JPH10332645A - 渦電流補正方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
失等の望ましくない渦電流の影響を大幅に減少させるこ
とできる渦電流補正方法及び装置を提供する。 【解決手段】 MRシステム10に用いられる渦電流補
正方法が提供される。この補正方法は、拡散加重用勾配
によって生じる渦電流に誘起される磁場の各々の成分と
関連した渦電流パラメータを導出する工程と、その各々
が上述のパラメータの関数であるような一組の補正項を
発生する工程とを含んでいる。この方法は、一組の理想
的なエコー・プラナ・イメージング勾配、並びに受信器
12の位相及び周波数を修正して、渦電流に誘起される
磁場勾配及び渦電流に誘起される空間依存的でないB0
磁場をそれぞれ相殺する更なる工程を含んでいる。この
修正は2段階で行われる。
Description
る方法は一般的には、拡散加重(diffusion-weighted)
エコー・プラナ・イメージング(EPI)として知られ
ている磁気共鳴(MR)イメージング手法に関するもの
である。より具体的には、本発明は、拡散加重EPI手
法に従って収集されるMR画像において、拡散加重用勾
配によって誘起される渦電流に起因する誤差を大幅に減
少させる方法に関する。
のように、拡散加重画像は、例えば、180°リフォー
カシング(再収束)無線周波数(RF)パルスの前後に
配置された一対の拡散加重用勾配を用いて取得すること
ができる。拡散加重用勾配を用いると、相異なる拡散係
数を有しているスピンは、式S=S0 e-bD に従って相
異なる信号損失度を示す。この式において、S及びS0
はそれぞれ、拡散加重用勾配を伴う信号及び伴わない信
号であり、Dは、所与の組織についての拡散係数であ
り、bは、拡散加重用勾配の振幅の平方に比例する「b
因子」として知られている。明らかに異なる拡散係数を
有している組織がMR画像内で適切なコントラストを示
すようにするためには、拡散加重用勾配の振幅は、十分
に大きなb因子を確実に得るように十分強くなければな
らない。
ング手法は、脳の虚血の早期検出に特に有用である。脳
卒中の発症から僅か数時間以内に、拡散加重イメージン
グは優れたコントラストで虚血領域を強調表示すること
ができるが、他の手法では、遥かに遅れた時間に虚血を
検出するか、又は全く検出できないかのいずれかであ
る。早期の脳卒中の検出は、TPA等の治療薬が、典型
的には数時間持続する比較的狭い「治療ウィンドウ」
(therapeutic window)の範囲内でしか有効でないの
で、特に重要である。有効な脳卒中検出を行うために、
600s/(mm)2 〜1000s/(mm)2 の間の
b因子が頻繁に用いられるので、結果的に、大きな拡散
加重用勾配(例えば、2G/cm)が長時間(例えば、
30ms)にわたって作用する。このような拡散加重用
勾配のため、パルス・シーケンスは患者の動き及び渦電
流の影響に対して極端に敏感になる。動きの問題は、E
PI手法を用いて効果的に除去され得るが、渦電流の問
題は、EPIでは一層深刻になり、画像シフト、形状の
歪み及び強度の低下を含めた劣化効果を招く。
Iパルス・シーケンスを発生してMR画像を収集するよ
うに設けられているMRシステムに関連して用いられる
渦電流補正方法を提供する。このパルス・シーケンス
は、従来のEPIパルス・シーケンス内に、180°リ
フォーカシングRFパルスの前後に配置された一対の拡
散加重用勾配と、他の成分とを含んでいる。この方法
は、拡散加重用勾配によって生ずる渦電流磁場成分にそ
れぞれ関係している一組のパラメータを導き出す工程を
含んでいる。これらのパラメータから一組の補正項が発
生され、これらの補正項に従って、一組の理想的なEP
I勾配、並びに受信器の周波数及び位相がそれぞれ修正
される。修正されたEPI勾配、並びに修正された受信
