JPH10339856A - 眼鏡レンズ - Google Patents

眼鏡レンズ

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JPH10339856A
JPH10339856A JP9506398A JP9506398A JPH10339856A JP H10339856 A JPH10339856 A JP H10339856A JP 9506398 A JP9506398 A JP 9506398A JP 9506398 A JP9506398 A JP 9506398A JP H10339856 A JPH10339856 A JP H10339856A
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佳巳 小原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 単レンズからなる、横の色収差の少ない眼鏡
レンズを得る。 【構成】 眼鏡レンズの巨視的面形状によって発生する
横の色収差を補正するために、例えばその一面に、巨視
的面形状によって発生する色収差とは逆の色収差を発生
させる、微視的な輪帯群からなる回折構造を設けた眼鏡
レンズ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、眼鏡レンズに関し、特に色収差
を補正できる薄型軽量の眼鏡レンズに関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】眼鏡レンズは通常1枚のレン
ズで構成されているために色収差の補正が困難である。
眼鏡レンズの色収差で特に問題となるのは横の色収差で
ある。すなわちレンズ周辺部を通して見たときに色がず
れて見える現象である。これはレンズ素材の屈折率が波
長によって異なるために、図32に示すように同じ方向
から来た光線が、波長((R(赤)、G(緑)、B
(青))によって異なる方向から来たかのように眼に入
射することに起因する。1枚のレンズで色収差を少なく
するには、できるだけ分散の小さい(アッベ数の大き
い)素材を使うしかなかった。
【0003】かつては眼鏡レンズの素材として、アッベ
数60程度のクラウンガラスやCR−39と呼ばれる光
学プラスチックが用いられていた。アッベ数60は光学
材料としては比較的分散の少ない方であるが、それでも
強度レンズになると周辺部での色ずれが目立つようにな
ってくる。
【0004】従来例1として、CR−39(屈折率1.
50、アッベ数60)で作られた頂点屈折力−8.00
(ディオプタ)のレンズを掛けて、視角50(゜)方向
を見た時の色のずれ(色収差)を図33の破線で示す。
図33の横軸は波長λ(nm)、縦軸は図32の基準波
長(G)の入射角(θ)からのずれ角(dθ)を示す。
【0005】近年では、眼鏡レンズをより薄く軽くする
目的で高屈折率の光学プラスチック素材が開発されてき
ているが、高屈折率にすると分散が大きい(アッベ数が
小さい)という傾向があり、色収差を小さくするという
観点からは好ましくない。
【0006】従来例2として、高屈折率のポリウレタン
系プラスチック素材(屈折率1.66、アッベ数32)
で作られた頂点屈折力−8.00(ディオプタ)のレン
ズを掛けて、視角50(゜)方向を見た時の色のずれ
(色収差)を図33の実線で示す。
【0007】さらに、従来例3として、CR−39(屈
折率1.50、アッベ数60)で作られた頂点屈折力+
4.00(ディオプタ)のレンズを掛けて、視角50
(゜)方向を見た時の色のずれ(色収差)を図34の破
線で示す。従来例4として、高屈折率のポリウレタン系
プラスチック素材(屈折率1.66、アッベ数32)で
作られた頂点屈折力+4.00(ディオプタ)のレンズ
を掛けて、視角50(゜)方向を見た時の色のずれ(色
収差)を図34の実線で示す。
【0008】このような色収差を補正する技術として、
アッベ数の異なる2枚以上のレンズを貼り合わせること
が例えば特開平7−28002号で開示されているが、
レンズが厚く重くなる欠点が避けられない。
【0009】眼鏡レンズと人間の眼をも含めた光学系の
色収差を補正する技術として、特開昭和60−2039
13号公報で回折現象を利用することが開示されている
が、縦の色収差に関することに留まり、眼鏡レンズでよ
り問題となる横の色収差は問題にしていない。
【0010】また回折現象を利用して多焦点の眼鏡レン
ズ、コンタクトレンズ、眼内レンズを実現する技術が特
開平7−49471号公報などで数多く開示されている
が、回折によるレンズの屈折力は波長に大きく依存し、
その依存性は回折次数によって異なり、高次の回折光ほ
ど色ずれが大きくなるという欠点を有する。コンタクト
レンズ、眼内レンズの場合には主に縦の色収差が問題と
なり、眼鏡レンズにおいては主に横の色収差が問題とな
るが、これらの公報には全く色収差の補正について述べ
られていない。
【0011】レンズの薄型軽量化に関しては、レンズの
前面を回転対称な非球面とする技術が特開昭64−50
012号公報などで公知である。先に示した従来例2は
前面を回転対称な非球面としたレンズであり、その諸元
は表1の通りである。
【表1】 頂点屈折力 SPH −8.00 (ディオプタ) 前面近軸曲率半径 R1 620.336 (mm) 前面の非球面係数 K 0.000 A4 2.299×10-7 A6 −l.594×10-10 A8 6.l01×10-14 A10 −1.210×10−17 後面の曲率半径 R2 73.223 (mm) 中心厚 tc 1.l00 (mm) 屈折率 n 1.660 外径 φ 75.000 (mm) 縁厚 te 9.975 (mm) 但し、回転対称非球面は次式で定義される。 x=Ch/{1+[1−(1+K)C1/2}+A4h+A6h
+A8h+A10h10+ ・・・ (C :曲率(1/r) 、h:光軸からの高さ、K :円錐係数、Ai:i次の非球面係数 )
【0012】このレンズの縁厚は、非球面を用いない通
常の球面レンズ(Rl=305.720、R2=64.
