JPH10335352A - GaAs電界効果トランジスタおよびその製造方法 - Google Patents

GaAs電界効果トランジスタおよびその製造方法

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JPH10335352A
JPH10335352A JP15802497A JP15802497A JPH10335352A JP H10335352 A JPH10335352 A JP H10335352A JP 15802497 A JP15802497 A JP 15802497A JP 15802497 A JP15802497 A JP 15802497A JP H10335352 A JPH10335352 A JP H10335352A
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JP
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gaas
active layer
effect transistor
pulse
electrode
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JP15802497A
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Shokichi Kudo
昭吉 工藤
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パルス遅延現象を低減したGaAs電界効果
トランジスタの構造および製造方法を提供する。 【解決手段】 ゲート電極から空乏層が伸びるGaAs
活性層領域の表面のGaAs酸化膜の膜厚を20Å以下
にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化合物半導体トラ
ンジスタ、特に、パルス動作に用いられるGaAs電界
効果トランジスタおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】GaAs電界効果トランジスタのゲート
電極構造は、GaAsの動作層にソース/ドレイン電
極、リセスを形成した後(図7(a)(b))、リセス
中央部に開口部を有するフォトレジストをマスクとして
ゲート金属を蒸着し(図7(c))、続いて、フォトレ
ジストを溶解、除去することによりゲート電極以外の部
分のフォトレジストを除去するリフトオフ法により、ゲ
ート電極を形成し、最後のパッシベーション膜を形成し
て行われていた(図7(d))。かかるリフトオフ法で
は、フォトレジストを除去した後にフォトレジストの残
渣を完全に除去するために、通常、リフトオフ後に酸素
プラズマによるアッシング工程を行い、かかる残渣を完
全に除去していた(図7(c))。また、GaAs電界
効果トランジスタでは、GaAs表面の表面準位に起因
する電子の捕獲/放出が、トランジスタをパルス動作に
使用する場合のパルス遅延現象の原因となると考えられ
ていた。
【0003】そこで、従来は、かかるリセス表面に形成
されるGaAs表面の影響を回避するために、図6に示
すような二段リセス型トランジスタが用いられていた。
図中、1はゲート電極、2、3はリセス、4はソース/
ドレイン電極、5はパシベーション膜、6はGaAs酸
化膜であり、断面TEMによる観察によれば、約30Å
の厚みの薄膜である。また、7はGaAs活性層、8は
GaAs半絶縁性基板、9は空乏層を示す。かかる二段
リセス構造では、ゲート電極近傍のリセス幅を実効上狭
くすることができ、上記表面準位トラップがゲート電極
のバイアスに応答して伸縮する空乏層に与える影響を低
減することができ、パルス遅延現象の低減を図ることが
可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】2段リセス構造の形成
は、製造プロセスが複雑となり、また複雑な工程ゆえに
歩留り低下の原因となっていた。また、ゲート電極近傍
のリセス幅が実効上狭くなるため、ゲート/ドレイン耐
圧が低下するという問題もあった。そこで、発明者は鋭
意研究の結果、上記パルス遅延現象の原因は、従来考え
られていたようなGaAs表面に起因する表面準位トラ
ップに起因するものではなく、主に、アッシング工程に
よりリセス表面に形成されたGaAs酸化物のトラップ
準位に起因していること、また、上記GaAs酸化物
は、一方で、ゲート/ドレイン耐圧の向上に寄与してい
ることを見出した。即ち、従来の2段リセス構造では、
リセス表面に形成される表面準位と、GaAs酸化膜中
に形成されるトラップ準位とを分離して取り扱わず、2
段リセス構造を採用することにより両者を同時に低減す
るものであった。
【0005】そこで、本発明は、パルス遅延現象を低減
したGaAs電界効果トランジスタの構造および製造方