器の周波数及び位相を上述のパルス・シーケンス内に含
めてMRデータを収集するので、渦電流磁場によって生
ずる収集されたデータ・セットの不完全性が実質的に減
少する。
ラナ・イメージングの改良された方法を提供することに
ある。もう1つの目的は、シフト、ずれ(shear)、収
縮(又は膨張)及び信号強度損失等の望ましくない渦電
流の影響を大幅に減少させる拡散加重EPI走査のため
の方法を提供することにある。
る読み出し勾配、位相エンコーディング勾配及びスライ
ス選択勾配、並びに受信器の周波数及び位相が、それぞ
れの理想的な波形から修正され、これにより、渦電流の
悪影響を減少させるような上述の形式の方法を提供する
ことにある。本発明のこれらの目的及びその他の目的
は、以下の記載及び図面からより容易に明らかになろ
う。
載されている拡散加重EPI走査を実行するように動作
し得るMRシステム10の基本的な構成要素が示されて
いる。システム10は、RFコイル12と、イメージン
グされる被検体16を収容している円筒マグネットのボ
ア(中孔)内に主磁場又は静磁場B0 を発生するマグネ
ット14とを含んでいる。システム10は更に、直交し
ているx基準軸、y基準軸及びz基準軸に対してGx 磁
場勾配、Gy 磁場勾配及びGz 磁場勾配をそれぞれ発生
する勾配コイル18、20及び22を含んでいる。図1
は、増幅器24、26及び28によってそれぞれ駆動さ
れる勾配コイル18、20及び22の各々を示してお
り、RFコイル12は、送受信増幅器30に結合されて
いる。図1を更に詳細に参照すると、システム10はパ
ルス・シーケンス制御器32が設けられているものとし
て示されており、パルス・シーケンス制御器32は、R
F増幅器及び勾配増幅器を制御するように動作し、これ
により、拡散加重EPIパルス・シーケンスを発生し
て、一組のMRデータを発生すると共に収集する。シス
テム10は又、イメージング平面36において取得され
る被検体16の画像を構成するように、収集されたMR
データを処理する画像処理電子回路34を含んでいる。
要素の構成、作用及び相互関係は周知であり、1992
年9月29日にMaier等に付与された米国特許第5,1
61,656号等の従来技術に十分詳細に記載されてい
る。このような特許は、EPI走査に特に指向してお
り、その教示はここに参照されるべきものである。図2
を参照すると、同図には、90°RFパルス38と、1
80°RFパルス40とを含んでいる拡散加重EPIパ
ルス・シーケンスが示されている。これらのRFパルス
は、RFコイル12によって送信することができ、空間
情報を含めてエンコードされ得るエコー信号42を発生
する。エコー信号も又、コイル12によって受信するこ
とができ、画像を再構成するのに用いられる。
コー信号を空間的にエンコードするために、図2に示す
シーケンスは更に、読み出し勾配Groと、位相エンコー
ディング勾配Gpeと、スライス選択勾配Gslとを含んで
いる。読み出し勾配Groは、プリ・フェイジング(予備
位相合わせ)・パルス44と、読み出しパルス46とを
含んでいる。同様に、位相エンコーディング勾配G
peは、プリ・フェイジング・パルス48と、位相エンコ
ーディング・パルス50とを含んでいる。スライス選択
勾配Gslは、90°RFパルスに対するスライス選択パ
ルス52と、180°RFパルスに対するスライス選択
パルス54と、更にスライス・リフォーカシングのため
のパルス52aとを含んでいる。
拡散加重EPI走査に要求される拡散加重用勾配Gd が
示されている。拡散加重用勾配Gd は、180°RFパ
ルスの両側に配置された2つの等価な台形パルス56及
び58を含んでいる。図1に示すイメージング平面36
が基準軸のうちの1つに直交しており且つ他の2つの基
準軸に平行であるならば、読み出し勾配、位相エンコー
ディング勾配及びスライス選択勾配は、例えば、x勾配
軸、y勾配軸及びz勾配軸に沿ってそれぞれ位置すると
いうように、物理的基準軸のうちの1つに沿ってそれぞ
れ位置することになる。更に、このような取り決めを行
った場合には、Gx 勾配は読み出し勾配Groを排他的に
含み、Gy 勾配は位相エンコーディング勾配Gpeを排他
的に含み、Gz 勾配はスライス選択勾配Gslを排他的に
含むことになる。勾配コイル18、20及び22によっ
てそれぞれ発生されるGx 勾配、Gy 勾配及びG z 勾配
を、以下では物理的勾配と呼ぶ。Gro勾配、Gpe勾配及
びGsl勾配を、以下ではそれぞれの論理的勾配と呼ぶ。
36が基準軸のうちの2つ又は3つすべてに関して非平
行で且つ非直交の関係にあるならば、そこで収集される
画像を斜方(oblique)画像と呼ぶ。斜方走査において
は、論理的勾配のうちの2つ又は3つすべての勾配が、
物理的勾配のうちの2つ又は3つすべての成分から形成
されている。拡散加重用勾配Gd も又、基準軸のうちの
1つの軸に沿って配向していてもよいし、又は代替的
に、より一般的な場合では、2つ若しくは3つの物理的
勾配成分を含んでいる。
B0 磁場ばかりでなくEPI勾配磁場とも相互作用する
可能性があり、多数の方式で画質に悪影響を及ぼす。第
1に、bm0(t)の存在下では、拡散加重EPI画像は
位相エンコーディング方向に沿ってシフトする。b
m0(t)渦電流磁場は又、90°スライス・プロファイ
ルと180°スライス・プロファイルとの間に相対的な
シフトを発生し、その結果、画像強度が低下する。第2
に、拡散加重用勾配軸から読み出し軸に向けての線形渦
電流磁場gmn(t)は、位相エンコーディング方向に沿
った画像の歪み、即ち、ずれを発生する。渦電流磁場
は、渦電流を感受する軸が読み出し軸である限りでは、
軸上又は交差項のいずれかであり得る。第3に、拡散加
重用勾配から位相エンコーディング勾配に向けての線形
渦電流は、渦電流勾配と位相エンコーディング勾配との
間の相対的な極性に応じて、位相エンコーディング方向
に沿った画像の収縮又は膨張をもたらす。第4に、拡散
加重用勾配によって誘起され、スライス選択勾配上で作
用する線形渦電流磁場は、不完全なスライス・リフォー
カシングを導入し、その結果、画像の強度が低下する。
ているので、拡散加重用勾配によって発生される空間的
に一定であると共に線形である渦電流磁場(bm0(t)
及びgmn(t))は、解析的に算出することができる。
次いで、bm0(t)及びgmn(t)が既知になれば、ア
ーティファクトが大幅に減少した画像を取得し得るよう
に、パルス・シーケンスを設計する際に渦電流の影響を
補償することができる。これが、本発明の渦電流補正方
法の背後にある基本的な考え方である。以下の議論で
は、Gro、Gpe及びGslを、理想的な読み出し勾配、位
相エンコーディング勾配及びスライス選択勾配をそれぞ
れ表すために、即ち、EPI走査に要求される論理的勾
配を表すために用いる。上述のように、項bm0(t)
は、拡散勾配Gd によって誘起される時間依存的な渦電
流B0 磁場を表すために用いられ、項gmn(t)は、や
はりGd によって誘起される時間依存的な渦電流勾配磁
場のそれぞれの成分を表すために用いられる。最初の下
付き文字mは、渦電流ドナー(供与側)の軸(即ち、拡
散加重用勾配軸)を表し、第2の下付き文字nは、渦電
流アクセプタ(受容側)の軸(即ち、読み出し軸、位相
エンコーディング軸又はスライス選択軸)を指す。
l of Magnetic Resonance誌、第90巻、第264頁〜
第278頁(1990年)のJehenson等の「NMRシス
テムにおけるパルス型磁場勾配によって誘起される渦電
流の影響を補償するための解析的方法」と題された刊行
物に述べられているように、渦電流磁場を以下のように
表すことができる。
重用勾配の物理的軸であり、時間変化する拡散勾配Gd