845)の縁厚10.734に比べれば簿くなっている
が、未だ十分とは言えない。
【0013】また、従来例4は前面を回転対称な非球面
としたレンズであり、その諸元は表2の通りである。
【表2】 頂点屈折力 SPH +4.00 (ディオプタ) 前面近軸曲率半径 R1 139.395 (mm) 前面の非球面係数 K 0.000 A4 −5.518×10-7 A6 l.521×10-10 A8 −3.719×10-14 A10 5.176×10-18 後面の曲率半径 R2 795.455 (mm) 中心厚 tc 4.700 (mm) 屈折率 n 1.660 外径 φ 75.000 (mm) 縁厚 te 1.231 (mm)
【0014】このレンズの中心厚は、非球面を用いない
通常の球面レンズ(Rl=70.000、R2=11
4.761、中心厚=5.823、縁厚=1.231、
外径=75)の中心厚5.823に比べれば簿くなって
いるが、未だ十分とは言えない。
【0015】
【発明の目的】本発明は、これらの従来技術の問題点に
鑑み、横の色収差が少なく、かつ、より薄く軽い眼鏡レ
ンズを提供することを目的とする。
【0016】
【発明の概要】本発明の眼鏡レンズは、眼鏡レンズの表
面または内部に、該眼鏡レンズの巨視的面形状によって
発生する横の色収差を補正する、微視的な輪帯群からな
る回折構造を設けたことを特徴としている。
【0017】回折構造の輪帯のピッチp(mm)は、眼
鏡レンズの横の色収差を効果的に補正するために、該レ
ンズの外径中心から少なくとも半径30mm以内の輪帯
部のいずれかの地点におけるプリズム屈折力をP(プリ
ズムディオプトリ)、レンズ素材のアッベ数をνとする
とき、次の条件式(1)を満足して変化することが好ま
しい。 (1) p<0.04×ν/|P|
【0018】あるいは、眼鏡レンズを単焦点レンズと
し、回折構造を同心円状の輪帯群からなる回折構造とし
たとき、その輪帯のピッチp(mm)は、レンズ光軸か
らの距離h(mm)がh<30のいずれかの地点におい
て、その地点と光軸とを含むレンズ断面内の頂点屈折力
をD(ディオプター)、レンズ素材のアッベ数をνとす
るとき、次の条件式(2)を満足して変化することが好
ましい。 (2) p<0.4×ν/|D・h| 横の色収差は、プリズム屈折力の大きい部分において問
題になるため、プリズム屈折力の大きい部分程輪帯のピ
ッチを細かくすることにより、より効果的に横の色収差
を補正することができる。
【0019】また、このピッチp(mm)は、 (3) p>0.005 を満足することが好ましい。本発明の眼鏡レンズによれ
ば、レンズ素材のアッベ数νは、それ程大きくなくても
よく、 (4) ν<45 を満足するものを用いることができる。レンズ素材とし
て、特にアッベ数がν<45のプラスチック素材を用い
れば、回折構造による横の色収差補正を効果的に行なう
ことができる。
【0020】輪帯群からなる回折構造は、各輪帯の間を
微細な段差で接続した段差型の回折構造、各輪帯内の屈
折率を変化させた屈折率分布型の回折構造、あるいは、
各輪帯内の透過率を変化させた透過率分布型の回折構造
とすることができる。
【0021】前記段差型回折構造は、眼鏡レンズの前
面、後面のいずれにも設けることができる。段差型回折
構造をレンズ前面側に設けた場合には、レンズの外径中
心から少なくとも半径h(mm)がh<30のいずれか
の地点において、該地点を通過する光線の、段差型回折
構造の設けられたレンズ前面に対して空気側から入射す
る光線の入射角をθ(゜)、レンズ内側に位置する屈折
光線の屈折角をθ’(゜)、前記地点における段差型回
折構造の段差の輪帯面の法線方向の段差距離をΔ(m
m)としたとき、波長λ(mm)が5×10-4〜6×1
-4の範囲内のいずれかの光線について、 (5)Δ=|λ/(cos θ-n' cos θ’) | 但し、 n' ;波長λに対するレンズ素材の屈折率、 を満足することが好ましい。
【0022】段差型回折構造をレンズ後面側に設けた場
合には、レンズの外径中心から少なくとも半径h(m
m)がh<30のいずれかの地点において、該地点を通
過する光線の、段差型回折構造の設けられたレンズ後面
から射出する光線の射出角をθ(゜)、段差型回折構造
の設けられたレンズ後面にレンズ内側から入射する入射
角をθ’(゜)、前記地点における段差型回折構造の段
差の輪帯面の法線方向の段差距離をΔ(mm)としたと
き、波長λ(mm)が5×10-4〜6×10-4の範囲内
のいずれかの光線について、 (5)Δ=|λ/(cos θ-n' cos θ’) | 但し、 n' ;波長λに対するレンズ素材の屈折率、 を満足することが好ましい。
【0023】本発明による段差型回折構造の眼鏡レンズ
は、単焦点レンズとするのが実際的である。眼鏡レンズ
を単焦点レンズとし、かつ前記段差型回折構造をレンズ
前面側に設ける場合、レンズの外形中心から少なくとも
半径h(mm)がh<30のいずれかの地点において、
該地点と光軸を含むレンズ断面内の頂点屈折力をD(デ
ィオプタ)、前記断面内の前記地点における輪帯面の法
線の光軸に対する傾き角をγ(゜)、前記地点における
段差型回折構造の段差の輪帯面の法線方向の段差距離を
Δ(mm)としたとき、波長λ(mm)が5×10-4
6×10-4の範囲内のいずれかの光線について、 (6)|λ/[cos ψ-n' cos{sin-1(sin ψ/n' )}] |−
1×10-5×h<△ (7)Δ<|λ/[cos ψ-n' cos{sin-1(sin ψ/n' )}]
|+1×10-5×h 但し、 (8)ψ=tan-1(h/25)-180Dh/1000π−γ n' ;波長λに対するレンズ素材の屈折率、 を満足することが好ましい。
【0024】一方、眼鏡レンズを単焦点レンズとし、か
つ前記段差型回折構造をレンズ後面側に設ける場合に
は、レンズの外径中心から少なくとも半径h(mm)が
h<30のいずれかの地点において、前記断面内の前記
地点における輪帯面の法線の光軸に対する傾き角をγ
(゜)、前記地点における段差型回折構造の段差の輪帯
面の法線方向の段差距離をΔ(mm)としたとき、波長
λ(mm)が5×10-4〜6×10-4範囲内のいずれか
の光線について、 (6)|λ/[cos ψ-n' cos{sin-1(sin ψ/n' )}] |−
1×10-5×h<△ (7)Δ<|λ/[cos ψ-n' cos{sin-1(sin ψ/n' )}]
|+1×10-5×h 但し、 (9)ψ=tan-1(h/25) −γ n' ;波長λに対するレンズ素材の屈折率、 を満足することが好ましい。
【0025】以上のように段差距離を設定される段差型
回折構造を前面または後面に有する単焦点の眼鏡レンズ
は、負の屈折力のレンズ、正の屈折力のレンズのいずれ
も適用可能である。負の屈折力を有するレンズでは、そ
の段差型回折構造は、レンズの中心側から外周側へ向か
う段差部分において、レンズ厚が薄くなる方向の段差構
造とすることが実際的である。
【0026】正の屈折力を有するレンズでは、その段差
型回折構造は、レンズの中心側から外周側へ向かう段差
部分において、レンズ厚が厚くなる方向の段差構造とす
ることが実際的である。
【0027】
【発明の実施形態】本発明の眼鏡レンズは、巨視的面形
状(屈折)によって発生する横の色収差を、該眼鏡レン
ズに設けた回折構造によって発生させる横の色収差によ
って相殺するという基本的な原理に基づいている。屈折
と回折の組み合わせによる色収差補正の原理について図
27を用いて説明する。レンズは場所によって角度の異
なるプリズムの連続と考えられる。通常の物質の屈折率
は可視光領域においては短波長ほど大きいので、図27
(a)に示すように、プリズム1に入射した光線のうち
短波長の青い光(B)は大きく曲げられ、長波長の赤い
光(R)はより少なく曲げられる。一方、回折現象によ
っては、図27(b)に示めすように、回折格子に入射
した光線のうち長波長の赤い光(R)は大きく曲げら
れ、短波長の青い光(B)はより少なく曲げられる。こ
の相反する波長特性を持った現象を組み合わせると、図
27(c)に示すように、波長によらずほぼ同じ角度だ
け光線を曲げることが可能となる。
【0028】以上を定量的に説明する。プリズムによる
波長λ(mm)の光線の偏角をδ' (ラジアン)、プリ
ズムの頂角をα(ラジアン)、波長λに対する屈折率を
n' とすると、近似的に、 δ' ≒( n' −1)・α で与えられる。プリズム屈折力P(プリズムディオプト
リ)は、光線の偏角をδ' とすれば、その定義より、 P=100・tanδ' ≒100・δ' である。
【0029】波長588[nm](d線)、486[nm](F
線)、656[nm](C線)に対する屈折率をそれぞれn
d 、nF 、nC とし、アッベ数についての関係式ν=
(nd−1)/(nF −nC )および上記の関係式を用
いると、F線とC線の光線の偏角(δF 、δC )の差△
δ(ラジアン)は、 △δ=δF −δC ≒(nF −1)・α−(nC −1)・α =(nF −nC )・α ≒(nF −nC )・δd /(nd −1) =δd /ν ≒P/(100・ν) となる。
【0030】一方、回折格子による波長λ(mm)の光
の回折角φλ(ラジアン)は、回折格子のピッチをp
(mm)、回折次数をmとすると、近似的に、 φλ≒mλ/p である。よってF線とC線の回折角(φF 、φC )の差
△φ(ラジアン)は、1次の回折光を利用するとして
(λF 、λC はそれぞれF線、C線の波長)、 △φ=φF −φC ≒(λF −λC )/p =(486−656)×10-6/p =−170×10-6/p となる。
【0031】屈折による色のずれと回折による色のずれ
をキャンセルさせるには、△φ=−△φとすればよいの
で、結論として、 p≒0.017・ν/P が導かれる。
【0032】単焦点眼鏡レンズにおいて、プリズム屈折
力P(プリズムディオプトリ)と、ある断面内の頂点屈
折力D(ディオプタ)および光軸からの距離h(mm)
との間には、プレンティスの式として知られる、 P≒D・h/10 という関係があるので、上記結論をさらに書き直すと p≒0.17・ν/(D・h) となる。
【0033】光線の偏角、回折次数、プリズム屈折力な
どの符号には任意性があるので、上記式は、 p≒0.017・ν/|P| または p≒0.17・ν/|D・h| と表わされる。
【0034】以上は、近似式を用いたF線とC線に対す
る横の色収差を補正するための条件であるが、実際には
シミュレーションによる光線追跡をして、各場所hでの
適切なピッチpを決めていくことになる。また、横の色
収差補正は、上記説明のようにF線とC線での偏角の差
を完全に無くすまでにしなくても、元々色収差の大きい
レンズにおいては、△φ=−△δ/2として、完全な色
収差補正の半分ほどの補正でも十分な改善効果が得られ
る。このような場合には、 p≒0.034・ν/|P| または p≒0.34・ν/|D・h| とすれば良い。
【0035】さらに、 p<0.04・ν/|P| または p<0.4・ν/|D・h| を満足すれば、実用上、十分な色収差の補正効果が得ら
れる。
【0036】また、あまり小さなピッチで回折構造をつ
くると散乱の成分が多くなり、光の損失が無視できなく
なる。この観点から、回折構造のピッチは、最小でもピ
ッチp(mm)は、5μm程度とすることが好ましい。
すなわち、 p>0.005 である。また、このような回折構造による横の色収差補
正は、レンズ素材として、特にアッベ数がν<45のプ
ラスチック素材を用いたとき、効果的に行なうことがで
きる。
【0037】段差型回折構造は、理論上は、レンズ前面
と後面のいずれに設けてもよい。しかし、樹脂材料によ
る成形を考慮すると、後面に設ける方が好ましい。図2
8は段差型回折構造をレンズLの前面Lfに設けた場合
と、後面Lrに設けた場合とを比較したものである。レ
ンズ前面Lfに段差型回折構造を設けた場合、図28
(b)中の点線の部分(回折構造の段差部分)を通る光
は散乱光になり好ましくない。点線の部分をレンズに入
射する光束と平行にすれば散乱光を減らすことができる
が、樹脂の成形レンズの場合、点線の部分をレンズに入
射する光束と平行にすると、アンダーカットが生じてし
まい成形型を抜くことができない。
【0038】これに対し、レンズ後面Lrに段差型回折
構造を設ける場合はこの点線部分(回折構造の段差部
分)を、図28(c)中の点線のように光束とほぼ平行
にしても型を抜くことができ、レンズ前面に段差型回折
構造を設けた場合よりも散乱光を減じることができる。
【0039】図29は、段差型回折構造の段差の好まし
い高さを説明する図である。眼鏡レンズLの段差型回折
構造の設けられた面Ldに対して空気側から入射する光
線の入射角(または面Ldから射出する光線の射出角)
をθ(゜)、レンズ内側に位置する屈折光線の屈折角
(または面Ldにレンズ内側から入射する入射角)を
θ’(゜)とし、前記地点における段差距離を△(m
m)、設計の基準波長をλ(mm)、波長λに対するレ
ンズ素材の屈折率を n' とする。
【0040】光線は、段差の内側を通った光と外側を通
った光の光路長の差がλの整数倍になるような方向に進
む。段差によってλの1倍だけ光路長差が生じる場合を
考えると、 △=|λ/(cos θ− n' cos θ’)| という式が成り立つ。ここで、cos θ’をスネルの法則
で書き直すと、 △=|λ/[cos θ-n' cos{sin-1(sin θ/n' )}] | となる。
【0041】以上の段差距離Δは、回折効率100%の
理想的な場合であるが、入射角θは、レンズのパワーと
回折面の面形状を用いて近似することができる。すなわ
ち、レンズの外径中心(光軸)から少なくとも半径h
(mm)がh<30のいずれかの地点において、該地点
と光軸を含むレンズ断面内の頂点屈折力をD(ディオプ
タ)、前記断面内の前記地点における前面の法線の光軸
に対する傾き角をγ(゜)とすると、眼鏡レンズLの前
面Lfに段差型回折構造がある場合、図30より、 θ+γ=β+δ よって θ=β+δ−γ β及びδを近似して、近似入射角ψは、 ψ=tan-1(h/25)-180Dh/1000π−γ で与えられる。また、眼鏡レンズLの後面Lrに段差型
回折構造がある場合、図31より、 ψ=tan-1(h/25) −γ で与えられる。
【0042】前記地点における段差型回折構造の段差の
輪帯面の法線方向の段差距離Δ(mm)は、この近似入
射角ψを用いて、 |λ/[cos ψ-n' cos{sin-1(sin ψ/n' )}] |−1×10
-5×h<△ Δ<|λ/[cos ψ-n' cos{sin-1(sin ψ/n' )}] |+1
×10-5×h を満足するように設定することが好ましい。これらの条
件式を満足させて段差距離Δを設定すれば、実用上十分
な回折効率が得られる。一方、これら条件式を満足しな
いと、回折効率が低下し、見え具合が悪くなる。
【0043】次に、具体的な実施例について本発明の眼
鏡レンズを説明する。次の実施例1ないし4は、段差型
回折構造の眼鏡レンズ(第1の実施態様)についての実
施例である。なお、各実施例における眼鏡レンズの光軸
は、レンズの外径中心に一致している。また、図4、図
9、図13、図17、図21及び図25の各図の横軸N
は、ピッチpの逆数である。 [実施例1]実施例1は、屈折率l.66、アッベ数3
2の素材を用い、レンズの前面に同心円状の微細な段差
(輪帯)からなる回折構造を設けて、頂点屈折力−8.
00(ディオプタ)のレンズの色収差補正をした例であ
る。中心厚tcと縁厚teは、それぞれ1.1(mm)
と9.123(mm)である。図1にレンズ10の断面
の模式図を、図2にレンズの正面の模式図を示す。レン
ズ前面11の段差は実際には図1、図2には表せないほ
ど微細なものであるが、誇張して描いた。図3は光軸か
らの距離が約20(mm)の位置での断面の拡大図であ
る。段差による回折構造のピッチはレンズの場所によっ
て図4のように変わっている。実施例1のレンズの視角
50(゜)方向の横の色収差を図5に示す。同一素材を
用いた従来例2(図33の実線)と比べて格段に改善さ
れているのがわかる。
【0044】[実施例2]実施例2は、屈折率1.6
6、アッベ数32の素材を用い、レンズ後面に同心円状
の微細な段差(輪帯)からなる回折構造を設けて、頂点
屈折力−8.00(ディオプタ)のレンズの色収差補正
をした例である。中心厚tcと縁厚teは、それぞれ
1.1(mm)と8.659(mm)である。図6にレ
ンズ10の断面の模式図を、図7にレンズの正面の模式
図を示す。レンズ後面12の段差は実際には図6、図7
には表せないほど微細なものであるが、誇張して描い
た。図8は光軸からの距離が約20(mm)の位置での
断面の拡大図である。段差による回折構造のピッチはレ
ンズの場所によって図9のように変わっている。実施例
1のレンズの視角50(゜)方向の横の色収差を図10
に示す。同一素材を用いた従来例2(図33の実線)と
比べて格段に改善されているのがわかる。またレンズの
縁厚も薄くなっている。
【0045】[実施例3]実施例3は、屈折率l.6
6、アッベ数32の素材を用い、レンズ前面に同心円状
の微細な段差(輪帯)からなる回折構造を設けて、頂点
屈折力+4.00(ディオプタ)のレンズの色収差補正
をした例である。中心厚tcと縁厚teは、それぞれ
4.29(mm)と1.229(mm)である。図11
にレンズ10の断面の模式図を示す。レンズ正面図は省
略した。レンズ前面11の段差は実際には図11には表
せないほど微細なものであるが、誇張して描いた。図1
2は光軸からの距離が約20(mm)の位置での断面の
拡大図である。段差による回折構造のピッチはレンズの
場所によって図13のように変わっている。実施例3の
レンズの視角50(゜)方向の横の色収差を図14に示
す。同一素材を用いた従来例4(図34の実線)と比べ
て格段に改善されているのがわかる。
【0046】[実施例4]実施例4は、屈折率1.6
6、アッベ数32の素材を用い、レンズ後面に同心円状
の微細な段差(輪帯)からなる回折構造を設けて、頂点
屈折力+4.00(ディオプタ)のレンズの色収差補正
をした例である。中心厚tcと縁厚teは、それぞれ
4.31(mm)と1.236(mm)である。図15
にレンズ10の断面の模式図を示す。レンズ正面図は省
略した。レンズ後面12の段差は実際には図15には表
せないほど微細なものであるが、誇張して描いた。図1
6は光軸からの距離が約20(mm)の位置での断面の
拡大図である。段差による回折構造のピッチはレンズの
場所によって図17のように変わっている。実施例4の
レンズの視角50(゜)方向の横の色収差を図18に示
す。同一素材を用いた従来例4(図34の実線)と比べ
て格段に改善されているのがわかる。
【0047】次の実施例5(図19ないし図22)は、
本発明による屈折率分布型の回折構造の眼鏡レンズ(第
