JPH10330153A - 着色ガラスセラミック焼結体 - Google Patents

着色ガラスセラミック焼結体

Info

Publication number
JPH10330153A
JPH10330153A JP9138936A JP13893697A JPH10330153A JP H10330153 A JPH10330153 A JP H10330153A JP 9138936 A JP9138936 A JP 9138936A JP 13893697 A JP13893697 A JP 13893697A JP H10330153 A JPH10330153 A JP H10330153A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
weight
filler
sintered body
terms
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9138936A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3619349B2 (ja
Inventor
Noriaki Hamada
紀彰 浜田
Koichi Yamaguchi
浩一 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP13893697A priority Critical patent/JP3619349B2/ja
Publication of JPH10330153A publication Critical patent/JPH10330153A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3619349B2 publication Critical patent/JP3619349B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C14/00Glass compositions containing a non-glass component, e.g. compositions containing fibres, filaments, whiskers, platelets, or the like, dispersed in a glass matrix
    • C03C14/004Glass compositions containing a non-glass component, e.g. compositions containing fibres, filaments, whiskers, platelets, or the like, dispersed in a glass matrix the non-glass component being in the form of particles or flakes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C2214/00Nature of the non-vitreous component
    • C03C2214/08Metals

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】十分に着色化ができるとともに、Cuあるいは
Ag等の配線層との同時配線もでき、且つ誘電損失を小
さくしたガラスセラミック焼結体を提供すること。 【解決手段】Li2 Oを2〜15重量%、CaOを2〜
30重量%含有するリチウム珪酸ガラスを20〜80体
積%と、フィラーを20〜80体積%とからなる組成物
100重量部に対して、CrをCr2 3 換算で0.0
5〜10重量部含有する成形体を焼成して得られた着色
ガラスセラミック焼結体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は低温下でCuやAg
等からなる配線層とともに同時焼成ができ、これによっ
て配線基板や半導体素子収納用パッケージに使用される
絶縁基板に対して有用な着色ガラスセラミック焼結体に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の配線基板は絶縁基板の表面あるい
は内部にメタライズ配線層が配設された構造であって、
多層配線基板や、半導体素子、とくにLSI(大規模集
積回路素子)等を搭載したパッケージに応用されてい
る。
【0003】この配線基板によれば、アルミナ、ムライ
ト、窒化アルミニウムなどのセラミックス等の電気絶縁
基板の表面あるいは内部にタングステン、モリブデン等
の高融点金属からなる複数のメタライズ配線を形成して
いる。そのために、絶縁基板となるべきセラミック成形
体と、その表面に塗布されたメタライズぺ−ストとを1
