JPH10338749A - 含フッ素オルガノポリシロキサンおよびその製造方法 - Google Patents

含フッ素オルガノポリシロキサンおよびその製造方法

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JPH10338749A
JPH10338749A JP16651997A JP16651997A JPH10338749A JP H10338749 A JPH10338749 A JP H10338749A JP 16651997 A JP16651997 A JP 16651997A JP 16651997 A JP16651997 A JP 16651997A JP H10338749 A JPH10338749 A JP H10338749A
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JP
Japan
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fluorine
group
fluorinated
mol
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JP16651997A
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Inventor
Hiromasa Yamaguchi
博正 山口
Yasushi Yamamoto
靖 山本
Hirobumi Kinoshita
博文 木下
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】潤滑性に優れ、かつ揮発しにくいために耐熱性
に優れる含フッ素オルガノポリシロキサンを提供するこ
と。 【解決手段】(A) 一般式(1) : R1(CH2) a O b (CH2)3Si(R)O2/2 (1) (式中、Rは脂肪族不飽和基を除く炭素数1〜10の1価
炭化水素基であり、R1 は炭素数1〜10のパーフルオロア
ルキル基、またはエーテル結合を有する炭素数3〜20の
パーフルオロアルキル基であり、aおよびbは、0また
は1である)で示される含フッ素オルガノシロキサン単
位1〜80モル%、および(B) 一般式(2) : R2CH(R3)CH2Si(R)O2/2 (2) (式中、 R2 は脂肪族不飽和基を除く炭素数4〜50の1
価炭化水素基であり、R3 は水素原子またはメチル基で
あり、Rは前記と同じである)で示されるオルガノシロ
キサン単位1〜80モル%を含有する含フッ素オルガノポ
リシロキサン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
〔発明の詳細な説明〕
【0002】
【発明の属する技術分野】本発明は、含フッ素基および
炭化水素基で共変性された新規な含フッ素オルガノポリ
シロキサンに関し、潤滑性および耐熱性に優れる該含フ
ッ素オルガノポリシロキサンに関する。
【0003】
【従来の技術】従来、含フッ素基および炭化水素基で共
変性されたオルガノポリシシロキサンを製造するには、
下記式:
【0004】
【化1】
【0005】(ここで、 Rf は含フッ素基であり、Me
はメチル基である)で示される環状ポリシロキサンを平
衡化反応させて、含フッ素基で変性されたオルガノハイ
ドロジェンポリシロキサンを合成した後、さらにα−オ
レフィンをヒドロシリル化させて、炭化水素基を導入す
る方法が採られている。しかし、該平衡化反応では、環
状ポリシロキサンの重合速度がそれぞれ異なるため、含
フッ素基で変性されたオルガノハイドロジェンポリシロ
キサンへの重合反応を制御することが難しい。また、原
料のフッ素基変性シクロトリシロキサンを製造すること
も比較的難しい。
【0006】特公平3-75558 号公報には、下記式:
【0007】
【化2】
【0008】(ここで、 Rf は含フッ素基であり、Me
はメチル基である)で示される環状ポリシロキサンの開
環重合反応により、含フッ素オルガノシロキサンを得る
方法が開示されている。しかし、該方法は、環状ポリシ
ロキサンを製造するまでの工程が複雑なため、全体の製
造コストも高くなるという問題を有する。また、含フッ
素基変性率(すなわち、含フッ素基含有率)の高い含フ
ッ素ポリシロキサンを得ることも難しい。
【0009】特開平7-53719 号公報には、含フッ素基で
変性された含フッ素オルガノポリシロキサンを高選択率
かつ高反応率で得られることが記載されている。しか
