JPH10329999A - アラミドフィルムロール - Google Patents
アラミドフィルムロールInfo
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- JPH10329999A JPH10329999A JP15170597A JP15170597A JPH10329999A JP H10329999 A JPH10329999 A JP H10329999A JP 15170597 A JP15170597 A JP 15170597A JP 15170597 A JP15170597 A JP 15170597A JP H10329999 A JPH10329999 A JP H10329999A
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Abstract
造に供するまで長期間保管しても、ロールの外観、巻き
姿の変形がなく、フィルムにしわが発生しないロールを
提供する。 【解決手段】 厚みが1〜9μmで、幅方向の厚み変動
が1〜10%であるパラ系アラミドフィルムのロールに
おいて、フィルムの巻き終わり端とそれに接する下層フ
ィルムとの間を全幅にわたり封止する。 【効果】 幅方向に厚みむらのある薄手のパラ系アラミ
ドフィルムであっても、長期保管中にロールには外観、
巻き姿の不良発生がなく、フィルムにも縦しわが発生せ
ず、また輸送中の巻きのずれや、しわの発生等がないた
め、フィルムを加工するに当たってのしわの発生等によ
る工程トラブルが発生せず、また最終製品の特性や品質
を低下する問題が発生しない。
Description
ルムに関するものであり、さらに詳しくはパラ系アラミ
ドフィルムのロール(フィルムの巻物)に関するもので
ある。
ルムのロールを、使用に供するまでの保管や輸送中の吸
湿から保護するために、防湿包装する等の手段を施すこ
とが知られている。また、比較的吸湿性の低いポリエス
テルフィルムでも、磁気テープ等の高精度の加工を必要
とする用途に供するにおいては防湿包装することが行わ
れている。
されているパラ系アラミドフィルムは、薄手のフィルム
であっても取扱上必要な剛性や耐熱性が満たされるた
め、感熱転写シートのベースフィルムや、高密度記録用
磁気テープのベースフィルムとして活用されるに至って
いるが、アラミドはナイロンとポリエステルの中間の吸
湿特性を持ち吸湿によるフィルムの膨張が無視できず、
特に薄手のフィルムにおいては保管時にフィルムロール
の変形やフィルムのしわを生じることが多い。
ムのロールの保管時の変形やしわの発生を防止するため
に防湿包装することが既に提案されているが、わずかの
水分の進入は防ぎきれず、ロール表面のみならず内層の
フィルムにまでロールの巻き方向に沿った連続した鋭い
しわ(以下縦しわと称する)が発生し、加工後もしわが
フィルムに付形されたまま残り、最終製品の性能不良な
どの原因となっている。
ドフィルムのロールにつき種々の解析、検討を積み重
ね、ロールに発生する縦しわがフィルムの厚みむらが特
定のものにおいてフィルムの厚みむらと深く関わってお
り、ロール内層まで達する縦しわがフィルムの薄い部分
に特異的に発生していることを見い出すに及び、本発明
を完成するに至った。即ち本発明の課題は、厚みが1〜
9μmで、幅方向の厚み変動が1〜10%であるパラ系
アラミドフィルムのロールにおいて、フィルムの巻き終
わり端とそれに接する下層フィルムとの間を全幅にわた
り封止されてなるパラ系アラミドフィルムロールにより
解決された。
ムは、厚みが1〜9μmの範囲であり、9μmを超える
厚みのものではフィルムの剛性が高くなるため、本発明
で課題としているしわの発生が少ない。また、フィルム
に幅方向のむらが平均厚みの1%以上ある場合に本発明
の課題となる縦しわがロールの下層まで至りやすい。ま
た、幅方向の厚みむらが10%を超えるようなフィルム
は高級用途に使用するには適さないため、本発明の対象
とはならない。
ロール状に巻き終わった最外層のフィルムの端とそれに
接する下層フィルムの間から水分がフィルムの間を通っ
てロール内部に進入しないようにすることであり、フィ
ルムの巻き終わり端を下層フィルムに接着剤で、または
粘着テープ等で全幅にわたり接着して封止することで達
成される。ここで、封止すべきフィルム末端とは、精密
に最末端である必要はなく、最末端から数十cmから数
mの長さでロールの内層に入った箇所であってもよい。
水分透過率が10g/m2 ・24hr・atm以下、好
