JPH10339736A - 走査型プローブ顕微鏡用プローブとその作製方法 - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡用プローブとその作製方法

Info

Publication number
JPH10339736A
JPH10339736A JP15224297A JP15224297A JPH10339736A JP H10339736 A JPH10339736 A JP H10339736A JP 15224297 A JP15224297 A JP 15224297A JP 15224297 A JP15224297 A JP 15224297A JP H10339736 A JPH10339736 A JP H10339736A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
probe
elastic member
microscope
scanning
normal direction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP15224297A
Other languages
English (en)
Inventor
Akitoshi Toda
明敏 戸田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP15224297A priority Critical patent/JPH10339736A/ja
Priority to US09/092,285 priority patent/US6246054B1/en
Publication of JPH10339736A publication Critical patent/JPH10339736A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Length Measuring Devices With Unspecified Measuring Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】少ない形状のばらつきで作製可能な、実質的な
頂角が小さい探針部を持つ走査型プローブ顕微鏡用プロ
ーブを提供する。 【解決手段】プローブ100は、弾性体から成る片持ち
梁状の弾性部材部102が支持部101から延びてお
り、その自由端に探針部103が形成されている。探針
部103は平板三角形状をしており、その先端の二つの
頂点104と105において三本の稜線が終端してい
る。平板三角形状の探針部103の面法線方向とその先
端の二点104と105を結ぶ稜線は平行である。これ
らの探針部103の先端の二つの終端点104と105
が実質的な探針として作用し、試料表面との相互作用を
生じる。片持ち梁状の弾性部材部102の面法線方向と
平板三角形状の探針部103の面法線方向は平行でな
く、従って、片持ち梁102は折れ曲がった形状をして
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、IC半導体の段
差、例えば電極ラインパターンの側壁の粗さや傾き角を
測定する走査型プローブ顕微鏡(SPM)のためのプロ
ーブに関する。
【0002】
【従来の技術】走査型プローブ顕微鏡は、プローブすな
わち探針を試料表面に1μm以下まで近接させた時に両
者の間に働く相互作用を検出しながらXY方向あるいは
XYZ方向に走査することにより、その相互作用の二次
元マッピングを行なう装置であり、走査型トンネリング
顕微鏡(STM)、原子間力顕微鏡(AFM)、磁気力
顕微鏡(MFM)、走査型近接場光顕微鏡(SNOM)
などの総称である。なかでもAFMは、試料表面の凹凸
情報を得る装置としてSPMのなかで最も普及してい
る。AFMは、カンチレバー先端に形成した探針(突
起)を試料表面に近づけた時に、探針に働く力により生
じるカンチレバーの変位を光学式センサー等で検出する
ことにより、間接的に試料表面の凹凸情報を得ている。
【0003】AFMに用いられる探針は、性能的および
コスト的に有利であることからバッチファブリケーショ
ン技術である半導体プロセスを利用して作製される。例
えば、「Europhys. Lett. 2(1987) p.1281 (T. Albrech
t et al)」には、酸化シリコン薄膜をパターニングして
作製するいわゆるフラットレバーについて報告があり、
また、特開平1−262403には、これを発展させた
いわゆるバーズビーク型のプローブが提案されている。
また、米国特許5399232号に記載されているピラ
ミッド形状の探針を持つ窒化シリコン製のカンチレバー
や米国特許5051379号に記載されているシリコン
製のカンチレバーは、既に製品化されており、市場から
入手可能である。このようなカンチレバーの探針はポイ
ントターミネート(一点終端)された、探針先端の突起
部を実質的な探針として使用しているが、探針全体を眺
めたとき、探針頂角は15度から90度に留まってい
る。
【0004】半導体ICのデザインルールは256MB
