JPH10339193A - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置

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JPH10339193A
JPH10339193A JP14785497A JP14785497A JPH10339193A JP H10339193 A JPH10339193 A JP H10339193A JP 14785497 A JP14785497 A JP 14785497A JP 14785497 A JP14785497 A JP 14785497A JP H10339193 A JPH10339193 A JP H10339193A
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JP
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air
fuel ratio
correction value
fuel
internal combustion
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JP14785497A
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Kenta Ito
健太 伊藤
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】パージ制御中、かつフィードバック制御中にお
いて、排気臭対策制御が行われる場合、オーバーリーン
とならないようにし、ドライバビリティの悪化や、エン
ジンストール等の不具合の発生を防止する。 【解決手段】パージ制御中で、空燃比がリーンのため極
端にリッチ補正している時に、排気臭発生条件が成立し
て、排気臭対策制御(ステップ300〜ステップ38
0)が行われると、ステップ310、ステップ340、
ステップ360で、空燃比フィードバック制御によって
行われている積分補正に関わる時間(積分時間)の長さ
に応じて、空燃比補正値FAFが設定される。そして、
燃料補正量は、この設定された空燃比補正値FAFに基
づいて算出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は内燃機関に供給さ
れる可燃混合気の空燃比を制御するようにした空燃比制
御装置に関する。詳しくは、燃料タンクで発生する燃料
蒸気(fuel vapor)を可燃混合気に加えることを前提とし
て空燃比を制御するようにした内燃機関の空燃比制御装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、内燃機関より排出される排ガス
中の代表的な有害成分には、窒素酸化物NOx,及び可
燃性炭素化合物である一酸化炭素CO,炭化水素HC等
がある。従来から、例えば、前記有害成分を同時に除去
できる三元触媒、或いは炭化水素化合物のみを除去でき
る酸化触媒を用いて、前記有害成分を除去するようにし
た排ガス浄化装置が実用化されている。これらの触媒を
用いて排ガス浄化対策が施された自動車用エンジンにお
いては、その排ガスの浄化効率を保つためにも排ガスの
空燃比(以下、排気空燃比という)を厳密に理論空燃比
近傍に保持する必要があり、そのため、例えば酸素セン
サ等の排気ガス中の特定成分の濃度を検出する濃度セン
サと高圧燃料を噴射するめたのインジェクタの開弁時間
を制御することによって混合気の空燃比を制御する電子
制御燃料噴射装置とを用いて、前記酸素センサ等の濃度
センサにより検知される排気空燃比と目標空燃比との偏
差に応じて、インジェクタの開弁時間をフィードバック
制御するようにした内燃機関の空燃比制御方法が採用さ
れている(空燃比フィードバック制御)。
【0003】上記のような排気空燃比を要求空燃比とす
る基本的な空燃比制御とともに、内燃機関の特殊な運転
状態に適合するような空燃比制御も併用されている。例
えば、前記した触媒が高温であり、かつ、この触媒に送
られる排ガスが理論空燃比近傍の濃いものでその流量が
少ないときには、硫化水素が多く生成され、これが人の
嗅覚を刺激して不快感を与えるという問題がある。
【0004】そこで、このような排気臭発生条件が成立
するときは、内燃機関に供給する燃料を減量し、空燃比
をリーン側に制御する排気臭対策制御が採用されてい
る。例えば、空燃比フィードバック制御において、FA
F(空燃比補正値)が1.0付近の制御中に、スキップ
タイミングにおいて、強制的に0.9に移動させて、A
/F(空燃比)をリーンとし、排気臭を減少させること
が行われている。
【0005】上記の排気臭対策制御では、スロットル弁
開度が全閉である運転状態において、特に硫化水素ガス
臭の問題が顕著となる運転領域では、空燃比を理論空燃
比よりわずかにリーン側に制御し、運転性の悪化や、N
Ox排出量の増加を抑制し、かつ硫化水素ガス臭による
不快感を解決するものである。
【0006】ところで、車両等に搭載される装置の一つ
として、燃料蒸気処理装置がある。この処理装置は燃料
タンクで発生する燃料蒸気をキャニスタに捕集する。こ
の処理装置はキャニスタに捕集された燃料蒸気(ベー
パ)を、パージ制御により、キャニスタから吸気通路へ
パージする。吸気通路へパージされた燃料は、燃料供給
装置により燃焼室に供給される本来の混合気に加えられ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように燃料蒸気
処理装置を備えた場合において、上記のような排気臭対
策制御が行われると、高温時等により大量のベーパが発
生しているときであって、かつパージ制御中、かつ空燃
比フィードバック制御中の場合、不規則なベーパ濃度の
ものをパージしているため、空燃比補正値が1.0付近
で制御できない場合がある。
【0008】特に、図7に示すように、パージ制御中
で、極端にリッチ補正(A/Fリーンのため)している
時に、排気臭発生条件が成立して、排気臭対策制御が行