し、該化合物は、含フッ素基のみで変性されているた
め、溶剤可溶性、潤滑性などに劣るという欠点を有す
る。
【0010】一方、特開平7-102276号公報には、炭化水
素基変性フルオロシリコーン添加潤滑剤、すなわち、炭
化水素基および含フッ素基で共変性された含フッ素オル
ガノポリシロキサンが開示されている。この潤滑剤は、
金属に対する潤滑性に優れる。しかし、該化合物は、低
分子量のものに限定され、高温下では揮発しやすい。し
たがって、耐熱性に劣るという問題を有する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の課題
は、上記の課題を解決する含フッ素オルガノポリシロキ
サン、すなわち、含フッ素基および炭化水素基で共変性
された含フッ素オルガノポリシロキサンであって、潤滑
性に優れ、かつ揮発しにくいために耐熱性に優れる含フ
ッ素オルガノポリシロキサンを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
について鋭意検討した結果、下記の化合物により前記課
題を解決できることを見出した。すなわち、本発明は、
(A) 一般式(1) : R1(CH2) a O b (CH2)3Si(R)O2/2 (1) (式中、Rは脂肪族不飽和基を除く炭素数1〜10の1価
炭化水素基であり、R1 は炭素数1〜10のパーフルオロ
アルキル基、またはエーテル結合を有する炭素数2〜20
のパーフルオロアルキル基であり、aおよびbは、それ
ぞれ、0または1である)で示される含フッ素オルガノ
シロキサン単位1〜80モル%、および(B) 一般式(2) : R2 CH(R3) CH2 Si(R)O2/2 (2) (式中、 R2 は脂肪族不飽和基を除く炭素数4〜50の1
価炭化水素基であり、R3 は水素原子またはメチル基で
あり、Rは前記と同じである)で示されるオルガノシロ
キサン単位1〜80モル%を含有する含フッ素オルガノ
ポリシロキサンを提供するものである。さらに、本発明
は、一般式(3) : R1(CH2)a O b CH2CH =CH2 (3) (式中、 R1 aおよびbは前記と同じ意味である)で示
される含フッ素オレフィン、および一般式(4) : R2C(R3)=CH2 (4) (式中、R2およびR3は前記と同じ意味である)で示され
るα−オレフィンと、一般式(5) : R(H)SiO2/2 (5) (式中、R は前記と同じ意味である)で示されるヒドロ
シロキサン単位を1分子中に少なくとも2個有するオル
ガノハイドロジェンポリシロキサンとを、反応させるこ
とを特徴とする、上記の含フッ素オルガノポリシロキサ
ンの製造方法を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】含フッ素オルガノポリシロキサン 本発明の含フッ素オルガノポリシロキサンは、前記(A)
含フッ素オルガノシロキサン単位の導入により含フッ素
基変性され、そして(B) オルガノシロキサン単位の導入
により炭化水素基変性されたオルガノポリシロキサンで
ある。
【0014】(A) 含フッ素オルガノシロキサン単位 一般式(1) 中のR1 で示される含フッ素基のうちのパー
フルオロアルキル基は、一般式(6) : - Ck F2k+1 (6) (式中、kは1〜10の整数、好ましくは4〜9の整数、
特に好ましくは6〜8の整数である)で示される。該パ
ーフルオロアルキル基の具体例としては、 C2F5- 、 C
3F7- 、 C4F9-、 C6F12- 、 C8F17- 、(CF3)2CF- およ
びn-C3F7CF(CF3)2- が挙げられる。
【0015】また、一般式(1) 中のR1 で示される含フ
ッ素基のうちのエーテル結合を有するパーフルオロアル
キル基としては、例えば一般式(7) : F[CF(X)CF2O]s CF(X)(CF2)t - (7) (ここで、s は1〜10の整数、好ましくは2〜7の整
数、特に好ましくは3〜5の整数であり、X は独立に−
CF3 または−F であり、tは0または1である)で示さ
れるものが挙げられる。具体的には、n-C3F7OCF(CF3)CF
2- 、n-C3F7OCF(CF3)- 、n-C3F7OCF(CF3)CF2OCF(CF3)C
F2- 、CF3CF2OCF2−、 CF3CF2OCF(CF3)CF2−、CF3CF2O
CF(CF3)CF2OCF(CF3)CF2−が挙げられる。
【0016】また、一般式(1) 中のRで示される、脂肪
族不飽和基を除く1価炭化水素基としては、メチル基、
エチル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基など炭素