500℃以上の温度で同時に焼成する。
【0004】近時、タングステンやモリブデンと比べ導
体抵抗の小さいCuやAg等からなる配線層を、ガラス
とセラミックフィラ−からなるガラスセラミック焼結体
で構成した絶縁基板に形成し、そして、同時焼成すると
いう技術が提示されている。
【0005】かかるガラスセラミック焼結体に用いられ
るガラスには、SiO2 −Al2 3 −CaO系、Si
2 −Al2 3 −B2 3 系などの各ガラスがあり、
それらは非晶質ガラスあるいは焼結過程で結晶相を析出
される結晶化ガラスとして存在する。他方のセラミック
フィラーはAl2 3 、SiO2 、石英、クオーツ、ク
リストバライト、フォルステライト、ペタライトなどで
ある。
【0006】しかしながら、上記ガラスセラミック焼結
体は強度的に低く、かかる配線基板を有機樹脂系の外部
電気回路基板に実装すると、双方の熱膨張係数差によっ
て生じる応力により電気的接続不良が発生していた。
【0007】これに対して、本出願人はすでにLi2
を含有するリチウム珪酸ガラスと、フォルステライト等
のフィラーとを混合して焼成し、これによってリチウム
珪酸が析出されたガラスセラミックスにおいては、その
析出により高強度化が実現でき、しかも、Cu等の配線
層と同時焼成ができること、加えて熱膨張係数を高め
て、外部配線回路基板との熱膨張係数差が小さくできる
ことを提案した。
【0008】ところで、配線基板や半導体素子収納用パ
ッケージに使用する絶縁基板には、そのセラミックス基
板に対して、ワイヤボンデイングの際のボンデイング位
置を光学的に検知する際、コントラストをつけたり、製
品特性を評価するために、製品の色むらによる外観不良
でもって判別するために、この基板を着色化し、これに
よって製造歩留りを向上させる技術が提示されている。
【0009】そのために、たとえばアルミナ質焼結体に
対してW、Mo等の金属元素の添加で着色化させたり、
あるいはガラスセラッミックス等に主としてW、Mo等
を添加させている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ガラス
成分とフィラー成分とからなる成形体を焼成して得られ
るガラスセラミック焼結体の場合、一般的にアルミナ質
焼結体と比べ、誘電損失が大きく、そのために配線基板
の誘電損失の低減化という要求に反するという問題点が
あった。すなわち、アルミナ質焼結体では1MHzの測
定周波数において5×10-4程度であるのに対して、ガ
ラスセラミック焼結体の場合には25×10-4程度と大
きい。
【0011】しかも、ガラスセラミック焼結体の着色化
に使用されるWやMoを添加すると、その添加量が多く
なると誘電損失が大きくなり、多量に添加できないとい
う問題点もある。
【0012】したがって、本発明は十分に着色化ができ
るとともに、CuあるいはAg等の配線層との同時配線
もでき、且つ誘電損失を小さくした着色ガラスセラミッ
ク焼結体を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記問題点
に対して鋭意検討を重ねた結果、ガラス成分としてLi
2 Oを2〜15重量%、CaOを2〜30重量%含有す
るリチウム珪酸ガラスを用いて、このガラス成分とフィ
ラー成分とを混合するにあたり、さらにCr化合物を添
加したり、あるいはCr化合物およびCu,V,Fe,
Nl,MnまたはCoの群から選ばれる少なくとも1種
の化合物とを添加するで、ガラスセラミック焼結体の低
温焼結性等の特性を損なうことなく着色され、しかも、
誘電損失が低下できることを見いだした。
【0014】すなわち、本発明のガラスセラミック焼結
体は、Li2 Oを2〜15重量%、CaOを2〜30重
量%含有するリチウム珪酸ガラスを20〜80体積%
と、フィラーを20〜80体積%とからなる組成物と、
この組成物100重量部に対してCrをCr2 3 換算
で0.05〜10重量部の割合で含有する成形体を焼成
して得られた着色された焼結体であって、かかる焼結体
の周波数1MHzにおける誘電損失が2×10-3以下で
あることを特徴とする。
【0015】また、本発明の他のガラスセラミック焼結
体は、Li2 Oを2〜15重量%、CaOを2〜30重
量%含有するリチウム珪酸ガラスを20〜80体積%
と、フィラーを20〜80体積%とからなる組成物と、
この組成物100重量部に対してCrをCr2 3 換算
で0.05重量部以上、Cu,V,Fe,Nl,Mnお
よびCoの群から選ばれる少なくとも1種を酸化物換算
で前記CrのCr2 3換算量との合計が10重量部以
下の割合で含有する成形体を焼成して得られた着色され
た焼結体であって、かかる焼結体の1MHzにおける誘
電損失が2×10-3以下であることを特徴とする。
【0016】
【作用】本発明によれば、Li2 Oを2〜15重量%、
