JPH10331464A - 多目的競技場設備における可動席ユニットの展開および 収納方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多目的競技場の可動席ユニットを安全に故障
なく展開または収納する。 【解決手段】 外周構造物１内に収納空間１′を設け、
観覧席である可動席ユニット５が前記収納空間１′から
展開または該収納空間１′に収納されるように構成され
た多目的競技場設備の展開および収納方法であって、前
記可動席ユニット５の展開および収納動作と該可動席ユ
ニット５の椅子５ｄの倒立動作および支持脚５ｅの伸縮
動作が、展開または収納安全インターロック信号を介し
て行われることを特徴とする多目的競技場設備における
可動席ユニットの展開および収納方法である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自転車競技（競
輪）、サッカー、陸上競技などのスポーツ、各種イベン
トの開催等の多目的に使用される競技場設備の展開およ
び収納方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】競技場は、稼働率向上のために、多種の
スポーツ、イベントが開催可能なように構築される。そ
の場合、競技スペースの広さ、観客の収容度に応じて、
観覧席を増、減する必要から可動席が実現している。

【０００３】例えば、特開平８−１４４５５２号公報に
示すように、競輪から他のスポーツ向けの観覧席の形成
方法として、固定席が上部に形成された外周構造物の格
納空間から可動席を引き出し、競輪用のバンク上を被う
ことにより観覧席を増加させる方法が提案されている。

【０００４】図６、図７は、前記特開平８−１４４５５
２号公報に開示された側断面図で、図６に示すように、
外周構造物２０上の固定席２１の下部に格納空間２２を
形成し、該格納空間２２内から可動席ユニット２３をウ
ィンチ２４およびワイヤ２５により競輪用のバンク２６
上に、図７に示すように展開して観覧席を形成するもの
である。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記可
動席ユニットは、展開または収納する構造であり、この
展開また収納工程と該可動席ユニット上の椅子の倒立工
程を適切に関連付けないと、前記可動席ユニット上の椅
子を破壊したり作動がスムーズに行えない問題がある。

【０００６】前記特開平８−１４４５５２号公報の従来
技術は、この問題点に対する対策については記載されて
いない。

【０００７】本発明は、外周構造物に形成された収納空
間に対する可動席ユニットの展開または収納工程と可動
席ユニット上の椅子の倒立工程を、適切に関連付けて展
開または収納工程がスムーズに行えることを目的とする
ものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】前述の課題を解決する第
一の手段は、外周構造物内に収納空間を設け、観覧席で
ある可動席ユニットが該収納空間から展開または該収納
空間に収納されるように構成された多目的競技場設備の
展開および収納方法であって、前記可動席ユニットの展
開および収納動作と、該可動席ユニットの椅子の倒立動
作および支持脚の伸縮動作が、展開または収納安全イン
ターロック信号を介して行われることを特徴とする多目
的競技場設備における可動席ユニットの展開および収納
方法である。

【０００９】前述の課題を解決する第二の手段は、可動
席ユニットの展開および収納動作中の警告信号と、該可
動席ユニットの椅子の倒立および支持脚の伸縮動作中の
警告信号が、展開または収納安全インターロック信号に
より作動することを特徴とする前記第一の手段に記載の
多目的競技場設備における可動席ユニットの展開および
収納方法である。

【００１０】前述の課題を解決する第三の手段は、可動
席ユニットの安全ロック装置が、展開または収納安全イ
ンターロック信号を介して、作動することを特徴とする
第一の手段に記載の多目的競技場設備における可動席ユ
ニットの展開および収納方法である。

【００１１】前記第一の手段によれば、可動席ユニット
の展開または収納動作にインターロック信号を介在させ
ているので、安全であり、設備の破壊が防止される。

【００１２】また、前記第二の手段によれば、可動席ユ
ニットの展開または収納動作に、インターロック信号に
よる回転警告灯が点滅し、椅子の起立防止、作動区域へ
の立入り禁止が図られ、安全を確保することが可能とな
る。

【００１３】さらに、前記第三の手段によれば、安全ロ
ック装置がインターロック信号を介して作動するので、
確実で安全である。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、本発明の多目的競技場設備
における可動席ユニットの展開および収納方法につい
て、図面を参照しながら説明する。

