JPH10329219A - マイクロ光造形装置 - Google Patents

マイクロ光造形装置

Info

Publication number
JPH10329219A
JPH10329219A JP9140494A JP14049497A JPH10329219A JP H10329219 A JPH10329219 A JP H10329219A JP 9140494 A JP9140494 A JP 9140494A JP 14049497 A JP14049497 A JP 14049497A JP H10329219 A JPH10329219 A JP H10329219A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
elevator
light beam
liquid resin
thickness
film thickness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9140494A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3764980B2 (ja
Inventor
Hiroo Ukita
宏生 浮田
Kenji Yamano
健治 山野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DENKEN ENG KK
Ritsumeikan Trust
Original Assignee
DENKEN ENG KK
Ritsumeikan Trust
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by DENKEN ENG KK, Ritsumeikan Trust filed Critical DENKEN ENG KK
Priority to JP14049497A priority Critical patent/JP3764980B2/ja
Publication of JPH10329219A publication Critical patent/JPH10329219A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3764980B2 publication Critical patent/JP3764980B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heating, Cooling, Or Curing Plastics Or The Like In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 単位積層膜の厚さが変動しにくく、しかもこ
の厚さを非常に小さくできると共に、作製される立体モ
デルの形状精度が高く、加えて装置自体も小型化できる
マイクロ光造形装置を提供する。 【解決手段】 光検出器11で膜厚計測用光ビーム6B
の焦点FBとエレベータ5との間隔を計測して焦点誤差
信号fをコントローラ8へ送出させると共に、前記エレ
ベータ5の上面5a又は単位積層膜9の上面9aを液状
樹脂4の液面4bと同じ高さにし、且つ、前記膜厚計測
用光ビーム6Bの焦点FBをエレベータ5の上面5aに
合わせた時を基準高さとし、この基準高さからのエレベ
ータ5の降下幅を、前記焦点誤差信号fに基づいて前記
スライスデータの設定厚さΔhとすることにより、液状
樹脂層4aの光硬化により形成される単位積層膜9の厚
さが前記設定厚さΔhと略同一となるように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、感光性の液状樹
脂に、光ビーム(レーザー光)をコントローラ等で制御
しながら照射して光硬化させ、あらかじめ設定したスラ
イスデータに基づく薄板状の単位積層膜を積層すること
により、3次元の立体モデルを形成する光造形(光立体
成形)法に使用されるマイクロ光造形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、光造形法においては、NC機械
切削や工具による手作り等によることなく、中空体を含
む3次元の立体モデルを作製することができる。また、
この立体モデルの作製には、3次元CADにより、この
立体モデルを水平方向に複数個に輪切りした薄板状のス
ライスデータ(形状データ)が利用されている。
【0003】図13に示すように、従来のこの種のマイ
クロ光造形装置としては、例えば、(a) ,(b) 上面照射
の自由液面方式、(c) 下面照射の規制液面方式、(d) 上
面照射の規制液面方式のもの等が知られている(生田幸
士:“マイクロ光造形(IHプロセス)”, OPTRONICS,
4, pp.103-108, 1996)。
【0004】(a) の上面照射の自由液面方式では、所定
位置に配置された上方に開口部3cを有する樹脂用容器
3と、所定位置に水平姿勢で昇降自在且つ単独で水平面
内移動自在に支持されて前記樹脂用容器3に注入する液
状樹脂4中に浸漬されるエレベータ5と、前記液状樹脂
4の液面4bより上方の所定位置に、この液状樹脂4を
光硬化させる硬化用光ビーム6Aを下方へ照射可能に配
備された光源(図示せず)と、該光源より下方の所定位
置に、前記硬化用光ビーム6Aを下方へ集光可能且つ焦
点位置調整可能に配備された集光レンズ(図示せず)と
を備え、前記エレベータ5の水平位置と高さ位置とをコ
ントローラ(図示せず)で制御することにより、あらか
じめ設定したスライスデータに基づいて、前記エレベー
タ5より上方の未硬化の液状樹脂層4aをその液面4b
に前記硬化用光ビーム6Aの焦点FAを合わせた状態で
光硬化させて、前記エレベータ5上に所定厚さ及び所定
形状の単位積層膜9を順次に積層して所定形状の立体モ
デル10を作製できるように構成されている。
【0005】(b) の上面照射の自由液面方式では、上記
(a) において、前記エレベータ5を使用せず、所定位置
に略水平に配置される底板3aと側壁板3bとからなる
樹脂用容器3が水平面内移動自在であると共に、この樹
脂用容器3に、前記液状樹脂層4aが所定厚さとなるよ
うに適宜の量の液状樹脂4をその都度注入することによ
り、前記樹脂用容器3の底板3a上に単位積層膜9を順
次に積層できるように構成されている。
【0006】(c) の下面照射の規制液面方式では、所定
位置に略水平に支持される底板3aと側壁板3bとから
なり且つ前記底板3aの所定範囲が透明部材66で構成
された樹脂用容器3と、上記(a) と同様の昇降自在且つ
水平面内移動自在なエレベータ5と、前記樹脂用容器3
の底板3aより下方の所定位置に、前記透明部材66中
を透過して前記液状樹脂4を光硬化させる硬化用光ビー
ム6Aを上方へ照射可能に配備された光源(図示せず)
と、該光源より上方の所定位置に、前記硬化用光ビーム
6Aを上方へ集光可能且つ焦点位置調整可能に配備され
た集光レンズ(図示せず)とを備え、前記エレベータ5
の水平位置と高さ位置とをコントローラ(図示せず)で
制御することにより、あらかじめ設定したスライスデー
タに基づいて、前記エレベータ5と透明部材66との間
