JPH10330464A - 脂肪族ポリエステル及びその製造方法 - Google Patents

脂肪族ポリエステル及びその製造方法

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JPH10330464A
JPH10330464A JP9519098A JP9519098A JPH10330464A JP H10330464 A JPH10330464 A JP H10330464A JP 9519098 A JP9519098 A JP 9519098A JP 9519098 A JP9519098 A JP 9519098A JP H10330464 A JPH10330464 A JP H10330464A
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JP
Japan
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aliphatic
carbon atoms
polyester
aliphatic polyester
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JP9519098A
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English (en)
Inventor
Kenji Kobayashi
健司 小林
Toshihiro Suzuki
俊寛 鈴木
Tadashi Niwa
正 丹羽
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Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的物性に優れ、かつ水中での生分解性の
優れた高分子量脂肪族ポリエステルを提供する。 【解決手段】 下記式(I)で示される脂肪族ポリエス
テル。二塩基脂肪族カルボン酸ジエステル、1,4−ブ
タンジオール及び炭素数6〜12の脂肪族グリコールの
混合物を反応させて前記脂肪族ポリエステルを製造する
方法。 【化1】 (上記式中、R1は水素原子または炭素数1〜8のアル
キル基であり、R2はテトラメチレン基であり、R3は炭
素数2〜12の脂環式構造を含んでもよいアルキレン基
であり、R4は炭素数6〜12のアルキレン基または炭
素数6〜12の脂環式構造を含むアルキレン基を表し、
xおよびyは重合度を表し、x/yは2〜20であ
る。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脂肪族ポリエステ
ルに関し、さらに詳しくは水中での生分解性の優れた高
分子量脂肪族ポリエステルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、脂肪族ポリエステルの合成は、シ
ュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸等の二塩基脂
肪族カルボン酸と、エチレングリコール、1,4−ブタ
ンジオール等の脂肪族グリコールとから重縮合を行う方
法が最も一般的である。しかし、この反応では、数平均
分子量(Mn)が2万を超える脂肪族ポリエステルを合
成することは極めて困難であり、樹脂としての機械的物
性は甚だ脆い。例えばフィルムを作成しようとしても加
工に耐える強度は有していない。さらにメルトフローレ
ート(MFR)が大きいため、通常の樹脂の加工に用い
られている機器では成形できない。
【0003】そこで、高分子量体を得る目的で、二塩基
脂肪族カルボン酸と脂肪族グリコールとの反応で合成し
た脂肪族ポリエステルに、ジイソシアネートに代表され
る架橋剤を反応させて高分子量化するという2段階反応
を行う例もある(特開平4−189822号公報、特開
平5−287043号公報等)。しかし、この場合に
は、工程数が増える上に架橋を行っているために、3次
元架橋反応等により破断点強度や破断点伸度と言った機
械物性が大幅に低下するうえ、架橋剤が有する窒素や金
属元素が原因で絶縁率の低下、着色、生分解性の低下、
分解生成物の環境安全性に関する懸念といった問題を有
していた。
【0004】また、特開平5−310898号公報で
は、グリコール成分と脂肪族ジカルボン酸(または無水
物)とをエステル化してポリエステルジオールとなし、
これを触媒存在下、高温度かつ高真空下(0.005〜
0.1mmHg)で脱グリコール反応せしめることによ
り、高分子量脂肪族ポリエステルを製造する方法を開示
しているが、この方法で得られる脂肪族ポリエステル
は、水中での生分解性が特別良好なポリエステルではな
