JPH10329231A - ベルト用ブロックの成形装置 - Google Patents

ベルト用ブロックの成形装置

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JPH10329231A
JPH10329231A JP14009797A JP14009797A JPH10329231A JP H10329231 A JPH10329231 A JP H10329231A JP 14009797 A JP14009797 A JP 14009797A JP 14009797 A JP14009797 A JP 14009797A JP H10329231 A JPH10329231 A JP H10329231A
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pot
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plasticizing
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英丈 岩崎
Hiroyuki Sato
弘幸 佐藤
Shuichi Maruyama
秀一 丸山
Takashi Ikeno
隆 池野
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  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベルト式無段変速機等に使用される伝動ベル
トの製造時にエンドレスの張力帯にベルト長さ方向に等
間隔に係止固定されるベルト用ブロックを熱硬化性樹脂
からなる成形材料を用いてインサート成形する成形装置
において、材料ロスと型締力とを共に低減できるように
する。 【解決手段】 成形材料w1 を可塑化しつつ計量する可
塑化計量ユニット1と、上下方向に延びて下端に開口が
設けられたポット12内に可塑化計量ユニット1により
可塑化された成形材料w1 を貯溜してプランジャー13
によりポット12の下端開口から押し出す圧入ユニット
11と、ポット12が上型22を上下方向に貫通してそ
の下端開口を上型22及び下型23間の合せ面に位置付
けるように配置され、かつ合せ面に複数のキャビティ2
4,24,…が形成されているとともに、各キャビティ
24内に圧入された成形材料w1 を加熱して硬化させる
ヒータ26を有する金型21とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベルト式無段変速
機等に用いられる伝動ベルトのブロックを熱硬化性樹脂
からなる成形材料によりインサート成形するベルト用ブ
ロックの成形装置に関し、特に材料ロス及び型締力を低
減する対策に関する。
【0002】
【従来の技術】近年では、自動車を始め、農業機械や産
業機械等の種々の分野において、ベルト式の無段変速機
が注目されるようになってきている。この変速機に用い
られる伝動ベルトは、図2に例示するように、ベルト長
さ方向に等間隔に配置された多数のブロックW,W,…
をエンドレス状の張力帯35に係止固定してなるもので
あって、上記各ブロックWは、図3及び図4に模式的に
示すように、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂からなる
成形材料w1 に、アルミ合金製等のインサートw2 が埋
め込まれてなっている。
【0003】上記のようなブロックW,W,…を成形す
る際には、従来では、図7に示すように、可塑化機能及
び計量機能を具備する圧入機構としてのインラインスク
リュー式の射出成形機Aと、金型Bとを備えた成形装置
が用いられる。具体的には、上記射出成形機Aは、水平
方向に延びるように配置されていて先端にノズルaが設
けられたシリンダbと、このシリンダb内に回転可能に
かつ軸方向に移動可能に嵌挿されていて、該シリンダb
内に供給された成形材料w1 を可塑化しつつ計量してノ
ズルaから押し出すように作動するスクリューcとから
なっている。一方、上記金型Bは、上型d及び下型eか
