JPH07300312A - メソポアチタノシリケートおよびその合成方法 - Google Patents

メソポアチタノシリケートおよびその合成方法

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JPH07300312A
JPH07300312A JP21514894A JP21514894A JPH07300312A JP H07300312 A JPH07300312 A JP H07300312A JP 21514894 A JP21514894 A JP 21514894A JP 21514894 A JP21514894 A JP 21514894A JP H07300312 A JPH07300312 A JP H07300312A
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mesopoitatanosilicate
titanium
titanosilicate
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JP21514894A
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Takashi Tatsumi
敬 辰巳
Kenichi Watanabe
憲一 渡辺
Yoshiyuki Onda
義幸 恩田
Hideaki Tsuneki
英昭 常木
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、メソポア領域に細孔を持ち比表面
積が大きく触媒として有用であり、特に従来触媒作用を
期待できない大きな分子径の物質に対する触媒として有
用なチタノシリケートおよびその合成方法を提供するも
のである。 【構成】 熱処理後の粉末X線回折パターンの少なくと
も1つのピークが1.8nmより大きい面間隔を有する
ことで特徴づけられ、ケイ素/チタン原子比が30〜1
000であるチタノシリケートを、チタン源としてチタ
ンアルコキシドを用い、溶媒として炭素数1〜6のアル
コールもしくはジオール、または水を用い、特定の有機
テンプレート剤をケイ素1モルあたり、0.1〜10モ
ルを用いて水熱合成によって結晶化させて合成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、メソポア領域に細孔を
持つ多孔性のメソポアチタノシリケートおよびその合成
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】チタノシリケートは構成金属元素がチタ
ンとケイ素だけからなっているものとしてはMFI構造
(いわゆるZSM−5類似構造)のTS−1、MFL構
造(いわゆるZSM−11類似構造)のTS−2などが
知られている(特公平1−42889号)。構成元素と
してアルミニウムが混在しているものではβ型が知られ
ている(特開平2−6323号、特開平2−4455
号)。これらのチタノシリケートは、対応するアルミノ
シリケートと類似の構造を持ち、かつチタンがアルミニ
ウムの代わりに構成元素として結晶格子中に含まれてい
るのでチタン元素特有の触媒性質を示し、過酸化水素を
酸化剤に用いたエポキシ化などの液相酸化反応などに使
用されている(Studies in Surface Science and Catal
ysis ,37巻,413頁,1987)。同時に分子篩と
しての形状選択性を持つので、分子の大きさを認識した
酸化反応が可能であることが明らかにされている(触媒
研究発表会,3D06,3D07,長崎,1989)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、形状選択性が
逆に作用し不都合を生じる場合がある。すなわち、TS
−1やβ型のゼオライト構造では比較的細孔径が大きい
β型でも0.7nm程度である。このため分子径の大き
な分子が細孔内に入り込むのが困難であるか、入り込め
ても細孔内部での拡散速度が極めて小さくなるので、分
子径の大きな分子を反応原料や生成物とする反応の触媒
として用いることは実質的に不可能であった。例えばT
S−1を触媒に用いると直鎖のオレフィンである2−ヘ
キセンは酸化されるが、同じ炭素数の環状オレフィンで
ある分子径の大きいシクロヘキセンは、酸化されにくく
形状選択性が現れていると考えられる。
【0004】近年、メソポア領域に細孔を持つシリカラ
イトやアルミノシリケートが合成されたことが相次いで
報告されている。層状ポリケイ酸塩の一種であるカネマ
イト(NaHSi2 5 ・3H2 O)をアルキルトリメ
チルアンモニウムでイオン交換し700℃で熱処理する
ことにより、均一な細孔径を有したメソポアシリカライ
ト多孔体を合成している。ここでは、アルキルトリメチ
ルアンモニウムのアルキル鎖長を変えることにより、細
孔径を1nm〜4nmの範囲で変化させることができる
ことが報告されている(Bulltin of Chemical Society
of Japan,63巻,988頁,1990)。また、MC