われると、FAF(空燃比補正値、同図においては、実
線で示している。)が例えば1.2付近まで、積分して
いても、次のスキップタイミングで0.9まで強制的に
駆動してしまうことになる。
【0009】なお、一般的には、ベーパが規則的に発生
している場合には、パージ制御を行うと、ベーパ分、A
/F(空燃比)がリッチになるため、空燃比フィードバ
ック制御によってFAF(空燃比補正値)はリーン補正
される。しかし、パージ制御中で、空燃比フィードバッ
ク制御によって極端にリッチ補正する場合とは、高温時
に、燃料タンクからのベーパ(含む生ガス)が不規則に
発生したとき、FAFは(リーン側に過補正している
時)、リッチ側に補正しなければならない場合のことで
ある。
【0010】この結果、予期せぬA/F(空燃比)リー
ンが発生し、ドライバビリティの悪化や、エンジンスト
ール等の不具合が発生する虞がある。この発明は前述し
た事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、燃
料タンクで発生する燃料蒸気を内燃機関に供給される可
燃混合気に付加(パージ)するようにした内燃機関にお
いて、パージ制御中、かつ空燃比フィードバック制御中
において、排気臭対策制御が行われる場合、オーバーリ
ーンとならないようにし、ドライバビリティの悪化や、
エンジンストール等の不具合が発生することがなく、内
燃機関の空燃比を安定的に調整することを可能にした内
燃機関の空燃比制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明は、内燃機関に供給される
空気と燃料の空燃比を所定空燃比に合致させるために、
燃料供給手段をもって前記内燃機関に供給すべき燃料量
を制御するようにした空燃比制御装置であって、前記内
燃機関から排出される排気ガス中の特定成分の濃度を検
出するための濃度検出手段と、前記濃度検出手段による
検出値が基準値以上の状態、又は基準値以下の状態にな
ったことに基づいてその状態の経過時間のカウントを開
始するカウント手段と、前記所定空燃比に合致させるた
めに、前記濃度検出手段の検出値に基づき、比例定数を
もって比例補正を行うと共にその後に積分定数をもって
前記カウント手段のカウント中は積分補正を行うことに
より、前記空燃比に係る空燃比補正値を算出するための
補正値算出手段と、前記内燃機関に所定の排気臭発生条
件が成立する時、前記補正値算出手段に係る算出値に優
先して燃料量を調整し、前記空燃比とは異なる空燃比と
するため排気臭防止補正値を設定する排気臭防止補正値
設定手段と、前記内燃機関に所定の排気臭発生条件が不
成立の時には前記補正値算出手段に係る空燃比補正値に
応じて、又は、前記内燃機関に所定の排気臭発生条件が
成立する時には、排気臭防止補正値設定手段が設定した
排気臭防止補正値に応じて前記内燃機関に供給すべき燃
料量を補正するための燃料量補正手段と、燃料を貯留す
るための燃料タンクで発生する燃料蒸気を内燃機関へ流
して処理するための処理手段と、同処理手段を制御する
燃料蒸気処理制御手段とを有する内燃機関の空燃比制御
装置において、前記排気臭防止補正値設定手段は、前記
燃料蒸気処理制御手段が制御中は、前記カウント手段が
カウントしている経過時間の長さに応じた補正値を設定
することを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置を要旨
としている。
【0012】請求項2の発明は、前記排気臭防止補正値
設定手段において、前記カウント手段がカウントしてい
る経過時間の長さに応じて設定する補正値には、前記所
定空燃比よりも大きな空燃比とするための補正値が含ま
れることを特徴とする請求項に記載の内燃機関の空燃比
制御装置をその要旨としている。ここで、所定空燃比と
は、理論空燃比等のように目標空燃比となるものであ
り、所定空燃比より大きいとは、例えば、理録空燃比よ
りもリーン側にすることである。
【0013】請求項3の発明は、前記排気臭防止補正値
設定手段において、前記カウント手段がカウントしてい
る経過時間の長さに応じて設定する補正値には、前記所
定空燃比よりも小さな空燃比とするための補正値が含ま
れることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の空燃
比制御装置をその要旨としている。
【0014】ここで、所定空燃比より小さいとは、例え
ば、理録空燃比よりもリッチ側にすることである (作用)上記の請求項1に記載の発明の構成によれば、
濃度検出手段は、内燃機関から排出される排気ガス中の
特定成分の濃度を検出する。カウント手段は、前記濃度
検出手段による検出値が基準値以上の状態、又は基準値
以下の状態になったことに基づいてその状態の経過時間
のカウントを開始する。
【0015】補正値算出手段は、所定空燃比に合致させ
るために、前記濃度検出手段の検出値に基づき、比例定
数をもって比例補正を行うと共にその後に積分定数をも
って前記カウント手段のカウント中は積分補正を行うこ
とにより、前記空燃比に係る空燃比補正値を算出する。
【0016】排気臭防止補正値設定手段は、内燃機関に
所定の排気臭発生条件が成立する時、前記補正値算出手
段に係る算出値に優先して燃料量を調整し、前記空燃比
とは異なる空燃比とする。
【0017】燃料量補正手段は、内燃機関に所定の排気
臭発生条件が不成立の時には前記補正値算出手段に係る
空燃比補正値に応じて、又は、前記内燃機関に所定の排
気臭発生条件が成立する時には、排気臭防止補正値設定
手段が設定した排気臭防止補正値に応じて前記内燃機関
に供給すべき燃料量を補正する。
【0018】処理手段は、燃料蒸気処理制御手段の制御
により、燃料を貯留するための燃料タンクで発生する燃
料蒸気を内燃機関へ流して処理する。そして、前記排気
臭防止補正値設定手段は、前記燃料蒸気処理制御手段が
制御中は、前記カウント手段がカウントしている経過時
間の長さに応じた補正値を設定する。
【0019】請求項2の発明によれば、前記排気臭防止
補正値設定手段において、前記カウント手段がカウント
