JPH1034536A - バレル研磨石のクリーニング方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 バレル研磨石に対して、エアーの吹きつけよ
りも有効なクリーニング方法、並びに湿式のバレル研磨
石を用いて乾式の研磨方法を採ることができるようにし
たクリーニング方法を提供せんとする。 【解決手段】 回転式や振動式のバレルタンク２内に投
入されたバレル研磨石ｋ又は他の場所におけるバレル研
磨石に対し、ガラスビーズ、ステンレス、アルミニウ
ム、アルミナ等のショット材をブラストすることによ
り、研磨石に凹凸を形成して、その研磨能力を回復させ
る。特に、回転式や振動式のバレルタンク２内に湿式の
バレル研磨石ｋと被加工物とを投入して水等の液体を用
いずに乾式バレル研磨作業を行い、この研磨作業中に、
ショット材をブラストすることによって湿式のバレル研
磨石ｋをクリーニングする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本願発明は、バレル研磨石のクリ
ーニング方法の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】バレル研磨石は、バレル研磨加工の際、
被加工物と共に、バレルタンク内に投入されることによ
って、被加工物の表面の仕上げ加工等をするのに広く用
いられている。このバレル研磨石は、水を用いずにバレ
ル研磨するための乾式の研磨石と、水を用いてバレル研
磨するための湿式の研磨石とに大別される。乾式の研磨
石は主としてプラスチック製で、湿式のものは主として
セラミックやフラスチック製であり、一般に乾式のもの
より湿式のものの方が研磨力が高く、その種類も多い。
これらの研磨石は、使用が繰り返されることによって、
研磨石自身の凹凸が無くなったり、その微細の孔に研磨
粉が詰まったりして、研磨能力が低下する。そのため、
乾式のバレル研磨石（水を用いずに研磨するバレル研磨
石）では、エアーを吹きつけることによって、詰まった
研磨粉を吹き飛ばすして研磨力を回復させる、所謂クリ
ーニングが行われている。また、湿式のバレル研磨石
は、乾式のものよりも研磨力が高く、鉄等の硬い材質の
ものに適する点で有利であるが、この湿式のバレル研磨
石を水を用いない乾式のバレル研磨方法で用いると、研
磨石の目詰まり、表面硬化や汚れが発生すると言う欠点
があるとして、湿式のバレル研磨石を用いて乾式の研磨
方法を採ることはできないとされている。勿論、湿式の
バレル研磨石は、湿式で利用すればよいのであるが、湿
式と乾式とは用いられる装置が相違する場合があり、乾
式の装置を利用したい場合や、水を嫌う被加工物の場合
には、乾式のバレル研磨方法を採りたい場合がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本願発明は、バレル研
磨石に対して、エアーの吹きつけよりも有効なクリーニ
ング方法を提供することを第１の目的とする。また、本
願発明の第２の目的は、湿式のバレル研磨石を用いて乾
式の研磨方法を採ることができるようにしたクリーニン
グ方法を提供せんとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本願の第１の発明は、バ
レル研磨石に対して、エアーの吹きつけよりも有効なク
リーニング方法を開発せんとするものである。特に、エ
アーの吹きつけて微粉末を単に除去すると言った消極的
な方法ではなく、積極的に、研磨石に凹凸を形成して、
その研磨能力を回復させることができるクリーニング方
法を提供するものであって、その要旨は、回転式や振動
式のバレルタンク内に投入されたバレル研磨石又は他の
場所におけるバレル研磨石に対してガラスビーズ、ステ
ンレスシット、アルミニウムショット、アルミナ等の研
掃材をブラストすることによってバレル研磨石をクリー
ニングすることを特徴とするものである。

【０００５】次に、上記の本願の第２の目的に関して、
本願発明者が、湿式のバレル研磨石を用いて乾式の研磨
方法を実施する際の障害となる原因を追求したところ、
湿式の研磨石を乾式法で用いると、バレル研磨中におい
ても、研磨石の微細な孔に不純物が詰まると言う目詰ま
りが早期に生じ、この目詰まりが生じたままバレル研磨
を続けると表面が硬化して、研磨能力が著しく低下する
ことが確認された。従って、バレル研磨石をクリーニン
グしながら、バレル研磨作業を行うことにより、湿式メ
ディアの研磨能力の低減を防止し、最後まで、有効なバ
レル研磨作業を実現するものである。