M−41と称される規則的な六方格子構造メソポアシリ
カライトの合成や類似構造のM41Sと称されるメソポ
アシリケートの合成が報告されている(特表開平5−5
03499号、Journal of American Chemical Societ
y,114巻,10834頁,1992)。MCM−4
1タイプでは、結晶格子中に取り込まれているかどうか
は明らかではないが、仕込み原料として、アルミニウ
ム、コバルト、ニッケルなども用いることができること
が開示されている。カネマイトからも規則的な六方格子
構造のメソポアシリケート(MPS−16)が合成でき
ることも報告されている(Journal of ChemicalSociety
, Chemical Communication ,No8,680頁,199
3)。MPS−16に異種の金属としてアルミニウムを
取り込ませることが可能であることがごく最近報告され
ている(第9回ゼオライト研究発表会,B9,鳥取, 1
993)。アルミニウムの格子への組み込み方は、シリ
ケート/ヘキサデシルトリメチルアンモニウム複合体を
塩化アルミニウム水溶液に浸漬し、撹拌、乾燥、700
℃熱処理する方法である。しかし、これらの例ではチタ
ンをその構成元素として結晶中に取り込むことについて
は報告されていない。
【0005】本発明者は、メソポア領域に細孔を持つ非
層状のシリカライト構造の結晶格子中にチタンを構成元
素として組み込むことを鋭意検討した結果、メソポア型
チタノシリケートおよびその合成方法を見いだし本発明
を完成した。すなわち本発明の目的は、触媒として有用
なメソポア領域に細孔を持ち比表面積が大きく従来触媒
作用を期待できない大きな分子径の物質に対する触媒と
して有用なチタノシリケート、およびその合成方法を提
供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱処理後の粉
末X線回折パターンの少なくとも1つのピークが1.8
nmより大きい面間隔を有し、チタン1に対するケイ素
の原子比が30〜1000であることを特徴とするメソ
ポアチタノシリケートである。
【0007】また本発明の他の発明は、チタン化合物と
ケイ素化合物とを反応させてメソポアチタノシリケート
を合成するに際し、該チタン化合物としてチタニウムア
ルコキシドを用い、溶媒として炭素数1〜6のアルコー
ルもしくはジオール、または水を用い、仕込みのチタン
1に対するケイ素の原子比が30〜1000であり、下
記一般式(1) R1234+ ・・・(1) (式中、R1 は炭素数8〜36のアルキル基、アリール
基、アリールアルキル基であり、R2 、R3 、R4 は炭
素数1〜10のアルキル基または水素であり、Q+ は窒
素またはリンである)で表される有機テンプレート剤
を、ケイ素1モルあたり、0.1〜10モルを用いて水
熱合成によって結晶化させることを特徴とするメソポア
チタノシリケートの合成方法である。
【0008】
【作用】本発明のメソポアチタノシリケートは、熱処理
後の粉末X線回折パターンの少なくとも1つのピークが
1.8nmより大きい面間隔を有するものである。本発
明のメソポアチタノシリケートは、結晶性が良く非層状
構造になれば、熱処理後の粉末X線回折パターンの主ピ
ークの面間隔が1.8nmより大きく、次に面間隔の大
きいピークの面間隔が0.9nm以上に現れるものであ
る。
【0009】なお前記熱処理は、物質中のテンプレート
剤などを除去できる条件で行えば良く、通常、空気中で
300〜800℃、好ましくは400〜700℃で1〜
100時間行う。
【0010】本発明のメソポアチタノシリケートは、直
径が1.3nm〜20nmの細孔を有し、比表面積が5
00m2 /g以上である。
【0011】また本発明のメソポアチタノシリケート
は、結晶性を良くするためには、テンプレート剤の炭素
鎖長を20以下にし、形成される細孔径を5nm以下、
特に1.3nm〜5nmの範囲にすることが好ましい。
このときシリケート壁の厚みは、1〜2層となり、比表
面積も1000m2/gとなるものである。前記細孔径
を5nmより大きくすると、結晶性が悪化しまたシリケ
ート壁の厚みが増し、比表面積が低下してしまうもので
ある。
【0012】本発明のメソポアチタノシリケートは、チ
タン1に対するケイ素の原子比が30〜1000であ
り、好ましくは40〜500であり、さらに好ましくは
50〜200である。チタンをケイ素に対してこの範囲
より多く入れすぎると、結晶性が悪くなったり、結晶格
子に取り込まれないチタンが酸化チタンとなってしまう
などの問題がある。逆に、チタンの量をこの範囲より少
なくすると、活性点の密度が極端に小さくなって触媒活
性が低下する問題がある。
【0013】本発明のメソポアチタノシリケートは、例
えば、ケイ素源(水ガラス、シリカ、ケイ素のアルコキ
シドなど)とチタンのアルコキシドを原料とし、溶媒と
して炭素数1〜6のアルコールもしくはジオール、また
は水を用い、下記一般式(1) R1234+ ・・・(1) (式中、R1 は炭素数8〜36のアルキル基、アリール
基またはアリールアルキル基であり、R2 、R3 、R4
