JPH10330290A - 酸化反応方法 - Google Patents
酸化反応方法Info
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- JPH10330290A JPH10330290A JP9155720A JP15572097A JPH10330290A JP H10330290 A JPH10330290 A JP H10330290A JP 9155720 A JP9155720 A JP 9155720A JP 15572097 A JP15572097 A JP 15572097A JP H10330290 A JPH10330290 A JP H10330290A
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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- Pyrane Compounds (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 製造装置の腐食等の問題が少なく、しかも広
範囲な被酸化反応物の酸化反応への適用が可能な過酸を
用いた簡易な酸化反応方法を提供すること。 【解決手段】 エステル化合物と過酸化水素を、酸触媒
存在下で混合し、エステル化合物を酸化して過酸を生成
した生成系内で、過酸により被酸化反応物の酸化を行な
う。
範囲な被酸化反応物の酸化反応への適用が可能な過酸を
用いた簡易な酸化反応方法を提供すること。 【解決手段】 エステル化合物と過酸化水素を、酸触媒
存在下で混合し、エステル化合物を酸化して過酸を生成
した生成系内で、過酸により被酸化反応物の酸化を行な
う。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、過酸を用いた酸化
反応方法に関する。本発明の酸化反応方法は、エポキシ
化反応、キノン体生成酸化反応、バイヤービリガー反応
などの各種の酸化反応に利用できる。
反応方法に関する。本発明の酸化反応方法は、エポキシ
化反応、キノン体生成酸化反応、バイヤービリガー反応
などの各種の酸化反応に利用できる。
【0002】従来より、過酸、特に過酢酸を用いた酸化
反応は広く行われている。最も多く行われている過酸を
用いた酸化反応は、各種方法で過酸を製造した後、これ
を取り出し、被酸化反応物と反応させる2段反応による
ものである。この2段反応は、過酸の量を的確に計量す
ることができる利点がある。しかし、2段反応は反応工
程が2段階になり反応操作が煩雑であること、また過酢
酸のような爆轟を起こす可能性の高い物質(過酸)を精
製する工程が必要なため危険性が大きいことなどの問題
がある。
反応は広く行われている。最も多く行われている過酸を
用いた酸化反応は、各種方法で過酸を製造した後、これ
を取り出し、被酸化反応物と反応させる2段反応による
ものである。この2段反応は、過酸の量を的確に計量す
ることができる利点がある。しかし、2段反応は反応工
程が2段階になり反応操作が煩雑であること、また過酢
酸のような爆轟を起こす可能性の高い物質(過酸)を精
製する工程が必要なため危険性が大きいことなどの問題
がある。
【0003】このような2段反応による問題を解決した
方法として、溶媒を兼ねる目的で酢酸を大量に用い、酸
触媒の存在下で、過酸化水素と反応させて過酢酸を生成
させるとともに、被酸化反応物を酸化するワンポット工
程による酸化反応が提案されている(Chem.Pharm.Bul
l.,34卷(2),445頁(1986年))。しかし、この方法では大
量の酢酸を用いるため製造装置の腐食が促進される不利
や、酢酸を溶媒としているため溶解可能な被酸化反応物
が限られており、酢酸に不溶または難溶な被酸化反応物
の酸化には適用できないなどの不利がある。
方法として、溶媒を兼ねる目的で酢酸を大量に用い、酸
触媒の存在下で、過酸化水素と反応させて過酢酸を生成
させるとともに、被酸化反応物を酸化するワンポット工
程による酸化反応が提案されている(Chem.Pharm.Bul
l.,34卷(2),445頁(1986年))。しかし、この方法では大
量の酢酸を用いるため製造装置の腐食が促進される不利
や、酢酸を溶媒としているため溶解可能な被酸化反応物
が限られており、酢酸に不溶または難溶な被酸化反応物
の酸化には適用できないなどの不利がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、製造装置の