CaOを2〜30重量%含むリチウム珪酸ガラスを用い
て、さらにフィラーと混合することにより熱膨張係数が
11ppm/℃のリチウム珪酸結晶を析出させ、これに
よってガラスセラミックスの熱膨張係数を9〜18pp
m/℃の範囲内で任意に制御することができる。しか
も、リチウムシリケートを析出させることにより焼結体
の抗折強度を高めることができる。
【0017】また、着色剤としてCrを含有させること
で、緑系に着色化されたガラスセラミックスを得ること
ができる。しかも、この着色剤の添加によって、1MH
zの測定周波数において誘電損失を1×10-3以下まで
低減できる。さらに、かかる組成物にCu,V,Fe,
Ni,MnおよびCoの群から選ばれる少なくとも1種
を含有せしめることにより、上述の優れた特性を有する
種々の色に着色化されたガラスセラミック焼結体が得ら
れる。
【0018】さらにまた、本発明の着色ガラスセラミッ
ク焼結体については、CuあるいはAg等の低抵抗導体
配線層と同時焼成ができるので、配線の積層化もしくは
多層化が容易にできる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の着色ガラスセラミック焼
結体を作製する場合には、原料粉末としてLi2 Oを2
〜15重量%、CaOを2〜30重量%含有するリチウ
ム珪酸ガラス粉末に対して、セラミックスのフィラー粉
末を加える。
【0020】これらガラス粉末およびフィラ−粉末の混
合物より成形体を作るには、有機樹脂等の成形用バイン
ダーを添加するが、このバインダーが効率的に除去され
るように焼成条件を定める必要があり、しかも、この焼
成条件でもって本発明の着色ガラスセラミック焼結体か
らなる絶縁基板と、この絶縁基板上の配線層(メタライ
ズ層)とが同時に焼成される。そこで、このガラス粉末
の屈伏点を400℃〜800℃に、好適には400〜6
50℃に、且つ平均粒径を1.5〜8μmに、好適には
3〜8μm、最適には5〜8μmにするのがよい。
【0021】屈伏点が400℃未満の場合には、低い温
度でガラスが焼結されるので、たとえば焼結開始温度が
約600〜800℃であるAg、Cu等のメタライズ層
に対して、同時焼成することができず、しかも、成形体
の緻密化が低温で開始されるためにバインダーが分解揮
散できなくなり、その結果、バインダー成分が残留し、
特性に悪い影響を及ぼしやすい。他方、屈伏点が800
℃を越える場合には、高価な結晶性ガラスを大量に使用
しなければならず、焼結体のコストを高めることにな
る。
【0022】また、ガラス粉末の平均粒径が1.5μm
未満の場合には、ガラスのコストが上昇することで、低
コスト且つ低屈伏点のガラスを用いる効果がなく、他
方、8μmを越える場合には焼結体の強度が低下する。
【0023】しかも、Li2 Oを2〜15重量%、Ca
Oを2〜30重量%含有するリチウム珪酸ガラス粉末を
フィラ−成分と混合する場合、ガラス粉末20〜80体
積%、フィラー粉末80〜20積%の割合で混合する。
【0024】すなわち、上記リチウム珪酸ガラスだけで
使用した場合には、収縮開始温度が700℃以下とな
り、そのため、800℃以上の加熱でもってガラスの一
部が溶融し、Cu等のメタライズ配線層を同時に形成す
ることがむずかしくなるが、これに対して、ガラス粉末
を20〜80体積%、フィラー粉末を80〜20体積%
の割合で混合することで、焼成時、結晶の析出ととも
に、フィラー成分とでもって液相焼結できる。しかも、
成形体全体の収縮開始温度を上昇させるので、このフィ
ラー含有量の調整によって、メタライズ層の種類に対応
させて、メタライズ配線層との同時焼成条件がマッチン
グできる。
【0025】したがって、ガラス成分が20体積%未満
(フィラー成分が80体積%を越える)の場合には、液
相が十分に生成されないので、高温焼成する必要があ
り、そのためにメタライズ同時焼成においてメタライズ
が溶融する。他方、ガラスが80体積%を越える(フィ
ラー成分20体積%未満)場合には、焼結体の特性がガ
ラスの特性に大きく依存して、その焼結体特性の制御が
困難となるとともに、焼結開始温度が低くなり、そのた
めに配線導体との間で同時焼成できなくなり、しかも、
原料コストが高くなる。
【0026】そこで、原料コストを下げるために高価な
ガラスの含有量を減少させることがよく、好適にはガラ
ス粉末20〜50体積%、フィラー粉末50〜80体積
%、最適にはガラス粉末35〜50体積%、フィラー粉
末50〜65体積%にするとよい。
【0027】そして、かかる配合組成において、フィラ
ー成分の量をガラスの屈伏点に応じて適宜調整するのが
よく、ガラスの屈伏点が400℃〜650℃の程度にま
で低い場合には、低温での焼結性を高まるために、フィ
ラー含有量を50〜80体積%という程度にまで比較的
多く配合するとよい。これに対して、結晶性ガラスの屈
伏点が650℃〜800℃と高い場合には、焼結性が低
