JPH10332772A - Fetの寄生抵抗の評価方法 - Google Patents
Fetの寄生抵抗の評価方法Info
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- JPH10332772A JPH10332772A JP13688897A JP13688897A JPH10332772A JP H10332772 A JPH10332772 A JP H10332772A JP 13688897 A JP13688897 A JP 13688897A JP 13688897 A JP13688897 A JP 13688897A JP H10332772 A JPH10332772 A JP H10332772A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 接合の理想因子n値による測定制限なしにソ
ース寄生抵抗およびドレイン寄生抵抗を正確に計測する
ことのできるFETの評価方法を提供する。 【解決手段】 FETのゲートに順方向バイアス電圧V
gを印加して、ゲート電流Ig一定でドレイン電流Id
を変化させ、対応して変化するドレイン電圧Vdおよび
ゲート電圧Vgを測定し、併せて寄生抵抗差Raを求
め、測定値を式、 Vg2−Vg1−Rs(Id2−Id1)+(nkT/
q)*(ln(F2)−ln(F1))=0 F=(1−exp(−u))/u, u=(Vd−(Rs+Rd)Id)/(nkT/q) に代入して数値解析により未知数としたソース寄生抵抗
Rsを算出し、寄生抵抗差Raを用いてドレイン寄生抵
抗Rdを算出する。
ース寄生抵抗およびドレイン寄生抵抗を正確に計測する
ことのできるFETの評価方法を提供する。 【解決手段】 FETのゲートに順方向バイアス電圧V
gを印加して、ゲート電流Ig一定でドレイン電流Id
を変化させ、対応して変化するドレイン電圧Vdおよび
ゲート電圧Vgを測定し、併せて寄生抵抗差Raを求
め、測定値を式、 Vg2−Vg1−Rs(Id2−Id1)+(nkT/
q)*(ln(F2)−ln(F1))=0 F=(1−exp(−u))/u, u=(Vd−(Rs+Rd)Id)/(nkT/q) に代入して数値解析により未知数としたソース寄生抵抗
Rsを算出し、寄生抵抗差Raを用いてドレイン寄生抵
抗Rdを算出する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電界効果トランジス
タ(以下FETと称す)の評価方法に関し、特にショッ
トキーゲートFETのソースおよびドレインの寄生抵抗
の評価方法に関する。
タ(以下FETと称す)の評価方法に関し、特にショッ
トキーゲートFETのソースおよびドレインの寄生抵抗
の評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】DC測定によってGaAsFETのソー
ス寄生抵抗(Rs)およびドレイン寄生抵抗(Rd)を
求める方法としては、簡便な方法としてエンド・レジス
タンス(End−resitance)法がある。この
方法では、まずFETをドレイン電圧Vd=0Vのコー
ルドFET状態とし、ゲートに、ゲート電圧Vgとゲー
トの順方向ブレークダウン電圧Vfとの関係がVg>V
fとなる順バイアス電圧Vgを印加して、ゲート幅1m
mあたり20mA程度のゲート電流Igを通電した状態
にする。次にゲート電流Igが一定の条件の下で、ゲー
ト電圧Vgの変化に対応するドレイン電流Idの変化の
比dVg/dIdを求めて、Rs=dVg/dIdでソ
ース寄生抵抗Rsの値を決定する。しかしこの方法では
ソース寄生抵抗Rs、ドレイン寄生抵抗Rdの測定値に
チャネル抵抗の一部が含まれてしまうという欠点があっ
た。
ス寄生抵抗(Rs)およびドレイン寄生抵抗(Rd)を
求める方法としては、簡便な方法としてエンド・レジス
タンス(End−resitance)法がある。この
方法では、まずFETをドレイン電圧Vd=0Vのコー
ルドFET状態とし、ゲートに、ゲート電圧Vgとゲー
トの順方向ブレークダウン電圧Vfとの関係がVg>V
fとなる順バイアス電圧Vgを印加して、ゲート幅1m
mあたり20mA程度のゲート電流Igを通電した状態
にする。次にゲート電流Igが一定の条件の下で、ゲー
ト電圧Vgの変化に対応するドレイン電流Idの変化の
比dVg/dIdを求めて、Rs=dVg/dIdでソ
ース寄生抵抗Rsの値を決定する。しかしこの方法では
ソース寄生抵抗Rs、ドレイン寄生抵抗Rdの測定値に
チャネル抵抗の一部が含まれてしまうという欠点があっ
た。
【0003】この欠点を改善しようとした方法として、
L.YangとS.I.Longとによる改良エンド・
レジスタンス法があり(文献[1]:L.Yang a
ndS.I.Long,“New Method to
Measure theSource and Dr
ain Resistance of theGaAs
MESFET,”IEEE Electron De
vice Lett.,vol.EDL−7,pp.7
5−77,Feb.1986)、原理的にはチャネル抵
抗の混入をうまく避けてソース寄生抵抗Rs、ドレイン
寄生抵抗Rdの測定を行うことができるとされており、
たとえばヒューレットパッカード(HP)社製自動パラ
メータ抽出プログラムICCAPなどにも採用されてい
る。
L.YangとS.I.Longとによる改良エンド・
レジスタンス法があり(文献[1]:L.Yang a
ndS.I.Long,“New Method to
Measure theSource and Dr
ain Resistance of theGaAs
MESFET,”IEEE Electron De
vice Lett.,vol.EDL−7,pp.7
5−77,Feb.1986)、原理的にはチャネル抵
