JPH10339200A - 内燃機関のアイドル回転数制御装置 - Google Patents

内燃機関のアイドル回転数制御装置

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JPH10339200A
JPH10339200A JP15203697A JP15203697A JPH10339200A JP H10339200 A JPH10339200 A JP H10339200A JP 15203697 A JP15203697 A JP 15203697A JP 15203697 A JP15203697 A JP 15203697A JP H10339200 A JPH10339200 A JP H10339200A
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JP
Japan
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duty ratio
air flow
flow rate
learning
lower limit
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Withdrawn
Application number
JP15203697A
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English (en)
Inventor
Masahiko Teraoka
正彦 寺岡
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】バイパス空気流量の小さい領域においても精度
の高いアイドル回転数制御を迅速に行うことのできる内
燃機関のアイドル回転数制御装置を提供する。 【解決手段】 エンジン1の吸気通路11の途中には、
スロットルバルブ19を迂回するバイパス通路22が設
けられ、このバイパス通路22の途中には同バイパス通
路22内の空気流量の調整を行うアイドルスピードコン
トロールバルブ(ISCV)23が設けられている。電
子制御装置(ECU)51は、ISCV23の開度調整
を行うデューティ比が吸入空気流量との比例関係がなく
なるデューティ比かどうかを判断し、比例関係がなくな
るデューティ比であるとき同デューティ比よりさらに低
いデューティ比を更新設定するとともに、所定のステッ
プ空気流量ごとにそれら更新デューティ比を求め、同更
新デューティ比に基づいて制御用の新たなデューティ比
を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は自動車等に搭載さ
れる内燃機関のアイドル運転時における回転数を適正に
制御する内燃機関のアイドル回転数制御装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来から、自動車等のエンジン(内燃機
関)において、アイドル時の同エンジンの回転数を制御
するために、スロットルバルブを迂回して吸気通路の上
流側と下流側とを連通させるバイパス通路を設け、この
バイパス通路にアイドルスピードコントロールバルブ
(以下、「ISCV」と記す)を設けたものが知られて
いる。そして、スロットルバルブが全閉となるアイドル
時に、エンジン冷却水温に応じた、あるいはエアコン等
の負荷条件に応じた所定のアイドルエンジン回転数を得
るために、ISCV開度のフィードバック制御が行われ
ている。そして、こうしたISCV開度のフィードバッ
ク制御を通じて上記バイパス通路の空気流量(以下、バ
イパス空気流量という)が最適化され、アイドル回転数
が上記冷却水温や負荷条件に応じた目標回転数に制御さ
れるようになる。なおその際、前記ISCV開度の制御
は通常、同ISCVのアクチュエータに印加する電圧を
デューティ比制御することにより行われる。また、その
デューティ比制御された信号は通常、エンジンコントロ
ールユニット(以下、「ECU」と記す)を通じて出力
される。一般に、同信号のデューティ比が大きくなるほ
どバイパス空気流量が増加しエンジン回転数も増加する
というように、これらデューティ比とバイパス空気流量
との間には比例関係が存在する。このため通常は、同デ
ューティ比とバイパス空気流量との対応マップを利用し
て上述したアイドル回転数制御が行われる。
【0003】このような、デューティ比とバイパス空気
流量との比例関係を利用してISCVの開閉制御を行う
装置としては、例えば実開平5−50044号公報に記
載された装置が知られている。なお、同公報記載の装置
では、図15に実線にて示す態様で予め設定されている
補助空気流量(バイパス空気流量)Qa−DUTY(デ
ューティ)マップをISCVの詰まり等に起因する経時
変化に応じて学習更新し、同図に破線あるいは一点鎖線
にて示す態様でその補正マップを求めるようにしてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記公報記
載の装置のように、ISCVの経時変化に応じて上記Q
a−DUTYマップを補正することで、確かにアイドル
回転数についてのより精度の高いフィードバック制御を
行うことができるようにはなる。しかし、ISCV自体
が本来、漏れ等の構造上の要因から開度の小さい領域で
の直線性が悪く、そのアクチュエータに加わる信号のデ
ューティ比と同ISCVによって制御されるバイパス空
気流量との関係も、実際には図16に示されるような関
係となっている。したがって、バイパス空気流量の小さ
い領域では上記Qa−DUTYマップ自体が不確かなも
のとなり、たとえ上記の補正を行ったとしても、該バイ
パス空気流量の小さい領域では精度の高いアイドル回転
数制御を行うことはできなかった。
【0005】また、デューティ比とバイパス空気流量と
のマップを利用したアイドル回転数制御を、こうしたデ
ューティ比とバイパス空気流量との比例関係が成立しな
いバイパス空気流量の小さい領域において行おうとする
と、アイドル回転数が目標とする回転数になかなか落ち
切れないことからフィードバック制御に必要以上の時間
がかかったり、不要な燃料を要するなどの不都合が生じ
ることともなる。
【0006】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、バイパス空気流量の小
さい領域においても精度の高いアイドル回転数制御を迅
速に行うことのできる内燃機関のアイドル回転数制御装
置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1記載の発明は、内燃機関の吸気通路の途
中に設けられ同内燃機関への吸入空気流量を検出する空
気流量検出手段と、前記吸気通路に設けられるスロット
ルバルブを迂回するようにして設けられたバイパス通路
と、該バイパス通路の途中に設けられその駆動信号の大
きさに基づき同バイパス通路内の空気流量の調整を行う
アイドルスピードコントロールバルブとを備える内燃機