が、x軸、y軸又はz軸に沿って配向した成分を有して
いるか否かに応じて、x、y又はzのいずれかであり得
る。nは、作用を受ける空間エンコーディング勾配の軸
であり、やはりx、y又はzのいずれかであり得る。量
αmnj 及びτmnj は、MRシステムの隣接した構造体内
で拡散加重用勾配Gm(t)によって誘起されるj番目
の線形渦電流成分のそれぞれ振幅及び時定数である。同
様に、αm0j 及びτm0j は、主磁場に作用するj番目の
B0 渦電流成分のそれぞれ振幅及び時定数である。過去
に、このような渦電流成分の各々が任意の所与のMRシ
ステムについて経験的に測定可能であることが発見され
ている。印加される所与の勾配Gm (t)についての係
数αmnj 、αm0j 、τmnj 及びτ m0j のそれぞれの値を
決定する手法は従来技術において公知であり、例えば、
1986年1月3日にGlover等に付与された米国特許第
4,698,591号に記載されている。
勾配Gm (t)を構成している拡散加重用勾配パルス5
6及び58が極く詳細に図示されている。これらのパル
スは、時刻0に開始して、時刻t8 に終了している。図
3によれば、勾配Gm (t)は、時刻t1 と時刻t2 と
の間及び時刻t6 と時刻t7 との間の時間周期δ2 には
最大振幅にある。印加される勾配は、−∞と時刻0との
間及び時刻t8 と+∞との間、並びにパルス56とパル
ス58とを分離している時刻t3 と時刻t5 との間の時
間周期δ3 にはゼロ振幅にある。勾配Gm (t)は、時
刻0と時刻t1との間及び時刻t5 と時刻t6 との間の
時間δ1 には、スルー・レートR(R=Gd /t1 )で
増大している。勾配Gm (t)は、時刻t2 と時刻t3
との間及び時刻t7 と時刻t8 との間の時間周期δ1 に
は、スルー・レート−Rで減少している。
間関係から、その時間導関数が以下のようになることが
直ちにわかる。 t′∈(−∞,0]又は(t1 ,t2 ]又は(t3 ,t5 ]又は(t6 ,t 7 ]又は(t8 ,+∞]のときに、 dGm (t′)/dt′=0 t′∈(0,t1 ]又は(t5 ,t6 ]のときに、 dGm (t′)/dt′=R t′∈(t2 ,t3 ]又は(t7 ,t8 ]のときに、 dGm (t′)/dt′=−R 式(2) 式(1a)と式(2)とを組み合わせることにより、渦
電流の各成分の累積効果によって生ずる渦電流勾配gmn
(t)は、以下のように表される。
めに下付き文字mnが削除されていることを特記してお
く。
の収集は、時刻t9 の後になるまでは開始しないことが
わかる。従って、Δkmn0 を収集前誤差と呼び、Δk′
mni を収集時誤差と呼ぶ。収集時誤差Δk′mni は時間
依存的であるが、収集前誤差Δkmn0 は時間依存的では
なく、k空間データの収集中は一定に留まっている。
め、180°パルスの前の(即ち、0≦t≦t4 )第1
の勾配ローブによって発生されるk空間誤差は、t5 と
t5 +t4 との間の時間間隔中の第2の勾配ローブによ
って打ち消されることになる。従って、正味の収集前k
空間誤差Δkmn0 を決定するためには、t4 からt9 ま
での第1の拡散加重用勾配ローブと、t5 +t4 からt
9 までの第2の勾配ローブとを考えるだけでよい。即
ち、
式が得られる。
付き文字mnが削除されている。拡散加重用勾配がx軸
に沿って印加される成分を有しており、且つ読み出し勾
配、位相エンコーディング勾配及びスライス選択勾配が
x軸、y軸及びz軸に沿ってそれぞれ印加されているな
らば、これらの勾配にそれぞれ対応するk空間収集前誤
差を式(6)から容易に決定することができ、このk空
間収集前誤差は、以下の各式で構成される。
τの各項は、式(1)及び式(2)の場合と同じ量をそ
れぞれ表している。式(7)〜式(9)は又、図3に示
されているタイミング・パラメータを含んでいる。m及