【０００６】即ち、本願の第２の発明は、回転式や振動
式のバレルタンク内に湿式のバレル研磨石と被加工物と
を投入して水等の液体を用いずに行う乾式バレル研磨作
業中に、被加工物を研磨中の湿式のバレル研磨石に対し
てガラスビーズ、ステンレスショット、アルミニウムシ
ョット、アルミナ等の研掃材をブラストすることによっ
て湿式のバレル研磨石をクリーニングすることを特徴と
するバレル研磨石のクリーニング方法を提供するもので
ある。

【０００７】本願の第１の発明にて、クリーニングの対
象となるものは、乾式又は湿式の何れのバレル研磨石で
もよい。そして、このバレル研磨石に対して、研掃材を
ブラストすることによってバレル研磨石をクリーニング
する。研掃材は、ブラスト用の研掃材を適宜選択して用
いることができるが、特に、ガラスビーズ、ステンレス
ショット、アルミニウムショット、アルミナ等の研削力
の大きな研掃材を用いることが有利である。これによっ
て、バレル研磨石を研削して、その研磨能力を回復させ
ることができる。また噴射の空気によって、バレル研磨
石の目詰まりを解消させ、その研磨能力を回復させるこ
とができる。このブラストによるクリーニングは、ブラ
ストが可能の場所であれば自由に選択して行うことがで
きるが、バレル研磨石を回転式や振動式のバレルタンク
内に投入し、回転、振動させつつ行うことが、満遍ない
クリーニングが可能である点で有利であり、従来のブラ
スト装置を利用して、行ってもよい。さらに、バレル研
磨石のみに対してブラストを行うことによってクリーニ
ングしてもよいが、バレル研磨石を回転式や振動式のバ
レルタンク内に被加工物と共に投入し、研磨作業を行い
ながら、ブラストを行うことによってクリーニングをな
すようにしてもよい。

【０００８】本願の第２の発明にて、クリーニングの対
象となるものは、湿式のバレル研磨石である。そして、
研掃材は、ブラスト用の研掃材を適宜選択して用いるこ
とができるが、特に、ガラスビーズ、ステンレスショッ
ト、アルミニウムショット、アルミナ等の研削力の大き
な研掃材を用いることが有利である。これによって、バ
レル研磨石を研削して、その研磨能力を回復させること
ができる。また噴射の空気によって、バレル研磨石の目
詰まりを解消させ、その研磨能力を回復させることがで
きる。このブラストによるクリーニングは、バレル研磨
石を回転式や振動式のバレルタンク内に被加工物と共に
投入し、回転、振動によって被加工物を加工しながら、
行う。このとき、水を用いずに、乾式のバレル研磨とし
て実施する。これによって、早期に目詰まりや表面硬化
の生ずる湿式用のバレル研磨石を研削し、この研削によ
って研磨能力の回復した湿式用のバレル研磨石にて、被
加工物の研磨を行うという作用が繰り返し行われ、研磨
能力の低下を防止しつつ乾式のバレル研磨を継続して行
うことができる。これにより、湿式のバレル研磨石に
て、乾式の研磨が可能となり、湿式のバレル研磨方法に
おける研磨能力を向上させることができる。

【０００９】

【発明の実施の形態】図１は本願発明の実施に用いられ
る回転バレル装置の正面図、図２は同右側面図、図３は
同平面図である。

【００１０】この回転バレル装置は、基枠1 上にバレル
タンク2 が搭載されている。このバレルタンク2 の左端
には駆動軸21が固定され、この駆動軸21は基枠1 上の軸
受22に支承されている。駆動軸21にはスプロケット23が
取り付けられ、低速回転するギヤードモータ24の回転軸
に対し、ベルト25及びスプロケット26によって接続され
ている。