関のアイドル回転数制御装置において、前記バイパス通
路の空気流量を絞り込んだとき、前記駆動信号が前記空
気流量検出手段により検出される空気流量との比例関係
のなくなる値に達したかどうかを判断する判断手段と、
前記駆動信号が前記空気流量との比例関係のなくなる値
に達したことの判断に基づきそれら空気流量と駆動信号
との関係を学習する学習手段と、前記学習された空気流
量と駆動信号との関係に基づきその比例関係が維持され
る方向に前記駆動信号の値を補正する補正手段とを設け
たことをその要旨とする。
【0008】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の内燃機関のアイドル回転数制御装置において、前記
駆動信号はデューティ比制御される電圧信号であり、前
記学習手段は所定の学習範囲を設定し、所定の絞り込み
空気流量毎に前記空気流量と前記デューティ比との関係
を学習するものであり、前記補正手段は前記所定の学習
範囲に対応して求められるデューティ比を、前記学習手
段によって学習された空気流量とデューティ比との関係
に基づき減少補正するものであることをその要旨とす
る。
【0009】上記請求項1及び請求項2の構成によれ
ば、スロットルバルブを迂回するようにして設けられた
バイパス通路内の空気流量の調整が、該バイパス通路の
途中に設けられたアイドルスピードコントロールバルブ
(ISCV)の駆動信号の大きさに基づき行われる。前
記バイパス通路の空気流量を絞り込んだとき、前記駆動
信号が前記空気流量検出手段により検出される空気流量
との比例関係のなくなる値に達したかどうかが判断手段
により判断される。そして、前記駆動信号が前記空気流
量との比例関係のなくなる値に達したことの判断に基づ
きそれら空気流量と駆動信号との更なる関係が学習手段
により学習される。さらに、前記学習された空気流量と
駆動信号との関係に基づきその比例関係が維持される方
向に前記駆動信号の値が補正手段により補正される。そ
の結果、従来アイドル回転数制御が行われなかったバイ
パス空気流量の小さい領域においても精度の高いアイド
ル回転数制御が可能となる。
【0010】さらに請求項2の構成によれば、前記学習
手段は所定の学習範囲を設定し、所定の絞り込み空気流
量毎に前記空気流量と前記デューティ比との関係を学習
する。そして、前記補正手段は前記所定の学習範囲に対
応して求められるデューティ比を、前記学習手段によっ
て学習された空気流量とデューティ比との関係に基づき
減少補正する。その結果、従来アイドル回転数制御が行
われなかったバイパス空気流量の小さい領域においても
精度の高いアイドル回転数制御を迅速に行うことができ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明における内燃機関の
アイドル回転数制御装置を内燃機関としてのガソリンエ
ンジンに適用した実施の形態を図1〜図14に基づいて
詳細に説明する。
【0012】図1は、本実施の形態におけるエンジンシ
ステムの概略構成を示している。車輌(図示略)に搭載
されたエンジン1は、複数気筒分のシリンダボア3(図
では1気筒分のみを示す)を有するシリンダブロック2
と、シリンダヘッド4とを備えている。各シリンダボア
3内に上下動可能に設けられたピストン5は、コンロッ
ド6を介して図示しないクランクシャフトに連結されて
いる。シリンダボア3の内部において、ピストン5とシ
リンダヘッド4とにより囲まれた空間によって燃焼室7
が形成されている。
【0013】シリンダヘッド4には、各燃焼室7に対応
して点火プラグ8が設けられている。また、シリンダヘ
ッド4には、各燃焼室7に通じる吸気ポート9及び排気
ポート10がそれぞれ設けられ、これら各ポート9,1
0には吸気通路11及び排気通路12がそれぞれ接続さ
れている。吸気ポート9及び排気ポート10の燃焼室7
に通じる各開口端には、吸気バルブ13及び排気バルブ
14がそれぞれ設けられている。各バルブ13,14
は、クランクシャフトの回転に連動するカムシャフトを
含む動弁装置(図示略)によって開閉される。
【0014】吸気通路11の上流側にはエアクリーナ1
5が設けられており、同クリーナ15によって吸気通路
11内に導入される吸入空気が清浄化される。吸気通路
11の途中にはサージタンク16が設けられており、同
タンク16によって吸気通路11を通過する吸入空気の
脈動が平滑化される。サージタンク16の下流側におい
て、吸気ポート9の近傍には各気筒に対応して燃料噴射
用のインジェクタ17がそれぞれ設けられている。各イ
ンジェクタ17には図示しない燃料タンクから燃料ポン
プによって所定圧力の燃料が供給されている。排気通路
12の下流側には、排気を浄化するための三元触媒を内
蔵してなる触媒コンバータ18が設けられている。
【0015】エンジン1の運転が開始されると、エアク
リーナ15を通過した外気(吸入空気)は、吸気通路1
1内に導入される。吸入空気の導入と同時に各インジェ
クタ17から燃料が噴射されることにより、その吸入空
気と燃料とが混合され混合気となる。
【0016】吸入行程において、吸気バルブ13により
吸気ポート9が開かれることにより混合気が同ポート9
を通じて燃焼室7に取り込まれる。燃焼室7に取り込ま
れた混合気が点火プラグ8によって点火されることによ
り、その混合気が爆発・燃焼してエンジン1に駆動力が
得られる。
【0017】排気行程において、排気バルブ14により
排気ポート10が開かれることにより、爆発・燃焼後の
排気ガスが同ポート10を通じて排気通路12内に導入
される。排気通路12に導入された排気ガスは、触媒コ
ンバータ18等を通じて外部へ排出される。
【0018】吸気通路11においてサージタンク16の
上流側には、図示しないアクセルペダルの操作に連動し
て開閉駆動されるスロットルバルブ19が設けられてい
る。スロットルバルブ19の開度、すなわちスロットル
開度TAに応じて吸気通路11へ導入される吸入空気の
量(吸入空気流量Q)が調節される。
【0019】スロットルバルブ19の近傍には、スロッ
トル開度TAを検出するためのスロットルセンサ31が
設けられている。スロットルセンサ31はスロットル開
度TAに応じた検出信号を出力する。また、スロットル
センサ31はスロットルバルブ19が全閉位置にあると
きのみON状態となるアイドルスイッチ(図示略)を内
蔵しており、同スイッチのON・OFF状態を示すアイ
ドル信号IDSを出力する。
【0020】エアクリーナ15の下流側には、吸入空気
流量Qを検出するエアフローメータ32が設けられてい
る。エアクリーナ15とエアフローメータ32との間に
は、吸気通路11に取り込まれる空気の温度、すなわち
吸気温THAを検出するための吸気温センサ33が設け
られている。
【0021】排気通路12の途中には、排気中の酸素濃
度、すなわち排気空燃比を検出するための酸素センサ3
4が設けられている。シリンダブロック2には、エンジ
ン1の冷却水の温度、すなわち冷却水温THWを検出す