法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、発明者は、鋭意
研究の結果、従来リフトオフ工程の後に行っていたアッ
シング工程を廃止することにより、GaAs表面に形成
されるGaAs酸化物を低減でき、2段リセス構造を採
用せずにパルス遅延現象の低減を図ることができるとと
もに、上記GaAs表面に形成されるGaAs酸化物の
低減は、ゲート/ドレイン耐圧の低下の原因となりうる
が、かかるゲート/ドレイン耐圧の低下は、リセスの幅
を十分広くすることにより防止できることを見出した。
即ち、リフトオフ工程にN−メチル−2−ピロリドン
(NMP)を主成分とする剥離液を用いることにより、
リフトオフ工程の後に行っていたアッシング工程が不要
となり、アッシング工程で形成されていたGaAs酸化
物を低減し、電界効果トランジスタを高速なパルス動作
に使用する場合のパルス遅延現象の低減を図ることがで
きることを見出し、本発明を完成した。
【0007】即ち、本発明は、GaAs活性層と、上記
GaAs活性層上に設けられたソース電極およびドレイ
ン電極と、上記ソース電極および上記ドレイン電極間の
上記GaAs活性層上に設けられたゲート電極とを備
え、上記ゲート電極に入力されるパルス信号により上記
ソース電極と上記ドレイン電極間の電子の移動を制御す
るGaAs電界効果トランジスタであって、上記ゲート
電極から広がる空乏層が接する上記GaAs活性層上の
GaAs酸化膜中の電子トラップ量を低減し、上記パル
ス信号に対する出力信号のパルス特性を80%以上とす
ることを特徴とするGaAs電界効果トランジスタであ
る。ゲート電極にパルス信号を入力して用いるGaAs
電界効果トランジスタでは、ゲート電極から空乏層が広
がるGaAs活性層表面にGaAs酸化膜があり、Ga
As酸化膜中に電子トラップが形成されることにより、
かかる電子トラップからの電子放出等により上記パルス
信号に対する出力信号の遅延(パルス遅延現象)が生じ
る。従って、GaAs酸化膜中の電子トラップを低減す
ることにより、パルス遅延現象を小さくすることが可能
となる。この結果、従来構造のように、製造工程が複雑
で、製造歩留まりの低い2段リセス構造を用いることな
く、80%以上の良好なパルス特性を有するGaAs電
界効果トランジスタを得ることが可能となる。尚、ここ
でパルス特性とは、パルス信号をゲート電極に入力した
後、1μsec経過後のトランジスタの出力電圧が、上
記パルス信号オフ時の出力電圧の何%に該当するかで表
される値をいう。
【0008】上記GaAs酸化膜の膜厚は、20Å以下
であることが好ましい。GaAs酸化膜の膜厚をこのよ
うに制御することにより、GaAs酸化膜中の電子トラ
ップ量の低減が可能となるからである。
【0009】上記ゲート電極は、リセスを形成した上記
GaAs活性層上に形成されることが好ましい。GaA
s活性層領域のGaAs酸化膜の膜厚を薄くすることに
より、ゲート/ドレイン耐圧は低下する傾向にあるが、
ゲート電極をリセス構造のGaAs活性層に形成するこ
とにより、かかるゲート/ドレイン耐圧の低下を防止す
ることが可能となるからである。
【0010】また、本発明は、GaAs基板上に形成さ
れたGaAs活性層上に、電極開口部を設けたレジスト
マスクを形成する工程と、上記レジストマスク上および
上記電極開口部内のGaAs活性層上に電極金属を形成
する工程と、上記レジストマスクを溶解し、上記レジス
トマスク上に形成された上記電極金属を除去することに
より、上記電極開口部内のGaAs活性層上に電極を形
成する工程と、上記GaAs活性層上に残った上記レジ
ストマスクの残渣を除去するアッシング工程とからなる
リフトオフ工程を備えたGaAs電界効果トランジスタ
の製造方法において、上記レジストマスク(イメージリ
バーサルレジスト)がノボラック樹脂からなり、上記ア
ッシング工程が不要な程度にまで、N−メチル−2−ピ
ロリドンを主成分とする剥離液を用いて上記レジストマ
スクを除去することを特徴とするGaAs電界効果トラ
ンジスタの製造方法でもある。リフトオフ工程を用いて
電極を形成する場合に、レジストマスクをN−メチル−
2−ピロリドンを主成分とする剥離液を用いて溶解除去
することにより、残渣を残さずレジストマスクの除去が
可能となるため、従来のような酸素プラズマ等によるレ
ジストマスク残渣のアッシング工程が不要となり、かか
るアッシング工程によるGaAs活性層表面の酸化を防
止することができる。この結果、ゲート電極から空乏層
が伸びるGaAs活性層表面のGaAs酸化膜の膜厚を
20Å以下にまで薄くすることが可能となり、80%以
上の良好なパルス特性を有するGaAs電界効果トラン
ジスタを形成することが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.図1に、本発明の実施の形態1にかかる
GaAs電界効果トランジスタの断面構造を示す。図
中、図6と同一符号は同一または相当箇所を示す。本実
