合はクロムでもよい。金属または金属化合物の
層4がアルミニウム(アルミニウム合金を含む)の薄層
からなる場合は、下地層2、3Aからの色(たとえば、
黒色)が若干透過してクロムメッキの色に近づきかつ深
みのある色を呈する。アルミを用いることによりクロム
の場合よりもコストダウンをはかることができる。ま
た、アルミを用いることにより、金属材1がアルミの場
合、金属材1とメッキ層4の熱膨張がほぼ同じになり、
樹脂層の焼付時などに金属または金属化合物の層4に金
属材1との熱膨張差による微小亀裂が発生することが抑
制される。ただし、下地の色を適量透過させるために、
金属または金属化合物の層4の厚さは0・04〜1.1
μmにする。1.1μmを越えると、下地の色が透過し
にくくなり、下地の色の映えが悪くなり、また0.04
μmより小だと層4の形成が難しくなる。乾式メッキ
は、スパッタリング、イオンプレーティング、蒸着の何
れによってもよい。金属または金属化合物の層4と下地
の樹脂のアンダーコート層3Aとの固着性、密着性を良
くするために、金属メッキ層4の形成前に、樹脂のアン
ダーコート層3Aの上にプライマー6(下塗りのこと
で、たとえばエポキシ系のメタリックプライマーを用い
る)を5〜10μm程度塗布しておいてもよい。
ば、アルミニウム、窒化チタン、金のからなるグループ
から選択された少なくとも1種の金属(純金属、合金を
含む)または金属化合物の、乾式メッキ層から構成され
ている。金属または金属化合物のメッキ層4は、これら
以外の金属または金属化合物から構成されていてもよ
く、コストが従来のクロムメッキ層と同じように高くて
もよい場合はクロムでもよい。金属または金属化合物の
層4がアルミニウム(アルミニウム合金を含む)の薄層
からなる場合は、下地層2、3Aからの色(たとえば、
黒色)が若干透過してクロムメッキの色に近づきかつ深
みのある色を呈する。アルミを用いることによりクロム
の場合よりもコストダウンをはかることができる。ま
た、アルミを用いることにより、金属材1がアルミの場
合、金属材1とメッキ層4の熱膨張がほぼ同じになり、
樹脂層の焼付時などに金属または金属化合物の層4に金
属材1との熱膨張差による微小亀裂が発生することが抑
制される。ただし、下地の色を適量透過させるために、
金属または金属化合物の層4の厚さは0・04〜1.1
μmにする。1.1μmを越えると、下地の色が透過し
にくくなり、下地の色の映えが悪くなり、また0.04
μmより小だと層4の形成が難しくなる。乾式メッキ
は、スパッタリング、イオンプレーティング、蒸着の何
れによってもよい。金属または金属化合物の層4と下地
の樹脂のアンダーコート層3Aとの固着性、密着性を良
くするために、金属メッキ層4の形成前に、樹脂のアン
ダーコート層3Aの上にプライマー6(下塗りのこと
で、たとえばエポキシ系のメタリックプライマーを用い
る)を5〜10μm程度塗布しておいてもよい。
【0011】樹脂のトップコート層5は、クリアー塗装
層(下地と金属層による高級感のある色を阻害しないた
めにクリアーとする)であり、アクリル系、ウレタン
系、またはエポキシ系の樹脂塗料をエアー吹きつけ塗装
(静電塗装でもよい)することにより、形成する。この
うち、アクリル樹脂は光沢および光沢保持性に優れてお
りかつ変色が少ないので、トップコート層5としてとく
に優れている。樹脂のトップコート層5の厚さは、金属
または金属化合物の層4を保護できる厚さであればよ
く、たとえば10〜40μm程度の厚さに形成される。
この領域にする理由は、40μm程度より厚くしても保
護機能は増さないし形成に時間がかかるだけであり、1
0μm程度より薄いと保護機能が十分でなくなるからで
ある。また、層3Aとほぼ同じ厚さにして、熱膨張性が
ほぼ同じ2つの層3A、5で金属または金属化合物の層
4をサンドイッチするようにし、これによって樹脂のト
ップコート層5の焼付時に金属または金属化合物の層4
に微小亀裂が発生することを抑制している。トップコー
ト層5と金属または金属化合物の層4との固着性、密着
性を良くするために、トップコート層5の形成前に、金