らなっており、それら上型d及び下型e間の合せ面に複
数のキャビティf,f,…がブロックWの形状に倣って
形成されているとともに、射出成形機Aにより各キャビ
ティfに圧入された成形材料wを加熱して硬化させる
図外のヒータが上型d及び下型eの両方に内蔵されてい
る。尚、同図のgは、金型Bの開閉とその型締めとを行
なう型締装置である。
【0004】上記の成形装置におけるブロックW,W,
…の成形手順について説明すると、金型Bの各キャビテ
ィfにインサートwをセットして型締めする一方、
射出成形機Aでは成形材料w1 を可塑化しつつ計量し、
次いでノズルaを金型Bのスプルー口に押し当て(ノズ
ルタッチ)て成形材料w1 を金型B内に圧入する。圧入
された成形材料w1 は、図8にも示すように、スプルー
h及びランナーiを通って各キャビティfに充填され、
そこでヒータにより加熱されて硬化する。一方、上記の
圧入後、射出成形機Aは速やかに金型Bからノズルaを
離して次のショットサイクルに入る。これは、射出成形
機Aのノズルaが金型Bに接続されたままであると、ノ
ズルaが金型温度に加熱されて該ノズル部分の成形材料
1 を硬化させることになるからである。したがって、
上記ノズルタッチ時間は極力短縮されることが必要であ
る。因みに、フェノール樹脂の場合では、金型温度は1
70〜175℃であり、可塑化温度は90〜110℃で
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の成形
装置の場合には、射出成形機Aの成形材料w1 が金型B
内のスプルーh及びランナーiを経由して各キャビティ
fに充填されるために、図9に示すように、それらスプ
ルーh及びランナーiに残留する成形材料w1 が無駄に
なるという難点がある。
【0006】また、上記スプルーhが金型Bの合せ面に
沿って設けられていることから、圧入時の金型Bの受圧
面が大きく、したがって、大きな型締力を必要とする。
その結果、型締装置g等の設備のコストがかさむことに
なり、その上、金型Bが変形し易いために、金型Bの寿
命が短いとともに、ブロックW,W,…の成形精度がで
ないという問題がある。
【0007】さらに、上記ノズルタッチ時間を短縮させ
る上では、射出成形機Aのスクリューcの径を大きくし
て可塑化能力を上げる必要があることから、設備が大型
化し易いという問題もある。
【0008】本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもの
であり、その主な目的は、熱硬化性樹脂からなる成形材
料を用いてインサート成形される伝動ベルト用ブロック
の成形装置において、圧入機構から金型のキャビティに
至る成形材料の経路に工夫を加えることでスプルーレス
化を図り、それにより、材料ロスと型締力とを共に低減
できるようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明では、金型の上型を上下方向に貫通するよ
うに配置されたポットと、このポット内に上下移動可能
に嵌挿されたプランジャーとによって圧入機構を構成
し、そのポットの下端開口を上型と下型との間の合せ面
に位置付けてランナーに接続することで、合せ面に沿っ
て形成される従来のスプルーを省略できるようにした。
【0010】具体的には、請求項1の発明では、エンド
レスの張力帯に該張力帯の長さ方向に等間隔に係止固定
されて伝動ベルトを形成するブロックを熱硬化性樹脂か
らなる成形材料を用いてインサート成形するために使用
されるベルト用ブロックの成形装置が前提である。
【0011】そして、成形材料を可塑化する可塑化機構
と、上下方向に延びて下端に開口が設けられていて、上
記可塑化機構により可塑化された成形材料を貯溜するた
めのポットを有するとともに、このポット内に上下移動
可能に嵌挿されていて、ポット内の成形材料を該ポット
の下端開口から押し出すためのプランジャーを有してな
る圧入機構と、上型及び下型からなっていて、該上型に
上記ポットが上下方向に貫通して該ポットの下端開口を
上型及び下型間の合せ面に位置付けるように配置され、
かつ上記合せ面にキャビティが形成されているととも
に、上記圧入機構によりキャビティに圧入された成形材