数1〜6のアルキル基;フェニル基、トリル基などの炭
素数6〜10のアリール基が挙げられ、これらの中では、
メチル基が好ましい。
【0017】本発明の含フッ素オルガノポリシロキサン
には、一般式(1) で示される含フッ素オルガノシロキサ
ン単位を一種単独で含有してもよく、また、適宜二種以
上の組み合わせを含有してもよい。さらに、パーフルオ
ロアルキル基およびエーテル結合を有するパーフルオロ
アルキル基の組み合わせを含有してもよい。
【0018】本発明の含フッ素オルガノポリシロキサン
において、一般式(1) で示される含フッ素オルガノシロ
キサン単位の含有量は、1〜80モル%であり、好ましく
は10〜60モル%、特に好ましくは15〜50モル%である。
含フッ素オルガノシロキサン単位が少なすぎると、潤滑
性の向上等の効果が十分に現れなくなり、逆に多すぎる
と溶剤可溶性が低下する。
【0019】(B) オルガノシロキサン単位 一般式(2) において、R2 で示される、脂肪族不飽和基
を除く1価炭化水素基としては、ブチル基、(CH3)3CCH2
- 、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、
CH3(CH2)15- 、(CH3)2CHCH2C(CH3)2CH2-で示される基な
どの炭素数4〜50、好ましくは7〜30、特に好ましくは
8〜20のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル
基などの炭素数6〜50、好ましくは6〜10のアリール
基;ベンジル基、フェニルエチル基、Ph-CH(CH3)- 〔こ
こで、Phはフェニル基を表す〕、フェニルプロピル基な
ど炭素数7〜50、好ましくは7〜15のアラルキル基が挙
げられる。これらの中では、フェニル基が好ましい。
【0020】一般式(2) 中のR3 は、水素原子またはメ
チル基である。また、一般式(2) 中のRには、一般式
(1) で例示したものと同様のものが挙げられる。
【0021】本発明の含フッ素オルガノポリシロキサン
には、一般式(2) で示されるオルガノシロキサン単位を
一種単独で含有してもよく、また、適宜二種以上の組み
合わせを含有してもよい。
【0022】本発明の含フッ素オルガノポリシロキサン
において、一般式(2) で示されるオルガノシロキサン単
位の含有量は、1〜80モル%であり、好ましくは30〜75
モル%である。該オルガノシロキサン単位が少なすぎる
と、溶剤可溶性または潤滑性に劣るようになり、逆に多
すぎると含フッ素変性基やシロキサンの特徴が十分に発
揮されないことがある。
【0023】その他のシロキサン単位 本発明の含フッ素オルガノポリシロキサンには、前記
(A) の含フッ素オルガノシロキサン単位および(B) のオ
ルガノシロキサン単位のほかに、必要応じて、例えば一
般式(8) : (R4)d SiO (4-d)/2 (8) 〔式中、R4 は、脂肪族不飽和基を除く置換または非置
換の1価炭化水素基であり、dは0〜3の整数である〕
で示されるシロキサン単位を含んでもよい。
【0024】本発明の含フッ素オルガノポリシロキサン
の重量平均分子量は、通常、1000〜100,000でよく、好
ましくは3000〜50,000、特に好ましくは5000〜20,000で
ある。重量平均分子量が小さすぎると、含フッ素オルガ
ノポリシロキサンの揮発性が高くなる結果、耐熱性に劣
るものになる。逆に、大きすぎると溶剤可溶性等に劣る
場合がある。
【0025】本発明の含フッ素オルガノポリシロキサン
は、鎖状、分岐状、環状、三次元状のいずれのものでも
よく、好ましくは鎖状のものである。鎖状の含フッ素オ
ルガノポリシロキサンとしては、例えば一般式(9) :
【0026】
【化3】
【0027】〔式中、R1、R2、R3、R4、R、aおよ
びbは前記のとおりであり、s、tおよびuは、それぞ
れ、0≦s≦500 、1≦t≦199、1≦u≦199、かつ2
≦t+u≦200を満たす整数)で示される。
【0028】また、環状の含フッ素オルガノポリシロキ
サンとしては、例えば一般式(10):
【0029】
【化4】 〔式中、R1、R2、R3、R4、R、aおよびbは前記の
とおりであり、x、yおよびzは、それぞれ、0≦x≦
5、1≦y≦5、1≦z≦5、かつ2≦y+z≦10を満
たす整数)である〕で示される。
【0030】本発明の含フッ素オルガノポリシロキサン
の具体例としては、下記で示される化合物が挙げられ
る。
【0031】
【化5】
【0032】含フッ素オルガノポリシロキサンの製造方