腐食等の問題が少なく、しかも広範囲な被酸化反応物の
酸化反応への適用が可能な過酸を用いた簡易な酸化反応
方法を提供することを目的とする。
腐食等の問題が少なく、しかも広範囲な被酸化反応物の
酸化反応への適用が可能な過酸を用いた簡易な酸化反応
方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記従来技
術の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた。その結果、酸
触媒存在下で、エステル化合物と過酸化水素を混合した
場合には、エステル化合物の酸触媒による加水分解が、
通常のエステル化合物の加水分解に比べて非常に速い反
応速度で起きると同時に、加水分解生成物であるカルボ
ン酸が過酸化水素により酸化されて過酸が生成すること
から、この過酸が生成した生成系内を利用すれば、当該
過酸により各種の被酸化反応物を容易に酸化できること
を見出し、本発明を完成するに至った。
術の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた。その結果、酸
触媒存在下で、エステル化合物と過酸化水素を混合した
場合には、エステル化合物の酸触媒による加水分解が、
通常のエステル化合物の加水分解に比べて非常に速い反
応速度で起きると同時に、加水分解生成物であるカルボ
ン酸が過酸化水素により酸化されて過酸が生成すること
から、この過酸が生成した生成系内を利用すれば、当該
過酸により各種の被酸化反応物を容易に酸化できること
を見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、エステル化合物と過
酸化水素を、酸触媒存在下で混合し、エステル化合物を
酸化して過酸を生成した生成系内で、過酸により被酸化
反応物の酸化を行なうことを特徴とする酸化反応方法に
関する。
酸化水素を、酸触媒存在下で混合し、エステル化合物を
酸化して過酸を生成した生成系内で、過酸により被酸化
反応物の酸化を行なうことを特徴とする酸化反応方法に
関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において用いるエステル化
合物は、各種カルボン酸類とアルコール類から得られる
各種のものを特に制限なく使用できる。このようなエス
テル化合物としては、たとえば、一般式(1):R1 −
COO−R2 (式中、R1 は炭素数1〜3のアルキル
基、またはアミノ基、水酸基もしくはハロゲン基を有す
る炭素数1〜3以下のアルキル基を表し、R2 は炭素数
1〜6のアルキル基、もしくはアミノ基、水酸基もしく
はハロゲン基を有する炭素数1〜6の置換アルキル基、
またはフェニル基、もしくはアミノ基、水酸基、ハロゲ
ン基もしくはアルキル基を有する置換フェニル基を表
す。)で表される化合物などがあげられる。これらエス
テル化合物としては、R1 が炭素数1〜3のアルキル
基、R2 が炭素数1〜6のアルキル基の化合物、すなわ
ち、酢酸、プロピオン酸または酪酸と炭素数1〜6アル
コールとのエステル化合物が好ましい。これらのエステ
ル化合物は1種を単独で用いてもよく、また2種類以上
混合して用いてもよい。2種類以上混合して用いる場合
はその混合比率を任意に設定することができる。
合物は、各種カルボン酸類とアルコール類から得られる
各種のものを特に制限なく使用できる。このようなエス
テル化合物としては、たとえば、一般式(1):R1 −
COO−R2 (式中、R1 は炭素数1〜3のアルキル
基、またはアミノ基、水酸基もしくはハロゲン基を有す
る炭素数1〜3以下のアルキル基を表し、R2 は炭素数
1〜6のアルキル基、もしくはアミノ基、水酸基もしく
はハロゲン基を有する炭素数1〜6の置換アルキル基、
またはフェニル基、もしくはアミノ基、水酸基、ハロゲ
ン基もしくはアルキル基を有する置換フェニル基を表
す。)で表される化合物などがあげられる。これらエス
テル化合物としては、R1 が炭素数1〜3のアルキル
基、R2 が炭素数1〜6のアルキル基の化合物、すなわ
ち、酢酸、プロピオン酸または酪酸と炭素数1〜6アル
コールとのエステル化合物が好ましい。これらのエステ
ル化合物は1種を単独で用いてもよく、また2種類以上
混合して用いてもよい。2種類以上混合して用いる場合
はその混合比率を任意に設定することができる。
【0008】発明において用いる過酸化水素は、通常、
