JPH10332772A - Fetの寄生抵抗の評価方法 - Google Patents

Fetの寄生抵抗の評価方法

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JPH10332772A
JPH10332772A JP13688897A JP13688897A JPH10332772A JP H10332772 A JPH10332772 A JP H10332772A JP 13688897 A JP13688897 A JP 13688897A JP 13688897 A JP13688897 A JP 13688897A JP H10332772 A JPH10332772 A JP H10332772A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接合の理想因子n値による測定制限なしにソ
ース寄生抵抗およびドレイン寄生抵抗を正確に計測する
ことのできるFETの評価方法を提供する。 【解決手段】 FETのゲートに順方向バイアス電圧V
gを印加して、ゲート電流Ig一定でドレイン電流Id
を変化させ、対応して変化するドレイン電圧Vdおよび
ゲート電圧Vgを測定し、併せて寄生抵抗差Raを求
め、測定値を式、 Vg2−Vg1−Rs(Id2−Id1)+(nkT/
q)*(ln(F2)−ln(F1))=0 F=(1−exp(−u))/u, u=(Vd−(Rs+Rd)Id)/(nkT/q) に代入して数値解析により未知数としたソース寄生抵抗
Rsを算出し、寄生抵抗差Raを用いてドレイン寄生抵
抗Rdを算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電界効果トランジス
タ(以下FETと称す)の評価方法に関し、特にショッ
トキーゲートFETのソースおよびドレインの寄生抵抗
の評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】DC測定によってGaAsFETのソー
ス寄生抵抗(Rs)およびドレイン寄生抵抗(Rd)を
求める方法としては、簡便な方法としてエンド・レジス
タンス(End−resitance)法がある。この
方法では、まずFETをドレイン電圧Vd=0Vのコー
ルドFET状態とし、ゲートに、ゲート電圧Vgとゲー
トの順方向ブレークダウン電圧Vfとの関係がVg>V
fとなる順バイアス電圧Vgを印加して、ゲート幅1m
mあたり20mA程度のゲート電流Igを通電した状態
にする。次にゲート電流Igが一定の条件の下で、ゲー
ト電圧Vgの変化に対応するドレイン電流Idの変化の
比dVg/dIdを求めて、Rs=dVg/dIdでソ
ース寄生抵抗Rsの値を決定する。しかしこの方法では
ソース寄生抵抗Rs、ドレイン寄生抵抗Rdの測定値に
チャネル抵抗の一部が含まれてしまうという欠点があっ
た。
【0003】この欠点を改善しようとした方法として、
L.YangとS.I.Longとによる改良エンド・
レジスタンス法があり(文献[1]:L.Yang a
ndS.I.Long,“New Method to
Measure theSource and Dr
ain Resistance of theGaAs
MESFET,”IEEE Electron De
vice Lett.,vol.EDL−7,pp.7
5−77,Feb.1986)、原理的にはチャネル抵
抗の混入をうまく避けてソース寄生抵抗Rs、ドレイン
寄生抵抗Rdの測定を行うことができるとされており、
たとえばヒューレットパッカード(HP)社製自動パラ
メータ抽出プログラムICCAPなどにも採用されてい
る。
【0004】この測定方法では、ドレイン電圧VdをF
ETのリニア領域(Vd<0.25V)に選び、ゲート
にVf以下の順方向バイアスVg(Vd<Vg<Vf)
を印加して小さなゲート電流Igを流し(このときドレ
イン電流Idに対して、Ig<Id/50とする。)、
ゲート電流Igが一定の条件下で、互いに異なったドレ
イン電流Id1、Id2のそれぞれに対応したゲート電
圧Vg1,Vg2を測定する。図1はこの測定条件であ
るゲートをプローブとして用いたソース寄生抵抗の測定
方法におけるFETの等価回路図であり、他の文献でも
よく用いられているように、ゲート直下からチャネルま
でショットキー・ダイオードを分布させたものでモデル
化されており、本発明の実施の形態の説明にも使用す
る。
【0005】ゲート長さLg内における任意の位置xに
おけるチャネル電位V(x)は、 V(x)=Vs’+(Vd’/Lg)x (3) で表される。ここで、 Vd’:チャネルを横切ったときの電位差 Vs’:ソース寄生抵抗による電位差 Lg :ゲート長、である。
【0006】順方向バイアス時でのゲート電流密度J
は、ダイオード特性から、 J(x)=Js{exp[(Vg’−V(x))/(nVt)]−1} (4) と表せる。ここで、 Js :ゲート飽和電流密度 n :接合の理想因子 Vg’:ゲート抵抗Rgの寄与を差し引いたゲート電圧
で、 Vg’=Vg−RgIg、 Vt :Vt=kT/q k :ボルツマン係数 q :単一電子の電荷量 であり、常温T=300Kの時、Vt=2.59*10
-2(V)である。
【0007】ゲート電流Igは(4)式をxで積分する
ことによって次のように得られる。 Ig=∫Lg 0J(x)Wdx =WLgJs{exp[(Vg’−Vs’)/(nVt)]*F−1} (5) ここで、 W:ゲート幅 F=(1/Lg)∫Lg 0exp[−Vd’x/(Lg*nVt)]dx =(1−exp(−u))/u (6) ただし、 u=Vd’/(nVt)〜{Vd−(Rs+Rd)Id}/(nVt) (7) である。
【0008】ゲート電流Igは次のようにも表せる。
【0009】 Ig=WLgJs{exp[((Vg’−Vs’+nVt*ln(F))/ (nVt)]−1} (8) 従ってゲート電流Igが一定の下で、ドレイン電流をI
d1、Id2と変化させたときに対応するゲート電圧V
g1、Vg2は、以下の関係を満たす。
【0010】 Vg1−RgIg−Rs(Id1+Ig)+nVt*ln(F1) =Vg2−RgIg−Rs(Id2+Ig)+nVt*ln(F2) (9) ここでIg<Id/50なので、よい近似で、 Vg1−RsId1+nVt*ln(F1) =Vg2−RsId2+nVt*ln(F2) (10) が成り立つ。チャネル抵抗の寄与は(10)式のFで考
慮されており、ソース寄生抵抗Rsは、原理的にはこの
式の中に含まれるRsについて解くことによって決定さ
れるものである。
【0011】Young & Longの論文に記述さ
れている従来の評価方法は近似的な手法を用いており、
ソース寄生抵抗を求める際にドレイン寄生抵抗(ドレイ
ン寄生抵抗を求める際にはソース寄生抵抗)を無視でき
る条件で測定する必要がある。
【0012】n値が1.1程度の比較的小さな値を示す
FETでは、ドレイン電圧VdをFETのリニア領域の
範囲内(Vd<0.25V)で、 Vd’=Vd−(Rs+Rd)Id>7*nVt (n=1.1のとき7nVt〜0.199V)を満たす
ように選ぶことができる場合がある。このとき、よい近
似でexp(−u)<<1が成立するので、 ln(F2)−ln(F1)=ln(F2/F1) =ln{(u1/u2)*[1−exp(−u2)]/[1−exp(−u1 )]} 〜−ln(Vd2’/Vd1’)〜−ln(Id2/Id1) (11) が成立するため、従来の方法ではソース寄生抵抗Rs
を、 Rs=(Vg2−Vg1−nVt*ln(Id2/Id1))/ (Id2−Id1) (12) で求めていた(文献[1]参考)。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、n値が比較
的大きい場合(n≧1.2)には、上述の近似的解法は
一般的には使えない。
【0014】今、チャネル抵抗をRchとしてFETの
オン抵抗Ronを、 Ron=Rs+Rch+Rd (13) と近似してみよう。このとき、 Id=Vd/Ron=Vd/(Rs+Rch+Rd) (14) となるので、Vd’>7nVtでなければいけないとい
うことは、 Vd’=Vd−(Rs+Rd)Id ={1−(Rs+Rd)/Ron}Vd>7nVt (l5) ということである。Rs〜Rdとすると、 Vd>7nVt(1+(Rs+Rd)/Rch) 〜7nVt(1+2Rs/Rch) (16) となるから、測定条件がFETのリニア領域Vd<02
5(V)であるという条件とあわせて、 7nVt(1+2Rs/Rch)<Vd<0.25 (17) が成立しなければならない。
【0015】常温下においては、いま仮にRs/Rc
h、Rd/Rch<<1と仮定しても、上式からn値に
はn<1.38という制限があることがわかる。実際に
はn値は1.1程度の理想に近い値でないと近似法は適
用できないことが多い。n値がn=1.2以上のときに
はRs/Rchの比がかなり小さいことが必要となるか
らである。Rsが5ΩのFETの場合、n値が1.2と
するとRonが80Ω以上あれば測定可能となり、n値
が1.3のときにはRonに対する制限が強くなり95
Ω以上ないと測定可能な条件の範囲をとることができな
い。
【0016】このように従来の文献[1]に準ずる近似
的解法では、FETゲートのn値が1.1程度を示す比
較的理想に近いショットキー特性のFETでないと適用
できないという大きな測定制限があることがわかる。
【0017】本発明の目的は、n値による測定制限なし
にソース寄生抵抗・ドレイン寄生抵抗を正確に計測する
ことのできるFETの評価方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明のFETの寄生抵
抗の評価方法は、ショットキー・ゲート電界効果トラン
ジスタの寄生抵抗の評価方法であって、ドレイン・バイ
アス電圧Vdを選んで電界効果トランジスタをリニア領
域にする手順と、ゲートに、ドレイン・バイアス電圧V
dとゲートの順方向ブレークダウン電圧Vfとの関係が
Vd<Vg<Vfとなる順方向バイアス電圧Vgを印
加する手順と、ドレイン電流Idとの関係がIg<Id
/50であるゲート電流Igが一定値となる条件の下
で、ドレイン電流IdをId1、Id2と変化させ、該
変化に対応して変化するドレイン電圧Vd1,Vd2お
よびゲート電圧Vg1、Vg2を測定する手順と、ドレ
イン寄生抵抗Rdとソース寄生抵抗Rsの差である寄生
抵抗差Raを式、Ra=Rd−Rsとして求める手順
と、接合理想因子nと、ボルツマン定数kと、ケルビン
で表示した接合の環境温度Tと、単一電子の電荷量q
と、測定されたドレイン電圧Vd1、Vd2およびゲー
ト電圧Vg1、Vg2と、Ra=Rd−Rsとを、ゲー
ト電圧Vg、ドレイン電圧Vd、ドレイン電流Id、ソ
ース寄生抵抗Rsおよびドレイン寄生抵抗Rdの間の関
係式、 Vg2−Vg1−Rs(Id2−Id1)+(nkT/
q)*(ln(F2)−ln(F1))=0 ただし、 F=(1−exp(−u))/u, u=(Vd−(Rs+Rd)Id)/(nkT/q) に代入して数値解析により未知数のソース寄生抵抗Rs
を算出する手順と、算出された該ソース寄生抵抗Rsと
寄生抵抗差Raとからドレイン寄生抵抗Rdを算出する
手順とを有する。
【0019】また、寄生抵抗差Raを求める手順が、電
界効果トランジスタのドレインを開放として、ゲートに
順方向バイアス電圧Vgを印加してダイオード特性を測
定し、ゲート電圧Vgの変化に対するゲート電流Igの
変化の関係が線形の領域で、ゲート電圧Vgの変化に対
するゲート電流Igの変化の比率dVg/dIgを算出
する手順と、電界効果トランジスタのソースを開放とし
て、ゲートに順方向バイアス電圧Vgを印加してダイオ
ード特性を測定し、ゲート電圧Vgの変化に対するゲー
ト電流Igの変化の関係が線形の領域でゲート電圧Vg
の変化に対するゲート電流Igの変化の比率dVg/d
Igを算出する手順と、算出されたソース開放時のdV
g/dIgとドレイン開放時のdVg/dIgとの差を
求めることにより寄生抵抗差Raを算出する手順とを有
してもよい。
【0020】本発明のFETの寄生抵抗の評価方法は、
n値による測定制限がないため、n値が1.1よりも大
きなショットキー・ゲートFET(たとえばゲートがサ
ブミクロン長であるとかダブルドープ・ダブルヘテロの
GaAsヘテロ接合FETなど)のソース寄生抵抗Rs
およびドレイン寄生抵抗Rdを正確に評価することがで
きる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明のFETの寄生抵抗の評価
方法でソース寄生抵抗Rsを決定するためには、ドレイ
ン寄生抵抗Rdの値がわかっているか、あるいはドレイ
ン寄生抵抗Rdとソース寄生抵抗Rsの間の関係がわか
っていることが必要である。
【0022】図2は本発明のFETの寄生抵抗の評価方
法におけるゲート順方向バイアス時でのDC測定の回路
図であり、(a)はドレイン・オープンFETの場合、
(b)はソース・オープンFETの場合を示す。図3は
図2の回路によるDC測定結果によるFETゲートのダ
イオード特性を示す一例のグラフであり、実線は左側ス
ケールでゲート電流Igを示し、点線は右側スケールで
d(Vg)/d(Ig)を示す。
【0023】ドレイン寄生抵抗Rdとソース寄生抵抗R
sの間の関係を知るため、図2のようにドレイン開放、
ソース開放のそれぞれの場合についてFETゲートに順
方向バイアス電圧Vgを印加してダイオード特性を測定
し、図3に示すようにゲート電圧Vg対ゲ−ト電流Ig
が線形の領域、即ちゲート電流が比較的大きい領域でゲ
ート電圧Vgの変化に相応するゲート電流の変化の比
率、即ち傾きdVg/dIgを求める。
【0024】ドレイン・オープンの時、 dVg/dIg=Rg+Rs+Rf (18) ソース・オープンの時、 dVg/dIg=Rg+Rd+Rf (19) となる。ここでRfはチャネル抵抗の一部である。(1
8)、(19)式の差をとることによってRsとRdの
差、 Ra=Rd−Rs (20) が求められる。Raが求められると、ソース寄生抵抗R
sが判っていれば、ドレイン寄生抵抗Rdは、 Rd=Rs+Ra (21) として求めることができる。なおRdとRsの差Raを
求めるには、上記の方法の他にも多数の方法が知られて
おり、たとえば文献[2](A.Raychaudhr
i,J.Kolk,M.J.Den,and M.I.
H.King,“A Simple Method t
o Extract the Asymmetry i
n Parasitic Source and Dr
ain Resistances from Meas
urements on a MOS Transis
tor,” IEEE Transactions o
nElectron Devices Vol.42,
No.7,July 1995.)などが参考になる。
【0025】(21)式を(10)式に代入することに
よって、 Vg2−Vg1−Rs(Id2−Id1)+nVt(l
n(F2)−ln(F1))=0 ここで、 F=(1−exp(−u))/u, u=(Vd−(2Rs+Ra)Id)/(nVt) (22) を得ることができる。
【0026】式(22)の未知数はRsだけなので、式
(22)をパソコンなどによって数値解析的に(たとえ
ばニュートン法などによって)解くことによって容易に
Rsを決定することができる。Rsが決定されれば、式
(21)によってRdも同時に決定される。また、R
s,Rdの決定に必要な測定は、半導体パラメータ・ア
ナライザによって容易に行うことができる。
【0027】
【実施例】ここでは本発明の厳密な解法に基づいて、実
際のFETを測定した例を記述する。測定装置にはHP
社製半導体汎用パラメータ・アナライザHP4155A
を用いた。試料はゲート長Lg=0.18μm、ゲート
幅Wg=50μm×2フィンガのヘテロ接合FETであ
る(Vf=0.7V)。この試料はn値が1.7程度な
ので、FETのリニア領域内でVd’=Vd−(Rs+
Rd)Id>7nVtを満たすことができず従来の近似
的な解法を適用できない例である。
【0028】まず図4に示すように、nVt値を求め、
n値の均一性を確認するためのIg−Vg特性を評価し
た。図4はドレイン電流Idが一定で、Id=5.0m
A、5.5mAの各場合においてゲート電圧Vgに対応
したゲート電流Igを対数表示したグラフであり、実線
はId=5.0mAを、点線はId=5.5mAを示
す。この測定の条件下ではドレイン電圧Vdは0.1V
以下であるので、FETはリニア領域にある。またIg
は十分小さく、Ig<Id/50を満たしている。n値
はプロットの傾きから、 nVt=△[Vg]/△[ln(Ig)] (23) で決定され,n=1.77であった。この時の接合の環
境温度Tは300Kとした。Id=5.0mA、Id=
5.5mAの場合のプロットは互いに平行であり、この
測定ではn値のバイアス依存性がないことがわかる。
【0029】次に図5に示すように、ゲート電流Ig一
定の条件下でId−Vg特性を評価した。図5はゲート
電流Ig一定の条件下でのドレイン電流Id対ゲート電
圧Vgの特性の一例を示すグラフであり、実線は左側の
スケールでゲート電圧Vgを、点線は右側のスケールで
ドレイン電圧を示す。Igの値は、図4におけるIgo
を用いてIg=Igo=10nAとした。測定から、I
d1=0.005A、Id2=0.0055Aに対し
て、Vg1=0.46800、Vg2=0.4718
6、Vd1=0.08300、Vd2=0.09134
が求められた。本測定は電流、電圧値が小さい領域で行
うものなので、測定値に光による影響やバラツキが生ず
ることがあるので注意を要する。
【0030】次に図3に示したようなFETゲートのダ
イオード特性を測定しRa=Rd−Rs=0.2(oh
m)を決定した。
【0031】以上の測定で求められた測定値を式(2
2)に代入し、パソコンを用いて数値解析的に解くこと
によって、Rs、Rdの値を決定した。数値解析の手法
としてはニュートン法、 z=limn->∞{zn}、 zn=zn-1−f(zn-1)/f’(zn-1) (24) を用いた。関数f(z)として、 f(z)=Vg2−Vg1−z(Id2−Id1)+nVt(ln(F2) −ln(F1)) F=(1−exp(−u))/u u=(Vd−(2*z+Ra)Id)/(nVt) (25) と置けるが、このときf’(z)は、 f’(z)=Id2{2/u2−1−2*exp(−u2)/(u2*F2) }−Id1{2/u1−1−2*exp(−u1)/(u1* F1)} (26) で与えられる。本方法で求めたRs、Rdの値はRs=
4.5(ohm),Rd=4.7(ohm)であった。
【0032】FETの小信号パラメータ抽出を行う場
合、寄生抵抗Rs、Rd、Rgの組の決定は、Rs,R
d、Rgのうち少なくとも1つのパラメータをDCから
決定し、残りをSパラメータから決定する方法が一般的
である。そこで次に、表1に示すように、本方法を用い
て求めたRs,Rd、Rgのrf値(Rgの決定にはS
パラメータを用いた)を他の方法で求めたものと比較し
てみた。なお、rf値とは、高周波環境での値である。
【0033】
【表1】
【0034】方法は、旧来のエンド・レジスタンス法
(式(10)においてRs=△Vg/△Idとする方
法)で求めたRs、RdとSパラメータ用いるもの、方
法は、本発明の方法で求めたRs,RdとSパラメー
タを用いるもの、方法は、RgのDC値から見積もっ
たRgのrf値とSパラメータを用いるものである。
【0035】方法で旧来のエンド・レジスタンス法を
用いてRs(Rdも)を決定すると、Rgが負の値にな
ってしまうことがわかる。これは旧来のエンド・レジス
タンス法ではRsの値にチャネル抵抗の一部が混入し、
Rsを過大評価しているためであると考えられる。
【0036】一方、方法でRs、Rdを本発明の方法
で求めた場合と、方法でRgをDC値から見積もった
場合とでは、寄生抵抗Rs,Rd、Rgの値は比較的よ
い一致を見せている。これは本方法がRs,Rdの算出
に際してうまくチャネル抵抗の寄与を除去できたことの
現れであり、本方法で決定したRs、Rdの値の妥当性
が示されているものと考えられる。
【0037】ところで、従来の近似的な解法が適用でき
ない場合に、誤って近似的な解法で評価した場合にはど
のような結果が得られるだろうか。
【0038】図6は本発明による厳密な解法と従来の近
似的解法によるソース寄生抵抗値Rsの差を示すグラフ
であり、実線は本発明の厳密な方法、点線は従来の近似
的方法である。上述の試料のソース寄生抵抗値Rsをド
レイン電圧Vd1(Vd2=1.1*Vd1とした)を
変えて厳密な方法と近似的方法で評価したものである。
厳密な方法に基づくRs値はFETのリニア領域で測定
する限り、ほぼ一定の4.5Ωと算出されることがわか
る。一方、近似的方法では、全体的にRs値を過小評価
している。近似的方法からのRs値は、ドレイン電圧V
d1が比較的大きいときには厳密な方法から算出した値
に近い(3.8Ω)が、ドレイン電圧Vd1が小さくな
るにつれて大きな誤差を含むようになることがわかる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の評価方法
にはn値による測定制限はないため、n値が1.1より
も大きなショットキー・ゲートFET(たとえばゲート
がサブミクロン長であるとかダブルドープーダブルヘテ
ロのGaAsヘテロ接合FETなど)のソース寄生抵抗
Rsおよびドレイン寄生抵抗Rdを正確に評価すること
ができるという効果がある。従って本発明は、電界効果
トランジスタの評価方法の発展に寄与すること大であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ゲートをプローブとして用いたソース寄生抵抗
の測定方法におけるFETの等価回路図である。
【図2】本発明のFETの寄生抵抗の評価方法における
ゲート順方向バイアス時でのDC測定の回路図である。
(a)はドレイン・オープンFETの場合を示す。
(b)はソース・オープンFETの場合を示す。
【図3】図2の回路によるDC測定結果によるFETゲ
ートのダイオード特性を示す一例のグラフである。
【図4】ドレイン電流Idが一定で、Id=5.0m
A、5.5mAの各場合においてゲート電圧Vgに対応
したゲート電流Igを対数表示したグラフである。
【図5】ゲート電流Ig一定の条件下でのドレイン電流
Id対ゲート電圧Vgの特性の一例を示すグラフであ
る。
【図6】本発明による厳密な解法と従来の近似的解法に
よるソース寄生抵抗値Rsの差を示すグラフである。
【符号の説明】
D ドレイン G ゲート Id ドレイン電流 Ig ゲート電流 Jx x位置におけるゲート電流密度 Lg ゲート長さ Rch チャネル抵抗 Rd ドレイン寄生抵抗 Rg ゲート抵抗 Rs ソース寄生抵抗 S ソース Vd ドレイン電圧 Vd’ チャネルを横切ったときの電位差 Vg ゲート電圧 Vg’ Rgの寄与を差し引いたゲート電圧 Vs’ ソース寄生抵抗による電位差

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ショットキー・ゲート電界効果トランジ
    スタの寄生抵抗の評価方法であって、 ドレイン・バイアス電圧Vdを選んで前記電界効果トラ
    ンジスタをリニア領域にする手順と、 ゲートに、前記ドレイン・バイアス電圧Vdとゲートの
    順方向ブレークダウン電圧Vfとの関係がVd<Vg<
    Vfとなる順方向バイアス電圧Vgを印加する手順と、 ドレイン電流Idとの関係がIg<Id/50であるゲ
    ート電流Igが一定値となる条件の下で、前記ドレイン
    電流IdをId1、Id2と変化させ、該変化に対応し
    て変化するドレイン電圧Vd1,Vd2およびゲート電
    圧Vg1、Vg2を測定する手順と、 ドレイン寄生抵抗Rdとソース寄生抵抗Rsの差である
    寄生抵抗差Raを式、 Ra=Rd−Rs (1) として求める手順と、 接合理想因子nと、ボルツマン定数kと、ケルビンで表
    示した接合の環境温度Tと、単一電子の電荷量qと、測
    定された前記ドレイン電圧Vd1、Vd2および前記ゲ
    ート電圧Vg1、Vg2と、前記Ra=Rd−Rsと
    を、ゲート電圧Vg、ドレイン電圧Vd、ドレイン電流
    Id、ソース寄生抵抗Rsおよびドレイン寄生抵抗Rd
    の間の関係式、 Vg2−Vg1−Rs(Id2−Id1)+(nkT/
    q)*(ln(F2)−ln(F1))=0 ただし、 F=(1−exp(−u))/u, u=(Vd−(Rs+Rd)Id)/(nkT/q) (2) に代入して、数値解析により未知数のソース寄生抵抗R
    sを算出する手順と、 算出された該ソース寄生抵抗Rsと前記寄生抵抗差Ra
    とからドレイン寄生抵抗Rdを算出する手順と、を有す
    ることを特徴とする電界効果トランジスタの寄生抵抗の
    評価方法。
  2. 【請求項2】 前記寄生抵抗差Raを求める手順が、 前記電界効果トランジスタのドレインを開放として、ゲ
    ートに順方向バイアス電圧Vgを印加してダイオード特
    性を測定し、ゲート電圧Vgの変化に対するゲート電流
    Igの変化の関係が線形の領域で、ゲート電圧Vgの変
    化に対するゲート電流Igの変化の比率dVg/dIg
    を算出する手順と、 前記電界効果トランジスタのソースを開放として、ゲー
    トに順方向バイアス電圧Vgを印加してダイオード特性
    を測定し、ゲート電圧Vgの変化に対するゲート電流I
    gの変化の関係が線形の領域でゲート電圧Vgの変化に
    対するゲート電流Igの変化の比率dVg/dIgを算
    出する手順と、 算出された前記ソース開放時のdVg/dIgと前記ド
    レイン開放時のdVg/dIgとの差を求めることによ
    り前記寄生抵抗差Raを算出する手順と、を有する請求
    項1に記載の電界効果トランジスタの寄生抵抗の評価方
    法。
JP9136888A 1997-05-27 1997-05-27 Fetの寄生抵抗の評価方法 Expired - Lifetime JP2976927B2 (ja)

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CN104808126A (zh) * 2014-01-28 2015-07-29 中芯国际集成电路制造(上海)有限公司 Mos晶体管的测试结构及测试方法
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