抗の混入をうまく避けてソース寄生抵抗Rs、ドレイン
寄生抵抗Rdの測定を行うことができるとされており、
たとえばヒューレットパッカード(HP)社製自動パラ
メータ抽出プログラムICCAPなどにも採用されてい
る。
【0004】この測定方法では、ドレイン電圧VdをF
ETのリニア領域(Vd<0.25V)に選び、ゲート
にVf以下の順方向バイアスVg(Vd<Vg<Vf)
を印加して小さなゲート電流Igを流し(このときドレ
イン電流Idに対して、Ig<Id/50とする。)、
ゲート電流Igが一定の条件下で、互いに異なったドレ
イン電流Id1、Id2のそれぞれに対応したゲート電
圧Vg1,Vg2を測定する。図1はこの測定条件であ
るゲートをプローブとして用いたソース寄生抵抗の測定
方法におけるFETの等価回路図であり、他の文献でも
よく用いられているように、ゲート直下からチャネルま
でショットキー・ダイオードを分布させたものでモデル
化されており、本発明の実施の形態の説明にも使用す
る。
ETのリニア領域(Vd<0.25V)に選び、ゲート
にVf以下の順方向バイアスVg(Vd<Vg<Vf)
を印加して小さなゲート電流Igを流し(このときドレ
イン電流Idに対して、Ig<Id/50とする。)、
ゲート電流Igが一定の条件下で、互いに異なったドレ
イン電流Id1、Id2のそれぞれに対応したゲート電
圧Vg1,Vg2を測定する。図1はこの測定条件であ
るゲートをプローブとして用いたソース寄生抵抗の測定
方法におけるFETの等価回路図であり、他の文献でも
よく用いられているように、ゲート直下からチャネルま
でショットキー・ダイオードを分布させたものでモデル
化されており、本発明の実施の形態の説明にも使用す
る。
【0005】ゲート長さLg内における任意の位置xに
おけるチャネル電位V(x)は、 V(x)=Vs’+(Vd’/Lg)x (3) で表される。ここで、 Vd’:チャネルを横切ったときの電位差 Vs’:ソース寄生抵抗による電位差 Lg :ゲート長、である。
おけるチャネル電位V(x)は、 V(x)=Vs’+(Vd’/Lg)x (3) で表される。ここで、 Vd’:チャネルを横切ったときの電位差 Vs’:ソース寄生抵抗による電位差 Lg :ゲート長、である。
【0006】順方向バイアス時でのゲート電流密度J
は、ダイオード特性から、 J(x)=Js{exp[(Vg’−V(x))/(nVt)]−1} (4) と表せる。ここで、 Js :ゲート飽和電流密度 n :接合の理想因子 Vg’:ゲート抵抗Rgの寄与を差し引いたゲート電圧
で、 Vg’=Vg−RgIg、 Vt :Vt=kT/q k :ボルツマン係数 q :単一電子の電荷量 であり、常温T=300Kの時、Vt=2.59*10
-2(V)である。
は、ダイオード特性から、 J(x)=Js{exp[(Vg’−V(x))/(nVt)]−1} (4) と表せる。ここで、 Js :ゲート飽和電流密度 n :接合の理想因子 Vg’:ゲート抵抗Rgの寄与を差し引いたゲート電圧
で、 Vg’=Vg−RgIg、 Vt :Vt=kT/q k :ボルツマン係数 q :単一電子の電荷量 であり、常温T=300Kの時、Vt=2.59*10
-2(V)である。
【0007】ゲート電流Igは(4)式をxで積分する
ことによって次のように得られる。 Ig=∫Lg 0J(x)Wdx =WLgJs{exp[(Vg’−Vs’)/(nVt)]*F−1} (5) ここで、 W:ゲート幅 F=(1/Lg)∫Lg 0exp[−Vd’x/(Lg*nVt)]dx =(1−exp(−u))/u (6) ただし、 u=Vd’/(nVt)〜{Vd−(Rs+Rd)Id}/(nVt) (7) である。
ことによって次のように得られる。 Ig=∫Lg 0J(x)Wdx =WLgJs{exp[(Vg’−Vs’)/(nVt)]*F−1} (5) ここで、 W:ゲート幅 F=(1/Lg)∫Lg 0exp[−Vd’x/(Lg*nVt)]dx =(1−exp(−u))/u (6) ただし、 u=Vd’/(nVt)〜{Vd−(Rs+Rd)Id}/(nVt) (7) である。
【0008】ゲート電流Igは次のようにも表せる。
【0009】 Ig=WLgJs{exp[((Vg’−Vs’+nVt*ln(F))/ (nVt)]−1} (8) 従ってゲート電流Igが一定の下で、ドレイン電流をI
d1、Id2と変化させたときに対応するゲート電圧V
g1、Vg2は、以下の関係を満たす。
d1、Id2と変化させたときに対応するゲート電圧V
g1、Vg2は、以下の関係を満たす。
【0010】 Vg1−RgIg−Rs(Id1+Ig)+nVt*ln(F1) =Vg2−RgIg−Rs(Id2+Ig)+nVt*ln(F2) (9) ここでIg<Id/50なので、よい近似で、 Vg1−RsId1+nVt*ln(F1) =Vg2−RsId2+nVt*ln(F2) (10) が成り立つ。チャネル抵抗の寄与は(10)式のFで考
慮されており、ソース寄生抵抗Rsは、原理的にはこの
式の中に含まれるRsについて解くことによって決定さ
れるものである。
慮されており、ソース寄生抵抗Rsは、原理的にはこの
式の中に含まれるRsについて解くことによって決定さ
れるものである。
【0011】Young & Longの論文に記述さ
れている従来の評価方法は近似的な手法を用いており、
ソース寄生抵抗を求める際にドレイン寄生抵抗(ドレイ
ン寄生抵抗を求める際にはソース寄生抵抗)を無視でき
る条件で測定する必要がある。
れている従来の評価方法は近似的な手法を用いており、
ソース寄生抵抗を求める際にドレイン寄生抵抗(ドレイ
ン寄生抵抗を求める際にはソース寄生抵抗)を無視でき
る条件で測定する必要がある。
【0012】n値が1.1程度の比較的小さな値を示す
FETでは、ドレイン電圧VdをFETのリニア領域の