している経過時間の長さに応じて設定する補正値には、
前記所定空燃比よりも大きな空燃比とするための補正値
が含まれる。
【0020】請求項3の発明によれば、前記排気臭防止
補正値設定手段において、前記カウント手段がカウント
している経過時間の長さに応じて設定する補正値には、
前記所定空燃比よりも小さな空燃比とするための補正値
が含まれる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係る内燃機関の
空燃比制御装置を自動車に具体化した一実施形態を図面
を参照して詳細に説明する。
【0022】図1は内燃機関としての自動車用多気筒エ
ンジン1の概略構成を示す図である。エンジン1はシリ
ンダ2内にピストン3を備えており、このピストン3の
上方に形成された燃焼室4には、吸気通路5及び排気通
路6が連通している。燃焼室4と吸気通路5との連通部
分及び燃焼室4と排気通路6との連通部分は、吸気バル
ブ7及び排気バルブ8によって開閉される。
【0023】前記エンジン1は、吸気通路5からの吸入
空気と、燃料供給手段を構成するインジェクタ9から噴
射される燃料とからなる混合気を、吸気バルブ7を介し
て燃焼室4内へ導入する。エンジン1には点火プラグ1
1が装着されており、同点火プラグ11にはディストリ
ビュータ12で分配された点火電圧が印加される。ディ
ストリビュータ12は、イグナイタ13から出力される
高電圧をエンジン1のクランク角に同期して各点火プラ
グ11に分配するためのものであり、各点火プラグ11
の点火タイミングはイグナイタ13からの高電圧出力タ
イミングにより決定される。そして、エンジン1は点火
プラグ11により前記混合気を燃焼室4内で爆発させて
駆動力を得た後、その排気ガスを排気バルブ8を介して
排気通路6へ排出する。
【0024】なお、前記ディストリビュータ12には、
そのロータの回転を検出してエンジン回転信号を出力す
る回転数センサ14が設けられている。又、エンジン1
のシリンダブロック1aには、エンジン1の冷却水の水
温(冷却水温)THWを検出する水温センサ15が取付
けられている。
【0025】前記吸気通路5の一部には、吸気の脈動を
抑えるためのサージタンク16が設けられ、そのサージ
タンク16には吸気圧PMを検出するダイヤフラム式の
圧力センサ17が取付けられている。サージタンク16
の上流側には、アクセルペダル(図示しない)の操作に
連動して開閉されるスロットルバルブ18が設けられて
おり、このスロットルバルブ18の開閉により吸気通路
5への吸入空気量が調節される。スロットルバルブ18
の近傍には、そのスロットル開度TAを検出するスロッ
トルセンサ19と、そのスロットルバルブ18が全閉状
態のときオンとなるアイドルスイッチ20が取付けられ
ている。
【0026】さらに、前記スロットルバルブ18の上流
側にはエアクリーナ23が配設され、そのエアクリーナ
23の近傍には、吸気温THAを検出するための吸気温
センサ24が取付けられている。
【0027】一方、前記排気通路6には、排気ガス中の
酸素濃度を検出する酸素センサ25、及び排気ガス(H
C,CO,NOx )を浄化するための三元触媒コンバー
タ26が取付けられている。
【0028】加えて、車両に搭載された燃料タンク31
の上部にはベーパ通路33を介してキャニスタ34が接
続されており、同燃料タンク31で発生した蒸発燃料が
ベーパ通路33を通ってキャニスタ34に導かれるよう
になっている。キャニスタ34は、活性炭が収納された
蒸発燃料の吸着容器であり、前記蒸発燃料がこの活性炭
に一旦吸着されるようになっている。
【0029】前記キャニスタ34はパージ通路38を介
してスロットルバルブ18近傍のセンシングポート5a
に接続され、同キャニスタ34内の蒸発燃料がエンジン
1に吸入されるようになっている。パージ通路38の途
中には、パージコントロールバルブ39が設けられてい
る。このパージコントロールバルブ39は、前記パージ
通路38を開閉することにより、前記キャニスタ34か
ら吸気通路5へ導かれる蒸発燃料のパージ量を調節する
ためのものである。
【0030】この実施形態において、パージコントロー
ルバルブ39は、パージ通路38を通過する蒸発燃料の
量をエンジン1の必要性に応じて調整する。パージコン
トロールバルブ39はケーシングと弁体(共に図示しな
い)を含む。このパージコントロールバルブ39は電気
信号に基づいて弁体を移動させる電磁弁であり、デュー
ティ信号を受けて開度がデューティ制御される。この実
施形態において、ベーパ通路33、キャニスタ34及び
パージ通路38、パージコントロールバルブ39は処理
手段を構成する。
【0031】前記回転数センサ14、水温センサ15、
圧力センサ17、スロットルセンサ19、アイドルスイ
ッチ20、吸気温センサ24及び酸素センサ25は運転
状態検出手段を構成しており、これらは電子制御装置
(以下、単に「ECU」という)41の入力側に電気的
に接続されている。前記酸素センサ25は、濃度検出手
段に相当する。又、各インジェクタ9、及びイグナイタ
13は、ECU41の出力側に電気的に接続されてい
る。そして、ECU41は前記各種センサ等からの検出
信号に基づいて各インジェクタ9、及びイグナイタ13
を好適に制御する。
【0032】次に、前記ECU41の構成について図2
のブロック図に従って説明する。ECU41は、補正値
算出手段、燃料量補正手段、排気臭防止補正値設定手
段、及び燃料蒸気処理制御手段を構成する中央処理装置
(CPU)42と、読出し専用メモリ(ROM)43
と、ランダムアクセスメモリ(RAM)44と、バック
アップRAM45と、タイマカウンタ55と、クロック
発生器46と、入力ポート48,49と、出力ポート5
1,52,53と、カウント手段を構成するタイマカウ
ンタ55と、を備え、これらは互いにバス56によって
接続されている。CPU42は、予め設定された制御プ
ログラムに従って各種演算処理を実行し、ROM43は
CPU42で演算処理を実行するために必要な各種制御
プログラム、例えば、パージ制御、空燃比フィードバッ
ク制御を実行するための制御プログラムや初期データを