本発明の含フッ素オルガノポリシロキサンは、例えば 一般式(3) : R1(CH2)a O b CH2CH =CH2 (3) (R1、aおよびbは前記と同じ意味である)で示される
含フッ素オレフィン、および 一般式(4) : R2C(R3)C=CH2 (4) (R2およびR3は前記と同じ意味である)で示されるα−
オレフィンと、 一般式(5) : R(H)SiO2/2 (5) (R は前記と同じ意味である)で示されるヒドロシロキ
サン単位を1分子中に少なくとも2個有するオルガノハ
イドロジェンポリシロキサンとを、触媒の存在下でヒド
ロシリル化付加反応させることにより合成することがで
きる。
【0033】含フッ素オレフィン 一般式(3) で示される含フッ素オレフィンとしては、例
えば下記式: C2F5CH2CH=CH2 、 C3F7CH2CH=CH2 、 C4F9CH2CH=CH
2 、 C6F13CH2CH =CH2、 C8F17CH2CH =CH2 、n-C3F7O
CH2CH=CH2 、(CF3)2CFCH2OCH2CH =CH2 、n-C3F7C(CF
3)2CH2CH=CH2 、n-C3F7OCF(CF3)CF2OCH2CH =CH2 、Fー
[CF(CF3)CF2O]2-CF(CF3)CH2OCH2CH=CH2 n-C3F7OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CF2OCH2CH=CH2 、およびn-
C3F7OCF(CF3)CH2OCH2CH =CH2 が挙げられる。これらの
中では、C6F13CH2CH=CH2 、C8F17CH2CH=CH2 、F-[CH(CF
3)CF2O]2-CF(CF3)CH2OCH2CH=CH2が好ましい。これら
は、1種単独でも二種以上組み合わせて使用してもよ
い。
【0034】前記ヒドロシリル化反応において、含フ
ッ素オレフィンの使用量は、本発明の含フッ素オルガノ
ポリシロキサンに求められる含フッ素基変性率に応じて
決められばよい。具体的には、本発明の含フッ素オルガ
ノポリシロキサンにおける一般式(1) で示される含フッ
素オルガノシロキサン単位の含有量が、通常、1〜80モ
ル%、好ましくは10〜60モル%に相当する量である。
【0035】α−オレフィン 一般式(4) で示されるα−オレフィンとしては、例えば
下記式: CH3(CH2)5CH =CH2 、CH3(CH2)15CH=CH2 、CH3CH(CH3)
2CH2CH=CH2 、Ph-CH2CH=CH2 および PhC(CH3) =CH2 (ここで、Phはフェニル基である)で示されるものが挙
げられる。これらは、1種単独でも二種以上組み合わせ
て使用してもよい。前記ヒドロシリル化反応において、
α−オレフィンの使用量は、本発明の含フッ素オルガ
ノポリシロキサンに求められる炭化水素基変性率に応じ
て決められばよい。具体的には、本発明の含フッ素オル
ガノポリシロキサンにおける一般式(2) で示されるオル
ガノシロキサン単位の含有量が、通常、1〜80モル%、
好ましくは30〜75モル%に相当する量である。
【0036】オルガノハイドロジェンポリシロキサン オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、含フッ素オ
ルガノポリシロキサンの構造に応じて、鎖状、分岐状、
三次元状または環状のものが選択される。鎖状のオルガ
ノハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば一般
式(11):
【0037】
【化6】
【0038】(RおよびR4 は前記と同じ意味であり、
複数のRおよびR4 は互いに同じでも異なっていてもよ
く、Xは独立に低級アルキル基、または低級アルコキシ
基、ハロゲン原子等の加水分解性基であり、mは0〜50
0 の整数であり、Lは2〜500の整数である)で示され
る。Xに加水分解性基を用いると、縮合反応により重合
度の高い含フッ素オルガノポリシロキサンを得ることが
できる。低級アルキル基としては、炭素数1〜4のメチ
ル基、エチル基、プロピル基などが挙げられる。Xは、
低級アルキル基が好ましく、特に好ましくはメチル基で
ある。
【0039】また、環状のオルガノハイドロジェンポリ
シロキサンは、例えば一般式(12):
【0040】
【化7】
【0041】(式中、RおよびR4 は前記と同じ意味で
あり、複数のRおよびR4 は互いに同じでも異なってい
てもよく、pは0〜5であり、qは2〜10である)で示
される。
【0042】前記のヒドロシリル化反応において、オ
ルガノハイドロジェンポリシロキサンの使用量は、含
フッ素オレフィン中およびα−オレフィン中のビニル
基の合計と、オルガノハイドロジェンポリシロキサン
中のヒドロシリル基とのモル比〔(+):〕で、
通常、1:1〜2:1、好ましくは0.1:1〜1.3 :1
に相当する量である。
【0043】前記触媒としては、ヒドロシリル付加反応
に従来公知のもの、例えば白金属金属系触媒を特に制限
なく使用することができる。具体的には、塩化白金酸;
塩化白金酸とオレフィン、アルコールまたはビニルシロ
キサンとの錯体;RhCl(PPh3)3 、RhCl(CO)(PPh3)2 、Rh
Cl(C2H4)2 などのロジウム系触媒;ならびに Ru3(CO)12
およびPdCl2(PPh3)3が挙げられ、好ましくは白金系のも
のであり、特に好ましくは塩化白金酸とオレフィン、ア
ルコール又はビニルシロキサンとの錯体である。これら
は、一種単独でも二種以上組み合わせて使用してもよ
い。触媒の使用量は、前記オルガノハイドロジェンポ
リシロキサンのヒドロシリル基1モルに対して、通常、
1×10-3〜1×10-5モル(金属換算)となる量でよい。
【0044】前記ヒドロシリル化反応は、一般に、前記
オルガノハイドロジェンポリシロキサン、触媒および
必要に応じて溶媒からなる混合物中に、含フッ素オレ
フィンおよびα−オレフィンを添加することにより行
われる。添加の方法には、(i) 含フッ素オレフィンと
α−オレフィンとの混合物を前記混合物に添加する方
法、または(ii)含フッ素オレフィンおよびα−オレ
フィンを別々に添加する方法があるが、含フッ素オレ
フィンおよびα−オレフィンの反応性などを考慮し
て、(ii)の方法が好ましい。反応温度は、通常、40〜15
0 ℃でよく、好ましく80〜130 ℃である。添加にかける
時間は、通常、10〜120 分間でよい。添加後は、該反応
温度で、1〜24時間の攪拌を続ける。前記溶媒として
は、トルエン、ヘキサン、トリフルオロメチルベンゼン
および1,3-ビス(トリフルオロロメチル)ベンゼン(MX
HF)が挙げられる。
【0045】上記の含フッ素オルガノポリシロキサンの
製造方法は、以下の利点を有する。 ・工程が従来の方法より短いため、製造コストを安価に
することができる。 ・含フッ素基変性率および炭化水素基変性率を任意に設
定することができる。 ・含フッ素基および炭化水素基を導入する際、それぞれ
の反応率および選択率が極めて高い。 したがって、該製造方法は、含フッ素基および炭化水素
基により共変性された含フッ素オルガノポリシロキサン
を合成する方法として有用である。
【0046】本発明の含フッ素オルガノポリシロキサン
は、潤滑性に優れ、揮発成分も比較的少ない。したがっ
て、耐熱性にも優れる。また、含フッ素基変性率および
炭化水素基変性率を調整することにより、例えばトルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤やアセトン、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の脂肪族
ケトン系溶剤などの非フッ素系溶剤にも可溶となる。本
発明の含フッ素オルガノポリシロキサンは、潤滑剤、内
添離型剤、ワックス用添加剤(撥水・撥油性の向上
等)、等の用途が期待される。
【0047】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。実施例1 (i) 攪拌器、冷却管、温度計および滴下ロートを備えた
300mLのフラスコに、下記式(13):
【0048】
【化8】
【0049】で示されるメチルハイドロジェンシクロテ
トラシロキサン120g(0.50 モル) 、トルエン60g 、およ
び塩化白金酸と下記式(14):
【0050】
【化9】
【0051】で示されるビニルシロキサンとの錯体のト
ルエン溶液(白金含有量0.5 重量%)0.078g(白金金属
換算2.0 ×10-6モル) を仕込み、100 ℃に加熱した。次
いで、上記の混合物に、下記式(15): F(CF2)8CH2CH=CH2 (15) で示される含フッ素オレフィン化合物115g(0.25 モル)
を、滴下ロートを用いて2時間かけて添加し、同温度で
10分間保持した。その後、ガスクロマトグラフィーによ
り、前記含フッ素オレフィン化合物の消失を確認した。
こうして得られた反応生成物232gを、単蒸留および再蒸
留したところ、103 〜104 ℃/3mmHgの範囲に下記式(1
6):
【0052】
【化10】
【0053】で示される含フッ素オルガノハイドロジェ