属または金属化合物の層4の上にプライマー7(たとえ
ば、エポキシ系のメタリックプライマー)を5〜10μ
m程度塗布しておいてもよい。
層(下地と金属層による高級感のある色を阻害しないた
めにクリアーとする)であり、アクリル系、ウレタン
系、またはエポキシ系の樹脂塗料をエアー吹きつけ塗装
(静電塗装でもよい)することにより、形成する。この
うち、アクリル樹脂は光沢および光沢保持性に優れてお
りかつ変色が少ないので、トップコート層5としてとく
に優れている。樹脂のトップコート層5の厚さは、金属
または金属化合物の層4を保護できる厚さであればよ
く、たとえば10〜40μm程度の厚さに形成される。
この領域にする理由は、40μm程度より厚くしても保
護機能は増さないし形成に時間がかかるだけであり、1
0μm程度より薄いと保護機能が十分でなくなるからで
ある。また、層3Aとほぼ同じ厚さにして、熱膨張性が
ほぼ同じ2つの層3A、5で金属または金属化合物の層
4をサンドイッチするようにし、これによって樹脂のト
ップコート層5の焼付時に金属または金属化合物の層4
に微小亀裂が発生することを抑制している。トップコー
ト層5と金属または金属化合物の層4との固着性、密着
性を良くするために、トップコート層5の形成前に、金
属または金属化合物の層4の上にプライマー7(たとえ
ば、エポキシ系のメタリックプライマー)を5〜10μ
m程度塗布しておいてもよい。
【0012】本発明の金属材表面被膜構造の形成方法
は、金属材1の素地の上に樹脂塗料を電着塗装して樹脂
の電着塗装層2を形成する工程と、樹脂の電着塗装層2
の上にトップコート層5の樹脂とほぼ同じ(同一を含
む)熱膨張率を有する樹脂のアンダーコート層3Aをエ
アー吹きつけ塗装などにより形成する工程と、樹脂のア
ンダーコート層3Aの上に金属または金属化合物の層4
を乾式メッキにより形成する工程と、金属または金属化
合物の層4の上に樹脂塗料を塗装して樹脂のトップコー
ト層5を形成する工程と、からなる。
は、金属材1の素地の上に樹脂塗料を電着塗装して樹脂
の電着塗装層2を形成する工程と、樹脂の電着塗装層2
の上にトップコート層5の樹脂とほぼ同じ(同一を含
む)熱膨張率を有する樹脂のアンダーコート層3Aをエ
アー吹きつけ塗装などにより形成する工程と、樹脂のア
ンダーコート層3Aの上に金属または金属化合物の層4
を乾式メッキにより形成する工程と、金属または金属化
合物の層4の上に樹脂塗料を塗装して樹脂のトップコー
ト層5を形成する工程と、からなる。
【0013】金属材1は、たとえばアルミホイールであ
る。層2の電着塗装による形成工程では、まず金属材1
の素地を脱脂、水洗し、たとえば黒系統の色を着色した
エポキシ系カチオン電着塗料を用いて、電着塗装する。
電着塗装では、低濃度の水性塗料を満たした電着槽(温
度がたとえば27°C)内で電導体である金属材1と電
極との間に直流電圧(たとえば、210〜230V)を
2〜3分印加し、水中に分散している塗料の微粒子を電
気的力で金属材1に引きつけ、凝集析出させて塗膜を形
成させる。カチオン電着塗料は、塩基性アミノ基、アン
モニウム、スルホニウムなどのオニウム基をもつ樹脂を
ベースとし、低級有機酸などの酸で中和した陰極析出形
の塗料である。カチオン電着では、塗膜が塩基性である
ので金属イオンの溶出がなく、塗膜の耐アルカリ性、耐
蝕性に有利である。また、塗膜の塗装中の着色も少な
い。
る。層2の電着塗装による形成工程では、まず金属材1
の素地を脱脂、水洗し、たとえば黒系統の色を着色した
エポキシ系カチオン電着塗料を用いて、電着塗装する。
電着塗装では、低濃度の水性塗料を満たした電着槽(温
度がたとえば27°C)内で電導体である金属材1と電
極との間に直流電圧(たとえば、210〜230V)を
2〜3分印加し、水中に分散している塗料の微粒子を電
気的力で金属材1に引きつけ、凝集析出させて塗膜を形
成させる。カチオン電着塗料は、塩基性アミノ基、アン
モニウム、スルホニウムなどのオニウム基をもつ樹脂を
ベースとし、低級有機酸などの酸で中和した陰極析出形
