JPH10341564A - 振動エネルギー変換器 - Google Patents

振動エネルギー変換器

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JPH10341564A
JPH10341564A JP16657297A JP16657297A JPH10341564A JP H10341564 A JPH10341564 A JP H10341564A JP 16657297 A JP16657297 A JP 16657297A JP 16657297 A JP16657297 A JP 16657297A JP H10341564 A JPH10341564 A JP H10341564A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造で且つ振動エネルギーの電力エネ
ルギーへの変換効率の高い新規な構造の振動エネルギー
変換器を提供する。 【解決手段】 少なくとも磁石11の一方の極の磁極1
2から出る磁束を、二つ以上のヨーク入り口にそれらの
数だけの、磁極12に面する空隙Sを介して分岐通過さ
せ、ヨーク出口からの磁束を再び磁石11の他極に戻す
磁気回路を形成すると共に、磁気回路の磁束に鎖交する
コイル15を巻回し、二つ以上のヨーク13はすべて剛
に機械的に接続され、磁極12とヨーク入り口間の距離
である空隙の長さを機械的なバネ系で弾性的に保持し、
振動の発生側に磁石11又はヨーク13の何れかを直結
し、振動によって空隙長が分岐の方向によって差動的に
変化することによって磁束の分岐に差動的な変化が生じ
るようにして、ヨーク13及び又は磁極12に巻回され
たコイル15から電力として取り出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は振動エネルギーを電
気エネルギーに変換する振動エネルギー変換器に係り、
特に例えば波浪の上下動を利用する発電器、振動の衝程
(ストローク)における減衰特性や周波数特性を調整し
た車両のショックアブソーバ、その他例えば回転機械の
回転軸等の振動を、電磁力で受動的に減衰させるための
減衰機構(ダンパ)等に用いて好適な振動エネルギー変
換器に関する。
【0002】
【従来の技術】微少な振動のエネルギーを電気エネルギ
ーに変換する装置の一つが従来の渦電流ダンパである。
渦電流ダンパは、振動エネルギーを渦電流という電気エ
ネルギーに一旦変換し、その場で抵抗損失によるジュー
ル熱を発生させて熱エネルギーに変換し、振動を減衰さ
せるものである。振動によって電気的導体(以下導体と
いう)上の磁束の分布や密度を変えたり、磁束を導体が
切断することによって、導体に起電力が発生し、その起
電力が導体内で短絡された形となっているので、渦電流
Iが生じ、短絡された回路の抵抗をRとすればI2 Rの
熱エネルギーを発生する。発生起電力Eが同じであれ
ば、同じ熱エネルギーをE2 /Rと表現することもでき
る。
【0003】しかしながら、渦電流ダンパは発生した電
気エネルギーをそのまま熱エネルギーに変換して捨てて
いる。ダンパの場合には振動を減衰するのが目的である
からそれでもよいが、ダンピングの効率という点では、
必ずしも十分ではない。
【0004】また、従来の微少な振動のエネルギーを電
気エネルギーに変換する装置として、例えば図12に示
すボイスコイル型の発電器が知られている。これは、放
射状の磁束分布の狭い空隙Sに軸方向運動で磁束を切る
コイル15を配置して、そのコイルに生じる起電力ΔE
を外部に取り出すものである。狭い空隙S内に可動側の
コイル15を配置しているために、コイルの銅線は細く
しないと狭い空隙内に収容されないのでコイルの電気抵
抗が増大する。逆に電気抵抗を減らすために銅線を太く
すると空隙に収まらなくなるので空隙を広くせざるを得
なくなり、磁束密度を低下させて発生起電力が低下す
る。又振動の振幅が大きくなると空隙の長さ(円筒状空
隙の円筒軸長)を大にするか円筒状のコイル円筒長を長
くする必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述した
ように、従来の渦電流ダンパ又はボイスコイル型の発電
器においては、空隙中の磁束分布を固定しておいて、そ
の中に導体を配置することで、起電力を発生させるもの
である。このため、例えばボイスコイル型の発電器の効
率を上げるためには、電流Iが流れる導体コイル部分を
なるべく太くして電気抵抗Rを小さくする必要がある。
そのためには空隙幅を広げることが必要となるが、これ
は磁束密度の低下を招き、結局、電気エネルギーへの変
換効率を上げることは困難である。
【0006】本発明は上述した事情に鑑みて為されたも
ので、簡単な構造で且つ振動エネルギーの電気エネルギ
ーへの変換効率の高い新規な構造の振動エネルギー変換
器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の振動エネルギー変換器は、少なくとも磁石の一方の極