の未硬化の液状樹脂層4aを前記透明部材66の上面6
6dに前記硬化用光ビーム6Aの焦点FAを合わせた状
態で光硬化させて、前記エレベータ5の下面5bに所定
厚さ及び所定形状の単位積層膜9を順次に積層できるよ
うに構成されている。
【0007】(d) の上面照射の規制液面方式では、上記
(b) と同様の樹脂用容器3と、少なくとも底板55aと
側壁板55bとから中空状に形成され且つ前記底板55
aの所定範囲が透明部材56で構成されていると共に、
所定位置に前記底板55aが水平姿勢で昇降自在となる
ように支持されて前記樹脂用容器3に注入する液状樹脂
4中にその下端部が浸漬されるエレベータ55と、該エ
レベータ55の底板55aより上方の所定位置に、上記
(c) と同様の光源(図示せず)と集光レンズ(図示せ
ず)とを備え、前記樹脂用容器3の水平位置と、前記エ
レベータ55の高さ位置とをコントローラ(図示せず)
で制御することにより、あらかじめ設定したスライスデ
ータに基づいて、前記樹脂用容器3の底板3aと透明部
材56との間の未硬化の液状樹脂層4aを前記透明部材
56の下面56eに前記硬化用光ビーム6Aの焦点FA
を合わせた状態で光硬化させて、前記樹脂用容器3の底
板3a上に所定厚さ及び所定形状の単位積層膜9を順次
に積層できるように構成されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
(a) 〜(d) のような従来のマイクロ光造形装置において
は、前記硬化用光ビーム6Aの光源として光強度が変化
する紫外線レーザが使用されているので、(a) 及び(b)
のものでは、その光源の光強度変化により前記単位積層
膜9の厚さhが変動するという問題点がある。また、こ
の厚さhは、外気流による前記液状樹脂層4aの液面4
bの波打ちによっても変動するという問題点がある(山
口勝美ら:“紫外線感光樹脂を使ったマイクロストラク
チャーの製造”,日本機械学会論文集C編, 62, 574, p
p.677-682, 1996 )。
【0009】また、この単位積層膜9(液状樹脂層4
a)の厚さhは、(a) 、(c) 、及び(d) のものでは前記
エレベータ5,55の降下時又は上昇時における機械精
度に依存し、(b) のものでは前記液状樹脂4の注入量に
依存するので、作製される立体モデル10の形状精度が
高くないという問題点がある。
【0010】更に、(c) 及び(d) の規制液面方式のもの
では、(a) 及び(b) の自由液面方式のものよりは前記厚
さhを小さくできるが、前記樹脂用容器3の底板3aと
エレベータ5,55等との間に液状樹脂4がその粘性に
より侵入しなかったり、あるいは侵入した場合でも前記
底板3aとエレベータ5,55等とが接着するので、前
記厚さhを非常に小さくしようとしてもできないという
問題点がある。
【0011】加えて、前記光源としての紫外線レーザは
大型であるので、装置自体の小型化が難しいという問題
点がある。
【0012】この発明は、以上のような問題点に鑑みて
なされたものであり、単位積層膜の厚さが変動しにく
く、しかもこの厚さを非常に小さくできると共に、作製
される立体モデルの形状精度が高く、加えて装置自体も
小型化できるマイクロ光造形装置を提供することを目的
とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の手段とするところは、第1に、所定位置に配置された
上方に開口部を有する樹脂用容器と、所定位置に水平姿
勢で昇降自在に支持されて前記樹脂用容器に注入する液
状樹脂中に浸漬されるエレベータと、前記液状樹脂の液
面より上方の所定位置に配置されて、この液状樹脂を光
硬化させる硬化用光ビームを照射可能な半導体レーザか
らなる光源と、未硬化及び硬化後の液状樹脂中を透過す
る膜厚計測用光ビームを照射可能な半導体レーザからな
る膜厚計測用光源と、前記硬化用光ビーム及び膜厚計測
用光ビームを下方へ集光可能で且つそれらの焦点位置調
整可能な集光レンズと、前記膜厚計測用光ビームのエレ
ベータからの反射光を検出する光検出器とを有する光ヘ
ッドとを備え、前記エレベータが樹脂用容器と共に若し
くは単独で水平面内移動自在であるか、又は、前記光ヘ
ッドが水平面内移動自在であると共に、このエレベータ
又は光ヘッドの水平位置と、前記エレベータの高さ位置
とをコントローラで制御することにより、あらかじめ設
定したスライスデータに基づいて、前記エレベータより
上方の未硬化の液状樹脂層をその液面に前記硬化用光ビ
ームの焦点を合わせた状態で光硬化させて、前記エレベ
ータ上に所定厚さ及び所定形状の単位積層膜を順次に積
層できるマイクロ光造形装置であって、前記光検出器で
膜厚計測用光ビームの焦点とエレベータとの間隔を計測
して焦点誤差信号を前記コントローラへ送出させると共
に、前記エレベータの上面又は単位積層膜の上面を前記
液状樹脂の液面と同じ高さにし、且つ、前記膜厚計測用
光ビームの焦点をエレベータの上面に合わせた時を基準
高さとし、この基準高さからのエレベータの降下幅を、
前記焦点誤差信号に基づいて前記スライスデータの設定
厚さとすることにより、前記液状樹脂層の光硬化により
形成される単位積層膜の厚さが前記設定厚さと略同一と
なるように構成したことにある。
【0014】第2に、所定位置に配置された上方に開口
部を有する樹脂用容器と、所定位置に水平姿勢で昇降自
在に支持されて前記樹脂用容器に注入する液状樹脂中に
浸漬されるエレベータと、前記液状樹脂の液面より上方
の所定位置に配置されて、この液状樹脂を光硬化させる
硬化用光ビームとこれと同一波長の膜厚計測用光ビーム
とを照射可能な半導体レーザからなる光源と、前記硬化
用光ビーム及び膜厚計測用光ビームを下方へ集光可能で
且つそれらの焦点位置調整可能な集光レンズと、前記膜
厚計測用光ビームのエレベータからの反射光を検出する
光検出器とを有する光ヘッドとを備え、前記エレベータ
が樹脂用容器と共に若しくは単独で水平面内移動自在で
あるか、又は、前記光ヘッドが水平面内移動自在である
と共に、このエレベータ又は光ヘッドの水平位置と、前
記エレベータの高さ位置とをコントローラで制御するこ
とにより、あらかじめ設定したスライスデータに基づい
て、前記エレベータより上方の未硬化の液状樹脂層をそ
の液面に前記硬化用光ビームの焦点を合わせた状態で光
硬化させて、前記エレベータ上に所定厚さ及び所定形状
の単位積層膜を順次に積層できるマイクロ光造形装置で
あって、前記エレベータ上における前記硬化用光ビーム
による光硬化時の位置から側方へ所定距離離れた位置
に、このエレベータ上の所定範囲に前記液状樹脂が侵入
しないように包囲壁を立設し、該包囲壁内で前記光検出
器により膜厚計測用光ビームの焦点とエレベータとの間
隔を計測して焦点誤差信号を前記コントローラへ送出さ
せると共に、前記エレベータの上面又は単位積層膜の上
面を前記液状樹脂の液面と同じ高さにし、且つ、前記膜
厚計測用光ビームの焦点をエレベータの上面に合わせた
時を基準高さとし、この基準高さからのエレベータの降
下幅を、前記焦点誤差信号に基づいて前記スライスデー
タの設定厚さとすることにより、前記液状樹脂層の光硬
化により形成される単位積層膜の厚さが前記設定厚さと
略同一となるように構成したことにある。
【0015】第3に、前記エレベータ上に所定厚さのス