2の実施態様)についての実施例である。 [実施例5]この実施例は、屈折率1.60、アッベ数
36の素材を用いた頂点屈折力+4.00(ディオプタ
ー)の眼鏡レンズ20の色収差を、該レンズ20の後面
側に屈折率分布型の回折構造層21を設けて補正した例
である。屈折率分布型の回折構造21は、同心円状の多
数の輪帯がそれぞれ、屈折率差0.1の鋸歯状の屈折率
分布を有する、厚さ約6(μm)の層である。
【0048】図19では、屈折率分布型回折構造21の
輪帯を明度を異ならせて、そのピッチを誇張して描いて
いる。また、屈折率分布型回折構造21の輪帯の深さも
実際の深さより誇張して描いている。屈折率分布を有す
る輪帯のピッチと深さは、実際には、光軸からの距離h
が20(mm)近傍での屈折率分布を示す図20のよう
に、微細なものである。そして、この回折構造の輪帯の
ピッチpは、図21に示すように(第1の実施例の図4
と同じく)、光軸からの距離hが高くなる程(光軸から
離れる程)、細かくなっている。このように、周辺部
程、回折構造の輪帯のピッチを細かくすることによっ
て、レンズ周辺部での横の色収差を良好に補正すること
ができる。図22は、この眼鏡レンズの視角50゜方向
の横の色収差を示しており、色収差が改善されているこ
とが分かる。
【0049】屈折率分布型の回折構造層21は、表面に
段差がないので、各種コート等の表面処理を施すのに有
利である。
【0050】次の実施例6(図23ないし図26)は、
本発明による透過率分布型の回折構造の眼鏡レンズ(第
3の実施態様)についての実施例である。 [実施例6]この実施例は、屈折率1.66、アッベ数
32の素材を用いた頂点屈折力−6.00(ディオプタ
ー)の眼鏡レンズ30の色収差を、該レンズ30の前面
側に透過率分布型の回折構造層31を設けて補正した例
である。透過率分布型の回折構造31は、同心円状の多
数の輪帯がそれぞれ、透過率が正弦波状に0〜1の間で
変化する層である。
【0051】図23では、透過率分布型回折構造31の
輪帯のピッチを誇張して描いている。透過率が変化する
輪帯のピッチは、実際には、光軸からの距離hが20
(mm)近傍での透過率分布を示す図24のように、微
細なものである。そして、この回折構造の輪帯のピッチ
pは、図25に示すように(第1の実施例の図4、第2
の実施例の図7と同じく)、光軸からの距離hが高くな
る程(光軸から離れる程)、細かくなっている。このよ
うに、周辺部程、回折構造の輪帯のピッチを細かくする
ことによって、レンズ周辺部での横の色収差を良好に補
正することができる。図26は、この眼鏡レンズの視角
50゜方向の横の色収差を示している。同一素材を用い
た従来例2(図33の実線)に比べて、格段に色収差が
改善されていることが分かる。
【0052】透過率分布型の回折構造層31は、表面に
段差がないので、各種コート等の表面処理を施すのに有
利であり、また平均的には光透過率が25%以下になる
ので、サングラスとして利用することが好ましい。
【0053】上記の実施例はいずれも、条件式(1)な
いし(4)を満足している。また、段差型回折構造の実
施例1ないし4は、条件式(5)を満足し、前面を段差
型回折構造とした実施例1と3は、条件式(6)、
(7)、(8)を満足し、後面を段差型回折構造とした
実施例2と4は、条件式(6)、(7)、(9)を満足
している。
【0054】
【発明の効果】本発明の眼鏡レンズによれば、アッベ数
の小さい(分散の大きい)レンズでも、横の色収差の少
ない眼鏡レンズを実現することができる。色収差補正の
ために異なるアッベ数のレンズを貼り合せる必要がない
ので、レンズが厚く重くなることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による眼鏡レンズの第1の実施形態の実
施例1を示す、回折構造を誇張して描いた模式断面図で
ある。
【図2】実施例1の眼鏡レンズの正面の模式図である。
【図3】実施例1の眼鏡レンズ断面の部分拡大図であ
る。
【図4】実施例1の眼鏡レンズの回折構造ピッチ分布を
表す図である。
【図5】実施例1の眼鏡レンズの色収差を示す図であ
る。
【図6】本発明による眼鏡レンズの第1の実施形態の実
施例2を示す、回折構造を誇張して描いた模式断面図で
ある。
【図7】実施例2の眼鏡レンズの後面の模式図である。
【図8】実施例2の眼鏡レンズの断面の部分拡大図であ
る。
【図9】実施例2の眼鏡レンズの回折構造ピッチ分布を
表す図である。
【図10】実施例2の眼鏡レンズの色収差を示す図であ
る。
【図11】本発明による眼鏡レンズの第1の実施形態の
実施例3を示す、回折構造を誇張して描いた模式断面図
である。
【図12】実施例3の眼鏡レンズの断面の部分拡大図で
ある。