るための水温センサ35が設けられている。
【0022】各気筒毎の点火プラグ8には、ディストリ
ビュータ20にて分配された点火信号が印加される。デ
ィストリビュータ20はイグナイタ21から出力される
高電圧をクランクシャフトの回転に同期して各点火プラ
グ8に分配するためのものである。そして、各点火プラ
グ8の点火タイミングは、イグナイタ21から高電圧が
出力されるタイミングによって決定される。
【0023】ディストリビュータ20にはクランクシャ
フトの回転に連動して回転する図示しないロータが内蔵
されている。そして、ディストリビュータ20には、そ
のロータの回転からエンジン1の回転数neを検出する
ための回転速度センサ36が設けられている。同じく、
ディストリビュータ20には、そのロータの回転に応じ
てエンジン1のクランク角基準信号を所定の割合で検出
する気筒判別センサ37が設けられている。エンジン1
のクランクシャフトに駆動連結された図示しないトラン
スミッションには、車輌の速度、すなわち車速を検出す
るための車速センサ38が設けられている。
【0024】吸気通路11には、スロットルバルブ19
を迂回して同バルブ19の上流側と下流側とを連通する
バイパス通路22が設けられている。このバイパス通路
22の途中には、リニアソレノイド式のISCV(アイ
ドルスピードコントロールバルブ)23が設けられてい
る。ISCV23は、そのアクチュエータとしてのソレ
ノイドコイル(図示略)に印加される信号(電圧)のデ
ューティ比dop[%]の大きさに応じてバルブ(図示
略)を変位させ、空気の流れる通路面積を調節する電磁
弁である。ISCV23は、スロットルバルブ19が全
閉となるエンジン1のアイドル時に、回転数neを安定
させるために作動するものである。ISCV23が所定
のデューティ比を有する信号に基づいて制御されること
により、すなわちISCV制御が行われることにより、
バイパス通路22を流れる体積空気流量(以下、「バイ
パス空気流量」という)q[m3 /s]が調節され、燃
焼室7へ取り込まれる吸入空気流量が調節される。
【0025】車輌には、上記各インジェクタ17、イグ
ナイタ21、ISCV23等制御するための電子制御装
置(以下単に「ECU」という)51が設けられてい
る。以下、このECU51の電気的構成について図2の
ブロック図に従って説明する。
【0026】ECU51は、中央処理装置(CPU)5
2、所定の制御プログラム等を予め記憶した読み出し専
用メモリ(ROM)53、CPU52の演算結果等を一
時記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)54、記
憶されたデータを保存するバックアップRAM55、及
びタイマカウンタ56等と、これら各部52〜56と外
部入力回路57及び外部出力回路58等とをバス59に
よって接続してなる論理演算回路として構成されてい
る。
【0027】本実施の形態において、ROM53には、
後述する「デューティ比算出ルーチン」等の制御プログ
ラムや各種関数データ、点火時期のマップ等が予め記憶
されている。タイマカウンタ56は所定時間毎の割り込
み信号を出力すると共に、同時に複数のカウント動作を
行うようになっている。
【0028】外部入力回路57には、前述した各センサ
31〜38がそれぞれ接続されている。外部出力回路5
8には、各インジェクタ17、イグナイタ21及びIS
CV23がそれぞれ接続されている。ECU51はエン
ジン1の点火時期制御、燃料噴射量制御及びISCV制
御(アイドル回転数制御)等を実行するために、各セン
サ31〜38からの出力信号に基づき、各インジェクタ
17、イグナイタ21及びISCV23を好適に駆動制
御する。
【0029】次に、CPU52により実行されるアイド
ル時の回転数neを制御するための各処理について、図
3〜図7に示すフローチャート及び図8〜図14を参照
にして説明する。
【0030】図3に示すフローチャートは後述する「デ
ューティ比算出ルーチン」の「イニシャルルーチン」を
示すものであって、CPU52は「デューティ比算出ル
ーチン」を初回に実行する時のみこの「イニシャルルー
チン」を実行する。「デューティ比算出ルーチン」の2
回目以降の処理は、図4に示すルーチンに従って実行さ
れる。
【0031】さて、図3に示す「イニシャルルーチン」
において、ステップS10では、学習回数カウンタi及
び更新値カウンタKがゼロにリセットされる。ここで、
学習回数カウンタiは、図9(a)に示すように、以下
で説明する更新デューティ比drnw(i) を学習によって
得るための学習回数をカウントするものである。また、
更新値カウンタKは、図9(h)に示すように、前記学
習によって得られる更新デューティ比drnw(i) の個数
をカウントするものである。
【0032】次にステップS20において、更新デュー
ティ比drnw(i) 及び学習下限デューティ比 dcalm
(i)の初期値として比例下限デューティ比DCALMIN0が
セットされ、また計算デューティ比dcalが所定初期
値D0にセットされる。ここで更新デューティ比drnw
(i) は、学習によって得られる下限のデューティ比で
ある。また、学習下限デューティ比 dcalm(i)は、学
習が許可される下限デューティ比であり、学習毎に設定
されるもので下式 dcalm(i)=drnw(i−1)−ΔD で示される。ここで、学習ステップデューティ比ΔD
は、所定のデューティ比幅であり、学習下限デューティ
比 dcalm(i)は、前回の学習によって得られた更新デ
ューティ比drnw(i−1)から同学習ステップデューテ
ィ比ΔDを減じて得られる。
【0033】また比例下限デューティ比DCALMIN0は、バ
イパス(吸入)空気流量qと出力デューティ比dopと
が比例関係にある最下限値のデューティ比であり、その
値は実験等により求められ既知のものである。すなわ
ち、ISCV23制御によりバイパス空気流量qが絞り
込まれてくるとき、図8に示すように、バイパス空気流
量qと出力デューティ比dopとは、この比例下限デュ
ーティ比DCALMIN0まで比例関係にある。
【0034】また、計算デューティ比dcalは、IS
CV23のアクチュエータ(ソレノイドコイル、図示せ
ず)を駆動するためにECU51が出力する出力デュー
ティ比dopを得るための中間処理用のデューティ比で
ある。
【0035】次にステップS30において、下限更新許
可フラグxgpegrが「ON」に、学習終了フラグxgendfが
「OFF]にセットされる。ここで下限更新許可フラグ
xgpegrは、出力デューティ比dopの下限値を更新する
ための学習を許可するフラグであり、図9(c)に示す
ように、「ON」の場合は同学習が許可され、「OF
F」の場合は同学習が禁止される。従って、ここでは同
学習が許可される。また、学習終了フラグxgendfは、上
述した学習が終了したことを示すフラグであり、図9
(f)に示すように、「ON」の場合は学習が終了した
ことを示し、「OFF」の場合は学習がまだ終了してい