は炭素数1〜10のアルキル基または水素であり、Q+
は窒素またはリンである)で表される有機テンプレート
剤を用いて水熱合成によって結晶化させて合成する本発
明の合成方法が挙げられる。
【0014】本発明の合成方法に用いるチタン化合物と
しては、チタンのアルコキシドが用いられ、具体的には
チタニウムテトラエトキシド、チタニウムテトライソプ
ロポキド、チタニウムテトラn−ブトキシド、チタニウ
ムテトラキス−2−エチルヘキソキシドなどが用いられ
る。作業性、加水分解速度などの面から、アルキル鎖長
は炭素数で20程度までが好ましい。
【0015】本発明のメソポアチタノシリケートの合成
に際して、仕込みのチタン1に対するケイ素の原子比は
30〜1000であり、好ましくは40〜500であ
り、さらに好ましくは50〜200である。チタンをケ
イ素に対してあまり多く入れすぎると、水熱合成におい
て結晶性が悪くなったり、結晶格子に取り込まれないチ
タンが酸化チタンとなってしまうなどの問題がある。逆
に、チタンの量をあまり少なくすると、活性点の密度が
極端に小さくなって触媒活性が低下する問題がある。
【0016】本発明の合成方法に用いるケイ素化合物と
しては、水ガラス、コロイダルシリカ、フュームドシリ
カおよびケイ素のアルコキシドからなる群より選ばれる
少なくとも1種が用いられる。アルカリを含まないケイ
素化合物(コロイダルシリカ、フュームドシリカ、ケイ
素のアルコキシドなど)を用いると不純物の酸化チタン
などができにくく、結晶中にチタンが取り込まれやすい
ので合成が容易になる。特にケイ素のアルコキシドを用
いると結晶性が良く、結晶格子外の不純物酸化チタンの
少ないチタノシリケートが得られ好ましい。コロイダル
シリカとしては、市販のシリカゾル[日産化学(株)製
のスノーテックスなど]が使用できる。フュームドシリ
カとしては、やはり市販超微粒子状無水シリカ[日本ア
エロジル(株)製アエロジルシリカなど]を用いること
ができる。コロイダルシリカやフュームドシリカを用い
る場合は水熱合成時に過酸化水素を共存させると結晶性
の良いチタノシリケートが得られ好ましい。また、ケイ
素のアルコキシドとしてはオルトケイ酸メチル、オルト
ケイ酸エチル、オルトケイ酸イソプロピルなどが使用で
きる。アルキル基の鎖長があまり長くなると加水分解速
度が遅くなりすぎるので炭素数で10以下が好ましい。
【0017】本発明の合成方法に用いる溶媒としては、
炭素数1〜6のアルコールもしくはジオール、または水
を用いることができる。アルコール、ジオールとしては
メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロ
パノール、1−ブタノール、エチレングリコールなどを
用いることができる。加水分解を完結させる必要がある
ので水はケイ素、チタンのアルコキシドの加水分解に必
要な量以上、好ましくは2倍モル以上加える。
【0018】本発明の合成方法における水熱合成に先立
って、溶媒として加えたアルコールなどの有機溶媒は、
加熱留去して取り除くことができる。
【0019】本発明の合成方法における結晶化の際に用
いる有機テンプレート剤としては、下記一般式(1) R1234+ ・・・(1) (式中、R1 は炭素数8〜36のアルキル基、アリール
基またはアリールアルキル基であり、R2 、R3 、R4
は炭素数1〜10のアルキル基でまたは水素であり、Q
+ は窒素またはリンである)で表される4級カチオンが
良い。具体的にはデシルトリメチルアンモニウム、ドデ
シルテトリメチルアンモニウム、テトラデシルトリメチ
ルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウ
ム、ヘキサデシルトリメチルホスホニウム、オクタデシ
ルトリメチルアンモニウム、オクタデシルトリメチルホ
スホニウム、ジメチルジデシルアンモニウム、ヘキサデ
シルジメチルアンモニウムなどが用いられる。前記一般
式(1)のR1 の炭素数を変えることによって、細孔径
を制御することができる。前記一般式(1)のQ+ は、
実用上からは窒素であるものが便利に使用できる。カチ
オンの対アニオンは、水酸イオン、ハロゲンイオンなど
が用いられる。通常は原料アルコキシドが加水分解を起
こすように仕込みの原料混合物のpHは9以上にするこ
とが多いので、テンプレート剤の対イオンの一部は水酸
イオンにすることが多い。原料に水ガラスを用いない場
合や水酸イオンが全くない場合は、補助的な有機テンプ
レート剤としてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド
やテトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロ
ピルアンモニウムヒドロキシドなどの4級アンモニウム
ヒドロキシドを追加で用いてpHを9以上にすることが
できる。また水熱合成の際の原料混合物のpHを10以
上13未満の範囲に調整すると、結晶性の良いチタノシ
リケートを得ることができ更に好ましい。
【0020】原料のケイ素1モルに対する有機テンプレ
ート剤は好ましくは0.1〜10モル、好ましくは0.
