JPH10339568A - 冷蔵庫の棚装置 - Google Patents

冷蔵庫の棚装置

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JPH10339568A
JPH10339568A JP16046497A JP16046497A JPH10339568A JP H10339568 A JPH10339568 A JP H10339568A JP 16046497 A JP16046497 A JP 16046497A JP 16046497 A JP16046497 A JP 16046497A JP H10339568 A JPH10339568 A JP H10339568A
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shelf
refrigerator
receiving rail
engaged
compartment
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Yutaka Kakinuma
裕 柿沼
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 摺動自在に支持された前棚とこの前棚の後方
に架設された後棚から成る冷蔵庫の棚装置において、簡
単な構造により前棚の不用意な移動を阻止する。 【解決手段】 棚装置は、棚受けレール76に摺動自在
に支持された前棚87と、この前棚87の後方に架設さ
れた後棚88とから成り、これら両棚が前後に連続して
配置された状態と、前棚87を後方に摺動させ、後棚8
8と重複させた状態とに選択可能としたものであって、
棚受けレール76の前部に隆起形成された被係合部78
と、前棚87から下方に突出して形成された係合部89
とを備え、この係合部89の後面は被係合部78の前面
に係合すると共に、その状態で前棚87は被係合部78
の上面に当接し、係合部89の下面は棚受けレール76
より離間する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷蔵庫の庫内に架
設されて食品などを載置するための棚装置に関し、特
に、その前後幅を伸縮自在とし、棚面積を可変としたも
のに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来よりこの種家庭用冷蔵庫は、例えば
特開平8−338681号公報(F25D23/00)
に示される如く、鋼板製の外箱と硬質樹脂製の内箱間に
発泡ポリウレタンなどの発泡断熱材を現場発泡方式にて
充填した断熱箱体から構成されており、この断熱箱体内
を上下複数に区画することによって、−20℃などの凍
結温度に冷却される冷凍室や、+5℃などの冷蔵温度に
維持される冷蔵室、そして、野菜などの乾燥を嫌う食品
を保存するための野菜室などを形成している。
【0003】特に、前記公報では頻繁に食品の納出が行
われる冷蔵室や野菜室を上方に配置し、長期保存を目的
とした冷凍室は庫内の最下部に配置した冷蔵庫が開発さ
れている。この場合、冷蔵室は断熱箱体内の最上部に、
野菜室は下部の冷凍室と上部の冷蔵室の間に形成され
る。
【0004】また、最上部の冷蔵室内には冷蔵食品を整
理して載置するための棚が複数段架設されている。これ
らの棚は冷蔵室内を上下方向に有効に活用するために必
要なものであるが、棚の間隔によって棚上の空間の上下
寸法が規制されてしまうことになるため、背の高い食品
は収納し難くなる。
【0005】そこで、近年では棚を例えば前後方向に伸
縮できるように構成し、その前後幅寸法を可変としたも
のが開発されている。この場合、通常は棚を前後に配置
された前棚と後棚とから構成し、前棚は前後に摺動でき
るように棚受けレールに支持させて置く。そして、前棚
と後棚が前後に連続して配置された状態では前後の棚の
略全域が載置面となると共に、前棚を摺動させて後棚の
下側に滑り込ませ、重複させた状態では、棚の前後の寸
法(載置面)は略後棚のみの寸法まで縮小される。
【0006】更に、その状態で前後の棚を一緒に回動で