の記憶容量のデバイスで0.25μm則の試作品が作製
され、1GBデバイスでは0.15μm則が適用されよ
うとしている。これに伴ない、素子の形状検査機は、幅
が狭くアスペクト比の大きなものの線幅、さらには全体
形状を正確に測定することが求められている。このよう
な形状測定に走査型プローブ顕微鏡が適用可能として、
盛んに研究が進められている。
【0005】Yves Martin やH. Kumar Wickramasinghe
は「Apply. Phys. Lett. Vol.64 No.19 (1994) PP.2489
-2500 」において垂直壁を画像化する新しい走査型プロ
ーブ顕微鏡を提案している。これに関する特許としては
日本国特許2501282号がある。この走査型プロー
ブ顕微鏡では、ブーツ型の探針(先端近くの胴がくびれ
た円柱状の探針)を使用することにより、試料の垂直壁
の測定を可能にしている。この様な探針は、前述のポイ
ントターミネートされた探針とは異なり、その先端のフ
レアー部分の異なる点が凹部の両側の側壁との相互作用
を起こす。つまり、ブーツ型の探針には、その先端部に
少なくとも二箇所以上に実質的な探針が存在し、これに
より実質的な探針頂角は0度以下となっている。
【0006】ブーツ型の探針は、φ2μm〜φ2.5μ
mのカンチレバー側の部分(太い部分)と、その先につ
ながる細い部分からなり、その細い部分はブーツの様な
形をしている。ブーツ状の部分の寸法は、長さ(高さ)
2.8μm、先端の探針はフレアー部分(先端)でφ3
60nm、それよりカンチレバーに近いくびれた部分で
φ210nmである。
【0007】このプローブを用いて半導体のトレンチ溝
や穴の側壁を測定する時、この探針先端のフレアー部分
が張り出しているので、その部分が試料表面(側壁)に
最も接近する。従って、その様な探針の張り出した部分
と試料表面との間隔を一定に保って、探針を走査するこ
とにより、側壁の面荒れや傾き角度を測定することがで
きる。
【0008】特開平3−104136は、このようなブ
ーツ型の探針の作製方法を開示しており、探針は、単結
晶シリコンウェハーをスタートウェハーとし、フォトリ
ソグラフィーにより作製される。約φ1μm以下の円形
のマスクを形成した後、CF4 ガスでドライエッチング
して、シリコンウェハーをほぼ垂直に掘り下げることに
より、略円柱形状のシリコン製の探針部を形成する。ド
ライエッチングの条件を変化されると、略円柱形状の探
針部分は円柱部中腹が膨らんだり細ったりする。この条
件を選択することにより、円柱部中腹が細った単結晶シ
リコン製の略円柱状の探針を得る。この後、探針部をレ
ジスト等で保護し、レバー部のパターニングとウェハー
裏面からのエッチングを行ない、ブーツ型の探針を有す
るカンチレバーを得ている。
【0009】一方、AFM用カンチレバーの探針は、測
定(走査)中の試料表面と接触により探針先端が摩耗し
たり折れたりする可能性があり、探針材料は安定したA
FM測定を行なうときに注意を払う必要のある点であ
る。例えば、松山らは第55回応用物理学会学術講演会
にて(予稿集p.473 )において、探針材料の摩耗に関し
て報告している。単結晶シリコンや窒化シリコンは探針
材料として、よく用いられる材料であるが、両者を比較
すれば単結晶シリコンより窒化シリコン膜の方が摩耗し
難く、さらに窒化シリコン膜の中では、シリコンと窒素
とのストイキオメトリが3対4の窒化シリコン膜の方が
更に摩耗し難いことを報告している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】Yves Martin らの垂直
壁を画像化する走査型プローブ顕微鏡によるまでもな
く、通常の走査型プローブ顕微鏡であっても、一般にア
スペクト比の高い試料の側壁の根本部分を出来るだけ正
確に測定するには、探針頂角が小さく、アスペクト比の
高い探針が必要である。
【0011】Apply. Phys. Lett. Vol.64 No.19 (1994)
PP.2498-2500 に記載されているYves Martin らの垂直
壁を画像化する走査型プローブ顕微鏡法は、ノンコンタ
クトモードAFMを応用した方法ではあるが、大気中で
の測定の間、ときどき探針が試料表面に接触してしまう
ことがある。すなわち、ノンコンタクトモードAFM測
定法を応用してはいるが、装置のフィードバック回路の
帯域が有限であることから、凹凸の大きな試料やステッ
プ状の段差部を有する試料に対して探針を全く接触させ
ることなく測定することは難しい。このあたり、例え
ば、同論文の著者であるイブ・マーチンらが特開平6−
194154において、探針を励振させながら行なうコ
ンタクトモードAFM法を応用して、同様の段差を持つ
試料の側壁を測定する方法を提案しているという事実
や、ヴァージル・ビー・エリングスらが特開平7−27
0434において、やはり探針を励振させながら行なう
コンタクトモードAFM法を応用して、側壁の測定を行
なえる顕微鏡を提案しているという事実から、完全なノ
ンコンタクトモードAFM測定法による垂直壁の測定の
難しさが推察される。