ンシクロテトラシロキサン(A) を110g(純度97%)を得
た。この生成物のNMR およびIRデータを表1に示し、IR
スペクトルを図1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】(ii) 次に、このシクロテトラシロキサン
(A) 14.0g(20.0m モル) およびトルエン2.6gを、攪拌
器、冷却管、温度計および滴下ロートを備えた50mlのフ
ラスコに入れ、塩化白金酸と前記式(14)で示されるビニ
ルシロキサンとの錯体のトルエン溶液0.024g(白金金属
換算6.2 ×10-4m モル)を加えて100 ℃に加熱した。次
いで、下記式(17): CH2=CH-(CH2)7-CH3 (17) で示される1−デセン9.3g(66.0mモル) を、滴下ロート
で30分間かけて添加したした。滴下終了後、同温度で30
分間保持し、IRスペクトルでヒドロシリル基(SiH 基)
の消失を確認した。こうして得られた反応生成物から、
トルエンおよび過剰の1−デセンを減圧下で留去し、油
状生成物21.3g を得た。この生成物をNMR およびIR分析
したところ、下記式(18):
【0056】
【化11】
【0057】で示される含フッ素シクロテトラシロキサ
ンであることを確認した。この生成物のNMR およびIRデ
ータを表2に示し、IRスペクトルを図2に示す。
【0058】
【表2】
【0059】実施例2 攪拌器、冷却管、温度計および滴下ロートを備えた300
mLのフラスコに、下記式(19):
【0060】
【化12】
【0061】で示されるメチルハイドロジェンポリシロ
キサン64.4g(0.10モル) 、トルエン59.4g および前記の
白金触媒溶液0.62g(白金金属換算1.6 ×10-5モル) を仕
込み、90℃に加熱した。次いで、前記式(15)で示される
含フッ素オレフィン化合物92.2g(0.20モル) を滴下ロー
トで40分間かけて添加した。滴下終了後、同温度で10分
間保持し、ガスクロマトグラフィーにより、該含フッ素
オレフィン化合物の消失を確認した。次に、この反応液
に1−オクテン80.8g(0.72モル) を110 ℃以下で40分間
かけて添加した。滴下終了後、同温度で20分間保持し、
IRスペクトルにより、ヒドロシリル基の消失を確認し
た。こうして得られた反応生成物からトルエンと過剰の
1−オクテンを減圧下で留去し、油状生成物201.5gを得
た。この生成物はNMR およびIRスペクトル分析により、
下記式(20):
【0062】
【化13】
【0063】で示される含フッ素ポリシロキサンである
ことを確認した。この生成物のNMR およびIRデータを表
3に示し、IRスペクトルを図3に示す。
【0064】
【表3】
【0065】実施例3 攪拌器、冷却管、温度計および滴下ロートを備えた50m
Lのフラスコに、下記式(21):
【0066】
【化14】
【0067】で示されるメチルハイドロジェンポリシロ
キサン20.0g(2.9 ×10-3モル) 、トルエン4.4gおよび前
記白金触媒溶液1.55g(白金金属換算4.0 ×10-5モル) を
仕込み、90℃に加熱した。次いで、下記式(22): F[CF(CF3)CF2O]2CF(CF3)CH2OCH2CH =CH2 (22) で示される含フッ素オレフィン化合物7.6g(0.015モル)
を滴下ロートで5分間かけて添加した。滴下終了後、同
温度で10分間保持し、ガスクロマトグラフィーにより、
該含フッ素オレフィンの消失を確認した。次に、この反
応液に1−ヘキセン10.8g(0.129 モル) を110 ℃以下で
15分間かけて滴下した。滴下終了後、同温度で10分間保
持し、IRスペクトルにより、ヒドロシリル基の消失を確
認した。こうして得られた反応生成物から、トルエンと
過剰の1−ヘキセンを減圧下で留去し、油状生成物34.8
g を得た。この生成物は、NMR およびIRスペクトル分析
により、下記式(23):
【0068】
【化15】
【0069】で示される含フッ素ポリシロキサンである
ことを確認した。この生成物のNMR およびIRデータを表
4に示し、IRスペクトルを図4に示す。
【0070】
【表4】
【0071】比較例 実施例1において、前記式(15)で示される含フッ素オレ
フィン化合物の代わりに、下記式 攪拌器、冷却管、温
度計および滴下ロートを備えた300mLのフラスコに、下
記式(24): F[CF(CF3)CF2O]2CF(CF3)CH=CH2 (24) で示される含フッ素オレフィン化合物を用いた以外は、