ないことを示す。
【0036】以上で「イニシャルルーチン」が終了し、
次回からCPU52は、図4に示す「デューティ比算出
ルーチン」に従って上記出力デューティ比dopを求め
るための処理を実行する。
【0037】次に、図4に示すフローチャートに従って
「デューティ比算出ルーチン」を説明する。なお同ルー
チンは、例えば100ms(ミリ秒)等の所定の周期を
もって繰り返し実行される。
【0038】まずステップS40において、CPU52
は各センサ31,32,35,36,38の検出信号か
らアイドル信号IDSの有無、バイパス(吸入)空気流
量q、冷却水温THW、エンジン回転数ne及び車速S
PDをそれぞれ読み込む。続くステップS50におい
て、上記ステップS40において読み込んだアイドル信
号IDS及び冷却水温THW等に基づいてオン/オフ
(ON/OFF)設定されるISCフィードバック条件
フラグxiscf が、「ON」に設定されているか否かが判
断される。このISCフィードバック条件フラグxiscf
は通常、冷却水温THWが一定値以上でかつスロットル
バルブ19が全閉等の条件成立時、図9(b)に示すよ
うに、「ON」とされる。なお図4に示すフローチャー
トにおいて、このISCフィードバック条件フラグxisc
f の設定に関する処理の図示は省略している。
【0039】このステップS50において、ISCフィ
ードバック条件フラグxiscf が「ON」でないと判断さ
れると、エンジンはオフアイドル状態であるため何ら処
理がなされずに「デューティ比算出ルーチン」は終了す
る。一方、ステップS50においてISCフィードバッ
ク条件フラグxiscf が「ON」と判断されると、次のス
テップS60に移行し「フィードバック処理」が行われ
る。
【0040】このステップS60の「フィードバック処
理」においては、エンジン回転数neを目標回転数TN
Eとすべく計算デューティ比dcalがフィードバック
処理される。この「フィードバック処理」を図5のフロ
ーチャートに基づいて説明する。なお、この「フィード
バック処理」は、所定のフィードバック条件が成立した
場合に実行される周知のISCフィードバック制御ルー
チンでありその詳細は省略する。
【0041】まずステップS61において、エンジン回
転数neが目標回転数TNEに許容誤差KNEを加えた
ものより大きいか否かの判断が行われる。エンジン回転
数neが目標回転数TNEに許容誤差KNEを加えたも
のより大きいか等しい場合にはステップS62に移行す
る。なお、この目標回転数TNEは、アイドル時の冷却
水温THWに応じて、またエアコン等の負荷条件に応じ
てそれぞれ所定の値に設定されているとする。
【0042】ステップS62においては、現在のエンジ
ン回転数neが目標回転数TNEより大きすぎるため、
同回転数neを減らすべく、現在設定されている計算デ
ューティ比dcalから所定減算デューティ比DDEC
を減算したものが、新たな計算デューティ比dcalと
して設定される。そして「フィードバック処理」を終了
する。
【0043】一方ステップS61において、エンジン回
転数neが目標回転数TNEに許容誤差回転数KNEを
加えたものより小さいと判断された場合には、ステップ
S63に移行し、エンジン回転数neが目標回転数TN
Eから許容誤差回転数KNEを減じたものより小さいか
否かの判断が行われる。エンジン回転数neが目標回転
数TNEから許容誤差回転数KNEを減じたものより小
さいか等しい場合には、ステップS64に移行する。
【0044】このステップS64においては、エンジン
回転数neが目標回転数TNEより小さすぎるため、同
回転数neを増加すべく、現在設定されている計算デュ
ーティ比dcalに所定加算デューティ比DINCを加
算したものが新たな計算デューティ比dcalとして設
定される。そして「フィードバック処理」を終了する。
なおここで、許容誤差回転数KNE、減算デューティ比
DDEC及び加算デューティ比DINCは予め経験的に
設定された定数である。
【0045】一方ステップS63において、エンジン回
転数neが目標回転数TNEから許容誤差回転数KNE
を減じたものより大きい場合には、エンジン回転数ne
が目標回転数TNEの許容誤差内にあると判断され、現
在設定されている計算デューティ比dcalに何ら処理
を施すことなく「フィードバック処理」を終了する。
【0046】CPU52は、この「フィードバック処
理」を終了すると、図4に示すステップステップS70
に移行し、同「フィードバック処理」で設定された計算
デューティ比dcalが比例下限デューティ比DCALMIN0
より大きいか否かの判断をする。計算デューティ比dc
alが比例下限デューティ比DCALMIN0より大きい場合、
すなわちバイパス空気流量qと計算デューティ比dca
lが比例関係にある場合はステップS80に移行する。
そしてステップS80において、計算デューティ比dc
alがそのまま出力デューティ比dopとして設定さ
れ、続いてステップS130に移行して、出力デューテ
ィ比dopが出力され、この「デューティ比算出ルーチ
ン」が終了する。
【0047】一方ステップS70において、計算デュー
ティ比dcalが比例下限デューティ比DCALMIN0より小
さいか又は等しいと判断された場合、すなわち計算デュ
ーティ比dcalがバイパス空気流量qと比例関係にな
い低デューティ比値である場合は、ステップS90に進
む。
【0048】ステップS90においては、エンジン回転
数neが目標回転数TNEに許容誤差回転数KNEを加
えたものより大きいか否かの判断を行う。エンジン回転
数neが目標回転数TNEに許容誤差回転数KNEを加
えたものに等しいか又は小さい場合はステップS80に
移行する。ステップS80に移行するのは、現在設定さ
れている比例下限デューティ比DCALMIN0より小さい計算
デューティ比dcalにおいて、エンジン回転数neが
目標回転数TNEの許容誤差内にあると判断されたた
め、現在の計算デューティ比dcalをそのまま維持さ
せるためである。そしてステップS80において、現在
設定されている計算デューティ比dcalがそのまま出
力デューティ比dopとして設定され、続くステップS
130において同出力デューティ比dopが出力され
て、この「デューティ比算出ルーチン」が終了する。
【0049】一方、ステップS90においてエンジン回
転数neが目標回転数TNEに許容誤差回転数KNEを
加えたものより大きい場合には、さらにエンジン回転数
neを抑えこむためにステップS100以降に移行す
る。すなわち、このステップS90においては、以下に
説明する「下限デューティ比更新処理」によってバイパ
ス空気流量qの絞り込みが完了したか否かの判断も併せ
なされる。
【0050】続くステップS100においては、学習終
了フラグxgendfが「ON」か否かが判断される。学習終
了フラグxgendfが「ON」、すなわち以下に説明する
「下限デューティ比更新処理」での学習が終了していれ