下するので、フィラー含有量を20〜50体積%にする
のがよい。
【0028】本発明に用いるガラスとしては、Li2
を2〜15重量%、好適には4〜10重量%含むリチウ
ム珪酸ガラスを用いるが、強度をさらに向上させるた
め、SiO2 とLi2 Oとの合量で65〜95重量%含
み、さらにMgO、Al2 3、TiO2 、Na2 O、
2 O、ZnO、P2 5 、F、CaO等の1種以上を
含むようなリチウム珪酸系ガラス、とくに焼結過程でリ
チウムシリケートが析出可能な結晶化ガラスを用いるの
がよい。
【0029】Li2 Oの含有量が2重量%未満であれ
ば、焼成時にリチウム珪酸の結晶生成量が少なくなり、
高強度化が達成できず、15重量%を越えると誘電損失
が100×10-4を越えるので基板としての特性が劣化
する。
【0030】上記フィラー成分としては、アルミナ、シ
リカ、石英、クォーツ、クリストバライト、フオルステ
ライト、ムライト、マグネシア、ペタライト、スピネ
ル、ワラストナイト、ネフェリン、エンスタタイト、ガ
ーナイト等が挙げられる。さらに有機樹脂系の外部電気
回路基板の熱膨張係数との熱膨張差を緩和すべく、9〜
14ppm/℃に制御するために、フオルステライトを
必須の成分として含有させるのがよい。
【0031】本発明によれば、焼成前の成形体組成にお
いて、上記ガラス成分とフィラ−成分からなる主成分組
成物100重量部に対して、CrがCr2 3 換算で
0.05〜10重量部の割合となるようにCr化合物を
添加する。このCrは着色化と誘電損失の低減化にとっ
て重要な成分であって、その酸化物換算量が0.05重
量部未満の場合、着色化が不十分となり、誘電損失の低
減化を図ることができず、他方、10重量部を越える
と、焼結性が阻害され、密度、強度等に悪影響をおよぼ
す。望ましくはCr2 3 換算で0.2〜6重量部であ
る。なお、添加形態としてはCr2 3 が最も望ましい
が、焼結過程で酸化物を形成する炭酸塩、硝酸塩、酢酸
塩、Cr含有有機化合物等を用いてもよく、さらに炭化
物、窒化物等でも着色効果と誘電損失の低減効果をもた
らす。
【0032】また、本発明によれば、成形体組成におい
て、上記ガラス成分とフィラー成分からなる主成分組成
物100重量部に対して、CrをCr2 3 換算で0.
05重量部以上、Cu,V,Fe,Ni,MnおよびC
oの群から選ばれる少なくとも1種を酸化物換算で前記
CrのCr2 3 換算量との合計が10重量部以下の割
合になるように含有させる。そして、これらCu、V等
の添加によって、Cr化合物の添加効果を阻害すること
なく、焼結体の色味を緑系から赤系、青系、黄系、黒系
の間で種々に変えることができる。
【0033】そして、これら着色剤の合計量が10重量
部を越えると、焼結性が阻害され、密度、強度等に悪影
響をおよぼす。望ましくはCrをCr2 3 換算で0.
2重量部以上、Cu,V,Fe,Ni,MnおよびCo
の群から選ばれる少なくとも1種の化合物を酸化物換算
で前記CrのCr2 3 換算量との合計で6重量部以下
がよい。
【0034】次に製造工程を詳細に述べると、まず上記
ガラス粉末とフィラー粉末ととともに、着色剤成分を、
上述した比率で混合し、その後、混合物に適当な有機樹
脂バインダーを添加し、しかる後に所望の成形手段、た
とえば金型プレス、冷間静水圧プレス、押出し成形、ド
クターブレード法、圧延法等により任意の形状に成形
し、次いで焼成する。
【0035】この焼成には、まず成形のために配合した
バインダー成分を除去する。そのためには700℃前後
の大気雰囲気中でおこなう。その際、成形体の収縮開始
温度は600〜850℃程度が望ましく、この程度の温
度以下であるとバインダー除去が困難となり、成形体中
の結晶化ガラスの特性、とくに屈伏点を前述したように
制御することが必要となる。
【0036】本焼成は800℃〜1050℃の酸化性雰
囲気中または非酸化性雰囲気中でおこなわれ、これによ
って相対密度が90%以上にまで緻密化される。この焼
成温度が800℃未満であれば、メタライズ層を十分緻
密化することができず、1050℃を越えるとメタライ
ズ配線層との同時焼成においてメタライズ層が溶融す
る。また、この焼成時において、着色剤を発色させるた
めに大気中あるいは窒素雰囲気等で焼成する。
【0037】このように作製した着色ガラスセラミック
焼結体中にはフィラー成分による結晶相、リチウム珪酸
ガラスから析出したリチウム珪酸結晶相、フィラーとガ
ラスとの反応により生成した結晶相が存在し、これらの
結晶相の粒界にはガラス相が存在することもある。ま
た、着色剤成分は上記結晶相の粒界に添加時での形態も
しくはガラス化した形態で存在する。
【0038】上記着色ガラスセラミック焼結体により配
線基板を作製するには、上述したとおりガラス粉末とフ
ィラー粉末と着色剤成分とを混合し、この混合粉末に適