実施例1−(i) と同様の操作を行った。滴下終了後、10
0 ℃で2時間保持したが、ガスクロマトグラフィーで該
含フッ素オレフィン化合物の残存が確認された。さら
に、120 ℃で3時間反応を続けたところ、内容物がゲル
化してしまい、反応の続行が不可能になった。
【0072】
【発明の効果】本発明の含フッ素オルガノポリシロキサ
ンは、潤滑性に優れ、揮発成分も比較的少ない。また、
含フッ素基と炭化水素基との比を調整することにより、
非フッ素系溶剤にも可溶となる。したがって、潤滑剤,
内添離型剤、ワックス用添加剤等の用途が期待できる。
また、本発明の製造方法によれば、フッ素基変性率およ
び炭化水素基変性率を任意に設定された本発明の含フッ
素オルガノポリシロキサンを、高反応率かつ高選択率
に、そして安価に製造することができる。
【0073】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた含フッ素オルガノハイドロ
ジェンテトラシクロシロキサン(A) のIRスペクトルで
ある。
【図2】実施例1で得られた含フッ素テトラシクロシロ
キサンのIRスペクトルである。
【図3】実施例2で得られた含フッ素ポリシロキサンの
IRスペクトルである。
【図4】実施例3で得られた含フッ素ポリシロキサンの
IRスペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木下 博文 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) 一般式(1) : R1(CH2) a O b (CH2)3Si(R)O2/2 (1) (式中、Rは脂肪族不飽和基を除く炭素数1〜10の1価
    炭化水素基であり、R1 は炭素数1〜10のパーフルオロア
    ルキル基、またはエーテル結合を有する炭素数3〜20の
    パーフルオロアルキル基であり、aおよびbは、それぞ
    れ、0または1である)で示される含フッ素オルガノシ
    ロキサン単位1〜80モル%、および(B) 一般式(2) : R2CH(R3)CH2Si(R)O2/2 (2) (式中、 R2 は脂肪族不飽和基を除く炭素数4〜50の1
    価炭化水素基であり、R3 は水素原子またはメチル基で
    あり、Rは前記と同じである)で示されるオルガノシロ
    キサン単位1〜80モル%を含有する含フッ素オルガノポ
    リシロキサン。
  2. 【請求項2】 一般式(3) : R1(CH2)a O b CH2CH =CH2 (3) (式中、 R1、aおよびbは前記と同じ意味である)で
    示される含フッ素オレフィン、および一般式(4) : R2C(R3)=CH2 (4) (式中、R2およびR3は前記と同じ意味である)で示され
    るα−オレフィンと、一般式(5) : R(H)SiO2/2 (5) (式中、R は前記と同じ意味である)で示されるヒドロ
    シロキサン単位を1分子中に少なくとも2個有するオル
    ガノハイドロジェンポリシロキサンとを、反応させるこ
    とを特徴とする、請求項1に記載の含フッ素オルガノポ
    リシロキサンの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013006819A (ja) * 2011-05-26 2013-01-10 Shin-Etsu Chemical Co Ltd 含フッ素有機ケイ素化合物及びその製造方法並びに防汚性付与剤及びハードコート材料
JP2016522289A (ja) * 2013-05-31 2016-07-28 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー フルオロアルキルシリコーン

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JP2013006819A (ja) * 2011-05-26 2013-01-10 Shin-Etsu Chemical Co Ltd 含フッ素有機ケイ素化合物及びその製造方法並びに防汚性付与剤及びハードコート材料
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US9994740B2 (en) 2013-05-31 2018-06-12 3M Innovative Properties Company Fluoroalkyl silicones

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