の塗料である。カチオン電着では、塗膜が塩基性である
ので金属イオンの溶出がなく、塗膜の耐アルカリ性、耐
蝕性に有利である。また、塗膜の塗装中の着色も少な
い。
【0014】塗膜厚さは10〜30μmとする。塗装
後、炉内にて200〜210°Cで、約10〜25分、
焼付け、乾燥する。かくして形成された塗膜は緻密で固
く、素地の小さな凹凸を埋め、素地との密着性、固着性
にすぐれ、素地を保護して素地の耐蝕性を、従来の粉体
塗装に比べて大きく向上させる。
後、炉内にて200〜210°Cで、約10〜25分、
焼付け、乾燥する。かくして形成された塗膜は緻密で固
く、素地の小さな凹凸を埋め、素地との密着性、固着性
にすぐれ、素地を保護して素地の耐蝕性を、従来の粉体
塗装に比べて大きく向上させる。
【0015】樹脂のアンダーコート層3Aの形成工程で
は、層2の上に、トップコート層5の樹脂とほぼ同じ熱
膨張率をもつ樹脂の層を、たとえばエアー吹きつけによ
り、厚さ15〜35μmに形成する。下地2が黒系統の
色に着色されている場合は、層3Aはクリヤーかあるい
は黒系統の色とされ、下地2が黒系統以外の色の場合
は、層3Aは黒系統の色に着色される。層3Aを塗装
後、炉内にて、約140〜160°Cで、約20〜30
分、焼付け、乾燥する。層3Aの存在により、下地の層
2は、トップコート層5と同じ種類の樹脂を用いる必要
がなく、樹脂材を比較的自由に選択できる。
は、層2の上に、トップコート層5の樹脂とほぼ同じ熱
膨張率をもつ樹脂の層を、たとえばエアー吹きつけによ
り、厚さ15〜35μmに形成する。下地2が黒系統の
色に着色されている場合は、層3Aはクリヤーかあるい
は黒系統の色とされ、下地2が黒系統以外の色の場合
は、層3Aは黒系統の色に着色される。層3Aを塗装
後、炉内にて、約140〜160°Cで、約20〜30
分、焼付け、乾燥する。層3Aの存在により、下地の層
2は、トップコート層5と同じ種類の樹脂を用いる必要
がなく、樹脂材を比較的自由に選択できる。
【0016】金属または金属化合物の層4の、たとえば
乾式メッキによる、形成工程では、アルミニウム、窒化
チタン、金などの金属(純金属または合金)を、スパッ
タリング(金属、プラスチックなどの表面に、真空中
で、金属の薄い層を付着させる操作で公知の操作)、イ
オンプレーティング、蒸着のうちの何れかの方法によ
り、金属材1の層3の上に、厚さ0.04〜1.1μ
m、形成する。たとえば、アルミニウムを厚さ0.1μ
m形成する。その場合、下地の黒系統の色を若干透過し
て深みのある(アルミだけの軽い色合と異なる)、高級
感のある、クロムに似た色を、安価に、出すことができ
る。
乾式メッキによる、形成工程では、アルミニウム、窒化
チタン、金などの金属(純金属または合金)を、スパッ
タリング(金属、プラスチックなどの表面に、真空中
で、金属の薄い層を付着させる操作で公知の操作)、イ
オンプレーティング、蒸着のうちの何れかの方法によ
り、金属材1の層3の上に、厚さ0.04〜1.1μ
m、形成する。たとえば、アルミニウムを厚さ0.1μ
m形成する。その場合、下地の黒系統の色を若干透過し
て深みのある(アルミだけの軽い色合と異なる)、高級
感のある、クロムに似た色を、安価に、出すことができ
る。
【0017】トップコート層5の形成工程では、ブース
内にて、アクリル系、ウレタン系、またはエポキシ系の
クリアー塗料を、溶剤吹きつけ塗装する。トップコート
層5は厚さ20〜40μmに形成する。かくして形成さ
れたトップコート層5は金属層4の保護層として機能す
る。
内にて、アクリル系、ウレタン系、またはエポキシ系の
クリアー塗料を、溶剤吹きつけ塗装する。トップコート
層5は厚さ20〜40μmに形成する。かくして形成さ
れたトップコート層5は金属層4の保護層として機能す
る。
【0018】
【実施例】金属材1としてアルミホイールを選択してそ
の表面に被膜構造をつぎのように形成した。まず、アル
ミホイールの表面を脱脂、水洗した。ついで、エポキシ
径カチオン電着塗料(商品名:ニッペパワートップPT
U−600、黒系統)を、温度27°C、2〜3mi