過酸化水素を水または有機溶媒で希釈したもの(以下過
酸化水素溶液)を用いる。希釈に用いることのできる有
機溶媒としては、過酸化水素を溶解でき、過酸化水素に
よって酸化されないアルコール類、ケトン類などが好ま
しい。具体的には、アルコール類としてはメタノール、
エタノール、1−または2−プロパノール、1−、2
−、3−またはtert−ブタノールなどを例示できる。ケ
トン類としてはアセトン、メチルエチルケトン、ジエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケト
ンなどを例示できる。その他、これらの化合物が各種官
能基で置換されたものも用いることができる。
過酸化水素を水または有機溶媒で希釈したもの(以下過
酸化水素溶液)を用いる。希釈に用いることのできる有
機溶媒としては、過酸化水素を溶解でき、過酸化水素に
よって酸化されないアルコール類、ケトン類などが好ま
しい。具体的には、アルコール類としてはメタノール、
エタノール、1−または2−プロパノール、1−、2
−、3−またはtert−ブタノールなどを例示できる。ケ
トン類としてはアセトン、メチルエチルケトン、ジエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケト
ンなどを例示できる。その他、これらの化合物が各種官
能基で置換されたものも用いることができる。
【0009】過酸化水素溶液の濃度は、特に制限され
ず、市販の各種濃度のものから90重量%を超える高濃
度のものまで各種のものを用いることができる。一般的
には、90重量%を超える高濃度の過酸化水素溶液は、
爆発の危険性が高いことから、安全面を考慮すれば過酸
化水素溶液は、濃度90重量%以下のもの、さらには濃
度75重量%以下のものが望ましい。一方、低濃度の過
酸化水素溶液であっても反応には何ら影響を及ぼさない
が、一定量の過酸を生成するのに用いる過酸化水素溶液
の液量を考慮すると過酸化水素溶液は、濃度5重量%以
上のもの、さらには濃度25重量%以上のものが望まし
い。
ず、市販の各種濃度のものから90重量%を超える高濃
度のものまで各種のものを用いることができる。一般的
には、90重量%を超える高濃度の過酸化水素溶液は、
爆発の危険性が高いことから、安全面を考慮すれば過酸
化水素溶液は、濃度90重量%以下のもの、さらには濃
度75重量%以下のものが望ましい。一方、低濃度の過
酸化水素溶液であっても反応には何ら影響を及ぼさない
が、一定量の過酸を生成するのに用いる過酸化水素溶液
の液量を考慮すると過酸化水素溶液は、濃度5重量%以
上のもの、さらには濃度25重量%以上のものが望まし
い。
【0010】前記エステル化合物と過酸化水素の比率に
特に制限はないが、反応の効率と安全性を考慮すると、
エステル化合物のモル数を過酸化水素のモル数で除した
値が1000〜1.2となる範囲が望ましい。さらに前
記値は100以下が望ましく、また2以上が望ましい。
特に制限はないが、反応の効率と安全性を考慮すると、
エステル化合物のモル数を過酸化水素のモル数で除した
値が1000〜1.2となる範囲が望ましい。さらに前
記値は100以下が望ましく、また2以上が望ましい。
【0011】本発明において用いる触媒としては、各種
の酸触媒を特に限定なく使用できる。例えば、酸触媒と
しては硫酸、塩酸、硝酸のような一般的な無機酸触媒、
メタンスルフォン酸、パラトルエンスルフォン酸、ベン
ゼンスルフォン酸、スルフォン酸型強酸型イオン交換樹
脂のようなスルフォン酸化合物、スルフォン酸型以外の
強酸型イオン交換樹脂、シリカアルミナ、酸化ニオブ、
酸化チタン、タングステン酸のような金属酸化物、ナフ
ィオン、トリフルオロ酢酸などを例示できる。これら酸
触媒のなかでも強酸が好ましく、特に硫酸や、スルフォ
ン酸基を有する化合物が好ましい。
の酸触媒を特に限定なく使用できる。例えば、酸触媒と
しては硫酸、塩酸、硝酸のような一般的な無機酸触媒、
メタンスルフォン酸、パラトルエンスルフォン酸、ベン
ゼンスルフォン酸、スルフォン酸型強酸型イオン交換樹
脂のようなスルフォン酸化合物、スルフォン酸型以外の
強酸型イオン交換樹脂、シリカアルミナ、酸化ニオブ、
酸化チタン、タングステン酸のような金属酸化物、ナフ
ィオン、トリフルオロ酢酸などを例示できる。これら酸
触媒のなかでも強酸が好ましく、特に硫酸や、スルフォ
ン酸基を有する化合物が好ましい。
【0012】前記酸触媒の使用量は、特に制限されない
が、反応速度および経済面を勘案すると、エステル化合