きるように構成して置き、それらを冷蔵室の奥壁前側に
立てかけることにより、前後の棚の略全体を撤去できる
ように構成している。係る構成によれば、背の高い食品
の量や前後方向の寸法に応じて、棚の前後寸法を変化さ
せ、冷蔵室内容積を有効利用することができるようにな
る。
【0007】ところで、上述の如き棚構造では前棚が前
後に摺動自在であるため、食品の納出の際に手や物品が
前棚に当接すると、前棚は後方に移動してしまう。そこ
で、係る不用意な前棚の移動を阻止するため、従来では
棚受けレールの前部に被係合部を隆起して形成すると共
に、前棚前部には下方に突出する係合部を形成し、この
係合部の後面を前記被係合部の前面に係合させることに
よって、前棚の移動を阻止するように構成していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、棚受け
レールは通常冷蔵庫の内箱に一体に成形されるため、被
係合部の前面下端の隅角部は滑らかな湾曲形状となって
しまう。更に、前棚の係合部の下面は係る被係合部の前
側の棚受けレールに当接するかたちとなっていたた。そ
のため、係合部は係る被係合部前面の湾曲形状に沿って
容易に上昇できるようになり、手や物品が当接しただけ
で簡単に両者の係合が解除され、前棚が後方に移動して
しまうと云う欠点があった。
【0009】本発明は、係る従来の技術的課題を解決す
るために成されたものであり、摺動自在に支持された前
棚とこの前棚の後方に架設された後棚から成る冷蔵庫の
棚装置において、簡単な構造により前棚の不用意な移動
を阻止することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の冷蔵庫の棚装置
は、棚受けレールに摺動自在に支持された前棚と、この
前棚の後方に架設された後棚とから成り、これら両棚が
前後に連続して配置された状態と、前棚を後方に摺動さ
せ、後棚と重複させた状態とに選択可能としたものであ
って、棚受けレールの前部に隆起形成された被係合部
と、前棚から下方に突出して形成された係合部とを備
え、この係合部の後面は被係合部の前面に係合すると共
に、その状態で前棚は被係合部の上面に当接し、係合部
の下面は棚受けレールより離間するように構成したもの
である。
【0011】本発明によれば、棚受けレールに摺動自在
に支持された前棚と、この前棚の後方に架設された後棚
とから成り、これら両棚が前後に連続して配置された状
態と、前棚を後方に摺動させ、後棚と重複させた状態と
に選択可能とした冷蔵庫の棚装置において、棚受けレー
ルの前部に被係合部を隆起形成し、前棚には下方に突出
する係合部を形成すると共に、この係合部の後面を被係
合部の前面に係合させ、その状態で前棚は被係合部の上
面に当接し、且つ、係合部の下面は棚受けレールより離
間するように構成したので、棚受けレールの被係合部の
前面下端隅角部が湾曲していても、前棚の係合部後面は
被係合部の前面に確実に係合するようになる。
【0012】従って、使用者の手や物品が前棚に当接し
ても、簡単には係合部と被係合部の係合状態が解除され
なくなり、前棚は安定的に架設されるようになる。これ
により、前棚の不用意な移動による載置物品の落下や転
倒を効果的に防止することができるようになるものであ
る。特に、構造も簡単であるので、生産コストも低く抑
えられるものである。
【0013】請求項2の発明の冷蔵庫の棚装置は、上記
において被係合部の前側に位置する棚受けレールには凹
陥部を形成し、この凹陥部を前棚の係合部に対応させた
ものである。
【0014】請求項2の発明によれば、上記に加えて被
係合部の前側に位置する棚受けレールに凹陥部を形成
し、この凹陥部を前棚の係合部に対応させるようにした
ので、係合部の下面を棚受けレールより離間させなが
ら、それより前方の前棚と棚受けレール間の隙間を小さ
くして前方からの外観を向上させることができるように
なるものである。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、図面に基づき本発明の実施
形態を詳述する。図1は本発明を適用した実施例として
の冷蔵庫1の各扉を除く正面図、図2は同じく扉を除く