予め記憶している。空燃比フィードバック制御とは、酸
素センサ25により検知される排気空燃比と所定空燃比
としての目標空燃比(理論空燃比)との偏差に応じて、
インジェクタ9の開弁時間をフィードバック制御するこ
とである。
【0033】又、RAM44はCPU42の演算結果を
一時記憶する。バックアップRAM45は電源が切られ
た後にも、各種データを保持するようバッテリによって
バックアップされている。クロック発生器46は、その
マスタークロックをCPU42へ供給する。タイマカウ
ンタ55では、同時に複数のカウント動作を行うことが
できる。
【0034】前記スロットルセンサ19からのスロット
ル開度信号は、バッファ57、マルチプレクサ58、A
/D変換器59を介して入力ポート48に入力される。
圧力センサ17からの圧力信号は、フィルタ61、バッ
ファ62、マルチプレクサ58、A/D変換器59を介
して入力ポート48に入力される。水温センサ15から
の水温信号はバッファ63、マルチプレクサ58、A/
D変換器59を介して入力ポート48に入力される。吸
気温センサ24からの吸気温信号はバッファ64、マル
チプレクサ58、A/D変換器59を介して入力ポート
48に入力される。マルチプレクサ58は前記スロット
ル開度信号、圧力信号、水温信号及び吸気温信号を選択
的に出力し、A/D変換器59はそれらの信号をディジ
タル信号に変換する。なお、上記のフィルタ61は、圧
力センサ17の圧力信号中に含まれる、吸気管圧力の脈
動成分を除去するためのものである。
【0035】又、酸素センサ25からの酸素濃度信号は
バッファ65、コンパレータ66を介して入力ポート4
9に入力される。回転数センサ14からのエンジン回転
信号は波形整形回路67を介して入力ポート49に入力
される。車速センサ28は、スピードメータケーブルに
設けられた永久磁石及びリードスイッチより構成され、
車速SPDに比例した周波数のパルス信号を発生する。
同車速センサ28からの信号は、波形整形回路72を介
して入力ポート49に入力される。アイドルスイッチ2
0からのオン・オフ信号はバッファ68を介して入力ポ
ート49に入力される。
【0036】そして、CPU42はこれらの信号により
スロットル開度TA、吸気圧PM、冷却水温THW、吸
気温THA、リッチ・リーン信号、エンジン回転数NE
及びアイドルスイッチ20のオン・オフ信号等を検知す
る。
【0037】一方、CPU42は出力ポート51及び駆
動回路69を介してイグナイタ13を制御し、出力ポー
ト52及び駆動回路70を介してインジェクタ9を開閉
制御する。又、CPU42は出力ポート53及び駆動回
路71を介してパージコントロールバルブ39を制御
し、パージ制御を実行する。このパージ制御によって、
パージコントロールバルブ39が前記パージ通路38を
開閉することにより、前記キャニスタ34から吸気通路
5へ導かれる蒸発燃料のパージ量が調節される。
【0038】次に、前記のように構成されたこの実施形
態の作用及び効果について説明する。図3はCPU42
によって実行される各処理のうち、「燃料噴射量算出ル
ーチン」を示すフローチャートであり、所定の間隔をも
って周期的に実行される。処理がこのルーチンへ移行す
ると、先ずステップ100において、各センサ等14,
15,17,19,24の検出信号に基づき、吸気量G
A(吸気圧PM及びエンジン回転数NEに基づいて算出
される)、吸気温THA、冷却水温THW及びエンジン
回転数NEの値並びにスロットル開度TA等をそれぞれ
読込む。
【0039】続いて、ステップ110において、吸気量
GA及びエンジン回転数NEの値に基づき、基本となる
基本噴射量TAUbを算出する。この基本噴射量TAU
bは所定のマップ(図示しない)を参照して周知の手法
により算出される。この実施形態では、このステップ1
10の処理を実行するCPU42が、エンジン1の運転
状態に応じた基本噴射量TAUbを算出するための基本
噴射量算出手段に相当する。
【0040】次に、ステップ120において、吸気温T
HA及び冷却水温THWの値に基づき、基本噴射量TA
Ubを吸気温THA及び冷却水温THWの程度に応じて
補正するための温度補正値KTHを算出する。この温度
補正値KTHは所定のマップ(図示しない)を参照して
周知の手法により算出される。
【0041】次いで、ステップ130において、エンジ
ン1に供給される空燃比A/Fに係る空燃比補正値FA
Fを読み込む。この補正値FAFは後述する別途の「空
燃比補正値算出ルーチン」、又は、「排気臭対策空燃比
補正値設定ルーチン」により得られるものである。この
補正値FAFは、実際の空燃比A/Fを目標空燃比に合
致させるように、或いは、排気臭対策のために、基本噴
射量TAUbを補正するためのものである。
【0042】このステップ130では、排気臭対策フラ
グFXが「0」に「0」リセットされていれば、空燃比
補正値算出ルーチンで算出された空燃比FAFが採用さ
れ、排気臭対策フラグFXが「1」にセットされていれ
ば、「排気臭対策空燃比補正値設定ルーチン」で得られ
た空燃比補正値FAFを採用する。
【0043】その後、ステップ140において、上記の
各ステップ110〜130で得られた各パラメータTA
Ub,KTH,FAFを乗算することにより、目標噴射
量TAUを算出する。すなわち、このステップ140で
は、基本噴射量TAUbの値を温度補正値KTH及び空
燃比補正値FAFに基づいて補正することにより、エン
ジン1に供給されるべき最終的な目標噴射量TAUを算
出するのである。この実施形態では、ステップ140の
処理を実行するCPU42が、本発明における燃料量補
正手段に相当すると共に、エンジン1に供給すべき目標
噴射量TAUを算出するための目標噴射量算出手段に相
当する。
【0044】そして、ステップ150において、今回求
められた目標噴射量TAUをRAM44に一旦記憶し、
その後の処理を一旦終了する。その後、CPU42は別
途の処理ルーチン(図示しない)に従って、RAM44
より読み出される上記の目標噴射量TAUの値に基づき
各インジェクタ9を駆動することにより、燃料の噴射を