【００１５】図１は、本発明にかかる多目的競技場設備
の斜視図で、１は外周構造物であり、該外周構造物１
は、柱材１ａ，横梁１ｂ，縦梁１ｃから構成されてい
る。２、２は前記外周構造物１の上部に設けられたガイ
ド体で、断面がＨ型、Ｉ型またはＣ型の、形鋼を使用し
てグランド方向に配置されている。

【００１６】３は、前記ガイド体２の上部に形成された
床板である。該床板３の上部には固定席４が形成されて
おり、前記ガイド体２、２と床板３および外周構造物１
の横梁１ｂとが形成する空間には、複数の座席からなる
可動席ユニット５が収納される収納空間１′が形成され
ている。

【００１７】前記ガイド体２は、前記可動席ユニット５
の展開方向に向けて設けられ、ガイドレールの役目を果
している。

【００１８】前記可動席ユニット５は、展開状態ではガ
イド体２のみで支持され、該ガイド体２をグランドＡ方
向に固定席４の前縁面より延出することにより、より支
持が良好となる。また、可動席ユニット５は、ウィンチ
６およびワイヤ７で、縦梁１ｃのガイド体２をガイドと
して、展開、格納が行われる。前記可動席ユニット５を
移動する手段は、前記のウィンチの他、ラック・ピニオ
ン式、直動シリンダー方式等各種公知の手段が適用され
る。

【００１９】可動席ユニット５は、複数の折り畳み式の
椅子５ｄが設けられ、その先端には、支持脚５ｅが設け
られており、該支持脚５ｅは、図示のように、台座５０
とＸ形のリンク５１、およびシリンダー機構５２とから
なり、該シリンダー機構５２の伸縮作動によりリンク５
１が移動され、グランド面Ａとの高さを保つ。

【００２０】前記可動席ユニット５の展開につれ、先端
に取付けられた支持脚５ｅがグランド面Ａに着地の準備
を開始し、可動席ユニット５の展開が終了すると同時に
着地となり、安定した状態で支持し、展開作業が迅速に
行われる。

【００２１】可動席ユニット５が展開されると、図示の
ように椅子５ｄ、支持脚５ｅも各々展開されて、観覧席
が形成される。尚、５ｆはフェンスである。

【００２２】また、隣接する可動席ユニット４の支持脚
５ｅ₁ は、折り畳んだ状態を示す。図２は、図１の矢視
イ方向、即ち、グランドＡ方向から見た正面断面図で、
前記ガイド体２と可動席ユニット５の収納状態を示す。
可動席ユニット５の両側部には、スライド部５ａおよび
ガイドローラ５ｂ，５ｃが設けられ、可動席ユニット５
の展開または収納に際し、前記ガイド体２のフランジ部
２ａまたはウェブ部２ｂにガイドされて可動席ユニット
５をグランドＡ方向（展開）または観客席方向（収納）
に移動させる。

【００２３】８は、前記ガイド体２のウェブ部２ｂに取
付けられた安全ロック装置であり、９は可動席ユニット
５のスライド部５ａに設けられた前記安全ロック装置８
のピンの嵌合孔である。前記安全ロック装置８により可
動席ユニット５の誤動作が防止される。

【００２４】図３は、本発明の多目的競技場設備におけ
る可動席ユニットの展開および収納方法におけるシステ
ム構成を示すブロック図である。

【００２５】１０は制御装置で、該制御装置１０には上
位コンピュ−タ１１および手動入力キーボード１２が接
続されている。また、前記制御装置１０には、可動席ユ
ニット５の展開または収納のための可動席駆動装置１３
および可動席ユニット５先端の支持脚５ｅの支持脚駆動
装置１４の信号系統が接続されており、前記可動席駆動
装置１３と支持脚駆動装置１４には、駆動アクチュエー
タ１３ａ，１４ａが取付けられている。

【００２６】１３ｂは可動席ユニット５の展開限界リミ
ットスイッチであり、１３ｃは可動席ユニット５の収納
限界リミットスイッチである。

【００２７】また、１４ｂは前記可動席ユニット５先端
の支持脚伸長限界リミットスイッチであり、１４ｃは支
持脚縮限界リミットスイッチである。

【００２８】さらに、１５は可動席ユニット５上の椅子
５ｄの起立リミットスイッチであり、１６は同様に椅子
５ｄの倒れリミットスイッチである。

【００２９】１７は、前記制御装置１０からの指令で作
動する安全装置で、前記安全ロック装置８を含むシステ
ム全体のロックまたはアンロック状態を構成する。

【００３０】図４は、本発明の多目的競技場設備におけ
る可動席ユニットの展開方法の手順を示すフローチャー
ト図である。

【００３１】Ｓ１でスタート開始すると、Ｓ２で可動席
ユニット５の椅子５ｄの起立がＯＦＦ（倒れている）状
態か、収納限界リミットスイッチ１３ｃがＯＮ（収納状
態にある）状態か、および支持脚縮限界リミットスイッ
チ１４ｃがＯＮ（折り畳まれている）状態か、を判断す
る。

【００３２】ＹＥＳであれば、展開安全インターロック
信号がＯＮ（Ｓ３）となり、安全ロック装置が解除され
る（Ｓ４）。また、ＮＯであれば、エラー処理を行な
い、再度、Ｓ１を開始する。

【００３３】次に、可動席駆動装置１３に展開指令およ
び先端の支持脚駆動装置１４にも伸長指令が発信され
（Ｓ５）、前記可動席駆動装置１３および支持脚駆動装
置１４のトルクに異常がないか、否かの判定が行われ
（Ｓ６）、異常がある場合は、駆動装置のエラー処理が
行われる。

【００３４】異常なければ、次のステップＳ７に移行
し、展開限界リミットスイッチ１３ｂがＯＮとなると、
可動席駆動装置１３に停止指令が発信され（Ｓ８）、安
全装置１７のロックが入る（Ｓ９）。

【００３５】また、Ｓ７で展開限界リミットスイッチ１
３ｂがＯＦＦで、可動席駆動装置１３が駆動状態にあれ
ば、先端の支持脚伸長限界リミットスイッチ１４ｂがＯ
Ｎになったか、否かの判定が行われ（Ｓ１０）、支持脚
伸長限界リミットスイッチ１４ｂがＯＮであれば、グラ
ンド面Ａに支持脚５ｅが着地した状態であるので、支持
脚駆動装置１４に停止指令Ｓ１１が発信され、支持脚駆
動装置１４が停止する。その後、展開安全インターロッ
ク信号がＯＦＦとなる（Ｓ１２）。また、前記ステップ
Ｓ１０で、支持脚伸長限界リミットスイッチがＯＮとな
らない場合は、Ｓ６まで戻る。

【００３６】前記Ｓ１２の後、手動または自動にて可動
席ユニット５の椅子５ｄを起立（Ｓ１３）させて、椅子
５ｄの起立リミットスイッチ１５がＯＮ（Ｓ１４）とな
り，展開が完了する（Ｓ１５）。

【００３７】図５は、本発明の多目的競技場設備におけ
る可動席ユニットの収納方法の手順を示すフローチャー
ト図である。

【００３８】Ｓ１でスタートし、ステップＳ２で手動ま
たは自動で可動席ユニット５の椅子５ｄを倒すと、ステ
ップＳ３で、椅子５ｄの倒れの確認、展開限界リミット
スイッチ１３ｂのＯＮの確認および支持脚伸長リミット
スイッチ１４ｂのＯＮの確認が行われ、全てＹＥＳであ
れば、収納安全インターロック信号がＯＮとなる（Ｓ
４）。もし、Ｓ３で全てＹＥＳでない場合は、エラー処
理Ｓ５が行われる。

【００３９】次に、前記ステップＳ４で収納安全インタ
ーロック信号がＯＮの後、安全装置１７のロックが解除
され（Ｓ５）、支持脚駆動装置１４に脚縮減の指令が発
信される（Ｓ６）。

【００４０】Ｓ７で支持脚駆動装置１４のトルク異常の
有無の判定が行われ、トルク異常があれば、駆動装置の
エラー処理Ｓ８が行われ、異常なしの場合は、Ｓ８へ移
行し支持脚５ｅのグランド面Ａからの離脱の判定がおこ
なわれ、離脱しない場合は、Ｓ７のループへ移行し、ま
た、離脱した場合は、可動席駆動装置１３に収納方向へ
の駆動指令を発信する。