【0012】試料に探針が接触すると探針が摩耗したり
折れたりし、探針の形状が測定中に変化してしまう。Yv
es Martin らの垂直壁を画像化する走査型プローブ顕微
鏡法は、例えば前述のように、サブミクロンのパターン
則の半導体ICの電極パターンの形状測定を行なうのに
用いられるため、探針形状がわずか数十nm摩耗した形
状が変化しただけでも、測定結果は10%以上も変化し
てしまう。このため、摩耗などによる探針の形状変化は
極めて深刻な問題である。一般に、測定器は高い再現性
を有している必要があるが、測定器としてYves Martin
らの垂直壁を画像化する走査型プローブ顕微鏡を考えた
とき、探針が摩耗により、この測定データの再現性を失
わせることは非常に問題である。
【0013】データの再現性を求めるなら、頻繁に探針
形状を校正することが考えられる。しかしながら、測定
試料を測定する前に、何度も校正のための操作を行なう
ことは、測定器に求められるスループットの点で問題で
ある。校正作業のために単位時間当たりに測定すること
のできる試料数が減ってしまうからである。また、その
校正に校正用の試料を測定と同等な方法を用いて測定す
る校正方法を採用すれば、校正作業中に探針が摩耗した
りして形状変化する可能性もあり、あまり頻繁に校正作
業を行なうのも問題がある。
【0014】さらに、Yves Martin らの論文に記載され
ている垂直壁を画像化する走査型プローブ顕微鏡法に用
いる探針は、特開平3−104136に記載されている
ように、単結晶シリコンをエッチングして作製される。
前述のようにシリコンは摩耗のし易い材料であり、摩耗
は探針材料の点からも大きな問題である。
【0015】Apply Phys. Lett. Vol.64 No.19 (1994)
PP.2498-2500あるいは特開平3−104136に記載さ
れているような、単結晶シリコン製のブーツ型形状をし
た探針を作製するには、ドライエッチングが用いれらて
いるが、一般にサブミクロンのパターンニングを行なう
ためにドライエッチングを用いると、作製条件がわずか
にずれるだけで探針形状が変化してしまうという問題が
ある。
【0016】また、サブミクロンオーダーの測定試料を
測定するにはそれより細い探針を使用する必要がある
が、その様な探針を均一性良く作製することは極めて難
しい。ウェハー間は勿論、一枚のウェハー内でも場所に
よって形状のばらつきが発生する。このことはサブミク
ロンオーダーのパターン則の半導体ICを作製するため
のドライエッチング装置と同等な装置を用いて、それよ
りも細い探針の作製を試みていることを考えれば、その
大変さは容易に理解できる。
【0017】この探針形状(寸法)のばらつきは、最終
的には探針作製において、コストアップにつながり大き
な問題である。すなわち、非常に細かい測定試料凹凸部
分を測定するためには、少なくとも設計の寸法より細い
探針に仕上がっているか否かを、出荷時に慎重に検査す
る必要があるため、検査コストがかさむからである。無
論、探針形状のばらつきは、歩留まりもかなり悪くなる
ことから、さらにコストの上昇を招いてしまう。
【0018】本発明の目的は、試料上の垂直もしくはそ
れに近いスロープ角度を有する部分を測定するための、
実質的な探針頂角が小さくアスペクト比の高い、しか
も、少ない形状ばらつきで作製でき、さらに、耐摩耗性
が高く形状変化の少ない走査型プローブ顕微鏡用のプロ
ーブを提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の走査型プローブ
顕微鏡用プローブは、支持部と、支持部に支持された片
持ち梁状の弾性部材部と、弾性部材部の自由端に設けら
れた探針部とを有し、探針部は平板三角形状をしてお
り、その面法線方向とその先端の稜線とが平行である。
【0020】走査型プローブ顕微鏡用プローブは、好適
には、弾性部材部の面法線方向と探針部の面法線方向が
非平行である。このような走査型プローブ顕微鏡用プロ
ーブの作製方法は、シリコンウェハーを用意する工程
と、シリコンウェハーの一部を掘り下げて斜面を持つ凹
部を形成する工程と、その上に弾性部材部と探針部の構
成材料を膜堆積する工程と、その膜をドライエッチング
により弾性部材部と探針部に応じた形状にパターニング
する工程と、シリコンウェハーを裏側からエッチングし
て支持部を形成する工程とを有している。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態について説明する。本発明の第一の実施の
形態の走査型プローブ顕微鏡用プローブ100について
説明する。
【0022】図1(a)と図1(b)に示されるよう
に、弾性体から成る片持ち梁(弾性部材部)102が支
持部101から延びており、その自由端に探針部103
が形成されている。図1(c)に示されるように、探針
部103は平板三角形状をしており、その先端の二つの
頂点104と105において三本の稜線が終端してい
る。平板三角形状の探針部103の面法線方向とその先
端の二点104と105を結ぶ稜線とは平行になってい
る。これらの探針部103の先端の二つの終端点104