ペーサを載置し、このスペーサ上に前記単位積層膜を順
次に積層できるように構成したことにある。
【0016】第4に、所定位置に略水平に配置される底
板と側壁板とからなる樹脂用容器と、少なくとも底板と
側壁板とから中空状に形成され且つ前記底板の所定範囲
が透明部材で構成されていると共に、所定位置に前記底
板が水平姿勢で昇降自在となるように支持されて前記樹
脂用容器に注入する液状樹脂中にその下端部が浸漬され
るエレベータと、該エレベータの底板より上方の所定位
置に配置されて、前記透明部材中を透過して前記液状樹
脂を光硬化させる硬化用光ビームを照射可能な半導体レ
ーザからなる光源と、前記透明部材と未硬化及び硬化後
の液状樹脂中を透過する膜厚計測用光ビームを照射可能
な半導体レーザからなる膜厚計測用光源と、前記硬化用
光ビーム及び膜厚計測用光ビームを下方へ集光可能で且
つそれらの焦点位置調整可能な集光レンズと、前記膜厚
計測用光ビームの樹脂用容器の底板からの反射光を検出
する光検出器とを有する光ヘッドとを備え、前記樹脂用
容器又は光ヘッドが水平面内移動自在であると共に、こ
の樹脂用容器又は光ヘッドの水平位置と、前記エレベー
タの高さ位置とをコントローラで制御することにより、
あらかじめ設定したスライスデータに基づいて、前記樹
脂用容器の底板と透明部材との間の未硬化の液状樹脂層
を前記透明部材の下面に前記硬化用光ビームの焦点を合
わせた状態で光硬化させて、前記樹脂用容器の底板上に
所定厚さ及び所定形状の単位積層膜を順次に積層できる
マイクロ光造形装置であって、前記光検出器で膜厚計測
用光ビームの焦点と樹脂用容器の底板との間隔を計測し
て焦点誤差信号を前記コントローラへ送出させると共
に、前記透明部材の下面を前記樹脂用容器の底板の上面
又は単位積層膜の上面と同じ高さにし、且つ、前記膜厚
計測用光ビームの焦点を樹脂用容器の底板の上面に合わ
せた時を基準高さとし、この基準高さからのエレベータ
の上昇幅を、前記焦点誤差信号に基づいて前記スライス
データの設定厚さとすることにより、前記液状樹脂層の
光硬化により形成される単位積層膜の厚さが前記設定厚
さと略同一となるように構成したことにある。
【0017】第5に、所定位置に略水平に支持される底
板と側壁板とからなり且つ前記底板の所定範囲が透明部
材で構成された樹脂用容器と、所定位置に水平姿勢で昇
降自在に支持されて前記樹脂用容器に注入する液状樹脂
中に浸漬されるエレベータと、前記樹脂用容器の底板よ
り下方の所定位置に、前記透明部材中を透過して前記液
状樹脂を光硬化させる硬化用光ビームを照射可能な半導
体レーザからなる光源と、前記透明部材と未硬化及び硬
化後の液状樹脂中を透過する膜厚計測用光ビームを照射
可能な半導体レーザからなる膜厚計測用光源と、前記硬
化用光ビーム及び膜厚計測用光ビームを上方へ集光可能
で且つそれらの焦点位置調整可能な集光レンズと、前記
膜厚計測用光ビームのエレベータの下面からの反射光を
検出する光検出器とを有する光ヘッドとを備え、前記エ
レベータ又は光ヘッドが水平面内移動自在であると共
に、このエレベータ又は光ヘッドの水平位置と、前記エ
レベータの高さ位置とをコントローラで制御することに
より、あらかじめ設定したスライスデータに基づいて、
前記エレベータと透明部材との間の未硬化の液状樹脂層
を前記透明部材の上面に前記硬化用光ビームの焦点を合
わせた状態で光硬化させて、前記エレベータの下面に所
定厚さ及び所定形状の単位積層膜を順次に積層できるマ
イクロ光造形装置であって、前記光検出器で膜厚計測用
光ビームの焦点とエレベータとの間隔を計測して焦点誤
差信号を前記コントローラへ送出させると共に、前記エ
レベータの下面又は単位積層膜の下面を前記透明部材の
上面と同じ高さにし、且つ、前記膜厚計測用光ビームの
焦点をエレベータの下面に合わせた時を基準高さとし、
この基準高さからのエレベータの上昇幅を、前記焦点誤
差信号に基づいて前記スライスデータの設定厚さとする
ことにより、前記液状樹脂層の光硬化により形成される
単位積層膜の厚さが前記設定厚さと略同一となるように
構成したことにある。
【0018】第6に、所定位置に液状樹脂を滴下可能に
支持された樹脂滴下手段と、該樹脂滴下手段からその上
面に滴下される液状樹脂を回転の遠心力により所定厚さ
の液状樹脂層に形成可能なように、所定位置に水平姿勢
で回転自在且つ昇降自在に配置されたスピナーと、該ス
ピナーより上方の所定位置に、前記液状樹脂を光硬化さ
せる硬化用光ビームを照射可能な半導体レーザからなる
光源と、未硬化及び硬化後の液状樹脂中を透過する膜厚
計測用光ビームを照射可能な半導体レーザからなる膜厚
計測用光源と、前記硬化用光ビーム及び膜厚計測用光ビ
ームを下方へ集光可能で且つそれらの焦点位置調整可能
な集光レンズと、前記膜厚計測用光ビームのスピナーか
らの反射光を検出する光検出器とを有する光ヘッドとを
備え、前記スピナー又は光ヘッドが水平面内移動自在で
あると共に、前記樹脂滴下手段における液状樹脂の滴下
量と、前記スピナーの回転速度と、前記スピナー又は光
ヘッドの水平位置と、前記スピナーの高さ位置とをコン
トローラで制御することにより、あらかじめ設定したス
ライスデータに基づいて、前記スピナー上に形成される
未硬化の液状樹脂層の所定範囲を、前記スピナーを静止
させ且つ前記液状樹脂層の液面に前記硬化用光ビームの
焦点を合わせた状態で光硬化させて、前記スピナー上に
所定厚さ及び所定形状の単位積層膜を順次に積層できる
マイクロ光造形装置であって、前記光検出器で膜厚計測
用光ビームの焦点とスピナーとの間隔を計測して焦点誤
差信号を前記コントローラへ送出させると共に、前記膜
厚計測用光ビームの焦点をスピナーの上面に合わせた時
を基準高さとし、この状態で前記液状樹脂層の厚さを前
記スライスデータの設定厚さに形成して、前記基準高さ
からのスピナーの降下幅を、前記焦点誤差信号に基づい
て前記設定厚さとすることにより、前記光硬化時におけ
る硬化用光ビームの焦点位置を略一定の高さに保持でき
るように構成したことにある。
【0019】第7に、前記液状樹脂層の中心部分を光硬
化させると共に、この中心部分から外方へ所定間隔離れ
た外周部分を光硬化させて、前記スピナー上に所定厚さ
及び所定形状の単位積層膜と、この単位積層膜から外方
へ所定間隔離れた単位積層包囲膜とをそれぞれ順次に積
層できるように構成したことにある。
【0020】第8に、前記スピナーを包囲するように所
定位置に側面カバーを設けたことにある。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を図面
に基づいて説明する。なお、既述の従来技術と同じ構成
については、同一符号を付してその説明を省略する。こ
こで、下記第1乃至第3実施形態では上面照射の自由液
面方式、第4実施形態では上面照射の規制液面方式、第
5実施形態では下面照射の規制液面方式、第6実施形態
ではスピナー方式のものについてそれぞれ説明する。
【0022】図1及び図2に示すように、第1実施形態
に係るマイクロ光造形装置1は、必要に応じて配備され
るステージ2と、樹脂用容器3と、この樹脂用容器3に
注入する液状樹脂4中に浸漬されるエレベータ5と、前
記液状樹脂4を光硬化させる硬化用光ビーム6Aと未硬