n.、210〜230Vの条件で電着塗装し、厚さ20
μmの電着塗装層2を形成した。ついで、この層2を温
度約180°C×18分、焼付け、乾燥した。ついで、
層2の上に、アクリル系塗料(たとえば、ニッペアミラ
ック87ブラック)またはアクリル変性樹脂(たてえ
ば、アクリルメラミン)を厚さ約25μm、エアー吹き
つけにより、塗装した。ついで、160°C×25分、
焼付け、乾燥し、アンダーコート層3Aを形成した。つ
いで、アルミを、スパッタリングして、層3Aの上に金
属膜(乾式メッキ層)4を、厚さ約0.1μm、形成し
た。つぎに、下地に5〜10μmのメタルプライマーを
塗布したのち、クリアー粉体塗料(商品名:ニッペスパ
ーラック5000BF)をエアー吹きつけ、厚さ約25
μmのトップコート層5を形成した。ついで、140°
C×25分、焼付け、乾燥した。
の表面に被膜構造をつぎのように形成した。まず、アル
ミホイールの表面を脱脂、水洗した。ついで、エポキシ
径カチオン電着塗料(商品名:ニッペパワートップPT
U−600、黒系統)を、温度27°C、2〜3mi
n.、210〜230Vの条件で電着塗装し、厚さ20
μmの電着塗装層2を形成した。ついで、この層2を温
度約180°C×18分、焼付け、乾燥した。ついで、
層2の上に、アクリル系塗料(たとえば、ニッペアミラ
ック87ブラック)またはアクリル変性樹脂(たてえ
ば、アクリルメラミン)を厚さ約25μm、エアー吹き
つけにより、塗装した。ついで、160°C×25分、
焼付け、乾燥し、アンダーコート層3Aを形成した。つ
いで、アルミを、スパッタリングして、層3Aの上に金
属膜(乾式メッキ層)4を、厚さ約0.1μm、形成し
た。つぎに、下地に5〜10μmのメタルプライマーを
塗布したのち、クリアー粉体塗料(商品名:ニッペスパ
ーラック5000BF)をエアー吹きつけ、厚さ約25
μmのトップコート層5を形成した。ついで、140°
C×25分、焼付け、乾燥した。
【0019】なお、被膜構造は図2に示すように、ホイ
ール前面8のみならず、リムのドロップ部の内面9全長
まで、形成した(従来は、ホイール前面のみ)。かくし
て製造されたアルミホイールは、下地の黒さを映えた、
深みのある色合いを有していた。また、メッキ4の下地
の色に黒色系統を選定することにより、メッキ自体の黄
色味のある色が黒系統の色によって目立たなくなり、ま
さに鏡面色となる。また、塗装範囲をホイール前面だけ
でなくリムのドロップ部の内面全長まで拡大したので、
ホイール前面部は透過する色調効果を引出し、リムのド
ロップ部の内面9はその色がホイール前面部8の鏡面に
反映して大きなデザイン効果を出す。また、50個のア
ルミホイールに被膜形成後、トップコート層5の焼付時
に、メッキ層4に微小亀裂が発生していないかどうかを
目視により確認したが、何れのアルミホイールにもメッ
キ層4の微小亀裂発生は認められなかった。したがっ
て、層3Aを設けて、ほぼ同じ熱膨張率の層3A、5で
メッキ層4を挟むことが亀裂発生防止に効果があること
が判明した。また、温度39°C×24時間、−18°
C×20時間、室温4時間の熱耐久試験を10サイクル
行ったが、被膜構造に剥がれやひび割れが認められず、
良好な耐久性があることが判明した。また、pH2の酸
性液に1分浸漬し、その後pH7の蒸留水に1分浸漬す
ることを、2000回繰り返す耐蝕性試験を行ったが、
被膜構造下のアルミ素地に化学浸食は認められず、被膜
構造によりホイールは良好な耐蝕性を有することも判明
した。
ール前面8のみならず、リムのドロップ部の内面9全長
まで、形成した(従来は、ホイール前面のみ)。かくし
て製造されたアルミホイールは、下地の黒さを映えた、
深みのある色合いを有していた。また、メッキ4の下地
の色に黒色系統を選定することにより、メッキ自体の黄
色味のある色が黒系統の色によって目立たなくなり、ま
さに鏡面色となる。また、塗装範囲をホイール前面だけ
でなくリムのドロップ部の内面全長まで拡大したので、
ホイール前面部は透過する色調効果を引出し、リムのド
ロップ部の内面9はその色がホイール前面部8の鏡面に