範囲内(Vd<0.25V)で、 Vd’=Vd−(Rs+Rd)Id>7*nVt (n=1.1のとき7nVt〜0.199V)を満たす
ように選ぶことができる場合がある。このとき、よい近
似でexp(−u)<<1が成立するので、 ln(F2)−ln(F1)=ln(F2/F1) =ln{(u1/u2)*[1−exp(−u2)]/[1−exp(−u1 )]} 〜−ln(Vd2’/Vd1’)〜−ln(Id2/Id1) (11) が成立するため、従来の方法ではソース寄生抵抗Rs
を、 Rs=(Vg2−Vg1−nVt*ln(Id2/Id1))/ (Id2−Id1) (12) で求めていた(文献[1]参考)。
FETでは、ドレイン電圧VdをFETのリニア領域の
範囲内(Vd<0.25V)で、 Vd’=Vd−(Rs+Rd)Id>7*nVt (n=1.1のとき7nVt〜0.199V)を満たす
ように選ぶことができる場合がある。このとき、よい近
似でexp(−u)<<1が成立するので、 ln(F2)−ln(F1)=ln(F2/F1) =ln{(u1/u2)*[1−exp(−u2)]/[1−exp(−u1 )]} 〜−ln(Vd2’/Vd1’)〜−ln(Id2/Id1) (11) が成立するため、従来の方法ではソース寄生抵抗Rs
を、 Rs=(Vg2−Vg1−nVt*ln(Id2/Id1))/ (Id2−Id1) (12) で求めていた(文献[1]参考)。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、n値が比較
的大きい場合(n≧1.2)には、上述の近似的解法は
一般的には使えない。
的大きい場合(n≧1.2)には、上述の近似的解法は
一般的には使えない。
【0014】今、チャネル抵抗をRchとしてFETの
オン抵抗Ronを、 Ron=Rs+Rch+Rd (13) と近似してみよう。このとき、 Id=Vd/Ron=Vd/(Rs+Rch+Rd) (14) となるので、Vd’>7nVtでなければいけないとい
うことは、 Vd’=Vd−(Rs+Rd)Id ={1−(Rs+Rd)/Ron}Vd>7nVt (l5) ということである。Rs〜Rdとすると、 Vd>7nVt(1+(Rs+Rd)/Rch) 〜7nVt(1+2Rs/Rch) (16) となるから、測定条件がFETのリニア領域Vd<02
5(V)であるという条件とあわせて、 7nVt(1+2Rs/Rch)<Vd<0.25 (17) が成立しなければならない。
オン抵抗Ronを、 Ron=Rs+Rch+Rd (13) と近似してみよう。このとき、 Id=Vd/Ron=Vd/(Rs+Rch+Rd) (14) となるので、Vd’>7nVtでなければいけないとい
うことは、 Vd’=Vd−(Rs+Rd)Id ={1−(Rs+Rd)/Ron}Vd>7nVt (l5) ということである。Rs〜Rdとすると、 Vd>7nVt(1+(Rs+Rd)/Rch) 〜7nVt(1+2Rs/Rch) (16) となるから、測定条件がFETのリニア領域Vd<02
5(V)であるという条件とあわせて、 7nVt(1+2Rs/Rch)<Vd<0.25 (17) が成立しなければならない。
【0015】常温下においては、いま仮にRs/Rc
h、Rd/Rch<<1と仮定しても、上式からn値に
はn<1.38という制限があることがわかる。実際に
はn値は1.1程度の理想に近い値でないと近似法は適
用できないことが多い。n値がn=1.2以上のときに
はRs/Rchの比がかなり小さいことが必要となるか
らである。Rsが5ΩのFETの場合、n値が1.2と
するとRonが80Ω以上あれば測定可能となり、n値
が1.3のときにはRonに対する制限が強くなり95
Ω以上ないと測定可能な条件の範囲をとることができな
い。
h、Rd/Rch<<1と仮定しても、上式からn値に
はn<1.38という制限があることがわかる。実際に
はn値は1.1程度の理想に近い値でないと近似法は適
用できないことが多い。n値がn=1.2以上のときに
はRs/Rchの比がかなり小さいことが必要となるか
らである。Rsが5ΩのFETの場合、n値が1.2と
するとRonが80Ω以上あれば測定可能となり、n値
が1.3のときにはRonに対する制限が強くなり95
Ω以上ないと測定可能な条件の範囲をとることができな
い。
【0016】このように従来の文献[1]に準ずる近似
的解法では、FETゲートのn値が1.1程度を示す比
較的理想に近いショットキー特性のFETでないと適用
できないという大きな測定制限があることがわかる。
的解法では、FETゲートのn値が1.1程度を示す比
較的理想に近いショットキー特性のFETでないと適用
できないという大きな測定制限があることがわかる。
【0017】本発明の目的は、n値による測定制限なし
にソース寄生抵抗・ドレイン寄生抵抗を正確に計測する
ことのできるFETの評価方法を提供することにある。
にソース寄生抵抗・ドレイン寄生抵抗を正確に計測する
ことのできるFETの評価方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明のFETの寄生抵
抗の評価方法は、ショットキー・ゲート電界効果トラン
ジスタの寄生抵抗の評価方法であって、ドレイン・バイ
アス電圧Vdを選んで電界効果トランジスタをリニア領
域にする手順と、ゲートに、ドレイン・バイアス電圧V
dとゲートの順方向ブレークダウン電圧Vfとの関係が
Vd<Vg<Vfとなる順方向バイアス電圧Vgを印
加する手順と、ドレイン電流Idとの関係がIg<Id
/50であるゲート電流Igが一定値となる条件の下
で、ドレイン電流IdをId1、Id2と変化させ、該
変化に対応して変化するドレイン電圧Vd1,Vd2お
よびゲート電圧Vg1、Vg2を測定する手順と、ドレ
イン寄生抵抗Rdとソース寄生抵抗Rsの差である寄生
抵抗差Raを式、Ra=Rd−Rsとして求める手順