料を加熱して硬化させるヒータを有する金型とを備える
ようにした。
【0012】上記の構成において、可塑化機構により可
塑化された成形材料は、先ず、圧入機構のポット内に貯
溜され、その後、プランジャーの下降移動によりポット
内から金型内に圧入される。このとき、上記ポットの下
端開口が金型の合せ面に位置しているので、上記成形材
料は、金型の合せ面に沿って形成される従来のスプルー
を経由することなくキャビティに充填される。したがっ
て、従来のようなスプルーに起因する材料ロスは生じ
ず、また上記圧入機構が成形材料を金型内に圧入する際
に必要な型締力は、上記スプルーが省略された分だけ低
減する。
【0013】請求項2の発明では、上記請求項1の発明
において、圧入機構は、プランジャーの下端がポットの
下端開口に達する位置まで下降するように設けられてい
るものとする。
【0014】上記の構成において、圧入機構が成形材料
を金型内に圧入するときには、プランジャーは、その下
端がポットの下端開口に達する位置まで下降する。これ
により、成形材料は、ポットに残留することなく金型内
に圧入されるので、金型にランナーが形成されている場
合には、材料ロスは略ランナーに残留する分だけに低減
される。
【0015】請求項3の発明では、上記請求項1又は2
の発明において、キャビテイは複数とされており、金型
は、圧入機構のポットの下端開口から上記各キャビティ
に至るランナーを有するものとする。そして、上記ラン
ナーの主要部分は、上型及び下型の一方の合せ面に設け
られた断面半円形状の溝部により形成されているものと
する。
【0016】上記の構成において、圧入機構のポットか
ら金型内に圧入された成形材料は、ランナーを経由して
各キャビティに充填される。このとき、上記ランナーの
主要部分が断面半円形状であるので、従来の場合(従来
のランナーの断面形状は円形)に比べると、流動抵抗の
増加に起因する型締力の多少の増大は招くものの、ラン
ナーに起因する材料ロスは低減する。
【0017】請求項4の発明では、上記請求項1〜3の
発明において、圧入機構のポットには、該ポットの温度
を成形材料の可塑化温度に調整する調温手段が連設され
ているものとする。
【0018】上記の構成において、金型のヒータにより
キャビティの成形材料を加熱硬化させる際に、その金型
の熱は圧入機構のポットにも伝わる。このとき、上記ポ
ットの温度が調温手段により成形材料の可塑化温度に調
整されるので、このポットに可塑化機構を接続したまま
にされていても、その接続部分において可塑化機構の成
形材料が金型温度に加熱されて硬化するという事態は回
避される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0020】図1は、本発明の実施形態に係る成形装置
の全体構成を模式的に示しており、この成形装置は、図
2に示すような伝動ベルトを製造する際に、そのベルト
に用いられるブロックW,W,…をインサート成形する
ために使用される。
【0021】先ず、上記ブロックW,W,…について説
明しておくと、これら各ブロックWは、図3に示すよう
に、ベルト幅方向(同図の左右方向)に互いに平行に延
びかつベルト厚さ方向(同図の上下方向)に並ぶように
配置される上ビーム部31及び下ビーム部32と、これ
ら両ビーム部31,32をベルト幅方向の中央で互いに
連結するピラー部33とからなっており、そのベルト幅
方向の両側部には、側方に開放された1対のスリット3
4,34が形成されている。各ブロックWは、熱硬化性
樹脂としてのフェノール樹脂に充填材等が混合されてな
る成形材料w1に、図4にも示すように、例えばアルミ
合金製のインサートw2 が埋め込まれた状態で成形され
る。そして、所定数のブロックW,W,…をベルト長さ
方向に等間隔に並べ、その両側に1対の張力帯35,3
5を配置し、それら各張力帯35を各ブロックWの対応
するスリット34内に嵌挿してブロックW,W,…をベ
ルト長さ方向に係止固定することにより上記伝動ベルト
は得られる。
【0022】次に、上記成形装置について詳しく説明す
る。この成形装置は、上記の成形材料w1 を可塑化する
可塑化機構としての可塑化計量ユニット1と、この可塑
化計量ユニット1により可塑化された成形材料w1を貯
溜する圧入機構としての圧入ユニット11と、上型22
及び下型23からなっていて、上記圧入ユニット11に
より成形材料w1 が圧入される金型21と、この金型2
1の開閉及び型締めを行なう図外の型締装置とを備えて
いる。
【0023】具体的に説明すると、上記可塑化計量ユニ
ット1は、水平方向に延びるように配置されていて一端
(図1の左端)にノズル3が設けられたシリンダ2と、
このシリンダ2内に軸方向に移動可能にかつ軸線回りに
回転可能に嵌挿されたスクリュー4とを有してなってい
る。シリンダ2の他端(同図の右端)には、スクリュー
4を回転駆動するとともに該スクリュー4をノズル3に
向かって移動させる駆動部5が設けられている。この駆
動部5の近傍には、成形材料w1 を貯留するとともにそ
れをシリンダ2内に供給するホッパー6が設けられてい
る。そして、シリンダ2内の成形材料w1 がノズル3側
に圧送されるようにスクリュー4を回転させることで、
該成形材料w1 の可塑化(フェノール樹脂の場合の可塑
化温度は90〜110℃)を行ないつつノズル3から離
れる方向にスクリュー4が移動して1ショット分の計量
を行ない、その後、スクリュー4をノズル3側に移動さ
せることで、1ショット分の成形材料w1 をノズル3か
ら押し出して圧入ユニット11に供給する。つまり、本
実施形態においては、従来では可塑化機能及び計量機能
を具備する圧入機構として用いられるインラインスクリ
ュー式射出成形機を可塑化計量ユニット1として用い、
この射出成形機に代えて、上記圧入ユニット11を圧入
機構として用いるようにしている。その際に、可塑化計
量ユニット1は、圧入ユニット11に対し固定されたま
まで作動するようになされる。
【0024】上記圧入ユニット11は、上下方向に延び
て下端に開口が設けられていて上記可塑化計量ユニット
1により可塑化されて計量された成形材料w1 を貯溜す
るためのポット12と、このポット12内に上下移動可
能に嵌挿されていて該ポット12内の成形材料w1 を上
記下端開口から押し出して上記金型21内に圧入させる
ためのプランジャー13とを有してなっている。ポット
12は円筒状をなしており、その内部空間は上下方向に
亘って同じ内径に形成されている。また、ポット12の
下端部外周面は下端側に向かって漸次小径となる断面テ
ーパ状に形成されている。そして、ポット12の上端側
の一側部(図1の右側部)には、該ポット12の内部空
間を外部に連通させる連通孔12aが水平方向に延びる
ように設けられており、この連通孔12aの外部開口縁
には、可塑化計量ユニット1のノズル3の先端を受容す
る球面状の受け部14が凹設されている。この受け部1
4には、可塑化計量ユニット1のノズル3は押し当てら
れたままとされる。
【0025】また、上記ポット12の上方には、プラン
ジャー13を上下方向に移動させる油圧シリンダ15が
配設固定されている。このプランジャー13は、その全
長がポット12の上下寸法よりも長く設定されていて、
プランジャー13の下端がポット12の下端開口に達す
る位置まで下降するように設けられている。つまり、プ
ランジャー13が下降端に位置付けられたときに、プラ
ンジャー13の下端面がポット12の下端面と略面一に
なるようになっている。一方、プランジャー13は、そ
の上昇端において、下端面がポット12の連通孔12a
よりも上に位置付けられるようになっている。
【0026】さらに、上記ポット12の周壁は二重壁構
造になっていて、該ポット12の温度を調整するための
調温室17が全周にかつ略全長に亘って形成されてい
る。一方、このポット12の近傍には、熱媒体としての
流体を冷却又は加熱する温調機能と、上記流体を吸い込
んで吐出するポンプ機能とを備えた温調ユニット18が
配置されている。この温調ユニット18は、循環路19
を介して温調室17と接続されていて、調温室17での
流体の温度が可塑化計量ユニット1における可塑化温度
となるように該流体を冷却又は加熱して循環路19を循
環させるようになっている。そして、これら調温室1
7、温調ユニット18及び循環路19により調温手段と
しての調温機構16が構成されている。
【0027】上記金型21は、上型22と、この上型2
2に対し開閉可能な下型23とからなっており、上型2
2には上記圧入ユニット11のポット12が該上型22
を上下方向に貫通して該ポット12の下端開口を上型2
2と下型23との間の合せ面に位置付けるように配置さ
れている。具体的には、上型22の中央部分には、該上
型22を上下方向に貫通する断面円形状の貫通孔22a
が設けられており、この貫通孔22aにポット12の下
端部が嵌挿されている。その際に、貫通孔22aの下端
側内周面は該下端に向かって内径が漸次小さくなる断面
テーパ状に形成されていて、ポット12の下端部が気密
状態に嵌挿されるようになっている。そして、上記合せ
面には、ポット12の下端開口から押し出された成形材
料w1 を上記ブロックW,W,…の形状に成形するため
の複数(図示する例では4つ)のキャビティ24,2
4,…が形成されている。また、上型22及び下型23
の両方にはヒータ26が埋設されていて、各キャビティ
24に充填された成形材料w1 を加熱(フェノール樹脂
の場合の加熱温度は170〜175℃)して硬化させる
ようになっている。
【0028】さらに、上記各キャビティ24には、図5
に示すように、合せ面に沿ってH字状に形成されたラン
ナー25が接続している。このランナー25は、合せ面
の中央に上記貫通孔22aと相対向するように設けられ
た円盤状の第1の部分25aと、この第1の部分25a
から互いに逆向き(同図の上下の向き)に直線状に延び
る2つの第2の部分25b,25bと、それら各第2の
部分25bの先端から該第2の部分25bと直交する方
向においてそれぞれ互いに逆向き(同図の左右の向き)
に直線状に延びる4つの第3の部分25c,25c,…
とからなっていて、各第3の部分25cの先端が各々の
キャビティ24に接続している。また、これらの各部分
25a〜25cは、上型22及び下型23の一方の合せ
面、例えば本実施形態では上型22の合せ面に設けた凹
部のみにより形成される。その際に、第1の部分25a
の深さは、成形材料w1 が大きな流動抵抗を受けない範
囲でできるだけ浅くされている。また、ランナー25の
主要部分である第2及び第3の部分25b,25cは、
上型22の合せ面に設けた断面半円形状の溝部により形
成される。つまり、上型22の合せ面のこれら凹部に対
応する下型23の合せ面の部分はフラットにされてい
る。このように形成された金型21により得られる成形
体は、図6に示すように、ランナー25の第1の部分2
5aにより形成される円盤状の部分25a′と、この円
盤状部分25a′に連なっていて、ランナー25の2つ
の第2の部分25b,25bによりそれぞれ形成される
断面半円形状の2つの棒状部分25b′,25b′と、
これら各棒状部分25b′に連なっていて、ランナー2
5の4つの第3の部分25c,25c,…によりそれぞ
れ形成される同じく断面半円形状の4つの棒状部分25
c′,25c′,…と、これら各棒状部分25c′に連
なっていて、4つのキャビティ24によりそれぞれ形成
される4つのブロックW,W,…とからなる。
【0029】以上のように構成された成形装置により伝
動ベルト用のブロックW,W,…をインサート成形する
際の手順について説明する。先ず、金型21が開いた状
態で、下型23の各キャビティ用凹部の所定位置に各々
のインサートw2 をセットし、その後、金型21を閉じ
る。一方、圧入ユニット11では、プランジャー13を
上昇端に位置付けておく。また、調温機構16では、調
温ユニット18により液体を加熱するとともにその液体
をポット12の調温室17に供給して該ポット12を可
塑化温度に加熱しておく。そして、可塑化計量ユニット
1において成形材料w1 の可塑化及び計量を行なう。
【0030】上記可塑化及び計量の後、可塑化計量ユニ
ット1から圧入ユニット11に1ショット分の成形材料
1 を供給してポット12内に貯溜させる。このとき、
ポット12が調温機構16により可塑化温度に調温され
ているので、ポット12内においても成形材料w1 の可
塑化状態は適正に維持される。
【0031】上記供給が完了すると、圧入ユニット11
では、プランジャー13がポット12内を下降移動して