ましくは5g/m2 ・24hr・atm以下の防湿フィ
ルムを全幅にわたり接着剤で、または粘着テープなどに
より接着し、その防湿フィルムをアラミドフィルムに重
ねて2回以上、好ましくは5回以上巻き重ねることによ
っても達成される。勿論巻き重ねた防湿フィルムの巻き
終わり部分を全幅にわたり接着することも好ましい実施
態様である。ここで防湿フィルムの幅は、アラミドフィ
ルムの幅と実質的に同じであれば足りるが、わずかな幅
の大小は実質的に問題を生じないことが多い。
リル系フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリふ
っ化ビニリデンフィルム、パラ系アラミドフィルム等が
知られるほか、ポリエチレンまたはポリプロピレンとポ
リ塩化ビニリデンを共押し出し法やコーティング加工法
により複合したもの、セロファンにポリ塩化ビニリデン
をコーティングしたもの、ポリエチレンフィルム、ポリ
エステルフィルム等に金属アルミニウムをラミネートし
たもの等があげられる。
ないが、あまりにも薄いフィルムでは水分透過度が高く
なるほか、取り扱いや輸送時に破損のおそれがあり、ま
たあまりにも厚いものではフィルムの剛性が高くなり、
防湿フィルムの密着性を損ねるため、通常10μm〜2
00μm程度の範囲に選ばれることが多い。フィルム端
を封止された本発明のロールを、更に水分透過率が10
g/m2 ・24hr・atm以下、好ましくは5g/m
2 ・24hr・atm以下の防湿フィルムにより包装す
ることは、ロール端面の吸湿を少なくするために好まし
く実施されてよい。さらにロールを防湿フィルムで包装
するに当たり、生石灰等の吸湿剤やシリカゲルのごとき
高性能吸収剤を同時に包装することも好ましく行われて
良い。
位からなる群より選択された単位から実質的に構成され
るものである。 −NH−Ar1 −NH− (1) −CO−Ar2 −CO− (2) −NH−Ar3 −CO− (3) ここでAr1 、Ar2 、およびAr3 は各々少なくとも
1個の芳香環を含んだ2価の基であり、(1)と(2)
はポリマー中に存在する場合は実質的に等モルである。
法安定性を確保するために、Ar1、Ar2 、およびA
r3 は各々、パラ配向型の基である必要がある。ここ
で、パラ配向型とは、芳香環における主鎖の結合方向が
パラ位に位置しているか、または2つ以上の芳香環から
なる残基において両端の主鎖の結合方向が同軸または平
行であることを意味する。このような2価の芳香族基の
代表例としては下記の化1で表される基等が挙げられ
る。
−、−CO−の中から選ばれる。また、これらの芳香環
の水素原子の一部が、ハロゲン基、ニトロ基、スルホン
基、アルキル基、アルコキシ基等で置換されていてもよ
い。
種以上であってもよく、また相互に同じであっても異な
っていてもよい。本発明に用いられるポリマーは、これ
までに知られた方法により、各々の単位に対応するジア
ミン、ジカルボン酸、アミノカルボン酸より製造するこ
とができる。具体的には、カルボン酸基をまず酸ハライ
ド、酸イミダゾライド、エステル等に誘導した後にアミ
ノ基と反応させる方法を用いることができ、重合の形式
もいわゆる低温溶液重合法、界面重合法、溶融重合法、
固相重合法等を用いることができる。本発明に用いる芳
香族ポリアミドには、上記した以外の基が約10モル%
以下共重合されたり、他のポリマーがブレンドされたり
していてもよい。本発明に用いられる芳香族ポリアミド
として最も代表的なものは、ポりーp−フェニレンテレ
フタルアミド(PPTA)である。
ないため、溶媒に溶解して溶液(以下「ドープ」と称す
る。)を調整し、湿式法、乾式法、または乾湿式法で製
膜する。有機溶剤に難溶性のPPTAでは、ポリマーを
濃硫酸等の無機の強酸に溶解してドープとし、湿式法に
て製膜することが行われ、例えば特開昭62−1741
18号公報に示されるように一旦液晶状態で押し出し、
光学等方化した後に凝固させる方法が好ましく用いられ
る。一方、例えば、クロル置換PPTA等の有機溶剤可
溶な芳香族ポリアミドでは、重合時に副生する塩酸を中
和して重合反応混合物をそのままドープとし、湿式法ま
たは乾式法、または乾湿式法にて製膜する方法が好まし
く用いられる。
発明を実施する上で特に限定されるものではなく、ダイ
から直接凝固浴に押し出す方法、ダイから一旦エンドレ
スベルト上にキャストするか、エンドレスベルト上にド
クターナイフやその他の方法でドープをコーティングし
た後、ベルト上で溶剤を蒸発させるか、ベルトと共に凝