と、接合理想因子nと、ボルツマン定数kと、ケルビン
で表示した接合の環境温度Tと、単一電子の電荷量q
と、測定されたドレイン電圧Vd1、Vd2およびゲー
ト電圧Vg1、Vg2と、Ra=Rd−Rsとを、ゲー
ト電圧Vg、ドレイン電圧Vd、ドレイン電流Id、ソ
ース寄生抵抗Rsおよびドレイン寄生抵抗Rdの間の関
係式、 Vg2−Vg1−Rs(Id2−Id1)+(nkT/
q)*(ln(F2)−ln(F1))=0 ただし、 F=(1−exp(−u))/u, u=(Vd−(Rs+Rd)Id)/(nkT/q) に代入して数値解析により未知数のソース寄生抵抗Rs
を算出する手順と、算出された該ソース寄生抵抗Rsと
寄生抵抗差Raとからドレイン寄生抵抗Rdを算出する
手順とを有する。
抗の評価方法は、ショットキー・ゲート電界効果トラン
ジスタの寄生抵抗の評価方法であって、ドレイン・バイ
アス電圧Vdを選んで電界効果トランジスタをリニア領
域にする手順と、ゲートに、ドレイン・バイアス電圧V
dとゲートの順方向ブレークダウン電圧Vfとの関係が
Vd<Vg<Vfとなる順方向バイアス電圧Vgを印
加する手順と、ドレイン電流Idとの関係がIg<Id
/50であるゲート電流Igが一定値となる条件の下
で、ドレイン電流IdをId1、Id2と変化させ、該
変化に対応して変化するドレイン電圧Vd1,Vd2お
よびゲート電圧Vg1、Vg2を測定する手順と、ドレ
イン寄生抵抗Rdとソース寄生抵抗Rsの差である寄生
抵抗差Raを式、Ra=Rd−Rsとして求める手順
と、接合理想因子nと、ボルツマン定数kと、ケルビン
で表示した接合の環境温度Tと、単一電子の電荷量q
と、測定されたドレイン電圧Vd1、Vd2およびゲー
ト電圧Vg1、Vg2と、Ra=Rd−Rsとを、ゲー
ト電圧Vg、ドレイン電圧Vd、ドレイン電流Id、ソ
ース寄生抵抗Rsおよびドレイン寄生抵抗Rdの間の関
係式、 Vg2−Vg1−Rs(Id2−Id1)+(nkT/
q)*(ln(F2)−ln(F1))=0 ただし、 F=(1−exp(−u))/u, u=(Vd−(Rs+Rd)Id)/(nkT/q) に代入して数値解析により未知数のソース寄生抵抗Rs
を算出する手順と、算出された該ソース寄生抵抗Rsと
寄生抵抗差Raとからドレイン寄生抵抗Rdを算出する
手順とを有する。
【0019】また、寄生抵抗差Raを求める手順が、電
界効果トランジスタのドレインを開放として、ゲートに
順方向バイアス電圧Vgを印加してダイオード特性を測
定し、ゲート電圧Vgの変化に対するゲート電流Igの
変化の関係が線形の領域で、ゲート電圧Vgの変化に対
するゲート電流Igの変化の比率dVg/dIgを算出
する手順と、電界効果トランジスタのソースを開放とし
て、ゲートに順方向バイアス電圧Vgを印加してダイオ
ード特性を測定し、ゲート電圧Vgの変化に対するゲー
ト電流Igの変化の関係が線形の領域でゲート電圧Vg
の変化に対するゲート電流Igの変化の比率dVg/d
Igを算出する手順と、算出されたソース開放時のdV
g/dIgとドレイン開放時のdVg/dIgとの差を
求めることにより寄生抵抗差Raを算出する手順とを有
してもよい。
界効果トランジスタのドレインを開放として、ゲートに
順方向バイアス電圧Vgを印加してダイオード特性を測
定し、ゲート電圧Vgの変化に対するゲート電流Igの
変化の関係が線形の領域で、ゲート電圧Vgの変化に対
するゲート電流Igの変化の比率dVg/dIgを算出
する手順と、電界効果トランジスタのソースを開放とし
て、ゲートに順方向バイアス電圧Vgを印加してダイオ
ード特性を測定し、ゲート電圧Vgの変化に対するゲー
ト電流Igの変化の関係が線形の領域でゲート電圧Vg
の変化に対するゲート電流Igの変化の比率dVg/d
Igを算出する手順と、算出されたソース開放時のdV
g/dIgとドレイン開放時のdVg/dIgとの差を
求めることにより寄生抵抗差Raを算出する手順とを有
してもよい。
【0020】本発明のFETの寄生抵抗の評価方法は、
n値による測定制限がないため、n値が1.1よりも大
きなショットキー・ゲートFET(たとえばゲートがサ
ブミクロン長であるとかダブルドープ・ダブルヘテロの
GaAsヘテロ接合FETなど)のソース寄生抵抗Rs
およびドレイン寄生抵抗Rdを正確に評価することがで
きる。
n値による測定制限がないため、n値が1.1よりも大
きなショットキー・ゲートFET(たとえばゲートがサ
ブミクロン長であるとかダブルドープ・ダブルヘテロの
GaAsヘテロ接合FETなど)のソース寄生抵抗Rs
およびドレイン寄生抵抗Rdを正確に評価することがで
きる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明のFETの寄生抵抗の評価
方法でソース寄生抵抗Rsを決定するためには、ドレイ
ン寄生抵抗Rdの値がわかっているか、あるいはドレイ
ン寄生抵抗Rdとソース寄生抵抗Rsの間の関係がわか
っていることが必要である。
方法でソース寄生抵抗Rsを決定するためには、ドレイ
ン寄生抵抗Rdの値がわかっているか、あるいはドレイ
ン寄生抵抗Rdとソース寄生抵抗Rsの間の関係がわか
っていることが必要である。
【0022】図2は本発明のFETの寄生抵抗の評価方
法におけるゲート順方向バイアス時でのDC測定の回路
図であり、(a)はドレイン・オープンFETの場合、
(b)はソース・オープンFETの場合を示す。図3は
図2の回路によるDC測定結果によるFETゲートのダ
イオード特性を示す一例のグラフであり、実線は左側ス
ケールでゲート電流Igを示し、点線は右側スケールで
d(Vg)/d(Ig)を示す。
法におけるゲート順方向バイアス時でのDC測定の回路
図であり、(a)はドレイン・オープンFETの場合、
(b)はソース・オープンFETの場合を示す。図3は
図2の回路によるDC測定結果によるFETゲートのダ
イオード特性を示す一例のグラフであり、実線は左側ス
ケールでゲート電流Igを示し、点線は右側スケールで
d(Vg)/d(Ig)を示す。
【0023】ドレイン寄生抵抗Rdとソース寄生抵抗R
sの間の関係を知るため、図2のようにドレイン開放、
ソース開放のそれぞれの場合についてFETゲートに順
方向バイアス電圧Vgを印加してダイオード特性を測定
し、図3に示すようにゲート電圧Vg対ゲ−ト電流Ig
が線形の領域、即ちゲート電流が比較的大きい領域でゲ
ート電圧Vgの変化に相応するゲート電流の変化の比
率、即ち傾きdVg/dIgを求める。
sの間の関係を知るため、図2のようにドレイン開放、
ソース開放のそれぞれの場合についてFETゲートに順
方向バイアス電圧Vgを印加してダイオード特性を測定
し、図3に示すようにゲート電圧Vg対ゲ−ト電流Ig
が線形の領域、即ちゲート電流が比較的大きい領域でゲ
ート電圧Vgの変化に相応するゲート電流の変化の比
率、即ち傾きdVg/dIgを求める。
【0024】ドレイン・オープンの時、 dVg/dIg=Rg+Rs+Rf (18) ソース・オープンの時、 dVg/dIg=Rg+Rd+Rf (19) となる。ここでRfはチャネル抵抗の一部である。(1
8)、(19)式の差をとることによってRsとRdの
差、 Ra=Rd−Rs (20) が求められる。Raが求められると、ソース寄生抵抗R
sが判っていれば、ドレイン寄生抵抗Rdは、 Rd=Rs+Ra (21) として求めることができる。なおRdとRsの差Raを
求めるには、上記の方法の他にも多数の方法が知られて
おり、たとえば文献[2](A.Raychaudhr
i,J.Kolk,M.J.Den,and M.I.
H.King,“A Simple Method t
o Extract the Asymmetry i
n Parasitic Source and Dr
ain Resistances from Meas
urements on a MOS Transis
tor,” IEEE Transactions o
nElectron Devices Vol.42,
No.7,July 1995.)などが参考になる。
8)、(19)式の差をとることによってRsとRdの
差、 Ra=Rd−Rs (20) が求められる。Raが求められると、ソース寄生抵抗R
sが判っていれば、ドレイン寄生抵抗Rdは、 Rd=Rs+Ra (21) として求めることができる。なおRdとRsの差Raを
求めるには、上記の方法の他にも多数の方法が知られて
おり、たとえば文献[2](A.Raychaudhr
i,J.Kolk,M.J.Den,and M.I.
H.King,“A Simple Method t
o Extract the Asymmetry i
n Parasitic Source and Dr
ain Resistances from Meas
urements on a MOS Transis
tor,” IEEE Transactions o
nElectron Devices Vol.42,
No.7,July 1995.)などが参考になる。
【0025】(21)式を(10)式に代入することに
よって、 Vg2−Vg1−Rs(Id2−Id1)+nVt(l
n(F2)−ln(F1))=0 ここで、 F=(1−exp(−u))/u, u=(Vd−(2Rs+Ra)Id)/(nVt) (22) を得ることができる。
よって、 Vg2−Vg1−Rs(Id2−Id1)+nVt(l
n(F2)−ln(F1))=0 ここで、 F=(1−exp(−u))/u, u=(Vd−(2Rs+Ra)Id)/(nVt) (22) を得ることができる。
【0026】式(22)の未知数はRsだけなので、式
(22)をパソコンなどによって数値解析的に(たとえ
ばニュートン法などによって)解くことによって容易に
Rsを決定することができる。Rsが決定されれば、式
(21)によってRdも同時に決定される。また、R
s,Rdの決定に必要な測定は、半導体パラメータ・ア
ナライザによって容易に行うことができる。
(22)をパソコンなどによって数値解析的に(たとえ
ばニュートン法などによって)解くことによって容易に
Rsを決定することができる。Rsが決定されれば、式
(21)によってRdも同時に決定される。また、R
s,Rdの決定に必要な測定は、半導体パラメータ・ア
ナライザによって容易に行うことができる。
【0027】
【実施例】ここでは本発明の厳密な解法に基づいて、実
際のFETを測定した例を記述する。測定装置にはHP
社製半導体汎用パラメータ・アナライザHP4155A
を用いた。試料はゲート長Lg=0.18μm、ゲート
幅Wg=50μm×2フィンガのヘテロ接合FETであ
る(Vf=0.7V)。この試料はn値が1.7程度な
ので、FETのリニア領域内でVd’=Vd−(Rs+
Rd)Id>7nVtを満たすことができず従来の近似
的な解法を適用できない例である。
際のFETを測定した例を記述する。測定装置にはHP
社製半導体汎用パラメータ・アナライザHP4155A
を用いた。試料はゲート長Lg=0.18μm、ゲート
幅Wg=50μm×2フィンガのヘテロ接合FETであ
る(Vf=0.7V)。この試料はn値が1.7程度な
ので、FETのリニア領域内でVd’=Vd−(Rs+
Rd)Id>7nVtを満たすことができず従来の近似
的な解法を適用できない例である。
【0028】まず図4に示すように、nVt値を求め、
n値の均一性を確認するためのIg−Vg特性を評価し
た。図4はドレイン電流Idが一定で、Id=5.0m
A、5.5mAの各場合においてゲート電圧Vgに対応
したゲート電流Igを対数表示したグラフであり、実線
はId=5.0mAを、点線はId=5.5mAを示
す。この測定の条件下ではドレイン電圧Vdは0.1V
以下であるので、FETはリニア領域にある。またIg
は十分小さく、Ig<Id/50を満たしている。n値
はプロットの傾きから、 nVt=△[Vg]/△[ln(Ig)] (23) で決定され,n=1.77であった。この時の接合の環
境温度Tは300Kとした。Id=5.0mA、Id=
5.5mAの場合のプロットは互いに平行であり、この
測定ではn値のバイアス依存性がないことがわかる。
n値の均一性を確認するためのIg−Vg特性を評価し
た。図4はドレイン電流Idが一定で、Id=5.0m
A、5.5mAの各場合においてゲート電圧Vgに対応
したゲート電流Igを対数表示したグラフであり、実線
はId=5.0mAを、点線はId=5.5mAを示
す。この測定の条件下ではドレイン電圧Vdは0.1V
以下であるので、FETはリニア領域にある。またIg
は十分小さく、Ig<Id/50を満たしている。n値
はプロットの傾きから、 nVt=△[Vg]/△[ln(Ig)] (23) で決定され,n=1.77であった。この時の接合の環
境温度Tは300Kとした。Id=5.0mA、Id=
5.5mAの場合のプロットは互いに平行であり、この
測定ではn値のバイアス依存性がないことがわかる。
【0029】次に図5に示すように、ゲート電流Ig一
定の条件下でId−Vg特性を評価した。図5はゲート
電流Ig一定の条件下でのドレイン電流Id対ゲート電
圧Vgの特性の一例を示すグラフであり、実線は左側の
スケールでゲート電圧Vgを、点線は右側のスケールで
ドレイン電圧を示す。Igの値は、図4におけるIgo
を用いてIg=Igo=10nAとした。測定から、I
d1=0.005A、Id2=0.0055Aに対し
て、Vg1=0.46800、Vg2=0.4718
6、Vd1=0.08300、Vd2=0.09134
が求められた。本測定は電流、電圧値が小さい領域で行
うものなので、測定値に光による影響やバラツキが生ず
ることがあるので注意を要する。
定の条件下でId−Vg特性を評価した。図5はゲート
電流Ig一定の条件下でのドレイン電流Id対ゲート電
圧Vgの特性の一例を示すグラフであり、実線は左側の
スケールでゲート電圧Vgを、点線は右側のスケールで
ドレイン電圧を示す。Igの値は、図4におけるIgo
を用いてIg=Igo=10nAとした。測定から、I
d1=0.005A、Id2=0.0055Aに対し
て、Vg1=0.46800、Vg2=0.4718
6、Vd1=0.08300、Vd2=0.09134
が求められた。本測定は電流、電圧値が小さい領域で行
うものなので、測定値に光による影響やバラツキが生ず
ることがあるので注意を要する。
【0030】次に図3に示したようなFETゲートのダ
イオード特性を測定しRa=Rd−Rs=0.2(oh
m)を決定した。
イオード特性を測定しRa=Rd−Rs=0.2(oh
m)を決定した。
【0031】以上の測定で求められた測定値を式(2
2)に代入し、パソコンを用いて数値解析的に解くこと
によって、Rs、Rdの値を決定した。数値解析の手法
としてはニュートン法、 z=limn->∞{zn}、 zn=zn-1−f(zn-1)/f’(zn-1) (24) を用いた。関数f(z)として、 f(z)=Vg2−Vg1−z(Id2−Id1)+nVt(ln(F2) −ln(F1)) F=(1−exp(−u))/u u=(Vd−(2*z+Ra)Id)/(nVt) (25) と置けるが、このときf’(z)は、 f’(z)=Id2{2/u2−1−2*exp(−u2)/(u2*F2) }−Id1{2/u1−1−2*exp(−u1)/(u1* F1)} (26) で与えられる。本方法で求めたRs、Rdの値はRs=
4.5(ohm),Rd=4.7(ohm)であった。
2)に代入し、パソコンを用いて数値解析的に解くこと
によって、Rs、Rdの値を決定した。数値解析の手法
としてはニュートン法、 z=limn->∞{zn}、 zn=zn-1−f(zn-1)/f’(zn-1) (24) を用いた。関数f(z)として、 f(z)=Vg2−Vg1−z(Id2−Id1)+nVt(ln(F2) −ln(F1)) F=(1−exp(−u))/u u=(Vd−(2*z+Ra)Id)/(nVt) (25) と置けるが、このときf’(z)は、 f’(z)=Id2{2/u2−1−2*exp(−u2)/(u2*F2) }−Id1{2/u1−1−2*exp(−u1)/(u1* F1)} (26) で与えられる。本方法で求めたRs、Rdの値はRs=
4.5(ohm),Rd=4.7(ohm)であった。
【0032】FETの小信号パラメータ抽出を行う場
合、寄生抵抗Rs、Rd、Rgの組の決定は、Rs,R
d、Rgのうち少なくとも1つのパラメータをDCから
決定し、残りをSパラメータから決定する方法が一般的
である。そこで次に、表1に示すように、本方法を用い
て求めたRs,Rd、Rgのrf値(Rgの決定にはS
パラメータを用いた)を他の方法で求めたものと比較し
てみた。なお、rf値とは、高周波環境での値である。
合、寄生抵抗Rs、Rd、Rgの組の決定は、Rs,R
d、Rgのうち少なくとも1つのパラメータをDCから
決定し、残りをSパラメータから決定する方法が一般的
である。そこで次に、表1に示すように、本方法を用い
て求めたRs,Rd、Rgのrf値(Rgの決定にはS
パラメータを用いた)を他の方法で求めたものと比較し
てみた。なお、rf値とは、高周波環境での値である。
【0033】
【表1】
【0034】方法は、旧来のエンド・レジスタンス法
(式(10)においてRs=△Vg/△Idとする方
法)で求めたRs、RdとSパラメータ用いるもの、方
法は、本発明の方法で求めたRs,RdとSパラメー
タを用いるもの、方法は、RgのDC値から見積もっ
たRgのrf値とSパラメータを用いるものである。
(式(10)においてRs=△Vg/△Idとする方
法)で求めたRs、RdとSパラメータ用いるもの、方