当な有機樹脂バインダー、可塑剤、溶剤を添加し、そし
て、これら混合物からなる泥漿物をつくり、この泥漿物
でもって公知の成形方法、すなわちドクターブレード
法、プレス成形法、圧延法、カレンダーロール法などに
よりシート状の成形体(グリーンシート)を作製する。
【0039】そして、このシート状成形体の表面に、配
線層を形成すべく適当な金属粉末に有機バインダー、可
塑剤、溶剤を添加混合して得たメタライズペーストをス
クリーン印刷法、オフセット印刷法等により塗布する。
本発明においては、絶縁基板が800〜1050℃で焼
結されることから、メタライズ配線層をCu、Ag、N
i、Pd、Auのうちの1種以上により構成することが
できる。とくにCuが最も望ましい。
【0040】次に、上記のようにメタライズペーストが
塗布されたシート状成形体は、所望によりスル−ホ−ル
が形成され、メタライズペ−ストが充填される。あるい
は、複数のシート状成形体を積層して圧着させ後、焼成
することで、多層化してもよい。
【0041】この焼成においては、まず有機樹脂バイン
ダーの除去をおこなう。配線導体としてCuを用いる場
合には、水蒸気を含有する100〜800℃の窒素雰囲
気中でおこなう。
【0042】その後の焼成は800〜1050℃の酸化
性雰囲気中でおこなって、相対密度90%以上にまで緻
密化させる。その際、焼成温度が800℃未満であれ
ば、メタライズ層が十分に緻密化されず、1050℃を
越えるとメタライズ配線層との同時焼成でメタライズ層
が溶融する。また、配線導体としてCuを用いる場合、
850〜1050℃のN2 、Ar等の非酸化性雰囲気中
でおこなうのがよく、Agを用いる場合、800〜90
0℃のN2 、Ar等の非酸化性雰囲気中あるいは大気中
等の酸化性雰囲気中でおこなうのがよい。
【0043】とくに配線基板の作製にあたって、Cu、
Ag等のメタライズと同時焼成を行う場合、配合するガ
ラスの屈伏点は400℃〜650℃、フィラーの含有量
は50〜80体積%であるのがよい。
【0044】
【実施例】以下、本発明を実施例で説明する。 〔実施例1〕ガラスとして、以下のとおり3種類を用意
した。ただし、いずれの数値も重量比率で表す。
【0045】ガラス1:73%SiO2 −8%Li2
−13%CaO- 4%Al2 3 −2%K2 O(Pb含
有量50ppm以下、屈伏点540℃)ガラス2 :75%SiO2 −10%Li2 O−10%C
aO- 5%MgO(Pb含有量50ppm以下、屈伏点
700℃)、ガラス3 :74%SiO2 −14%Li2 O−2%P2
5 −2%K2 O−2%ZnO−2%Na2 O(Pb含
有量50ppm以下、屈伏点480℃) このガラスに対して表1に示すようにフィラー成分とし
て、フォルステライト(2MgO・SiO2 )、Crを
含む化合物としてCr2 3 を用いて表1に示す調合組
成になるように秤量混合した。この混合物を粉砕後、有
機バインダーを添加して十分に混合した後、ドクターブ
レード法でテープ成形し、積層した後、所定の形状に加
工し、この成形体を700℃の〔N2 +H2 O〕雰囲気
中で脱バインダ処理した後、窒素雰囲気中で表1に示す
とおり650〜1200℃の温度で焼成して焼結体を作
製した。
【0046】かくして得られた各種試料に対して、色合
いとともに、、強度、測定周波数1MHzにおける誘電
損失、Cuからなるメタライズ層との同時焼結性を測定
したところ、表1に示すような結果が得られた。
【0047】
【表1】
【0048】表1より明らかなように、本発明の試料N
o.2〜4、No.8〜14、17〜19、23〜29
については、225MPa以上の強度、18×10-4
下の誘電損失となり、さらにCuからなるメタライズ層
との同時焼結性も良好であった。
【0049】これに対して、屈伏点が540℃、700
℃であるガラスを用いた場合、ガラス量が20体積%よ
り小さい試料No.1、16については、Cuとの同時
焼成ができなかった。また、ガラス量が80体積%より
大きい試料No.5、6、20、21については、焼成
温度が低くなりすぎて、同様に同時焼成ができなかっ
た。さらにCr2 2 量が0.05重量%未満の試料N
o.7、22では誘電損失を低下させる効果に乏しく、
Cr2 3 量が10体積%を超える試料No.15、3
0では焼成温度が上昇することで、強度、誘電損失とも
に劣化し、20×10-4を越える誘電損失となった。
【0050】〔実施例2〕次に試料No.9の組成に対
して、表2に示すように他の着色成分を添加し、同様に
焼結体を得た。
【0051】
【表2】
【0052】同様に評価をおこなった結果、試料No.
34、35、37、38、40、41、44、45、、
47、48、50、51に示すようにCr2 3 とその
他の添加物の総量が10重量%以下である場合には、い
ずれも良好な特性を示し、且つ種々の色を発色させるこ
