JPH10339230A - 樹脂製パイプ - Google Patents
樹脂製パイプInfo
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- JPH10339230A JPH10339230A JP15249897A JP15249897A JPH10339230A JP H10339230 A JPH10339230 A JP H10339230A JP 15249897 A JP15249897 A JP 15249897A JP 15249897 A JP15249897 A JP 15249897A JP H10339230 A JPH10339230 A JP H10339230A
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- pipe
- fuel filler
- fuel
- filler pipe
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- Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)
- Lubrication Details And Ventilation Of Internal Combustion Engines (AREA)
- Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ガスバリヤ性能を向上させる。
【解決手段】 樹脂製フューエルフィラーパイプ10の
フューエルフィラーパイプ部12とブリーザパイプ部1
4とが連結部16によって連結されており、フューエル
フィラーパイプ部12とブリーザパイプ部14と連結部
16は、燃料透過防止剤18を含んだ樹脂材料20によ
り一体成形されている。また、この樹脂製フューエルフ
ィラーパイプ10では、ウエルド部22の位置が、連結
部16の略中央部になっており、フューエルフィラーパ
イプ部12及びブリーザパイプ部14には、ウエルド部
22が無い構造になっている。
フューエルフィラーパイプ部12とブリーザパイプ部1
4とが連結部16によって連結されており、フューエル
フィラーパイプ部12とブリーザパイプ部14と連結部
16は、燃料透過防止剤18を含んだ樹脂材料20によ
り一体成形されている。また、この樹脂製フューエルフ
ィラーパイプ10では、ウエルド部22の位置が、連結
部16の略中央部になっており、フューエルフィラーパ
イプ部12及びブリーザパイプ部14には、ウエルド部
22が無い構造になっている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は樹脂製パイプに係
り、特に、自動車等の車両に搭載するフューエルタンク
の樹脂製パイプに関する。
り、特に、自動車等の車両に搭載するフューエルタンク
の樹脂製パイプに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、軽量化により燃費向上や形状の自
由度、さらには製造工程数の削減などの利点を有する樹
脂製フューエルフィラーパイプが採用されてきており、
その一例が、実開平3−30687号に示されている。
由度、さらには製造工程数の削減などの利点を有する樹
脂製フューエルフィラーパイプが採用されてきており、
その一例が、実開平3−30687号に示されている。
【0003】図4に示される如く、この樹脂製フューエ
ルフィラーパイプ100では、フューエルフィラーパイ
プ部102とブリーザパイプ部104とが連結用片10
6を介して一体成形されており、ブリーザパイプ部10
4には、車体のシャーシまらはボデーに取付けるための
取付孔108が穿設された取付片110が形成されてい
る。
ルフィラーパイプ100では、フューエルフィラーパイ
プ部102とブリーザパイプ部104とが連結用片10
6を介して一体成形されており、ブリーザパイプ部10
4には、車体のシャーシまらはボデーに取付けるための
取付孔108が穿設された取付片110が形成されてい
る。
【0004】また、この様な樹脂製フューエルフィラー
パイプ100は、従来、高密度ポリエチレン(HDP
E)の単層ブロー成形により多数生産されてきたが、近
年の厳しいエバポ規制に対し、燃料透過防止性能(ガス
バリア性能)を付与する構造が必要となりつつある。そ
こで、樹脂製燃料タンクで実績のあるシーラ技術を採用
する方法がある。
パイプ100は、従来、高密度ポリエチレン(HDP
E)の単層ブロー成形により多数生産されてきたが、近
年の厳しいエバポ規制に対し、燃料透過防止性能(ガス
バリア性能)を付与する構造が必要となりつつある。そ
こで、樹脂製燃料タンクで実績のあるシーラ技術を採用
する方法がある。