実行する。この燃料噴射の実行に係る処理内容は一般に
周知の技術であることから、ここでは説明を省略する。
【0045】次に、前述した「燃料噴射量算出ルーチ
ン」において使用される空燃比補正値FAFの算出につ
いて説明する。図4はCPU42により実行される「空
燃比補正値算出ルーチン」を示すフローチャートであ
り、所定の間隔をもって周期的に実行される。
【0046】処理がこのルーチンへ移行すると、先ずス
テップ200において、酸素センサ25の検出信号に基
づき酸素濃度Oxの値を読み込む。続いて、ステップ2
10において、酸素濃度Oxの値に基づき実際の空燃比
A/Fの値が燃料高濃度を示すリッチであるか否かを判
断する。この実施形態では、同ステップ210の判断が
所定の遅延時間TDLだけ遅れて行われるようになって
いる。ここで、空燃比A/Fの値がリッチである場合に
は、処理をステップ220へ移行する。一方、空燃比A
/Fの値がリッチでなく燃料低濃度を示すリーンである
場合には、処理をステップ230へ移行する。
【0047】ステップ210から移行してステップ22
0においては、空燃比A/Fの値が前回リッチであった
か否かを判断する。ここで、空燃比A/Fの値が前回リ
ッチでない場合には、空燃比A/Fが今回にリーンから
リッチへ変わったものとして、ステップ221におい
て、リーン比例定数RSLをもって空燃比補正値FAF
に対する比例補正PCを行う。すなわち、前回の空燃比
補正値FAFからリーン比例定数RSLを減算し、その
減算結果を新たな空燃比補正値FAFとして設定する。
そして、その値をRAM44に一旦記憶する。ここで、
リーン比例定数RSLは予め固定値として設定されたも
のである。このリーン比例定数RSLは空燃比A/Fが
リッチである場合に、その空燃比A/Fがリーンとなる
ように補正するための、いわゆる「スキップ量」に相当
するものである。
【0048】図6の時刻t4,t8において、空燃比補
正値FAFの波形に示されている。その後、ステップ2
22において、タイマカウンタ55のカウント値CFS
を「0」にリセットするとともに、タイマカウンタフラ
グFTを「0」にリセットし、その後の処理を一旦終了
する。
【0049】一方、ステップ220において、空燃比A
/Fが前回リッチである場合には、空燃比A/Fがリッ
チの状態を維持しているものとして、ステップ223に
おいて、リーン積分定数KLIをもって空燃比補正値F
AFに対する積分補正ICを行う。すなわち、前回の空
燃比補正値FAFの値からリーン積分定数KLIを減算
し、その減算結果を新たな空燃比補正値FAFとして設
定する。又、その値をRAM44に一旦記憶する。ここ
で、リーン積分定数KLIは予め固定値として設定され
たものである。このリーン積分定数KLIは、空燃比A
/Fがリッチである場合に、その空燃比A/Fがリーン
となるように補正するためのものである。
【0050】図6の時刻t4〜時刻t6、時刻t8〜時
刻t10において、空燃比補正値FAFの波形に示され
ている。その後、ステップ224において、タイマカウ
ンタ55のカウント値CFSを「1」だけインクリメン
トする。そして、タイマカウンタフラグFTが「0」に
リセットされている場合には、「1」にセットし、既に
タイマカウンタフラグFTが「1」にセットされている
場合には、そのままの「1」に保持し、その後の処理を
一旦終了する。
【0051】これに対し、ステップ210から移行して
ステップ230においては、空燃比A/Fの値が前回リ
ーンであったか否かを判断する。ここで、空燃比A/F
の値が前回リーンでない場合には、空燃比A/Fが今回
にリッチからリーンへ変わったものとして、ステップ2
31において、リッチ比例定数RSRをもって空燃比補
正値FAFに対する比例補正PCを行う。すなわち、前
回の空燃比補正値FAFにリッチ比例定数RSRを加算
し、その加算結果を新たなリッチ比例定数RSRとして
設定する。そして、その値をRAM44に一旦記憶す
る。ここで、リッチ比例定数RSRは予め固定値として
設定されたものである。このリッチ比例定数RSRは空
燃比A/Fがリーンである場合に、その空燃比A/Fが
リッチとなるように補正するための、いわゆる「スキッ
プ量」に相当するものである。
【0052】図6の時刻t2,t6,t10において空
燃比補正値FAFの波形に示される。その後、ステップ
232において、タイマカウンタ55のカウント値CF
Sを「0」にリセットするとともに、タイマカウンタフ
ラグFTを「0」にリセットし、その後の処理を一旦終
了する。
【0053】一方、ステップ230において、空燃比A
/Fが前回リーンである場合には、空燃比A/Fがリー
ンの状態を維持しているものとして、ステップ233に
おいて、リッチ積分定数KRIをもって空燃比補正値F
AFに対する積分補正ICを行う。すなわち、前回の空
燃比補正値FAFの値にリッチ積分定数KRIを加算
し、その加算結果を新たな空燃比補正値FAFとして設
定する。又、その値をRAM44に一旦記憶する。ここ
で、リッチ積分定数KRIは予め固定値として設定され
たものである。このリッチ積分定数KRIは空燃比A/
Fがリーンである場合に、その空燃比A/Fがリッチと
なるように補正するためのものである。
【0054】図6の時刻t2〜時刻t4、時刻t6〜時
刻t8の間において空燃比補正値FAFの波形に示され
る。その後、ステップ234において、タイマカウンタ
55のカウント値CFSを「1」だけインクリメントす
る。そして、タイマカウンタフラグFTが「0」にリセ
ットされている場合には、「1」にセットし、既にタイ
マカウンタフラグFTが「1」にセットされている場合
には、そのままの「1」に保持し、その後の処理を一旦
終了する。
【0055】上記のように空燃比補正値FAFの算出が
行われる。この実施形態では、上記のように「空燃比補
正値算出ルーチン」を実行するCPU42が、本発明に
おける補正値算出手段に相当する。
【0056】ここで、上記の処理ルーチンに係る各種パ
ラメータOx,A/F(リーン及びリッチの判定値),
FAF(空燃比補正値),CFS(タイマカウンタ55