の磁極から出る磁束を、二つ以上のヨーク入り口にそれ
らの数だけの、該磁極に面する空隙を介して分岐通過さ
せ、該ヨーク出口からの磁束を再び該磁石の他極に戻す
磁気回路を形成すると共に、該磁気回路の磁束に鎖交す
るコイルを周回し、該二つ以上のヨークはすべて剛に機
械的に接続され、該磁極と該ヨーク入り口間の距離であ
る該空隙の長さを機械的なバネ系で弾性的に保持し、振
動の発生側に該磁石又は該ヨークの何れかを直結し、該
振動によって該空隙長が分岐の方向によって差動的に変
化することによって該磁束の分岐に差動的な変化が生じ
るようにして、該ヨーク及び又は該磁極に周回されたコ
イルから電力として取り出すことを特徴とする。
【0008】請求項1に記載した本発明においては、高
透磁率の磁気回路(ヨーク)を一個の永久磁石に対して
並列に二つ以上に分岐し、分岐点は磁石のN極とS極の
同材料の磁極とヨーク間の空隙に設け、その磁極又はヨ
ークには銅などの低電気抵抗の材料のコイルを周回する
配置としたものである。振動がないときには磁石からの
磁束は分岐点の空隙もほぼ対称なので全ヨークをほぼ均
等に分岐して流れるが、変位を生ずると並列に配置した
ヨークの空隙に非対称性が生じ、そのために各磁気回路
の磁気抵抗に差が生じることによって磁束の振り分け効
果を招き、各ヨークに通過磁束数の差動的変動を発生さ
せる。それが磁束の変化に鎖交する起電力を磁極、ヨー
クに周回された導体に効果的に発生させることになる。
外周の導体のほうがより有効な場合には、ヨークは磁石
からある程度離して設け、電流回路としての銅コイルの
ために十分なスペースを与えることができる。振動に伴
う磁極とヨーク間の空隙の変位による磁石からの磁束数
の絶対量は殆ど変化しないが、流路と方向に変化をもた
らし、これにより効果的に導体に起電力を発生する。ま
た、このような構造・配置にすることによって電気抵抗
のネックとなる部分がなくなるので、導体の損失を低減
して発電器又はダンパとしての効率が増大する。
【0009】本発明の請求項2に記載の振動エネルギー
変換器は、回転対称軸方向に着磁したリング状磁石の両
極にリング状磁極を配置し、該両極を磁気的に接続する
リング状ヨークを該磁石の内部又は外部にリング状空隙
を介して配置し、該リング状空隙は機械的なバネ系で弾
性的に保持され、振動発生側を該磁石又は該ヨークの何
れかに直結すると共に、該磁気回路の磁束に鎖交するコ
イルを周回し、該振動によって該リング状空隙の該空隙
長を、振動方向に長短の差動的な変化をもたらすことに
よって該磁石からの磁束の経路に変化が生じるようにし
て、該ヨーク及び又は該磁極に周回されたコイルから電
力として取り出すことを特徴とする。
【0010】本発明の請求項3に記載の振動エネルギー
変換器は、回転対称軸と直交するラジアル方向に着磁し
たリング状磁石の両極にリング状磁極を配置し、該両極
を磁気的に接続する2個のリング状ヨークを該磁石を挟
むようにリング状空隙を介して配置することによって、
該磁石の一方の磁極からの磁束を該磁極に面する二つの
空隙を介して分岐させて該ヨークの入り口に流し、該ヨ
ーク出口に面する側の該二つの空隙を介して再び該磁石
の他方の磁極へ戻す磁気回路を形成すると共に該磁気回
路の磁束に鎖交するコイルを周回し、該2個のヨークは
剛に接続され、該対称軸方向の振動発生側を該磁石又は
該ヨークの何れかに直結し、該振動によって該空隙長が
分岐の方向によって差動的に変化することによって該磁
束の分岐に差動的変化が生じるようにして、該ヨーク及
び又は該磁極に周回されたコイルから電力として取り出
すことを特徴とする。
【0011】請求項1〜3のいずれの場合にも空隙には
磁石の吸引力により不平衡又は不安定磁気力剛性が発生
するので、それを防ぐための機械的なバネ要素による安
定化が必要である。
【0012】本発明の請求項4に記載の振動エネルギー
変換器は、請求項1乃至3におけるヨーク又は磁極を装
着した磁石のいずれか一方を、装置の振動の防振を希望
する位置に装着し、コイルに電気的な素子を接続して閉
回路とすることによって振動減衰の効果を向上させた、
又は減衰の周波数特性を調整可能にしたことを特徴とす
る。
【0013】本発明の請求項5に記載の振動エネルギー
変換器は、磁石の少なくとも一方の磁極に対向して空隙
を介して相互に固定された複数のヨークを設け、該磁極
及びヨークには該両者間の相対変位振動方向に垂直方向
に一つ以上の突起部を設け、該磁極の該突起部は該ヨー
クの突起部とは該ヨークごとに振動位置によって対向最
接近面積が変化するように配置し、突起部の幅を超える
該相対変位振動によって該磁石から磁束の該ヨークへの
振り分けに変化が生じ、該磁極及び又は該ヨークに巻か
れたコイルから電力を取り出すことを特徴とする。
【0014】本発明の請求項6に記載の振動エネルギー
変換器は、請求項5において、相互の突起部の空隙を振
動衝程で変化のある構造にして、該振動衝程に依存する