2〜5モル用いる。有機テンプレート剤が少なすぎる
と、結晶化が円滑に進行せず、また多すぎても高価なテ
ンプレート剤が無駄である。他の条件にもよるが、原料
のケイ素1モルに対する有機テンプレート剤を0.4〜
1.5モル程度用いると六方晶系の構造を持つチタノシ
リケートが生成しやすく、0.7〜3モル程度用いる
と、立方晶系の構造を持つチタノシリケートが生成しや
すい。
【0021】本発明の合成方法における水熱合成は、一
般に50〜200℃、好ましくは70〜170℃の温度
に1〜300時間保持することで行う。得られた結晶性
物質はろ過水洗後、空気中で300〜800℃、好まし
くは400〜700℃で熱処理を1〜100時間行うこ
とにより、有機テンプレート剤などを除去してから触媒
などに用いる。
【0022】得られた結晶性物質の同定は、粉末X線回
折、BET法比表面積測定、窒素吸着による細孔径分布
測定、ICP発光分析による元素分析によって行うこと
ができる。
【0023】
【実施例】以下、実施例でさらに本発明を詳しく説明す
る。
【0024】実施例1 メソポアチタノシリケートの調製例を示す。
【0025】窒素気流下、氷冷しながら、オルトケイ酸
エチル52g(0.25mol)にチタニウムテトラブ
トキシド1.06gを2−プロパノール10gで希釈し
た溶液を10分かけてゆっくりと滴下し、その後1時間
撹拌を続けた。次にヘキサデシルトリメチルアンモニウ
ム(アニオンは水酸イオン:臭素イオン=3:7)0.
25molをイオン交換水209gに溶解した水溶液を
30分かけてゆっくりと滴下した。そのまま撹拌を続
け、1時間後に温度を約80℃に上げ、約5時間アルコ
ールの留去を行った。その後、テフロン容器に移し、1
00℃で144時間水熱合成を行い、ろ過洗浄、乾燥
し、540℃の条件で12時間空気中で熱処理を行っ
た。
【0026】使用した原料のモル比は、 Si:Ti:ヘキサデシルトリメチルアンモニウム(テ
ンプレート剤):水=1:1/80:1:46.4 であった。
【0027】得られたメソポアチタノシリケートの同定
例を示す。
【0028】調製後のチタノシリケートの結晶構造解析
はCuKα線を用いた粉末X線回折によった。組成比は
一旦フッ酸に溶解させ、ICP発光分析で決定した。比
表面積と細孔径分布は島津製作所製のASAP2000
によって測定した。
【0029】粉末X線回折パターンは図1に、細孔径分
布は図2に示した。面間隔1.8nmはCuKα線での
2θでは約4.9°に相当し、2θがこれより小さくな
ると面間隔は1.8nmより大きいことになる。図1に
示すように2θは2.6〜2.7°なので面間隔は3.
2〜3.4nmであった。細孔径は2.6nm、比表面
積は1042m2 /g、Si/Ti比は83であった。
【0030】実施例2 窒素気流下、氷冷しながら、オルトケイ酸エチル52g
(0.25mol)にヘキサデシルトリメチルアンモニ
ウムヒドロキシド25重量%メタノール溶液90.5g
を滴下した。続いてチタニウムテトラブトキシド1.0
6gを2−プロパノール10gで希釈した溶液を10分
かけてゆっくりと滴下し、その後1時間撹拌を続けた。
次にヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド0.