固浴に導いて湿式凝固させる方法がある。この様に製膜
されたフィルムは、必要あれば重合時に副生する酸や溶
解に用いた酸を中和処理した後、溶剤や無機塩等の溶解
助剤を除去するために水または温水、更に必要あれば有
機溶剤により洗浄される。
ならば乾燥に先立って延伸することもできる。即ち、乾
燥前の湿潤フィルムを1方向または2方向に1.01〜
1.4倍程度延伸することにより機械的性質を向上させ
ることができる。フィルムの乾燥は、通常緊張下、定長
下または僅かに延伸しつつ、行うのが好ましい。このよ
うな乾燥を行う方法として、例えばテンター乾燥機や金
属枠に固定して乾燥することができる。乾燥温度は、通
常、100℃〜300℃の範囲にとられる。
上、500℃以下の熱処理を受けた後、巻芯上に巻き取
られてフィルムロールを形成する。ここで熱処理は、緊
張下、定長下または弛緩状態で行うことができ、これら
の組み合わせで2段階以上で行うこともできる。フィル
ムをロール状に巻き取るに当たって、フィルムの幅方向
の厚みむらによりロールに太さむらやいわゆるゲージバ
ンドが生じることを軽減するために、フィルムを蛇行さ
せつつ巻き取ることも好ましい実施態様である。巻き取
りに当たって、フィルムの耳を切り取り、ロールの端面
を揃えることも行われてよい。
外径、フィルム幅等の寸法については何らの制限はな
い。また、巻芯の寸法、材質等についても本発明の効果
を損ねない限り制限されるものではない。フィルムロー
ルは汚れなどを防止するためポリエチレンなどの汎用の
フィルムや防湿フィルムにより包装されることも行われ
てよく、また包装に先立って、または包装された後、保
護のために緩衝材等を巻き付ける等の方法を付加される
ことも、本発明の効果を損ねない限り許される。フィル
ムロールは持ち運びなどを容易にし、また傷付きを防止
する上で、段ボール箱等の収納容器に納められることも
好ましい。
発明の実施態様、効果を示すが、本発明はこれらに限ら
れるものではない。また、例中の百分率等は特に示さな
い限り重量ベースのものである。 〔特性の測定法〕本発明の特性値の測定法は次の通りで
ある。 (1)厚みおよび厚み斑の測定法 フィルムの厚み斑は、デジタル電子マイクロメータ(ア
ンリツ株式会社製K351C型)により直径2mmの測
定子を用いて、フィルムの幅方向に厚みを測定し、フィ
ルムの平均厚みは測定した全測定値の平均値で、厚み斑
は最大値と最小値の差の平均厚みに対する百分率で表
す。 (2)強度、伸度、弾性率の測定法 強度、伸度、弾性率は、定速伸長型強伸度測定機を用
い、測定長100mm、引っ張り速度50mm/分で測
定したものである。 (3)水分透過率の測定法 ASTM、F−372に準拠し、試料を40℃、90%
RHの環境下に24時間以上放置した後、同じ条件下で
測定した。
ールの製造〕PPTAを、予め0.04μmのシリカ粒
子をPPTAに対し0.3%となるように超音波ホモジ
ナイザにより分散させた99.9%濃硫酸に、ポリマー
濃度が12%になるように溶解し、PPTAのドープを
調整した。このPPTAドープをダイから10m/分の
速度で移動するタンタル製のエンドレスベルト上にキャ
ストした。次いで、ベルト上で加熱と同時に吸湿処理し
て、ドープを液晶相から等方相に相転換した後、10℃
の40%硫酸中にて凝固させた後、中和、水洗し、縦方
向に1.1倍に延伸した後、クリップテンターにより横
方向に1.1倍の延伸を施し、定長状態を保ちつつ熱風
乾燥し、次いでテンターでフィルムを保持したまま43
0℃で熱処理した後、300mの周期で幅方向に60m
m蛇行させつつ巻取機に送り、フィルムの両端部をスリ
ットして除き、508mm幅として、5000mの長さ
を1ロールとして巻き取りフィルムロールを製造した。
得られたPPTAフィルムは4.5μmの平均厚みで、
幅方向に約60mmの周期で4.8%の厚みむらがあ
り、フィルムの物性は長尺方向、幅方向にそれぞれ、強
度41、42kg/mm2 、伸度14、12%、弾性率
1480、1490kg/mm2 であった。
ールを巻き取られた直後に、酢酸セルロースをメチルエ
チルケトンに溶解した溶液を約2cmの幅でロール全幅
にわたり塗布し、その上に巻き付けたフィルムの端部を
最末端から約30cmの所を下層フィルムに接着し、フ
ィルムの最末端は下層フィルムに中央部のみを粘着テー
プにより固定した。このロールをポリエチレン製の袋に
入れて、袋の入り口をゴムバンドにて簡単に閉じて、2
0℃、60%RHの恒温恒湿室に1週間放置した。放置
後のロールを取り出してロール外観、フィルムの変形に
つき観察したところ、ロールの表面は全面にさざ波上の
しわが発生していたが、ロール表面のフィルムをはぎ取
って行くと約10m除去後は全くしわが観察されなかっ
た。
を実施しなかったほかは全く同様にして、実施例1を繰
り返した。1週間放置後のロールは、表面のさざ波上の
しわに加えて約2〜3mmの幅の鋭い縦しわが多数発生
しており、ロール表面のフィルムをはぎ取って行った
が、数百m以上はぎ取ってもしわは解消しなかった。こ
のしわはフィルムに長さ方向に凸状に続いており、乾燥
処理などによっても解消することができなかった。
ルを巻き取った直後に、そのフィルム端部に両面粘着テ
ープでポリエステルフィルムにアルミ蒸着した透湿度が
1.5g/m2 ・24hr・atm以下であるものを接
着し、PPTAフィルムの上に更に15回、緩みがない
ように固く巻き付け、その末端を中央部で一ヶ所粘着テ
ープにて固定した。このロールを、透湿度が4.0g/
m2 ・24hr・atmであるバリアロンCX、タイプ
24L(旭化成工業株式会社製;商標、ポリ塩化ビニリ
デン系樹脂とポリエチレンの複合フィルム)製の袋に入
れた上、入り口をヒートシールした。通常の室内に3ヶ
月間放置した後、ロールを取り出し、アルミ蒸着フィル
ムを除去してロール外観、フィルムの変形を観察したと
ころ、全く異常は見られなかった。
フィルムの接着及び重ね巻きを施さず、PPTAフィル
ムの端部の中央部を一ヶ所のみ粘着テープにて固定した
ほかは実施例2を繰り返した。同様に2ヶ月放置後の観
察を実施したところ、表面が全体に緩みが発生していた
ほか、多数の縦しわが発生しており、この縦しわはフィ
ルムロールの内層にまで達していた。
る薄手のパラ系アラミドフィルムであっても、長期保管
中にロールには外観、巻き姿の不良発生がなく、フィル
ムにも縦しわが発生せず、また輸送中の巻きのずれや、
しわの発生等がないため、フィルムを加工するに当たっ
てのしわの発生等による工程トラブルが発生せず、また
最終製品の特性や品質を低下する問題が発生しないた
め、高密度記録用磁気テープや、高速度、高画質印刷が
要求される熱転写シート等に用いて有用である。
Claims (4)
- 【請求項1】 厚みが1〜9μmで、幅方向の厚み変動
が1〜10%であるパラ系アラミドフィルムのロールに
おいて、フィルムの巻き終わり端とそれに接する下層フ
ィルムとの間を全幅にわたり封止されてなるパラ系アラ
ミドフィルムロール。 - 【請求項2】 パラ系アラミドフィルムの巻き終わり端
が、それに接する下層フィルムに全幅にわたり接着され
てなる請求項1記載のパラ系アラミドフィルムロール。 - 【請求項3】 パラ系アラミドフィルムの巻き終わり端
に、水分透過率が10g/m2 ・24hr・atm以下
の防湿フィルムが全幅にわたり接着され、防湿フィルム
がアラミドフィルムに2回以上巻き重ねられてなる請求
項1記載のパラ系アラミドフィルムロール。 - 【請求項4】 フィルムロールが水分透過率が10g/
m2 ・24hr・atm以下の防湿フィルム中に密封さ
れてなる請求項1〜3記載のパラアラミドフィルムロー
ル。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP15170597A JP3748672B2 (ja) | 1997-05-27 | 1997-05-27 | アラミドフィルムロール |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15170597A JP3748672B2 (ja) | 1997-05-27 | 1997-05-27 | アラミドフィルムロール |
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JPH10329999A true JPH10329999A (ja) | 1998-12-15 |
JP3748672B2 JP3748672B2 (ja) | 2006-02-22 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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-
1997
- 1997-05-27 JP JP15170597A patent/JP3748672B2/ja not_active Expired - Fee Related
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