冷蔵庫1の一部切欠正面図、図3は冷蔵庫1の縦断側面
図、図4は冷蔵庫1のもう一つの縦断側面図である。本
発明の冷蔵庫1は、前方に開口する鋼板製の外箱2と、
薄肉硬質樹脂(例えばABS樹脂)製の内箱3間に発泡
ポリウレタン断熱材4を現場発泡方式により充填して成
る断熱箱体6により構成されており、この断熱箱体6の
庫内は、略中央部に設けられた区画部材7によって上下
に区画され、この区画部材7の上方を冷蔵温度(+5℃
程)に維持される冷蔵室8としている。
【0016】区画部材7の下方は更に区画部材10にて
上下に区画され、この区画部材10と区画部材7の間を
野菜などの乾燥を嫌う食品を収納するための野菜室11
とし、区画部材10の下方を凍結温度(−20℃程)に
冷却される冷凍室12としている。
【0017】前記冷蔵室8内には上から透明硬質樹脂製
の棚13、14と、最下段には同じく透明硬質樹脂製の
マジック棚15が所定間隔を存してそれぞれ架設されて
おり、その下部には上面に開口する氷温容器16が前後
方向に納出自在に配置されている。この氷温容器16の
上側は棚板17にて閉塞され、前面は氷温容器16の引
き出し動作で開閉する蓋18にて閉じられており、これ
によって、氷温容器16内に氷温(0℃〜−3℃)に維
持される氷温室19を構成する。また、冷蔵室8の前面
開口は回動式の扉21にて開閉自在に閉塞されている。
【0018】更に、冷蔵室8の背部には上部がY字状に
分岐した冷蔵室ダクト24が上下に渡って形成されてお
り、その左右には冷蔵室ダクト24の上端部と冷蔵室8
内に連通した冷蔵室冷気吐出口26が上下に複数形成さ
れている。また、前記氷温容器16内の氷温室19の背
方にも冷蔵室ダクト24に連通した氷温室冷気吐出口2
5、25が形成されると共に、その奥部には冷蔵室冷気
戻り口27が形成されている。即ち、氷温室19内を循
環した冷気と冷蔵室8内を循環した冷気の一部はこの冷
蔵室冷気戻り口27に流入する。
【0019】一方、前記区画部材7は、後部の仕切板2
8とその前側の内箱3開口縁部に取り付けられた仕切前
断熱部材29とから構成されている。仕切板28の前部
には、冷蔵室冷気戻り口31が形成されており、氷温容
器16の前部下側に位置している。この氷温容器16は
仕切板28と仕切前断熱部材29上に間隔を存して架設
されており、これによって、扉21の内側を降下して来
た冷蔵室8内の冷気は、氷温容器16の前側から冷蔵室
冷気戻り口31に流入可能としている。
【0020】また、仕切前断熱部材29の下面は後端部
から前方に低く傾斜しており、更にこの傾斜面には前後
方向に延在する複数のリブが一体に突出形成されてい
る。更に、この仕切前断熱部材29の下面前部には上蓋
32が前方から差し込まれて固定されている。この上蓋
32は仕切前断熱部材29及び仕切板28の下側に位置
し、その固定部分を除いて仕切前断熱部材29及び仕切
板28との間に所定の間隔Gを形成する。そして、この
間隔Gは少なくとも上蓋32の前端部で野菜室11内に
開放している。
【0021】この間隔Gの後端は連通孔33にてその後
方のダクト空間34に連通しており、ダクト空間34の
上部は前記冷蔵室冷気戻り口27に連通している。ま
た、前記冷蔵室ダクト24からはバイパスダクト36が
分岐して形成されており、このバイパスダクト36はダ
クト空間34の上部に連通している。
【0022】そして、前記野菜室11の右上奥部には野
菜室冷気戻り口37が形成されており、この野菜室11
の前面開口は引き出し式の扉38により開閉自在に閉塞
される。この場合、扉38の後面左右には図示しない扉
側レールが後方に延在して取り付けられており、内箱3
側左右には内箱側レール42が取り付けられ、扉側レー
ルがローラを介して内箱側レール42に滑動自在に支持
されるものである。
【0023】そして、この扉側レールには扉38の裏面
に位置して上面に開口した野菜容器43が取り付けられ
る。この野菜容器43の上縁周囲は、扉38が閉じられ
た状態で上蓋32に密着し、それによって、上面開口は
閉塞される。
【0024】他方、前記区画部材10は断熱材を内蔵し
た断面略L字状の断熱仕切壁9と、その前側の内箱3の