と105が実質的な探針として作用し、試料表面との相
互作用を生じる。この点において、本実施例のプローブ
は、Europhys. Lett. 2 (1987) p.1281 や特開平1−2
62403に記載されているプローブとは異なってい
る。
【0023】また、片持ち梁状の弾性部材部102の面
法線方向と平板三角形状の探針部103の面法線方向は
平行でなく、従って、片持ち梁102は折れ曲がった形
状をしている。この点において、本実施形態のプローブ
は、Europhys. Lett. 2 (1987) p.1281 に記載されてい
るプローブと異なる。
【0024】作製した実施形態の代表的な寸法は、短冊
形状の片持ち梁102の長さ70μm、幅40μm、厚
さ0.6μmであり、探針部103の高さは15μmで
ある。
【0025】図2(a)に示されるように、プローブ1
00はプローブ保持部材203に固定され、プローブ保
持部材203は圧電体204が固定されている。圧電体
204は駆動回路(図示せず)からの交流電圧によりプ
ローブ100の弾性部材部102を共振周波数付近の周
波数で励振し、その結果、プローブ100の弾性部材部
102が加振される。
【0026】プローブ保持部材部203に固定されたプ
ローブ100は、探針部103が試料201の主要な面
に対して垂直になるように配置される。試料201は、
これをXYZ方向に走査し得るステージ202に載置さ
れる。測定の間、試料201はXYZ方向に走査され、
プローブ100の弾性部材部102の振動状態は変位セ
ンサー205によりモニターされる。
【0027】図2(b)に示されるように、探針部10
3は、試料201の二つの突起の間に入れられる。探針
部103の二つの終端点104と105のうち、試料2
01の突起の側壁に近い方が、その側壁に対して実質的
な探針として作用し、両者の間に相互作用が生じる。
【0028】図2(b)の例では、探針部103の右側
の突起の側壁に対しては終端点105が実質的な探針と
して作用し、左側の突起の側壁に対しては終端点104
が実質的な探針として作用する。試料201をXYZ方
向に走査する間、弾性部材部102の振動状態が一定に
なるようにフィードバック制御し、その信号をモニター
することにより、試料201のトポグラフィックな情報
すなわち形状情報が画像化される。
【0029】プローブ100の作製方法について図3
(a)〜図3(e)を参照して説明する。まず、スター
トウェハーとして面方位(100)の単結晶シリコンウ
ェハー301を用意する(図3(a))。
【0030】この表面に酸化シリコン膜302を形成し
た後、フォトリソグラフィーにより酸化シリコン膜30
2を部分的に除去し、単結晶シリコンウェハー301の
表面が露出するように四角い開口を形成する。そして、
この四角い開口を除く部分に形成された酸化シリコン膜
302をマスクとして水酸化カリウム水溶液により湿式
異方性エッチングを行ない、シリコンウェハー301を
掘り下げて凹部303を形成する(図3(b))。
【0031】次に、この酸化シリコン膜302をフッ酸
で取り除き、LP−CVD(低圧化学気相蒸着法)によ
り、ウェハー301の表裏両側に窒化シリコン膜304
と306を形成する。この後、フォトリソグラフィーに
より、表側の窒化シリコン膜304を、レジスト膜30
5をマスクにエッチングして、支持部101と弾性部材
部102と探針部103(図1参照)に対応する形状に
パターニングする。同じくフォトリソグラフィーによ
り、裏側の窒化シリコン膜306も支持部101に対応
する形状にパターンニングする(図3(c))。
【0032】表側の窒化シリコン膜304に対するパタ
ーニングは、探針先端を出来る限り尖らせるため、二回
に分けて行なうとよい。図3(d)に示されるように、
シリコンウェハー301を上から見て、まず、レジスト
を塗布した後、M1をマスクにしてレジストを露光し、
これにより形成された開口を持つレジスト膜をマスクと
するドライエッチングにより窒化シリコン膜304をパ
ターンニングする。レジスト膜を取り除いた後、再度レ
ジストを塗布し、M2をマスクにしてレジストを露光
し、これにより形成された開口を持つレジスト膜をマス
クとする再度のドライエッチングにより窒化シリコン膜
304をパターンニングする。この手法により、三角形
のマスクを用いた一回のパターンニングに比べて、部分
Aの角を極めて尖らせることが出来る。なお、レジスト
の露光にはプロジェクションアライナーを用いた。
【0033】ウェハー301を裏側から水酸化カリウム
水溶液により湿式異方性エッチングを行なうことによ
り、プローブ100を得る(図3(e))。無論、通常
のAFM用プローブと同様に、片持ち梁部308に表側
から金属を蒸着して光反射コーティングを施してもよい
が、そのときは、探針部309に蒸着部材が付着しない
ようにすることが好ましい。このように構成する要因と
して、以下の理由があげられる。
【0034】図1(c)に示した探針部103における
二つの終端点104、105は、実質的に探針として作
用するため、蒸着部材が付着すると、その先鋭度が低下
し、測定精度に影響を与えてしまう。また、幅の狭いト