【図13】実施例3の眼鏡レンズの回折構造ピッチ分布
を表す図である。
【図14】実施例3の眼鏡レンズの色収差を示す図であ
る。
【図15】本発明による眼鏡レンズの第1の実施形態の
実施例4を示す、回折構造を誇張して描いた模式断面図
である。
【図16】実施例4の眼鏡レンズの断面の部分拡大図で
ある。
【図17】実施例4の眼鏡レンズの回折構造ピッチ分布
を表す図である。
【図18】実施例4の眼鏡レンズの色収差を示す図であ
る。
【図19】本発明による眼鏡レンズの第2の実施形態を
示す、回折構造を誇張して描いた模式断面図である。
【図20】図19の眼鏡レンズの屈折率分布を示す部分
拡大図である。
【図21】図19の眼鏡レンズの回折構造ピッチ分布を
表す図である。
【図22】図19の眼鏡レンズの色収差を示す図であ
る。
【図23】本発明による眼鏡レンズの第3の実施形態を
示す、回折構造を誇張して描いた模式断面図である。
【図24】図23の眼鏡レンズの屈折率分布を示す部分
拡大図である。
【図25】図23の眼鏡レンズの回折構造ピッチ分布を
表す図である。
【図26】図23の眼鏡レンズの色収差を示す図であ
る。
【図27】屈折と回折の組み合わせによる色収差補正の
原理を表す図である。
【図28】回折構造が前面にある眼鏡レンズと後面にあ
る眼鏡レンズの拡大図である。
【図29】回折構造の拡大図である。
【図30】前面に回折構造がある眼鏡レンズを示す図で
ある。
【図31】後面に回折構造がある眼鏡レンズを示す図で
ある。
【図32】従来の眼鏡レンズの光線の屈折の様子を表す
図である。
【図33】従来の眼鏡レンズの色収差を示す図である。
【図34】従来の眼鏡レンズの色収差を示す図である。

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 眼鏡レンズの表面または内部に、該眼鏡
    レンズの巨視的面形状によって発生する横の色収差を補
    正する、微視的な輪帯群からなる回折構造を設けたこと
    を特徴とする眼鏡レンズ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の眼鏡レンズにおいて、上
    記回折構造の輪帯のピッチp(mm)は、該レンズの外
    径中心から少なくとも半径30mm以内の輪帯部のいず
    れかの地点におけるプリズム屈折力をP(プリズムディ
    オプトリ)、レンズ素材のアッベ数をνとするとき、次
    の条件式(1)を満足して変化する眼鏡レンズ。 (1) p<0.04×ν/|P|
  3. 【請求項3】 請求項1記載の眼鏡レンズにおいて、眼
    鏡レンズは単焦点レンズであり、 回折構造は、同心円状の輪帯群からなる回折構造であっ
    て、その輪帯のピッチp(mm)は、レンズ光軸からの
    距離h(mm)がh<30のいずれかの地点において、
    該地点と光軸とを含むレンズ断面内の頂点屈折力をD
    (ディオプタ)、レンズ素材のアッベ数をνとすると
    き、次の条件式(2)を満足して変化する眼鏡レンズ。 (2) p<0.4×ν/|D・h|
  4. 【請求項4】 請求項2または3記載の眼鏡レンズにお
    いて、輪帯の上記ピッチp(mm)は、次の条件式
    (3)を満足する眼鏡レンズ。 (3) p>0.005
  5. 【請求項5】 請求項2ないし4のいずれか1項記載の
    眼鏡レンズにおいて、レンズ素材のアッベ数νは、次の
    条件式(4)を満足する眼鏡レンズ。 (4) ν<45
  6. 【請求項6】 請求項5記載の眼鏡レンズにおいて、レ
    ンズ素材はプラスチックである眼鏡レンズ。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1項記載の
    眼鏡レンズにおいて、輪帯群からなる回折構造は、各輪
    帯の間を微細な段差で接続した段差型の回折構造である
    眼鏡レンズ。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし6のいずれか1項記載の
    眼鏡レンズにおいて、輪帯群からなる回折構造は、各輪
    帯内の屈折率を変化させた屈折率分布型の回折構造であ
    る眼鏡レンズ。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし6のいずれか1項記載の
    眼鏡レンズにおいて、輪帯群からなる回折構造は、各輪
    帯内の透過率を変化させた透過率分布型の回折構造であ
    る眼鏡レンズ。
  10. 【請求項10】 請求項7記載の眼鏡レンズにおいて、
    前記段差型回折構造はレンズ前面側に設けられている眼