物の重量に対し、通常、0.001〜50重量%程度が
望ましい。反応速度の低下や反応時間を考慮すれば、酸
触媒の使用量の下限は0.1重量%がより望ましく、経
済面からは上限を20重量%とするのがより望ましい。
が、反応速度および経済面を勘案すると、エステル化合
物の重量に対し、通常、0.001〜50重量%程度が
望ましい。反応速度の低下や反応時間を考慮すれば、酸
触媒の使用量の下限は0.1重量%がより望ましく、経
済面からは上限を20重量%とするのがより望ましい。
【0013】本発明では、まず、前記酸触媒の存在下
で、前記エステル化合物を過酸化水素により酸化するこ
とにより過酸を生成させる。過酸を生成させる反応にお
いて、前記エステル化合物は溶媒としても作用するた
め、前記エステル化合物が反応温度において液体の場合
には、溶媒の使用は特に必要とされないが、エステル化
合物が固体である場合にはこれを溶解させる水または有
機溶媒を加えることができる。添加できる有機溶媒とし
ては、過酸によって酸化されないものが好ましい。ま
た、被溶解物がエステル化合物であることから、極性を
有するものが好ましい。具体的には、過酸化水素溶液に
用いたアルコール類、ケトン類などがあげられる。な
お、エステル化合物が液体である場合においても過酸化
水素溶液との相溶性をよくする目的で適量の有機溶媒を
加えることができる。
で、前記エステル化合物を過酸化水素により酸化するこ
とにより過酸を生成させる。過酸を生成させる反応にお
いて、前記エステル化合物は溶媒としても作用するた
め、前記エステル化合物が反応温度において液体の場合
には、溶媒の使用は特に必要とされないが、エステル化
合物が固体である場合にはこれを溶解させる水または有
機溶媒を加えることができる。添加できる有機溶媒とし
ては、過酸によって酸化されないものが好ましい。ま
た、被溶解物がエステル化合物であることから、極性を
有するものが好ましい。具体的には、過酸化水素溶液に
用いたアルコール類、ケトン類などがあげられる。な
お、エステル化合物が液体である場合においても過酸化
水素溶液との相溶性をよくする目的で適量の有機溶媒を
加えることができる。
【0014】過酸を生成させる反応温度は、反応の効率
と安全性を考慮すると、通常、反応系が固化する低温以
上でかつ反応系が沸騰する高温以下で行われることが望
まれる。具体的温度は使用するエステル化合物、有機溶
媒によって異なるが、エステル化合物として酢酸イソブ
チルを用いた場合は、酢酸イソブチルの融点である−9
9℃から沸点である117℃の範囲で行われるのが良
い。さらに反応効率の面からすれば−30℃以上が望ま
しく、安全性の面からすれば80℃以下が望ましい。
と安全性を考慮すると、通常、反応系が固化する低温以
上でかつ反応系が沸騰する高温以下で行われることが望
まれる。具体的温度は使用するエステル化合物、有機溶
媒によって異なるが、エステル化合物として酢酸イソブ
チルを用いた場合は、酢酸イソブチルの融点である−9
9℃から沸点である117℃の範囲で行われるのが良
い。さらに反応効率の面からすれば−30℃以上が望ま
しく、安全性の面からすれば80℃以下が望ましい。
【0015】なお、過酸を生成させる反応は殆どの場合
に短時間で終了するが、完全に反応を終結させるために
はさらに反応時間を延ばすことができる。通常、反応時
間は5分〜24時間程度である。
に短時間で終了するが、完全に反応を終結させるために
はさらに反応時間を延ばすことができる。通常、反応時
間は5分〜24時間程度である。
【0016】本発明の酸化反応方法は、このようにして
過酸を生成した生成系を利用して、過酸により被酸化反
応物の酸化を行なう。具体的な酸化反応方法としては、
過酸を生成した生成系内に被酸化反応物を加えて酸化反
応を行なう方法や、過酸を生成させる反応系内に予め被
酸化反応物を加えておき、過酸の生成とともに、被酸化
反応物の酸化反応を行なう方法などがあげられる。後者
の方法によればワンポット工程での酸化反応が可能であ
る。
過酸を生成した生成系を利用して、過酸により被酸化反
応物の酸化を行なう。具体的な酸化反応方法としては、
過酸を生成した生成系内に被酸化反応物を加えて酸化反
応を行なう方法や、過酸を生成させる反応系内に予め被
酸化反応物を加えておき、過酸の生成とともに、被酸化
反応物の酸化反応を行なう方法などがあげられる。後者
の方法によればワンポット工程での酸化反応が可能であ
る。
【0017】本発明において実施することのできる酸化