ば、ステップS80に移行し、現在設定されている計算
デューティ比dcalがそのまま出力デューティ比do
pとして設定され、続くステップS130において同出
力デューティ比dopが出力されて、この「デューティ
比算出ルーチン」が終了する。
【0051】一方、ステップS100において学習終了
フラグxgendfが「ON」でなく、すなわち以下に説明す
る「下限デューティ比更新処理」での学習がまだ終了し
ていない場合は、ステップS110の「下限デューティ
比更新処理」に進む。
【0052】以下ステップS110の「下限デューティ
比更新処理」を図6に示すフローチャート及び図8〜図
9に基づいて説明する。この「下限デューティ比更新処
理」においては、学習ステップ空気流量ΔQを学習の基
準ステップとして、比例下限デューティ比DCALMIN0より
小さい更新デューティ比 drnw(i) が得られるようにな
る。
【0053】まずステップS500おいて、現在設定さ
れている計算デューティ比dcalが学習下限デューテ
ィ比dcalm(i) に等しいか否かの判断がされる。同デュ
ーティ比dcalが学習下限デューティ比dcalm(i) に
等しくなければステップS580にジャンプして更に学
習を継続する。一方、計算デューティ比dcalが学習
下限デューティ比dcalm(i) に等しければ、更に学習を
継続するか否かを判断するためにステップS510以降
に移行する。
【0054】このステップS510において、学習回数
カウンタiが「0」に等しいか否か、すなわち下限デュ
ーティ比の更新が初めて行われるか否かの判断がなされ
る。学習回数カウンタiが「0」に等しくない場合、す
なわち下限デューティ比の更新が2回目以降はステップ
S530にジャンプする。学習回数カウンタiが「0」
に等しい場合、すなわち下限デューティ比の更新が初め
て行われる場合はステップステップS520に進む。
【0055】このステップS520においては、現在読
み込まれているバイパス空気流量qが比例下限空気流量
QMINI として設定される。なお、この比例下限空気流量
QMINI は、図8及び図9に示すように、前記比例下限デ
ューティ比DCALMIN0に対応したバイパス空気流量である
とともに、下限デューティ比の更新を行うための学習基
準バイパス空気流量でもある。
【0056】続くステップS530においては、下限更
新許可フラグxgpegrが「ON」か否かが判断される。下
限更新許可フラグxgpegrが「ON」でない場合、すなわ
ちデューティ比の下限更新の許可が出ていない場合に
は、ステップS540に移行して学習終了フラグxgendf
を「ON」にして学習が終了したとする。これは、ステ
ップステップS500おいて現在設定されている計算デ
ューティ比dcalが前記学習下限デューティ比dcalm
(i) に等しいと判断されているにもかかわらずこのス
テップS530の判定においては下限更新の許可が出て
いない(更新デューティ比 drnw(i) が求まっていな
い)と判定されているため、ここでデューティ比下限更
新の学習を終了させるためである。具体的には、図8の
破線LB1及び図9(e)の同じく破線LB2に示すよ
うにバイパス空気流量qの絞り込みが鈍化した、すなわ
ち限界に達した場合であり、ここでデューティ比下限更
新の学習を終了させるためである。
【0057】一方、下限更新許可フラグxgpegrが「O
N」である場合、すなわちデューティ比の下限更新の許
可が出ている場合には、ステップS550以降に移行し
学習下限デューティ比dcalm(i) を設定する。
【0058】ステップS550においては、学習回数カ
ウンタiが1つインクリメントされる。続くステップS
560においては、上述したように学習下限デューティ
比dcalm(i) が前回の更新デューティ比 drnw(i−1)
から学習ステップデューティ比ΔDを減じたものとして
設定される。例えば、下限デューティ比の更新が初めて
行われる下限更新カウンタi=1の場合、 となる。すなわち、学習下限デューティ比dcalm(i)
は、図8及び図9(d)に示すように、更新デューティ
比 drnw(i−1) から一定の学習ステップデューティ比
ΔDで、逐次下方(デューティ比が小さくなる方)に更
新される。
【0059】なお、ここで学習下限デューティ比dcalm
(i) を設定するのは、図8の破線LA1及び図9
(e)の同じく破線LA2に示すようにバイパス空気流
量qの絞り込みが急激な場合には、デューティ比下限更
新の学習を終了させるためである。
【0060】続くステップS570において、下限更新
許可フラグxgpegrが「OFF」とされデューティ比の下
限更新のための設定が図9(c)に示すように、次の更
新デューティ比 drnw(i) が得られるまで禁止される。
【0061】続くステップS580においては、バイパ
ス空気流量qが、比例下限空気流量QMINI から学習ステ
ップ空気流量ΔQに下限更新カウンタiを乗じたものを
減算したものより小さいか否かの判断がなされる。この
学習ステップ空気流量ΔQは、図8及び図9(e)に示
すように、学習の基準ステップとして定められた所定の
バイパス空気流量である。そして、バイパス空気流量q
が同学習ステップ空気流量ΔQづつ絞り込まれる毎にそ
れに対応した更新デューティ比 drnw(i) が得られる。
【0062】このステップS580において、バイパス
空気流量qが、比例下限空気流量QMINI から学習ステッ
プ空気流量ΔQに下限更新カウンタiを乗じたものを減
算したものより大きい場合は、まだバイパス空気流量q
の絞り込みが続行されていると判断され、この「下限デ
ューティ比更新処理」を一旦終了する。一方、ステップ
S580において、バイパス空気流量qが、比例下限空
気流量QMINI から学習ステップ空気流量ΔQに下限更新
カウンタiを乗じたものを減算したものに等しいか小さ
い場合は、学習ステップ空気流量ΔQ分のバイパス空気
流量qの絞り込みが終了したと判断されてステップS5
90に移行する。
【0063】このステップS590において、下限更新
許可フラグxgpegrが「OFF」であるか、すなわちデュ
ーティ比の下限更新が禁止されているか否かの判断がな
される。下限更新が禁止されていなければステップS6
00に進む。
【0064】このステップS600においては、バイパ
ス空気流量qが、比例下限空気流量QMINI から学習ステ
ップ空気流量ΔQに下限更新カウンタ(i)に+1した
ものを乗じたものを減算したものより大きいか否かの判
断がなされる。バイパス空気流量qが、比例下限空気流
量QMINI から学習ステップ空気流量ΔQに下限更新カウ
ンタ(i)に+1したものを乗じたものを減算したもの
より大きい場合は、まだバイパス空気流量qの絞り込み
が続行されていると判断され、この「下限デューティ比
更新処理」を一旦終了する。
【0065】一方ステップS600において、バイパス
空気流量qが、比例下限空気流量QMINI から学習ステッ
プ空気流量ΔQに下限更新カウンタ(i)に+1したも