【0005】ここでシーラ技術とは、ポリアミド(P
A)と酸変成ポリエチレン(酸変成PE)をペレットブ
レンドし、高密度ポリエチレン(HDPE)中に添加
し、各材料の粘度とかかる剪断力をある適当な領域にコ
ントロールするとHDPE中でPAが層状に配向し、樹
脂製燃料タンクにガスバリア性能を付与させることがで
きる技術である。
A)と酸変成ポリエチレン(酸変成PE)をペレットブ
レンドし、高密度ポリエチレン(HDPE)中に添加
し、各材料の粘度とかかる剪断力をある適当な領域にコ
ントロールするとHDPE中でPAが層状に配向し、樹
脂製燃料タンクにガスバリア性能を付与させることがで
きる技術である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このシ
ーラ技術を図4に示される樹脂製フューエルフィラーパ
イプ100に適用した場合には、図5に示される如く、
ウエルド部120において燃料透過防止剤122が存在
しなくなる。この結果、図5の場合には、フューエルフ
ィラーパイプ部102からウエルド部120を介して燃
料が漏れるため、樹脂製フューエルフィラーパイプ10
0のガスバリヤ性能が向上しない。
ーラ技術を図4に示される樹脂製フューエルフィラーパ
イプ100に適用した場合には、図5に示される如く、
ウエルド部120において燃料透過防止剤122が存在
しなくなる。この結果、図5の場合には、フューエルフ
ィラーパイプ部102からウエルド部120を介して燃
料が漏れるため、樹脂製フューエルフィラーパイプ10
0のガスバリヤ性能が向上しない。
【0007】本発明は上記事実を考慮し、ガスバリヤ性
能を向上できる樹脂製パイプを得ることが目的である。
能を向上できる樹脂製パイプを得ることが目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、燃料透過防止剤が混ざった樹脂で複数のパイプ部が
一体成形された樹脂製パイプにおいて、成形時のウエル
ド部の位置が、隣接するパイプ部間に形成された連結部
に設定されていることを特徴としている。
は、燃料透過防止剤が混ざった樹脂で複数のパイプ部が
一体成形された樹脂製パイプにおいて、成形時のウエル
ド部の位置が、隣接するパイプ部間に形成された連結部
に設定されていることを特徴としている。
【0009】従って、隣接するパイプ部間に形成された
連結部に成形時のウエルド部が存在するので、各パイプ
部には成形時のウエルド部が存在しない。この結果、各
パイプ部において、燃料透過防止剤が周方向にオーバー
ラップして、切れ目無く存在するのため、ガスバリヤ性
能を向上できる。
連結部に成形時のウエルド部が存在するので、各パイプ
部には成形時のウエルド部が存在しない。この結果、各
パイプ部において、燃料透過防止剤が周方向にオーバー
ラップして、切れ目無く存在するのため、ガスバリヤ性
能を向上できる。
【0010】請求項2記載の本発明は、燃料透過防止剤
が混ざった樹脂でブリーザパイプ部とフューエルフィラ
ーパイプ部とが一体成形された樹脂製パイプにおいて、
成形時のウエルド部の位置が、前記フューエルフィラー
パイプ部と前記ブリーザパイプ部との間に形成された連
結部に設定されていることを特徴としている。
が混ざった樹脂でブリーザパイプ部とフューエルフィラ
ーパイプ部とが一体成形された樹脂製パイプにおいて、
成形時のウエルド部の位置が、前記フューエルフィラー
パイプ部と前記ブリーザパイプ部との間に形成された連
結部に設定されていることを特徴としている。
【0011】従って、フューエルフィラーパイプ部とブ
リーザパイプ部との間の連結部に成形時のウエルド部が
存在するので、フューエルフィラーパイプ部とブリーザ
パイプ部には成形時のウエルド部が存在しない。この結
果、フューエルフィラーパイプ部とブリーザパイプ部に
おいて、燃料透過防止剤が周方向にオーバーラップし
て、切れ目無く存在するのため、ガスバリヤ性能を向上
できる。
リーザパイプ部との間の連結部に成形時のウエルド部が
存在するので、フューエルフィラーパイプ部とブリーザ
パイプ部には成形時のウエルド部が存在しない。この結
果、フューエルフィラーパイプ部とブリーザパイプ部に
おいて、燃料透過防止剤が周方向にオーバーラップし
て、切れ目無く存在するのため、ガスバリヤ性能を向上
できる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の樹脂製パイプの一実施形
態を図1及び図2に従って説明する。
態を図1及び図2に従って説明する。
【0013】図2に示される如く、本実施形態の樹脂製
パイプとしての樹脂製フューエルフィラーパイプ10で
は、フューエルフィラーパイプ部12とブリーザパイプ
部14とが略平行に形成されており、フューエルフィラ
ーパイプ部12とブリーザパイプ部14とが連結部16