発電効果によって該磁極及び又はヨークで発生する渦電
流に変化を与えて該振動の衝程での減衰効果に変化を与
えたことを特徴とする。
【0015】本発明の請求項7に記載の振動エネルギー
変換器は、請求項6において、磁極及び又はヨークの複
数の突起部の間の任意の凹部にコイルを巻き、該コイル
に電気素子を接続して閉回路を形成し、振動の衝程に依
存する減衰特性を与えたことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図1乃至図11を参照して説明する。
【0017】〔第1実施形態〕図1は、2分岐回路の実
施形態を示す例である。その構造は、1個の角柱状永久
磁石11とこれに装着された磁極12とから、空隙を隔
てて配置された2個の板状ヨーク13,13に磁束が分
岐される場合である。この例ではヨーク13に銅製のコ
イル15が周回されている。即ち、図示する方向に着磁
した角柱状永久磁石11の両端には、珪素鋼板又はフェ
ライト等の磁性材からなる磁極12が固定され、N極と
S極とを構成している。磁極12に空隙Sを介して対面
するように、板状のヨーク13が配置されている。ヨー
ク13も磁極12と同じ高透磁率の珪素鋼板又はフェラ
イト等の材料が用いられている。磁極12及びヨーク1
3は、高透磁率であり、特に発電器として利用する場合
には、磁極とヨークには、珪素鋼板やフェライト等の高
透磁率、高抵抗で渦電流損失及びヒステリシス損失の少
ない材料を用いることが必要である。ダンパとして利用
する場合には、ヨーク及び磁極は電磁軟鉄等の比較的低
い抵抗値を有するもので、該ヨーク及び磁極内に渦電流
を形成するようにしてもよい。電力取り出しのコイル1
5は、ヨーク13に周回されており、磁極とヨーク間の
狭い空隙に設けるものではないので、太い銅線で電気抵
抗を減らすことが可能である。この例では、ヨーク13
に代えて磁極12に銅製のリングを周回させて、磁気回
路と鎖交する渦電流の電流流路としてもよい。
【0018】次に磁束の振り分け効果について説明す
る。例えば磁石11及び磁極12を振動の減衰対象物に
装着して、板状ヨーク13をその近傍の靜止体に固定す
る。そして、磁石11及び磁極12側が図示する左右方
向(矢印方向)に振動が生じたとする。図1(A)は相
対変位のない場合で磁石からの磁束2Φが均等にΦずつ
に2分され、(B)は左側空隙が狭く、右空隙が広くな
った場合で、左側の磁気回路ではΦ+ΔΦとなり、右側
の磁気回路ではΦ−ΔΦとなり、変化分の磁束ΔΦが左
回りの周回磁束になることを示したものである。(C)
はそれとは逆の相対変位になった場合であり、変化分の
磁束ΔΦが右回りの周回磁束になることを示したもので
ある。(B)(C)の右図はコイル15に鎖交した周回
磁束の増大とそれを妨害する方向の起電力Eの方向を示
したものである。従って相対変位が振動であれば、変化
分の磁束ΔΦは磁石を通らずに磁極と2個のヨークで形
成される磁気回路を周回振動し、それと鎖交するコイル
15に交流起電力Eを発生する。
【0019】ダンパの場合には、コイルにコンデンサな
どの電気回路素子を接続して減衰効果を更に向上させた
り、周波数特性を調整することも可能である。即ち、コ
イルの両端を短絡した場合には、コイルは単にインダク
タンスと微少な抵抗素子として動作する。これでは振動
に対して減衰効果が弱いので、コイルの両端に放熱用抵
抗素子及びコンデンサを取り付け、インダクタンスによ
る悪影響を低減するようにする。これにより、振動周波
数に対するダンピング特性を向上させることができる。
減衰に周波数特性を持たせたい場合には、コイルに適当
な容量のコンデンサ等の電気的な素子を接続すること
で、また、コイル巻数の調整を行うことで、コイルに周
波数特性をもたせることができる。これにより、特定周
波数領域の減衰特性を著しく改善することができる。ま
た、発電器の場合にはコイル両端から、振動に対応した
起電力ΔEを取り出すことができる。特に銅コイル15
は、狭い空隙中に設けられたものではないので、電気抵
抗成分の増大等を考慮することなく、所要の抵抗損失に
抑えることができる。
【0020】上述した構成の振動エネルギー変換器は、
磁石を含まない複数のヨークを磁石の磁極に対して空隙
を介して配置して、空隙は磁石からの磁束の入出力の分
岐点に相当し、振動による各ヨークと磁石との空隙にお
ける相対変位によって磁石から見た磁気抵抗が各ヨーク
によって差動的に変化するようにしたものである。つま
り、磁石からの磁気回路となるヨークを二つ以上に並列
分岐して設けて磁石からの磁束の流れを分岐させ、振動
による相対変位に伴う分岐点での磁束の流れの振り分け
効果が顕著になるようにすることによって、磁気回路中
の磁束が大幅に変化するようにしたものである。発生電
力はヨーク又は磁極に周回したコイルから、抵抗損失を
少なくして効率的に取り出すことができる。
【0021】これまでの図12に示すようなボイスコイ
ル型の発電器では発生電力を取り出すコイルは狭い空隙
内に磁極又はヨークと接触しないように収容する必要か
ら、細いものしか使用できず、それが出力の電気抵抗を
大にするという問題点があった。しかしながら、上述し
た構造の振動エネルギー変換器においては、珪素鋼板な
どの高透磁率で渦電流を防ぐ材料による磁気回路(ヨー
ク)を一個の永久磁石に対して並列に二つ以上に分岐
し、分岐点は磁石のN極とS極に接続した同材料の磁極
とヨーク間の空隙に設け、かつ必要ならばそのヨークを
磁石から少し離して設けてそのヨークには太い銅線コイ
ルなどの低電気抵抗の材料を周回するスペースが充分取
れる配置とすることも可能である。磁石とヨークとの相
対変位により各磁気回路の磁気抵抗に差動的な差が生じ
ることによって、磁束の振り分けの変動効果を招き、各
ヨークに通過磁束数の変動を発生させる。それがヨーク
に巻かれた導体コイルと鎖交する交流磁束となるので、
コイルに起電力を効果的に発生させることになる。図1
では磁束の変動分をΔΦで表現し、これは磁石を通らな
いので、振動による磁束の振分けを容易とする。コイル
は空隙内に収容する必要がないから、十分なスペースを
与えられているので、必要な太さと巻数を自由に選ぶこ
とができる。振動の振幅が小さい場合には、空隙をそれ
だけ狭くできるので、磁束の振り分け変動の効果が一層
増大する。
【0022】磁石のために相対変位に対する剛性は不安
定なので、何らかの機械的な安定剛性を付与する必要が
ある。それには金属バネを使用してもよいし、ダンパの
場合には空隙に粘弾性的フィルム状の膜、例えばゴムシ
ートを挟んでもよい。
【0023】また、図1における下側の空隙Sを無くし
て磁石と直結し、ヨークを多少薄く作ってヨークの弾性
効果を利用することも可能である。ただし、磁束の振り
分け効果は上側の空隙だけになるから磁束の振り分け効
果は落ちる。或いは、下側ヨークと下側磁極とを接続し
て空隙を下側磁極と磁石間に移動してもよい。空隙をこ
れらの機械的な安定化のために弾性体で埋めることなど
によって相対位置の原点が完全な対称点からずれても、
その位置を中心とする振動となるから問題はない。
【0024】〔第2実施形態〕図2は、4分岐回路の実
施形態を示すもので、その構造は、図1に示したのと同
様な1個の磁石に対して棒状ヨークを4個設けて、2方
向(X,Y)の振動のエネルギーの電気エネルギーへの
変換を目的としたものである。図1に示す第1の実施形
態では永久磁石11から流れ出た磁束が磁極12を介し
て右側と左側の2個のヨーク13に2方向(例えばX方
向)に分岐するのであるのに対して、これにY方向を加
え、X,Y両方向の振動に対するエネルギー変換効果を
狙ったもので、磁束を4方向に分岐するようにしたもの
である。これにより、直交2方向(X,Y方向)の剛体
の振動のエネルギーの電気エネルギーへの変換が1個の
磁石で可能になる。4個のヨークは、固定部材14によ
り互いに剛に固定されている。
【0025】分岐は2方向以上なら、3方向でも5方向
でもよいことは言うまでもない。多数の分岐は構造的に
複雑化するので、ヨークを中空の球状又は円筒状にし、
中心軸に円筒状の穴をあけてそれに円柱状の磁石と磁極
を納めた方がよい場合もある。空隙の保持には前述と同
様に、何らかの機械的な復元機構が必要であることは変
わらない。
【0026】〔第3実施形態〕図3は、リング形状のラ
ジアル方向用の振動エネルギー変換器を示す。軸方向に
着磁された円筒状磁石21の両端にはフェライト等の磁
極22が装着されている。扁平なリング状の磁極22の
内周面(磁極面)22aに対向するように、円筒状ヨー
ク23が配置されている。円筒状ヨーク23は、その中
央部の開口に例えば振動の減衰対象の回転軸が挿通され
る。この実施形態においては、円筒状の磁石21及び磁
極22は回転機械装置の靜止部に固定されている。従っ
て、磁極22の内周面22aとこれに対向するヨーク2
3の円筒状内周面23aとは、空隙を隔てて対向し、円
筒状磁石21のN極から磁極22、空隙(22aと23
aとの間)、円筒状ヨーク23、空隙(22aと23a
との間)、磁極22を通り、S極に戻る磁気回路が形成
されることは、上述した実施形態と同様である。
【0027】この実施形態においては、磁極22には4
箇所にコイル25が周回されている。また、ヨーク23
にはヨーク内の軸方向の磁束と鎖交するコイル26x,
26yが設けられている。コイル26xは、ヨーク23
がx方向に振動したときに生じる軸方向のヨーク内の磁
束変化分ΔΦによる起電力ΔEを取り出すためのもので
あり、ヨーク23の内周面を半周して貫通孔27aを通
り、再びヨーク23の外周面を半周して図示しない図の
手前側の貫通孔からヨーク内周面に戻るように周回され
ている。一方で、コイル26yは、ヨーク23がy方向
に振動したときに生じる磁束の変化分ΔΦと鎖交するコ
イルであり、貫通孔27bを通り、ヨーク23の内周面
に沿って半周し、反対側の貫通孔27bを通りヨーク2
3の外周面に移り、再び半周して元の貫通孔27bに戻
るように周回されている。
【0028】リング形状の振動エネルギー変換器におい
ては、磁気回路の変化が図1又は図2に示す角柱状のも
のとは多少異なるので、次に、この点について説明す
る。図4は、図3の振動エネルギー変換器を上から見た
図であり、ヨーク23が少し右側へ変位した場合の磁束
変化分ΔΦの流れを示したものである。変位がなく中央
に位置しておれば空隙Sは全周にわたって均等なので、
磁石からの磁束は最短距離の近接したヨークへ流れて元
へ戻るので磁束Φは軸対称で放射状に均等に分布する。
しかし、ヨーク23が右変位すれば左側空隙Sは広く、
逆に右側空隙Sは狭くなるので、磁束密度は右端空隙で
最大となるが、その付近は磁束が集中し易いために等価
的に磁気抵抗が増大するので、全磁束がその一点に集中
するわけではなく、全周にわたって滑らかな勾配を持っ
た分布となる。従って左側の磁極部分からの磁束は、リ
ング状磁極に沿って左側からかなり離れた空隙のヨーク
を経て逆の磁極へ戻り、磁極に沿って左側の磁石部分へ
戻る。
【0029】磁束の変化分ΔΦは、図示するようにヨー
ク23が右方向に移動した場合には、ヨーク内を右側に
おいては磁束が下方向に流れ、左側においては磁束が上
方向に流れる。そして、ヨーク上側の外周面23aから
上側の磁極の外周面22aに入り、上側の磁極22を略
半周して再び磁極とヨークとの空隙を通り、ヨーク側に
入りヨーク内を軸方向に流れる。従って、ヨーク23の
x方向の振動に対して生じる磁束の変化分ΔΦの振動
を、磁極22においてはコイル25yで、ヨーク23に
おいてはコイル26xで、鎖交させて、起電力ΔEとし
て捉えることができる。同様にヨーク23のy方向の振
動に対して生じる磁束の変化分は、磁極22においては
コイル25xで、ヨーク23においてはコイル26yで
鎖交させて捉えることができる。
【0030】尚、上述したコイルの配置は一例を示すも
ので、コイルの周回の仕方は種々の形態が考えられる。
例えばコイル26x,26yを一本の線で接続するよう
にしてもよい。又、図3及び図4に示す実施形態では磁
石を外側としてヨークを内側としたが、この逆であって
も、磁束の変化分ΔΦの流れは同様である。
【0031】〔第4実施形態〕図5は、半径方向に着磁
されたリング状磁石を用いた軸方向振動エネルギー変換
器の実施形態を示す。この実施形態においては、扁平な
リング状の磁石31の内周側と外周側にそれぞれリング
状の磁極32A,32Bを備え、その磁極に対して軸方
向に対向した面を有するコの字形の同様にリング状のヨ
ーク33A,33Bを備えている。上側のヨークと下側
のヨークとは物理的な結合手段34により固定され、機
械的に一体の剛の構成となっている。従って、半径方向
に着磁された磁石31からの磁束は、N極から半径方向
に磁極32Aに入り、空隙Sを介してヨーク33A,3
3B内を流れ、再び空隙Sを介してS極側の磁極32B
に戻る。従って、磁石側又はヨーク側の一方を固定側と
し、他方を移動側とすると、移動側の軸方向の振動によ
り、空隙Sの大きさが変化し、これに伴いヨーク33
A,33Bに流れる磁束Φが振り分けられ、磁束の変化
分ΔΦが振動する。コイル35は、図示するようにヨー
ク33内を円周方向に沿って周回されている。従って、
コイル35には上側ヨーク33A、磁極32A、下側ヨ
ーク33B、外周側磁極32Bを通って周回する磁束の
変化分ΔΦの磁気回路と鎖交し、起電力ΔEを取り出す
ことができる。
【0032】即ち、磁石31のN極から生じる磁束は磁
極32Aで上側ヨーク33Aと下側ヨーク33Bとに振
り分けられる。即ち、磁極32Aが上側ヨーク33Aと
下側ヨーク33Bとの中間位置にある場合には、磁石か
ら生じる磁束は均等に振り分けられる。しかしながら、
磁石31が軸方向に振動すると、即ち磁石31が下方向
に移動すると、下側ヨーク33BにはΦ+ΔΦの磁束が
流れ、上側ヨーク33AにはΦ−ΔΦの磁束が流れる。
磁石31が上方向に移動すると、この逆となり、上側ヨ
ーク33AにはΦ+ΔΦの磁束が流れ、下側ヨーク33
BにはΦ−ΔΦの磁束が流れる。従って、磁石31の軸
方向の振動に伴い磁束の変化分ΔΦは上側ヨーク33
A、外周側磁極32B、下側ヨーク33B、内周側磁極
32Aの磁気回路を流れる。このように、磁束の変化分
ΔΦは磁石31及び磁極32A,32Bの軸方向の振動
によって形成されるので、振動側の変位に対して比較的
大きな磁束の変化分ΔΦが得られる。又、この磁束の変
化分を取り出すコイル35は、磁極間の空隙ではなくヨ
ーク内側の比較的スペースのある部分に設けられるの
で、コイルのターン数及び線径等を任意に選択すること
ができ、大きな起電力を取り出すことが可能であり、又
コイルの抵抗を低減することも可能である。なお、リン
グ状磁石は一体にせず、複数個の断片を磁極で接続して
もよく、また、必ずしも完全な円形でなく、四角形等の
平面的にループになっていればよい。
【0033】〔第5実施形態〕磁極とヨークとの間には
磁気吸引力が生じるので、バネ手段により安定剛性を与
える必要がある。例えばボールベアリングの外レースに
上述の第3実施形態のリング状ダンパをはめてボールベ
アリング4に伝わるロータ3のラジアル方向の振動を吸
収するようにすることも可能となる。図6の実施形態で
は、磁石35が外側で、ヨーク37が内側の場合であ
る。内側ヨークリング37と外側リング磁極36で挟ま
れたダンパからなり、両者間の空隙には弾性フィルム3
8が機械的なバネとして介在する。係る実施の形態にお
いては、ボールベアリング4に伝わる回転軸3の振動
が、弾性フィルム38により吸収されると共に、ヨーク
37が半径方向に振動し、第3実施形態において説明し
たように、その振動エネルギーがコイルに電気エネルギ
ーとして取り出され、コイルに接続された抵抗によって
消費され振動が減衰される。特にコイルのインダクタン
ス分が大きい場合には、コイルの両端にコンデンサ素子
を接続することで、振動の減衰の向上や、周波数特性を
持った減衰をさせることができる。
【0034】〔第6実施形態〕しかしながら、振動の振
幅が大きい往復運動の場合には、その振幅以上の空隙長
が必要となるが、空隙長を大にして小振幅の振動が入力
されると、磁束の振り分け効果が著しく低下するので対
策が必要である。その対策として、図7に示すような振
動エネルギー変換器が考えられる。例えば磁石41に接
続した二つの磁極42A,42Bに、それぞれと対向す
る二つのヨーク43A,43C,及び43B,43Dと
を設ける。磁極とヨークの間に、相対運動(矢印方向)
と直角方向に一つ以上の突起を磁極側に設け、それと空
隙を介して対向するヨーク側にも一つ以上の突起を設け
る。振動による両者間の相対変位によって一方のヨーク
と磁極では突起同士が最接近し、同時に他方のヨークで
は一方の突起が他方の突起の間の凹んだ位置に対面して
磁気抵抗が最大となる。あるいは更に他にもヨークがあ
る場合には例えば中間の磁気抵抗になるような構造の突
起/凹部の配置にして、振動周波数の何倍かの高周波の
発電を、ヨークの数によっては多相の発電器とすること
も可能である。
【0035】コイル46A,46Bは、それぞれヨーク
43E,43Fに周回されている。ヨーク43E,43
Fは、それぞれヨーク43Aと43C、43Bと43D
とを接続するヨークである。電力の取り出しは、ヨーク
43Eに周回したコイル46A、及び又は、ヨーク43
Fに周回したコイル46Bから取り出される。
【0036】磁石41のN極から生成する磁束は、磁極
42A,42Bの位置によりヨーク43A側か、ヨーク
43B側かに振り分けられる。振り分けられた側のヨー
ク43E,43Fには、磁束Φ−ΔΦ又はΦ+ΔΦが流
れる。従って、磁極42A,42Bが矢印方向に移動す
ると、磁極とヨークの突起同士が接近すること及び離れ
ることに従い、磁極42A、ヨーク43B、43F、4
3D、磁極42B、ヨーク43C、43E、43A、を
通り再び磁極42Aに戻る磁気回路に磁束の変化分ΔΦ
の振動磁束が形成される。このようにして振り分け磁束
の変動分ΔΦは磁石を流れない。この振動磁束ΔΦの変
動をコイル46A,46Bで取り出すことができる。係
る磁気回路の構成によれば、磁極42A,42Bの矢印
方向の変位幅を磁石の長さ或いは突起の幅に係わらず大
きく取れるので、大振幅の振動から電気エネルギーを取
り出すことが可能である。例えば、波浪の上下動の振動
エネルギーを発電電力として取り出す場合に好適であ
る。図示していないが、一体化された磁極と磁石は接近
したヨークに吸引されるので相対運動方向に垂直方向の
振動力を受けるため、直動のベアリング等のガイド機構
が必要であろう。
【0037】以上の説明は振動エネルギー変換器を発電
器として用いた場合についてのものであるが、大振幅の
衝程(ストローク)を有する例えば車両のショックアブ
ソーバとしても用いることができる。この場合は、コイ
ル46A,46Bに放熱用の抵抗素子やコンデンサを接
続し、振動エネルギーを電気エネルギーに変換し、放熱
用抵抗素子で消費するようにすればよい。また、磁極及
びヨークを電極軟鉄等の比較的電気抵抗の低い磁性材を
用いることによって、渦電流を磁極及びヨーク内部に形
成することもできる。これにより、コイルを不要として
構造を簡素化することができる。
【0038】このような大振幅なストローク中におい
て、任意の場所で減衰効果に変化を与えたい場合があ
る。この場合には、例えば減衰効果に変化を与えたい部
分にコイル45C,45Dを設け、それらのコイルにコ
ンデンサ又は放熱用の抵抗素子を接続する。これにより
磁極42Aの部分が当該コイル部分に到達すると、はじ
めてコイル45C,45Dに磁束の変化分ΔΦが鎖交
し、コイル45C,45Dにも誘導電流が流れ、抵抗や
コンデンサ素子で、発電制動をより有効にしたり、周波
数特性を変化させることができる。特に、コイルはイン
ダクタンス分が大きいため、放熱用抵抗素子に直列又は
