JPH10330111A - 多孔性チタノシリケート及びその製造方法 - Google Patents
多孔性チタノシリケート及びその製造方法Info
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- JPH10330111A JPH10330111A JP9158073A JP15807397A JPH10330111A JP H10330111 A JPH10330111 A JP H10330111A JP 9158073 A JP9158073 A JP 9158073A JP 15807397 A JP15807397 A JP 15807397A JP H10330111 A JPH10330111 A JP H10330111A
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- water
- mtm
- mixture
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C01—INORGANIC CHEMISTRY
- C01B—NON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
- C01B37/00—Compounds having molecular sieve properties but not having base-exchange properties
- C01B37/005—Silicates, i.e. so-called metallosilicalites or metallozeosilites
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- Inorganic Chemistry (AREA)
- Silicates, Zeolites, And Molecular Sieves (AREA)
- Silicon Compounds (AREA)
- Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 高活性な酸化触媒能を有する多孔性チタノシ
リケート及びその製造方法と、その中間体となる均質透
明ゲルを提供する。 【解決手段】 シリカ骨格中のSiの3〜25モル%を
Tiで同形置換した構造を有する多孔性チタノシリケー
ト。前記多孔性チタノシリケートを製造する方法におい
て、Si−アルコキシドとTi−アルコキシドとをモル
比1:0.02〜0.27で混合したアルコキシド混合
物に、液状アルキルアミンと水との混合液を、アルコキ
シド1モル当り、水0.5〜1.5モルの割合で滴下混
合し、得られた均質透明ゲルを熟成し、乾燥し、次いで
焼成することを特徴とする前記方法。Si−アルコキシ
ドとTi−アルコキシドとをモル比1:0.02〜0.
27で混合したアルコキシド混合物に、液状アルキルア
ミンと水との混合液を、アルコキシド1モル当り、水
0.5〜1.5モルの割合で滴下混合することにより得
られる均質透明ゲル。
リケート及びその製造方法と、その中間体となる均質透
明ゲルを提供する。 【解決手段】 シリカ骨格中のSiの3〜25モル%を
Tiで同形置換した構造を有する多孔性チタノシリケー
ト。前記多孔性チタノシリケートを製造する方法におい
て、Si−アルコキシドとTi−アルコキシドとをモル
比1:0.02〜0.27で混合したアルコキシド混合
物に、液状アルキルアミンと水との混合液を、アルコキ
シド1モル当り、水0.5〜1.5モルの割合で滴下混
合し、得られた均質透明ゲルを熟成し、乾燥し、次いで
焼成することを特徴とする前記方法。Si−アルコキシ
ドとTi−アルコキシドとをモル比1:0.02〜0.
27で混合したアルコキシド混合物に、液状アルキルア
ミンと水との混合液を、アルコキシド1モル当り、水
0.5〜1.5モルの割合で滴下混合することにより得
られる均質透明ゲル。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔性チタノシリ
ケート及びその製造方法と、均質透明ゲルに関するもの
である。
ケート及びその製造方法と、均質透明ゲルに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】SiがTiで置換されたシリケート化合
物は優れた酸化触媒能を有することから、基礎及び応用
の両面で極めて注目されている。酸化触媒能の発現はシ
リケート骨格中のSiを置換したTiが、無害なH202
との反応に高い選択性を有し、容易に活性なperox
o型複合体を形成することに起因することが知られてい
る。近年、Siの一部をTiで置換した種々のマイクロ
孔及びメソ孔多孔体(以下、多孔性チタノシリケートと
略記する)、例えばTS−1、TS−2、Ti−β、T
i−MCM−41が開発されている。TS−1、TS−
2及びTi−βはゼオライト類縁化合物のマイクロ孔多
孔体であり、界面活性剤1分子を鋳型分子として合成さ
れる。Ti−MCM−41は多くの界面活性剤の協調的
な集合体である液晶型分子を鋳型にして無機溶存種を析
出させることで合成されるメソ孔多孔体である。しか
し、上記のマイクロ及びメソ孔多孔体では、シリケート
骨格中のSi置換率は低く、Ti含有率は3モル%より
低い範囲であって、触媒活性の向上にはその置換率の増
加が必要とされている。また、Ti−及びSi−アルコ
キシドを出発原料としてこれらを作製する場合には、両
化合物の加水分解速度の差異を解消することが主要な課
題となる。そのため活性なTi−アルコキシドをキレー
ト化することによって安定化したり、活性の低いSi−
アルコキシドをあらかじめ加水分解させることによっ
て、両アルコキシドの加水分解速度と縮合速度の差異を
解消することが一般的に良く行われている。しかし、こ
の場合に得られる生成物は非晶質なTi−Si混合酸化
物であり、高活性な酸化触媒として利用することはでき
ない。
物は優れた酸化触媒能を有することから、基礎及び応用
の両面で極めて注目されている。酸化触媒能の発現はシ
リケート骨格中のSiを置換したTiが、無害なH202
との反応に高い選択性を有し、容易に活性なperox
o型複合体を形成することに起因することが知られてい
る。近年、Siの一部をTiで置換した種々のマイクロ
孔及びメソ孔多孔体(以下、多孔性チタノシリケートと
略記する)、例えばTS−1、TS−2、Ti−β、T
i−MCM−41が開発されている。TS−1、TS−
2及びTi−βはゼオライト類縁化合物のマイクロ孔多
孔体であり、界面活性剤1分子を鋳型分子として合成さ
れる。Ti−MCM−41は多くの界面活性剤の協調的
な集合体である液晶型分子を鋳型にして無機溶存種を析
出させることで合成されるメソ孔多孔体である。しか
し、上記のマイクロ及びメソ孔多孔体では、シリケート
骨格中のSi置換率は低く、Ti含有率は3モル%より
低い範囲であって、触媒活性の向上にはその置換率の増
加が必要とされている。また、Ti−及びSi−アルコ
キシドを出発原料としてこれらを作製する場合には、両
化合物の加水分解速度の差異を解消することが主要な課
題となる。そのため活性なTi−アルコキシドをキレー
ト化することによって安定化したり、活性の低いSi−
アルコキシドをあらかじめ加水分解させることによっ
て、両アルコキシドの加水分解速度と縮合速度の差異を
解消することが一般的に良く行われている。しかし、こ
の場合に得られる生成物は非晶質なTi−Si混合酸化
物であり、高活性な酸化触媒として利用することはでき
ない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高活性な酸
化触媒能を有する多孔性チタノシリケート及びその製造
方法と、その中間体となる均質透明ゲルを提供すること
をその課題とする。
化触媒能を有する多孔性チタノシリケート及びその製造
方法と、その中間体となる均質透明ゲルを提供すること
をその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成す
るに至った。即ち、本発明によれば、シリカ骨格中のS
iの3〜25モル%をTiで同形置換した構造を有する
多孔性チタノシリケートが提供される。また、本発明に
よれば、前記多孔性チタノシリケートを製造する方法に
おいて、Si−アルコキシドとTi−アルコキシドとを
モル比1:0.02〜0.27で混合したアルコキシド
混合物に、液状アルキルアミンと水との混合液を、アル
コキシド1モル当り、水0.5〜1.5モルの割合で滴
下混合し、得られた均質透明ゲルを熟成し、乾燥し、次
いで焼成することを特徴とする前記方法が提供される。
さらに、本発明によれば、Si−アルコキシドとTi−
アルコキシドとをモル比1:0.02〜0.27で混合
したアルコキシド混合物に、液状アルキルアミンと水と
の混合液を、アルコキシド1モル当り、水0.5〜1.
5モルの割合で滴下混合することにより得られる均質透
明ゲルが提供される。
解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成す
るに至った。即ち、本発明によれば、シリカ骨格中のS
iの3〜25モル%をTiで同形置換した構造を有する
多孔性チタノシリケートが提供される。また、本発明に
よれば、前記多孔性チタノシリケートを製造する方法に
おいて、Si−アルコキシドとTi−アルコキシドとを
モル比1:0.02〜0.27で混合したアルコキシド
混合物に、液状アルキルアミンと水との混合液を、アル
コキシド1モル当り、水0.5〜1.5モルの割合で滴
下混合し、得られた均質透明ゲルを熟成し、乾燥し、次
いで焼成することを特徴とする前記方法が提供される。
さらに、本発明によれば、Si−アルコキシドとTi−
アルコキシドとをモル比1:0.02〜0.27で混合
したアルコキシド混合物に、液状アルキルアミンと水と
の混合液を、アルコキシド1モル当り、水0.5〜1.
5モルの割合で滴下混合することにより得られる均質透
明ゲルが提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の多孔性チタノシリケート
(以下、MTMとも言う)は、出発原料としてSi−ア
ルコシキドとTi−アルコキシドを用いて製造される。
Si−アルコキシドとしては、テトラメチルオルトシリ
ケート、テトラエチルオルトシリケート、テトライソプ
ロピルオルトシリケート、テトラ−n−ブチルオルトシ
リケート等を用いることが可能で、好ましくはテトラエ
チルオルトシリケートが使用される。またTi−アルコ
キシドとしては、テトラエチルオルトチタネート、テト
ライソプロピルオルトチタネート、テトラ−n−ブチル
オルトチタネート等の使用が可能であり、好ましくはテ
トラエチルオルトチタネートが用いられる。
(以下、MTMとも言う)は、出発原料としてSi−ア
ルコシキドとTi−アルコキシドを用いて製造される。
Si−アルコキシドとしては、テトラメチルオルトシリ
ケート、テトラエチルオルトシリケート、テトライソプ
ロピルオルトシリケート、テトラ−n−ブチルオルトシ
リケート等を用いることが可能で、好ましくはテトラエ
チルオルトシリケートが使用される。またTi−アルコ
キシドとしては、テトラエチルオルトチタネート、テト
ライソプロピルオルトチタネート、テトラ−n−ブチル
オルトチタネート等の使用が可能であり、好ましくはテ
トラエチルオルトチタネートが用いられる。
【0006】本発明においては、MTMを製造するため
に、先ず前記Si−アルコキシドとTi−アルコキシド
との混合物を10分〜20分間の短時間撹拌後、この混
合物に、アルキルアミンと水との混合液をゆっくりと滴
下してアルコキシドを加水分解させる。Si−アルコキ
シドとTi−アルコキシドの混合割合は、Siに対する
Tiのモル比[Ti]/[Si]で、0.02〜0.2
7、好ましくは0.022〜0.25である。アルキル
アミンと水との混合液において、そのアルキルアミンと
水との混合割合は、水1モル当り、アルキルアミン1.
5〜3.0モル、好ましくは1.8〜2.4モルの割合
である。アルキルアミンとしては、常温で液状のアルキ
ルアミンが用いられ、通常、炭素数6〜12、好ましく
は8〜10のアルキルアミンが用いられ、好ましくはオ
クチルアミンが用いられる。アルキルアミンと水との混
合液の滴下速度は、全アルコキシド1モル当りの水の滴
下速度で、1時間当り、1〜20モル、好ましくは6〜
18モルの割合である。
に、先ず前記Si−アルコキシドとTi−アルコキシド
との混合物を10分〜20分間の短時間撹拌後、この混
合物に、アルキルアミンと水との混合液をゆっくりと滴
下してアルコキシドを加水分解させる。Si−アルコキ
シドとTi−アルコキシドの混合割合は、Siに対する
Tiのモル比[Ti]/[Si]で、0.02〜0.2
7、好ましくは0.022〜0.25である。アルキル
アミンと水との混合液において、そのアルキルアミンと
水との混合割合は、水1モル当り、アルキルアミン1.
5〜3.0モル、好ましくは1.8〜2.4モルの割合
である。アルキルアミンとしては、常温で液状のアルキ
ルアミンが用いられ、通常、炭素数6〜12、好ましく
は8〜10のアルキルアミンが用いられ、好ましくはオ
クチルアミンが用いられる。アルキルアミンと水との混
合液の滴下速度は、全アルコキシド1モル当りの水の滴
下速度で、1時間当り、1〜20モル、好ましくは6〜
18モルの割合である。
【0007】前記のようにして、アルキルアミンと水と
の混合液を添加混合したアルコキシド混合物は、その混
合液の添加終了後、1〜10分間経過すると極めて透明
度の高い均質なゲルに変化する。このようにして得られ
るゲル物質は、常法により、これを熟成し、乾燥し、焼
成する。これによりMTMを得ることができる。
の混合液を添加混合したアルコキシド混合物は、その混
合液の添加終了後、1〜10分間経過すると極めて透明
度の高い均質なゲルに変化する。このようにして得られ
るゲル物質は、常法により、これを熟成し、乾燥し、焼
成する。これによりMTMを得ることができる。
【0008】ゲル物質の熟成は、室温に2日間以上、好
ましくは2〜4日間保持することにより実施される。こ
の場合、ゲル物質は、そのまま静置する。一方、ゲル物
質の乾燥は、40〜100℃、好ましくは45〜60℃
で20時間以上、好ましくは24〜48時間保持するこ
とにより実施される。また、ゲル物質の焼成は、ゲル物
質に含まれる有機物質(アルキルアミン、アルコキシド
の加水分解物残渣等)の蒸発点以上の温度、通常、20
0℃以上の温度、好ましくは450〜650℃の温度で
0.5〜24時間、好ましくは1〜6時間保持すること
によって実施される。焼成雰囲気としては、空気又は酸
素雰囲気が用いられる。また、本発明の場合、ゲル物質
の熟成は、40℃以上、好ましくは45〜60℃の温度
において、ゲル物質の乾燥と同時に行うこともできる。
さらに、本発明の場合、ゲル物質の熟成に先立ち、必要
に応じ、物質透明ゲルに水や有機溶剤を添加することが
できる。有機溶剤としては、メタノール、エタノール等
のアルコールや、アセトン等のケトン等の沸点範囲が4
5〜100℃、好ましくは50〜80℃の水溶性有機溶
剤が用いられる。このような物質の添加により、得られ
るMTMの比表面積や、細孔容積、細孔直径、底面間隔
等を変化させることができる。
ましくは2〜4日間保持することにより実施される。こ
の場合、ゲル物質は、そのまま静置する。一方、ゲル物
質の乾燥は、40〜100℃、好ましくは45〜60℃
で20時間以上、好ましくは24〜48時間保持するこ
とにより実施される。また、ゲル物質の焼成は、ゲル物
質に含まれる有機物質(アルキルアミン、アルコキシド
の加水分解物残渣等)の蒸発点以上の温度、通常、20
0℃以上の温度、好ましくは450〜650℃の温度で
0.5〜24時間、好ましくは1〜6時間保持すること
によって実施される。焼成雰囲気としては、空気又は酸
素雰囲気が用いられる。また、本発明の場合、ゲル物質
の熟成は、40℃以上、好ましくは45〜60℃の温度
において、ゲル物質の乾燥と同時に行うこともできる。
さらに、本発明の場合、ゲル物質の熟成に先立ち、必要
に応じ、物質透明ゲルに水や有機溶剤を添加することが
できる。有機溶剤としては、メタノール、エタノール等
のアルコールや、アセトン等のケトン等の沸点範囲が4
5〜100℃、好ましくは50〜80℃の水溶性有機溶
剤が用いられる。このような物質の添加により、得られ
るMTMの比表面積や、細孔容積、細孔直径、底面間隔
等を変化させることができる。
【0009】次に、本発明によるMTM合成原理につい
て説明する。このMTM合成原理は、界面活性剤の協調
的な規則的集合体である液晶型分子を鋳型とする方法
と、界面活性剤1分子を鋳型とする方法の2つのテンプ
レート効果を利用して合成する方法である。合成手順を
図1に従って説明する。すなわち、図1(a)に示す様
に、まず水中においてアルキルアミン1と水分子2とか
らなるミセル集合体と無機溶存種3との弱い水素結合に
よって”柔らかい”メソ集合体Aを形成させる。無機溶
存種3はSi−アルコキシドとTi−アルコキシドとの
混合相からなる。このようなメソ集合体Aは、前記した
ように、Si−アルコキシドとTi−アルコシキドとを
短時間撹拌した後、アルキルアミンと水との混合液(ア
ルキルアミンと水からなるミセルを含有する)を滴下す
る。この滴下操作終了後、5分以内でゲル比が始まり、
その形成過程において、図1(b)に示すようなメソ集
合体Aが基本的なマトリックスとなり、その中でアルキ
ルアミン1分子を鋳型としてその周りを無機溶存種3が
取り囲んだ構造体が透明なゲル物質Bとして得られる。
生成ゲル物質Bを熟成し、乾燥し、焼成することによ
り、アルキルアミン1と水分子2が除去された図1
(c)に示す均一な細孔径分布を有するマイクロポア4
が規則的に配列した高比表面積多孔体C(MTM)が得
られる。マイクロポア4の大きさ及びこのマイクロポア
4を取り囲むマトリックスの大きさは、アルキルアミン
分子のアルキル基の長さや、ゲル化あるいは熱成条件を
調整することによって制御可能である。この方法で作製
したMTMは、周期的に配列するマイクロ孔を有し、し
かも細孔径が容易にコントロール可能なことから、多孔
性チタノシリケートとしてこれまでにない新規多孔体と
して分類できる。また、このMTMは室温で合成でき、
熱的に安定であるばかりでなく、シリケート骨格中にT
i原子を最大約25モル%を含んでいることが大きな特
徴である。
て説明する。このMTM合成原理は、界面活性剤の協調
的な規則的集合体である液晶型分子を鋳型とする方法
と、界面活性剤1分子を鋳型とする方法の2つのテンプ
レート効果を利用して合成する方法である。合成手順を
図1に従って説明する。すなわち、図1(a)に示す様
に、まず水中においてアルキルアミン1と水分子2とか
らなるミセル集合体と無機溶存種3との弱い水素結合に
よって”柔らかい”メソ集合体Aを形成させる。無機溶
存種3はSi−アルコキシドとTi−アルコキシドとの
混合相からなる。このようなメソ集合体Aは、前記した
ように、Si−アルコキシドとTi−アルコシキドとを
短時間撹拌した後、アルキルアミンと水との混合液(ア
ルキルアミンと水からなるミセルを含有する)を滴下す
る。この滴下操作終了後、5分以内でゲル比が始まり、
その形成過程において、図1(b)に示すようなメソ集
合体Aが基本的なマトリックスとなり、その中でアルキ
ルアミン1分子を鋳型としてその周りを無機溶存種3が
取り囲んだ構造体が透明なゲル物質Bとして得られる。
生成ゲル物質Bを熟成し、乾燥し、焼成することによ
り、アルキルアミン1と水分子2が除去された図1
(c)に示す均一な細孔径分布を有するマイクロポア4
が規則的に配列した高比表面積多孔体C(MTM)が得
られる。マイクロポア4の大きさ及びこのマイクロポア
4を取り囲むマトリックスの大きさは、アルキルアミン
分子のアルキル基の長さや、ゲル化あるいは熱成条件を
調整することによって制御可能である。この方法で作製
したMTMは、周期的に配列するマイクロ孔を有し、し
かも細孔径が容易にコントロール可能なことから、多孔
性チタノシリケートとしてこれまでにない新規多孔体と
して分類できる。また、このMTMは室温で合成でき、
熱的に安定であるばかりでなく、シリケート骨格中にT
i原子を最大約25モル%を含んでいることが大きな特
徴である。
【0010】図2に、MTMのX線回折図を示す。この
回折図から、マトリックスが不規則的に配列していない
ことが確認される。また、Tiが酸化触媒能を発現する
ためには、シリケート骨格中のSiを同形置換し、Si
−O−Ti結合が形成される必要がある。この結合に伴
う赤外線分光スペクトルは960cm-1付近に存在する
ことが知られている。この振動領域にはSiOH結合に
起因するスペクトルが重なるため、MTMを400℃に
加熱してSi−OH振動の影響を除くと、Si−O−T
i結合に基づくスペクトルが960cm-1付近に観測さ
れることが確認された。またMTMを1000℃に加熱
すると、図2(ii)の様にTiの一部はシリケート骨
格から排除されるが、TiO2のX線回折ピーク強度は
極めて低い。したがって、赤外線分光スペクトル及びX
線回折結果は、MTM中のTiはシリケート骨格中のS
iを置換し、しかもTi−O−Ti結合を形成せずに、
Tiはシリケート骨格中に良く分散して存在しているこ
とを示している。図3に、MTMの窒素吸着等温線を示
す。このMTMの窒素吸着等温線は、図3の様にラング
ミュアー型で、そのt曲線はマイクロ孔多孔体に特有の
形状を示す。また、MTMの細孔径分布曲線を調べる
と、MTMの有する細孔の平均有効径は0.84nm
(図1(c))で、比較的シャープな分布をしている。
回折図から、マトリックスが不規則的に配列していない
ことが確認される。また、Tiが酸化触媒能を発現する
ためには、シリケート骨格中のSiを同形置換し、Si
−O−Ti結合が形成される必要がある。この結合に伴
う赤外線分光スペクトルは960cm-1付近に存在する
ことが知られている。この振動領域にはSiOH結合に
起因するスペクトルが重なるため、MTMを400℃に
加熱してSi−OH振動の影響を除くと、Si−O−T
i結合に基づくスペクトルが960cm-1付近に観測さ
れることが確認された。またMTMを1000℃に加熱
すると、図2(ii)の様にTiの一部はシリケート骨
格から排除されるが、TiO2のX線回折ピーク強度は
極めて低い。したがって、赤外線分光スペクトル及びX
線回折結果は、MTM中のTiはシリケート骨格中のS
iを置換し、しかもTi−O−Ti結合を形成せずに、
Tiはシリケート骨格中に良く分散して存在しているこ
とを示している。図3に、MTMの窒素吸着等温線を示
す。このMTMの窒素吸着等温線は、図3の様にラング
ミュアー型で、そのt曲線はマイクロ孔多孔体に特有の
形状を示す。また、MTMの細孔径分布曲線を調べる
と、MTMの有する細孔の平均有効径は0.84nm
(図1(c))で、比較的シャープな分布をしている。
【0011】本発明のMTMの物性を示すと、そのTi
含有率は3〜25モル%、好ましくは4〜20モル%で
ある。その底面間隔doolは3.0〜7.2nmであ
る。
含有率は3〜25モル%、好ましくは4〜20モル%で
ある。その底面間隔doolは3.0〜7.2nmであ
る。
【0012】
【実施例】次に、本発明を実施例によって更に具体的に
説明するが、本発明はこの実施例によって限定されな
い。
説明するが、本発明はこの実施例によって限定されな
い。
【0013】なお、MTMについての各種物性は以下の
ようにして測定された。 (1)底面間隔d001 測定装置として(株)リガク社製の商品名「RU30
0」を用いて測定。 (2)BET比表面積SBET(m2/g) 測定装置として日本ベル(株)社製の商品名「BELS
ORP28」を用いて測定(温度:−196℃)。 (3)比表面積Sint(m2/g) 測定装置として日本ベル(株)社製の商品名「BELS
ORP28」を用いて測定。 (4)細孔直径d(nm) 測定装置として日本ベル(株)社製の商品名「BELS
ORP28」を用いて測定。 (5)細孔容積(ml/g) 測定装置として日本ベル(株)社製の商品名「BELS
ORP28」を用いて測定。 また、TiとSiの重量分析はパーキンエルマーOpt
ima3000を用い、ICP法によった。
ようにして測定された。 (1)底面間隔d001 測定装置として(株)リガク社製の商品名「RU30
0」を用いて測定。 (2)BET比表面積SBET(m2/g) 測定装置として日本ベル(株)社製の商品名「BELS
ORP28」を用いて測定(温度:−196℃)。 (3)比表面積Sint(m2/g) 測定装置として日本ベル(株)社製の商品名「BELS
ORP28」を用いて測定。 (4)細孔直径d(nm) 測定装置として日本ベル(株)社製の商品名「BELS
ORP28」を用いて測定。 (5)細孔容積(ml/g) 測定装置として日本ベル(株)社製の商品名「BELS
ORP28」を用いて測定。 また、TiとSiの重量分析はパーキンエルマーOpt
ima3000を用い、ICP法によった。
【0014】実施例1 テトラエチルオルトシリケート(TEOS)とテトラエ
チルオルトチタネート(TEOT)をモル比5:0.8
で混合して15分間攪拌後、2.11molのオクチル
アミンと0.97molの水との混合溶液をゆっくり添
加しアルコキシドを部分的に加水分解させる(混合アル
コキシドと水との混合モル比は1:1である)。この混
合溶液は数分経過すると極めて透明で均質なゲルに変化
する。生成ゲル物質を3日間室温で熟成後、50℃で2
日間乾燥させ、最後に500℃で2時間加熱し、ゲル物
質中に含まれる有機化合物を除去してMTMを作製す
る。生成MTMのTi含有率及び比表面積等の細孔特性
を表1に示す。
チルオルトチタネート(TEOT)をモル比5:0.8
で混合して15分間攪拌後、2.11molのオクチル
アミンと0.97molの水との混合溶液をゆっくり添
加しアルコキシドを部分的に加水分解させる(混合アル
コキシドと水との混合モル比は1:1である)。この混
合溶液は数分経過すると極めて透明で均質なゲルに変化
する。生成ゲル物質を3日間室温で熟成後、50℃で2
日間乾燥させ、最後に500℃で2時間加熱し、ゲル物
質中に含まれる有機化合物を除去してMTMを作製す
る。生成MTMのTi含有率及び比表面積等の細孔特性
を表1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】実施例2 TEOSとTEOTをモル比5:1.1で混合して15
分間攪拌後、2.11molのオチルアミンと0.97
molの水との混合溶液をゆっくり添加しアルコキシド
を部分的に加水分解させる(混合アルコキシドと水との
混合モル比は1:1である)。この混合溶液は数分経過
すると極めて透明で均質なゲルに変化する。生成ゲル物
質(ゲルA)を3日間室温で熱成後、50℃で2日問乾
燥させ、最後に500℃で2時間加熱し、有機化合物を
除去してMTMを作製する。生成MTMのTi含有率及
び比表面積等の細孔特性を表2に示す。
分間攪拌後、2.11molのオチルアミンと0.97
molの水との混合溶液をゆっくり添加しアルコキシド
を部分的に加水分解させる(混合アルコキシドと水との
混合モル比は1:1である)。この混合溶液は数分経過
すると極めて透明で均質なゲルに変化する。生成ゲル物
質(ゲルA)を3日間室温で熱成後、50℃で2日問乾
燥させ、最後に500℃で2時間加熱し、有機化合物を
除去してMTMを作製する。生成MTMのTi含有率及
び比表面積等の細孔特性を表2に示す。
【0017】
【表2】
【0018】実施例3TEOSとTEOTをモル比5:
1.3で混合して15分間境枠後、2.11molのオ
チルアミンと0.97molの水との混合溶液をゆっく
り添加しアルコキシドを部分的に加水分解させる(混合
アルコキシドと水との混合モル比は1:1である)。こ
の混合溶液は数分経過すると極めて透明で均質なゲルに
変化する。生成ゲル物質を3日間室温で熱成後、50℃
で2日間乾燥させ、最後に500℃で2時間加熱し有機
化合物を除去してMTMを作製する。生成MTMのTi
含有率及び比表面積等の細孔特性を表3に示す。
1.3で混合して15分間境枠後、2.11molのオ
チルアミンと0.97molの水との混合溶液をゆっく
り添加しアルコキシドを部分的に加水分解させる(混合
アルコキシドと水との混合モル比は1:1である)。こ
の混合溶液は数分経過すると極めて透明で均質なゲルに
変化する。生成ゲル物質を3日間室温で熱成後、50℃
で2日間乾燥させ、最後に500℃で2時間加熱し有機
化合物を除去してMTMを作製する。生成MTMのTi
含有率及び比表面積等の細孔特性を表3に示す。
【0019】
【表3】
【0020】実施例4 実施例2のゲルAを熟成するに先だって9molの水を
添加後、5分間攪拌して得られたゲル物質を3日間室温
で熟成後、50℃で2日間乾燥させ、最後に500℃で
2時間加熱し有機化合物を除去してMTMを作製する。
生成MTMのTi含有率及び比表面積等の細孔特性を表
4に示す。
添加後、5分間攪拌して得られたゲル物質を3日間室温
で熟成後、50℃で2日間乾燥させ、最後に500℃で
2時間加熱し有機化合物を除去してMTMを作製する。
生成MTMのTi含有率及び比表面積等の細孔特性を表
4に示す。
【0021】
【表4】
【0022】実施例5 実施例2のゲルAを熟成するに先だって18molの水
を添加後、5分間攪拌して得られたゲル物質を3日間室
温で熟成後、50℃で2日間乾燥させ、最後に500℃
で2時問加熱し有機化合物を除去してMTMを作製す
る。生成MTMのTi含有率及び比表面積等の細孔特性
を表5に示す。
を添加後、5分間攪拌して得られたゲル物質を3日間室
温で熟成後、50℃で2日間乾燥させ、最後に500℃
で2時問加熱し有機化合物を除去してMTMを作製す
る。生成MTMのTi含有率及び比表面積等の細孔特性
を表5に示す。
【0023】
【表5】
【0024】実施例6 実施例2のゲルAを熟成するに先だって6molのエタ
ノールを添加後、5分間攪拌して得られたゲル物質を3
日間室温で熟成後、50℃で2日間乾燥させ、最後に5
00℃で2時間加熱し有機化合物を除去してMTMを作
製する。生成MTMのTi含有率及び比表面積等の細孔
特性を表6に示す。
ノールを添加後、5分間攪拌して得られたゲル物質を3
日間室温で熟成後、50℃で2日間乾燥させ、最後に5
00℃で2時間加熱し有機化合物を除去してMTMを作
製する。生成MTMのTi含有率及び比表面積等の細孔
特性を表6に示す。
【0025】
【表6】
【0026】実施例7 実施例2のゲルAを室温で熟成することなく、直接50
℃で2日間熟成・乾燥させた後、500℃で2時間加熱
し有機化合物を除去してMTMを作製する。生成MTM
のTi含有率及び比表面積等の細孔特性を表7に示す。
℃で2日間熟成・乾燥させた後、500℃で2時間加熱
し有機化合物を除去してMTMを作製する。生成MTM
のTi含有率及び比表面積等の細孔特性を表7に示す。
【0027】
【表7】
【0028】実施例8 実施例2のゲルAを室温で熟成することなく、直接10
0℃で2日間熟成・乾燥させた後、500℃で2時間加
熱し有機化合物を除去してMTMを作製する。生成MT
MのTi含有率及び比表面積等の細孔特性を表8に示
す。
0℃で2日間熟成・乾燥させた後、500℃で2時間加
熱し有機化合物を除去してMTMを作製する。生成MT
MのTi含有率及び比表面積等の細孔特性を表8に示
す。
【0029】
【表8】
【0030】実施例9 実施例2のゲルAを室温で熱成することなく、直接15
0℃で2日間熟成・乾燥させた後、500℃で2時間加
熱し有機化合物を除去してMTMを作製する。生成MT
MのTi含有率及び比表面積等の細孔特性を表9に示
す。
0℃で2日間熟成・乾燥させた後、500℃で2時間加
熱し有機化合物を除去してMTMを作製する。生成MT
MのTi含有率及び比表面積等の細孔特性を表9に示
す。
【0031】
【表9】
【0032】実施例10 TEOSとTEOTをモル比5:1で混合して15分間
攪拌後、2.11molのデシルアミンと0.97mo
lの水との混合溶液をゆっくり添加しアルコキシドを部
分的に加水分解させる(混合アルコキシドと水との混合
モル比は1:1である)。この混合溶液は数分経過する
と極めて透明で均質なゲルに変化する。生成ゲル物質
(ゲルB)を3日間室温で熟成後、50℃で2日間乾燥
させ、最後に500℃で2時間加熱し有機化合物を除去
してMTMを作製する。生成MTMのTi含有率及び比
表面積等の細孔特性を表10に示す。
攪拌後、2.11molのデシルアミンと0.97mo
lの水との混合溶液をゆっくり添加しアルコキシドを部
分的に加水分解させる(混合アルコキシドと水との混合
モル比は1:1である)。この混合溶液は数分経過する
と極めて透明で均質なゲルに変化する。生成ゲル物質
(ゲルB)を3日間室温で熟成後、50℃で2日間乾燥
させ、最後に500℃で2時間加熱し有機化合物を除去
してMTMを作製する。生成MTMのTi含有率及び比
表面積等の細孔特性を表10に示す。
【0033】
【表10】
【0034】実施例11 実施例10のゲルBを熟成するに先だって6molのエ
タノールを添加後、5分間攪拌して得られたゲル物質を
3日間室温で熟成後、50℃で2日間乾燥させ、最後に
500℃で2時間加熱し有機化合物を除去してMTMを
作製する。生成MTMのTi含有率及び比表面積等の細
孔特性を表11に示す。
タノールを添加後、5分間攪拌して得られたゲル物質を
3日間室温で熟成後、50℃で2日間乾燥させ、最後に
500℃で2時間加熱し有機化合物を除去してMTMを
作製する。生成MTMのTi含有率及び比表面積等の細
孔特性を表11に示す。
【0035】
【表11】
【0036】実施例12 TEOSとTEOTをモル比5:1で混合して15分間
攪拌後、2.11molのドデシルアミンと0.97m
olの水との混合溶液をゆっくり添加しアルコキシドを
部分的に加水分解させる(混合アルコキシドと水との混
合モル比は1:1である)。この混合溶液は数分経過す
ると極めて透明で均質なゲルに変化する。生成ゲル物質
(ゲルC)を3日間室温で熱成後、50℃で2日間乾燥
させ、最後に500℃で2時間加熱し有機化合物を除去
してMTMを作製する。生成MTMのTi含有率及び比
表面積等の細孔特性を表12に示す。
攪拌後、2.11molのドデシルアミンと0.97m
olの水との混合溶液をゆっくり添加しアルコキシドを
部分的に加水分解させる(混合アルコキシドと水との混
合モル比は1:1である)。この混合溶液は数分経過す
ると極めて透明で均質なゲルに変化する。生成ゲル物質
(ゲルC)を3日間室温で熱成後、50℃で2日間乾燥
させ、最後に500℃で2時間加熱し有機化合物を除去
してMTMを作製する。生成MTMのTi含有率及び比
表面積等の細孔特性を表12に示す。
【0037】
【表12】
【0038】実施例13 実施例12のゲルCを熟成するに先だって6molの工
タノールを添加後、5分間攪拌して得られたゲル物質を
3日間室温で熟成後、50℃で2日間乾燥させ、最後に
500℃で2時間加熱し有機化合物を除去してMTMを
作製する。生成MTMのTi含有率及び比表面積等の細
孔特性を表13に示す。
タノールを添加後、5分間攪拌して得られたゲル物質を
3日間室温で熟成後、50℃で2日間乾燥させ、最後に
500℃で2時間加熱し有機化合物を除去してMTMを
作製する。生成MTMのTi含有率及び比表面積等の細
孔特性を表13に示す。
【0039】
【表13】
【0040】実施例14 実施例2のゲルAをを3日間室温で熟成後、50℃で2
日間乾燥させ、最後に600℃で2時間加熱し有機化合
物を除去してMTMを作製する。生成MTMのTi含有
率及び比表面積等の細孔特性を表14に示す。
日間乾燥させ、最後に600℃で2時間加熱し有機化合
物を除去してMTMを作製する。生成MTMのTi含有
率及び比表面積等の細孔特性を表14に示す。
【0041】
【表14】
【0042】実施例15 実施例2のゲルAをを3日間室温で熟成後、50℃で2
日間乾燥させ、最後に700℃で2時間加熱し有機化合
物を除去してMTMを作製する。生成MTMのTi含有
率及び比表面積等の細孔特性を表15に示す。
日間乾燥させ、最後に700℃で2時間加熱し有機化合
物を除去してMTMを作製する。生成MTMのTi含有
率及び比表面積等の細孔特性を表15に示す。
【0043】
【表15】
【0044】
【発明の効果】本発明の多孔性チタノシリケートMTM
は、TiのSi置換率が25モル%まで自由にコントロ
ール可能であり、しかもTiが高比表面積担体に高分散
で担持した酸化触媒として有用である。さらに適当な径
の細孔を多数有していることから形状選択能を発揮して
効率的に種々の有用あるいは有害な分子、イオンをトラ
ップすることができる。したがって、工業及び環境保全
の両面で有用な反応に対して優れた酸化触媒能を有す
る。また、本発明の多孔性チタノシリケートの製造方法
は、マイクロ孔ばかりでなくメソ孔を有するチタノシリ
ケートの製造や、中間体として得られる均質なTi及び
Siアルコキシド溶液や透明ゲルを作製できることか
ら、多孔性チタノシリケート薄膜や繊維の製造にも応用
可能である。さらにTi以外、例えばZr等のアルコキ
シドを利用して種々のマクロ形態を有する新規多孔性物
質を製造することが可能と考えられる。
は、TiのSi置換率が25モル%まで自由にコントロ
ール可能であり、しかもTiが高比表面積担体に高分散
で担持した酸化触媒として有用である。さらに適当な径
の細孔を多数有していることから形状選択能を発揮して
効率的に種々の有用あるいは有害な分子、イオンをトラ
ップすることができる。したがって、工業及び環境保全
の両面で有用な反応に対して優れた酸化触媒能を有す
る。また、本発明の多孔性チタノシリケートの製造方法
は、マイクロ孔ばかりでなくメソ孔を有するチタノシリ
ケートの製造や、中間体として得られる均質なTi及び
Siアルコキシド溶液や透明ゲルを作製できることか
ら、多孔性チタノシリケート薄膜や繊維の製造にも応用
可能である。さらにTi以外、例えばZr等のアルコキ
シドを利用して種々のマクロ形態を有する新規多孔性物
質を製造することが可能と考えられる。
【図1】本発明の多孔性チタノシリケート(MTM)の
生成過程を示す模式図である。
生成過程を示す模式図である。
【図2】500℃と1000℃で加熱処理した本発明の
MTMの粉末X線回折図である。
MTMの粉末X線回折図である。
【図3】500℃で加熱処理した本発明のMTMの窒素
吸着等温線である。
吸着等温線である。
Claims (4)
- 【請求項1】 シリカ骨格中のSiの3〜25モル%を
Tiで同形置換した構造を有する多孔性チタノシリケー
ト。 - 【請求項2】 請求項1の多孔性チタノシリケートを製
造する方法において、Si−アルコキシドとTi−アル
コキシドとをモル比1:0.02〜0.27で混合した
アルコキシド混合物に、アルキルアミンと水との混合液
を、アルコキシド1モル当り、水0.5〜1.5モルの
割合で滴下混合し、得られた均質透明ゲルを熟成し、乾
燥し、次いで焼成することを特徴とする前記方法。 - 【請求項3】 物質透明ゲルに水及び/又は有機溶剤を
混合して熟成し、乾燥し、焼成する請求項2の方法。 - 【請求項4】 Si−アルコキシドとTi−アルコキシ
ドとをモル比1:0.02〜0.27で混合したアルコ
キシド混合物に、液状アルキルアミンと水との混合液
を、アルコキシド1モル当り、水0.5〜1.5モルの
割合で滴下混合することにより得られる均質透明ゲル。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15807397A JP3174829B2 (ja) | 1997-05-30 | 1997-05-30 | 多孔性チタノシリケート及びその製造方法 |
US09/045,700 US5958369A (en) | 1997-05-30 | 1998-03-23 | Titanium-containing porous silica and process of preparing same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15807397A JP3174829B2 (ja) | 1997-05-30 | 1997-05-30 | 多孔性チタノシリケート及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10330111A true JPH10330111A (ja) | 1998-12-15 |
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Family
ID=15663714
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15807397A Expired - Lifetime JP3174829B2 (ja) | 1997-05-30 | 1997-05-30 | 多孔性チタノシリケート及びその製造方法 |
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Country | Link |
---|---|
US (1) | US5958369A (ja) |
JP (1) | JP3174829B2 (ja) |
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EP1491498A1 (en) * | 2002-02-28 | 2004-12-29 | Japan Science and Technology Agency | Titania nanosheet alignment thin film, process for producing the same and article including the titania nanosheet alignment thin film |
US8408216B2 (en) * | 2004-12-22 | 2013-04-02 | Philip Morris Usa Inc. | Flavor carrier for use in smoking articles |