175molをイオン交換水209gに溶解した水溶液
を30分でゆっくりと滴下した。そのまま撹拌を続け、
1時間後に温度を約80℃に上げ、約5時間アルコール
の留去を行った。その後、実施例1と同様に、水熱合
成、ろ過洗浄、乾燥、熱処理を行った。
【0031】使用した原料のモル比は、 Si:Ti:ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロ
ミド(テンプレート剤):水=1:1/80:1:4
6.4 であった。
【0032】粉末X線回折パターンは図3に示した。細
孔径は2.5nm、比表面積は1103m2 /g、Si
/Ti比は88であった。
【0033】実施例3 窒素気流下、室温で水ガラス(SiO2 :28重量%)
18.7g(Si:0.1mol)とイオン交換水40
g、硫酸1.2gを混合し、10分撹拌した後、チタニ
ウムテトラブトキシドを0.425g(1.25mmo
l)を2−プロパノール10gで希釈した溶液を10分
かけてゆっくり滴下した。さらに10分間撹拌し、ヘキ
サデシルトリメチルアンモニウムブロミド16.77g
(0.05mol)をイオン交換水50.23gに溶解
して加えた。そのまま30分間撹拌を続け、イオン交換
水20gを加え、実施例1と同様に、水熱合成、ろ過洗
浄、乾燥、熱処理を行った。
【0034】使用した原料のモル比は、 Si:Ti:ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロ
ミド(テンプレート剤):水=1:1/80:0.5:
43.7 であった。
【0035】粉末X線回折パターンは図4に示した。比
表面積は1041m2 /g、Si/Ti比は65であっ
た。
【0036】実施例4 窒素気流下、オルトケイ酸テトラエチル81.1g
(0.39mol)にチタニウムテトラブトキシド1.
3gを攪拌しながらゆっくり滴下し、その後温度を約8
0℃に上げ、約5時間攪拌を行った。これを室温まで冷
却し、次にドデシルトリメチルアンモニウムクロリド
0.29molを2−プロパノール231.3gに溶解
した溶液を加え、30分攪拌を行った。次にテトラメチ
ルアンモニウムハイドロオキシド(15%水溶液)1
7.7gを2−プロパノール35.4gに溶解した溶液
を30分かけてゆっくりと滴下し、そのまま約12時間
攪拌を続けた。さらにテトラメチルアンモニウムヒドロ
キシド(15%水溶液)42.9g、およびイオン交換
水590gを追加して、温度を約90℃に上げ、約5時
間アルコールの留去を行った。原料混合後のpHは約1
1.5であった。その後、テフロン容器に移し、100
℃で240時間水熱合成を行った。得られた固形物をろ
過洗浄、乾燥し、540℃の条件で6時間空気中で熱処
理を行った。
【0037】使用した原料のモル比は、 Si:Ti:ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド
(テンプレート剤):水=1:1/100:0.75:
85.5であった。
【0038】粉末X線回折パターンを図5に示した。
【0039】一番大きな面間隔のピークは、2θで2.
66°のピークで面間隔は約3.32nmであった。他
に見られた3本のピークは約1.91、1.67、1.