施の形態にかかるプロセスでは、図8に示す従来のリフ
トオフ工程で用いていた、アセトン等の剥離剤によるレ
ジストの除去工程およびレジスト残渣のアッシング除去
工程に代えて、溶解力の強いN−メチル−2−ピロリド
ン(NMP)を主成分とする剥離液でレジストの剥離を
行う。これにより、レジストは残渣を残すことなく完全
に剥離されるため、アッシング工程を行うことは不要と
なる。
【0012】図3(a)に本実施の形態にかかる方法を
用いた場合のGaAs表面近傍の断面TEM写真を、図
3(b)に従来方法を用いた場合のGaAs表面近傍の
断面TEM写真を夫々示す(倍率:500,000
倍)。断面写真は、GaAs上のレジストを剥離した後
に、SiONパッシーベーション膜を形成した後の断面
写真であり、図3(b)に示すアッシングを行った場合
のGaAs表面には、約35Å程度のGaAs表面酸化
膜の形成が認められるが、図3(a)のアッシングを行
わない場合のGaAs表面では、表面酸化膜の厚みは2
0Å以下となっていることがわかる。即ち、本実施の形
態では、上述のゲート電極形成工程において、アッシン
グ工程が不要となるため、アッシング工程で酸素プラズ
マにさらされるゲート電極近傍のGaAs活性層表面へ
のGaAs酸化膜の形成が低減されることとなる。
【0013】比較例1 図4に、本発明にかかるNMPを主成分とする剥離剤で
レジストマスクを除去し、アッシング工程を行わずにト
ランジスタを作製した場合と、従来どおりアッシング工
程を行って作製した場合のパルス特性の比較例を示す。
図4(a)は、本実施の形態にかかるアッシング処理を
行わない方法(NMPを主成分とする剥離剤使用)で形
成したGaAs電界効果トランジスタのパルス特性であ
り、図4(b)は、アッシング処理を行う従来の方法で
形成したGaAs電界効果トランジスタのパルス特性で
ある。図中、横軸は時間、縦軸はソース/ドレイン電流
を2Ωの抵抗に通して測定した電圧である。ここで、パ
ルス特性とは、パルス信号をゲートに入力した後、1μ
sec経過後のトランジスタの出力電圧が、パルス信号
オフ時の出力電圧の何%に該当するかで表される。図4
(b)に示すアッシング処理を行った場合には、パルス
特性は50%となり、明白なパルス遅延現象(ゲート入
力信号に対する遅延)が現れているが、図4(a)に示
す本実施の形態にかかるアッシング処理無しの場合は、
パルス特性は95%と良好であることが分かる。尚、G
aAs電界効果トランジスタをパルス動作に用いる場合
には、一般にパルス特性は、80%以上確保する必要が
ある。
【0014】比較例2 図5は、トランジスタの製造工程の違いによるパルス特
性およびゲート/ドレイン耐圧の比較例である。図5
(a)には、GaAs表面をプラズマアッシングした場
合、光オゾンアッシング(プラズマによる表面損傷は生
じない)した場合、アッシング処理を行わない場合(N
MPを主成分とする剥離剤を使用した場合)のパッシベ
ーション膜形成に至るまでの工程中におけるGaAs電
界効果トランジスタのパルス特性の変化を、図5(b)
には、パッシベーション膜形成後のGaAs電界効果ト
ランジスタのパルス特性と耐圧(Vgdo)の関係を示
す。かかるGaAs電界効果トランジスタには、図1に
示す素子構造を有する電界効果トランジスタを用いるも
のとする。図5(a)より、パルス特性はアッシング前
にはいずれも80%前後に分布しているが、アッシング
処理を行うことにより、光オゾンアッシング後は50
%、プラズマアッシング後は40%に夫々低下する。一
方、アッシング処理を行わない場合は、90%以上の良
好なパルス特性が得られている。また、図5(b)に示
すパルス特性と耐圧との関係から、パルス特性の劣化と
ともに耐圧の分布は上昇する傾向にあることが分かる。
図に示す結果から、各々のアッシング条件(プラズマア
ッシング、光オゾンアッシング、アッシング処理無し)
の耐圧分布のばらつき(横軸方向のばらつき)は、いず
れのアッシング条件においてもほぼ同じ(Vgdo(m
ax)−Vgdo(min)〜2.5V)であることか
ら、かかる耐圧のばらつき(〜2.5V)は、リセス幅
やゲート長のばらつき等から生じるものであり、一方
で、各アッシング条件による耐圧のばらつきは、各アッ
シング条件に起因するGaAsの表面状態の違いにより
生じるものであると考えられる。即ち、図1に示す普通
の1段リセス構造のGaAs電界効果トランジスタにお
いては、アッシング処理を行わない(GaAs酸化膜を
形成しない)ことにより、ゲート/ドレイン耐圧が低下
する傾向にあるが、図1では、リセス幅を約1.7μm
と従来構造より広くしているため、図5(b)より18
V以上の耐圧確保が可能となることが分かる。従って、
GaAs酸化膜を形成しないことにより、ゲート/ドレ
イン耐圧は低下するが、これに対しては、リセス幅を広
くすることにより、十分実用に耐える耐圧の確保が可能
となることがわかる。尚、一般に、18V程度の耐圧が
確保できれば、パルス動作に用いられるGaAs電界効
果トランジスタに使用することが可能である。
【0015】実施の形態2.図2は、本発明の実施の形
態2にかかるSAG(Self Align Gat
e)型電界効果トランジスタの断面図であり、図中、図
6と同一符号は同一または相当箇所を示す。実施の形態
1ではリセス型のGaAs電界効果トランジスタについ
て述べたが、本実施の形態にかかる電界効果トランジス
タについても、アッシング処理を行わずにNMPを主成
分とする剥離剤を使用して素子作製することにより、ゲ
ート電極近傍のGaAs表面へのGaAs酸化膜の形成
を低減し、電界効果トランジスタのパルス特性の向上を
図ることが可能となる。
【0016】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、GaAs電界効果トランジスタの電極形成時
のリフトオフ工程において、レジスト剥離剤として、N
−メチル−2−ピロリドン(NMP)を主成分とする剥
離液を用いることにより、リフトオフ工程後のアッシン
グ工程が不要となり、かかるアッシング工程によりゲー
ト電極から空乏層が伸びる領域のGaAs活性層表面に
形成されるGaAs酸化膜の膜厚を低減し、20Å以下
とすることが可能となる。この結果、GaAs酸化膜中
に形成される電子トラップに起因するパルス特性の遅延
を防止することができ、従来のような製造工程の複雑な
2段リセス構造を用いることなく良好なパルス特性(>
80%)を確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1にかかるGaAs電界
効果トランジスタの断面図である。
【図2】 本発明の実施の形態2にかかるGaAs電界
効果トランジスタの断面図である。
【図3】 (a)本発明の実施の形態1にかかるGaA
s活性層表面近傍の断面TEM写真である。 (b)従来方法にかかるGaAs活性層表面近傍の断面
TEM写真である。
【図4】 (a)本発明の実施の形態1にかかるGaA
s電界効果トランジスタのパルス特性である。 (b)従来構造のGaAs電界効果トランジスタのパル
ス特性である。
【図5】 (a)パッシベーション膜形成までの製造工
程中におけるGaAs電界効果トランジスタのパルス特
性の変化である。 (b)GaAs電界効果トランジスタのパルス特性と耐
圧の関係である。
【図6】 従来構造の2段リセス構造のGaAs電界効
果トランジスタの断面図である。
【図7】 従来のGaAs電界効果トランジスタのゲー
ト電極形成工程図である。
【符号の説明】
1 ゲート電極、2、3 リセス、4 ソース/ドレイ
ン電極、5 パッシベーション膜、6 GaAs酸化
膜、7 GaAs活性層、8 GaAs半絶縁性基板、
9 空乏層。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年9月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】即ち、本発明は、GaAs活性層と、上記
GaAs活性層上に設けられたソース電極およびドレイ
ン電極と、上記ソース電極および上記ドレイン電極間の
上記GaAs活性層上に設けられたゲート電極とを備
え、上記ゲート電極に入力されるパルス信号により上記
ソース電極と上記ドレイン電極間の電子の移動を制御す
るGaAs電界効果トランジスタであって、上記ゲート
電極から広がる空乏層が接する上記GaAs活性層上の
GaAs酸化膜中の電子トラップ量を低減し、上記パル
ス信号に対する出力信号のパルス特性を80%以上とす
ることを特徴とするGaAs電界効果トランジスタであ
る。ゲート電極にパルス信号を入力して用いるGaAs
電界効果トランジスタでは、ゲート電極から空乏層が広
がるGaAs活性層表面にGaAs酸化膜があり、Ga
As酸化膜中に電子トラップが形成されることにより、
かかる電子トラップからの電子放出等により上記パルス
信号に対する出力信号の遅延(パルス遅延現象)が生じ
る。従って、GaAs酸化膜中の電子トラップを低減す
ることにより、パルス遅延現象を小さくすることが可能
となる。この結果、従来構造のように、製造工程が複雑
で、製造歩留まりの低い2段リセス構造を用いることな
く、80%以上の良好なパルス特性を有するGaAs電
界効果トランジスタを得ることが可能となる。尚、ここ
でパルス特性とは、パルス信号をゲート電極に入力した
後、1μsec経過後のトランジスタの出力電圧が、上
記パルス信号オフ時の出力電圧の何%に該当するかで表
される値をいう。具体的には、パルス信号をゲート電極
に入力するトランジスタ動作において、ゲートオン後1
μsec経過時のドレイン電流と、ゲートオン後(10
msec経過時)に飽和するドレイン電流との比、即
ち、パルス動作(ゲートオン/オフ=10msec/1
0msec)を行った時のドレイン電流を2Ωの抵抗を
介して測定した電圧の比(%)で表される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】比較例1 図4に、本発明にかかるNMPを主成分とする剥離剤で
レジストマスクを除去し、アッシング工程を行わずにト
ランジスタを作製した場合と、従来どおりアッシング工
程を行って作製した場合のパルス特性の比較例を示す。
図4(a)は、本実施の形態にかかるアッシング処理を
行わない方法(NMPを主成分とする剥離剤使用)で形
成したGaAs電界効果トランジスタのパルス特性であ
り、図4(b)は、アッシング処理を行う従来の方法で
形成したGaAs電界効果トランジスタのパルス特性で
ある。図中、横軸は時間、縦軸はソース/ドレイン電流
を2Ωの抵抗に通して測定した電圧である。ここで、パ
ルス特性とは、パルス信号をゲートに入力した後、1μ
sec経過後のトランジスタの出力電圧が、パルス信号
オフ時の出力電圧の何%に該当するかで表される。具体
的には、パルス信号をゲート電極に入力するトランジス
タ動作において、ゲートオン後1μsec経過時のドレ
イン電流と、ゲートオン後(10msec経過時)に飽
和するドレイン電流との比、即ち、パルス動作(ゲート
オン/オフ=10msec/10msec)を行った時
のドレイン電流を2Ωの抵抗を介して測定した電圧の比
(%)で表される。図4(b)に示すアッシング処理を
行った場合には、パルス特性は50%となり、明白なパ
ルス遅延現象(ゲート入力信号に対する遅延)が現れて
いるが、図4(a)に示す本実施の形態にかかるアッシ
ング処理無しの場合は、パルス特性は95%と良好であ
ることが分かる。尚、GaAs電界効果トランジスタを
パルス動作に用いる場合には、一般にパルス特性は、8
0%以上確保する必要がある。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 GaAs活性層と、上記GaAs活性層
    上に設けられたソース電極およびドレイン電極と、上記
    ソース電極および上記ドレイン電極間の上記GaAs活
    性層上に設けられたゲート電極とを備え、 上記ゲート電極に入力されるパルス信号により上記ソー
    ス電極と上記ドレイン電極間の電子の移動を制御するG
    aAs電界効果トランジスタであって、 上記ゲート電極から広がる空乏層が接する上記GaAs
    活性層上のGaAs酸化膜中の電子トラップ量を低減
    し、 上記パルス信号に対する出力信号のパルス特性を80%
    以上とすることを特徴とするGaAs電界効果トランジ
    スタ。
  2. 【請求項2】 上記GaAs酸化膜の膜厚が、20Å以
    下であることを特徴とする請求項1に記載のGaAs電
    界効果トランジスタ。
  3. 【請求項3】 上記ゲート電極が、リセスを形成した上
    記GaAs活性層上に形成されることを特徴とする請求
    項1または2に記載のGaAs電界効果トランジスタ。
  4. 【請求項4】 GaAs基板上に形成されたGaAs活
    性層上に、電極開口部を設けたレジストマスクを形成す
    る工程と、 上記レジストマスク上および上記電極開口部内のGaA
    s活性層上に電極金属を形成する工程と、 上記レジストマスクを溶解し、上記レジストマスク上に
    形成された上記電極金属を除去することにより、上記電
    極開口部内のGaAs活性層上に電極を形成する工程
    と、 上記GaAs活性層上に残った上記レジストマスクの残
    渣を除去するアッシング工程とからなるリフトオフ工程
    を備えたGaAs電界効果トランジスタの製造方法にお
    いて、 上記レジストマスクがノボラック樹脂からなり、 上記アッシング工程が不要な程度にまで、N−メチル−
    2−ピロリドンを主成分とする剥離液を用いて上記レジ
    ストマスクを除去することを特徴とするGaAs電界効
    果トランジスタの製造方法。
JP15802497A 1997-05-29 1997-05-29 GaAs電界効果トランジスタおよびその製造方法 Pending JPH10335352A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1274135A1 (en) * 2001-07-06 2003-01-08 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha GaAs-based semiconductor field-effect transistor
US6998225B2 (en) 2002-04-10 2006-02-14 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Method of producing compound semiconductor device

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