ITMI20072342A1 (it) * | 2007-12-14 | 2009-06-15 | Polimeri Europa Spa | Processo per preparare zeoliti ts-1 |
EP2092980A1 (en) * | 2008-02-22 | 2009-08-26 | ExxonMobil Research and Engineering Company | Aromatic hydrogenation catalysts comprising Ti-MCM-41 and platinum group metals and aromatic hydrogenation process |
US10954393B2 (en) * | 2016-05-17 | 2021-03-23 | University Of South Carolina | Tunable nanomaterials by templating from kinetically trapped polymer micelles |
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---|---|---|---|---|
IT1127311B (it) * | 1979-12-21 | 1986-05-21 | Anic Spa | Materiale sintetico,cristallino,poroso costituito da ossidi di silicio e titanio,metodo per la sua preparazione e suoi usi |
EP0292363B1 (fr) * | 1987-05-22 | 1993-04-21 | Rhone-Poulenc Chimie | Zéolites de structures MFI à base de silice et d'oxyde de titane et procédé de synthèse de celles-ci |
US4853202A (en) * | 1987-09-08 | 1989-08-01 | Engelhard Corporation | Large-pored crystalline titanium molecular sieve zeolites |
US5102643A (en) * | 1990-01-25 | 1992-04-07 | Mobil Oil Corp. | Composition of synthetic porous crystalline material, its synthesis |
ES2092428B1 (es) * | 1993-06-15 | 1997-08-01 | Univ Valencia Politecnica | Material de estructura tipo zeolita de poros ultragrandes con un red constituida por oxidos de silicio y titanio; su sintesis y utilizacion para la oxidacion selectiva de productos organicos. |
US5374747A (en) * | 1993-12-23 | 1994-12-20 | Arco Chemical Technology, L.P. | Epoxidation process and catalyst therefore |
US5712402A (en) * | 1994-08-22 | 1998-01-27 | Board Of Trustees Operating Michigan State University | Catalytic applications of mesoporous metallosilicate molecular sieves and methods for their preparation |
US5795555A (en) * | 1994-11-24 | 1998-08-18 | Alive; Keshavaraja | Micro-meso porous amorphous titanium silicates and a process for preparing the same |
-
1997
- 1997-05-30 JP JP15807397A patent/JP3174829B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
1998
- 1998-03-23 US US09/045,700 patent/US5958369A/en not_active Expired - Fee Related
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JP2005001981A (ja) * | 2003-05-21 | 2005-01-06 | Fuso Chemical Co Ltd | 金属微粒子分散体及びその製造方法 |
JP2008230876A (ja) * | 2007-03-19 | 2008-10-02 | Toyota Central R&D Labs Inc | メソ孔及びマイクロ孔を有する金属酸化物多孔体の製造方法、メソ孔及びマイクロ孔を有する金属酸化物多孔体及びそれを用いたガス浄化材料 |
JP2013530924A (ja) * | 2010-07-20 | 2013-08-01 | カウンスィル オブ サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ | 規則性メソポーラスチタノケイ酸塩およびその調製のための方法 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3174829B2 (ja) | 2001-06-11 |
US5958369A (en) | 1999-09-28 |
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