によって互いに連結されている。
パイプとしての樹脂製フューエルフィラーパイプ10で
は、フューエルフィラーパイプ部12とブリーザパイプ
部14とが略平行に形成されており、フューエルフィラ
ーパイプ部12とブリーザパイプ部14とが連結部16
によって互いに連結されている。
【0014】図1に示される如く、フューエルフィラー
パイプ部12とブリーザパイプ部14と連結部16は、
燃料透過防止剤18を含んだ樹脂材料20により一体成
形されている。
パイプ部12とブリーザパイプ部14と連結部16は、
燃料透過防止剤18を含んだ樹脂材料20により一体成
形されている。
【0015】また、本実施形態の樹脂製フューエルフィ
ラーパイプ10は、ウエルド部22の位置が、連結部1
6の略中央部に設定されている。このため、本実施形態
の樹脂製フューエルフィラーパイプ10は、フューエル
フィラーパイプ部12及びブリーザパイプ部14に、ウ
エルド部22が無い構造になっている。
ラーパイプ10は、ウエルド部22の位置が、連結部1
6の略中央部に設定されている。このため、本実施形態
の樹脂製フューエルフィラーパイプ10は、フューエル
フィラーパイプ部12及びブリーザパイプ部14に、ウ
エルド部22が無い構造になっている。
【0016】次に、本実施形態の作用を説明する。本実
施形態の樹脂製フューエルフィラーパイプ10では、フ
ューエルフィラーパイプ部12とブリーザパイプ部14
との間の連結部16に成形時のウエルド部22が存在し
ているため、このウエルド部22を介して、フューエル
フィラーパイプ部12またはブリーザパイプ部14か
ら、漏れる燃料は殆ど無い。また、フューエルフィラー
パイプ部12とブリーザパイプ部14には成形時のウエ
ルド部22が存在せず、フューエルフィラーパイプ部1
2とブリーザパイプ部14においては、樹脂材料20内
に燃料透過防止剤18が周方向(図1の矢印R1、R2
方向)にオーバーラップして、切れ目無く存在するの
で、ガスバリヤ性能を向上できる。
施形態の樹脂製フューエルフィラーパイプ10では、フ
ューエルフィラーパイプ部12とブリーザパイプ部14
との間の連結部16に成形時のウエルド部22が存在し
ているため、このウエルド部22を介して、フューエル
フィラーパイプ部12またはブリーザパイプ部14か
ら、漏れる燃料は殆ど無い。また、フューエルフィラー
パイプ部12とブリーザパイプ部14には成形時のウエ
ルド部22が存在せず、フューエルフィラーパイプ部1
2とブリーザパイプ部14においては、樹脂材料20内
に燃料透過防止剤18が周方向(図1の矢印R1、R2
方向)にオーバーラップして、切れ目無く存在するの
で、ガスバリヤ性能を向上できる。
【0017】次に、本実施形態の樹脂製フューエルフィ
ラーパイプの製造方法を図3(A)及び図3(B)にお
いて説明する。
ラーパイプの製造方法を図3(A)及び図3(B)にお
いて説明する。
【0018】本実施形態の樹脂製フューエルフィラーパ
イプ10を製造する方法としては特に限定するものでは
ないが、図3(A)に示される如く、押出機から押し出
された溶融樹脂20(矢印Aは成形時の樹脂の注入方向
を示す)を、図3(B)に示される如く、中空成形用ダ
イ42、44に導入し、三次元中空成形を含む通常の中
空成形と同様の手法で製造する。
イプ10を製造する方法としては特に限定するものでは
ないが、図3(A)に示される如く、押出機から押し出
された溶融樹脂20(矢印Aは成形時の樹脂の注入方向
を示す)を、図3(B)に示される如く、中空成形用ダ
イ42、44に導入し、三次元中空成形を含む通常の中
空成形と同様の手法で製造する。
【0019】なお、一般にフューエルフィラーパイプ1
0は三次元的な形状をしているため、通常のダイレクト
ブローではフューエルフィラーパイプ部12とブリーザ
パイプ部14にウエルド部22を配置しないようにする
ことは非常に難しい。
0は三次元的な形状をしているため、通常のダイレクト
ブローではフューエルフィラーパイプ部12とブリーザ
パイプ部14にウエルド部22を配置しないようにする
ことは非常に難しい。
【0020】このため、本実施形態では、マニピュレー
タを使った、三次元ブロー成形機を用いて、パリソン位
置とパリソン回転角を制御することにより、狙い通りの
製品を得ることができるようにしている。
タを使った、三次元ブロー成形機を用いて、パリソン位
置とパリソン回転角を制御することにより、狙い通りの
製品を得ることができるようにしている。
【0021】ここで、本実施形態の樹脂製フューエルフ
ィラーパイプ用の高密度ポリエチレン(HDPE)とし
ては、密度が0.935g/cm3 以上のものが好まし
く、またそのメルトインデックス(MI:190℃、2
1.6kg荷重)は、耐ドローダウン性、成形性、耐衝
撃性等を考慮すると下限がHLMI(190℃、21.
6Kg荷重)で1g/10分、上限がMI(190℃、
2.16Kg荷重)で2g/10分が好ましい。
ィラーパイプ用の高密度ポリエチレン(HDPE)とし
ては、密度が0.935g/cm3 以上のものが好まし
く、またそのメルトインデックス(MI:190℃、2
1.6kg荷重)は、耐ドローダウン性、成形性、耐衝
撃性等を考慮すると下限がHLMI(190℃、21.
6Kg荷重)で1g/10分、上限がMI(190℃、
2.16Kg荷重)で2g/10分が好ましい。
【0022】なお、HLMIとはHigh Load
MIで高粘度樹脂の場合に通常の10倍の荷重でテスト
する方法である。
MIで高粘度樹脂の場合に通常の10倍の荷重でテスト
する方法である。
【0023】また、ポリアミド(PA)としては、燃料
バリア層として機能し、一片の平均厚みが0.05μm
〜50μmが好ましく、更に好ましくは、0.1μm〜
10μmである。
バリア層として機能し、一片の平均厚みが0.05μm
〜50μmが好ましく、更に好ましくは、0.1μm〜
10μmである。
【0024】これは、ポリアミド層の厚みが0.05μ
mレベル以下の場合には薄層というより分散状態に近く
なり、ガスバリヤ性能が不十分となると共に、ポリアミ
ド層の厚みが50μm以上の場合には、ポリアミドが大
きく固まり、燃料の抜け道が多くなって、ガスバリア性
能が落ちるためである。
mレベル以下の場合には薄層というより分散状態に近く
なり、ガスバリヤ性能が不十分となると共に、ポリアミ
ド層の厚みが50μm以上の場合には、ポリアミドが大
きく固まり、燃料の抜け道が多くなって、ガスバリア性
能が落ちるためである。
【0025】上記、ポリアミドはε−カプロラクタムな
ど、またヘキサメチレンジアミン等のジアミンとアジピ
ン酸などのジカルボン酸などから重合される酸アミド結
合(−CONH−)を有する重合体である。但し、融点
は出来るだけ低い方が、ポリアミド樹脂の層状化を促進
できるので、6/66共重合ポリアミドが適当であり、
その共重合比率としては66/6=0/100〜40/
60、より好ましくは66/6=15/85〜50/5
0である。
ど、またヘキサメチレンジアミン等のジアミンとアジピ
ン酸などのジカルボン酸などから重合される酸アミド結
合(−CONH−)を有する重合体である。但し、融点
は出来るだけ低い方が、ポリアミド樹脂の層状化を促進
できるので、6/66共重合ポリアミドが適当であり、
その共重合比率としては66/6=0/100〜40/
60、より好ましくは66/6=15/85〜50/5
0である。
【0026】また、上記変性ポリエチレン(変性PE)
としては変性により接着性の付与と、得られる相溶化材
としての機能を考慮し、変性量は0.1〜3重量%が好
ましい。更に好ましくは、0.3〜2重量%である。こ
れは、変性量が少なすぎると接着性が不十分となり、燃
料タンクの耐衝撃性が低下すると共に、変性量が高すぎ
ると、変性ポリエチレン自身の強度が低下し、同様に燃
料タンクの耐衝撃性が低下するためである。
としては変性により接着性の付与と、得られる相溶化材
としての機能を考慮し、変性量は0.1〜3重量%が好
ましい。更に好ましくは、0.3〜2重量%である。こ
れは、変性量が少なすぎると接着性が不十分となり、燃
料タンクの耐衝撃性が低下すると共に、変性量が高すぎ
ると、変性ポリエチレン自身の強度が低下し、同様に燃
料タンクの耐衝撃性が低下するためである。
【0027】また、変成ポリエチレン層に用いる不飽和
カルボン酸またはその誘導体としては、アクリル酸、メ
タクリル酸等のモノカルボン酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸等のジカルボン酸、無水マレイン酸、無
水イタコン酸、エンディック酸無水物(無水ハイミック
酸)等のジカルボン酸無水物等があげられ、特にジカル
ボン酸またはその無水物が好ましい。
カルボン酸またはその誘導体としては、アクリル酸、メ
タクリル酸等のモノカルボン酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸等のジカルボン酸、無水マレイン酸、無
水イタコン酸、エンディック酸無水物(無水ハイミック
酸)等のジカルボン酸無水物等があげられ、特にジカル
ボン酸またはその無水物が好ましい。