レンチ溝や穴の側壁の形状測定を行なうには、それらの
溝や穴に探針部103を挿入できることが条件であり、
このため探針部103の厚さは薄い必要がある。
【0035】従って、上記の通り、図3(e)の探針部
309には蒸着部材が付着しない方が好ましいと言え
る。この作製方法では、探針部309は膜堆積によって
形成されるので、探針部309の堆積面310、311
はほぼ平行であり、実質的に探針頂角が0度の高いアス
ペクト比を持つプローブが作製される。これにより探針
部厚さより僅かに広い凹部であれば、スロープ角が90
度近辺までの側壁を測定できるプローブが得られる。
【0036】探針部309は膜堆積によって形成される
ので、膜厚のばらつきは10%以内に収めることがで
き、シリコンをドライエッチングにより掘り下げて円柱
状の探針を作る従来の方法に比べて、はるかに容易に同
じ形状の探針を作ることができる。また、これにより検
査コストの低減や歩留まりの向上が図られ、低コストな
プローブを提供することができる。
【0037】さらに、探針部309は窒化シリコン膜で
作られるので、測定中の摩耗が少なく、測定データの再
現性が高くなる。ただ、Yves Martin らのApply. Phys.
Lett. Vol.64 No.19 (1994) pp.2498-2500 に記載され
ている探針先端の面が円形のプローブと比較したとき、
探針部の二つの終端点104と105を結ぶ線に平行な
方向(図3(e)の矢印N方向)からプローブを見た時
の探針頂角は約20度と大きい。しかし、これは測定対
象部位として、例えば半導体ICの電極パターンが平行
になっているところに限れば、電極パターンの間に形成
された溝の延びる方向に探針部の接触する部分はないの
で、図1(c)の終端点104、105以外の探針部が
パターンに接触するような問題はなく、段差の側壁(垂
直壁)の側壁の粗さや傾き角を測定することができる。
【0038】続いて、本発明の第二の実施の形態のプロ
ーブ400について説明する。図4に示されるように、
プローブ400は、探針部403が平板三角形状であ
り、この点は第一の実施の形態のプローブ100と同じ
であるが、弾性部402のバネ定数や共振周波数などの
機械的特性を最適化できるように、探針部403と弾性
部材402の厚さが第一の実施の形態のプローブ100
と異なっている。
【0039】プローブ400では、探針部403が試料
上の細い隙間等に入れるように、第一実施形態のプロー
ブ100と同じく、探針部403の厚さは0.6μmで
あるが、弾性部材部402の共振周波数を上げるため、
弾性部材部402の厚さは2μmである。
【0040】プローブ400の作製方法について図5
(a)〜図5(e)を参照して説明する。まず、スター
トウェハーとして面方位(100)の単結晶シリコンウ
ェハー501を用意し(図5(a))、その表面に酸化
シリコン膜502を形成した後、フォトリソグラフィー
により酸化シリコン膜502を部分的に除去し、単結晶
シリコンウェハー501の表面が露出するように四角い
開口を形成する。そして、この四角い開口を除く部分に
形成された酸化シリコン膜502をマスクとして水酸化
カリウム水溶液により湿式異方性エッチングを行ない、
シリコンウェハー501を掘り下げて凹部503を形成
する(図5(b))。ここまでは、第一の実施の形態の
プローブ100の作製方法と同じである。
【0041】次に、酸化シリコン膜502をフッ酸で取
り除き、LP−CVD(低圧化学気相蒸着法)により、
ウェハー501の表側に窒化シリコン膜504を厚さ
1.4μm堆積し、弾性部材部402と支持部401
(図4参照)に対応した形状にパターンニングすると共
に、裏側に窒化シリコン膜506を形成し、支持部40
1に対応する形状にパターンニングする。その後、ウェ
ハー501の表側にLP−CVDにより窒化シリコン膜
505を厚さ0.6μm堆積する(図5(c))。
【0042】窒化シリコン膜505の上に、支持部40
1と弾性部材部402と探針部403に対応した形状の
レジスト膜507を設け、これをマスクとするドライエ
ッチングによりパターンニングする(図5(d))。ド
ライエッチングは、先端が尖った探針部を得るため、第
一実施形態と同様に、二回に分けて行なうことが望まし
い。
【0043】最後に、ウェハー501を裏側から水酸化
カリウム水溶液により湿式異方性エッチングを行なうこ
とにより、プローブ400を得る(図5(e))。通常
のAFM用プローブと同様に、弾性部材部509の表側
に金属を蒸着して光反射コーティングを設けてもよい
が、その際は探針部310に蒸着部材が付着しないよう
にする。
【0044】本実施形態によれば、弾性部材部の機械的
特性の調整が容易に行なえるので、測定に適した機械的
特性を持つプローブを提供することが可能になる。上述
した実施の形態では探針材料に窒化シリコン膜を用いた
が、炭化シリコン膜などのシリコン化合物や非晶質カー
ボン膜などを用いてもよい。この場合も、単結晶シリコ
ンで作製された探針に比べて摩耗特性の優れた探針を持
つプローブが得られる。本発明は、上述の実施の形態に
何等限定されるものではない。発明の要旨を逸脱しない