ポット12内の成形材料w1 を金型21内に圧入する。
すると、圧入された成形材料w1 は、ランナー25の第
1〜第3の部分25a〜25cを順に経由して各キャビ
ティ24に充填される。このとき、金型21の合せ面に
沿って形成される従来のスプルーが省略されている分だ
け圧入時の流動抵抗は小さくかつ受圧面積も小さくなっ
ており、これらの結果、型締装置の型締力が小さくて済
み、上記圧入に伴う金型21の歪みは少なくなる。そし
て、プランジャー13が下降端に達して停止すると、成
形材料w1 はポット12内に残留することなく全て金型
21内に圧入されたことになる。
【0032】上記金型21内に圧入された成形材料w1
は、ヒータ26により加熱されることで硬化する。一
方、金型21の熱により圧入ユニット11のポット12
も加熱されるので、ポット12の温度は上昇しようとす
る。このとき、調温ユニット18により冷却された液体
がポット12の調温室17に供給され、このことで、ポ
ット12の温度は可塑化温度に抑えられる。これによ
り、可塑化計量ユニット1のノズル3が金型温度に加熱
されてその部分の成形材料w1 が硬化するという事態は
回避される。よって、可塑化計量ユニット1を圧入ユニ
ット11に対し離接移動させる必要がないので、ショッ
ト毎にインラインスクリュー式射出成形機を移動させる
ようにする従来の場合(この場合は金型に対して)のよ
うな設備の大型化を招くことなく、可塑化計量ユニット
1のショットサイクルを短くすることができる。さら
に、可塑化計量ユニット1のノズル3をショット毎にポ
ット12の受け部14に押し当てる必要が無いので、そ
のような押当て動作に伴うノズル3の摩耗や損傷は回避
される。
【0033】そして、上記成形材料w1 が完全硬化した
後、金型21を開く。これにより、所定の成形体が得ら
れる。
【0034】したがって、本実施形態によれば、エンド
レスの1対の張力帯35,35によりベルト長さ方向に
等間隔に係止固定されて伝動ベルトを形成するためのブ
ロックW,W,…を、フェノール樹脂からなる成形材料
1 を用いてインサート成形する成形装置として、先端
にノズル3が設けられたシリンダ2内の成形材料w1
スクリュー4により可塑化しつつ計量する可塑化計量ユ
ニット1と、この可塑化計量ユニット1により可塑化さ
れて計量された成形材料w1 をポット12内に貯溜して
その成形材料w1 をプランジャー13によりポット12
の下端開口から押し出す圧入ユニット11と、上記ポッ
ト12が上型22を上下方向に貫通してその下端開口を
上型22及び下型23間の合せ面に位置付けるように配
置されていて、上記圧入ユニット11により各キャビテ
ィ24内に圧入された成形材料w1 をヒータ26により
加熱して硬化させる金型21とを備えるようにしたの
で、金型21の合せ面に沿って形成される従来のスプル
ーを省略することができ、よって、そのようなスプルー
に起因する材料ロスを無くすることができる。また、ス
プルーを省略した分だけ金型21における成形材料w1
の流動抵抗と金型21の受圧面積とを共に小さくして型
締力を小さくできるので、金型21の歪みを小さくして
高い成形精度を容易に得ることができるとともに金型2
1の寿命の短命化を回避することができ、その上、型締
装置を小型化して設備コストの低減を図ることもでき
る。
【0035】また、上記圧入ユニット11を、プランジ
ャー13の下端がポット12の下端開口に達する位置ま
で下降するようにしたので、成形材料w1 のロスを略ラ
ンナー25の分だけに低減することができる。さらに、
ランナー25の第2及び第3の部分25b,25cを断
面半円形状に形成するようにしたので、断面円形状であ
る従来の場合に比べて、ランナー25の部分に残留する
分の材料ロスについても略半減することができる。
【0036】また、上記圧入ユニット11のポット12
に、該ポット12の温度を可塑化計量ユニット1の可塑
化温度に調整する調温機構16を連設するようにしたの
で、可塑化計量ユニット1のノズル3近傍の成形材料w
1 が金型温度に加熱されて硬化するという事態を未然に
防止でき、よって、圧入ユニット11に可塑化計量ユニ
ット1のノズル3を接続させたままにしておくことがで