化及び硬化後の液状樹脂4中を透過する膜厚計測用光ビ
ーム6Bを下方へ集光照射可能且つ焦点位置調整に配備
された光ヘッド7とを備え、例えば前記ステージ2の水
平位置とエレベータ5の高さ位置とをコントローラ8で
制御することにより、あらかじめ設定したスライスデー
タに基づいて、前記エレベータ5より上方の未硬化の液
状樹脂層4aをその液面4bに前記硬化用光ビーム6A
の焦点FAを合わせた状態で光硬化させて、前記エレベ
ータ5上に所定厚さ及び所定形状の単位積層膜9を順次
に積層して所定形状の立体モデル10を作製できるよう
に構成した、上面照射の自由液面方式のものである。
【0023】そして、このマイクロ光造形装置1におい
ては、前記膜厚計測用光ビーム6Bのエレベータ5から
の反射光6Cを検出可能に前記光ヘッド7に内蔵された
光検出器11で、膜厚計測用光ビーム6Bの焦点FBと
エレベータ5との間隔を計測して焦点誤差信号fを前記
コントローラ8へ送出させると共に、前記エレベータ5
の上面5a又は単位積層膜9の上面9aを前記液状樹脂
4の液面4bと同じ高さにし、且つ、前記膜厚計測用光
ビーム6Bの焦点FBをエレベータ5の上面5aに合わ
せた時を基準高さとし、この基準高さからのエレベータ
5の降下幅を、前記焦点誤差信号fに基づいて前記スラ
イスデータの設定厚さΔhとすることにより、前記液状
樹脂層4aの光硬化により形成される単位積層膜9の厚
さが前記設定厚さΔhと略同一となるように構成されて
いる。
【0024】前記ステージ2は、必要に応じて所定位置
に略水平に配備されている。そして、前記エレベータ5
が例えば樹脂用容器3と共に水平面内移動自在となるよ
うにするために、前記樹脂用容器3を配置したこのステ
ージ2が水平面内移動自在とされている。この場合のそ
の水平位置は、前記コントローラ8により制御される
が、このステージ2の代わりに、前記光ヘッド7を水平
面内移動自在とした場合には、図1中に二点鎖線で示す
ように、この光ヘッド7の水平位置が前記コントローラ
8により制御される。
【0025】前記樹脂用容器3は、例えば、前記ステー
ジ2上に配置され、底板3aと側壁板3bとから構成さ
れて上方に開口部3cを有している。
【0026】前記エレベータ5は、例えば、前記樹脂用
容器3の底板3a上に載置した適宜の昇降装置12等に
水平姿勢で昇降自在に固定され、この樹脂用容器3に注
入する液状樹脂4中に浸漬される。また、このエレベー
タ5は、前記水平面内移動自在なステージ2上に配置し
た樹脂用容器3に固定されることにより、上記のよう
に、この樹脂用容器3と共に水平面内移動自在となって
いる。なお、このエレベータ5の上面5aは、前記膜厚
計測用光ビーム6Bを効率良く反射させるために鏡面研
摩しておいてもよい。
【0027】前記液状樹脂4としては、例えば、可視光
線や紫外線の照射によって重合反応が開始されて光硬化
されるラジカル重合性のモノマーやプレポリマー等が挙
げられ、必要に応じて、例えばカンファーキノンと還元
剤と色素等を混合したもの又はベンゾインメチルエーテ
ル等の適宜の光増感剤を配合して使用される。このよう
な液状樹脂4としては、低粘度で、安定性に優れると共
に、感光性の高いものが望ましく、例えば、多官能メタ
クリレート等を好適に使用できる。
【0028】前記光ヘッド7は、前記液状樹脂4を光硬
化させる硬化用光ビーム6Aと、前記未硬化の液状樹脂
4及び硬化後の単位積層膜9中を透過する膜厚計測用光
ビーム6Bとを、その下端部に昇降自在に配備した集光
レンズ13により下方へ集光照射可能且つ焦点位置調整
可能に、例えば所定形状のアーム14等で前記液状樹脂
4の液面4bより上方の所定位置に固定されている。
【0029】この光ヘッド7としては、例えば図3及び
図4に示すように、DVD(デジタル・ビデオ・ディス
ク)用の光ヘッド7(R.Katayama et al:"Dual wavelen
gthOptical Head for 0.6 mm and 1.2 mm Substrate Th
ickness", Jpn.J.Appl.Phys., Vol.36 (1997), pp.460-
466)等を使用できる。なお、図3及び図4中、13は
集光レンズ、15はHOE(ホログラフィックオプティ
カルエレメント)、16はλ/4板、17は干渉フィル
タ、18はPBS(プリズムビームスプリッタ)であ
る。また、19Aは例えば波長635nmの硬化用光ビ
ーム6Aを照射可能な半導体レーザからなる光源、19
Bは例えば波長785nmの膜厚計測用光ビーム6Bを
照射可能な半導体レーザからなる膜厚計測用光源、11
は前記反射光6Cを検出し、前記膜厚計測用光ビーム6
Bの焦点FBとエレベータ5との間隔を計測して焦点誤
差信号fを前記コントローラ8へ送出可能な光検出器で
ある。更に、20は前記硬化用光ビーム6Aの焦点位置
調整用の光検出器、21は、波長635nmに対しては
NA=0.6,波長785nmに対してはNA=0.4
5とするための干渉フィルタからなる可変開口である。
【0030】前記コントローラ8は、所定位置に配備さ
れ、前記水平面内移動自在なエレベータ5、即ちステー
ジ2又は光ヘッド7の水平位置と、前記昇降自在なエレ
ベータ5の高さ位置とを制御する。そして、あらかじめ
設定したスライスデータに基づいて、前記エレベータ5
より上方の未硬化の液状樹脂層4aをその液面4bに前
記硬化用光ビーム6Aの焦点FAを合わせた状態で光硬
化させて、前記エレベータ5上に所定厚さ及び所定形状
の単位積層膜9を順次に積層することにより、所定形状
の3次元の立体モデル10が作製される。
【0031】なお、前記スライスデータは、前記立体モ
デル10を水平方向に複数個に輪切りにして得られる3
次元CADによる薄板状の前記単位積層膜9の形状デー
タであり、あらかじめ前記コントローラ8に記憶させて
おいてもよいし、あるいはこのコントローラ8を接続し
たコンピュータ等の記憶装置等にあらかじめ記憶させて
おき、必要に応じて読み出し可能としておいてもよい。
【0032】次に、上記のように構成されたマイクロ光
造形装置1の動作について説明する。まず、前記樹脂用
容器3に所定量の液状樹脂4を注入しておく。次いで、
前記コントローラ8により、前記エレベータ5が昇降し
て、このエレベータ5の上面5aが前記液状樹脂4の液
面4bと同じ高さになるように調整される。この状態で
前記膜厚計測用光ビーム6Bの焦点FBが前記エレベー
タ5の上面5aに合わせられて基準高さとされた後、エ
レベータ5が降下する。このエレベータ5の降下は、前
記焦点誤差信号fにより、エレベータ5の降下幅が前記
スライスデータの設定厚さΔhと同じになった時点で止
まる。この際、エレベータ5と前記液状樹脂4の液面4
bとの間には、前記設定厚さΔhと略同じ厚さの液状樹
脂層4aが形成されているので、その液面4bに前記硬
化用光ビーム6Aの焦点FAが合わせられ、前記スライ
スデータに基づいて前記ステージ2又は光ヘッド7が水
平面内移動すれば、前記設定厚さΔhと略同じ厚さで且
つ所定形状の最下層の単位積層膜9がエレベータ5上に
形成される。
【0033】2層目より上層の単位積層膜9が形成され
る場合においては、その単位積層膜9の上面9aが前記
液状樹脂4の液面4bと同じ高さにされた時点が基準高
さとなる。その後は、上記と同様の動作が繰り返され、