【００１１】バレルタンク2 の右端には、側面視円形の
開口が形成され、この開口には基枠1 上に固定された吸
込ダクト3 の先端が挿入されている。これにより、バレ
ルタンク2 は、右端が吸込ダクト3 によって回動可能に
支持された状態で、左端の駆動軸21の回転を受け、低速
で回転する。

【００１２】この吸込ダクト3 の基端には、集塵装置ｓ
に接続されたダクトホース31の吸込口32が、取設されて
いる。又、吸込ダクト3 の周壁には研掃材用接続管33ａ
とエア用接続管33ｂが取り付けられている。研掃材用接
続管33ａには研掃材用ホース34ａが接続され、エア用接
続管33ｂにはエアホース34ｂが接続されている。研掃材
用ホース34ａには、ブラストタンク（図示せず）から研
掃材が供給され、エア用接続管33ｂにはブロアー等の公
知の圧縮空気の供給源（図示せず）から高圧空気が供給
される。両接続管33ａ, 33ｂには、研掃材用パイプ35ａ
とエアパイプ35ｂが接続されている。この研掃材用パイ
プ35ａとエアパイプ35ｂは、バレルタンク2 内の中央上
部まで延長され、その先端に噴射ノズル36が取り付けら
れている。この噴射ノズル36はその噴出口を下方に向
け、この噴出口から圧縮空気によって、研掃材が高速で
噴射される。尚、圧縮空気による噴射に代えて、インペ
ラーユニット等の他の手段によって研掃材を投射しても
よい。

【００１３】次に、バレルタンク2 をさらに詳しく説明
すると、中央に大径の平行面部11とその左右両側の斜面
部12,12 から構成された略紡錘形をなし、図２に示すよ
うに、側面視八角形をなす。

【００１４】平行面部11の一つの面には蓋体14が開閉可
能に枢着されており、他の７面はパンチングメタル製の
篩部材13が張設されている。この篩部材13の目は研磨石
よりも小さく、主としてバリや微粉を排出する。尚、こ
の篩部材13は、フックレバー等により取り付け、容易に
交換可能にしておくことが好ましい。斜面部12は金属板
により構成されており、その内面はゴムライニングによ
って強化しておくことが望ましい。

【００１５】以上のバレル装置の全体は、二点鎖線で示
すカバー4 によって覆われ、このカバー4 の上部にはス
ライド式の蓋5 が設けられている。

【００１６】又、バレルタンク2 の下方には、選別機6
が配されている。この選別機6 は、篩網41を張設した本
体42が支持スプリング43…で支持されてなり、本体42下
面に設けられた振動モータ47による振動によって研磨石
と研掃材とを選別するものである。研掃材は篩網41を通
過し、下部排出口44から排出され、研掃材は篩網41上を
上部排出口45まで移送されることにより、両者の選別が
なされる。尚、選別機6 とバレルタンク2 との間には、
ガイド板46が配設されている。

【００１７】次に、まず、このバレル装置によって、研
磨石のみをクリーニングする方法を説明する。カバー4
の蓋5 を開け、バレルタンク2 を回転させて、その蓋体
14を上部に位置させて蓋体14を開ける。クリーニングの
対象となる研磨石K を投入した後、蓋体14及び蓋5 を閉
じ、ギヤードモータ24を始動させ、バレルタンク2 を回
転させる。これによりバレルタンク2 内の研磨石K が、
回転攪拌される。

【００１８】同時にブロワー及び集塵装置S を作動させ
る。これにより回転攪拌中の研磨石K に対し、噴射ノズ
ル36からガラスビーズ、ステンレスショット、アルミニ
ウムショット、アルミナ等の研掃材が噴射され、研磨石
k が研削され、研磨能力を回復する。このブラストによ
って発生する微粉は、ブラストの圧縮空気の噴射により
舞い上げられる。そして、舞い上がったこれらの微粉は
吸込ダクト3 から集塵装置S に集塵される。又、バレル
タンクの篩部材13からも、これらの微粉が排出される。
この篩部材13から排出させられたバリ等は、ガイド板46
に導かれ選別機6 上に落ちる。このように、研磨石から
発生する微粉末が、タンク内から次々と排出されるた
め、ブラストによって研磨石の目詰まりや汚れを逆に発
生させてしまうことを防止できるものである。