きる。その結果、成形材料w1 の硬化に間に合うように
可塑化計量ユニット1の処理サイクルを選択できるよう
になるので、可塑化計量ユニット1に小径サイズのもの
を使用して設備を小型化することができる一方、ショッ
ト毎に可塑化計量ユニット1を移動させる従来の場合の
ようなノズルタッチに起因するノズル3の摩耗や損傷の
発生を回避することもできる。
【0037】ここで、上記成形装置の具体的な型締力に
ついて説明すると、上記の実施形態において、ランナー
25の第1の部分25aの直径を10mmに、圧入ユニ
ット11のポット12の内径を9mmにそれぞれ設定し
た場合には、型締力は20tで済む。これに対し、従来
の成形装置では、50tの型締力が必要である。つま
り、この場合には、型締力は従来の2/5に低減される
ことになる。また、上記圧入ユニット11を用いたこと
によるインラインスクリュー式射出成形機としての可塑
化計量ユニット1の大きさをみると、上記の場合には、
直径が16mmのスクリュー4で済む。これに対し、イ
ンラインスクリュー式射出成形機により成形材料を金型
に圧入する従来の場合では、直径が25mmのスクリュ
ーを必要とする。よって、本発明により設備コストをか
なり低減できることが判る。
【0038】また、上記の場合に低減できる成形材料w
1 のロスについて説明すると、4つのブロックW,W,
…の分の成形材料w1 を100としたときに、従来の場
合にはランナー及びスプルーによる材料ロスが250で
あったのを、その4分の1以下の60に低減することが
できた。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、伝動ベルトを形成するベルト用ブロックを熱硬
化性樹脂からなる成形材料を用いてインサート成形する
ために使用される成形装置として、成形材料を可塑化す
る可塑化機構と、この可塑化機構により可塑化された成
形材料をポット内に貯溜してプランジャーにより該ポッ
ト内の成形材料をその下端開口から押し出す圧入機構
と、上型に上記ポットが上下方向に貫通してその下端開
口を上型及び下型間の合せ面に位置付けるように配置さ
れ、かつ該ポットの下端開口からキャビティに圧入され
た成形材料をヒータで加熱硬化させる金型とを備えるよ
うにしたので、金型の合せ面に沿って形成される従来の
スプルーを省略することができ、よって、そのようなス
プルーに起因する材料ロスを無くすることができる。ま
た、スプルーを省略した分だけ金型における成形材料の
流動抵抗と金型の受圧面積とを共に小さくして型締力を
小さくできるので、金型の歪みを小さくして高い成形精
度を容易に得ることができるとともに金型の寿命の短命
化を回避することができ、その上、型締装置を小型化し
て設備コストの低減を図ることもできる。
【0040】請求項2の発明によれば、上記圧入機構
を、プランジャーの下端がポットの下端開口に達する位
置まで下降するように設けることとしたので、ポットに
起因する材料ロスの発生を未然に防止することができ
る。この結果、金型にランナーが形成されている場合に
は、材料ロスを略ランナーの分だけに低減することがで
きる。
【0041】請求項3の発明によれば、上記金型のラン
ナーの主要部分を、上型及び下型の一方の合せ面に設け
られた断面半円形状の溝部により形成するようにしたの
で、ランナーに起因する材料ロスを、断面円形状である
従来の場合よりも低減することができる。
【0042】請求項4の発明によれば、上記圧入機構の
ポットに、該ポットの温度を成形材料の可塑化温度に調
整する調温手段を連設するようにしたので、ポットとの
接続部分において可塑化機構の成形材料が金型温度に加
熱されて硬化するという事態を回避でき、その結果、可
塑化機構を圧入機構に接続させたままにすることができ
るので、成形材料のショット毎に可塑化機構としての可
塑化計量ユニットを移動させる従来の場合に比べて、成
形材料の硬化時間に合わせて可塑化機構の処理サイクル
を選択できるようになり、可塑化機構のサイズを小径化
して設備の小型化を図ることができるとともに、上記の
ような接続に起因する接続部分の摩耗や損傷の発生を回