のカウント値)の変化の関係を図6のタイムチャートに
従って説明する。
【0057】時刻t1において、酸素濃度Oxの値が所
定空燃比としての目標空燃比の値に相当する基準値aを
上回ると、遅延時間TDLだけ遅れた時刻t2におい
て、空燃比A/Fの判定がリーンとなる。このとき、カ
ウント値CFSはリセットされ、そのインクリメントが
開始される。又、空燃比補正値FAFはリッチ比例定数
RSRの分だけ比例補正PCされ、その後はリッチ積分
定数KRIに基づく積分補正ICが行われる。
【0058】その後、時刻t3において、酸素濃度Ox
の値が基準値aを下回ると、遅延時間TDLだけ遅れた
時刻t4において、空燃比A/Fの判断がリッチとな
る。このとき、カウント値CFSは再びリセットされ、
そのインクリメントが開始される。又、空燃比補正値F
AFはリーン比例定数RSLの分だけ比例補正PCさ
れ、その後はリーン積分定数KLIに基づく積分補正I
Cが行われる。
【0059】その後は、時刻t6,t8,t10におい
て、酸素濃度Oxの変化に基づき空燃比A/Fの判断が
反転する毎に、リッチ比例定数RSR又はリーン比例定
数RSLをもって比例補正PCが行われると共に、その
後にリッチ積分定数又はリーン積分定数をもって積分補
正ICが行われて空燃比補正値FAFが変化する。
【0060】次に、CPU42が実行する「排気臭対策
空燃比補正値設定ルーチン」を図5を参照して説明す
る。このルーチンは、排気臭発生条件としての排気臭対
策制御開始条件成立時に行われる。排気臭対策制御開始
条件とは、下記のそれぞれの条件のことであって、排気
臭対策制御開始条件成立時とは(1)〜(4)の全ての
条件が成立した時のことである。
【0061】(1) パージ制御中であること。この場
合、パージ制御フラグが「1」にセットされている場合
にパージ制御であると判定される。このパージ制御フラ
グは、パージ制御を開始したときに「1」にセットさ
れ、パージ制御が行われない場合には、「0」にリセッ
トされる。
【0062】(2) 空燃比フィードバック制御中であ
ること。空燃比フィードバック制御フラグが「1」にセ
ットされている場合に空燃比フィードバック制御である
と判定される。この空燃比フィードバック制御フラグ
は、空燃比フィードバック制御を開始したときに「1」
にセットされ、空燃比フィードバック制御が行われない
場合には、「0」にリセットされる。
【0063】(3) スロットル開度TAが、所定開度
(この実施形態では3°)以下であること。 (4) エンジン回転数NEが所定回転数(この実施形
態では、1000rpm<Ne<3000rpm )の範囲内
にあること、又は車速SPDが所定速度(この実施形態
では、2Km/h)以上のときであること。
【0064】上記(3),(4)の条件は低吸入空気量
かつ低速走行、あるいは、アイドル状態により排気臭対
策制御を行うためである。なお、(1)〜(4)の他
に、三元触媒コンバータ26の温度を検出する触媒温度
センサを設けて、この触媒温度が所定温度(例えば、5
50℃)以上になっていること、を排気臭対策制御開始
条件(臭気発生条件)の1つとしてさらに、付加しても
よい。
【0065】上記排気臭対策制御開始条件が成立し、処
理がこのルーチンへ移行すると、先ずステップ300に
おいて、カウンタフラグFTが「1」にセットされてい
るか否か、すなわち、タイマカウンタ55が作動中か否
かを判定する。タイマカウンタフラグFTが「0」にリ
セットされている場合には、タイマカウンタ55がリセ
ットされていて、不作動中であるとしてステップ380
に移行する。ステップ380では、排気臭対策フラグF
Xを「0」にリセットし、このルーチンを一旦終了す
る。すなわち、ステップ380の処理によって、排気臭
対策制御を行わないようにするのである。
【0066】又、ステップ300において、カウンタフ
ラグFTが「1」にセットされている場合には、タイマ
カウンタ55が作動中であるとして、ステップ310に
移行する、ステップ310では、タイマカウンタ55の
カウント値(経過時間としての積分時間。以下、積分時
間という)CFSが1sec(秒)以内に相当する値で
あるか、否かを判定する。タイマカウンタ55のカウン
ト値(積分時間)CFSが1sec(秒)以内であれ
ば、ステップ320に移行して、空燃比補正値FAFと
して「0.9」をセットし、ステップ330に移行す
る。同ステップ330では、排気臭対策フラグFXを
「1」にセットし、このルーチンを一旦終了する。な
お、この空燃比補正値FAF及び後記ステップ350、
ステップ370にて設定される空燃比補正値FAFは、
予めROM43に格納されている。
【0067】又、前記ステップ310において、タイマ
カウンタ55のカウント値(積分時間)CFSが1se
c(秒)を越えている場合には、ステップ340に移行
し、タイマカウンタ55のカウント値(積分時間)CF
Sが3sec(秒)以内に相当する値であるか、否かを
判定する。タイマカウンタ55のカウント値(積分時
間)CFSが1sec(秒)以内であれば、ステップ3
50に移行して、空燃比補正値FAFとして「1.0」
をセットし、ステップ330に移行する。
【0068】又、前記ステップ340において、タイマ
カウンタ55のカウント値(積分時間)CFSが3se
c(秒)を越えている場合には、ステップ360に移行
し、タイマカウンタ55のカウント値(積分時間)CF
Sが5sec(秒)以内に相当する値であるか、否かを
判定する。タイマカウンタ55のカウント値(積分時
間)CFSが5sec(秒)以内であれば、ステップ3
70に移行して、空燃比補正値FAFとして「1.1」
をセットし、ステップ330に移行する。
【0069】前記ステップ360において、タイマカウ
ンタ55のカウント値(積分時間)CFSが5sec
(秒)を越えている場合には、リーンが過大となってお
り、このためステップ380では、排気臭対策フラグF
Xを「0」にリセットし、このルーチンを一旦終了す
る。すなわち、ステップ380の処理によって、排気臭
対策制御を行わないようにするのである。
【0070】前記空燃比補正値FAFとしての「0.