反応は、過酸によって行うことできる酸化反応すべてに
適用できる。したがって、被酸化反応物は、酸化反応の
種類により異なり、所望する酸化反応により適宜に選択
できる。例えば、酸化反応としては、アルケン類のエポ
キシ化反応、ベンゼン類のキノン体生成酸化反応、環状
ケトン類または芳香族ケトン類のバイヤービリガー反
応、アルデヒドの酸化反応、アルケン類のジオール体へ
の酸化反応、アルケンまたは芳香族化合物のカルボン酸
化合物への酸化反応などが挙げられる。被酸化反応物の
使用量は、通常、被酸化反応物を酸化する過酸のモル数
以下、すなわち過酸の生成に用いた過酸化水素のモル数
以下である。
反応は、過酸によって行うことできる酸化反応すべてに
適用できる。したがって、被酸化反応物は、酸化反応の
種類により異なり、所望する酸化反応により適宜に選択
できる。例えば、酸化反応としては、アルケン類のエポ
キシ化反応、ベンゼン類のキノン体生成酸化反応、環状
ケトン類または芳香族ケトン類のバイヤービリガー反
応、アルデヒドの酸化反応、アルケン類のジオール体へ
の酸化反応、アルケンまたは芳香族化合物のカルボン酸
化合物への酸化反応などが挙げられる。被酸化反応物の
使用量は、通常、被酸化反応物を酸化する過酸のモル数
以下、すなわち過酸の生成に用いた過酸化水素のモル数
以下である。
【0018】酸化反応温度、酸化反応時間等の反応条件
は、酸化反応の種類によって適宜に決定できる。前記ワ
ンポット工程での酸化反応の場合には、通常、前記過酸
生成の反応条件と同様の条件を採用する。
は、酸化反応の種類によって適宜に決定できる。前記ワ
ンポット工程での酸化反応の場合には、通常、前記過酸
生成の反応条件と同様の条件を採用する。
【0019】なお、本発明の製造方法に用いる装置は、
前記過酸生成反応および各種酸化反応の反応温度に耐
え、かつ過酸化水素および過酸の急激な分解を引き起こ
す物質、例えば金属分、高分子、化学物質などの付着し
ないものが安全上望ましい。反応器の材質も前記過酸生
成反応および各種酸化反応の反応温度に耐え、かつ過酸
化水素および過酸の急激な分解を引き起こす材料で作ら
れていなければ特に制限はない。また、撹拌設備のある
ものが望ましい。
前記過酸生成反応および各種酸化反応の反応温度に耐
え、かつ過酸化水素および過酸の急激な分解を引き起こ
す物質、例えば金属分、高分子、化学物質などの付着し
ないものが安全上望ましい。反応器の材質も前記過酸生
成反応および各種酸化反応の反応温度に耐え、かつ過酸
化水素および過酸の急激な分解を引き起こす材料で作ら
れていなければ特に制限はない。また、撹拌設備のある
ものが望ましい。
【0020】
【発明の効果】本発明では、過酸の原料としてカルボン
酸を用いていないため、製造装置の腐食等の問題を最小
限に止めることができる。また、溶媒としてエステル化
合物が用いられているため、広範囲な被酸化反応物への
適用が可能である。また、過酸を、過酸を生成した生成
系内から取り出すことなく、酸化反応に利用できるため
反応が簡易である。さらに、過酸を生成させる際の反応
系内に、被酸化反応物を予め存在させておけば、ワンポ
ット工程により酸化反応を行うことができる。
酸を用いていないため、製造装置の腐食等の問題を最小
限に止めることができる。また、溶媒としてエステル化
合物が用いられているため、広範囲な被酸化反応物への
適用が可能である。また、過酸を、過酸を生成した生成
系内から取り出すことなく、酸化反応に利用できるため
反応が簡易である。さらに、過酸を生成させる際の反応
系内に、被酸化反応物を予め存在させておけば、ワンポ
ット工程により酸化反応を行うことができる。
【0021】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。なお、%は特記しない限りいずれも重量基準
である。
に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。なお、%は特記しない限りいずれも重量基準
である。
【0022】実施例1 還流管を備えた100mlのガラス製三つ口フラスコに
シクロヘキサノン 2.4g(24.5ミリモル)、酢
酸ブチル20g(192ミリモル)、酸触媒としてメタ
ンスルフォン酸0.5gを加えた。室温(25℃)にて
電磁撹拌を行いながら60%過酸化水素水1.39g
(24.5ミリモル)を5分かけて滴下した。その後、
室温にて電磁撹拌を行いながら5時間放置した。この反
応液をガスクロマトグラフィ(カラム:DBWAX 0.32mmI.
D.×30m、キャリアーガス:ヘリウムガス、昇温法60
℃にて5分間保温した後、1分間に5℃の割合で昇温
し、230℃に達した後20分間保温するプログラム、
内部標準法)で分析したところ、シクロヘキサノンの残
存量は4.4ミリモル、ε−カプトラクトンの生成量は
20.1ミリモル(収率は82モル%)であった。
シクロヘキサノン 2.4g(24.5ミリモル)、酢
酸ブチル20g(192ミリモル)、酸触媒としてメタ
ンスルフォン酸0.5gを加えた。室温(25℃)にて
電磁撹拌を行いながら60%過酸化水素水1.39g
(24.5ミリモル)を5分かけて滴下した。その後、
室温にて電磁撹拌を行いながら5時間放置した。この反
応液をガスクロマトグラフィ(カラム:DBWAX 0.32mmI.
D.×30m、キャリアーガス:ヘリウムガス、昇温法60
℃にて5分間保温した後、1分間に5℃の割合で昇温
し、230℃に達した後20分間保温するプログラム、
内部標準法)で分析したところ、シクロヘキサノンの残
存量は4.4ミリモル、ε−カプトラクトンの生成量は
20.1ミリモル(収率は82モル%)であった。
【0023】実施例2〜13、比較例1〜2 実施例1において、エステル化合物の種類、酸触媒の種
類、反応温度、被酸化反応物の種類のうち少なくともひ
とつを、表1に示すように変えた他は実施例1と同様の
操作を行い、また実施例1と同様にして過酸による酸化
生成物を分析した。生成物の収率を表1に示す。
類、反応温度、被酸化反応物の種類のうち少なくともひ
とつを、表1に示すように変えた他は実施例1と同様の
操作を行い、また実施例1と同様にして過酸による酸化
生成物を分析した。生成物の収率を表1に示す。
【0024】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07D 313/04 C07D 313/04 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300
Claims (4)
- 【請求項1】 エステル化合物と過酸化水素を、酸触媒
存在下で混合し、エステル化合物を酸化して過酸を生成
した生成系内で、過酸により被酸化反応物の酸化を行な
うことを特徴とする酸化反応方法。 - 【請求項2】 過酸を生成させる際の反応系内に、被酸
化反応物を含む請求項1記載の酸化反応方法。 - 【請求項3】 エステル化合物が、酢酸、プロピオン酸
または酪酸と炭素数1〜6のアルコールとのエステル化
合物である請求項1または2記載の製造方法。 - 【請求項4】 酸触媒が、硫酸またはスルフォン酸基を
有する化合物である請求項1、2または3記載の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9155720A JPH10330290A (ja) | 1997-05-28 | 1997-05-28 | 酸化反応方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9155720A JPH10330290A (ja) | 1997-05-28 | 1997-05-28 | 酸化反応方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10330290A true JPH10330290A (ja) | 1998-12-15 |
Family
ID=15612019
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9155720A Pending JPH10330290A (ja) | 1997-05-28 | 1997-05-28 | 酸化反応方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH10330290A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102344433A (zh) * | 2011-08-30 | 2012-02-08 | 江苏傲伦达科技实业股份有限公司 | 一种ε-己内酯的制备方法 |
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1997
- 1997-05-28 JP JP9155720A patent/JPH10330290A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102344433A (zh) * | 2011-08-30 | 2012-02-08 | 江苏傲伦达科技实业股份有限公司 | 一种ε-己内酯的制备方法 |
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