開口縁部に取り付けられた仕切前部材83とから構成さ
れている。また、この仕切前部材83の下方の内箱3の
開口縁部にはもう一つの仕切前部材84が取り付けら
れ、冷凍室12に対応する断熱箱体6の開口部を上下に
仕切っている。
【0025】一方、前記冷凍室12の背部には仕切板4
4により冷却室46が画成されており、この冷却室46
は冷凍室12の背方から野菜室11後面の断熱仕切壁9
の背方まで渡っている。そして、この冷却室36内には
冷却装置を構成する冷却器47が縦設されると共に、こ
の冷却器47の上方の冷却室46内には、野菜室11背
方の断熱仕切壁9背方に位置して送風機48が設置され
ている。
【0026】この冷凍室12前面の上下二つ開口は前述
の扉38の場合と同様の方式で引き出し自在とされた上
下二段の引き出し式の扉51、52によりそれぞれ開閉
自在に閉塞される。これら扉51、52の裏面にはそれ
ぞれ上面に開口した容器53、54が取り付けられると
共に、各容器53、54が冷凍室12内の上下に配置さ
れて、冷凍食品やアイスクリームなどを収納するかたち
となる。
【0027】前記仕切板44と冷却器47及び送風機4
8間には冷気分配用ダクト56が形成されており、仕切
板44にはこのダクト56と冷凍室12とに連通する冷
凍室冷気吐出口57、58が各容器53、54の上奥部
に対応して開口している。また、断熱仕切壁9の下面に
はダクト56に連通した冷凍室用冷気ダクト64が形成
されている。冷凍室12内上部には自動製氷機61が取
り付けられており、自動製氷機61には冷凍室冷気吐出
口57から冷気が供給される。尚、62はこの自動製氷
機61への給水管である。また、容器54の背方には冷
却室46の下部に連通した冷凍室冷気戻り口63が形成
されている。
【0028】ダクト56の上部には送風機48の側方に
位置して冷気分配口66が形成され、この冷気分配口6
6から上昇する連通ダクト67は、野菜室11の背方に
おいて冷蔵室ダクト24の下端に連通している。この連
通ダクト67内には、前記各吐出口26、25やバイパ
スダクト36の手前に位置して、モータ駆動のダンパー
68が取り付けられており、野菜室11の背方に位置し
ている。
【0029】また、冷却器47の右側方には冷蔵室・野
菜室冷気戻りダクト71が形成されており、その上端は
前記野菜室冷気戻り口37に連通し、その下端は冷却室
46の下部に開口した冷蔵室・野菜室冷気戻り口72に
て冷却室46内に連通している。
【0030】この場合、冷却器47下側の冷却室46に
は右方に突出した凹部46Aが連続して形成されてお
り、前記冷蔵室・野菜室冷気戻り口72は、この凹部4
6Aの上面において、下前方に指向した状態で開放して
いる(図3参照)。
【0031】一方、断熱箱体6の底壁は後部が階段状に
立ち上がる形状とされており、この底壁の後部外側には
機械室73が形成されている。この機械室73内には冷
却装置を構成する図示しない圧縮機や蒸発皿コンデンサ
などが設置される。
【0032】係る構成で冷蔵庫1の動作及び冷気循環を
説明する。前記圧縮機と送風機48が運転されると、冷
却器47が冷却作用を発揮する。この冷却器47にて冷
却された極めて低温(−25℃〜−30℃)の冷気は、
上方の送風機48の運転により吸引され、前方の分配ダ
クト56に吹き出される。分配ダクト56に吹き出され
た冷気は冷凍室冷気吐出口57、58及び冷凍室用ダク
ト64から冷凍室12内の各容器53、54及び自動製
氷機61内に吐出され、−20℃程の凍結温度に冷却す
ると共に、製氷を行う。そして、冷凍室12内の冷気は
冷凍室冷気戻り口63から冷却器47の吸い込み側の冷
却室46内に帰還する(各図に矢印で示す)。
【0033】分配ダクト56に吹き出された冷気は、ま
た、冷気分配口66から連通ダクト67及びダンパー6
8を経て冷蔵室ダクト24に流入し、そこを上昇した
後、各冷蔵室冷気吐出口26・・及び氷温室冷気吐出口
25より冷蔵室8及び氷温室19内に吐出される(図中
矢印参照)。ダンパー68は冷蔵室8内の温度に基づき
制御されて連通ダクト67を開閉するので、それによっ
て、冷蔵室8内を+5℃程の冷蔵温度に、氷温室19内