反映して大きなデザイン効果を出す。また、50個のア
ルミホイールに被膜形成後、トップコート層5の焼付時
に、メッキ層4に微小亀裂が発生していないかどうかを
目視により確認したが、何れのアルミホイールにもメッ
キ層4の微小亀裂発生は認められなかった。したがっ
て、層3Aを設けて、ほぼ同じ熱膨張率の層3A、5で
メッキ層4を挟むことが亀裂発生防止に効果があること
が判明した。また、温度39°C×24時間、−18°
C×20時間、室温4時間の熱耐久試験を10サイクル
行ったが、被膜構造に剥がれやひび割れが認められず、
良好な耐久性があることが判明した。また、pH2の酸
性液に1分浸漬し、その後pH7の蒸留水に1分浸漬す
ることを、2000回繰り返す耐蝕性試験を行ったが、
被膜構造下のアルミ素地に化学浸食は認められず、被膜
構造によりホイールは良好な耐蝕性を有することも判明
した。
【0020】
【発明の効果】請求項1の構造によれば、金属材の素地
に、樹脂の電着塗装層、樹脂のアンダーコート層、金属
または金属化合物の層、樹脂のトップコート層を、順に
形成したので、メッキの下地処理が電着塗装プラス樹脂
のアンダーコートとなり、耐蝕性、耐割れ性が従来の粉
体塗装プラス中間層構造に比べて向上される。請求項2
の構造によれば、金属材をアルミニウム合金ホイールと
したので、アルミホイールの耐蝕性を向上させることが
できる。請求項3の構造によれば、樹脂のアンダーコー
ト層と樹脂のトップコート層の熱膨張率をほぼ同じとし
たので、トップコート層焼付時に金属または金属化合物
の層に微小亀裂が発生することを抑制できる。請求項4
の構造によれば、金属または金属化合物の層より下の層
の何れかの層を黒系統に着色したので、金属または金属
化合物の層に下地の黒系統の色を反映させることがで
き、高級感を出すことができる。請求項5の構造によれ
ば、金属または金属化合物のメッキ層を、アルミニウム
など純クロム以外の金属から構成したので、メッキ層の
金属を金属材(たとえば、アルミホイール)の材料と合
わせることにより、メッキのコストダウンと、金属材の
リサイクル(回収、再利用)の容易化がはかられる。請
求項6の方法によれば、金属材の素地の上に樹脂塗料を
電着塗装し、その上に樹脂のアンダーコート層を形成
し、その上に金属または金属化合物の層を形成し、その
上に樹脂のトップコート層を形成するので、できた製品
が請求項1の効果と同等の効果を有する。
に、樹脂の電着塗装層、樹脂のアンダーコート層、金属
または金属化合物の層、樹脂のトップコート層を、順に
形成したので、メッキの下地処理が電着塗装プラス樹脂
のアンダーコートとなり、耐蝕性、耐割れ性が従来の粉
体塗装プラス中間層構造に比べて向上される。請求項2
の構造によれば、金属材をアルミニウム合金ホイールと
したので、アルミホイールの耐蝕性を向上させることが
できる。請求項3の構造によれば、樹脂のアンダーコー
ト層と樹脂のトップコート層の熱膨張率をほぼ同じとし
たので、トップコート層焼付時に金属または金属化合物
の層に微小亀裂が発生することを抑制できる。請求項4
の構造によれば、金属または金属化合物の層より下の層
の何れかの層を黒系統に着色したので、金属または金属
化合物の層に下地の黒系統の色を反映させることがで
き、高級感を出すことができる。請求項5の構造によれ
ば、金属または金属化合物のメッキ層を、アルミニウム
など純クロム以外の金属から構成したので、メッキ層の
金属を金属材(たとえば、アルミホイール)の材料と合
わせることにより、メッキのコストダウンと、金属材の
リサイクル(回収、再利用)の容易化がはかられる。請
求項6の方法によれば、金属材の素地の上に樹脂塗料を
電着塗装し、その上に樹脂のアンダーコート層を形成
し、その上に金属または金属化合物の層を形成し、その
上に樹脂のトップコート層を形成するので、できた製品
が請求項1の効果と同等の効果を有する。
【図1】本発明の一実施例の金属材表面被膜構造の拡大
断面図である。
断面図である。
【図2】本発明の一実施例の金属材表面被膜構造を適用