く、生分解性の環境問題等を考慮するとさらに一層の水
中での生分解性の優れた高分子量脂肪族ポリエステルの
開発が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アイゾット
衝撃強度などの機械的物性に優れ、かつ水中での生分解
性の優れた高分子量ポリエステル及び生分解速度の調節
を可能にした高分子量ポリエステル及びその製造方法を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、二塩基脂
肪族カルボン酸ジエステルと脂肪族グリコールの反応に
より脂肪族ポリエステルを合成する際に、2種類の脂肪
族グリコールを存在させ共重合することにより、水中で
の生分解性の速度をコントロールされた新規な脂肪族ポ
リエステルが得られることを見出し本発明を完成させ
た。すなわち、本発明は、次式(I):
【0007】
【化1】 (上記式中、R1は水素原子または炭素数1〜8のアル
キル基であり、R2はテトラメチレン基であり、R3は炭
素数2〜12の脂環式構造を含んでもよいアルキレン基
を表し、R4は炭素数6〜12のアルキレン基または炭
素数6〜12の脂環式構造を含むアルキレン基を表し、
x及びyは重合度を表し、x/yは2〜20である。)
で示される脂肪族ポリエステルである。
【0008】本発明の好ましい態様は以下の通りであ
る。 式(I)で示される化合物において、x/yが2〜
15である前記脂肪族ポリエステル。 式(I)で示される化合物において、R2がテトラ
メチレン、R3がエチレン、R4がヘキサメチレンで示さ
れ、x/yが2〜10である前記脂肪族ポリエステル。 式(I)で示される化合物において、R4が、シク
ロヘキサンジメチレンである前記脂肪族ポリエステル。 式(I)で示される化合物において、数平均分子量
が、70,000〜200,000である前記の脂肪族
ポリエステル。 (1)二塩基脂肪族カルボン酸ジエステル、1,4
−ブタンジオールおよび炭素数6〜12の脂肪族グリコ
ールを、ラジカル補捉剤および有機金属化合物の存在下
で、常圧〜20トルにて20〜230℃で、エステル化
成分であるモノアルコールの留去下に、留去が実質終了
するまで反応させ、(2)次いで、30〜0.05トル
にて、150〜250℃で1.5〜12時間重縮合反応
を行うことを特徴とする前記脂肪族ポリエステルの製造
方法。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の脂肪族ポリエステルは、
二塩基脂肪族カルボン酸ジエステルと脂肪族グリコール
の重縮合体であるが、脂肪族グリコールとして、1,4
−ブタンジオールと炭素数6〜12の脂肪族グリコール
の2種類のグリコールを用いることにより、二塩基脂肪
族カルボン酸ジエステルと1,4−ブタンジオールの重
縮合体部分と二塩基脂肪族カルボン酸ジエステルと炭素
数6〜12の脂肪族グリコールの重縮合体部分がブロッ
ク縮合体として存在する高分子量脂肪族ポリエステルで
あり、次式(I)で示される。
【0010】
【化1】 (上記式中、R1は水素原子または炭素数1〜8のアル
キル基であり、R2はテトラメチレン基であり、R3は炭
素数2〜12の脂環式構造を含んでもよいアルキレン基
を表し、R4は炭素数6〜12のアルキレン基、または
炭素数6〜12の脂環式構造を含むアルキレン基を表
し、x及びyは重合度を表し、x/yは2〜20であ
る。)
【0011】上記式(I)において、R1としての炭素
数1〜8のアルキル基としては、直鎖状または分枝状の
いずれでもよく、例えばメチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、
ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が
挙げられる。R2はテトラメチレンである。
【0012】R3の炭素数2〜12の脂環式構造を含ん
でもよいアルキレン基としては、直鎖状、分枝状又は環
状のいずれでもよい。例えばエチレン、プロピレン、ト
リメチレン、ブチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレ
ン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、ノナメチレン、
デカメチレン、ウンデカメチレン、ドデカメチレン、シ
クロプロピレン、シクロブチレン、シクロヘキシレン、
シクロヘキサンジメチレン等の基が挙げられ、好ましく
はエチレンである。
【0013】R4の炭素数6〜12のアルキレン基とし
ては、直鎖状、分枝状のいずれでもよく、例えば、ヘキ
サメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、ノナメ
チレン、デカメチレン、ウンデカメチレン、ドデカメチ
レン等の基が挙げられる。また、炭素数6〜12の脂環
式構造を含むアルキレン基としては、シクロヘキシレ
ン、シクロヘプチレン、シクロペンタンジメチレン、シ
クロヘキサンジメチレン、シクロヘキサンジエチレン、
シクロヘキサンジプロピレン等の基が挙げられ、好まし
くはシクロヘキサンジメチレンである。
【0014】重合度を表すx,yは、それぞれ1,4−
ブタンジオールと二塩基脂肪族カルボン酸ジエステルと
の重縮合体の重合度および炭素数6〜12の脂肪族グリ
コールと二塩基脂肪族カルボン酸ジエステルとの重縮合
体の重合度を示す。xは100〜1200であり、yは
5〜500であり、x/y は2/1〜20/1、好ま
しくは2/1〜15/1、より好ましくは2/1〜1/
10であり、その範囲外では十分な水中での生分解性も
しくは、十分な機械的物性が発揮されない。
【0015】本発明の脂肪族ポリエステルは、数平均分
子量が70,000を超えるのが好ましく、数平均分子
量200,000以下である。上記式で示される脂肪族
ポリエステルは、数平均分子量が70,000を超える
と、MFRの値が急激に低下し、アイゾット衝撃強度が
大幅に向上する。また本発明の脂肪族ポリエステルは、
重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比
Mw/Mnが1.0〜4.0であるのが好ましい。より
好ましくは1.0〜2.5である。さらに、本発明の脂
肪族ポリエステルは、MFR(JIS法に従い、190
℃、荷重2.16kgにて測定したもの)が、0.01
〜50g/10分であるのが好ましい。本発明の脂肪族
ポリエステルは上記構成をとることにより、水中での生
分解性が優れている。
【0016】上記した本発明の脂肪族ポリエステルは、
次のようにして製造できる。すなわち、(1)二塩基脂
肪族カルボン酸ジエステルおよび1,4−ブタンジオー
ルと他の脂肪族グリコールを、ラジカル捕捉剤、有機金
属化合物触媒の存在下で、常圧〜20トルにて20〜2
30℃で、エステル化成分であるモノアルコールの留去
下に、留去が実質終了するまで反応させ、(2)次い
で、30〜0.05トルにて、150〜250℃で1.
5〜12時間重縮合反応を行う。ここで、段階(2)は
次のようにさらに2段階に分けてもよい。すなわち、
(2−1)まず反応系を20〜0.5トルにして、15
0〜250℃で0.5〜2時間反応を行い、(2−2)
その後、3〜0.05トル、180〜250℃で1〜1
0時間重縮合反応を行う。段階(2)において、特に好
ましくは(2−2)において、触媒を追加することがで
きる。反応は、不活性雰囲気下(例えばAr、窒素等の
雰囲気下)で行うのが好ましい。上記段階(1)では、
エステル交換反応により、ジカルボン酸とジオールとの
エステル(オリゴマー)を生成し、二塩基脂肪族カルボ
ン酸ジエステルのエステル部分由来のアルコールが遊離
する。このアルコールの留出が終了するまで反応を行
う。上記段階(2)では、さらに重縮合が起こり、ポリ
エステルはより高分子量化する。触媒は、段階(1)で
全量を存在させることも可能であるが、段階(1)およ
び(2)で2回以上に分けて添加するのが好ましい。
【0017】好ましく使用される二塩基脂肪族カルボン
酸ジエステルとしては、例えばシュウ酸、マロン酸、コ
ハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナンジカルボン
酸、デカンジカルボン酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸の
ジアルキルエステル、例えばジメチルエステル、メチル
エチルエステル、ジエチルエステル、メチルプロピルエ
ステル、エチルプロピルエステル、ジプロピルエステ
ル、ジブチルエステル等が挙げられる。これらを単独
で、または2種以上組合せて使用することができる。二
塩基脂肪族カルボン酸ジエステルの中で、生成する樹脂
の物性や原料としての価格の面から、コハク酸ジエステ
ルが有利である。好ましいコハク酸ジエステルは、コハ
ク酸ジメチル、コハク酸ジエステル、コハク酸ジブチル
等である。
【0018】1,4−ブタンジオールと併用する炭素数
6〜12の脂肪族グリコールとしては、ヘキサンジオー
ル、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオ
ール、デカンジオール、ウンデカンジオール、ドデカン
ジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘプタンジ
オール、シクロペンタンジメタノール、シクロヘキサン
ジメタノール、シクロヘキサンジエタノール、シクロヘ
キサンジプロパノール等が挙げられ、好ましくはヘキサ
ンジオール(例えば1,6−ヘキサンジオール)、1,
4−シクロヘキサンジメタノール等である。これらを単
独で、または2種類以上組合せて使用することができ
る。1,4−ブタンジオールと併用する脂肪族グリコー
ルが炭素数5以下のものである場合には、樹脂の十分な
機械物性が得られず、炭素数13以上のものである場合
には、樹脂の融点が低下し、成形加工が困難となる。
【0019】本発明で用いる炭素数6〜12の脂肪族グ
リコールと1,4−ブタンジオールの量比は1/2〜1
/20、好ましくは1/2〜1/15、より好ましくは
1/2〜1/10である。炭素数6〜12の脂肪族グリ
コールと1,4−ブタンジオールの量比が1/20を超
えると、得られた脂肪族ポリエステルは十分な水中での
生分解性を有しない。1/2未満では、高分子量化でき
ず、十分な機械的物性が得られない。二塩基脂肪族カル
ボン酸ジエステルと脂肪族グリコールとの量比は、二塩
基脂肪族カルボン酸ジエステル1モルに対して脂肪族グ
リコールが1〜2モルであるのが好ましい。
【0020】ラジカル捕捉剤としては、ヒドロキノンモ
ノアルキルエーテル、例えばヒドロキノンモノメチルエ
ーテル、ヒドロキノンモノエチルエーテル、ヒドロキノ
ンモノプロピルエーテル、ヒドロキノンモノブチルエー
テル等が好ましく使用できる。またその他に、ラジカル
捕捉剤として、ヒンダードフェノール、リン酸エステル
類等を使用することもできる。ラジカル捕捉剤は、二塩
基脂肪族カルボン酸ジエステルに対して0.001〜1
モル%使用するのが好ましい。
【0021】有機金属化合物触媒としては特に限定され
ず、慣用の脱グリコール反応触媒を使用できる。例えば
Ti、Ge、Zn、Fe、Mn、Sn、Co、Zr、
V、Ir、Ce、LiおよびCaから選択される金属の
アルコキシドまたはアセチルアセトナトが好ましく使用
できる。好ましい具体例として、チタンテトラアルコキ
シド例えばチタンテトラエトキシド、チタンテトライソ
プロポキシド、チタンテトラブトキシド等が挙げられ
る。またその他に、上記金属の有機酸塩(例えば酢酸
塩)、アセチルアセトナト(例えばオキソビス(アセチ
ルアセトナト)チタン)などを使用することもできる。
これらの触媒は、二塩基脂肪族カルボン酸ジエステルに
対して0.001〜1モル%使用するのが好ましい。か
くして得られる本発明の高分子量脂肪族ポリエステル
は、現在汎用樹脂に一般的に使用されている機器をその
まま使用して、射出、インフレーション、ブロー、フィ
ラメント、フィルムおよび延伸などの成形を容易い行う
ことができ、中でも水中での生分解性が必要とされる釣
り糸、漁網等に用いられる。
【0022】
【実施例】以下の実施例で、本発明をさらに詳しく説明
する。 実施例1 (1)脂肪族ポリエステル樹脂の製造 撹拌機、窒素導入口、リービッヒ冷却管を備えた2Lの
セパラブルフラスコにコハク酸ジエチル(DES)2.
0mol、1,4−ブタンジオール(BDO)2.0m
ol、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHM)
0.5mol、ヒドロキノンモノメチルエーテル0.5
6mmolを入れフラスコ内を窒素置換した後にチタン
テトライソプロポキシド2.2mmolを添加した。激
しく撹拌しつつ徐々に反応温度を200℃まで上げエタ
ノールの留出が終了するまでそのまま反応を行った。そ
の後ゆっくりと0.1Torrまで減圧し1時間反応さ
せた。更にチタンテトライソプロポキシド2.2mmo
lを追加した後、220℃、0.1Torrの条件で6
時間反応させた。得られた白色の樹脂はDESに対して
収率95%以上であった。
【0023】この白色の樹脂のMn、Mwをゲルパーミ
エーションクロマトグラフィー(GPC)により求め
た。GPCの条件は以下の通りであり、ポリスチレン
(PS)換算で求めた。 カラム:東ソー TSK−GEL G5000HHR、G
3000HHR 溶離液:クロロホルム 操作条件:流量:0.5ml/分、圧力20kg/cm
2、カラム温度:40℃、検出器:示差屈折計 縮合物のMn=71,000、Mw=128,000で
あった。
【0024】縮合物を13C−NMRおよびIR測定した
ところ、全てのピークは同一であった。
【0025】
【化2】
【0026】13C−NMRの測定条件は以下の通り。 測定装置:日本電子製EX−400、観測周波数:10
0.50MHz、測定法:反転ゲートプロトンデカップ
リング、溶媒:CDCl3、濃度:12wt%、温度:
30℃、パルス幅:45度、繰り返し時間:15秒、積
算回数:4000回、内部標準:TMS(0ppmとす
る)、緩和試薬:トリス(アセチルアセトナ)クロム
(III)13 C−NMRケミカルシフト値δは、式(II)に対
応。 a:δ 172.2付近 b:δ 29.1付近 c:δ 25.2付近 d:δ 64.1付近 e:δ 69.5付近、67.3付近 f:δ 28.7付近、25.2付近 g:δ 36.9付近、34.4付近 以上のことより、得られた樹脂の構造は前記式(I)に
おいてR1=H、R2=−CH2CH2CH2CH2−、R3
=−CH2CH2−、R4=−CH2−(C610)−CH2
−であった。また1時間重縮合したものと最終重縮合の
13C−NMR、IRのピークが全て同一であったことか
ら重縮合反応により架橋などは起きておらず、直鎖状構
造を保ったまま分子量が増大していることがわかった。
さらに、得られた重縮合物についてJIS K7110
に従い、ノッチ入りアイゾット衝撃強度を測定した。試
験器は安田精機製のアイゾット衝撃試験器を使用した。
結果を分子量の測定結果と併せて表2に示す。
【0027】(2)生分解性の試験 重縮合で得られた樹脂をプレス成形機で厚さ0.1mm
のフィルムを作成し約10mgになるように裁断し生分
解試験サンプルとし、水中での生分解試験を以下の条件
で行い、結果を表2に示す。河川水(荒川より採取)2
00ml中に無機原液(表1)を各0.2mlとポリエ
ステルフィルムを入れ、25℃好気性条件下で培養し
た。28日間培養後ポリエステルフィルムの残存重量を
測定し重量減少率を算出した。
【0028】
【表1】
【0029】実施例2 実施例1において、原料のBDOを1.88mol、C
HMを0.63molとした以外は実施例1と同様に重
縮合を行い、得られた樹脂の物性及び生分解性試験を行
った。結果を表2に示す。
【0030】実施例3 実施例1において、原料のBDOを2.19mol、C
HMを0.31molとした以外は実施例1と同様に重
縮合を行い、得られた樹脂の物性及び生分解性試験を行
った。結果を表2に示す。
【0031】実施例4 実施例1において、原料のBDOを2.27mol、C
HMを0.23molとした以外は実施例1と同様に重
縮合を行い、得られた樹脂の物性及び生分解性試験を行
った。結果を表2に示す。
【0032】実施例5 撹拌機、窒素導入口、リービッヒ冷却管を備えた2Lの
セパラブルフラスコにコハク酸ジエチル(DES)2.
0mol、1,4−ブタンジオール(BDO)2.0m
ol、1,3−シクロペンタンジメタノール(CPM)
0.5mol、ヒドロキノンモノメチルエーテル0.5
6mmolを入れフラスコ内を窒素置換した後にチタテ
トライソプロポキシド2.2mmolを添加した。激し
く撹拌しつつ徐々に反応温度を200℃まで上げエタノ
ールの留出が終了するまでそのまま反応を行った。その
後ゆっくりと0.1Torrまで減圧し1時間反応させ
た。更にチタンテトライソプロポキシド2.2mmol
を追加した後、220℃、0.1Torrの条件で6時
間反応させた。得られた白色の樹脂はDESに対して収
率95%以上であった。得られた樹脂の物性及び生分解
性試験は実施例1と同様にして測定した。結果を表2に
示す。
【0033】実施例6 実施例5において、原料のBDOを2.27mol、C
PMを0.23molとした以外は実施例5と同様に重
縮合を行い、得られた樹脂の物性及び生分解性試験を行
った。結果を表2に示す。
【0034】比較例1 撹拌機、窒素導入口、リービッヒ冷却管を備えた500
mlのセパラブルフラスコにコハク酸ジエチル(DE
S)1mol、1,4−ブタンジオール(BDO)1.
2mol、ヒドロキノンモノメチルエーテル0.23m
molを入れフラスコ内を窒素置換した後にチタンテト
ライソプロポキシド0.8mmolを添加した。激しく
撹拌しつつ徐々に反応温度を200℃まで上げエタノー
ルの留出が終了するまでそのまま反応を行った。その後
ゆっくりと1Torrまで減圧し1時間反応させた。更
にチタンテトライソプロポキシド0.8mmolを追加
した後、220℃、0.1Torrの条件で5時間反応
させた。得られた白色の樹脂はDESに対して収率95
%以上であった。得られた樹脂の物性及び生分解性試験
は実施例1と同様にして測定した。結果を表2に示す。
本願発明の脂肪族ポリエステルは、比較例の樹脂と分子
量がほぼ等しいのにもかかわらず比較例よりも衝撃強度
が優れている上に生分解性を示す重量減少率において顕
著な効果を示していることがわかる。
【0035】比較例2 撹拌機、窒素導入口、リービッヒ冷却管を備えた2lの
セパラブルフラスコにコハク酸ジエチル(DES)3.
0モル、1,4−ブタンジオール(BDO)3.0モ
ル、エチレングリコール(EG)0.6モル及びヒドロ
キノンモノメチルエーテル0.68ミリモルを入れ、フ
ラスコ内を窒素置換した後に、チタンテトライソプロポ
キシド2.6ミリモルを添加した。激しく撹拌しつつ徐
々に反応温度を180℃まで上げ、エタノールの留出が
終了するまでそのまま反応を行った。その後、ゆっくり
と1トルまで減圧して、1時間反応させた。さらにチタ
ンテトライソプロポキシド2.6ミリモルを追加した
後、220℃、0.1トルの条件で7時間反応させた。
得られた白色の樹脂はDESに対し収率95%以上であ
った。得られた樹脂の物性及び生分解性試験は実施例1
と同様にして測定した。結果を表2に示す。生分解性は
良好だが、十分な機械物性が発現されない。
【0036】比較例3 比較例2において、原料のBDOを2.7mol、EG
を0.9molとした以外は比較例2と同様に重縮合を
行い、得られた樹脂の物性及び生分解性試験を行った。
結果を表2に示す。生分解性は良好だが、十分な機械物
性が発現されない。
【0037】比較例4 比較例2において、原料のBDOを3.15mol、E
Gを0.45molとした以外は比較例2と同様に重縮
合を行い、得られた樹脂の物性及び生分解性試験を行っ
た。結果を表2に示す。生分解性は良好だが、十分な機
械物性が発現されない。
【0038】比較例5 比較例2において、原料のBDOを3.27mol、E
Gを0.33molとした以外は比較例2と同様に重縮
合を行い、得られた樹脂の物性及び生分解性試験を行っ
た。結果を表2に示す。生分解性は良好だが、十分な機
械物性が発現されない。
【0039】比較例6 撹拌機、窒素導入口、リービッヒ冷却管を備えた2Lの
セパラブルフラスコにコハク酸ジエチル(DES)2.
5mol、1,4−ブタンジオール(BDO)2.5m
ol、プロピレングリコール(PG)0.5mol、ヒ
ドロキノンモノメチルエーテル0.56mmolを入れ
フラスコ内を窒素置換した後にチタテトライソプロポキ
シド2.2mmolを添加した。激しく撹拌しつつ徐々
に反応温度を185℃まで上げエタノールの留出が終了
するまでそのまま反応を行った。その後ゆっくりと0.
1Torrまで減圧し1時間反応させた。更にチタンテ
トライソプロポキシド2.2mmolを追加した後、2
20℃、0.1Torrの条件で6時間反応させた。得
られた白色の樹脂はDESに対して収率95%以上であ
った。得られた樹脂の物性及び生分解性試験は実施例1
と同様にして測定した。結果を表2に示す。生分解性は
良好だが、十分な機械物性が発現されない。
【0040】
【表2】
【0041】
【発明の効果】本発明の高分子量脂肪族ポリエステル
は、水中での生分解性がアイゾット衝撃強度などの機械
的物性を損わずに改善でき工業的に非常に有用である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式(I): 【化1】 (上記式中、R1は水素原子または炭素数1〜8のアル
    キル基であり、R2はテトラメチレン基であり、R3は炭
    素数2〜12の脂環式構造を含んでもよいアルキレン基
    を表し、R4は炭素数6〜12のアルキレン基または炭
    素数6〜12の脂環式構造を含むアルキレン基を表し、
    x及びyは重合度を表し、x/yは2〜20である。)
    で示される脂肪族ポリエステル。
  2. 【請求項2】 二塩基脂肪族カルボン酸ジエステルと、
    2種類の炭素数4〜12の脂肪族グリコールを反応させ
    て脂肪族ポリエステルを製造する方法であって、2種類
    の脂肪族グリコールが1,4−ブタンジオールと炭素数
    6〜12の脂肪族グリコールの混合物であって、1,4
    −ブタンジオール/炭素数6〜12の脂肪族グリコール
    のモル比が2/1〜20/1である脂肪族ポリエステル
    の製造方法。
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