複数の単位積層膜9が積層されて立体モデル10が作製
される。
【0034】即ち、前記コントローラ8により、前記基
準高さからのエレベータ5の降下幅を、前記焦点誤差信
号fに基づいて前記スライスデータの設定厚さΔhとす
ることにより、前記液状樹脂層4aの光硬化により形成
される単位積層膜9の厚さが前記設定厚さΔhと略同一
となるように構成されているので、前記単位積層膜9を
スライスデータに基づいてより精密に形成でき、そのた
め立体モデル10の形状精度が高いという利点がある。
【0035】また、前記硬化用光ビーム6Aの光源19
Aや膜厚計測用光ビーム6Bの膜厚計測用光源19B
は、いずれもそれ自体が小さい半導体レーザからなるの
で、これら光源19Aと膜厚計測用光源19Bの他、前
記光検出器11や集光レンズ13等をも全て光ヘッド7
にコンパクトに配備することができ、そのため、当該マ
イクロ光造形装置1自体を小型化できるという利点があ
る。また、半導体レーザからなる光源19Aから照射さ
れる硬化用光ビーム6Aは、1μm以下まで集光可能で
あるので立体モデル10をより精密に作製できると共
に、光強度変化が少ないので前記単位積層膜9の厚さΔ
hが変動しにくいという利点もある。
【0036】なお、この第1実施形態においては、前記
ステージ2を水平面内移動自在とすることにより前記エ
レベータ5を水平面内移動自在としているが、これに限
定されるものではなく、前記樹脂用容器3内に固定した
このエレベータ5自体を、公知の従来技術を利用して水
平面内移動自在としておいてもよい。
【0037】図5に示すように、第2実施形態に係るマ
イクロ光造形装置31は、上記第1実施形態において、
前記エレベータ5を樹脂用容器3内に固定する代わり
に、例えば所定位置に配備された図示しない昇降装置等
に接続したアーム32等で略水平に支持することによ
り、水平姿勢で昇降自在且つ単独で水平面内移動自在と
なるようにしたものである。
【0038】この場合、エレベータ5の水平位置が前記
コントローラ8により制御されるが、上記と同様、この
エレベータ5の代わりに前記光ヘッド7を水平面内移動
自在とした場合には、図5中に二点鎖線で示すように、
この光ヘッド7の水平位置が前記コントローラ8により
制御される。その他の動作は、第1実施形態と同様であ
る。
【0039】従って、上記と同様、前記膜厚計測用光ビ
ーム6Bによる計測を行うので、立体モデル10の形状
精度が高いという利点がある。
【0040】図6に示すように、第3実施形態に係るマ
イクロ光造形装置41は、上記第1又は第2実施形態に
おいて、前記光源19Aが硬化用光ビーム6Aとこれと
同一波長の膜厚計測用光源6Bとを照射可能であり、前
記エレベータ5上における前記硬化用光ビーム6Aによ
る光硬化時の位置から側方へ所定距離離れた位置に、こ
のエレベータ5上の所定範囲Lに前記液状樹脂4が侵入
しないように包囲壁42を立設し、該包囲壁42内で前
記反射光6Cを検出すると共に、必要に応じて前記エレ
ベータ5上に所定厚さのスペーサ43を載置し、このス
ペーサ43上に前記単位積層膜9を順次に積層できるよ
うに構成したものである。
【0041】前記光ヘッドとしては、例えば図7に示す
ように、DVD(デジタル・ビデオ・ディスク)用の光
ヘッド47(Y.Komma et al:"Dual Focus Optical Head
with a Hologram-Integrated Lens", Jpn.J.Appl.Phy
s., Vol.36 (1997), pp.474-480)等を使用できる。な
お、図7中、13,44は集光レンズ、45はビームス
プリッター、49は例えば波長650nmの硬化用光ビ
ーム6Aと膜厚計測用光源6Bを照射可能な半導体レー
ザからなる光源、50は検出レンズである。また、11
は、前記膜厚計測用光ビーム6Bの前記エレベータ5か
らの反射光6Cを検出し、前記膜厚計測用光ビーム6B
の焦点FBとエレベータ5との間隔を計測して焦点誤差
信号fを前記コントローラ8へ送出可能であると共に、
前記硬化用光ビーム6Aの焦点位置調整が可能である光
検出器である。
【0042】次に、当該マイクロ光造形装置41の動作
について説明する。即ち、前記基準高さにおける膜厚計
測用光ビーム6Bの焦点FBは、前記液状樹脂4が侵入
していない前記包囲壁42内のエレベータ5の上面5a
に合わせられる。次いで、前記ステージ2、エレベータ
5、又は光ヘッド47が水平面内移動して、側方へ所定
距離離れた位置にある前記スペーサ43の上方の液面4
bに前記硬化用光ビーム6Aの焦点FAが合わせられ、
上記と同様にしてスペーサ43上に単位積層膜9が積層
される。
【0043】なお、前記スペーサ43を使用する場合に
おいてこのスペーサ43上に最下層の単位積層膜9を形
成する際には、前記液状樹脂4の液面4bにエレベータ
5の上面5aを合わせて基準高さとし、この基準高さか
らのエレベータ5の降下幅を前記単位積層膜5の厚さと
スペーサ43の厚さの和としてもよいし、あるいは、前
記液状樹脂4の液面4bにスペーサ43の上面43aを
合わせて基準高さとし、この基準高さからのエレベータ
5の降下幅を前記単位積層膜9の厚さとしてもよい。
【0044】このように、前記硬化用光ビーム6Aと膜
厚計測用光ビーム6Bが同一波長である光ヘッド47を
使用する場合でも、膜厚計測用光ビーム6Bによる計測
と硬化用光ビーム6Aによる光硬化とを所定距離離れた
異なる位置で行うように構成しておけば、上記と同様、
前記単位積層膜9をスライスデータに基づいてより精密
に形成でき、そのため立体モデル10の形状精度が高い
という利点等がある。
【0045】また、この実施形態のように、前記スペー
サ43を使用してこのスペーサ43上に単位積層膜9を
積層できるようにした場合には、前記硬化用光ビーム6
Aの焦点位置(光スポット)と膜厚計測用光ビーム6B
の焦点位置(光スポット)との間隔が大きい場合でも、
上記の計測を行ってからの光硬化時における硬化用光ビ
ーム6Aの焦点FA合わせをより小さい範囲で効率良く
できるという利点がある。
【0046】図8及び図9に示すように、第4実施形態
に係るマイクロ光造形装置51は、上記第1実施形態に
おいて、エレベータ55が、少なくとも底板55aと側
壁板55bとから中空状に形成され且つ前記底板55a
の所定範囲が透明部材56で構成されていると共に、所
定位置に前記底板55aが水平姿勢で昇降自在となるよ
うに支持されて前記樹脂用容器3に注入する液状樹脂4
中にその下端部が浸漬されるようにした、上面照射の規
制液面方式のものである。
【0047】そして、このマイクロ光造形装置51は、
前記膜厚計測用光ビーム6Bの前記樹脂用容器3の底板
3aからの反射光6Cを前記光検出器11で検出し、前
記膜厚計測用光ビーム6Bの焦点FBと樹脂用容器3の
底板3aとの間隔を計測して焦点誤差信号fを前記コン
トローラ8へ送出させると共に、前記透明部材56の下
面56eを前記樹脂用容器3の底板3aの上面3d又は
単位積層膜9の上面9aと同じ高さにし、且つ、前記膜
厚計測用光ビーム6Bの焦点FBを樹脂用容器3の底板
3aの上面3dに合わせた時を基準高さとし、この基準
高さからのエレベータ55の上昇幅を、前記焦点誤差信