    鏡レンズ。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の眼鏡レンズにおい
    て、レンズの外径中心から少なくとも半径h(mm)が
    h<30のいずれかの地点において、該地点を通過する
    光線の、段差型回折構造の設けられたレンズ前面に対し
    て空気側から入射する光線の入射角をθ(゜)、レンズ
    内側に位置する屈折光線の屈折角をθ’(゜)、前記地
    点における段差型回折構造の段差の輪帯面の法線方向の
    段差距離をΔ(mm)としたとき、波長λ(mm)が5
    ×10-4〜6×10-4の範囲内のいずれかの光線につい
    て、 (5)Δ=|λ/(cos θ- n' cos θ’) | 但し、 n' ;波長λに対するレンズ素材の屈折率、 を満足する眼鏡レンズ。
  12. 【請求項12】 請求項10記載の眼鏡レンズにおい
    て、眼鏡レンズは単焦点レンズであり、 レンズの外径中心から少なくとも半径h(mm)がh<
    30のいずれかの地点において、該地点と光軸を含むレ
    ンズ断面内の頂点屈折力をD(ディオプタ)、前記断面
    内の前記地点における輪帯面の法線の光軸に対する傾き
    角をγ(゜)、前記地点における段差型回折構造の段差
    の輪帯面の法線方向の段差距離をΔ(mm)としたと
    き、波長λ(mm)が5×10-4〜6×10-4の範囲内
    のいずれかの光線について、 (6)|λ/[cos ψ-n' cos{sin-1(sin ψ/n' )}] |−
    1×10-5×h<△ (7)Δ<|λ/[cos ψ-n' cos{sin-1(sin ψ/n' )}]
    |+1×10-5×h 但し、 (8)ψ=tan-1(h/25)-180Dh/1000π−γ n';波長λに対するレンズ素材の屈折率、 を満足する眼鏡レンズ。
  13. 【請求項13】 請求項7記載の眼鏡レンズにおいて、
    前記段差型回折構造はレンズ後面側に設けられている眼
    鏡レンズ。
  14. 【請求項14】 請求項13記載の眼鏡レンズにおい
    て、レンズの外径中心から少なくとも半径h(mm)が
    h<30のいずれかの地点において、該地点を通過する
    光線の、段差型回折構造の設けられたレンズ後面から射
    出する光線の射出角をθ(゜)、段差型回折構造の設け
    られたレンズ後面にレンズ内側から入射する入射角を
    θ’(゜)、前記地点における段差型回折構造の段差の
    輪帯面の法線方向の段差距離をΔ(mm)としたとき、
    波長λ(mm)が5×10-4〜6×10-4の範囲内のい
    ずれかの光線について、 (5)Δ=|λ/(cos θ-n' cos θ’) | 但し、 n' ;波長λに対するレンズ素材の屈折率、 を満足する眼鏡レンズ。
  15. 【請求項15】 請求項13記載の眼鏡レンズにおい
    て、眼鏡レンズは単焦点レンズであり、 レンズの外径中心から少なくとも半径h(mm)がh<
    30のいずれかの地点において、前記断面内の前記地点
    における輪帯面の法線の光軸に対する傾き角をγ
    (゜)、前記地点における段差型回折構造の段差の輪帯
    面の法線方向の段差距離をΔ(mm)としたとき、波長
    λ(mm)が5×10-4〜6×10-4の範囲内のいずれ
    かの光線について、 (6)|λ/[cos ψ-n' cos{sin-1(sin ψ/n' )}] |−
    1×10-5×h<△ (7)Δ<|λ/[cos ψ-n' cos{sin-1(sin ψ/n' )}]
    |+1×10-5×h 但し、 (9)ψ=tan-1(h/25) −γ n' ;波長λに対するレンズ素材の屈折率、 を満足する眼鏡レンズ。
  16. 【請求項16】 請求項12または15記載の眼鏡レン
    ズにおいて、前記レンズは負の屈折力を有する眼鏡レン
    ズ。
  17. 【請求項17】 請求項16記載の眼鏡レンズにおい
    て、前記段差型回折構造は、レンズの中心側から外周側
    へ向かう段差部分において、レンズ厚が薄くなる方向の
    段差構造である眼鏡レンズ。
  18. 【請求項18】 請求項12または15記載の眼鏡レン
    ズにおいて、前記レンズは正の屈折力を有する眼鏡レン
    ズ。
  19. 【請求項19】 請求項18記載の眼鏡レンズにおい
    て、前記段差型回折構造は、レンズの中心側から外周側
    へ向かう段差部分において、レンズ厚が厚くなる方向の
    段差構造である眼鏡レンズ。
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