法は、本発明の方法で求めたRs,RdとSパラメー
タを用いるもの、方法は、RgのDC値から見積もっ
たRgのrf値とSパラメータを用いるものである。
【0035】方法で旧来のエンド・レジスタンス法を
用いてRs(Rdも)を決定すると、Rgが負の値にな
ってしまうことがわかる。これは旧来のエンド・レジス
タンス法ではRsの値にチャネル抵抗の一部が混入し、
Rsを過大評価しているためであると考えられる。
用いてRs(Rdも)を決定すると、Rgが負の値にな
ってしまうことがわかる。これは旧来のエンド・レジス
タンス法ではRsの値にチャネル抵抗の一部が混入し、
Rsを過大評価しているためであると考えられる。
【0036】一方、方法でRs、Rdを本発明の方法
で求めた場合と、方法でRgをDC値から見積もった
場合とでは、寄生抵抗Rs,Rd、Rgの値は比較的よ
い一致を見せている。これは本方法がRs,Rdの算出
に際してうまくチャネル抵抗の寄与を除去できたことの
現れであり、本方法で決定したRs、Rdの値の妥当性
が示されているものと考えられる。
で求めた場合と、方法でRgをDC値から見積もった
場合とでは、寄生抵抗Rs,Rd、Rgの値は比較的よ
い一致を見せている。これは本方法がRs,Rdの算出
に際してうまくチャネル抵抗の寄与を除去できたことの
現れであり、本方法で決定したRs、Rdの値の妥当性
が示されているものと考えられる。
【0037】ところで、従来の近似的な解法が適用でき
ない場合に、誤って近似的な解法で評価した場合にはど
のような結果が得られるだろうか。
ない場合に、誤って近似的な解法で評価した場合にはど
のような結果が得られるだろうか。
【0038】図6は本発明による厳密な解法と従来の近
似的解法によるソース寄生抵抗値Rsの差を示すグラフ
であり、実線は本発明の厳密な方法、点線は従来の近似
的方法である。上述の試料のソース寄生抵抗値Rsをド
レイン電圧Vd1(Vd2=1.1*Vd1とした)を
変えて厳密な方法と近似的方法で評価したものである。
厳密な方法に基づくRs値はFETのリニア領域で測定
する限り、ほぼ一定の4.5Ωと算出されることがわか
る。一方、近似的方法では、全体的にRs値を過小評価
している。近似的方法からのRs値は、ドレイン電圧V
d1が比較的大きいときには厳密な方法から算出した値
に近い(3.8Ω)が、ドレイン電圧Vd1が小さくな
るにつれて大きな誤差を含むようになることがわかる。
似的解法によるソース寄生抵抗値Rsの差を示すグラフ
であり、実線は本発明の厳密な方法、点線は従来の近似
的方法である。上述の試料のソース寄生抵抗値Rsをド
レイン電圧Vd1(Vd2=1.1*Vd1とした)を
変えて厳密な方法と近似的方法で評価したものである。
厳密な方法に基づくRs値はFETのリニア領域で測定
する限り、ほぼ一定の4.5Ωと算出されることがわか
る。一方、近似的方法では、全体的にRs値を過小評価
している。近似的方法からのRs値は、ドレイン電圧V
d1が比較的大きいときには厳密な方法から算出した値
に近い(3.8Ω)が、ドレイン電圧Vd1が小さくな
るにつれて大きな誤差を含むようになることがわかる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の評価方法
にはn値による測定制限はないため、n値が1.1より
も大きなショットキー・ゲートFET(たとえばゲート
がサブミクロン長であるとかダブルドープーダブルヘテ
ロのGaAsヘテロ接合FETなど)のソース寄生抵抗
Rsおよびドレイン寄生抵抗Rdを正確に評価すること
ができるという効果がある。従って本発明は、電界効果
トランジスタの評価方法の発展に寄与すること大であ
る。
にはn値による測定制限はないため、n値が1.1より
も大きなショットキー・ゲートFET(たとえばゲート
がサブミクロン長であるとかダブルドープーダブルヘテ
ロのGaAsヘテロ接合FETなど)のソース寄生抵抗
Rsおよびドレイン寄生抵抗Rdを正確に評価すること
ができるという効果がある。従って本発明は、電界効果
トランジスタの評価方法の発展に寄与すること大であ
る。
【図1】ゲートをプローブとして用いたソース寄生抵抗
の測定方法におけるFETの等価回路図である。
の測定方法におけるFETの等価回路図である。
【図2】本発明のFETの寄生抵抗の評価方法における
ゲート順方向バイアス時でのDC測定の回路図である。
(a)はドレイン・オープンFETの場合を示す。
(b)はソース・オープンFETの場合を示す。
ゲート順方向バイアス時でのDC測定の回路図である。
(a)はドレイン・オープンFETの場合を示す。
(b)はソース・オープンFETの場合を示す。
【図3】図2の回路によるDC測定結果によるFETゲ
ートのダイオード特性を示す一例のグラフである。
ートのダイオード特性を示す一例のグラフである。
【図4】ドレイン電流Idが一定で、Id=5.0m
A、5.5mAの各場合においてゲート電圧Vgに対応
したゲート電流Igを対数表示したグラフである。
A、5.5mAの各場合においてゲート電圧Vgに対応
したゲート電流Igを対数表示したグラフである。
【図5】ゲート電流Ig一定の条件下でのドレイン電流
Id対ゲート電圧Vgの特性の一例を示すグラフであ
る。
Id対ゲート電圧Vgの特性の一例を示すグラフであ
る。
【図6】本発明による厳密な解法と従来の近似的解法に
よるソース寄生抵抗値Rsの差を示すグラフである。
よるソース寄生抵抗値Rsの差を示すグラフである。
D ドレイン G ゲート Id ドレイン電流 Ig ゲート電流 Jx x位置におけるゲート電流密度 Lg ゲート長さ Rch チャネル抵抗 Rd ドレイン寄生抵抗 Rg ゲート抵抗 Rs ソース寄生抵抗 S ソース Vd ドレイン電圧 Vd’ チャネルを横切ったときの電位差 Vg ゲート電圧 Vg’ Rgの寄与を差し引いたゲート電圧 Vs’ ソース寄生抵抗による電位差