のを乗じたものを減算したものに等しいか又は小さい場
合には、ステップS610に移行し学習終了フラグxgen
dfを「ON」にして学習が終了したとして、この「下限
デューティ比更新処理」を終了する。具体的には、図9
(f)の点線で示すように、時刻t2にバイパス空気流
量qが、QMINI −ΔQ×2に等しくなった場合、学習終
了フラグxgendfは同時刻t2に「ON」となる。
【0066】これは、図8の破線LA1及び図9(e)
の破線LA2に示すように、デューティ比が学習下限デ
ューティ比dcalm(1) に達する間に学習ステップ空気流
量ΔQの2ステップ分の空気流量(ΔQ×2)が絞り込
まれたため絞り込みが急であるとし、ここで学習を終了
させるためである。
【0067】一方、ステップS590において、下限更
新許可フラグxgpegrが「OFF」であると判断されると
ステップS620に移行し、現在設定されている出力デ
ューティ比dopが更新デューティ比 drnw(i) として
設定される。また、更新値カウンタKが1つインクリメ
ントされる。この更新値カウンタKは、図9(h)に示
すように、更新デューティ比 drnw(i) が求まるごとに
インクリメントされるもので、その時点で求まっている
更新デューティ比 drnw(i) の個数を示している。例え
ば更新値カウンタK=3であった場合、それは、その時
点で更新デューティ比 drnw(i) が3個求まっているこ
とを意味する。続いてステップS630に移行し、更に
デューティ比の下限更新を許可するために、下限更新許
可フラグxgpegrが「ON」とされる。例えば図9(c)
に示すように、更新デューティ比drnw(1) が求まった
場合、下限更新許可フラグxgpegrは時刻t3に「ON」
となる。そして、この「下限デューティ比更新処理」が
終了する。
【0068】このような「下限デューティ比更新処理」
が繰り返し行われることにより、当該領域におけるバイ
パス空気流量qとデューティ比との関係が学習され、後
述する「dcal→dop変換処理」に必要な更新デュ
ーティ比 drnw(i) データが蓄積される。
【0069】ここで、アイドル時バイパス空気流量qを
絞り込んだとき、「下限デューティ比更新処理」(学習
処理)により更新デューティ比 drnw(i) が2個まで求
まったときの処理態様の例を、図9のタイムチャートを
用いて説明する。
【0070】図9において、時刻t0をISCフィード
バック条件フラグxiscf が成立した時刻とする。すなわ
ち、時刻t0で図9(b)に示すISCフィードバック
条件フラグxiscf が「ON」となりバイパス空気流量q
の絞り込み制御(フィードバック制御)を開始する。
【0071】時刻t1において、図9(d)に示す計算
デューティ比dcalが比例下限デューティ比DCALMIN0
に達し、図9(e)に示すバイパス空気流量qが比例下
限空気流量QMINI に達するとともに、「下限デューティ
比更新処理」の第1回目の学習が開始される。そのた
め、同時刻t1において図9(a)に示す下限更新カウ
ンタiが「1」とされ、学習下限デューティ比dcalm
(1) が設定されるとともに、図9(c)に示す下限更
新許可フラグxgpegrが「OFF]とされる。
【0072】なお、上述したように、バイパス空気流量
qの絞り込みが図9(e)の点線LA2で示すように急
激で、計算デューティ比dcalが学習下限デューティ
比dcalm(1) に達する以前に学習ステップ空気流量ΔQ
の2ステップ分の空気流量(ΔQ×2)が絞り込まれる
ような場合は、時刻t2において学習を終了する。その
ため、図9(f)の点線で示すように、学習終了フラグ
xgendfが同時刻t2において「ON」とされる。
【0073】続いて時刻t3において、図9(e)の実
線で示すバイパス空気流量qが比例下限空気流量QMINI
から学習ステップ空気流量ΔQの流量分が絞り込まれた
ときの計算デューティ比dcalが、図9(d)に示す
ように更新デューティ比 drnw(1) とされるとともに、
図9(c)に示す下限更新許可フラグxgpegrが「ON]
とされる。また、図9(h)に示すように更新値カウン
タKが「1」とされる。さらにバイパス空気流量qが絞
り込まれ時刻t4において図9(d)に示す計算デュー
ティ比dcalが学習下限デューティ比dcalm(1) に達
すると、図9(a)に示す下限更新カウンタiが「2」
とされ、図9(d)に示す態様で学習下限デューティ比
dcalm(2) が設定されるとともに図9(c)に示す下限
更新許可フラグxgpegrが「OFF]とされる。
【0074】なお、上述したように、バイパス空気流量
qの絞り込みが図9(e)の点線LB2で示すように飽
和し、同時刻t4においても学習ステップ空気流量ΔQ
の絞り込みができない場合は、この時刻t4において学
習を終了する。そのため、図9(f)の点線で示すよう
に、学習終了フラグxgendfが時刻t2の場合と同様に同
時刻t4において「ON」とされる。
【0075】続いて時刻t5において、図9(e)の実
線で示すバイパス空気流量qが比例下限空気流量QMINI
から学習ステップ空気流量ΔQ×2の流量分が絞り込ま
れると、上記時刻t3と同様にそのときの計算デューテ
ィ比dcalが、図9(d)に示すように更新デューテ
ィ比 drnw(2) とされるとともに図9(c)に示す下限
更新許可フラグxgpegrが「ON]とされる。また、図9
(h)に示すように更新値カウンタKが「2」とされ
る。
【0076】さらにバイパス空気流量qが絞り込まれ時
刻t6において図9(d)に示すように計算デューティ
比dcalが学習下限デューティ比dcalm(2) に達する
と、図9(a)に示す下限更新カウンタiが「3」とさ
れ、図9(d)に示す態様で学習下限デューティ比dcal
m(3) が設定されるとともに図9(c)に示す下限更新
許可フラグxgpegrが「OFF]とされる。
【0077】続く時刻t7においては、図9(d)に示
すように計算デューティ比dcalは学習下限デューテ
ィ比dcalm(3) に達しているが、図9(d)に示すよう
にバイパス空気流量qの絞り込みは飽和しているため、
図9(f)に示す学習終了フラグxgendfが同時刻t7に
おいて「ON」とされ学習が終了する。
【0078】なお図8は、図9に示した態様での「下限
デューティ比更新処理」に対応するバイパス空気流量q
と計算デューティ比dcalとの関係を示したものであ
る。こうして「下限デューティ比更新処理」が終了する
と、図4に示すステップS120に移行し「dcal→
dop変換処理」を行う。
【0079】この「dcal→dop変換処理」を図7
に示すフローチャート及び図8、図10〜図14に基づ
いて説明する。この「dcal→dop変換処理」にお
いては、学習により得られる更新デューティ比 drnw
(i) に基づいて、計算デューティ比dcalが出力デ
ューティ比dopに変換され、上述したバイパス空気流
量qとデューティ比との非比例関係が補正される。
【0080】まずステップS700において、更新値カ
