JP3175959B2 - 半導体集積回路のシミュレーション方法 - Google Patents
半導体集積回路のシミュレーション方法Info
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- JP3175959B2 JP3175959B2 JP29596791A JP29596791A JP3175959B2 JP 3175959 B2 JP3175959 B2 JP 3175959B2 JP 29596791 A JP29596791 A JP 29596791A JP 29596791 A JP29596791 A JP 29596791A JP 3175959 B2 JP3175959 B2 JP 3175959B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、テーブルルックアップ
モデル方式を用いる半導体集積回路のシミュレーション
方法に関するもので、特にMOS・FETを有する半導
体集積回路に使用されるものである。
モデル方式を用いる半導体集積回路のシミュレーション
方法に関するもので、特にMOS・FETを有する半導
体集積回路に使用されるものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路(以下、単に回路
ともいう)の集積度の増大及び素子の微細化に伴って、
半導体集積回路の動作特性を高精度かつ高速にシミュレ
ーションする要求が高まっている。このシミュレーショ
ンは回路の各素子間の接続情報と素子特性情報に基づい
て、例えば直流解析や過渡解析などの回路の動作特性を
計算するものであり、特に素子特性情報が実測値の数値
テーブルを参照して行うテーブルルックアップモデル方
式が知られている。このテーブルルックアップモデル方
式を、MOS・FETを有する半導体集積回路のシミュ
レーションに用いた場合は、MOS・FETのソースと
ドレイン間電圧VDS、ソースとバルク(基板)間電圧V
BS、及びソースとゲート間電圧VGSをパラメータとして
実測されたドレイン電流IDS、及び電圧VDSとVBSをパ
ラメータとして実測されたしきい値電圧VTHが各々テー
ブルの形で登録されている。これらのドレイン電流IDS
及びしきい値電圧VTHは、パラメータの各々所定刻み
(例えば0.5V)毎に測定され、図5に示すように各
格子点が各測定点に対応している。
ともいう)の集積度の増大及び素子の微細化に伴って、
半導体集積回路の動作特性を高精度かつ高速にシミュレ
ーションする要求が高まっている。このシミュレーショ
ンは回路の各素子間の接続情報と素子特性情報に基づい
て、例えば直流解析や過渡解析などの回路の動作特性を
計算するものであり、特に素子特性情報が実測値の数値
テーブルを参照して行うテーブルルックアップモデル方
式が知られている。このテーブルルックアップモデル方
式を、MOS・FETを有する半導体集積回路のシミュ
レーションに用いた場合は、MOS・FETのソースと
ドレイン間電圧VDS、ソースとバルク(基板)間電圧V
BS、及びソースとゲート間電圧VGSをパラメータとして
実測されたドレイン電流IDS、及び電圧VDSとVBSをパ
ラメータとして実測されたしきい値電圧VTHが各々テー
ブルの形で登録されている。これらのドレイン電流IDS
及びしきい値電圧VTHは、パラメータの各々所定刻み
(例えば0.5V)毎に測定され、図5に示すように各
格子点が各測定点に対応している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】テーブルルックアップ
モデル方式を用いた従来のシミュレーション方法におい
ては、素子(MOS・FET)の動作温度を変えてシミ
ュレーションする場合は、所定刻み温度毎のIDS及びV
THのテーブルが必要であるため、テーブルデータの作成
すなわち、測定に非常に時間がかかるとともに、テーブ
ルの数が増すことによりテーブルの管理が煩雑になると
いう問題があった。本発明は上記事情を考慮してなされ
たものであって、動作温度がテーブルデータ測定時と異
なる場合でも高精度かつ容易にシミュレーションするこ
とのできる半導体集積回路のシミュレーション方法を提
供することを目的とする。
モデル方式を用いた従来のシミュレーション方法におい
ては、素子(MOS・FET)の動作温度を変えてシミ
ュレーションする場合は、所定刻み温度毎のIDS及びV
THのテーブルが必要であるため、テーブルデータの作成
すなわち、測定に非常に時間がかかるとともに、テーブ
ルの数が増すことによりテーブルの管理が煩雑になると