範囲で行なわれる実施は、すべて本発明に含まれる。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、段差あるいは穴の側壁
(垂直壁)の凹凸状態を測定する走査型プローブ顕微鏡
用のプローブが作製される。本発明によれば、探針部は
膜堆積の方法で作製されるので、実質的な探針頂角0度
の高アスペクト比のプローブが作製できる。これにより
探針部厚さより僅かに広い凹部であれば、スロープ角が
90度近辺までの側壁の測定を可能とするプローブが提
供できる。
【0046】また、本発明によれば、バッチファブリケ
ーション技術である半導体ICプロセスによりプローブ
を作製しているので低コストな前述の走査型プローブ顕
微鏡用のプローブを提供することが可能になる。
【0047】また本発明によれば、作製時の形状ばらつ
きの小さな前述の走査型プローブ顕微鏡装置用のプロー
ブが得られ、検査コストの低減や歩留まり向上による低
コストなプローブを提供することが可能になる。
【0048】本発明によれば、耐摩耗性の高い材料で作
製される形状変化の小さな前述の走査型プローブ顕微鏡
装置用のプローブが得られ、測定データの再現性が向上
する。また、本発明によれば、測定に適した機械特性を
有する走査型プローブ顕微鏡用のプローブを提供するこ
とが可能になり、測定感度の向上が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態による走査型プロー
ブ顕微鏡用プローブを示している。
【図2】図1の走査型プローブ顕微鏡用プローブの測定
時の状態を示している。
【図3】図1の走査型プローブ顕微鏡用プローブの作製
方法を説明するための図である。
【図4】本発明の第二の実施の形態による走査型プロー
ブ顕微鏡用プローブを示している。
【図5】図4の走査型プローブ顕微鏡用プローブの作製
方法を説明するための図である。
【符号の説明】
100 プローブ 101 支持部 102 弾性部材部 103 探針部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持部と、 支持部に支持された片持ち梁状の弾性部材部と、 弾性部材部の自由端に設けられた探針部とを有し、探針
    部は平板三角形状をしており、その面法線方向とその先
    端の稜線とが平行である走査型プローブ顕微鏡用プロー
    ブ。
  2. 【請求項2】請求項1において、弾性部材部の面法線方
    向と探針部の面法線方向が非平行である走査型プローブ
    顕微鏡用プローブ。
  3. 【請求項3】支持部と、支持部に支持された片持ち梁状
    の弾性部材部と、弾性部材部の自由端に設けられた探針
    部とを有し、探針部が平板三角形状で、その面法線方向
    とその先端の稜線が平行な走査型プローブ顕微鏡用プロ
    ーブの作製方法でありシリコンウェハーを用意する工程
    と、 シリコンウェハーの一部を掘り下げて斜面を持つ凹部を
    形成する工程と、 その上に弾性部材部と探針部の構成材料を膜堆積する工
    程と、 その膜をドライエッチングにより弾性部材部と探針部に
    応じた形状にパターニングする工程と、 シリコンウェハーを裏側からエッチングして支持部を形
    成する工程とを有する走査型プローブ顕微鏡用プローブ
    の作製方法。
JP15224297A 1997-06-10 1997-06-10 走査型プローブ顕微鏡用プローブとその作製方法 Withdrawn JPH10339736A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15224297A JPH10339736A (ja) 1997-06-10 1997-06-10 走査型プローブ顕微鏡用プローブとその作製方法
US09/092,285 US6246054B1 (en) 1997-06-10 1998-06-05 Scanning probe microscope suitable for observing the sidewalls of steps in a specimen and measuring the tilt angle of the sidewalls

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15224297A JPH10339736A (ja) 1997-06-10 1997-06-10 走査型プローブ顕微鏡用プローブとその作製方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10339736A true JPH10339736A (ja) 1998-12-22

Family

ID=15536204

