JPH10332934A - 楕円偏光板及びそれを用いた液晶表示装置 - Google Patents
楕円偏光板及びそれを用いた液晶表示装置Info
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Abstract
用いた液晶表示装置を提供する。 【解決手段】 本発明の楕円偏光板7は、二色性物質1
が螺旋構造中に固定してツイスト配列された構造を有
し、螺旋構造をなす二色性物質1中で、入射光は左楕円
偏光3と右楕円偏光4とに分かれて螺旋構造中を伝播
し、左楕円偏光3と右楕円偏光4とは螺旋構造に沿って
回転し、左楕円偏光3と右楕円偏光4とは螺旋構造の螺
旋方向により一方が強く吸収され、他方は弱く吸収さ
れ、一定の楕円偏光を出射するように設計される。本発
明の液晶表示装置は、上述の楕円偏光板を用いる。
Description
れを用いた液晶表示装置に関する。
れてきた。これら偏光板を例示したものとして、「ポリ
マ−フィルム技術」、岡田豊和、液晶若手研究会第3回
講演会「2000年の液晶研究」106ページを挙げる
ことができる。これを元に、従来の偏光板について説明
する。
模式的説明図である。
板は、延伸配向したポリビニールアルコールに二色性物
質を吸着配向させたものである。すなわち、ポリビニー
ルアルコールの高分子鎖17が一軸配向しており、これ
に沿うように二色性物質1が配向して吸着している。二
色性物質は、一般に回転楕円体型の吸収係数を有してい
る。このため、回転楕円体の長軸方位に振動する偏光に
関しては大きな吸収係数を示し、回転楕円体の短軸方位
に振動する偏光に関しては小さな吸収係数を示す。
にある。この光が図19に示す配列した二色性物質に入
射した場合には、二色性物質の長軸方位(y方位)の偏
光は強く吸収され、短軸方位(x方位)の偏光は弱く吸
収される。このため、出射偏光18として、ほぼ直線偏
光状態の光を得ることができる。この短軸方位(x方
位)を偏光板の透過軸と呼ぶ。以上が、二色性色素を用
いた偏光板が、直線偏光を出射する原理である。
している。特に、コントラスト比が高い液晶表示装置で
は、二枚の偏光板の透過軸を直交させて配置している。
これについて説明する。コントラスト比とは、(明状態
の透過率)/(暗状態の透過率)の形の比で定義され
る。このため、高いコントラスト比を達成するために
は、透過率の低い暗状態がすべての可視光域で実現され
なければならない。これは、透過軸が直交した偏光板間
で液晶が基板面に垂直になっているとき実現する。具体
的に例を挙げると、透過軸が直交した偏光板間に垂直配
向した液晶を挟持したホメオトロピック液晶は、コント
ラスト比が高いことが知られている。また、透過軸が直
交した偏光板間にツイステッドネマチック液晶を挟持し
た場合も、コントラスト比が高いことが知られている。
この場合には、ツイステッドネマチック液晶に電圧を印
加して垂直配向させときに、暗状態が得られる。
ラスト比は透過軸が直交した偏光板に起因している。
視角依存性を改善する手法には著しいものがある。しか
し、このような広視野角化は、偏光板の視角依存性とい
う上限が存在する。これについて以下説明する。
存性について図20を用いて説明する。従来の直線偏光
板は、図20に示すような回転楕円体型の吸収係数を有
している。正面から眺めた場合には、x軸方位の楕円長
軸に対応する吸収係数αeとy軸方位の楕円短軸に対応
する吸収係数αoに差があり、これが二色比を引き起こ
す原因となっていた。もし、視線が図20に示すように
正面からA方位に傾いた場合には、両吸収係数αe、α
oに変化はない。しかし、図20のB方位に傾いた場合
には、吸収係数αeが見かけ上小さくなる。このため、
B方位では二色比は見かけ上低下する。以上のように、
従来の直線偏光板では特徴的方位角で視角依存性が大き
い。
て配置した場合の視角依存性を考える。この―対の偏光
板を斜めから見込んだ場合には透過率が上昇する。これ