避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る成形装置の全体構成を
示す正面図である。
【図2】伝動ベルトを示す斜視図である。
【図3】ベルト用ブロックを示す正面図である。
【図4】図3のIV−IV線断面図である。
【図5】金型におけるキャビティまでの成形材料の経路
を示す平面図である。
【図6】金型から取り出した成形体を示す図5のVI−VI
線断面に対応する断面図である。
【図7】従来の成形装置の全体構成を示す図1相当図で
ある。
【図8】従来の成形装置に用いられる金型におけるキャ
ビティまでの成形材料の経路を示す図5相当図である。
【図9】従来の金型から取り出した成形体を示す平面図
である。
【符号の説明】
1 可塑化計量ユニット(可塑化機構) 11 圧入ユニット(圧入機構) 12 ポット 13 プランジャー 16 調温機構(調温手段) 21 金型 22 上型 23 下型 24 キャビティ 25 ランナー 26 ヒータ W ブロック w1 成形材料 w2 インサート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池野 隆 兵庫県神戸市兵庫区明和通3丁目2番15号 バンドー化学株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンドレスの張力帯に該張力帯の長さ方
    向に等間隔に係止固定されて伝動ベルトを形成するブロ
    ックを熱硬化性樹脂からなる成形材料を用いてインサー
    ト成形するために使用されるベルト用ブロックの成形装
    置であって、 上記成形材料を可塑化する可塑化機構と、 上下方向に延びて下端に開口が設けられ、上記可塑化機
    構により可塑化された成形材料を貯溜するためのポット
    を有するとともに、該ポット内に上下移動可能に嵌挿さ
    れ、ポット内の成形材料を該ポットの下端開口から押し
    出すためのプランジャーを有する圧入機構と、 上型及び下型からなり、該上型に上記ポットが上下方向
    に貫通して該ポットの下端開口を上記上型と上記下型と
    の間の合せ面に位置付けるように配置され、かつ上記合
    せ面にキャビティが形成されているとともに、上記圧入
    機構により上記キャビティに圧入された成形材料を加熱
    して硬化させるヒータを有する金型とを備えていること
    を特徴とするベルト用ブロックの成形装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のベルト用ブロックの成形
    装置において、 圧入機構は、プランジャーの下端がポットの下端開口に
    達する位置まで下降するように設けられていることを特
    徴とするベルト用ブロックの成形装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のベルト用ブロック
    の成形装置において、 キャビティは複数とされ、 金型は、圧入機構のポットの下端開口から上記各キャビ
    ティに通じるランナーを有し、 上記ランナーの主要部分は、上型及び下型の一方の合せ
    面に設けられた断面半円形状の溝部により形成されてい
    ることを特徴とするベルト用ブロックの成形装置。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3記載のベルト用ブロ
    ックの成形装置において、 圧入機構のポットに、該ポットの温度を成形材料の可塑
    化温度に調整する調温手段が連設されていることを特徴
    とするベルト用ブロックの成形装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7824593B2 (en) 2005-09-30 2010-11-02 Mitsubishi Electric Corporation Method of manufacturing moving handrail for passenger conveyor

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