びnの他の値についての他のk空間収集前誤差が導出さ
れ得ることは容易に認められよう。これは、例えば、拡
散加重用勾配がy軸若しくはz軸に沿って印加されてい
るときに、又は拡散加重用勾配がこれらの物理的軸に沿
った成分を有しているときに起こる。
によって誘起される磁場bm0(t)による影響を受け
る。このような成分は、式(1b)から、Gm (t)並
びに係数α及びτの関数として容易に決定され得る。式
(1b)を式(2)と組み合わせると、B0 磁場誤差に
ついての式を導出することができる。勾配誤差がk空間
誤差を発生する場合と同様に、bm0(t)は、MR信号
に位相誤差φm0(t)を発生する。この位相誤差も又、
時間依存的な収集前誤差φm00 と、時間依存的な収集時
誤差φm0′(t)とに分割することができる。即ち、φ
m0(t)=φm00+φm0′(t)である。x軸に沿って
印加される拡散加重用勾配については、収集前位相誤差
は以下の式によって与えられる。
散加重用勾配に対応する収集前位相誤差も求めることが
できる。式(7)〜式(9)にそれぞれ記述されている
一定の収集前k空間オフセットは、それぞれ読み出し方
向及び位相エンコーディング方向にあるプリ・フェイジ
ング・パルス44及び48、並びにスライス選択勾配方
向にあるリフォーカシング・パルス52aを修正するこ
とにより、厳密に除去することができる。例えば、プリ
・フェイジング・パルス又はリフォーカシング勾配の元
の振幅をGppと置き、そのパルス幅をTとし、その波形
は無次元の関数ψ(t)によって定義されるものとする
と、このようなプリ・フェイジング・パルス又はリフォ
ーカシング勾配の振幅を式(11)によって与えられる
新たな値に修正することができる。
拡散加重用勾配はどの軸に対して印加されているのか、
又、収集補正はどの軸を目標としているのかに応じて、
x、y又はzのいずれかであり得る。代替的には、プリ
・フェイジング勾配パルス又はリフォーカシング勾配パ
ルスを、パルス幅Tを変更することにより修正すること
もできる。但しこのとき、修正後のパルスの勾配−時間
面積は、元のパルスの面積からkmn0 /γを減じたもの
に等しくする。
テムの受信器の位相を調節することにより除去すること
もできるし、又は代替的には、MR画像の強度に影響を
与えるわけではないので放置しておくこともできる。x
軸に沿って印加される拡散加重用勾配について、又、x
軸、y軸及びz軸に沿ってそれぞれ配向している読み出
し勾配、位相エンコーディング勾配及びスライス選択勾
配について、収集時誤差に関する式を式(1a)、式
(1b)及び式(3)から以下のように導出することが
できる。
ため、収集前誤差の補正よりも困難である。厳密な補正
は、論理的勾配及び受信器の周波数を、EPI読み出し
トレインの全体にわたって時点ごとの(point-by-poin
t)形式で動的に調節することにより初めて可能にな
る。このような解決法は、パルス・シーケンスのプログ
ラミングに甚だしい複雑さを導入する。
判明した渦電流補正方法では、図4に示すように、一般
化された渦電流gmn(t)についての多元指数関数的減
衰曲線60を区分的(piece-wise)定数勾配62によっ
て近似する。例えば、減衰曲線が、式(13)に記述さ
れているような読み出し勾配の収集時誤差gxx(t)を
表すとして、勾配近似62は、セグメント64で構成さ
れる。各々のセグメント64は、読み出し勾配パルス4
6のうちに1つに対応しており、espに等しい時間長
を有している。ここで、espは、読み出し勾配のエコ
ー間間隔、即ち、図4に示されているす隣接した読み出
しパルス46aと読み出しパルス46bとの間の間隔で
ある。各々のセグメント64の振幅は、式(13)に従
って、セグメント64に対応している読み出しパルスの
中点tp において、gxx(t)から決定される。従っ
て、パルス46a、46b、46c及び46dにそれぞ
れ対応しているセグメント64の振幅は、図4に示すよ
うに、g1 、g2 、g3 及びg4 を含んでいる。曲線6
0によって表される渦電流の影響を補償するために、各
々のセグメント64の振幅を、その対応している読み出
し勾配パルスから減じることにより、理想的な読み出し
勾配の波形を修正する。修正後の読み出し勾配は破線6
6として図示されており、G−g1 及び−G−g2 等の
パルス振幅を有している。G及び−Gは、理想的な勾配
パルス46a及び46bのそれぞれの振幅である。
ーディング勾配及びスライス選択勾配について実行する
ことは遥かに容易である。なぜならば、元の勾配が単極
であるか、又は存在していないかのいずれかであるから
である。図4を更に参照すると、同図には、上述の補償
方法及び式(14)に従って理想的な位相エンコーディ
ング波形から修正された位相エンコーディング波形を含
んでいる曲線68が示されている。同様に、曲線70
は、上述の補償方法及び式(15)に従って修正された
スライス選択波形を示している。
器の位相は、異なるエコーについて調節されなければな
らず、又、受信器の周波数は、各々のエコー収集につい
て変更されなければならない。受信器の位相オフセット
は、以下の式を用いて各々の収集ウィンドウの中央にお
いて算出することができる。
り、tl はl番目のエコーの中央での時刻である。周波
数オフセットΔfx0(t)は、式(12)及び式(1
7)からt=tl として直接的に得ることができる。 Δfx0(t)=(γ/2π)bx0(t) 式(17) 周波数の修正72は、図4に示されている。
方法に従って改変された勾配補償値を含んでいる修正後
の位相エンコーディング波形76、スライス選択波形7
8、及び周波数波形80が示されている。これらの値
は、時刻tc において、式(14)、式(15)及び式
(17)からそれぞれ算出された。上述の議論では、拡
散加重用勾配を物理的なx軸に沿って印加するものと仮
定していたが、区分的定数近似を用いるものにせよ又は
定数近似を用いるものにせよ、この渦電流補正方法は、
いかなる物理的軸における拡散加重用勾配にも対応する
ように容易に一般化することができる。
意の方向に印加して、組織拡散の異方性を研究すること
ができる。本発明の補正方法を拡張して、この一般的な
例に応用することができる。3つの論理的勾配軸ro、
pe及びslに関して任意の方向に拡散勾配Gd が印加
されるとする。この基準フレームでは、Gd を3つの直
交成分Gd,ro、Gd,pe及びGd,slによって表すことがで
きる。
は、回転行列Rによって物理的勾配に関係付けられる。
及びGd,z は、B0 磁場及び3つの線形勾配磁場、並び
に前述のより高次の空間依存的な磁場を形成するような
渦電流を発生する可能性がある。式(1)によれば、こ
れらの渦電流磁場は、誘導性勾配に比例している。この
ように、Gd,x 勾配、Gd,y 勾配及びGd,z 勾配によっ
て発生される総合的なB0 磁場は、
ξz0は、以下のように定義される。
あり得る。又、σm0j は、
される勾配磁場は、 gx =Gd,x ξxx+Gd,y ξyx+Gd,z ξzx gy =Gd,x ξxy+Gd,y ξyy+Gd,z ξzy gz =Gd,x ξxz+Gd,y ξyz+Gd,z ξzz として、又はマトリクス形式では、
mnは以下のように定義される。
はzであり得る。又、σmnj は、
(20)から、データ収集「中に」用いられるべき周波
数補償値を容易に導き出すことができる。
c)単位での磁気回転比である。データ収集「中の」勾
配補償パラメータの導出は、もう少し複雑なだけであ
る。この補正方法は論理的勾配レベルでの渦電流勾配を
補正するものであるので、式(22)の物理的渦電流勾
配gx 、gy 及びgz を論理的勾配に変換しなければな
らない。これは、回転行列の逆行列R-1を用いて達成さ
れ得る。ユニタリ回転行列についてはR-1はR+ (Rの
転置行列)と等しいことがわかっているので、以下の式
が得られる。
組み合わせると、エコー・トレイン収集中の勾配補償パ
ラメータについての変換式が、以下のように導き出され
る。
前の」補償パラメータも導き出すことができる。
で置き換えて式(28)によって定義される。この時点
で、任意の拡散加重用勾配(即ち、任意の配向及び任意
の振幅)を収集前の補償パラメータ(式(27)及び式
(29))、並びに収集時の補償パラメータ(式(2
4)及び式(26))に変換するための方程式が導き出
された。これらの誤差を、前述の方法を用いてパルス・
シーケンス内で補償することができる。
の他の多くの改変及び変形が可能である。従って、開示
された発明の概念の範囲内で、本発明を特定的に記載さ
れたものとは他の方式で実行してもよいことを理解すべ
きである。
MRシステムの基本的な構成要素を示す概略図である。
及びRF波形を示すパルス・シーケンス・ダイアグラム
である。
用いられているタイミング・パラメータと共に示す詳細
図である。
に示す波形の部分を示す図である。
に示す波形の部分を示す図である。
ス 50 位相エンコーディング・パルス 52、54 スライス選択パルス 52a スライス・リフォーカシング・パルス 56、58 拡散加重用勾配パルス 60 減衰曲線 62 区分的定数勾配 64 セグメント 66、74 修正された読み出し勾配 68、76 修正された位相エンコーディング波形 70、78 修正されたスライス選択波形 72、80 修正された周波数波形
Claims (11)
- 【請求項1】 拡散加重エコー・プラナ・イメージング
・パルス・シーケンスを発生して磁気共鳴画像を収集す
るように設けられている磁気共鳴システム(10)にお
いて、前記パルス・シーケンスは、拡散加重用勾配を含
んでいると共に、多数のエコー・プラナ・イメージング
空間エンコーディング勾配を要求しており、 前記拡散加重用勾配により生ずる渦電流磁場にそれぞれ
関連している渦電流パラメータを導出する工程と、 当該補正項の各々が前記パラメータの関数であるような
一組の補正項を発生する工程と、 該補正項に従って一組の理想的なエコー・プラナ・イメ
ージング勾配を選択的に修正する工程と、 前記渦電流磁場により生ずる収集される前記磁気共鳴デ
ータのアーティファクトを実質的に減少させるために、
修正された前記エコー・プラナ・イメージング勾配(7
4、76、78)を、前記パルス・シーケンスに対して
要求される前記エコー・プラナ・イメージング論理的勾
配として採用する工程とを備えた渦電流補正方法。 - 【請求項2】 前記方法は、前記磁気共鳴システム(1
0)のデータ収集システムの受信器(12)の位相及び
周波数を修正する工程と、該修正された位相及び周波数
(80)を前記磁気共鳴データの収集時に採用する工程
を含んでいる請求項1に記載の渦電流補正方法。 - 【請求項3】 前記一組の補正項は、第1及び第2の補
正項のサブセットを含んでおり、 前記理想的なエコー・プラナ・イメージング勾配の各々
は、前記データの収集の前に発生する第1の勾配成分
と、前記データの収集中に発生する第2の勾配成分とを
含んでおり、 前記理想的な勾配のうちの所与の1つの勾配についての
前記第1(44)及び第2(46)の勾配成分は、前記
第1及び第2のサブセットの補正項によりそれぞれ修正
される請求項1に記載の渦電流補正方法。 - 【請求項4】 前記第1のサブセットの各々の補正項
は、定数のオフセット値を含んでおり、 前記第2のサブセットの各々の補正項は、前記渦電流パ
ラメータの時間変化する関数を含んでいる請求項3に記
載の渦電流補正方法。 - 【請求項5】 前記理想的なエコー・プラナ・イメージ
ング勾配は、相互に直交している読み出し勾配と、位相
エンコーディング勾配と、スライス選択勾配とを含んで