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15224297A Withdrawn JPH10339736A (ja) 1997-06-10 1997-06-10 走査型プローブ顕微鏡用プローブとその作製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10339736A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999063299A1 (de) * 1998-05-29 1999-12-09 Werth Messtechnik Gmbh Tastschnittverfahren sowie anordnung zur kenngrössenbestimmung einer oberfläche eines prüflings nach dem tastschnittverfahren

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999063299A1 (de) * 1998-05-29 1999-12-09 Werth Messtechnik Gmbh Tastschnittverfahren sowie anordnung zur kenngrössenbestimmung einer oberfläche eines prüflings nach dem tastschnittverfahren

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6066265A (en) Micromachined silicon probe for scanning probe microscopy
US6246054B1 (en) Scanning probe microscope suitable for observing the sidewalls of steps in a specimen and measuring the tilt angle of the sidewalls
JP3266451B2 (ja) プロフィルメータ用の較正標準、製造する方法及び測定方法
US6734425B2 (en) Scanning probe system with spring probe and actuation/sensing structure
US7823216B2 (en) Probe device for a metrology instrument and method of fabricating the same
JPH08313541A (ja) 走査型プローブ顕微鏡用カンチレバー及びその製造方法
JPH03104136A (ja) 超微細シリコン・テイツプを形成する方法
JPH0762258B2 (ja) Afm/stmプロフィロメトリ用マイクロメカニカルセンサの製造方法
US6452171B1 (en) Method for sharpening nanotube bundles
US8650661B2 (en) Method and apparatus for characterizing a probe tip
JPH04231811A (ja) 走査型プローブ顕微鏡用カンチレバー及びその作製方法
US8443460B2 (en) Method and structure for characterising an atomic force microscopy tip
US20090205092A1 (en) Method of fabricating a probe device for a metrology instrument and a probe device produced thereby
JP2656536B2 (ja) プローブおよびその製造方法
US6415653B1 (en) Cantilever for use in a scanning probe microscope
JP2009300440A (ja) 超高分解能電気測定用のダイヤモンドチップの費用効果のある製造方法およびこれにより得られるデバイス
JPH1090287A (ja) 原子間力顕微鏡用プローブ及びその製造方法
JP3599880B2 (ja) カンチレバーチップ
JPH10339736A (ja) 走査型プローブ顕微鏡用プローブとその作製方法
JPH10170530A (ja) Afmカンチレバー及びその製造方法
JPH11344500A (ja) 走査型プローブ顕微鏡
Stricklin et al. Multipurpose active scanning probe cantilevers for near-field spectroscopy, scanning tunnel imaging, and atomic-resolution lithography
JP3834378B2 (ja) カンチレバーチップ
JPH1138020A (ja) 走査型プローブ顕微観察法と走査型プローブ顕微鏡用プローブと走査型プローブ顕微鏡
US11719719B2 (en) Metrology probe with built-in angle and method of fabrication thereof

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20040907