いう問題があった。本発明は上記事情を考慮してなされ
たものであって、動作温度がテーブルデータ測定時と異
なる場合でも高精度かつ容易にシミュレーションするこ
とのできる半導体集積回路のシミュレーション方法を提
供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明による半導体集積
回路のシミュレーション方法は、MOS・FETの利得
因子の変換係数を求める第1のステップと、MOS・F
ETのしきい値に関するデータテーブルから動作点にお
けるしきい値を求め、この求めたしきい値に温度補正を
行う第2のステップと、前記温度補正されたしきい値V
THと動作点におけるゲート電圧VGSを比較し、VGS>V
THの場合は動作点におけるドレイン電流をデータテーブ
ルから求め、この求めた値に前記変換係数を掛けて温度
補正されたドレイン電流を求め、VGS≦VTHの場合は、
VGS=VTHの時の拡散電流をデータテーブルから求め、
この求めた値に前記変換係数を掛けて温度補正された、
VGS=VTHの時の拡散電流を求め、更にSファクタの温
度補正を行い、これらの温度補正された拡散電流及びS
ファクタに基づいてドレイン電流を求める第3のステッ
プと、を備えていることを特徴とする。
回路のシミュレーション方法は、MOS・FETの利得
因子の変換係数を求める第1のステップと、MOS・F
ETのしきい値に関するデータテーブルから動作点にお
けるしきい値を求め、この求めたしきい値に温度補正を
行う第2のステップと、前記温度補正されたしきい値V
THと動作点におけるゲート電圧VGSを比較し、VGS>V
THの場合は動作点におけるドレイン電流をデータテーブ
ルから求め、この求めた値に前記変換係数を掛けて温度
補正されたドレイン電流を求め、VGS≦VTHの場合は、
VGS=VTHの時の拡散電流をデータテーブルから求め、
この求めた値に前記変換係数を掛けて温度補正された、
VGS=VTHの時の拡散電流を求め、更にSファクタの温
度補正を行い、これらの温度補正された拡散電流及びS
ファクタに基づいてドレイン電流を求める第3のステッ
プと、を備えていることを特徴とする。
【0005】
【作用】このようにして構成された本発明のシミュレー
ション方法によれば、VGS>VTHの場合は変換係数に基
づいてドレイン電流の温度補正がなされ、VGS≦VTHの
場合は変換係数とSファクタに基づいてドレイン電流の
温度補正がなされる。これにより、動作温度がテーブル
データ測定時と異なる場合でも高精度かつ容易にシミュ
レーションすることができる。
ション方法によれば、VGS>VTHの場合は変換係数に基
づいてドレイン電流の温度補正がなされ、VGS≦VTHの
場合は変換係数とSファクタに基づいてドレイン電流の
温度補正がなされる。これにより、動作温度がテーブル
データ測定時と異なる場合でも高精度かつ容易にシミュ
レーションすることができる。
【0006】
【実施例】一般にMOS・FETはゲート電圧VGSを零
から徐々に上げていくと、ある値、すなわちしきい値V
THのところで反転層が生じ、ソース・ドレイン電圧VDS
によってドリフト電流が流れることが知られている。ゲ
ート電圧VGSがしきい値VTHよりも大きい領域を強反転
領域といい、VGSがVTHよりも小さい領域を弱反転領域
という。この弱反転領域でも拡散によって電流が流れ
る。上記MOS・FETの特性を図2に示す。
から徐々に上げていくと、ある値、すなわちしきい値V
THのところで反転層が生じ、ソース・ドレイン電圧VDS
によってドリフト電流が流れることが知られている。ゲ
ート電圧VGSがしきい値VTHよりも大きい領域を強反転
領域といい、VGSがVTHよりも小さい領域を弱反転領域
という。この弱反転領域でも拡散によって電流が流れ
る。上記MOS・FETの特性を図2に示す。
【0007】強反転領域VGS>VTHにおけるMOS・F
ETの特性は、VDSをソースとドレイン間の電圧、IDS
をドレイン電流、VGSをソースとゲート間の電圧、VBS
をソースとバルク間の電圧、Lをチャネル長さ、Wをチ
ャネル幅、COXを単位面積当りのゲート容量、μをモビ
リティーとすると、次のように表現される。すなわち、
線形領域(VDS<VGS−VTH)の場合は、 IDS=β{(VGS−VTH)・VDS−VDS 2 /2} …………………… (1) であり、ここでβはMOS・FETの利得因子と呼ばれ
るもので、 β=COX・μ・W/L …………………………………………………… (2) と表される。又、飽和領域(VDS>VGS−VTH)の場合
は IDS=β(VGS−VTH)2 /2 ………………………………………… (3) である。上記(1)乃至(3)式の中で温度依存性を有
するパラメータはしきい値VTHとモビリティμのみであ
り、このしきい値VTHとモビリティμの温度依存性をテ
ーブルモデルに取入れてやれば良いことが分かる。
ETの特性は、VDSをソースとドレイン間の電圧、IDS
をドレイン電流、VGSをソースとゲート間の電圧、VBS
をソースとバルク間の電圧、Lをチャネル長さ、Wをチ
ャネル幅、COXを単位面積当りのゲート容量、μをモビ
リティーとすると、次のように表現される。すなわち、
線形領域(VDS<VGS−VTH)の場合は、 IDS=β{(VGS−VTH)・VDS−VDS 2 /2} …………………… (1) であり、ここでβはMOS・FETの利得因子と呼ばれ
るもので、 β=COX・μ・W/L …………………………………………………… (2) と表される。又、飽和領域(VDS>VGS−VTH)の場合
は IDS=β(VGS−VTH)2 /2 ………………………………………… (3) である。上記(1)乃至(3)式の中で温度依存性を有
するパラメータはしきい値VTHとモビリティμのみであ
り、このしきい値VTHとモビリティμの温度依存性をテ
ーブルモデルに取入れてやれば良いことが分かる。
【0008】(1)しきい値の温度依存性について 長チャネル及び広チャネルのMOS・FETのしきい値
VTHは、 VTH=VFB+2φF +QB /COX ……………………………………… (4) QB =(2εsi・・q・NSUB ・(2φF −VBS))1/2 ………… (5) と表される。ここで、VFBはフラットバンド電圧、φF
はフェルミポテンシャル、QB は基板の空間電荷密度、
εsiはSi(シリコン)の誘電率、Qは電子の電荷、N
SUB は基板の不純物濃度である。(4)及び(5)式よ
りしきい値VTHの温度変化は、 となる。一方フェルミポテンシャルφF は、Niを真正
半導体のキャリア濃度、kをボルツマン定数とすると、 と表される為、dVTH/dTはほぼ一定になる。又、し
きい値VTHの温度変化dVTH/dTを実験で求めた結果
を図3に示す。この図3からも分かるようにVTHの温度
変化はほぼ一定となり、シミュレーション時のしきい値
は と表わされる。ここで添字Sim はシミュレーション時の
値であり、添字Tab はテーブルデータ測定時の値である
ことを示す。したがってテーブルモデルの電流計算の際
は、テーブルから求めたしきい値(VTH)Tab に対して
(8)式を用いて温度が変化したときのしきい値
(VTH)Si m を計算することができる。
VTHは、 VTH=VFB+2φF +QB /COX ……………………………………… (4) QB =(2εsi・・q・NSUB ・(2φF −VBS))1/2 ………… (5) と表される。ここで、VFBはフラットバンド電圧、φF
はフェルミポテンシャル、QB は基板の空間電荷密度、
εsiはSi(シリコン)の誘電率、Qは電子の電荷、N
SUB は基板の不純物濃度である。(4)及び(5)式よ
りしきい値VTHの温度変化は、 となる。一方フェルミポテンシャルφF は、Niを真正
半導体のキャリア濃度、kをボルツマン定数とすると、 と表される為、dVTH/dTはほぼ一定になる。又、し
きい値VTHの温度変化dVTH/dTを実験で求めた結果
を図3に示す。この図3からも分かるようにVTHの温度
変化はほぼ一定となり、シミュレーション時のしきい値
は と表わされる。ここで添字Sim はシミュレーション時の
値であり、添字Tab はテーブルデータ測定時の値である
ことを示す。したがってテーブルモデルの電流計算の際
は、テーブルから求めたしきい値(VTH)Tab に対して
(8)式を用いて温度が変化したときのしきい値
(VTH)Si m を計算することができる。
【0009】(2)モビリティの温度依存性について モビリティμの温度依存性は不純物散乱と格子散乱によ
って決まるが、MOS・FETで使用する基板濃度は1
017/cm3 程度以下の不純物濃度であり、 μ(T)=μ(300°K)・(T/300)αTE ………………… (9) と表わすことができる。(S.M.Sze著、“Semicond
uctur Devices (Physics and Technklogy)",John Wile
y & Sons Inc. 参照)。ここでαTEは、−50℃〜12
5℃の範囲では、電子の場合ほぼ−1.5程度の値とな
る。
って決まるが、MOS・FETで使用する基板濃度は1
017/cm3 程度以下の不純物濃度であり、 μ(T)=μ(300°K)・(T/300)αTE ………………… (9) と表わすことができる。(S.M.Sze著、“Semicond
uctur Devices (Physics and Technklogy)",John Wile
y & Sons Inc. 参照)。ここでαTEは、−50℃〜12
5℃の範囲では、電子の場合ほぼ−1.5程度の値とな
る。
【0010】次に、このモビリティの温度依存性をどの
ようにしてテーブルルックアップモデル方式に取入れる
かを説明する。テーブルルックアップモデル方式では、
テーブルデータの測定に用いたデバイスのLとWが異な
るデバイスのシミュレーションができるように利得因子
βの変換係数γを求める必要がある。この変換係数γを
計算する際に次の(10)式に示すようにしてモビリテ
ィμの温度依存性を取入れることが可能である。
ようにしてテーブルルックアップモデル方式に取入れる
かを説明する。テーブルルックアップモデル方式では、
テーブルデータの測定に用いたデバイスのLとWが異な
るデバイスのシミュレーションができるように利得因子
βの変換係数γを求める必要がある。この変換係数γを
計算する際に次の(10)式に示すようにしてモビリテ
ィμの温度依存性を取入れることが可能である。
【数1】
【0011】次に弱反転領域(VGS<VTH)では拡散に
よって電流が流れ、この拡散電流の特性は次の(11)
式によって表わされる。 IDS=IBot ・exp{(VGS−VTH)・q/(nkT )} ……… (11) ここでIBot はVGS=VTHの時の電流値であり(図2参
照)、nは図2に示す特性曲線の傾きを示している。一
般に、拡散電流の特性を示すパラメータとして電流IDS
が1桁変化するのに要するゲート電圧の差△VGSが用い
られ、この値をSファクタと読んでいる。このSファク
タSFAC は次の(12)式で表わされる。
よって電流が流れ、この拡散電流の特性は次の(11)
式によって表わされる。 IDS=IBot ・exp{(VGS−VTH)・q/(nkT )} ……… (11) ここでIBot はVGS=VTHの時の電流値であり(図2参
照)、nは図2に示す特性曲線の傾きを示している。一
般に、拡散電流の特性を示すパラメータとして電流IDS
が1桁変化するのに要するゲート電圧の差△VGSが用い
られ、この値をSファクタと読んでいる。このSファク
タSFAC は次の(12)式で表わされる。
【数2】 このSFAC を用いると(11)式は次のように表わされ
る。 IDS=IBot ・exp{(VGS−VTH)・ln10/SFAC } …… (13)
る。 IDS=IBot ・exp{(VGS−VTH)・ln10/SFAC } …… (13)
【0012】又、SFAC はゲート電圧VGS及びドレイン
電圧VDSによってほとんど変化しないので弱反転領域に
ついてはテーブルデータを用意する必要がなく、上記
(13)式を用いて電流値を求める。なお、SFAC の温
度依存性については下記の(14)式を用いて行う。 SFAC (TSim )=SFAC (TTab )・(TTab /TSim ) …… (14)
電圧VDSによってほとんど変化しないので弱反転領域に
ついてはテーブルデータを用意する必要がなく、上記
(13)式を用いて電流値を求める。なお、SFAC の温
度依存性については下記の(14)式を用いて行う。 SFAC (TSim )=SFAC (TTab )・(TTab /TSim ) …… (14)
【0013】以上説明したことに基づいて本発明による
半導体集積回路のシミュレーション方法の一実施例を説
明する。この実施例のシミュレーション方法は、図1の
フローチャートに示すようにまずMOS・FETの利得
因子βの変換係数γを(10)式を利用して求める(ス
テップF1参照)。次にテーブルデータから動作点(V
DS、VGS、VBS)におけるMOS・FETのしきい値
(VTH)Tab を求め、この求められたしきい値に基づい
て(8)式を用いてシミュレーション時のしきい値(V
TH)Sim を求める(ステップF2参照)。
半導体集積回路のシミュレーション方法の一実施例を説
明する。この実施例のシミュレーション方法は、図1の
フローチャートに示すようにまずMOS・FETの利得
因子βの変換係数γを(10)式を利用して求める(ス
テップF1参照)。次にテーブルデータから動作点(V
DS、VGS、VBS)におけるMOS・FETのしきい値
(VTH)Tab を求め、この求められたしきい値に基づい
て(8)式を用いてシミュレーション時のしきい値(V
TH)Sim を求める(ステップF2参照)。
【0014】その後、ステップ2で求めたしきい値(V
TH)Sim とゲート電圧VGSを比較する(ステップF3参
照)。VGS>VTHの場合、すなわち強反転領域の場合
は、動作点におけるドレイン電流をデータテーブルから
求め(ステップF4参照)、この求めたドレイン電流に
ステップ1で求めた変換係数を掛けてシミュレーション
時におけるドレイン電流IDSを求める(ステップF5参
照)。
TH)Sim とゲート電圧VGSを比較する(ステップF3参
照)。VGS>VTHの場合、すなわち強反転領域の場合
は、動作点におけるドレイン電流をデータテーブルから
求め(ステップF4参照)、この求めたドレイン電流に
ステップ1で求めた変換係数を掛けてシミュレーション
時におけるドレイン電流IDSを求める(ステップF5参
照)。
【0015】VGS≦VTHの場合、すなわち弱反転領域の
場合はVGS=VTHの時の拡散電流をテーブルデータから
求め、この求めた拡散電流に変換係数γを掛けてVGS=
VTH時における温度補正された拡散電流IBot を求める
(ステップF6参照)。その後SファクタSFAC の温度
補正を(14)式を用いて求め、この温度補正されたS
FAC と、ステップF6で求めたIBot に基づいて(1
3)式を用いてシミュレーション時における拡散電流I
GSを求める(ステップF7参照)。なおデータテーブル
から動作点におけるしきい値及びドレイン電流を求める
場合に動作点が格子点と格子点の間にある場合は補間し
て求める。
場合はVGS=VTHの時の拡散電流をテーブルデータから
求め、この求めた拡散電流に変換係数γを掛けてVGS=
VTH時における温度補正された拡散電流IBot を求める
(ステップF6参照)。その後SファクタSFAC の温度
補正を(14)式を用いて求め、この温度補正されたS
FAC と、ステップF6で求めたIBot に基づいて(1
3)式を用いてシミュレーション時における拡散電流I
GSを求める(ステップF7参照)。なおデータテーブル
から動作点におけるしきい値及びドレイン電流を求める
場合に動作点が格子点と格子点の間にある場合は補間し
て求める。
【0016】以上説明したようにして動作点における、
シミュレーション時の温度補正されたドレイン電流を求
めることができる。VDS=2V、VBS=0Vの条件で、
シミュレーション時の温度TSim が0℃、27℃、54
℃及び81℃の時の、ゲート電圧VGSに対するドレイン
電流IDSを、本実施例の方法を用いて求めた場合の特性
曲線を各々図4のグラフg1,g2,g3およびg4に
示す。図4から分かるようにVGS=1.8V付近を境と
して、VGSの大きいところでは温度が低い方がドレイン
電流が余計に流れ、VGSの小さいところでは温度が高い
方がドレイン電流が余計に流れる。これはゲート電圧V
GSが小さい場合には、しきい値VTHの温度依存性の影響
が大きく、温度が上がるとともにしきい値VTHの値が小
さくなってドレイン電流IDSが増すのに対し、ゲート電
圧VGSが大きい場合にはモビリティの温度依存性ファク
タが支配的で、温度上昇と共にモビリティが減少し、ド
レイン電流IDSが下がる為である。
シミュレーション時の温度補正されたドレイン電流を求
めることができる。VDS=2V、VBS=0Vの条件で、
シミュレーション時の温度TSim が0℃、27℃、54
℃及び81℃の時の、ゲート電圧VGSに対するドレイン
電流IDSを、本実施例の方法を用いて求めた場合の特性
曲線を各々図4のグラフg1,g2,g3およびg4に
示す。図4から分かるようにVGS=1.8V付近を境と
して、VGSの大きいところでは温度が低い方がドレイン
電流が余計に流れ、VGSの小さいところでは温度が高い
方がドレイン電流が余計に流れる。これはゲート電圧V
GSが小さい場合には、しきい値VTHの温度依存性の影響
が大きく、温度が上がるとともにしきい値VTHの値が小
さくなってドレイン電流IDSが増すのに対し、ゲート電
圧VGSが大きい場合にはモビリティの温度依存性ファク
タが支配的で、温度上昇と共にモビリティが減少し、ド
レイン電流IDSが下がる為である。
【0017】図4に示すシミュレーション結果はMOS
・FETの実際の特性を忠実に表わしており、これによ
り本実施例の方法を用いることによりMOS・FETの
温度特性を手軽に精度良くシミュレーションすることが
できる。特にメモリ回路におけるアクセスタイムの温度
特性や、オペアンプ回路の温度特性を簡単に、かつ高精
度にシミュレーションすることができ、VLSI設計開
発期間を大幅に短縮することができる。