26nmの面間隔を有し、結晶性がかなり良く、これら
4本のピークから六方晶系の結晶構造を有することがわ
かる。
【0040】細孔径分布を図6に示した。これから求め
た細孔径は約2.5nmであった。
【0041】比表面積は 1319m2/g、Si/T
i原子比は89.9であった。
【0042】実施例5 窒素気流下、氷冷したイオン交換水30gにチタニウム
テトラプトキシド1.06gを攪拌しながらゆっくりと
滴下し、続いて、過酸化水素水(30%水溶液)20g
を滴下した。室温で2時間攪拌した後、セチルトリメチ
ルアンモニウムヒドロキシド11.3gとセチルトリメ
チルアンモニウムクロライド28gをイオン交換水14
3gに溶解した溶液を30分かけてゆっくりと滴下し、
そのまま1時間攪拌を続けた。さらに、コロイダルシリ
カ37g(Si02 :0.25mol)を滴下し、1時
間攪拌をした後、テフロン容器に移し、100℃で14
4時間水熱合成を行った。得られた固形物をろ過洗浄、
乾燥し、540℃の条件で6時間空気中で熱処理を行っ
た。
【0043】使用した原料のモル比は、 Si:Ti:セチルトリメチルアンモニウムヒドロキシ
ド:セチルトリメチルアンモニウムクロライド:水=
1:1/80:0.15:0.35:46.5 であった。
【0044】粉末X線回折パターンを図7に示した。細
孔径分布を図8に示した。これから求めた細孔径は約
2.8nmであった。比表面積は930m2/gであっ
た。
【0045】
【発明の効果】本発明のチタノシリケートは、メソポア
領域に細孔を持ち、且つ結晶の構成元素としてチタンを
含むことから、従来反応の起こることの期待できなかっ
た分子径の大きな分子を反応原料や生成物とし、チタン
が活性種となる触媒反応に有効な触媒となる。このよう
な反応としては例えば、酸化反応・エステル交換反応等
があげられる。従来のチタノシリケートでは反応しにく
いが、本発明のチタノシリケートで反応性が向上すると
考えられる分子径の大きな物質として具体的には、嵩高
い置換基を有する芳香族などの環式化合物、置換または
非置換の多環式化合物など分子径が0.7nm以上の化
合物があげられる。
【0046】また本発明の合成方法を用いると、メソポ
ア領域に細孔を持ち比表面積が大きく、触媒として有用
であり特に従来触媒作用を期待できない大きな分子径の
物質に対する触媒として有用なチタノシリケートを収率
よく得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の結晶性チタノシリケートの粉末X線
回折パターンである。
【図2】実施例1の細孔径分布測定結果である。
【図3】実施例2の結晶性チタノシリケートの粉末X線
回折パターンである。
【図4】実施例3の結晶性チタノシリケートの粉末X線
回折パターンである。
【図5】実施例4の結晶性チタノシリケートの粉末X線
回折パターンである。
【図6】実施例4の細孔径分布測定結果である。
【図7】実施例5の結晶性チタノシリケートの粉末X線
回折パターンである。
【図8】実施例5の細孔径分布測定結果である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 常木 英昭 神奈川県川崎市川崎区千鳥町14−1 株式 会社日本触媒機能開発研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱処理後の粉末X線回折パターンの少な
    くとも1つのピークが1.8nmより大きい面間隔を有
    し、チタン1に対するケイ素の原子比が30〜1000
    であることを特徴とするメソポアチタノシリケート。
  2. 【請求項2】 直径が1.3nm〜20nmの細孔を有
    し、比表面積が500m2 /g以上である請求項1記載
    のメソポアチタノシリケート。
  3. 【請求項3】 熱処理後の粉末X線回折パターンの主ピ
    ークの面間隔が1.8nmより大きく、次に面間隔の大
    きいピークの面間隔が0.9nmより大きく、非層状で
    あることを特徴とする請求項1または2に記載のメソポ
    アチタノシリケート。
  4. 【請求項4】 直径が1.3nm〜5nmの細孔を有
    し、比表面積が1000m2 /g以上であり、非層状で
    あることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記
    載のメソポアチタノシリケート。
  5. 【請求項5】 チタン化合物とケイ素化合物とを反応さ
    せてメソポアチタノシリケートを合成するに際し、前記
    チタン化合物としてチタニウムアルコキシドを用い、溶
    媒として炭素数1〜6のアルコールもしくはジオールま
    たは水を用い、仕込みのチタン1に対するケイ素の原子
    比が30〜1000であり、下記一般式(1) R1234+ ・・・ (1) (式中、R1 は炭素数8〜36のアルキル基、アリール
    基またはアリールアルキル基であり、R2 、R3 、R4
    は炭素数1〜10のアルキル基または水素であり、Q+
    は窒素またはリンである。)で表される有機テンプレー
    ト剤を、ケイ素1モルあたり、0.1〜10モルを用い
    て水熱合成によって結晶化させることを特徴とするメソ
    ポアチタノシリケートの合成方法。
  6. 【請求項6】 前記ケイ素化合物として、コロイダルシ
    リカ、フュームドシリカ、およびケイ素のアルコキシド
    からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いる請求項
    5記載のメソポアチタノシリケートの合成方法。
  7. 【請求項7】 前記ケイ素化合物として、ケイ素のアル
    コキシドを用いる請求項5または6に記載のメソポアチ
    タノシリケートの合成方法。
  8. 【請求項8】 水熱合成の際に、原料混合物のpHを1
    0以上13未満の範囲に調整することを特徴とする請求
    項5〜7のいずれか1項に記載のメソポアチタノシリケ
    ートの合成方法。
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