Claims (2)
- 【請求項1】 ショットキー・ゲート電界効果トランジ
スタの寄生抵抗の評価方法であって、 ドレイン・バイアス電圧Vdを選んで前記電界効果トラ
ンジスタをリニア領域にする手順と、 ゲートに、前記ドレイン・バイアス電圧Vdとゲートの
順方向ブレークダウン電圧Vfとの関係がVd<Vg<
Vfとなる順方向バイアス電圧Vgを印加する手順と、 ドレイン電流Idとの関係がIg<Id/50であるゲ
ート電流Igが一定値となる条件の下で、前記ドレイン
電流IdをId1、Id2と変化させ、該変化に対応し
て変化するドレイン電圧Vd1,Vd2およびゲート電
圧Vg1、Vg2を測定する手順と、 ドレイン寄生抵抗Rdとソース寄生抵抗Rsの差である
寄生抵抗差Raを式、 Ra=Rd−Rs (1) として求める手順と、 接合理想因子nと、ボルツマン定数kと、ケルビンで表
示した接合の環境温度Tと、単一電子の電荷量qと、測
定された前記ドレイン電圧Vd1、Vd2および前記ゲ
ート電圧Vg1、Vg2と、前記Ra=Rd−Rsと
を、ゲート電圧Vg、ドレイン電圧Vd、ドレイン電流
Id、ソース寄生抵抗Rsおよびドレイン寄生抵抗Rd
の間の関係式、 Vg2−Vg1−Rs(Id2−Id1)+(nkT/
q)*(ln(F2)−ln(F1))=0 ただし、 F=(1−exp(−u))/u, u=(Vd−(Rs+Rd)Id)/(nkT/q) (2) に代入して、数値解析により未知数のソース寄生抵抗R
sを算出する手順と、 算出された該ソース寄生抵抗Rsと前記寄生抵抗差Ra
とからドレイン寄生抵抗Rdを算出する手順と、を有す
ることを特徴とする電界効果トランジスタの寄生抵抗の
評価方法。 - 【請求項2】 前記寄生抵抗差Raを求める手順が、 前記電界効果トランジスタのドレインを開放として、ゲ
ートに順方向バイアス電圧Vgを印加してダイオード特
性を測定し、ゲート電圧Vgの変化に対するゲート電流
Igの変化の関係が線形の領域で、ゲート電圧Vgの変
化に対するゲート電流Igの変化の比率dVg/dIg
を算出する手順と、 前記電界効果トランジスタのソースを開放として、ゲー
トに順方向バイアス電圧Vgを印加してダイオード特性
を測定し、ゲート電圧Vgの変化に対するゲート電流I
gの変化の関係が線形の領域でゲート電圧Vgの変化に
対するゲート電流Igの変化の比率dVg/dIgを算
出する手順と、 算出された前記ソース開放時のdVg/dIgと前記ド
レイン開放時のdVg/dIgとの差を求めることによ
り前記寄生抵抗差Raを算出する手順と、を有する請求
項1に記載の電界効果トランジスタの寄生抵抗の評価方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9136888A JP2976927B2 (ja) | 1997-05-27 | 1997-05-27 | Fetの寄生抵抗の評価方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9136888A JP2976927B2 (ja) | 1997-05-27 | 1997-05-27 | Fetの寄生抵抗の評価方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10332772A true JPH10332772A (ja) | 1998-12-18 |
JP2976927B2 JP2976927B2 (ja) | 1999-11-10 |
Family
ID=15185904
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9136888A Expired - Lifetime JP2976927B2 (ja) | 1997-05-27 | 1997-05-27 | Fetの寄生抵抗の評価方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2976927B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104808126A (zh) * | 2014-01-28 | 2015-07-29 | 中芯国际集成电路制造(上海)有限公司 | Mos晶体管的测试结构及测试方法 |
CN108982998A (zh) * | 2018-07-12 | 2018-12-11 | 浙江大学 | 一种在线检测绑定线老化过程的检测电路及检测方法 |
-
1997
- 1997-05-27 JP JP9136888A patent/JP2976927B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104808126A (zh) * | 2014-01-28 | 2015-07-29 | 中芯国际集成电路制造(上海)有限公司 | Mos晶体管的测试结构及测试方法 |
CN104808126B (zh) * | 2014-01-28 | 2018-02-16 | 中芯国际集成电路制造(上海)有限公司 | Mos晶体管的测试结构及测试方法 |
CN108982998A (zh) * | 2018-07-12 | 2018-12-11 | 浙江大学 | 一种在线检测绑定线老化过程的检测电路及检测方法 |
CN108982998B (zh) * | 2018-07-12 | 2019-11-22 | 浙江大学 | 一种在线检测绑定线老化过程的检测电路及检测方法 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2976927B2 (ja) | 1999-11-10 |
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