号fに基づいて前記スライスデータの設定厚さΔhとす
ることにより、前記液状樹脂層4aの光硬化により形成
される単位積層膜9の厚さが前記設定厚さΔhと略同一
となるように構成されている。
【0048】次に、当該マイクロ光造形装置51の動作
について説明する。このマイクロ光造形装置51におい
ては、前記単位積層膜9は、前記樹脂用容器3の底板3
a上に積層される。即ち、まず、前記コントローラ8に
より、前記エレベータ55が昇降して、前記樹脂用容器
3の底板3a上に前記エレベータ55の底板55aが当
接するように載置される。この状態で前記透明部材56
を透過した膜厚計測用光ビーム6Bの焦点FBが前記樹
脂用容器3の底板3aの上面3dに合わせられて基準高
さとされた後、エレベータ55が上昇する。このエレベ
ータ55の上昇は、前記焦点誤差信号fにより、エレベ
ータ55の上昇幅が前記スライスデータの設定厚さΔh
と同じになった時点で止まる。この際、樹脂用容器3の
底板3aと前記エレベータ55の底板55aとの間に
は、前記設定厚さΔhと略同じ厚さの液状樹脂層4aが
形成されているので、その液面4b、即ち前記透明部材
56の下面56eに前記硬化用光ビーム6Aの焦点FA
が合わせられ、前記スライスデータに基づいて前記樹脂
用容器3、即ちステージ2又は光ヘッド7が水平面内移
動すれば、前記設定厚さΔhと略同じ厚さで且つ所定形
状の最下層の単位積層膜9が前記樹脂用容器3の底板3
a上に形成される。
【0049】2層目より上層の単位積層膜9が形成され
る場合においては、その単位積層膜9の上面9aが前記
透明部材56の下面56eに当接されている状態が基準
高さとなる。その後は、上記と同様の動作が繰り返さ
れ、複数の単位積層膜9が前記樹脂用容器3の底板3a
上に積層されて立体モデル10が作製される。
【0050】このように、前記膜厚計測用光ビーム6B
による計測を行うので立体モデル10の形状精度が高い
のに加え、前記液状樹脂層4aの液面4bが前記エレベ
ータ55の底板55aにより規制されるので、前記単位
積層膜9の厚さが変動しないと共に、上記の自由液面方
式に比べて単位積層膜9の厚さをより小さく形成できる
という利点もある。
【0051】図10及び図11に示すように、第5実施
形態に係るマイクロ光造形装置61は、上記第4実施形
態において、前記樹脂用容器3が、所定範囲を透明部材
66で構成した底板3aと側壁板3bとからなり、例え
ば前記ステージ2上に、前記透明部材66がこのステー
ジ2に形成した下面照射用開口部62の上方に位置する
ように載置されると共に、前記光ヘッド7が樹脂用容器
3の底板3aより下方の所定位置に、前記硬化用光ビー
ム6Aと膜厚計測用光ビーム6Bとを上方へ集光照射可
能且つ焦点位置調整可能に配備された、下面照射の規制
液面方式のものである。
【0052】即ち、このマイクロ光造形装置61におい
ては、前記硬化用光ビーム6Aの焦点FAを前記樹脂用
容器3の底板3aの透明部材66の上面66dに合わせ
ることにより、前記エレベータ5の下面5bに単位積層
膜9が下方へ積層される。この場合、前記膜厚計測用光
ビーム6Bによる計測は、前記エレベータ5の下面5b
からの反射光6Cを検出することにより行われる。ま
た、前記コントローラ8により、水平面内移動自在なエ
レベータ5又は光ヘッド7の水平位置と、昇降自在なエ
レベータ5の高さ位置とが制御される。その他の動作に
ついては、第4実施形態とは上下が逆に、即ち、前記単
位積層膜9が下方へ順次に積層されること以外は第4実
施形態とほぼ同様である。
【0053】このように、上記と同様、前記膜厚計測用
光ビーム6Bによる計測を行うので立体モデル10の形
状精度が高いのに加え、前記液状樹脂層4aの液面4b
(下面)が前記樹脂用容器3の底板3aの透明部材66
の上面66dにより規制されるので、前記単位積層膜9
の厚さが変動しないと共に、上記の自由液面方式に比べ
て単位積層膜9の厚さをより小さく形成できるという利
点もある。
【0054】図12に示すように、第6実施形態に係る
マイクロ光造形装置71は、必要に応じて水平姿勢で水
平面内移動自在に配備されるステージ2と、樹脂滴下装
置(樹脂滴下手段)72と、水平姿勢で回転自在且つ昇
降自在であって前記ステージ2と共に水平面内移動自在
であるスピナー73と、上記と同様の光ヘッド7と、前
記樹脂滴下装置72における液状樹脂4の滴下量、前記
スピナー73の回転速度、前記スピナー73、即ちステ
ージ2又は光ヘッド7の水平位置及び前記スピナー73
の高さ位置を制御するコントローラ8とを備え、あらか
じめ設定したスライスデータに基づいて、前記スピナー
73上に形成される未硬化の液状樹脂層4aの中心部分
と、必要に応じてこの中心部分から外方へ所定間隔離れ
た外周部分とを、前記スピナー73を静止させ且つ前記
液状樹脂層4aの液面4bに前記硬化用光ビーム6Aの
焦点FAを合わせた状態で光硬化させて、前記スピナー
73上に所定厚さ及び所定形状の単位積層膜9と、この
単位積層膜9から外方へ所定間隔離れた単位積層包囲膜
74とを順次に積層できるように構成したものである。
【0055】そして、このマイクロ光造形装置71は、
前記膜厚計測用光ビーム6Bのスピナー73からの反射
光6Cを前記光検出器11で検出し、前記膜厚計測用光
ビーム6Bの焦点FBとスピナー73との間隔を計測し
て焦点誤差信号fを前記コントローラ8へ送出させると
共に、前記膜厚計測用光ビーム6Bの焦点FBをスピナ
ー73の上面73aに合わせた時を基準高さとし、この
状態で前記液状樹脂層4aの厚さを前記スライスデータ
の設定厚さΔhに形成して、前記基準高さからのスピナ
ー73の降下幅を、前記焦点誤差信号fに基づいて前記
設定厚さΔhとすることにより、前記光硬化時における
硬化用光ビーム6Aの焦点位置を略一定の高さに保持で
きるように構成されている。
【0056】前記ステージ2は、必要に応じて所定位置
に水平姿勢で水平面内移動自在に配備され、このステー
ジ2より上方の所定位置に、液状樹脂4を滴下可能に前
記樹脂滴下装置72が支持されている。
【0057】前記ステージ2は、前記スピナー73を水
平面内移動自在とするために必要に応じて水平面内移動
自在とされるが、このステージ2の代わりに、前記光ヘ
ッド7を水平面内移動自在としてもよい。なお、この実
施形態のように、必要に応じて例えばこのステージ2上
等の所定位置に、前記スピナー73を包囲するように側
面カバー75を設けておけば、前記スピナー73の回転
による外方への液状樹脂4の飛散を防止できるという利
点がある。
【0058】また、前記樹脂滴下装置72における液状
樹脂4の滴下量は、前記コントローラ8により制御され
るが、樹脂滴下手段としては、この実施形態のような樹
脂滴下装置72に限定されるものではなく、適宜のもの
を使用できる。
【0059】前記スピナー73は、前記液状樹脂4がそ
の上面73aに滴下され且つこの液状樹脂4を回転の遠
心力により所定厚さの液状樹脂層4aに形成可能なよう
に、例えば前記ステージ2上に水平姿勢で回転自在且つ
昇降自在に固定されている。そして、このスピナー73
の回転速度は、前記コントローラ8により制御され、そ
の上面73aに形成される液状樹脂層4aが適宜の厚さ
とされる。
【0060】前記コントローラ8は、所定位置に配備さ