は、正面から見た場合には偏光板の透過軸は直交してい
るが、斜め見込み時には90度からずれて見えるためで
ある。このために、正面では低い透過率を示しても、斜
め見込み時には高い透過率を示すこととなる。従って、
液晶表示媒体の視角依存性がいくら改善されても、透過
軸が直交した偏光板の視角依存性が残ることとなる。以
上のように、偏光板の視角依存性が、液晶表示装置の視
野角特性の上限値を定めている。
的は、視角依存性を改善する楕円偏光板及びそれを用い
た液晶表示装置を提供することにある。
二色性物質が螺旋構造中に固定してツイスト配列された
構造を有し、螺旋構造をなす二色性物質中で、入射光は
左楕円偏光と右楕円偏光とに分かれて螺旋構造中を伝播
し、左楕円偏光と右楕円偏光とは螺旋構造に沿って回転
し、左楕円偏光と右楕円偏光とは螺旋構造の螺旋方向に
より一方が強く吸収され、他方は弱く吸収され、一定の
楕円偏光を出射するように設計される。
造または右螺旋構造を有する一対の楕円偏光板間に液晶
層を配置し、液晶層の複屈折の発生の有無により、明暗
表示を行なう手段を有する。
を有する一つの楕円偏光板と反射板との間に液晶層を配
置し、楕円偏光板を出射した一定の楕円偏光が、液晶層
に入射し楕円偏光が変調され、反射板に到達すると、楕
円偏光の回転方向が反転し、再び、液晶層で楕円偏光が
変調され、液晶層での変調の大きさを調整し、明暗表示
を行う手段を有してもよい。
造を有することにより、視角依存性の改善された楕円偏
光板及びそれを用いた液晶表示装置を提供することがで
きる。
色性物質が固定されたツイスト配列した構造を有し、一
定の楕円偏光を出射するように設計された楕円偏光板で
ある。本発明の第2の実施の形態は、本発明の第1の実
施の形態の楕円偏光板を2枚用いた液晶表示装置であ
る。
を用いて説明する。本発明の第1の実施の形態において
は、二色性物質1が螺旋構造2中に固定して配置されて
いる。以下の説明は、主に図2のような1ピッチ以下の
螺旋構造の場合についても適用可能である。
る屈折率(ne)と吸収係数(αe)、短軸方位に対応
する屈折率(no)と吸収係数(αo)を有している。
この場合には、光入射面の二色性物質の長軸方位と光出
射面の二色性物質の長軸方位は角度(Θ)をなしてい
る。さらに、光入射面と光出射面の間隔、すなわち厚さ
をdとする。以上の5つの量によって、本発明の楕円偏
光板中の光の伝播を説明することができる。この螺旋構
造をなす二色性物質中で光は、左楕円偏光と右楕円偏光
に分かれて伝播する。
を説明する。そこで、はじめに図3を用いて、楕円偏光
の特徴を説明する。図3は、光の進行方向を紙面から手
前に配置した場合の、楕円偏光の電場ベクトルの軌跡を
描いたものである。電場ベクトルは進行方向に垂直な面
内で、楕円を描いている。この楕円偏光を特徴づける量
として、楕円率(楕円長軸と楕円短軸の比)と楕円方位
(楕円長軸の方位)と回転方向(左楕円偏光か右楕円偏
光か)が挙げられる。
義する。図4のl偏光3とr偏光4は、楕円率が等しく
楕円方位が90度直交した左惰円偏光と右楕円偏光であ
る。これらを90度回転した楕円偏光を図5に示すよう
にr* 偏光6及びl* 偏光5と呼ぶことにする。従っ
て、r* 偏光は左楕円偏光であり、l* 偏光は右楕円偏
光である。
を振動する直線偏光の合成と考えることができる。但
し、この際にx軸方向とy軸方向の直線偏光は90度位
相がずれている。一方、図6のx’軸及びy’軸上を振
動する直線偏光の合成としても、両楕円偏光を考えるこ
とができる。この場合には、x’軸及びy’軸方位への
振幅は等しくなる。そして、両振幅の位相差は、x=2
π(ne−no)d/(2Θλ)によって決まる。ここ
で、λは光の波長である。この位相差の計算例を図7に
示す。
となる。これは、x’軸方向とy’軸方向の直線偏光の
位相差が90度ずれていることを意味している。すなわ
ち、この場合に伝播できる偏光は、左円偏光及び右円偏
光となる。他方、x→∞では位相差は0度となる。即
ち、x’軸方向とy’軸方向の直線偏光は同位相とな
る。従って、この場合には、伝播できる偏光は振動方向
が直交する2つの直線偏光となる。一般に、両極限の中
間では、伝播できる偏光は図4に示すr偏光及びl偏光
である。
造中を伝播していくと螺旋構造に沿って回転する。この
ため、出射光はr偏光及びl偏光が角度Θだけ回転した
ものである。
合には、l偏光あるいはr偏光のどちらかが強く吸収さ
れ、他方は弱く吸収される。この2つの吸収の強弱は、
螺旋構造の螺旋方向によって決まる。x→∞の極限で
は、l偏光及びr偏光は直交する2つの直線偏光とな
る。この場合の強吸収は図19で説明した長軸方向の吸
収に対応し、弱吸収は短軸方向の吸収に対応する。従っ
て、一方の偏光は強く吸収されて出射できなくなリ、他
方の偏光が出射される。
の構造を用いれば、一定の楕円偏光のみを出射すること
か可能である。さらに、この出射楕円偏光の楕円率は、
x=2π(ne−no)d/(2Θλ)によって設計す
ることが可能である。また、出射惰円偏光方位は角度Θ
によって設計することか可能である。また、楕円偏光の
回転方向は螺旋構造の螺旋方向で設計することが可能で
ある。
を有している。以下では、この構造による視角依存性の
改善効果について述べる。
示すように吸収係数を表わす回転楕円体がz軸の周りに
回転して配置されているため、特徴的な傾き方位が存在
しない。すなわち、図8のx軸方位に傾いても、y軸方
位に傾いても、吸収係数の変化は同一である。このた
め、偏光板単体としても従来の直線偏光板より視角特性
上優れている。
る。ここでは、はじめに、本発明の第1の実施の形態の
楕円偏光板7を2枚用いて消光状態が得られることを説
明する。図9は本発明の第1の実施の形態の左螺旋構造
を有する左捻じれ楕円偏光板7の作用を説明したもので
ある。この左捻じれ楕円偏光板中を伝播できる偏光は、
r偏光及びl偏光である。この内、l偏光を選択的に吸
収し、r偏光を旋光して出射する。また、図10は同様
に本発明の第1の実施の形態の右螺旋構造を有する右捻
じれ楕円偏光板7の作用を説明したものである。この場
合、伝播できる偏光は、r* 偏光及びl* 偏光である。
楕円偏光板中では、l* 偏光が選択的に吸収されr* 偏
光が旋光して出射される。
7を組み合わせて配置すれば、消光状態を得ることが判
る。この消光状態は、特徴的な透過軸方位が直交してい
る訳ではないこのため、すでに述べたような直交配置方
位の斜め見込み時のずれはないので、視角特性上優れて
いる。
2のように一対の楕円偏光板間に液晶層8を配置する。
もし、液晶層が複屈折を示さない場合には、図12に示
すように図11と同等の消光状態を得ることができる。
また、液晶層が複屈折を示す場合には、図13のように
液晶層8を出射する楕円偏光が変調されているので、出
射側の楕円偏光板では消光されない。
を用いて、液晶表示が可能である。この場合にも、偏光
板自身の視角依存性が改善されているので、液晶表示装
置の視角依存性も改善されている。
に示すように、第3の発明では、楕円偏光板7、液晶層
8、反射板15の三層構造からなる。この場合、楕円偏
光板を出射した一定の楕円偏光が、液晶層に入射する。
液晶層では、この楕円偏光が変調される。反射板に到達
すると、楕円偏光の回転方向が反転する。再び、液晶層
で楕円偏光が変調される。再び、楕円偏光板を通過でき
るかどうかは、変調後の楕円偏光の形状に依存する。そ
こで、液晶層での変調の大きさを調整し、明暗表示を行
うことができる。この場合も、従来の直線偏光板を用い
るより、視角特性が優れている。
する楕円偏光板は、螺旋構造体を二色性色素で染色する
とにより得ることができる。以上で、二色性色素あるい
はヨウ素による染色は、従来の偏光板の作成方法で広く
知られている。
る高分子鎖を利用することが可能である。あるいは、コ
レステリック高分子液晶を利用することも可能である。
低分子液晶相を固定化することによっても得られる。こ
の固定方法として、ネマチック液晶中にコレステリック
液晶と感光性物質を添加し螺旋構造を誘起せしめて、光
硬化することもできる。また、液晶自身が感光性を有し
たネマチック液晶を用いてもよい。
厚さによるツイスト角を制御することによリ、出射する
楕円偏光の形状を制御することが可能である。
種類の液晶素子を用いることができる。
イステッドネマチック液晶9を両楕円偏光板7間に置い
ても、同様に表示動作を行わせることができる。この場
合、消光するのは電圧印加時である。このとき、電圧印
加時のツイステッドネマチック液晶が光学的に影響を与
えないので、消光条件が成立する。
によって横方向に変位する場合にも、適用可能である。
この横方向に変位する液晶の例として、横方向に電極を
設けネマチック液晶が横方向に動く場合もある。また、
強誘電性液晶のように、縦方向の電界によって横方向に
変位する場合もある。この場合にも、明暗表示が可能で
ある。
らなる垂直配向液晶10を、図17に示すように楕円偏
光板中に挿入する。この場合、電圧無印加時には消光状
態が得られる。しかし液晶に電圧を印加すれば、液晶の
複屈折が発生する。このため、消光条件が破れ光が出射
できるようになる。
ほとんどの液晶素子を用いることができる。図18に
は、例として誘電異方性が負のネマチック液晶からなる
垂直配向液晶10を挙げている。ここでは、楕円偏光板
としてツイスト角90゜の楕円偏光板7を用いている。
また、電圧印加時に液晶が楕円偏光板を通過してくる楕
円偏光の主軸に対して45゜をなすように、倒れるよう
に配置している。このように配置すれば、液晶層の位相
量を調整して液晶層に入射する楕円偏光11を円偏光1
2にすることができる。円偏光は、反射板で反射後回転
方向が反転する。この後、液晶層の複屈折によリ、以前
の楕円偏光と直交した方位の回転方位が逆の楕円偏光1
4となる。このため、楕円偏光板を通過することができ
ず、暗表示が得られる。
態の条件が破れるため、明状態が得られる。以上のよう
にして、明暗表示が可能である。
板がツイスト構造を有することにより、視角依存性が改
善され、本発明の楕円偏光板を用いることによリ、液晶
を用いて表示動作を行う視角依存性が改善された液晶表
示装置を提供できるという効果がある。
る。
る。
係を表わす図である。
性を説明するための斜視図である。
の平面図である。
めの平面図である。
平面図である。
る液晶表示装置の説明図である。
る液晶表示装置の説明図である。
る液晶表示装置の説明図である。
実施の形態の構成図である。
実施の形態の構成図である。
実施の形態の構成図である。
実施の形態の構成図である。
る。
の斜視図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 二色性物質が螺旋構造中に固定してツイ
スト配列された構造を有し、前記螺旋構造をなす二色性
物質中で、入射光は左楕円偏光と右楕円偏光とに分かれ
て前記螺旋構造中を伝播し、前記左楕円偏光と右楕円偏
光とは前記螺旋構造に沿って回転し、前記左楕円偏光と
右楕円偏光とは前記螺旋構造の螺旋方向により一方が強
く吸収され、他方は弱く吸収され、一定の楕円偏光を出
射するように設計されることを特徴とする楕円偏光板。 - 【請求項2】 請求項1の左螺旋構造または右螺旋構造
を有する一対の楕円偏光板間に液晶層を配置し、該液晶
層の複屈折の発生の有無により、明暗表示を行なう手段
を有することを特徴とする液晶表示装置。 - 【請求項3】 請求項1の左螺旋構造または右螺旋構造
を有する一つの楕円偏光板と反射板との間に液晶層を配
置し、前記楕円偏光板を出射した一定の楕円偏光が、前
記液晶層に入射し前記楕円偏光が変調され、前記反射板
に到達すると、前記楕円偏光の回転方向が反転し、再
び、前記液晶層で楕円偏光が変調され、前記液晶層での
変調の大きさを調整し、明暗表示を行う手段を有するこ
とを特徴とする液晶表示装置。
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