とができた。しかるに、その総量が10重量%を越える
ような試料No.36、39、42、46、49、52
については、発色しても、強度、誘電損失ともに劣化し
た。また、Cr2 3 を含まない試料No.33、4
3、53、54でも同様に発色しても誘電率は20×1
-4を下回ることはなかった。 次に試料No.10、11、25、26、31、32に
ついて、テープの経時変化を測定した結果を表3に示
す。この経時変化については、成形体を25℃、湿度8
0%の環境下に60日間放置して、評価した。すなわ
ち、成形後の成形体に対する所定の2点間距離をLと
し、そして、60日後の2点間距離からLを引いたもの
をΔlとして、Δl/Lを百分率で表示することで評価
した。
【0053】
【表3】
【0054】同表から明らかなとおり、本発明の組成範
囲外のガラス3を用いた試料No.31、32では成形
体に対して非常に大きな経時変化が認められ、焼結体の
寸法精度が低くなった。これに対する本発明のものでは
ガラス1、2を用いて、経時変化がほとんど認められな
かった。
【0055】また、本発明のようなガラスセラミックス
においては、800〜1000℃にて生成される低粘度
のガラスが焼結の駆動力となるが、その量が多すぎた
り、低粘度すぎると過剰のガラスや表面に存在する非常
に低粘度のガラスがセッター(セラミックスや金属材料
により構成されている)と反応し、もしくは付着し、製
品の特性や外観が損なわれることがある。
【0056】そこで、試料No.10、11、25、2
6、32に対する焼成可能温度域を測定した結果、Ca
Oを含まないガラス3を用いた試料No.31、32で
は焼成可能温度域が表1に示す温度に対して±10℃で
あり、これより低い温度であれば、緻密化できなくな
り、それよりも高い温度である場合にはセッターとの反
応が認められた。しかるにCaOを適量含むガラス1、
2を用いた本発明の試料No.10、11、25、26
では表1に示す温度に対して±30℃の広い温度域で緻
密化が可能で、且つセッターとの反応も認められなかっ
た。
【0057】
【発明の効果】以上のとおり、本発明の着色ガラスセラ
ミック焼結体によれば、ガラス成分としてLi2 Oを2
〜15重量%、CaOを2〜30重量%含有するリチウ
ム珪酸ガラスを用いて、このガラス成分とフィラー成分
とを混合するにあたり、さらにCr化合物を添加した
り、あるいはCr化合物およびCu,V,Fe,Nl,
MnまたはCoの群から選ばれる少なくとも1種の化合
物とを添加すると、ガラスセラミック焼結体の低温焼結
性等の特性を損なうことなく着色され、しかも、誘電損
失が低下でき、その結果、十分に着色化ができるととも
に、CuあるいはAg等の配線層との同時配線もでき、
且つ誘電損失を小さくした着色ガラスセラミック焼結体
が提供できた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Li2 Oを2〜15重量%、CaOを2〜
    30重量%含有するリチウム珪酸ガラスを20〜80体
    積%と、フィラーを20〜80体積%とからなる組成物
    100重量部に対して、CrをCr2 3 換算で0.0
    5〜10重量部含有する成形体を焼成してなる着色ガラ
    スセラミック焼結体。
  2. 【請求項2】Li2 Oを2〜15重量%、CaOを2〜
    30重量%含有するリチウム珪酸ガラスを20〜80体
    積%と、フィラーを20〜80体積%とからなる組成物
    100重量部に対して、CrをCr2 3 換算で0.0
    5重量部以上で、且つCu、V、Fe、Ni、Mnおよ
    びCoの群から選ばれる少なくとも1種を酸化物換算で
    上記CrのCr2 3 換算量との合計で10重量部以下
    の割合にして含有せしめた成形体を焼成してなる着色ガ
    ラスセラミック焼結体。
JP13893697A 1997-05-28 1997-05-28 着色ガラスセラミック焼結体 Expired - Fee Related JP3619349B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13893697A JP3619349B2 (ja) 1997-05-28 1997-05-28 着色ガラスセラミック焼結体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13893697A JP3619349B2 (ja) 1997-05-28 1997-05-28 着色ガラスセラミック焼結体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10330153A true JPH10330153A (ja) 1998-12-15
JP3619349B2 JP3619349B2 (ja) 2005-02-09