れ、上記のように、前記樹脂滴下装置72における液状
樹脂4の滴下量と、前記スピナー73の回転速度と、前
記スピナー73、即ちステージ2又は光ヘッド7の水平
位置と、前記スピナー73の高さ位置とを制御する。そ
して、あらかじめ設定したスライスデータに基づいて、
前記スピナー73上に単位積層膜9と、必要に応じて単
位積層包囲膜74とを順次に積層することにより、所定
形状の3次元の立体モデル10が作製される。
【0061】次に、上記のように構成されたマイクロ光
造形装置71の動作について説明する。まず、前記膜厚
計測用光ビーム6Bの焦点FBをスピナー73の上面7
3aに合わせて基準高さとし、この状態で前記樹脂滴下
装置72からスピナー73上へ所定量の液状樹脂4を滴
下した後、前記コントローラ8によりスピナー73を適
宜の速度で高速回転させ、その回転の遠心力により形成
される液状樹脂層4aの厚さを前記スライスデータの設
定厚さΔhに形成する。次いで、前記スピナー73が降
下するが、その降下は、前記焦点誤差信号fにより、こ
のスピナー73の降下幅が前記スライスデータの設定厚
さΔhと同じになった時点で止まる。そして、前記液状
樹脂層4aの液面4bに前記硬化用光ビーム6Aの焦点
FAが合わせられ、前記スライスデータに基づいて前記
スピナー73、即ちステージ2又は光ヘッド7が水平面
内移動すれば、前記液状樹脂層4aの中心部分に前記設
定厚さΔhと略同じ厚さで且つ所定形状の最下層の単位
積層膜9が形成される。また、前記液状樹脂層4aの外
周部分には、この単位積層膜9から外方へ所定間隔を開
けて単位積層包囲膜74が形成される。
【0062】2層目より上層の単位積層膜9と飛散防止
用単位積層包囲膜74は、上記の動作を繰り返して形成
される。なお、この実施形態のように、前記単位積層包
囲膜74を形成した場合には、これら単位積層膜9と単
位積層包囲膜74との間に液状樹脂4が溜まるので、こ
の液状樹脂4により単位積層膜9を所定数積層した立体
モデル10の前記スピナー73の回転時における変形や
破損等が防止されると共に、液状樹脂4の飛散も防止さ
れるという利点がある。
【0063】当該マイクロ光造形装置71は、上記のよ
うに構成されているので、硬化用光ビーム6Aの焦点F
A合わせが不要であるか又は必要な場合でも非常に短時
間で済むという利点がある。また、このようなスピナー
方式のものによれば、前記液状樹脂層4aの厚さを非常
に小さくできるので、前記スライスデータの設定厚さΔ
hが非常に小さい場合でも十分に対応でき、そのため立
体モデル10の形状精度をより高くできるという利点が
ある。
【0064】以上、第2(第3)、第4乃至第6実施形
態においては、エレベータ5,55やスピナー73を昇
降自在としているが、これに限定されるものではなく、
前記樹脂用容器3やスピナー73を配置する例えば前記
ステージ2等を昇降自在とすることもできる。
【0065】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、上面照射の自由液面方式において、前記コントロー
ラにより、前記基準高さからのエレベータの降下幅を、
前記焦点誤差信号に基づいて前記スライスデータの設定
厚さとすることにより、前記液状樹脂層の光硬化により
形成される単位積層膜の厚さが前記設定厚さと略同一と
なるように構成されているので、前記単位積層膜をスラ
イスデータに基づいてより精密に形成でき、そのため立
体モデルの形状精度が高いという利点がある。また、前
記硬化用光ビームの光源や膜厚計測用光ビームの膜厚計
測用光源は、いずれもそれ自体が小さい半導体レーザか
らなるので、これら光源と膜厚計測用光源の他、前記光
検出器や集光レンズ等も全て光ヘッドにコンパクトに配
備することができ、そのため、当該マイクロ光造形装置
自体を小型化できるという利点がある。また、半導体レ
ーザからなる光源から照射される硬化用光ビームは、1
μm以下まで集光可能であるので立体モデルをより精密
に作製できると共に、光強度変化が少ないので前記単位
積層膜の厚さが変動しにくいという利点もある。
【0066】請求項2の発明によれば、上面照射の自由
液面方式において、前記硬化用光ビームと膜厚計測用光
ビームが同一波長である光ヘッドを使用する場合でも、
膜厚計測用光ビームによる計測と硬化用光ビームによる
光硬化とを所定距離離れた異なる位置で行うように構成
されているので、上記請求項1と同様の効果がある。
【0067】請求項3の発明によれば、前記エレベータ
上に所定厚さのスペーサを載置し、このスペーサ上に前
記単位積層膜を順次に積層できるように構成しているの
で、上記請求項1及び請求項2の効果に加え、前記硬化
用光ビームの焦点位置(光スポット)と膜厚計測用光ビ
ームの焦点位置(光スポット)との間隔が大きい場合で
も、上記の計測を行ってからの光硬化時における硬化用
光ビームの焦点合わせをより小さい範囲で効率良くでき
るという利点がある。
【0068】請求項4及び請求項5の発明によれば、上
面照射又は下面照射の規制液面方式において、前記膜厚
計測用光ビームによる計測を行うので立体モデルの形状
精度が高いのに加え、前記液状樹脂層の液面が前記エレ
ベータの底板により規制されるので、前記単位積層膜の
厚さが変動しないと共に、上記の自由液面方式に比べて
単位積層膜の厚さをより小さく形成できるという利点も
ある。
【0069】請求項6の発明によれば、スピナー方式に
おいて、前記膜厚計測用光ビームの焦点をスピナーの上
面に合わせた時を基準高さとし、この状態で前記液状樹
脂層の厚さを前記スライスデータの設定厚さに形成し
て、前記基準高さからのステージの降下幅を、前記焦点
誤差信号に基づいて前記設定厚さとすることにより、前
記光硬化時における硬化用光ビームの焦点位置を略一定
の高さに保持できるように構成されているので、硬化用
光ビームの焦点合わせが不要であるか又は必要な場合で
も非常に短時間で済むという利点がある。また、このよ
うなスピナー方式のものによれば、前記液状樹脂層の厚
さを非常に小さくできるので、前記スライスデータの設
定厚さが非常に小さい場合でも十分に対応でき、そのた
め立体モデルの形状精度をより高くできるという利点が
ある。
【0070】請求項7の発明によれば、前記液状樹脂層
の中心部分を光硬化させると共に、この中心部分から外
方へ所定間隔離れた外周部分を光硬化させて、前記スピ
ナー上に所定厚さ及び所定形状の単位積層膜と、この単
位積層膜から外方へ所定間隔離れた単位積層包囲膜とを
それぞれ順次に積層できるように構成されているので、
前記単位積層膜と単位積層包囲膜との間に液状樹脂が溜
まり、そのため、この液状樹脂により単位積層膜を所定
数積層した立体モデルの前記スピナーの回転時における
変形や破損等が防止されると共に、液状樹脂の飛散も防
止されるという利点がある。
【0071】請求項8の発明によれば、前記スピナーを
包囲するように所定位置に側面カバーを設けているの
で、前記スピナーの回転による外方への液状樹脂の飛散
を防止でき、そのためスピナーの回転速度を上げた場合
でもこの側面カバーより外方が液状樹脂で汚れるおそれ
がないという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るマイクロ光造形装置の概略