いる請求項4に記載の渦電流補正方法。 - 【請求項6】 前記読み出しパルスは、特定の時間間隔
を有しており、 前記磁気共鳴データの収集中の前記渦電流成分の累積的
な影響は、指数関数的な減衰曲線(60)により表さ
れ、 前記所与の理想的な勾配の前記第2の勾配成分(46)
は、一連のセグメント(64)を含んでいる前記減衰曲
線の区分的近似により修正され、各々のセグメント(6
4)は、前記特定の間隔に等しい時間長と、前記第2の
サブセットの対応する補正項から算出される振幅とを有
している請求項5に記載の渦電流補正方法。 - 【請求項7】 前記所与の理想的な勾配は、前記データ
収集時間のk空間の中央において前記サブセットの対応
する補正項から算出される平均勾配値により修正される
請求項5に記載の渦電流補正方法。 - 【請求項8】 前記渦電流パラメータは、前記渦電流成
分のそれぞれの振幅及び時定数を含んでいる請求項1に
記載の渦電流補正方法。 - 【請求項9】 エコー・プラナ・イメージング・パルス
・シーケンスを発生して磁気共鳴画像を収集するように
設けられている磁気共鳴システム(10)において、前
記パルス・シーケンスは、双極の勾配を含んでいると共
に、多数のエコー・プラナ・イメージング空間エンコー
ディング勾配を要求しており、 前記双極の勾配により生ずる渦電流磁場にそれぞれ関連
している渦電流パラメータを導出する工程と、 前記補正項に従って一組の理想的なエコー・プラナ・イ
メージング勾配を選択的に修正する工程と、 前記渦電流磁場により生ずる収集される前記磁気共鳴デ
ータのアーティファクトを実質的に減少させるために、
修正された前記エコー・プラナ・イメージング勾配(7
4、76、78)を、前記パルス・シーケンスに対して
要求される前記エコー・プラナ・イメージング論理的勾
配として採用する工程とを備えた渦電流補正方法。 - 【請求項10】 拡散加重エコー・プラナ・イメージン
グ・パルス・シーケンスを発生して磁気共鳴画像を収集
するように設けられている磁気共鳴システム(10)に
おいて、前記パルス・シーケンスは、拡散加重用勾配を
含んでいると共に、多数のエコー・プラナ・イメージン
グ空間エンコーディング勾配を要求しており、 前記拡散加重用勾配により生ずる渦電流磁場にそれぞれ
関連している渦電流パラメータを導出する手段と、 当該補正項の各々が前記パラメータの関数であるような
一組の補正項を発生する手段と、 該補正項に従って一組の理想的なエコー・プラナ・イメ
ージング勾配を選択的に修正する手段と、 前記渦電流磁場により生ずる収集される前記磁気共鳴デ
ータのアーティファクトを実質的に減少させるために、
修正された前記エコー・プラナ・イメージング勾配(7
4、76、78)を、前記パルス・シーケンスに対して
要求される前記エコー・プラナ・イメージング論理的勾
配として採用する手段とを備えた渦電流補正装置。 - 【請求項11】 エコー・プラナ・イメージング・パル
ス・シーケンスを発生して磁気共鳴画像を収集するよう
に設けられている磁気共鳴システム(10)において、
前記パルス・シーケンスは、双極の勾配を含んでいると
共に、多数のエコー・プラナ・イメージング空間エンコ
ーディング勾配を要求しており、 前記双極の勾配により生ずる渦電流磁場にそれぞれ関連
している渦電流パラメータを導出する手段と、 前記補正項に従って一組の理想的なエコー・プラナ・イ
メージング勾配を選択的に修正する手段と、 前記渦電流磁場により生ずる収集される前記磁気共鳴デ
ータのアーティファクトを実質的に減少させるために、
修正された前記エコー・プラナ・イメージング勾配(7
4、76、78)を、前記パルス・シーケンスに対して
要求される前記エコー・プラナ・イメージング論理的勾
配として採用する手段とを備えた渦電流補正装置。
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