【0028】次に、ガスバリア性能の試験方法(燃料透
過試験方法)について簡単に説明する。以下、燃料透過
試験結果とはこの方法でのデータである。 (燃料透過試験方法)本実施形態の樹脂製フューエルフ
ィラーパイプ10に容量の40%のガソリンを注入し、
密封し40℃の雰囲気中で30日間放置した後、初期値
として、SHED法により燃料透過量を測定する。な
お、SHED法とは密閉した部屋の中に燃料の入った容
器を設置し、所定の温度変化をさせ、一定時間後の部屋
中のHC濃度の増加により燃料透過量を測定する方法で
ある。
過試験方法)について簡単に説明する。以下、燃料透過
試験結果とはこの方法でのデータである。 (燃料透過試験方法)本実施形態の樹脂製フューエルフ
ィラーパイプ10に容量の40%のガソリンを注入し、
密封し40℃の雰囲気中で30日間放置した後、初期値
として、SHED法により燃料透過量を測定する。な
お、SHED法とは密閉した部屋の中に燃料の入った容
器を設置し、所定の温度変化をさせ、一定時間後の部屋
中のHC濃度の増加により燃料透過量を測定する方法で
ある。
【0029】(実施例1)まず、樹脂製フューエルフィ
ラーパイプ用の材料を以下の様に準備した。
ラーパイプ用の材料を以下の様に準備した。
【0030】高密度ポリエチレンとして密度が0.94
3g/cm3 でHLMI(190℃、21.6Kg荷
重)が2g/10分のHDPE、高密度ポリエチレン
(HDPE)及び、バリア材としてポリアミドと変性ポ
リエチレン(変性PE)のブレンド樹脂であるDupo
nt社のSELAR RB901を準備した。
3g/cm3 でHLMI(190℃、21.6Kg荷
重)が2g/10分のHDPE、高密度ポリエチレン
(HDPE)及び、バリア材としてポリアミドと変性ポ
リエチレン(変性PE)のブレンド樹脂であるDupo
nt社のSELAR RB901を準備した。
【0031】次に、以上に示した樹脂材料のHDPE、
SELAR RB901をペレット混合し、三次元ブロ
ー成形機によって、樹脂製フューエルフィラーパイプ1
0を製造した。
SELAR RB901をペレット混合し、三次元ブロ
ー成形機によって、樹脂製フューエルフィラーパイプ1
0を製造した。
【0032】その成形時には、図3(B)に示される如
く、樹脂製フューエルフィラーパイプ10の連結部(圧
着部)16にウエルド部22が来るように中空成形用ダ
イ42、44の方向、成形条件、三次元成形機を設定す
ると狙い通りの樹脂製フューエルフィラーパイプ10が
得られ、この樹脂製フューエルフィラーパイプ10につ
いて、燃料透過試験を行ったところ、燃料透過試験結果
は0.10g/testであった。
く、樹脂製フューエルフィラーパイプ10の連結部(圧
着部)16にウエルド部22が来るように中空成形用ダ
イ42、44の方向、成形条件、三次元成形機を設定す
ると狙い通りの樹脂製フューエルフィラーパイプ10が
得られ、この樹脂製フューエルフィラーパイプ10につ
いて、燃料透過試験を行ったところ、燃料透過試験結果
は0.10g/testであった。
【0033】(実施例2)まず、樹脂製フューエルフィ
ラーパイプ用の材料を以下の様に準備した。
ラーパイプ用の材料を以下の様に準備した。
【0034】高密度ポリエチレンとして密度が0.94
3g/cm3 でHLMI(190℃、21.6kg荷
量)が2g/l0分のHDPE、HDPEとポリアミド
の接着用に0.3重量%の無水マレイン酸で変性したポ
リエチレン(変性PE)を準備した。
3g/cm3 でHLMI(190℃、21.6kg荷
量)が2g/l0分のHDPE、HDPEとポリアミド
の接着用に0.3重量%の無水マレイン酸で変性したポ
リエチレン(変性PE)を準備した。
【0035】なお、ポリアミドとしては、6/66共重
合比率が80/20の組成を持つ材料を準備した。融点
は約191℃である。
合比率が80/20の組成を持つ材料を準備した。融点
は約191℃である。
【0036】次に、実施例lと同様に樹脂製フューエル
フィラーパイプ10を成形し、実施例lと同様に燃料透
過試験を行ったところ、燃料透過試験結果は0.08g
/testであった。
フィラーパイプ10を成形し、実施例lと同様に燃料透
過試験を行ったところ、燃料透過試験結果は0.08g
/testであった。
【0037】(比較例1)実施例1と同様の材料で、ダ
イレクトブロー成形を行い、フューエルフィラーパイプ
部またはブリーザパイプ部にウエルド部が有る樹脂製フ
ューエルフィラーパイプを得て、この樹脂製フューエル
フィラーパイプの燃料透過試験を行ったところ、燃料透
過試験結果は0.35g/testであった。
イレクトブロー成形を行い、フューエルフィラーパイプ
部またはブリーザパイプ部にウエルド部が有る樹脂製フ
ューエルフィラーパイプを得て、この樹脂製フューエル
フィラーパイプの燃料透過試験を行ったところ、燃料透
過試験結果は0.35g/testであった。
【0038】(比較例2)実施例2と同様の材料で、ダ
イレクトブロー成形を行い、連結部にウエルド部が無い
樹脂製フューエルフィラーパイプを得て、この樹脂製フ
ューエルフィラーパイプの燃料透過試験を行ったとこ
ろ、燃料透過試験結果は0.30g/testであっ
た。
イレクトブロー成形を行い、連結部にウエルド部が無い
樹脂製フューエルフィラーパイプを得て、この樹脂製フ
ューエルフィラーパイプの燃料透過試験を行ったとこ
ろ、燃料透過試験結果は0.30g/testであっ
た。
【0039】(比較例3)密度が0.943g/cm3
でHLMI(190℃、21.6kg荷重)が2g/1
0分の高密度ポリエチレンのみでブロー成形を行い樹脂
製フューエルフィラーパイプを得て、この樹脂製フュー
エルフィラーパイプの燃料透過試験を行ったところ燃料
透過試験結果は1.85g/testであった。
でHLMI(190℃、21.6kg荷重)が2g/1
0分の高密度ポリエチレンのみでブロー成形を行い樹脂
製フューエルフィラーパイプを得て、この樹脂製フュー
エルフィラーパイプの燃料透過試験を行ったところ燃料
透過試験結果は1.85g/testであった。
【0040】これらの試験結果から、本実施例1、2の
樹脂製フューエルフィラーパイプ10のガスバリヤ性能
が向上できたことが明確になった。
樹脂製フューエルフィラーパイプ10のガスバリヤ性能
が向上できたことが明確になった。
【0041】以上に於いては、本発明を特定の実施形態
について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に
限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々
の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかで
ある。例えば、本発明の樹脂製パイプは樹脂製フューエ
ルフィラーパイプに限定されず、燃料透過防止剤が混ざ
った樹脂で複数のパイプ部が一体成形された他の樹脂製
パイプにも適用可能である。また、樹脂製フューエルフ
ィラーパイプの形状は、図1及び図2に限定されず他の
形状でも良い。
について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に
限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々
の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかで
ある。例えば、本発明の樹脂製パイプは樹脂製フューエ
ルフィラーパイプに限定されず、燃料透過防止剤が混ざ
った樹脂で複数のパイプ部が一体成形された他の樹脂製
パイプにも適用可能である。また、樹脂製フューエルフ
ィラーパイプの形状は、図1及び図2に限定されず他の
形状でも良い。
【0042】
【発明の効果】請求項1記載の本発明は、燃料透過防止
剤が混ざった樹脂で複数のパイプ部が一体成形された樹
脂製パイプにおいて、成形時のウエルド部の位置が、隣
接するパイプ部間に形成された連結部に設定されている
ため、ガスバリヤ性能を向上できるという優れた効果を
有する。
剤が混ざった樹脂で複数のパイプ部が一体成形された樹
脂製パイプにおいて、成形時のウエルド部の位置が、隣
接するパイプ部間に形成された連結部に設定されている
ため、ガスバリヤ性能を向上できるという優れた効果を
有する。
【0043】請求項2記載の本発明は、燃料透過防止剤
が混ざった樹脂でブリーザパイプ部とフューエルフィラ
ーパイプ部とが一体成形された樹脂製パイプにおいて、
成形時のウエルド部の位置が、フューエルフィラーパイ
プ部とブリーザパイプ部との間に形成された連結部に設
定されているため、ガスバリヤ性能を向上できるという
優れた効果を有する。
が混ざった樹脂でブリーザパイプ部とフューエルフィラ
ーパイプ部とが一体成形された樹脂製パイプにおいて、
成形時のウエルド部の位置が、フューエルフィラーパイ
プ部とブリーザパイプ部との間に形成された連結部に設
定されているため、ガスバリヤ性能を向上できるという
優れた効果を有する。
【図1】図2の1−1線に沿った断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る樹脂製パイプを示す
斜視図である。
斜視図である。
【図3】(A)及び(B)は本発明の一実施形態に係る
樹脂製パイプの製造手順を示す断面図である。
樹脂製パイプの製造手順を示す断面図である。
【図4】従来の実施形態に係る樹脂製パイプを示す斜視
図である。
図である。
【図5】図4の5−5線に沿った断面図である。
10 樹脂製フューエルフィラーパイプ(樹脂製パイ
プ) 12 フューエルフィラーパイプ部 14 ブリーザパイプ部 16 連結部 18 燃料透過防止剤 20 樹脂材料
プ) 12 フューエルフィラーパイプ部 14 ブリーザパイプ部 16 連結部 18 燃料透過防止剤 20 樹脂材料
Claims (2)
- 【請求項1】 燃料透過防止剤が混ざった樹脂で複数の
パイプ部が一体成形された樹脂製パイプにおいて、 成形時のウエルド部の位置が、隣接するパイプ部間に形
成された連結部に設定されていることを特徴とする樹脂
製パイプ。 - 【請求項2】 燃料透過防止剤が混ざった樹脂でブリー
ザパイプ部とフューエルフィラーパイプ部とが一体成形
された樹脂製パイプにおいて、 成形時のウエルド部の位置が、前記フューエルフィラー
パイプ部と前記ブリーザパイプ部との間に形成された連
結部に設定されていることを特徴とする樹脂製パイプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15249897A JPH10339230A (ja) | 1997-06-10 | 1997-06-10 | 樹脂製パイプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15249897A JPH10339230A (ja) | 1997-06-10 | 1997-06-10 | 樹脂製パイプ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10339230A true JPH10339230A (ja) | 1998-12-22 |
Family
ID=15541787
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15249897A Pending JPH10339230A (ja) | 1997-06-10 | 1997-06-10 | 樹脂製パイプ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10339230A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008045970A (ja) * | 2006-08-14 | 2008-02-28 | Toyota Motor Corp | 燃料透過量計測装置 |
JP2016107488A (ja) * | 2014-12-05 | 2016-06-20 | 株式会社Fts | ブロー成形方法 |
-
1997
- 1997-06-10 JP JP15249897A patent/JPH10339230A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008045970A (ja) * | 2006-08-14 | 2008-02-28 | Toyota Motor Corp | 燃料透過量計測装置 |
JP4743043B2 (ja) * | 2006-08-14 | 2011-08-10 | トヨタ自動車株式会社 | 燃料透過量計測装置 |
JP2016107488A (ja) * | 2014-12-05 | 2016-06-20 | 株式会社Fts | ブロー成形方法 |
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