したアルミホイールの断面図である。
したアルミホイールの断面図である。
1 金属材 2 電着塗装層 3A アンダーコート層 4 金属または金属化合物の層 5 トップコート層 6、7 プライマー
フロントページの続き (72)発明者 土田 健次 神奈川県藤沢市用田478番地の1 株式会 社日東社内 (72)発明者 我妻 新一郎 神奈川県藤沢市用田478番地の1 株式会 社日東社内
Claims (6)
- 【請求項1】 金属材の素地に、樹脂の電着塗装層、樹
脂のアンダーコート層、金属または金属化合物の層、樹
脂のトップコート層を、順に形成した金属材表面被膜構
造。 - 【請求項2】 前記金属材がアルミニウム合金ホイール
である請求項1記載の金属材表面被膜構造。 - 【請求項3】 前記アンダーコート層の樹脂と前記トッ
プコート層の樹脂にはほぼ同じ熱膨張率を有する樹脂が
用いれている請求項1記載の金属材表面被膜構造。 - 【請求項4】 前記電着塗装層、前記アンダーコート層
の何れか少なくとも1つの層が黒系の色を有し、前記ト
ップコート層がクリヤー層である請求項1記載の金属材
表面被膜構造。 - 【請求項5】 前記金属または金属化合物の層が、アル
ミニウム、窒化チタン、金からなるグループから選択さ
れた少なくとも1種の金属または金属化合物の乾式メッ
キ層から構成されている請求項1または2記載の金属材
表面被膜構造。 - 【請求項6】 金属材の素地の上に樹脂塗料を電着塗装
して樹脂の電着塗装層を形成する工程と、 前記樹脂の電着塗装層の上に樹脂のアンダーコート層を
形成する工程と、 前記樹脂のアンダーコート層の上に金属または金属化合
物の層を乾式メッキにより形成する工程と、 前記金属または金属化合物の層の上に樹脂塗料を塗装し
て樹脂のトップコート層を形成する工程と、からなる金
属材表面被膜構造の形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19761096A JPH1034813A (ja) | 1996-07-26 | 1996-07-26 | 金属材表面被膜構造とその形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19761096A JPH1034813A (ja) | 1996-07-26 | 1996-07-26 | 金属材表面被膜構造とその形成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1034813A true JPH1034813A (ja) | 1998-02-10 |
Family
ID=16377342
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19761096A Pending JPH1034813A (ja) | 1996-07-26 | 1996-07-26 | 金属材表面被膜構造とその形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1034813A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007108253A (ja) * | 2005-10-11 | 2007-04-26 | Dainippon Printing Co Ltd | スレッド用体積ホログラム、および、これを用いたスレッド付き偽造防止用紙 |
-
1996
- 1996-07-26 JP JP19761096A patent/JPH1034813A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007108253A (ja) * | 2005-10-11 | 2007-04-26 | Dainippon Printing Co Ltd | スレッド用体積ホログラム、および、これを用いたスレッド付き偽造防止用紙 |
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