【００４１】Ｓ１１で、可動席駆動装置１３のトルク異
常の判定が行われ、異常ありの場合は、Ｓ１２でエラー
処理が行われる。

【００４２】異常なしの場合は、Ｓ１３で収納限界リミ
ットスイッチ１３ｃがＯＮになるまで可動席駆動装置が
駆動され、収納限界リミットスイッチ１３ｃのＯＮによ
り可動席駆動装置に停止の指令が発信され、安全装置ロ
ック１７がロックされる（Ｓ１５）。

【００４３】Ｓ１３で収納限界リミットスイッチ１３ｃ
がＯＮで、支持脚縮限界リミットスイッチ１４ｃがＯＮ
になるまで、Ｓ１１へのループが形成される。

【００４４】Ｓ１４で、支持脚５ｅの縮限界リミットス
イッチ１４ｃがＯＮになると支持脚駆動装置１４の停止
指令が発信され（Ｓ１５）、収納安全インターロック信
号がＯＦＦとなり（Ｓ１６）、完了する。

【００４５】ここで、図４、図５に示す可動席ユニット
５の展開、収納手順において、展開安全インターロック
信号および収納安全インターロック信号は、例えば、Ｏ
Ｎの間は、椅子５ｄの起立停止や動作区域への立入り禁
止の信号（回転警告灯の点滅）などに使用し、作業の安
全、機械動作の故障防止に使用する。

【００４６】

【発明の効果】本発明は以上のとおり、可動席ユニット
の展開および収納が確実な手順で行われるので、機械自
体の故障回避、作業員の安全が確保され、可動席を破壊
することなく、効果的に行うことが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかる多目的競技場設備の斜視図であ
る。

【図２】図１の矢視イ方向から見た正面断面図である。

【図３】本発明の多目的競技場設備における可動席ユニ
ットの展開および収納方法におけるシステム構成を示す
ブロック図である。

【図４】本発明の多目的競技場設備における可動席ユニ
ットの展開方法の手順を示すフローチャート図である。

【図５】本発明の多目的競技場設備における可動席ユニ
ットの収納方法の手順を示すフローチャート図である。

【図６】従来技術の多目的競技場設備の展開側断面図。

【図７】従来技術の多目的競技場設備の斜視図。

【符号の説明】

１ 外周構造物 １′ 収納空間 １ａ 柱材 １ｂ 横梁 １ｃ 骨材 ２ ガイド体（縦梁） ２ａ フランジ部 ２ｂ ウェブ部 ３ 床板 ４ 固定席 ５ 可動席ユニット ５ａ スライド部 ５ｂ ガイドローラ ５ｃ ガイドローラ ５ｄ 椅子 ５ｅ 支持脚 ６ ウィンチ ７ ワイヤ ８ 安全ロック装置 ９ ロックピン嵌合孔 １０ 制御装置 １１ 上位コンピュータ １２ 手動入力ボード １３ 可動席駆動装置 １３ａ 駆動アクチュエータ １３ｂ 展開限界リミットスイッチ １３ｃ 収納限界リミットスイッチ １４ 支持脚駆動装置 １４ａ 駆動アクチュエータ １４ｂ 支持脚伸長限界リミットスイッチ １４ｃ 支持脚縮限界リミットスイッチ １５ 椅子起立リミットスイッチ １６ 椅子倒れリミットスイッチ １７ 安全装置

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 外周構造物内に収納空間を設け、観覧席
   である可動席ユニットが該収納空間から展開または該収
   納空間に収納されるように構成された多目的競技場設備
   の展開および収納方法であって、前記可動席ユニットの
   展開および収納動作と、該可動席ユニットの椅子の倒立
   動作および支持脚の伸縮動作が、展開または収納安全イ
   ンターロック信号を介して行われることを特徴とする多
   目的競技場設備における可動席ユニットの展開および収
   納方法。
2. 【請求項２】 可動席ユニットの展開および収納動作中
   の警告信号と、該可動席ユニットの椅子の倒立および支
   持脚の伸縮動作中の警告信号が、展開または収納安全イ
   ンターロック信号により作動することを特徴とする請求
   項１に記載の多目的競技場設備における可動席ユニット
   の展開および収納方法。
3. 【請求項３】 可動席ユニットの安全ロック装置が、展
   開または収納安全インターロック信号を介して、作動す
   ることを特徴とする請求項１に記載の多目的競技場設備
   における可動席ユニットの展開および収納方法。