Family

ID=15233615

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13893697A Expired - Fee Related JP3619349B2 (ja) 1997-05-28 1997-05-28 着色ガラスセラミック焼結体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3619349B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105293898A (zh) * 2015-09-24 2016-02-03 洛阳理工学院 一种低电导率含铬玻璃及其熔制方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105293898A (zh) * 2015-09-24 2016-02-03 洛阳理工学院 一种低电导率含铬玻璃及其熔制方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3619349B2 (ja) 2005-02-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3240271B2 (ja) セラミック基板
EP0474354B1 (en) Dielectric ceramic body, method of producing the same and circuit board using the same
JPH0834668A (ja) ガラス−セラミック焼結体及びその製造方法並びにガラス−セラミック基板
JP3943341B2 (ja) ガラスセラミックス組成物
JP4569000B2 (ja) 高周波用低温焼結誘電体材料およびその焼結体
JP3678260B2 (ja) ガラスセラミックス組成物
US5283210A (en) Low temperature sintering low dielectric inorganic composition
JPH01141837A (ja) 回路基板用誘電体材料
JPS63107838A (ja) ガラスセラミツク焼結体
JP2778815B2 (ja) 誘電体磁器組成物及びその製造法並びにそれを用いた配線基板
JP2000128628A (ja) ガラスセラミックス組成物
JPH10120436A (ja) ガラスセラミック誘電体材料
JP3619349B2 (ja) 着色ガラスセラミック焼結体
JPH0758454A (ja) ガラスセラミックス多層基板
JP3336176B2 (ja) ガラスセラミック焼結体
JPH0517211A (ja) 基板材料及び回路基板
JPS6350345A (ja) ガラスセラミツク焼結体
JPH01141838A (ja) 回路基板用誘電体材料
JPS62252340A (ja) ガラス焼結体およびガラスセラミツク焼結体
JP3372733B2 (ja) ガラスセラミック焼結体の製造方法および配線基板の製造方法
JP2740689B2 (ja) 誘電体磁器組成物及びその製造法並びにそれを用いた配線基板
JP3236759B2 (ja) 絶縁性磁器並びにそれを用いた多層配線基板
JPH04254468A (ja) ムライト質磁器の製法
JP2624147B2 (ja) 低温焼成基板用組成物
JP4066631B2 (ja) 低温焼成セラミック材料及び低温焼成セラミック基板

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040526

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040720

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040916

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20041109

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20041112

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071119

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081119

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091119

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101119

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101119

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111119

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111119

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121119

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121119

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131119

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees