JPH10341084A - 多層プリント配線板の製造方法 - Google Patents
多層プリント配線板の製造方法Info
- Publication number
- JPH10341084A JPH10341084A JP17762597A JP17762597A JPH10341084A JP H10341084 A JPH10341084 A JP H10341084A JP 17762597 A JP17762597 A JP 17762597A JP 17762597 A JP17762597 A JP 17762597A JP H10341084 A JPH10341084 A JP H10341084A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- panel
- plating
- multilayer
- copper foil
- resin composition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ガラスクロスを有しない絶縁樹脂組成物層
を用いた場合のクラック発生の問題を解決し、加熱耐衝
撃性に優れた多層プリント配線板の製造方法を提供する
こと。 【解決手段】 スルーホール、ブラインドバイアホール
および多層パネル表面にめっきを施す工程と、多層パネ
ルの表面銅はくに選択エッチングを施し、外層の導体回
路を形成する工程との間に、多層パネルをベーキングす
る工程を行なうことを特徴とする多層プリント配線板の
製造方法。
を用いた場合のクラック発生の問題を解決し、加熱耐衝
撃性に優れた多層プリント配線板の製造方法を提供する
こと。 【解決手段】 スルーホール、ブラインドバイアホール
および多層パネル表面にめっきを施す工程と、多層パネ
ルの表面銅はくに選択エッチングを施し、外層の導体回
路を形成する工程との間に、多層パネルをベーキングす
る工程を行なうことを特徴とする多層プリント配線板の
製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は加熱時の耐熱衝撃性
に優れ、薄型軽量化に適した多層プリント配線板の製造
方法に関するものである。
に優れ、薄型軽量化に適した多層プリント配線板の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子機器の小型化、多機能化に伴って、
プリント配線板はより高密度化の方向に進んでいる。多
層プリント配線板も薄型化、軽量化、高速電送のために
低誘電率化等に対応が必要となっている。
プリント配線板はより高密度化の方向に進んでいる。多
層プリント配線板も薄型化、軽量化、高速電送のために
低誘電率化等に対応が必要となっている。
【0003】従来、ガラスエポキシプリプレグ、ガラス
ポリイミドプリプレグを単数または複数枚介して両面に
銅はくを積層して銅張積層板を作成し、この銅はくをエ
ッチング処理し導体回路を形成して内層パネルとし、黒
化処理を行った後、プリプレグ、銅はくを適宜レイアッ
プしてプレスにより加熱加圧積層し、続いてドリル穴加
工、めっき、エッチング等の処理をして表面銅はくにパ
ターン形成を行うことにより多層プリント配線板が製造
されている。しかし、この方法で得られた多層プリント
配線板は層間絶縁材料としてガラスクロス入りプレプレ
グを使用するため重量が大きく、また厚さの制約があり
高密度化する電子機器の要求する薄型軽量化には難があ
った。また、高速化に対して必要な誘電率の低い材料が
要求されているが、従来の誘電率が高いガラスクロスを
使用したプリプレグでは限界があった。
ポリイミドプリプレグを単数または複数枚介して両面に
銅はくを積層して銅張積層板を作成し、この銅はくをエ
ッチング処理し導体回路を形成して内層パネルとし、黒
化処理を行った後、プリプレグ、銅はくを適宜レイアッ
プしてプレスにより加熱加圧積層し、続いてドリル穴加
工、めっき、エッチング等の処理をして表面銅はくにパ
ターン形成を行うことにより多層プリント配線板が製造
されている。しかし、この方法で得られた多層プリント
配線板は層間絶縁材料としてガラスクロス入りプレプレ
グを使用するため重量が大きく、また厚さの制約があり
高密度化する電子機器の要求する薄型軽量化には難があ
った。また、高速化に対して必要な誘電率の低い材料が
要求されているが、従来の誘電率が高いガラスクロスを
使用したプリプレグでは限界があった。
【0004】これらの問題を解決するために、本発明者
等はアルカリ溶解性のある樹脂組成物を銅はくに塗工し
た銅張絶縁シートの樹脂組成物側を、導体回路を有する
内層板にラミネートし、エッチングで表面銅はくに微細
穴を設け、さらに該樹脂組成物をアルカリ溶解してブラ
インドバイアホールを形成し、該樹脂組成物の層を硬化
させて多層プリント配線板を製造する方法を提案した
(特開平5−345810号)。また、上記樹脂組成物
としてアクリル系樹脂の利用を提案した(特開平6−2
60771号および特開平6−263916号)。さら
に本発明者等は、難燃化したアクリル系樹脂を用いた層
間絶縁材料用難燃性樹脂組成物を提案してきた(特開平
7−233226号公報)。これらの発明により層間絶
縁層を薄くすることができること、ガラスクロスを有し
ない絶縁樹脂組成物層を使用するため軽量化できるこ
と、誘電率が低く、高速伝送に有利となること等のメリ
ットを享受できた。
等はアルカリ溶解性のある樹脂組成物を銅はくに塗工し
た銅張絶縁シートの樹脂組成物側を、導体回路を有する
内層板にラミネートし、エッチングで表面銅はくに微細
穴を設け、さらに該樹脂組成物をアルカリ溶解してブラ
インドバイアホールを形成し、該樹脂組成物の層を硬化
させて多層プリント配線板を製造する方法を提案した
(特開平5−345810号)。また、上記樹脂組成物
としてアクリル系樹脂の利用を提案した(特開平6−2
60771号および特開平6−263916号)。さら
に本発明者等は、難燃化したアクリル系樹脂を用いた層
間絶縁材料用難燃性樹脂組成物を提案してきた(特開平
7−233226号公報)。これらの発明により層間絶
縁層を薄くすることができること、ガラスクロスを有し
ない絶縁樹脂組成物層を使用するため軽量化できるこ
と、誘電率が低く、高速伝送に有利となること等のメリ
ットを享受できた。
【0005】しかしながら、これらの方法では、はんだ
付け時の加熱および冷却時に、めっきスルーホールを施
した周囲のランドの下の絶縁樹脂組成物層に、図7に示
すようなクラック10が発生することを本発明者等は見
出した。また、同様なクラックは、導体回路のランド部
分およびめっきブラインドバイアホールのランド下に発
生することもあった。さらに温度サイクル試験等を行う
とクラックが伸張することも本発明者等は見出した。伸
張したクラックが内層パネル上の導体回路に橋絡すると
吸湿等により絶縁低下を起こす危険性がある。従来の層
間絶縁層が樹脂含浸ガラスクロスによって形成されてい
る多層プリント配線板の場合でも、加熱・冷却時には同
様のクラックが表面の樹脂部分に発生することは見出さ
れている。しかしながら、温度サイクル試験等を行う
と、ガラスクロスの箇所でクラックの伸張が止まるので
信頼性の問題はないと考えられる。
付け時の加熱および冷却時に、めっきスルーホールを施
した周囲のランドの下の絶縁樹脂組成物層に、図7に示
すようなクラック10が発生することを本発明者等は見
出した。また、同様なクラックは、導体回路のランド部
分およびめっきブラインドバイアホールのランド下に発
生することもあった。さらに温度サイクル試験等を行う
とクラックが伸張することも本発明者等は見出した。伸
張したクラックが内層パネル上の導体回路に橋絡すると
吸湿等により絶縁低下を起こす危険性がある。従来の層
間絶縁層が樹脂含浸ガラスクロスによって形成されてい
る多層プリント配線板の場合でも、加熱・冷却時には同
様のクラックが表面の樹脂部分に発生することは見出さ
れている。しかしながら、温度サイクル試験等を行う
と、ガラスクロスの箇所でクラックの伸張が止まるので
信頼性の問題はないと考えられる。
【0006】従って、ガラスクロスを有しない絶縁樹脂
組成物層を設ける場合には、クラック対策を講じる必要
がある。本発明者等は、柔軟性を向上させるために弾性
体微粒子を添加して絶縁樹脂層を海島状にする方法、柔
軟性組成物を添加する方法およびIPN構造にする等の
クラックを緩和する方法を検討したが、めっきスルーホ
ールおよびめっきブラインドバイアホールのランド下
は、構造上クラックが極めて発生し易く、これらの方法
をもっても十分な効果は得られなかった。また導体回路
のランド部分でもランド下にクラックが僅かに発生する
ことがあった。
組成物層を設ける場合には、クラック対策を講じる必要
がある。本発明者等は、柔軟性を向上させるために弾性
体微粒子を添加して絶縁樹脂層を海島状にする方法、柔
軟性組成物を添加する方法およびIPN構造にする等の
クラックを緩和する方法を検討したが、めっきスルーホ
ールおよびめっきブラインドバイアホールのランド下
は、構造上クラックが極めて発生し易く、これらの方法
をもっても十分な効果は得られなかった。また導体回路
のランド部分でもランド下にクラックが僅かに発生する
ことがあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
なガラスクロスを有しない絶縁樹脂組成物層を用いた場
合のクラック発生の問題を解決し、加熱耐衝撃性に優れ
た多層プリント配線板の製造方法を提供するものであ
る。
なガラスクロスを有しない絶縁樹脂組成物層を用いた場
合のクラック発生の問題を解決し、加熱耐衝撃性に優れ
た多層プリント配線板の製造方法を提供するものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明者等は鋭意研究した結果、多層プリント配線板
の製造過程の中で、スルーホールおよび/またはブライ
ンドバイアホール、並びに多層パネル表面(以下、これ
らを総称して「多層パネル全面」と称する。)にめっき
を施す後で、かつ多層パネルの表面銅はくに選択エッチ
ングを施し、外層の導体回路を形成する前に、ベーキン
グを行うとクラック発生を防止できることを見出し、本
発明を完成するに至ったものである。
に本発明者等は鋭意研究した結果、多層プリント配線板
の製造過程の中で、スルーホールおよび/またはブライ
ンドバイアホール、並びに多層パネル表面(以下、これ
らを総称して「多層パネル全面」と称する。)にめっき
を施す後で、かつ多層パネルの表面銅はくに選択エッチ
ングを施し、外層の導体回路を形成する前に、ベーキン
グを行うとクラック発生を防止できることを見出し、本
発明を完成するに至ったものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明でいうベーキングは、多層
パネル全面にめっきを施す工程〜多層パネルの表面銅は
くに選択エッチングを施す工程間に行われるもので、多
層パネル製造時の硬化性絶縁樹脂組成物層の硬化のため
の加熱とはタイミング的に異なる。また、従来行われて
いた表面銅はくをエッチングするためのドライフィルム
レジストを貼る前の余熱やメッキ後の洗浄液の乾燥のた
めの加熱とは、温度条件がより高温である点で異なるも
のである。ベーキング条件としては、150℃〜260
℃で、時間は1分〜120分が好ましい。温度が高すぎ
るか時間が長すぎると硬化後の絶縁樹脂組成物の劣化が
起こり易く、温度が低いか時間が短いと十分なベーキン
グ効果が得られ難い。より好ましくは180℃〜260
℃で1分〜30分である。
パネル全面にめっきを施す工程〜多層パネルの表面銅は
くに選択エッチングを施す工程間に行われるもので、多
層パネル製造時の硬化性絶縁樹脂組成物層の硬化のため
の加熱とはタイミング的に異なる。また、従来行われて
いた表面銅はくをエッチングするためのドライフィルム
レジストを貼る前の余熱やメッキ後の洗浄液の乾燥のた
めの加熱とは、温度条件がより高温である点で異なるも
のである。ベーキング条件としては、150℃〜260
℃で、時間は1分〜120分が好ましい。温度が高すぎ
るか時間が長すぎると硬化後の絶縁樹脂組成物の劣化が
起こり易く、温度が低いか時間が短いと十分なベーキン
グ効果が得られ難い。より好ましくは180℃〜260
℃で1分〜30分である。
【0010】前述のとおり、ベーキングは多層パネル全
面にめっきを施した後で、かつ多層パネルの表面銅はく
を選択エッチングして導体回路を形成する前に行なうこ
とが必要である。該ベーキングを、多層パネル全面にめ
っきを施す前、あるいは表面銅はくをエッチングした後
に施すと却ってクラックの発生は増大するのである。
面にめっきを施した後で、かつ多層パネルの表面銅はく
を選択エッチングして導体回路を形成する前に行なうこ
とが必要である。該ベーキングを、多層パネル全面にめ
っきを施す前、あるいは表面銅はくをエッチングした後
に施すと却ってクラックの発生は増大するのである。
【0011】本発明で用いられるベーキングによりクラ
ック低減効果のある硬化性絶縁樹脂組成物としては、例
えばエポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、ポ
リエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ア
クリル樹脂、マレイミド系樹脂またはメラミン樹脂等の
熱および/または電子線により硬化する樹脂をベースポ
リマーとし、これに必要に応じて硬化剤、架橋剤、難燃
剤または溶剤等を配合した組成物が挙げられる。
ック低減効果のある硬化性絶縁樹脂組成物としては、例
えばエポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、ポ
リエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ア
クリル樹脂、マレイミド系樹脂またはメラミン樹脂等の
熱および/または電子線により硬化する樹脂をベースポ
リマーとし、これに必要に応じて硬化剤、架橋剤、難燃
剤または溶剤等を配合した組成物が挙げられる。
【0012】本発明で使用する内層パネルは、例えば樹
脂含浸ガラスクロスを硬化させる等の方法で得られた絶
縁基板の表面に導体回路を形成したもので、内部にも導
体回路を有する多層構造のパネルでもよい。
脂含浸ガラスクロスを硬化させる等の方法で得られた絶
縁基板の表面に導体回路を形成したもので、内部にも導
体回路を有する多層構造のパネルでもよい。
【0013】前記内層パネルの表面に、ガラスクロスを
有しない絶縁樹脂組成物層を介し銅はくを設ける方法と
しては、銅はくに硬化性絶縁樹脂組成物を塗布してなる
銅張絶縁シートの樹脂組成物側を内層パネルにラミネー
トする方法、および内層パネルの表裏に硬化性絶縁樹脂
組成物を塗布した後、銅はくを貼りつける方法が挙げら
れるが、大きなサイズの銅はくを用いることができ、か
つ連続化が可能で、量産性に優れていることから、前者
の方が好ましい。
有しない絶縁樹脂組成物層を介し銅はくを設ける方法と
しては、銅はくに硬化性絶縁樹脂組成物を塗布してなる
銅張絶縁シートの樹脂組成物側を内層パネルにラミネー
トする方法、および内層パネルの表裏に硬化性絶縁樹脂
組成物を塗布した後、銅はくを貼りつける方法が挙げら
れるが、大きなサイズの銅はくを用いることができ、か
つ連続化が可能で、量産性に優れていることから、前者
の方が好ましい。
【0014】硬化性絶縁樹脂組成物層を硬化させる方法
としては、加熱硬化または加熱硬化と電子線硬化との組
合せが好ましい。また、前記銅張絶縁シートを内層パネ
ルにラミネートする場合は、加熱ラミネート法を用いる
と、絶縁樹脂組成物層と内層パネル上の導体回路との密
着性が向上するので好ましい。
としては、加熱硬化または加熱硬化と電子線硬化との組
合せが好ましい。また、前記銅張絶縁シートを内層パネ
ルにラミネートする場合は、加熱ラミネート法を用いる
と、絶縁樹脂組成物層と内層パネル上の導体回路との密
着性が向上するので好ましい。
【0015】スルーホールめっきのランド下のクラック
は、スルーホールの穴径が大きいほど発生し易く、ラン
ド残り幅が大きいほどクラックの発生は大きくなる傾向
を本発明者等は見出した。しかし、本発明の方法を用い
ると、スルーホールの穴径が0.8mmと比較的大きい
場合についてもクラックの発生を防止することができる
ものである。
は、スルーホールの穴径が大きいほど発生し易く、ラン
ド残り幅が大きいほどクラックの発生は大きくなる傾向
を本発明者等は見出した。しかし、本発明の方法を用い
ると、スルーホールの穴径が0.8mmと比較的大きい
場合についてもクラックの発生を防止することができる
ものである。
【0016】一方、本発明者等は、はんだ耐熱性試験で
は、はんだディップ面よりも温度が低いはずの反対側の
エアー面の方にクラックの発生が多いことも見出した。
これは、加熱により一旦熱膨張した絶縁樹脂組成物層と
銅はく(めっきスルーホール)とが冷却される際、エア
ー面の方は急冷されるため、熱伝導の高い銅はくが先に
収縮してランドがスルーホール側に引っ張られ、応力が
加わるために樹脂が引きちぎられるものと思われる。こ
れに対して、はんだディップ面は銅はくおよび絶縁樹脂
組成物層ともに除々に冷却されるため、エアー面ほど大
きな応力は加わらないものと推測される。しかし、本発
明の方法を用いると、エアー面についてもクラックの発
生を防止することができる。
は、はんだディップ面よりも温度が低いはずの反対側の
エアー面の方にクラックの発生が多いことも見出した。
これは、加熱により一旦熱膨張した絶縁樹脂組成物層と
銅はく(めっきスルーホール)とが冷却される際、エア
ー面の方は急冷されるため、熱伝導の高い銅はくが先に
収縮してランドがスルーホール側に引っ張られ、応力が
加わるために樹脂が引きちぎられるものと思われる。こ
れに対して、はんだディップ面は銅はくおよび絶縁樹脂
組成物層ともに除々に冷却されるため、エアー面ほど大
きな応力は加わらないものと推測される。しかし、本発
明の方法を用いると、エアー面についてもクラックの発
生を防止することができる。
【0017】また、ランドの密着力が小さいと、ランド
リフト現象が起こり易く問題となるが、本発明で行なう
ベーキングは、該ランドリフト現象の防止にも有効であ
る。
リフト現象が起こり易く問題となるが、本発明で行なう
ベーキングは、該ランドリフト現象の防止にも有効であ
る。
【0018】本発明者等のさらなる研究の結果、スルー
ホールめっきとしては、硫酸銅めっきやシアン化銅めっ
きよりもピロリン酸銅めっきを採用した方がクラック発
生が少ないことを見出した。
ホールめっきとしては、硫酸銅めっきやシアン化銅めっ
きよりもピロリン酸銅めっきを採用した方がクラック発
生が少ないことを見出した。
【0019】硫酸銅めっきよりもピロリン酸銅めっきの
方がクラック発生が少なくなる理由は次のように推測さ
れる。一般的に硫酸銅めっきの常温での伸び率は15〜
20%であり、ピロリン酸銅めっきは5〜7%である。
しかしながら、はんだ付け温度のように250〜260
℃まで加熱されると、硫酸銅めっきの伸び率は約30%
であるが、ピロリン酸銅めっきの伸び率は約40%まで
大きくなる。そのため、銅よりも膨張の大きい絶縁基板
の寸法変化により、めっきスルーホールが押し上げられ
てランドに加わる応力は、ピロリン酸銅めっきの方が小
さくなるため、クラックが低減されると考える。また、
ピロリン酸銅めっきは通常アルカリ液でのめっきであ
り、めっき応力は殆どゼロである。硫酸銅めっきは、添
加剤の種類にもよるが、通常−1.0〜2.0kg/c
m2 程度あり変動が大きい。ピロリン酸銅めっきがめっ
き応力が小さいこともクラック低減効果の要因となって
いると思われる。
方がクラック発生が少なくなる理由は次のように推測さ
れる。一般的に硫酸銅めっきの常温での伸び率は15〜
20%であり、ピロリン酸銅めっきは5〜7%である。
しかしながら、はんだ付け温度のように250〜260
℃まで加熱されると、硫酸銅めっきの伸び率は約30%
であるが、ピロリン酸銅めっきの伸び率は約40%まで
大きくなる。そのため、銅よりも膨張の大きい絶縁基板
の寸法変化により、めっきスルーホールが押し上げられ
てランドに加わる応力は、ピロリン酸銅めっきの方が小
さくなるため、クラックが低減されると考える。また、
ピロリン酸銅めっきは通常アルカリ液でのめっきであ
り、めっき応力は殆どゼロである。硫酸銅めっきは、添
加剤の種類にもよるが、通常−1.0〜2.0kg/c
m2 程度あり変動が大きい。ピロリン酸銅めっきがめっ
き応力が小さいこともクラック低減効果の要因となって
いると思われる。
【0020】本発明のベーキングを施すことによりクラ
ックの低減する原理は次の2点が推測される。第一に、
多層パネルはベーキングで一度加熱された後収縮する
が、加熱により架橋が進むため、元の寸法より小さくな
る。はんだディップやはんだリフロー時の急激な加熱に
おいて、内層パネルは再度膨張するが、ベーキングを施
さない場合に比べて膨張幅が小さいため、めっきスルー
ホール、めっきブラインドバイアホールおよび周辺のラ
ンドへの応力が緩和されるためと推測される。第二に、
多層パネルは、樹脂の硬化後には硬化収縮応力2〜3k
g/mm2 が残留しており、めっき後には銅はくには−
1.0〜2.0kg/mm2 程度が残留していると考え
られる。樹脂のTg(ガラス転移温度)を超える高温で
一度ベーキングすることにより、樹脂が軟化して残留応
力が分散され、次にはんだ付け時の加熱を行っても残留
応力の影響が少なくなるので、ランド下のクラックが低
減されると考えられる。
ックの低減する原理は次の2点が推測される。第一に、
多層パネルはベーキングで一度加熱された後収縮する
が、加熱により架橋が進むため、元の寸法より小さくな
る。はんだディップやはんだリフロー時の急激な加熱に
おいて、内層パネルは再度膨張するが、ベーキングを施
さない場合に比べて膨張幅が小さいため、めっきスルー
ホール、めっきブラインドバイアホールおよび周辺のラ
ンドへの応力が緩和されるためと推測される。第二に、
多層パネルは、樹脂の硬化後には硬化収縮応力2〜3k
g/mm2 が残留しており、めっき後には銅はくには−
1.0〜2.0kg/mm2 程度が残留していると考え
られる。樹脂のTg(ガラス転移温度)を超える高温で
一度ベーキングすることにより、樹脂が軟化して残留応
力が分散され、次にはんだ付け時の加熱を行っても残留
応力の影響が少なくなるので、ランド下のクラックが低
減されると考えられる。
【0021】
【実施例】以下、実施例を示して本発明を詳細に説明す
る。 実施例1 (ベースポリマーの合成)メチルアクリレート48重量
部、スチレン29重量部、アクリル酸23重量部および
アゾビスイソブチロニトリル0.25重量部からなる混
合物を、窒素ガス雰囲気下で、温度75℃に保持したメ
チルエチルケトンとエタノールとの混合溶剤(混合比率
=7対3)100重量部中に5時間かけて滴下した。そ
の後0.5時間熟成し、さらにアゾビスイソブチロニト
リル0.3重量部を加えて4時間熟成することによりカ
ルボキシル基含有ポリマーを合成した。次に重合禁止剤
としてハイドロキノン0.23重量部を加えて微量の空
気を吹き込みながら、N,N-ジメチルベンジルアミン1.
5重量部およびグリシジルメタクリレート14.7重量
部を加えて、温度77℃で10時間反応させて分子量1
5,000〜50,000、酸価1.81meq/g、
不飽和基含有量0.9モル/kgのカルボキシル基を有
するベースポリマーを合成した。
る。 実施例1 (ベースポリマーの合成)メチルアクリレート48重量
部、スチレン29重量部、アクリル酸23重量部および
アゾビスイソブチロニトリル0.25重量部からなる混
合物を、窒素ガス雰囲気下で、温度75℃に保持したメ
チルエチルケトンとエタノールとの混合溶剤(混合比率
=7対3)100重量部中に5時間かけて滴下した。そ
の後0.5時間熟成し、さらにアゾビスイソブチロニト
リル0.3重量部を加えて4時間熟成することによりカ
ルボキシル基含有ポリマーを合成した。次に重合禁止剤
としてハイドロキノン0.23重量部を加えて微量の空
気を吹き込みながら、N,N-ジメチルベンジルアミン1.
5重量部およびグリシジルメタクリレート14.7重量
部を加えて、温度77℃で10時間反応させて分子量1
5,000〜50,000、酸価1.81meq/g、
不飽和基含有量0.9モル/kgのカルボキシル基を有
するベースポリマーを合成した。
【0022】(絶縁樹脂組成物の調製)上述のように合
成したベースポリマーを固型分換算で40重量部、ポリ
エチレングリコールジアクリレートを10重量部、平均
粒径0.7μmのカルボキシル基変性架橋アクリルゴム
(日本合成ゴム(株)製DHS2)を10重量部、難燃
剤として臭素化ビスフェノールA−エポキシメタアクリ
レート(固形分中の臭素含有量は約38%)を固形分換
算で40重量部およびリン酸エステル(味の素(株)製
レオフォス、リン含有量8%)7.0重量部、硬化剤
(日本油脂(株)製パーヘキシン25B)1.0重量
部、並びにメチルエチルケトン75重量部を、ホモディ
スパー(特殊機化工業(株)製)を用いてよく混合して
絶縁樹脂組成物を調製し、メチルエチルケトンを加えて
粘度を約700cpsとした後300目のろ布でろ過
し、さらに穴径5μmのフィルターを用いて加圧ろ過し
て樹脂ワニスを調整した。 (銅張絶縁シートの製造)
成したベースポリマーを固型分換算で40重量部、ポリ
エチレングリコールジアクリレートを10重量部、平均
粒径0.7μmのカルボキシル基変性架橋アクリルゴム
(日本合成ゴム(株)製DHS2)を10重量部、難燃
剤として臭素化ビスフェノールA−エポキシメタアクリ
レート(固形分中の臭素含有量は約38%)を固形分換
算で40重量部およびリン酸エステル(味の素(株)製
レオフォス、リン含有量8%)7.0重量部、硬化剤
(日本油脂(株)製パーヘキシン25B)1.0重量
部、並びにメチルエチルケトン75重量部を、ホモディ
スパー(特殊機化工業(株)製)を用いてよく混合して
絶縁樹脂組成物を調製し、メチルエチルケトンを加えて
粘度を約700cpsとした後300目のろ布でろ過
し、さらに穴径5μmのフィルターを用いて加圧ろ過し
て樹脂ワニスを調整した。 (銅張絶縁シートの製造)
【0023】厚さ18μmの銅はくの粗面化面に上記の
樹脂ワニスをバーコーターを用いて塗布し、70℃で1
0分間乾燥した後、さらに110℃で5分乾燥して溶剤
を蒸発除去し、厚さ約80μmの絶縁樹脂組成物層を形
成して銅はくと絶縁樹脂組成物層とからなる2層構造の
銅張絶縁シートを作製した。 (多層プリント配線板の製造)
樹脂ワニスをバーコーターを用いて塗布し、70℃で1
0分間乾燥した後、さらに110℃で5分乾燥して溶剤
を蒸発除去し、厚さ約80μmの絶縁樹脂組成物層を形
成して銅はくと絶縁樹脂組成物層とからなる2層構造の
銅張絶縁シートを作製した。 (多層プリント配線板の製造)
【0024】本発明による多層プリント配線板の製造方
法について図面に基づき説明する。図1に示すように
0.8mm厚のガラスエポキシからなる絶縁基板2の表
面銅はくをエッチングして導体回路1を形成した内層パ
ネル3を形成し、導体回路1の表面を黒化処理した後、
上記銅張絶縁シートを90℃の熱ロールでラミネートし
た(図2)。次に、電子線照射装置にて加速電圧175
kVの電子線を20Mrad照射した後、170℃で3
0分間加熱して絶縁樹脂組成物層を硬化し、多層パネル
を作成した。絶縁樹脂組成物層と表面銅はくとの引き剥
がし強さは1.30kg/cmであった。
法について図面に基づき説明する。図1に示すように
0.8mm厚のガラスエポキシからなる絶縁基板2の表
面銅はくをエッチングして導体回路1を形成した内層パ
ネル3を形成し、導体回路1の表面を黒化処理した後、
上記銅張絶縁シートを90℃の熱ロールでラミネートし
た(図2)。次に、電子線照射装置にて加速電圧175
kVの電子線を20Mrad照射した後、170℃で3
0分間加熱して絶縁樹脂組成物層を硬化し、多層パネル
を作成した。絶縁樹脂組成物層と表面銅はくとの引き剥
がし強さは1.30kg/cmであった。
【0025】引き続き、図3に示すように上記多層パネ
ルに1.0mmφの穴6をドリルで18個明け、全面を
活性化処理した後、無電解銅めっきを施した後、濃硫酸
90g/リットル、硫酸銅200g/リットル、塩化ナ
トリウム50mg/リットル、および光沢剤としてメル
テックス社のカパーグリッドPCMを5cc/リットル
添加した硫酸銅めっき液を使用して液温25℃で電流密
度2.5A/dm2 で60分めっきを行い25μm厚の
めっきスルーホール8を形成した。引き続き、200
℃、30分のベーキングを施した。
ルに1.0mmφの穴6をドリルで18個明け、全面を
活性化処理した後、無電解銅めっきを施した後、濃硫酸
90g/リットル、硫酸銅200g/リットル、塩化ナ
トリウム50mg/リットル、および光沢剤としてメル
テックス社のカパーグリッドPCMを5cc/リットル
添加した硫酸銅めっき液を使用して液温25℃で電流密
度2.5A/dm2 で60分めっきを行い25μm厚の
めっきスルーホール8を形成した。引き続き、200
℃、30分のベーキングを施した。
【0026】次に、図5のように周知のエッチングレジ
スト9を形成して不要部分の銅を除去し、膜はぎするこ
とにより、図6に示すようなめっきスルーホールを有す
る多層プリント配線板が得られた。そのときのランド残
り幅は0.3mmとした。露出した絶縁樹脂表面の変色
は全くなかった。
スト9を形成して不要部分の銅を除去し、膜はぎするこ
とにより、図6に示すようなめっきスルーホールを有す
る多層プリント配線板が得られた。そのときのランド残
り幅は0.3mmとした。露出した絶縁樹脂表面の変色
は全くなかった。
【0027】実施例2 めっきの条件を次のように変更した以外は、実施例1と
同条件で多層プリント配線板を製造した。ピロリン酸銅
90g/リットル、ピロリン酸カリ375g/リット
ル、アンモニア3cc/リットルおよび光沢剤として上
村工業(株)製のピロブライトPY−61を0.3cc
/リットルを添加してなるピロリン酸銅めっき液を使用
して55℃の温度で電流密度2.5A/dm2 で60分
間めっき処理を行い25μmの厚さのめっきスルーホー
ルを形成した。
同条件で多層プリント配線板を製造した。ピロリン酸銅
90g/リットル、ピロリン酸カリ375g/リット
ル、アンモニア3cc/リットルおよび光沢剤として上
村工業(株)製のピロブライトPY−61を0.3cc
/リットルを添加してなるピロリン酸銅めっき液を使用
して55℃の温度で電流密度2.5A/dm2 で60分
間めっき処理を行い25μmの厚さのめっきスルーホー
ルを形成した。
【0028】比較例1 実施例1と同様、内層パネル3に銅張絶縁シートをラミ
ネートし、加速電圧175kvで20Mradの電子線
を照射し、スルーホールを形成した後、200℃30分
のベーキングを行った。その後、実施例1と同様にスル
ーホールめっき、エッチングを行い1.0mmφでラン
ド残り0.3mmのめっきスルーホールを有する多層プ
リント配線板を作成した。
ネートし、加速電圧175kvで20Mradの電子線
を照射し、スルーホールを形成した後、200℃30分
のベーキングを行った。その後、実施例1と同様にスル
ーホールめっき、エッチングを行い1.0mmφでラン
ド残り0.3mmのめっきスルーホールを有する多層プ
リント配線板を作成した。
【0029】比較例2 実施例1と同様、スルーホールめっきを行いベーキング
処理せずに表面銅はくのエッチングを行い、1.0mm
φでランド残り0.3mmのめっきスルーホールを有す
る多層プリント配線板を作成した。その後、200℃3
0分のベーキングを行った。
処理せずに表面銅はくのエッチングを行い、1.0mm
φでランド残り0.3mmのめっきスルーホールを有す
る多層プリント配線板を作成した。その後、200℃3
0分のベーキングを行った。
【0030】比較例3 ベーキング工程を行なわないこと以外は、実施例1と同
条件で多層プリント配線板を作成した。
条件で多層プリント配線板を作成した。
【0031】(はんだ耐熱性試験)上記のように作成し
た多層プリント配線板を、銅はく表面の脱錆処理を行っ
た後、フラックスを塗布してから260℃のはんだ溶融
槽に浮かべて30秒間保持した。はんだはめっきスルー
ホールから吸い上がり、エアー面のランドを完全に被覆
した。次に、冷却した後、サンドペーパーで下の銅はく
が露出するまで、はんだを削り取った。引き続き、露出
した銅はくランド部分をエッチングして除去した。除去
した銅はくランド下のクラック発生状態を観察した。は
んだディップ面とエアー面の両方でクラック発生状態を
1〜5段階に評点分けし、各36個のスルーホールにつ
いて、顕微鏡観察を行い、どの評点に該当するか調べ、
各平均点を計算した。評点5はクラックなしのランド
で、評点4はクラックが極僅かのランドで、評点3はク
ラックの発生がスルーホール周囲のランドの45°以下
のもの、評点2はクラックの発生がスルーホール周囲の
ランドの90°以下のもの、評点1はクラックの発生が
スルーホール周囲のランドの90°を超えるものとし
た。結果を表1に記す。
た多層プリント配線板を、銅はく表面の脱錆処理を行っ
た後、フラックスを塗布してから260℃のはんだ溶融
槽に浮かべて30秒間保持した。はんだはめっきスルー
ホールから吸い上がり、エアー面のランドを完全に被覆
した。次に、冷却した後、サンドペーパーで下の銅はく
が露出するまで、はんだを削り取った。引き続き、露出
した銅はくランド部分をエッチングして除去した。除去
した銅はくランド下のクラック発生状態を観察した。は
んだディップ面とエアー面の両方でクラック発生状態を
1〜5段階に評点分けし、各36個のスルーホールにつ
いて、顕微鏡観察を行い、どの評点に該当するか調べ、
各平均点を計算した。評点5はクラックなしのランド
で、評点4はクラックが極僅かのランドで、評点3はク
ラックの発生がスルーホール周囲のランドの45°以下
のもの、評点2はクラックの発生がスルーホール周囲の
ランドの90°以下のもの、評点1はクラックの発生が
スルーホール周囲のランドの90°を超えるものとし
た。結果を表1に記す。
【0032】
【表1】 A:エアー面、 D:ディップ面
【0033】(実施例3)実施例1と同様、0.8mm
厚のガラスエポキシからなる絶縁基板2の表面銅はくを
エッチングして導体回路1を形成した内層パネル3を形
成し、導体回路1の表面を黒化処理した後、実施例1と
同じ銅張絶縁シートを90℃の熱ロールでラミネートし
た(図8)。次に、表面銅はくの所定の位置をエッチン
グにより小孔11を明けた後、炭酸ソーダ水溶液のシャ
ワーにより、該小孔下の硬化性絶縁樹脂組成物層を溶解
した(図9)。次に、電子線照射装置にて加速電圧17
5kVの電子線を20Mrad照射した後、170℃で
30分間加熱して絶縁樹脂組成物層を硬化し、ブライン
ドバイアホール12を有する多層パネルを作成した。絶
縁樹脂組成物層と表面銅はくとの引き剥がし強さは1.
30kg/cmであった。
厚のガラスエポキシからなる絶縁基板2の表面銅はくを
エッチングして導体回路1を形成した内層パネル3を形
成し、導体回路1の表面を黒化処理した後、実施例1と
同じ銅張絶縁シートを90℃の熱ロールでラミネートし
た(図8)。次に、表面銅はくの所定の位置をエッチン
グにより小孔11を明けた後、炭酸ソーダ水溶液のシャ
ワーにより、該小孔下の硬化性絶縁樹脂組成物層を溶解
した(図9)。次に、電子線照射装置にて加速電圧17
5kVの電子線を20Mrad照射した後、170℃で
30分間加熱して絶縁樹脂組成物層を硬化し、ブライン
ドバイアホール12を有する多層パネルを作成した。絶
縁樹脂組成物層と表面銅はくとの引き剥がし強さは1.
30kg/cmであった。
【0034】引き続き、図10に示すように上記多層パ
ネルに1.0mmφの穴6をドリルで18個明け、全面
を活性化処理した後、無電解銅めっきを施した後、濃硫
酸90g/リットル、硫酸銅200g/リットル、塩化
ナトリウム50mg/リットル、および光沢剤としてメ
ルテックス社のカパーグリッドPCMを5cc/リット
ル添加した硫酸銅めっき液を使用して液温25℃で電流
密度2.5A/dm2で60分めっきを行い25μm厚
のめっきスルーホール8およびめっきブラインドバイア
ホール13を形成した。引き続き、200℃、30分の
ベーキングを施した(図11)。
ネルに1.0mmφの穴6をドリルで18個明け、全面
を活性化処理した後、無電解銅めっきを施した後、濃硫
酸90g/リットル、硫酸銅200g/リットル、塩化
ナトリウム50mg/リットル、および光沢剤としてメ
ルテックス社のカパーグリッドPCMを5cc/リット
ル添加した硫酸銅めっき液を使用して液温25℃で電流
密度2.5A/dm2で60分めっきを行い25μm厚
のめっきスルーホール8およびめっきブラインドバイア
ホール13を形成した。引き続き、200℃、30分の
ベーキングを施した(図11)。
【0035】次に、周知のエッチングレジストを形成し
て不要部分の銅を除去し、膜はぎすることにより、図1
2に示すようなめっきブラインドバイアホールおよびめ
っきスルーホールを有する多層プリント配線板が得られ
た。そのときのランド残り幅はめっきブラインドバイア
ホールで0.10mm、めっきスルーホールで0.30
mmとした。露出した絶縁樹脂表面の変色は全くなかっ
た。
て不要部分の銅を除去し、膜はぎすることにより、図1
2に示すようなめっきブラインドバイアホールおよびめ
っきスルーホールを有する多層プリント配線板が得られ
た。そのときのランド残り幅はめっきブラインドバイア
ホールで0.10mm、めっきスルーホールで0.30
mmとした。露出した絶縁樹脂表面の変色は全くなかっ
た。
【0036】
【発明の効果】本発明の多層プリント配線板の製造方法
によれば、ガラスクロスのような補強材のない構造でも
加熱時のクラック発生がなくなり、信頼性が高く、薄型
軽量化、高速伝送化に適していることから工業上の利用
価値が大きい。
によれば、ガラスクロスのような補強材のない構造でも
加熱時のクラック発生がなくなり、信頼性が高く、薄型
軽量化、高速伝送化に適していることから工業上の利用
価値が大きい。
【図1】本発明の実施例1、2および比較例を説明する
ための多層プリント配線板の製造過程における、内層パ
ネル3の概略断面図である。
ための多層プリント配線板の製造過程における、内層パ
ネル3の概略断面図である。
【図2】同製造過程における銅張絶縁シート、表面に導
体回路パターン1を有する内層パネル3に銅張絶縁シー
トをラミネートして多層パネルを製造した状態を示した
概略断面図である。
体回路パターン1を有する内層パネル3に銅張絶縁シー
トをラミネートして多層パネルを製造した状態を示した
概略断面図である。
【図3】同製造過程における、上記多層パネルにスルー
ホールを設けた状態を示した概略断面図である。
ホールを設けた状態を示した概略断面図である。
【図4】同製造過程における、めっき処理後の概略断面
図である。
図である。
【図5】同製造過程における、表面銅はくをエッチング
するためのレジストを施した後の概略断面図である。
するためのレジストを施した後の概略断面図である。
【図6】同製造過程における、表面銅はくにエッチング
を施した後の概略断面図である。
を施した後の概略断面図である。
【図7】多層プリント配線板におけるクラック10の発
生した状態を示す概略断面図である。
生した状態を示す概略断面図である。
【図8】本発明の実施例3を説明するための多層プリン
ト配線板の製造過程における、内層パネル3に銅張絶縁
シートをラミネートした状態を示した概略断面図であ
る。
ト配線板の製造過程における、内層パネル3に銅張絶縁
シートをラミネートした状態を示した概略断面図であ
る。
【図9】表面銅はくをエッチングして小孔を明け、該小
孔下の樹脂組成物層をアルカリ溶解した後、硬化してブ
ラインドバイアホールを有する多層パネルを製造した状
態を示した概略断面図である。
孔下の樹脂組成物層をアルカリ溶解した後、硬化してブ
ラインドバイアホールを有する多層パネルを製造した状
態を示した概略断面図である。
【図10】同製造過程における、上記多層パネルにスル
ーホールを設けた状態を示した概略断面図である。
ーホールを設けた状態を示した概略断面図である。
【図11】同製造過程における、めっき処理後の概略断
面図である。
面図である。
【図12】同製造過程における、表面銅はくにエッチン
グを施した後の概略断面図である。
グを施した後の概略断面図である。
1 導体回路 2 絶縁基板 3 内層パネル 4 表面銅はく 5 絶縁樹脂組成物層 6 スルーホール 7 めっき 8 めっきスルーホール 9 エッチングレジスト 10 クラック 11 銅はくの小孔 12 ブラインドバイアホール 13 めっきブラインドバイアホール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田口 裕務 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成株式会社名古屋総合研究所内 (72)発明者 松本 健也 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成株式会社名古屋総合研究所内
Claims (4)
- 【請求項1】 絶縁基板の表面に導体回路を形成してな
る内層パネルの表面に、ガラスクロスを有しない硬化性
絶縁樹脂組成物層を介して銅はくを設け、該硬化性絶縁
樹脂組成物層を硬化させて多層パネルを製造する工程;
多層パネルにスルーホールを形成する工程;スルーホー
ルおよび多層パネル表面にめっきを施す工程;多層パネ
ルの表面銅はくに選択エッチングを施し、外層の導体回
路を形成する工程を順次行う多層プリント配線板の製造
方法において、スルーホールおよび多層パネル表面にめ
っきを施す工程と、多層パネルの表面銅はくに選択エッ
チングを施し、外層の導体回路を形成する工程との間
に、多層パネルをベーキングする工程を行なうことを特
徴とする多層プリント配線板の製造方法。 - 【請求項2】 絶縁基板の表面に導体回路を形成してな
る内層パネルの表面に、ガラスクロスを有しない硬化性
絶縁樹脂組成物層を介して銅はくを設ける工程;表面銅
はくおよび硬化性絶縁樹脂組成物層にブラインドバイア
ホールを設ける工程;該硬化性絶縁樹脂組成物層を硬化
させて多層パネルを製造する工程;ブラインドバイアホ
ールおよび多層パネル表面にめっきを施す工程;多層パ
ネルの表面銅はくに選択エッチングを施し、外層の導体
回路を形成する工程を順次行う多層プリント配線板の製
造方法において、ブラインドバイアホールおよび多層パ
ネル表面にめっきを施す工程と、多層パネルの表面銅は
くに選択エッチングを施し、外層の導体回路を形成する
工程との間に、多層パネルをベーキングする工程を行な
うことを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。 - 【請求項3】 絶縁基板の表面に導体回路を形成してな
る内層パネルの表面に、ガラスクロスを有しない硬化性
絶縁樹脂組成物層を介して銅はくを設ける工程;表面銅
はくおよび硬化性絶縁樹脂組成物層にブラインドバイア
ホールを設ける工程;該硬化性絶縁樹脂組成物層を硬化
させて多層パネルを製造する工程;多層パネルにスルー
ホールを形成する工程;ブラインドバイアホール、スル
ーホールおよび多層パネル表面にめっきを施す工程;多
層パネルの表面銅はくに選択エッチングを施し、外層の
導体回路を形成する工程を順次行う多層プリント配線板
の製造方法において、ブラインドバイアホール、スルー
ホールおよび多層パネル表面にめっきを施す工程と、多
層パネルの表面銅はくに選択エッチングを施し、外層の
導体回路を形成する工程との間に、多層パネルをベーキ
ングする工程を行なうことを特徴とする多層プリント配
線板の製造方法。 - 【請求項4】 スルーホールおよび/またはブラインド
バイアホール、並びに多層パネル表面にめっきに施すめ
っきがピロリン酸銅めっきであることを特徴とする請求
項1乃至2記載の多層プリント配線板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17762597A JPH10341084A (ja) | 1997-04-09 | 1997-06-18 | 多層プリント配線板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10539497 | 1997-04-09 | ||
JP9-105394 | 1997-04-09 | ||
JP17762597A JPH10341084A (ja) | 1997-04-09 | 1997-06-18 | 多層プリント配線板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10341084A true JPH10341084A (ja) | 1998-12-22 |
Family
ID=26445691
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17762597A Pending JPH10341084A (ja) | 1997-04-09 | 1997-06-18 | 多層プリント配線板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10341084A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108471680A (zh) * | 2018-05-15 | 2018-08-31 | 广东天承科技有限公司 | 一种线路板的孔金属化工艺 |
-
1997
- 1997-06-18 JP JP17762597A patent/JPH10341084A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108471680A (zh) * | 2018-05-15 | 2018-08-31 | 广东天承科技有限公司 | 一种线路板的孔金属化工艺 |
CN108471680B (zh) * | 2018-05-15 | 2021-02-02 | 广东天承科技股份有限公司 | 一种线路板的孔金属化工艺 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5572714B2 (ja) | ソルダーレジストの形成方法 | |
KR100936446B1 (ko) | 고밀도 인쇄회로기판의 생산방법 | |
JP3142270B2 (ja) | プリント配線板の製造方法 | |
JP2013021025A (ja) | 多層プリント配線板用接着フィルム | |
JP5023732B2 (ja) | 積層板 | |
JPH1027960A (ja) | 多層プリント配線板の製造方法 | |
JP2004055618A (ja) | 多層プリント配線板の製造方法 | |
JPH10341084A (ja) | 多層プリント配線板の製造方法 | |
JP2000036661A (ja) | ビルドアップ多層配線板の製造方法 | |
JP2004031583A (ja) | プリント配線板の製造方法 | |
JPH098458A (ja) | プリント配線板及びその製造方法 | |
JP2560948B2 (ja) | ブラインドホールを有する多層プリント配線板の製造方法 | |
JP2003051657A (ja) | 極細線パターンを有するプリント配線板の製造方法 | |
JP2003046245A (ja) | 多層プリント配線板の製造方法 | |
JPH1154919A (ja) | 多層プリント配線板およびその製造方法 | |
JP2000017133A (ja) | 絶縁用樹脂組成物およびこれを用いた多層プリント配線板の製造方法 | |
JP2000036662A (ja) | ビルドアップ多層配線板の製造方法 | |
JP2003243810A (ja) | 極細線パターンを有するプリント配線板製造方法。 | |
JP2000082878A (ja) | ビルドアップ多層プリント配線板の製造方法 | |
JP4126735B2 (ja) | 特定の酸化防止剤を含む絶縁樹脂を用いた多層配線板の製造方法 | |
JP2000186217A (ja) | 絶縁用樹脂組成物およびこれを用いた多層プリント配線板の製造方法 | |
JP4051587B2 (ja) | 熱又は光により硬化可能な樹脂組成物を用いた多層配線板の製造方法 | |
JPH10182758A (ja) | 絶縁用樹脂組成物およびこれを用いた多層プリント配線板の製造方法 | |
JP2000022332A (ja) | 多層プリント配線板の製造方法 | |
JP2016021483A (ja) | 多層プリント配線板およびその製造方法 |