並列にコンデンサ素子を介在させることで、力率を高め
発電制動を効率的にすることもできる。また、往復運動
のストロークの位置によっては、空隙長を変えてストロ
ーク位置での減衰特性を調整することも可能である。
【0039】〔第7実施形態〕図8は、他の実施形態の
大振幅用の振動エネルギー変換器を示す。これは、衝程
に対応する突起部間の全ての凹部にコイル49A,49
B,...,50A,50B,...を周回させてい
る。そして、各コイルに放熱用抵抗素子及びコンデンサ
を接続し、それぞれ閉回路を形成する。そして抵抗素子
の抵抗値又はコンデンサ素子の容量値をそれぞれ衝程に
対応させてそれぞれ設定する。即ち、発電制動に伴う減
衰特性を、電気素子の値を選択することによりそれぞれ
設定する。例えば衝程の中央部付近では低周波領域での
減衰の周波数特性を小さくして、衝程の両端部付近では
高周波領域での減衰の周波数特性を大きくする等の衝程
に応じた減衰の周波数特性を付与する。これにより衝程
に依存する減衰特性を与えることができ、例えば車両の
ショックアブソーバに用いた場合に、車両の特性に応じ
た任意の減衰特性を有するショックアブソーバを実現す
ることができる。
【0040】次に本発明の原理に基づく振動エネルギー
変換器の振動減衰効果について説明する。図9に示すよ
うにステンレス製の板50の一端を片持ちバリ状に支持
し、他端に図1の振動エネルギー変換器のヨーク13を
取り付けて、図1の振動エネルギー変換器の磁石11及
び磁極12の有無による比較でダンパ効果を実験した。
ステンレス板50が機械的な復元剛性を与え、かつ振動
のためのバネ要素ともなっている。磁石部分11,12
なしの場合の振動を外部からの打撃で与えてヨーク部分
の変位を空隙センサ(図示せず)で検出したものの記録
が図10である。減衰が非常に悪く減衰比ζで約0.0
05である。
【0041】図11(A)は磁石部分11,12をヨー
ク13に接触しないように配置固定した場合の同じ打撃
による振動減衰効果である。この実験ではヨークに周回
するコイルを開放して使用した場合である。ヨーク及び
磁極に電気抵抗の比較的低い電磁軟鉄等の磁性材を使用
して、ヨーク及び磁極内に渦電流を形成するようにして
いる。ζは約0.3となった。尚、時間軸は図10に示
す場合の10倍に取っている。
【0042】しかし、ヨークに周回したコイルを開放で
はなく、コンデンサをコイル両端間に装着することによ
って、インダクタンス分の低減を意図した実験では、図
11(B)に示すように、減衰効果が更に向上し、減衰
比ζは約0.5となった。このことは、本発明によっ
て、振動エネルギーが電気エネルギーに変換され、かつ
それが磁極又はヨークに周回されたコイルに取り出すこ
とが可能で、更に、それが受動回路を付属させてダンパ
としての周波数特性をも調整可能であることを示してい
る。
【0043】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明は磁石の
磁極から出る磁束を二つ以上のヨークの磁極に対面する
面に分岐して磁気回路を形成するようにしたものであ
る。これにより、磁石又はヨークの一方を固定又は自由
にして他方を振動源に接続した時に、磁極とヨークの全
断面に生じる磁束の変化分ΔΦをヨーク又は磁極に周回
されたコイルから起電力として取り出すようにしたもの
である。このように磁束の変化を有効に利用して効率的
に振動エネルギーを電気エネルギーに変換できるので、
発電器として用いた場合にはその発電効率を向上させる
ことができ、ダンパとして用いた場合にはその減衰効率
を向上させることができる。
【0044】更にヨーク又は磁極に周回したコイルに抵
抗素子又はコンデンサ素子等の受動的な電気素子を接続
できるので、減衰特性又は周波数特性等の調整が容易で
ある。
【0045】更に相対する磁極及びヨークに平行な相対
振動方向に対して、垂直方向に突起部を設け、磁束を振
り分けることで、大振幅に対応した発電器又はダンパを
実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の振動エネルギー変換器
の説明図である。
【図2】本発明の第2実施形態の振動エネルギー変換器
の説明図である。
【図3】本発明の第3実施形態の振動エネルギー変換器
の説明図である。
【図4】図3における磁束の変化分ΔΦの流れを示す説
明図である。
【図5】本発明の第4実施形態の振動エネルギー変換器
の説明図である。
【図6】本発明の第5実施形態の振動エネルギー変換器
の説明図である。
【図7】本発明の第6実施形態の振動エネルギー変換器
の説明図である。
【図8】図7の変形例を示す説明図である。
【図9】実験装置の概要を示す説明図である。
【図10】ダンパを取り付けない場合の板バネの振動波
形を示す図である。
【図11】本発明の振動エネルギー変換器を取り付けた
場合の板バネの振動波形を示す図であり、(A)はコイ
ルを開放した場合であり、(B)はコイルにコンデンサ