ウンタKが「0」であるか否か、すなわち更新デューテ
ィ比drnw(i) がまだ1 個も求まっていないか否かが判
断される。更新値カウンタKが「0」である場合、すな
わち、比例下限空気流量QMINI 以下へのバイパス空気流
量qの絞り込みが初めて行われ、更新デューティ比drnw
(i) がまだ1 個も求まっていない場合は、ステップS
710に移行する。このステップS710において、計
算デューティ比dcalがそのまま出力デューティ比d
opとして設定される。そして、この「dcal→do
p変換処理」を終了する。なお、この場合の計算デュー
ティ比dcalと出力デューティ比dopの変換マップ
(以下、単に「変換マップ」と記す)DDMを図示する
と、図10に示すような理想直線RDDM 上の一部とな
る。
【0081】一方ステップS700において、更新値カ
ウンタKが「0」でないと判断された場合には、ステッ
プS720に移行してカウンタjが「0」か否かを判断
する。このステップS720で、カウンタjが「0」に
等しいと判断された場合はステップS730に移行して
カウンタjを「1」としてステップS740に移行す
る。一方ステップS720において、カウンタjが
「0」に等しくないと判断された場合はステップS74
0にジャンプする。
【0082】このステップS740においては、計算デ
ューティ比dcalがデューティ比dcalQ(j)よ
り小さいか否かの判断がなされる。ここでデューティ比
dcalQ(j)は、図8に示すように、学習ステップ
空気流量ΔQ毎に対応した空気流量とデューティ比の対
応マップ(以下、単に「対応マップ」と記す)QDMの
理想直線RQDM 上のデューティ比である。計算デューテ
ィ比dcalがデューティ比dcalQ(j)より大き
いか等しい場合は、ステップS750に移行して下式、 dop=drnw(j) +(dcal−dcalQ(j))
×(drnw(j−1) −drnw(j) )/(dcalQ(j
−1)−dcalQ(j)) に基づいて出力dopが求められる。そして、この「d
cal→dop変換処理」を終了する。
【0083】このステップS750にかかる処理を図1
1に基づいて説明する。同図11おいては、更新値カウ
ンタK=1として更新デューティ比 drnw(1) が、カウ
ンタj=1としてデューティ比dcalQ(1)が既に
それぞれ求まっているとする。しかも上述したようにd
calがデューティ比dcalQ(1)より大きい場合
であり、出力デューティ比dopは前式により dop= drnw (1) +Δdop1= drnw (1) +
(dcal−dcalQ(1))×(drnw(0) −drnw
(1) )/(dcalQ(0)−dcalQ(1)) として求まる。なお、ここで求まるdop出力デューテ
ィ比は、同図11に示すように計算デューティ比dca
lよりも小さい値となる。
【0084】一方、ステップS740において、計算デ
ューティ比dcalがデューティ比dcalQ(j)よ
り小さい場合は、ステップS760に移行してカウンタ
jを1つインクリメントする。
【0085】続くステップS770においては、カウン
タjが更新値カウンタKより大きい否かの判断を行い、
カウンタjが更新値カウンタKに等しいか小さいと判断
された場合は、同ルーチンを一旦終了し、次回以降の当
該ルーチンにおいてステップS740〜ステップS77
0の処理を繰り返す。
【0086】一方、ステップS770においてカウンタ
jが更新値カウンタKより大きいと判断された場合には
ステップS780に移行し、更新値カウンタK値がカウ
ンタj値とされる。例えばカウンタj=2で更新値カウ
ンタK=1とすると、ステップS780において、カウ
ンタj=1と設定される。
【0087】続くステップS790においては、下式、 dop=drnw(j) −(dcalQ(j)−dcal)
×(drnw(j−1) −drnw(j) )/(dcalQ(j
−1)−dcalQ(j)) に基づいて出力dopが求められる。そして、この「d
cal→dop変換処理」を終了する。
【0088】このステップS790にかかる処理を図1
2に基づいて説明する。同図12においては、更新値カ
ウンタK=1として更新デューティ比 drnw(1) が、カ
ウンタj=1としてデューティ比dcalQ(1)が既
にそれぞれ求まっているものとする。しかもステップS
740で判断されたように、dcalがデューティ比d
calQ(1)より小さい場合であり、出力デューティ
比dopは前式により dop=drnw(1) −Δdop2=drnw(1) −(dc
alQ(1)−dcal)×(drnw(0) −drnw(1)
)/(dcalQ(0)−dcalQ(1)) として求まる。なお、ここで求まるdop出力デューテ
ィ比は、同図12に示すように計算デューティ比dca
lよりも小さい値となる。
【0089】次に、この「dcal→dop変換処理」
の例として、更新値カウンタK=2として、計算デュー
ティ比dcalがdcalQ(1)より小さく、dca
lQ(2)より大きい場合を、図13に基づいて説明す
る。
【0090】この場合の「dcal→dop変換処理」
は、まずステップS700においてK=0でないと判断
され、ステップS730に進む。続くステップS740
において「YES」と判断され、ステップS760にお
いてカウンタj=2と設定される。続くステップS77
0で「NO」と判断され、同「dcal→dop変換処
理」を一旦終了する。そして、次回の同処理のステップ
S740において「NO]と判断されステップS750
に移行し、dopが下式 dop=drnw(2) +Δdop3=drnw(2) +(dc
al−dcalQ(2))×(drnw(1) −drnw(2)
)/(dcalQ(1)−dcalQ(2)) として求まる。なお、ここで求まるdop出力デューテ
ィ比は、図13に示すように計算デューティ比dcal
よりも小さい値となる。
【0091】この「dcal→dop変換処理」が終了
すると図4に示すステップステップS130に移行し、
上記ステップS120において設定された出力デューテ
ィ比dopが出力されてこの「デューティ比算出ルーチ
ン」が終了する。
【0092】なお、この「デューティ比算出ルーチン」
が繰り返し実行されることにより、すなわち前記「dc
al→dop変換処理」が繰り返し実行されることによ
り、図14に示すような変換マップDDMが作成され
る。そして、この変換マップDDMのデータは前記RA
M54に記憶されるものである。そのため、エンジンが
オフアイドル状態からアイドル状態に入り、そのアイド
ル回転数の制御がバイパス空気流量qと出力デューティ
比dopとが比例関係にないアイドル回転数が低い領域
におよんだ場合においては、前記RAM54に記憶され
た変換マップDDMのデータを利用したアイドル回転数
の制御が行われる。すなわち、必要バイパス空気流量q
を得るための出力デューティ比dopが計算デューティ
比値に対応した出力デューティ比値をRAM54から読