は0℃〜−3℃程の氷温に維持される。
【0034】尚、このダンパー68を経た冷気(冷却器
47と熱交換した直後の低温の冷気)の一部は前記バイ
パスダクト36に流入し、直接ダクト空間34の上部に
流入する。
【0035】他方、冷蔵室8内を循環して扉21の内側
を流下して来た冷気は、氷温容器16の前部下側の冷蔵
室冷気戻り口31から上蓋32と区画部材7間の間隔G
内に流入する。そして、前方に移動しながら仕切前断熱
部材29下面の傾斜に沿って下方の野菜容器43周囲の
野菜室11内の空間に流下する。
【0036】また、氷温室19内を循環した冷気と、冷
蔵室8内を循環した冷気の残りは後部の冷蔵室冷気戻り
口27からダクト空間34内上部に流入し、そこで、バ
イパスダクト36を経て来た低温の冷気と混合される。
その後、連通孔33から間隔Gの後部に流入し、前述同
様に前方に移動し、途中冷蔵室冷気戻り口31からの冷
気と混じり合いながら仕切前断熱部材29下面の傾斜に
沿って下方の野菜容器43周囲の野菜室11内の空間に
流下する。
【0037】これによって、野菜容器43内を周囲から
保冷する。そして、野菜室11内を循環した冷気は野菜
室冷気戻り口37より冷蔵室・野菜室冷気戻りダクト7
1に流入し、そこを流下して冷蔵室・野菜室冷気戻り口
72より冷却器47の吸い込み側の冷却室46内に帰還
する(各図中矢印参照)。
【0038】ここで、冷蔵室8の左右側面に位置する内
箱3には、棚13〜15用の棚受けレール74、75、
76が内側に突出し、前後に延在して一体に形成されて
いる。特に、最下段の棚受けレール76の前部には内側
に張り出した張出部76Aが形成されると共に、この張
出部76Aの上面には矩形状に隆起した被係合部78が
一体に形成され、更に、この被係合部78の前側には下
方に凹陥した凹陥部79が連続して形成されている(図
7)。
【0039】また、棚受けレール76の中央より少許後
側の位置には切欠部81が形成されると共に、棚受けレ
ール76の後端部には軸受凹所82が下方に連続して大
きく凹陥形成されている。
【0040】一方、前記マジック棚15は前棚87と後
棚88とから成り、両者の配置関係を変更することによ
り、その前後寸法(載置面積)が可変とされている。前
記前棚87の下面両側前部には下方に突出する係合部8
9が一体に形成されており、係合部89の前面は前部が
徐々に高くなる傾斜面とされると共に、後面は垂下する
形状とされている。また、両側の係合部89、89の後
方には下辺がそれぞれ両側方に突出する断面L字状を成
す保持腕91、91がそれぞれ形成されている。
【0041】他方、後棚88の両側端部は垂下した後内
側に屈曲する断面略コ字状に成形されており、このコの
字の下壁88Aにおける中央より前側寄りの位置には下
方に吐出したストッパー92が形成されている。また、
下壁88Aの前端は連続して直角に立ち上がり前壁88
Bとなると共に、この前壁88Bの上端は後棚88の上
面(載置面)より離間している。
【0042】更に、両側の下面88A、88Aの後部か
らは垂下片93が連続して垂下形成されており、これら
垂下片93、93の外面には、それぞれ左右(外方)に
突出する回動軸94が一体に成形されている。
【0043】ここで、前棚87の係合部89の下面から
係合部89の後側の前棚87下面までの距離は、棚受け
レール78の被係合部78の上面から凹陥部79の底面
までの距離よりも小さくなるように設定されている。ま
た、ストッパー92の後面から回動軸94の後面までの
距離は、切欠部81を構成する後端面81Aから軸受凹
所82の後面82Aまでの距離よりも小さくなるように
設定されているものとする。
【0044】以上の構成で、次ぎに係るマジック棚15
の機能を説明する。マジック棚15を構成する前棚87
及び後棚88は、左右の棚受けレール76、76に両側
部を支持されて図6の如く前後に配置される。このと
き、後棚88の回動軸94、94は棚受けレール76、
76の軸受凹所82、82内に挿入され、回動自在とさ
れると共に、ストッパー92は切欠部81内の後端部に
位置し、下壁88A、88Aが棚受けレール76、76
上に載置されるかたちとなる(図6)。
【0045】一方、前棚87の保持腕91、91は下辺
を棚受けレール76、76の下側に入り込ませたかたち
で移動自在に棚受けレール76、76に係合し、張出部
76Aの後側に位置すると共に、前棚87の後端部両側
は後棚88の前壁88Bと上面間に移動自在に挿入され
たかたちとなる。
【0046】更に、係合部89は被係合部78の前側に
位置し、その後面が被係合部78の前面に係合すると共
に、被係合部78の上面は係合部89の後側の前棚87
下面に当接して前棚87を保持している。また、その状
態で係合部89は棚受けレール76の凹陥部79に対応
すると共に、その下面は凹陥部79の底面から離間して
いる(図6、図8)。
【0047】係る状態では(図6)、マジック棚15の
前棚87と後棚88は前後に連続して配置され、それら
の上面の略全てが載置面となるため、背の低い食品など
を数多く載置することができる。このとき、前棚87の
下面は棚受けレール76の被係合部78の上面に当接し
ており、係合部89の下面は凹陥部79の底面より離間
しているので、棚受けレール76の成形時に被係合部7
8の前面下端隅角部が湾曲していても、前棚87の係合
部89の後面は被係合部78の前面に確実に係合してい
る。
【0048】従って、使用者の手や物品が前棚87に当
接しても、簡単には係合部89と被係合部78の係合状
態が解除されなくなり、前棚87は安定的に架設される
ようになる。これにより、前棚87の不用意な移動によ
る載置物品の落下や転倒を効果的に防止することができ
るようになる。
【0049】また、被係合部78の前側に位置する棚受
けレール76に凹陥部79を形成し、この凹陥部79を
前棚87の係合部89に対応させているので、係合部8
9の下面を棚受けレール76より離間させながら、それ
より前方の前棚87と棚受けレール76間の隙間を小さ
くし、前方からの外観を向上させることができる。
【0050】次ぎに、前後寸法は小さいが、背の高い物
品を収納しなければならないような場合には、前棚87
の前部を少許持ち上げて係合部89を被係合部78の上
まで移動させ、それらの係合を解除する(図9)。次ぎ
に、前棚87を後方に摺動させ、その両端部を後棚88
の上面と下壁88A間に進入させて行く。そして、係合
部89の後面が後棚88の前壁88Bに当接した状態で
前棚87は停止し、両者は図10の如く略重複した状態
となると共に、保持腕91は棚受けレール76の切欠部
81に対応する。
【0051】この状態で、マジック棚15前方の空間は
棚板17から棚14まで上下方向に拡張されるかたちと
なるので、背の高い物品も棚板17上に載置して収納で
きると共に、後棚88上には依然物品を収納可能とな
る。
【0052】また、前棚87を後方に移動させ、係合部
89が前壁88Bに当接すると、後棚88も後方に押さ
れるかたちとなる。しかしながら、前述の如く、ストッ
パー92の後面から回動軸94の後面までの距離が、切
欠部81を構成する後端面81Aから軸受凹所82の後
面82Aまでの距離よりも小さくなるように設定されて
いるので、後棚88が後方に押された場合、回動軸94
が軸受凹所82の後面82Aに当接する以前に、ストッ
パー92が切欠部81の後端面81Aに当接してそれ以
上の移動が阻止されるようになる。
【0053】これにより、前棚87の移動によって回動
軸94が軸受凹所82に当接され、折損してしまう不都
合を未然に回避することが可能となる。尚、この状態か
らマジック棚15を初期状態(図6)に戻す場合には、
前棚87を前方に引き出せば、やがて係合部89がその
傾斜面によって被係合部78に乗り上げ、前側に係合す
る。また、それ以上前棚87を引き出そうとしても保持
腕91が張出部76Aの後面に当接するので、前棚87
の引き抜きは阻止される。
【0054】次ぎに、奥行き寸法も大きい背の高い物品
を収納しなければならない場合には、図10の状態から
マジック棚15の前部を持ち上げ、回動軸94を中心と
して両棚87、88を共に図10中時計回りに回動させ
る。このとき、保持腕91は棚受けレール76の切欠部
81を通過して上昇すると共に、両棚87、88は冷蔵
室8の背面に立てかけられるかたちとなる。
【0055】この状態で、マジック棚15は撤去された
ものと同等になり、棚板17上の略全域が棚14まで上
下方向に拡張されるかたちとなるので、背が高く奥行き
寸法も大きい物品も棚板17上に載置して収納できるよ
うになる。
【0056】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明によれば、棚受
けレールに摺動自在に支持された前棚と、この前棚の後
方に架設された後棚とから成り、これら両棚が前後に連
続して配置された状態と、前棚を後方に摺動させ、後棚
と重複させた状態とに選択可能とした冷蔵庫の棚装置に
おいて、棚受けレールの前部に被係合部を隆起形成し、
前棚には下方に突出する係合部を形成すると共に、この
係合部の後面を被係合部の前面に係合させ、その状態で
前棚は被係合部の上面に当接し、且つ、係合部の下面は
棚受けレールより離間するように構成したので、棚受け
レールの被係合部の前面下端隅角部が湾曲していても、
前棚の係合部後面は被係合部の前面に確実に係合するよ
うになる。
【0057】従って、使用者の手や物品が前棚に当接し
ても、簡単には係合部と被係合部の係合状態が解除され
なくなり、前棚は安定的に架設されるようになる。これ
により、前棚の不用意な移動による載置物品の落下や転
倒を効果的に防止することができるようになるものであ
る。特に、構造も簡単であるので、生産コストも低く抑
えられるものである。
【0058】請求項2の発明によれば、上記に加えて被
係合部の前側に位置する棚受けレールに凹陥部を形成
し、この凹陥部を前棚の係合部に対応させるようにした
ので、係合部の下面を棚受けレールより離間させなが
ら、それより前方の前棚と棚受けレール間の隙間を小さ
くして前方からの外観を向上させることができるように
なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した実施例としての冷蔵庫の各扉
を除く正面図である。
【図2】同じく扉を除く本発明の冷蔵庫の一部切欠正面
図である。
【図3】本発明の冷蔵庫の縦断側面図である。
【図4】本発明の冷蔵庫のもう一つの縦断側面図であ
る。
【図5】本発明の冷蔵庫の冷蔵室内の分解斜視図であ
る。
【図6】本発明の冷蔵庫のマジック棚の縦断側面図であ
る。
【図7】本発明の冷蔵庫のマジック棚を架設する棚受け
レール前部の側面図である。
【図8】本発明の冷蔵庫のマジック棚の前棚前部の縦断
側面図である。
【図9】本発明の冷蔵庫のマジック棚の操作手順を説明
する図である。
【図10】前棚と後棚を重複させた状態の本発明の冷蔵
庫のマジック棚の縦断側面図である。
【符号の説明】
1 冷蔵庫 2 外箱 3 内箱 4 ポリウレタン断熱材 6 断熱箱体 8 冷蔵室 11 野菜室 12 冷凍室 15 マジック棚 76 棚受けレール 78 被係合部 79 凹陥部 81 切欠部 82 軸受凹所 87 前棚 88 後棚 89 係合部 91 保持腕 92 ストッパー 94 回動軸

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 棚受けレールに摺動自在に支持された前
    棚と、この前棚の後方に架設された後棚とから成り、こ
    れら両棚が前後に連続して配置された状態と、前記前棚
    を後方に摺動させ、後棚と重複させた状態とに選択可能
    とした冷蔵庫の棚装置において、 前記棚受けレールの前部に隆起形成された被係合部と、
    前記前棚から下方に突出して形成された係合部とを備
    え、この係合部の後面は前記被係合部の前面に係合する
    と共に、その状態で前記前棚は前記被係合部の上面に当
    接し、前記係合部の下面は前記棚受けレールより離間す
    ることを特徴とする冷蔵庫の棚装置。
  2. 【請求項2】 被係合部の前側に位置する棚受けレール
    には凹陥部を形成し、この凹陥部を前棚の係合部に対応
    させたことを特徴とする請求項1の冷蔵庫の棚装置。
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