を接続した場合である。
【図12】従来の振動エネルギー変換器であるボイスコ
イル型発電器の説明図である。
【符号の説明】
11,21,31,41 磁石 12,22,32,42 磁極 13,23,33,43 ヨーク 15,25,35,45 コイル ΔE 起電力 S 空隙 ΔΦ 磁束の変化分

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも磁石の一方の極の磁極から出
    る磁束を、二つ以上のヨーク入り口にそれらの数だけ
    の、該磁極に面する空隙を介して分岐通過させ、該ヨー
    ク出口からの磁束を再び該磁石の他極に戻す磁気回路を
    形成すると共に、該磁気回路の磁束に鎖交するコイルを
    周回し、 該二つ以上のヨークはすべて剛に機械的に接続され、該
    磁極と該ヨーク入り口間の距離である該空隙の長さを機
    械的なバネ系で弾性的に保持し、振動の発生側に該磁石
    又は該ヨークの何れかを直結し、 該振動によって該空隙長が分岐の方向によって差動的に
    変化することによって該磁束の分岐に差動的な変化が生
    じるようにして、該ヨーク及び又は該磁極に周回された
    コイルから電力として取り出すことを特徴とする振動エ
    ネルギー変換器。
  2. 【請求項2】 回転対称軸方向に着磁したリング状磁石
    の両極にリング状磁極を配置し、該両極を磁気的に接続
    するリング状ヨークを該磁石の内部又は外部にリング状
    空隙を介して配置し、該リング状空隙は機械的なバネ系
    で弾性的に保持され、振動発生側を該磁石又は該ヨーク
    の何れかに直結すると共に、該磁気回路の磁束に鎖交す
    るコイルを周回し、 該振動によって該リング状空隙の該空隙長を、振動方向
    に長短の差動的な変化をもたらすことによって該磁石か
    らの磁束の経路に変化が生じるようにして、該ヨーク及
    び又は該磁極に周回されたコイルから電力として取り出
    すことを特徴とする振動エネルギー変換器。
  3. 【請求項3】 回転対称軸と直交するラジアル方向に着
    磁したリング状磁石の両極にリング状磁極を配置し、該
    両極を磁気的に接続する2個のリング状ヨークを該磁石
    を挟むようにリング状空隙を介して配置することによっ
    て、該磁石の一方の磁極からの磁束を該磁極に面する二
    つの空隙を介して分岐させて該ヨークの入り口に流し、
    該ヨーク出口に面する側の該二つの空隙を介して再び該
    磁石の他方の磁極へ戻す磁気回路を形成すると共に該磁
    気回路の磁束に鎖交するコイルを周回し、 該2個のヨークは剛に接続され、該対称軸方向の振動発
    生側を該磁石又は該ヨークの何れかに直結し、該振動に
    よって該空隙長が分岐の方向によって差動的に変化する
    ことによって該磁束の分岐に差動的変化が生じるように
    して、該ヨーク及び又は該磁極に周回されたコイルから
    電力として取り出すことを特徴とする振動エネルギー変
    換器。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3におけるヨーク又は磁極
    を装着した磁石のいずれか一方を、装置の振動の防振を
    希望する位置に装着し、コイルに電気的な素子を接続し
    て閉回路とすることによって振動減衰の効果を向上させ
    た、又は減衰の周波数特性を調整可能にしたことを特徴
    とする振動エネルギー変換器。
  5. 【請求項5】 磁石の少なくとも一方の磁極に対向して
    空隙を介して相互に固定された複数のヨークを設け、該
    磁極及びヨークには該両者間の相対変位振動方向に垂直
    方向に一つ以上の突起部を設け、該磁極の該突起部は該
    ヨークの突起部とは該ヨークごとに振動位置によって対
    向最接近面積が変化するように配置し、該突起部の幅を
    超える該相対変位振動によって該磁石から磁束の該ヨー
    クへの振り分けに変化が生じ、該磁極及び又は該ヨーク
    に巻かれたコイルから電力を取り出すことを特徴とする
    振動エネルギー変換器。
  6. 【請求項6】 請求項5において、相互の突起部の空隙
    を振動衝程で変化のある構造にして、該振動衝程に依存
    する発電効果によって該磁極及び又はヨークで発生する
    渦電流に変化を与えて該振動の衝程での減衰効果に変化
    を与えたことを特徴とする振動エネルギー変換器。
  7. 【請求項7】 請求項6において、磁極及び又はヨーク
    の複数の突起部の間の任意の凹部にコイルを巻き、該コ
    イルに電気素子を接続して閉回路を形成し、振動の衝程
    に依存する減衰特性を与えたことを特徴とする振動エネ
    ルギー変換器。
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