9」、「1.0」、「1.1」は、本発明の排気臭防止
補正値に相当する。以上説明したように、この実施形態
では、定常時のエンジン1の運転状態では、ステップ2
00乃至ステップ234の空燃比補正値算出ルーチンに
よる周知の空燃比フィードバック制御が実行されて目標
空燃比近傍の空燃比となるべく補正空燃比FAFが決定
される。
【0071】又、排気臭対策制御開始条件成立時に、
「排気臭対策空燃比補正値設定ルーチン」の処理が実行
された場合、タイマカウンタ55のカウント値(積分時
間)CFSが1秒以内の場合には、空燃比補正値FAF
を「0.9」、3秒以内の場合には、空燃比補正値FA
Fを「1.0」、5秒以内の場合には、空燃比補正値F
AFの値を「1.1」の3種のいずれかの値にて設定で
きるようにした。
【0072】すなわち、パージ制御中、かつ、空燃比フ
ィードバック制御中において、空燃比補正値FAFを極
端にリッチ補正している時、そのタイマカウンタ55の
カウント値CFSも大きくなる(積分時間が長くな
る)。このような場合においても、積分時間の長さが長
くなるほど、空燃比補正値FAFを大きくなるように可
変した。
【0073】この結果、パージ制御中、かつ、空燃比フ
ィードバック制御中において、排気臭対策制御が行われ
る場合、オーバーリーンとなることはなく、より最適な
空燃比制御を行うことができる。
【0074】図7は、高温時等により大量のベーパが発
生しているときであって、かつパージ制御中、かつ空燃
比フィードバック制御中の場合、排気臭対策制御が行わ
れたときに、不規則なベーパ濃度のものをパージしてい
る場合の様子を示している。すなわち、パージ制御中、
かつ、空燃比フィードバック制御中において、排気臭対
策制御が行われた場合の、従来と、本実施形態との、空
燃比補正値FAF、排気空燃比、タイマカウンタ55の
カウント値CFSのタイムチャートを示している。
【0075】従来の空燃比補正値FAF、及び排気空燃
比は実線で示し、本実施の形態の場合の空燃比補正値F
AF及び本実施の形態の排気空燃比は点線で示してい
る。時刻t11と時刻t12との間において、従来の排
気臭対策制御が行われている場合、空燃比補正値FAF
は、時刻t12で0.9に設定されるため、排気空燃比
は実線で示すようにオーバーリーンとなっていた。
【0076】本実施の形態では、時刻t11から時刻t
12において、タイマカウンタ55がカウントしたカウ
ント値(積分時間)CFSが所定時間の範囲内(この図
7では、積分時間は、1秒以上、3秒以内)であるた
め、空燃比補正値FAFは、「1.1」とされる。この
ため、排気空燃比は、点線で示すようにオーバーリーン
となることがない。
【0077】従って、ドライバビリティの悪化や、エン
ジンストール等の不具合が発生することはない。なお、
この発明は以下のような別の実施形態に具体化すること
もでき、このことにより、前記実施形態と同等の作用及
び効果を得ることができる。
【0078】(1)前記実施の形態では、排気臭防止補
正値としての空燃比補正値を「0.9」、「1.0」、
「1.1」としたが、この数値に限定されるものではな
く、他の数値であってもよい。要は、排気臭防止ができ
る値であって、オーバーリーンとならないような値であ
ればよい。
【0079】(2)又、前記実施形態では、排気臭防止
補正値としての空燃比補正値を「0.9」、「1.
0」、「1.1」という目標値としたが、スキップ量
(減らすべき量)を各レベル範囲(積分時間が1秒以
内、1秒から3秒以内、3秒から5秒以内)に応じて設
定し、そのスキップ量を現在の空燃比FAFの値から減
算するようにしてもよい。
【0080】(3)前記実施形態では、排気ガス中の特
定成分の濃度として、酸素濃度Oxを酸素センサ25に
より検出するように構成した。これに対し、排気ガス中
の特定成分の濃度として、二酸化炭素の濃度を特殊なセ
ンサにより検出するように構成してもよい。
【0081】(4)前記実施形態では、本発明の空燃比
制御装置をエアフローメータ32を使用した「エル・ジ
ェトロニック」タイプのエンジン1に適用したが、バキ
ュームセンサを使用した「ディ・ジェトロニック」タイ
プのエンジンに適用することもできる。
【0082】更に、特許請求の範囲に記載した以外に、
上記各実施形態から把握することのできる技術的思想
を、以下にその効果と共に記載する。 (イ)請求項1に記載の発明において、排気臭防止補正
手段は、経過時間がどのレベルの経過時間の範囲にある
か否かを判定するレベル判定手段を備え、レベル判定手
段がレベル判定した結果に応じて、補正値を設定する設
定手段を備えたものである内燃機関の空燃比制御装置。
こうすることにより、レベル判定手段による経過時間の
レベル判定によって、そのレベルが判定され、設定手段
は、そのレベルに応じた、すなわち、経過時間の長さに
応じた排気臭防止補正値を設定することができる。この
場合、前記実施形態において、CPU42は、レベル判
定手段、及び設定手段に相当する。又、「排気臭対策空
燃比補正値設定ルーチン」において、ステップ310、
ステップ340、ステップ360はレベル判定手段を構
成し、ステップ320、ステップ350、ステップ37
0は、設定手段に相当する。
【0083】なお、この明細書において、発明の構成に
係る手段及び部材等は、以下のように定義されるものと
する。 (a)前記排気空燃比とは、排気ガス中の空気/燃料の
重量比を意味する。完全燃焼することを仮定して、理論
的に必要な最小の空気量のときの空燃比を理論空燃比と
いう。理論空燃比よりも燃料の薄い場合の空燃比を「リ
ーン」といい、濃い場合の空燃比を「リッチ」という。
【0084】
【発明の効果】請求項1乃至請求項3の発明によれば、
燃料タンクで発生する燃料蒸気を内燃機関に供給される
可燃混合気に付加(パージ)するようにした内燃機関に
おいて、パージ制御中、かつ空燃比フィードバック制御
中において、排気臭対策制御が行われる場合、オーバー
リーンとならないようにし、ドライバビリティの悪化
や、エンジンストール等の不具合が発生することがな
く、内燃機関の空燃比を安定的に調整することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】内燃機関の空燃比制御装置を示す概略構成図。
【図2】ECUを示すブロック回路図。
【図3】「燃料噴射量算出ルーチン」を示すフローチャ
ート。
【図4】「空燃比補正値算出ルーチン」を示すフローチ
ャート。
【図5】「排気臭対策空燃比補正値設定ルーチン」を示
すフローチャート。
【図6】 図5のルーチンに係る各種パラメータの変化
を示すタイムチャート。
【図7】 空燃比補正値FAF、排気空燃比、タイマカ
ウンタ(CFS)のタイムチャート。
【符号の説明】
1…内燃機関としてのエンジン、7…燃料供給手段とし
てのインジェクタ、25…酸素センサ(濃度検出手段を
構成する)、33…ベーパ通路、34…キャニスタ、3
8…パージ通路、39…パージコントロールバルブ(3
3、34、38、39は処理手段を構成する。)、42
…CPU(補正値算出手段、燃料量補正手段、排気臭防
止補正値設定手段、及び燃料蒸気処理制御手段を構成す
る。)、55…タイマカウンタ(カウント手段を構成す
る。)。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02M 25/08 301 F02M 25/08 301J

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関に供給される空気と燃料の空燃
    比を所定空燃比に合致させるために、燃料供給手段をも
    って前記内燃機関に供給すべき燃料量を制御するように
    した空燃比制御装置であって、 前記内燃機関から排出される排気ガス中の特定成分の濃
    度を検出するための濃度検出手段と、 前記濃度検出手段による検出値が基準値以上の状態、又
    は基準値以下の状態になったことに基づいてその状態の
    経過時間のカウントを開始するカウント手段と、 前記所定空燃比に合致させるために、前記濃度検出手段
    の検出値に基づき、比例定数をもって比例補正を行うと
    共にその後に積分定数をもって前記カウント手段のカウ
    ント中は積分補正を行うことにより、前記空燃比に係る
    空燃比補正値を算出するための補正値算出手段と、 前記内燃機関に所定の排気臭発生条件が成立する時、前
    記補正値算出手段に係る算出値に優先して燃料量を調整
    し、前記空燃比とは異なる空燃比とするため排気臭防止
    補正値を設定する排気臭防止補正値設定手段と、 前記内燃機関に所定の排気臭発生条件が不成立の時には
    前記補正値算出手段に係る空燃比補正値に応じて、又
    は、前記内燃機関に所定の排気臭発生条件が成立する時
    には、排気臭防止補正値設定手段が設定した排気臭防止
    補正値に応じて前記内燃機関に供給すべき燃料量を補正
    するための燃料量補正手段と、 燃料を貯留するための燃料タンクで発生する燃料蒸気を
    内燃機関へ流して処理するための処理手段と、 同処理手段を制御する燃料蒸気処理制御手段とを有する
    内燃機関の空燃比制御装置において、 前記排気臭防止補正値設定手段は、前記燃料蒸気処理制
    御手段が制御中は、前記カウント手段がカウントしてい
    る経過時間の長さに応じた排気臭防止補正値を設定する
    ことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
  2. 【請求項2】 前記排気臭防止補正値設定手段におい
    て、前記カウント手段がカウントしている経過時間の長
    さに応じて設定する補正値には、前記所定空燃比よりも
    大きな空燃比とするための補正値が含まれることを特徴
    とする請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
  3. 【請求項3】 前記排気臭防止補正値設定手段におい
    て、前記カウント手段がカウントしている経過時間の長
    さに応じて設定する補正値には、前記所定空燃比よりも
    小さな空燃比とするための補正値が含まれることを特徴
    とする請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御装置。
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