・FETの実際の特性を忠実に表わしており、これによ
り本実施例の方法を用いることによりMOS・FETの
温度特性を手軽に精度良くシミュレーションすることが
できる。特にメモリ回路におけるアクセスタイムの温度
特性や、オペアンプ回路の温度特性を簡単に、かつ高精
度にシミュレーションすることができ、VLSI設計開
発期間を大幅に短縮することができる。
【0018】
【発明の効果】本発明にによれば、動作温度がテーブル
データ測定時と異なる場合でも、簡単でかつ精度良くシ
ミュレーションすることができる。
データ測定時と異なる場合でも、簡単でかつ精度良くシ
ミュレーションすることができる。
【図1】本発明によるシミュレーション方法を実施する
場合の一例を示すフローチャート。
場合の一例を示すフローチャート。
【図2】MOS・FETの特性を示すグラフ
【図3】MOS・FETのしきい値の温度特性を示すグ
ラフ
ラフ
【図4】本発明のシミュレーション方法を用いて求め
た、MOS・FETのVGSとIDSの温度特性を示すグラ
フ。
た、MOS・FETのVGSとIDSの温度特性を示すグラ
フ。
【図5】構成素子がMOS・FETであるときの、テー
ブルデータの構成を模式的に示す図。
ブルデータの構成を模式的に示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/78 H01L 29/00
Claims (1)
- 【請求項1】MOS・FETの利得因子の変換係数を求
める第1のステップと、 MOS・FETのしきい値に関するデータテーブルから
動作点におけるしきい値を求め、この求めたしきい値に
温度補正を行う第2のステップと、 前記温度補正されたしきい値VTHと動作点におけるゲー
ト電圧VGSを比較し、 VGS>VTHの場合は動作点におけるドレイン電流をデー
タテーブルから求め、この求めた値に前記変換係数を掛
けて温度補正されたドレイン電流を求め、 VGS≦VTHの場合は、VGS=VTHの時の拡散電流をデー
タテーブルから求め、この求めた値に前記変換係数を掛
けて温度補正された、VGS=VTHの時の拡散電流を求
め、更にSファクタの温度補正を行い、これらの温度補
正された拡散電流及びSファクタに基づいてドレイン電
流を求める第3のステップと、 を備えていることを特徴とする半導体回路のシミュレー
ション方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29596791A JP3175959B2 (ja) | 1991-11-12 | 1991-11-12 | 半導体集積回路のシミュレーション方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05218412A JPH05218412A (ja) | 1993-08-27 |
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SE450469B (sv) * | 1985-02-19 | 1987-06-29 | Asea Stal Ab | Sett vid framstellning av en formkropp av en jernlegering med hog kromhalt |
US6946897B2 (en) * | 2003-10-22 | 2005-09-20 | Intersil Americas Inc. | Technique for measuring temperature and current via a MOSFET of a synchronous buck voltage converter |
US20100088083A1 (en) * | 2008-10-08 | 2010-04-08 | Vns Portfolio Llc | Method and Apparatus for Circuit Simulation |
US20100125441A1 (en) * | 2008-11-17 | 2010-05-20 | Vns Portfolio Llc | Method and Apparatus for Circuit Simulation |
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Proc.IEEE 30th MIDWEST SYMPOSIUM ON CIRCUITS AND SYSTEMS,p.1074−1077(1988) |
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