【００１９】ブラストによるクリーニングが完了すれ
ば、蓋体14が下方に位置するようにバレルタンクを停止
させ、蓋体14を開いて研磨石を選別機上に落とす。次に
選別機を作動させ、研磨石と、研掃材とを選別すること
により、良好な研磨石のみを得ることができる。

【００２０】次に、湿式のバレル研磨石を用いて、被加
工物をバレル研磨しながら、湿式のバレル研磨石をクリ
ーニングする方法を説明する。この場合の方法も、先の
実施の形態と同様であるが、湿式の研磨石と共に、被加
工物をバレルタンク2 内に投入して、装置を作動させる
点が相違する。前述のように、この場合、水は用いな
い。これにより研磨石K が被加工物と共に回転攪拌さ
れ、被加工物の研磨が行われると同時に、湿式バレル研
磨の研磨石が常に研掃材の噴射によってクリーニングさ
れ研磨能力が回復するため、良好な研磨作用を維持する
ことができる。また、前述と同様に、集塵機によって、
研磨石から発生する微粉末が、タンク内から次々と排出
されるため、ブラストによって研磨石の目詰まりや汚れ
を逆に発生させてしまうことを防止できる。選別機6 で
は、被加工物と、研磨石及び研掃材とを選別し、被加工
物は上部排出口45から、研磨石及び研掃材は下部排出口
44から排出される。尚、粒子の小さな研掃材は、集塵装
置S によって排出される。この集塵装置S によって排出
された研掃材をブラストタンクに戻して循環使用するこ
ともできる。

【００２１】以上の実施の形態例の他、本願発明は種々
変更可能である。例えば、ブラストの噴射ノズルは、複
数個設けてもよく、その導入部所も、吸込ダクトの他、
駆動軸21内を通す等適宜変更し得る。噴射ノズルからの
空気に加えて、他の供給口から空気等の流体を高圧で噴
射させ、微粉末を舞い上がらせるようにしてもよい。そ
して、その流体は、直接内容物に向ける他、バレルタン
ク内壁面に反射させて間接的に内容物に当てるようにし
てもよい。又、集塵装置は、バレルタンク内に舞い上が
った微粉末を集塵できるものであれば、その接続位置等
自由に変更し得る。但し、これらの流体の供給や集塵装
置は、必要に応じて設ければよく、微粉末が発生しにく
い研磨石をクリーニングする場合には、用いる必要がな
い。また、実施の形態に示したバレルタンクの他、環状
のバレルタンク内に研磨石を投入し、バレルタンクを振
動させることによって、バレルタンク内の研磨石を循環
移動させながら、ブラストを行うようにしてもよい。

【００２２】

【発明の効果】本願の第１の発明は、バレル研磨石に対
して、エアーの吹きつけよりも有効なクリーニング方法
を提供することができたものである。また、本願の第２
の発明は、湿式のバレル研磨石を用いて乾式の研磨方法
を採ることができるようにし、乾式法での研磨能力を向
上させることができたクリーニング方法を提供し得たも
のである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願発明の実施に用いられる回転バレル装置の
正面図である。

【図２】同右側面図である。

【図３】同平面図である。

【符号の説明】

２ バレルタンク ６ 選別機 ３６ 噴射ノズル ｋ 研磨石 ｓ 集塵装置

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転式や振動式のバレルタンク内に投入
   されたバレル研磨石又は他の場所におけるバレル研磨石
   に対してガラスビーズ、ステンレスショット、アルミニ
   ウムショット、アルミナ等の研掃材をブラストすること
   によってバレル研磨石をクリーニングすることを特徴と
   するバレル研磨石のクリーニング方法。
2. 【請求項２】 回転式や振動式のバレルタンク内に湿式
   のバレル研磨石と被加工物とを投入して水等の液体を用
   いずに行う乾式バレル研磨作業中に、被加工物を研磨中
   の湿式のバレル研磨石に対してガラスビーズ、ステンレ
   スショット、アルミニウムショット、アルミナ等の研掃
   材をブラストすることによって湿式のバレル研磨石をク
   リーニングすることを特徴とするバレル研磨石のクリー
   ニング方法。