み出すだけで得られる。この場合、まだ変換マップDD
Mにデータ化されていない「dcal→dop変換デー
タ」に関しては、補間により算出するものとする。その
ため、より精度の高い制御が実行されるとともに、その
制御時間も好適に短縮されるようになる。
【0093】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば次のような効果が得られるようになる。 ・バイパス空気流量qと出力デューティ比dopとが比
例関係にないアイドル回転数が低い領域まで、同アイド
ル回転数の好適且つ速やかな制御が可能となる。その結
果、燃費の向上が図られる。
【0094】・比例関係にない低バイパス空気流量域の
バイパス空気流量qと出力デューティ比dopとのマッ
プが学習によって得られるため、個々のエンジン特性に
対応したアイドル回転数制御が可能となる。
【0095】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
るものではなく、以下のように構成することもできる。 ・本実施の形態では、学習ステップ空気流量ΔQを学習
回数に限らず所定の一定値としたが、これに限定される
ものではない。例えば学習回数が増す毎に同学習ステッ
プ空気流量ΔQを減らすように、あるいは増加させるよ
うにしてもよい。
【0096】・本実施の形態では、学習ステップデュー
ティ比ΔDを学習回数に限らず所定の一定値としたが、
これに限定されるものではない。例えば学習回数が増す
毎に同学習ステップデューティ比ΔDを減らすように、
あるいは増加させるようにしてもよい。
【0097】・本実施の形態では、「下限デューティ比
更新処理(図6)」のステップS600及びステップS
610において、デューティ比が学習下限デューティ比
dcalm(i) に達する間に学習ステップ空気流量ΔQの2
ステップ分の空気流量(ΔQ×2)が絞り込まれた場
合、絞り込みが急であるためここで学習を終了させる処
理をしたが、これに限定されるものではない。ここで学
習を終了させずに更に学習を続行させるようにしてもよ
い。
【0098】・本実施の形態では、リニアソレノイド式
のISCV23を使用したが、この代わりに、ロータリ
ソレノイド式のISCV23を使用しても良い。 ・本実施の形態では、空気流量として空気体積を用いた
が、空気体積の代わりに空気質量を使用しても良い。す
なわち、空気質量は空気体積に密度γを乗算することに
より得ることができる。なお、この場合には、エアーフ
ローメータ32として、空気流量としての質量流量が検
出可能な熱線式エアフローメータを使用する。
【0099】・本実施の形態では、アイドル状態の検出
にアイドルスイッチを使用したが、これに代えてスロッ
トルセンサ31により検出されるスロットルバルブ開度
が所定値未満であることの情報に基づいてアイドル状態
を認識するようにしてもよい。
【0100】・本実施の形態では、ISCV23の駆動
信号としてデューティ比制御される電圧信号を使用した
がこれに限定されるものではない。例えば、駆動信号と
してリニア制御される電流信号等であってもよい。
【0101】
【発明の効果】本発明によれば、従来アイドル回転数制
御が行われなかったバイパス空気流量の小さい領域にお
いても精度の高いアイドル回転数制御を迅速に行うこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の内燃機関のアイドル回転数制御装置
の一実施の形態が適用されるガソリンエンジンシステム
を示す概略構成図。
【図2】同じくECU等の構成を示すブロック図。
【図3】同実施の形態の「イニシャルルーチン」の処理
手順を示すフローチャート。
【図4】同実施の形態の「デューティ比算出ルーチン」
の処理手順を示すフローチャート。
【図5】同実施の形態の「フィードバック処理」の処理
手順を示すフローチャート。
【図6】同実施の形態の「下限デューティ比更新処理」
の処理手順を示すフローチャート。
【図7】同実施の形態の「dcal→dop変換処理」
の処理手順を示すフローチャート。
【図8】低空気流量域のバイパス空気流量とデューティ
比との関係を示す線図。
【図9】「デューティ比算出ルーチン」での処理態様を
示すタイムチャート。
【図10】計算デューティ比dcalと出力デューティ
比dopとの関係を示す線図。
【図11】計算デューティ比dcalと出力デューティ
比dopとの関係を示す線図。
【図12】計算デューティ比dcalと出力デューティ
比dopとの関係を示す線図。
【図13】計算デューティ比dcalと出力デューティ
比dopとの関係を示す線図。
【図14】計算デューティ比dcalと出力デューティ
比dopとの関係を示す線図。
【図15】バイパス空気流量とデューティ比との関係を
示す線図。
【図16】バイパス空気流量とデューティ比との関係を
示す線図。
【符号の説明】
1…エンジン、9…吸気ポート、11…吸気通路、19
…スロットルバルブ、22…バイパス通路、23…IS
CV、31…スロットルセンサ、32…エアーフローメ
ータ、51…ECU、52…CPU。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の吸気通路の途中に設けられ同内
    燃機関への吸入空気流量を検出する空気流量検出手段
    と、前記吸気通路に設けられるスロットルバルブを迂回
    するようにして設けられたバイパス通路と、該バイパス
    通路の途中に設けられその駆動信号の大きさに基づき同
    バイパス通路内の空気流量の調整を行うアイドルスピー
    ドコントロールバルブとを備える内燃機関のアイドル回
    転数制御装置において、 前記バイパス通路の空気流量を絞り込んだとき、前記駆
    動信号が前記空気流量検出手段により検出される空気流
    量との比例関係のなくなる値に達したかどうかを判断す
    る判断手段と、 前記駆動信号が前記空気流量との比例関係のなくなる値
    に達したことの判断に基づきそれら空気流量と駆動信号
    との関係を学習する学習手段と、 前記学習された空気流量と駆動信号との関係に基づきそ
    の比例関係が維持される方向に前記駆動信号の値を補正
    する補正手段とを設けたことを特徴とする内燃機関のア
    イドル回転数制御装置。
  2. 【請求項2】前記駆動信号はデューティ比制御される電
    圧信号であり、 前記学習手段は所定の学習範囲を設定し、所定の絞り込
    み空気流量毎に前記空気流量と前記デューティ比との関
    係を学習するものであり、 前記補正手段は前記所定の学習範囲に対応して求められ
    るデューティ比を、前記学習手段によって学習された空
    気流量とデューティ比との関係に基づき減少補正するも
    のであることを特徴とする請求項1記載の内燃機関のア
    イドル回転数制御装置。
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