断面説明図。
【図2】単位積層膜を光硬化させた状態を示す拡大断面
説明図。
【図3】図1の光ヘッドの一例を示す構成説明図。
【図4】図1の光ヘッドの他例を示す構成説明図。
【図5】第2実施形態に係るマイクロ光造形装置の概略
断面説明図。
【図6】第3実施形態に係るマイクロ光造形装置で単位
積層膜を光硬化させた状態を示す拡大断面説明図。
【図7】図6の光ヘッドの一例を示す構成説明図。
【図8】第4実施形態に係るマイクロ光造形装置の概略
断面説明図。
【図9】単位積層膜を光硬化させた状態を示す拡大断面
説明図。
【図10】第5実施形態に係るマイクロ光造形装置の概
略断面説明図。
【図11】単位積層膜を光硬化させた状態を示す拡大断
面説明図。
【図12】第6実施形態に係るマイクロ光造形装置の概
略断面説明図。
【図13】(a) 及び(b) は上面照射の自由液面方式の従
来例、(c) は下面照射の規制液面方式の従来例、(d) は
上面照射の規制液面方式の従来例をそれぞれ示す概略断
面説明図。
【符号の説明】
1,31,41,51,61,71 マイクロ光造形装
置 3 樹脂用容器 3a 底板 3b 側壁板 3c 開口部 3d 底板の上面 4 液状樹脂 4a 液状樹脂層 4b 液面 5,55 エレベータ 5a 上面 5b 下面 55a 底板 55b 側壁板 6A 硬化用光ビーム 6B 膜厚計測用光ビーム 6C 反射光 FA,FB 焦点 7,47 光ヘッド 8 コントローラ 9 単位積層膜 9a 上面 11 光検出器 f 焦点誤差信号 Δh 設定厚さ 13 集光レンズ 19A,49 光源 19B 膜厚計測用光源 42 包囲壁 43 スペーサ 56,66 透明部材 56e 下面 66d 上面 72 樹脂滴下装置(樹脂滴下手段) 73 スピナー 73a 上面 74 単位積層包囲膜 75 側面カバー

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定位置に配置された上方に開口部を有
    する樹脂用容器と、 所定位置に水平姿勢で昇降自在に支持されて前記樹脂用
    容器に注入する液状樹脂中に浸漬されるエレベータと、 前記液状樹脂の液面より上方の所定位置に配置されて、
    この液状樹脂を光硬化させる硬化用光ビームを照射可能
    な半導体レーザからなる光源と、未硬化及び硬化後の液
    状樹脂中を透過する膜厚計測用光ビームを照射可能な半
    導体レーザからなる膜厚計測用光源と、前記硬化用光ビ
    ーム及び膜厚計測用光ビームを下方へ集光可能で且つそ
    れらの焦点位置調整可能な集光レンズと、前記膜厚計測
    用光ビームのエレベータからの反射光を検出する光検出
    器とを有する光ヘッドとを備え、 前記エレベータが樹脂用容器と共に若しくは単独で水平
    面内移動自在であるか、又は、前記光ヘッドが水平面内
    移動自在であると共に、このエレベータ又は光ヘッドの
    水平位置と、前記エレベータの高さ位置とをコントロー
    ラで制御することにより、 あらかじめ設定したスライスデータに基づいて、前記エ
    レベータより上方の未硬化の液状樹脂層をその液面に前
    記硬化用光ビームの焦点を合わせた状態で光硬化させ
    て、前記エレベータ上に所定厚さ及び所定形状の単位積
    層膜を順次に積層できるマイクロ光造形装置であって、 前記光検出器で膜厚計測用光ビームの焦点とエレベータ
    との間隔を計測して焦点誤差信号を前記コントローラへ
    送出させると共に、 前記エレベータの上面又は単位積層膜の上面を前記液状
    樹脂の液面と同じ高さにし、且つ、前記膜厚計測用光ビ
    ームの焦点をエレベータの上面に合わせた時を基準高さ
    とし、この基準高さからのエレベータの降下幅を、前記
    焦点誤差信号に基づいて前記スライスデータの設定厚さ
    とすることにより、 前記液状樹脂層の光硬化により形成される単位積層膜の
    厚さが前記設定厚さと略同一となるように構成したこと
    を特徴とするマイクロ光造形装置。
  2. 【請求項2】 所定位置に配置された上方に開口部を有
    する樹脂用容器と、 所定位置に水平姿勢で昇降自在に支持されて前記樹脂用
    容器に注入する液状樹脂中に浸漬されるエレベータと、 前記液状樹脂の液面より上方の所定位置に配置されて、
    この液状樹脂を光硬化させる硬化用光ビームとこれと同
    一波長の膜厚計測用光ビームとを照射可能な半導体レー
    ザからなる光源と、前記硬化用光ビーム及び膜厚計測用
    光ビームを下方へ集光可能で且つそれらの焦点位置調整
    可能な集光レンズと、前記膜厚計測用光ビームのエレベ
    ータからの反射光を検出する光検出器とを有する光ヘッ
    ドとを備え、 前記エレベータが樹脂用容器と共に若しくは単独で水平
    面内移動自在であるか、又は、前記光ヘッドが水平面内
    移動自在であると共に、このエレベータ又は光ヘッドの
    水平位置と、前記エレベータの高さ位置とをコントロー
    ラで制御することにより、 あらかじめ設定したスライスデータに基づいて、前記エ
    レベータより上方の未硬化の液状樹脂層をその液面に前
    記硬化用光ビームの焦点を合わせた状態で光硬化させ
    て、前記エレベータ上に所定厚さ及び所定形状の単位積
    層膜を順次に積層できるマイクロ光造形装置であって、 前記エレベータ上における前記硬化用光ビームによる光
    硬化時の位置から側方へ所定距離離れた位置に、このエ
    レベータ上の所定範囲に前記液状樹脂が侵入しないよう
    に包囲壁を立設し、該包囲壁内で前記光検出器により膜
    厚計測用光ビームの焦点とエレベータとの間隔を計測し
    て焦点誤差信号を前記コントローラへ送出させると共
    に、 前記エレベータの上面又は単位積層膜の上面を前記液状
    樹脂の液面と同じ高さにし、且つ、前記膜厚計測用光ビ
    ームの焦点をエレベータの上面に合わせた時を基準高さ
    とし、この基準高さからのエレベータの降下幅を、前記
    焦点誤差信号に基づいて前記スライスデータの設定厚さ
    とすることにより、 前記液状樹脂層の光硬化により形成される単位積層膜の
    厚さが前記設定厚さと略同一となるように構成したこと
    を特徴とするマイクロ光造形装置。
  3. 【請求項3】 前記エレベータ上に所定厚さのスペーサ
    を載置し、このスペーサ上に前記単位積層膜を順次に積
    層できるように構成したことを特徴とする請求項2記載
    のマイクロ光造形装置。
  4. 【請求項4】 所定位置に略水平に配置される底板と側
    壁板とからなる樹脂用容器と、 少なくとも底板と側壁板とから中空状に形成され且つ前
    記底板の所定範囲が透明部材で構成されていると共に、
    所定位置に前記底板が水平姿勢で昇降自在となるように
    支持されて前記樹脂用容器に注入する液状樹脂中にその
    下端部が浸漬されるエレベータと、 該エレベータの底板より上方の所定位置に配置されて、
    前記透明部材中を透過して前記液状樹脂を光硬化させる
    硬化用光ビームを照射可能な半導体レーザからなる光源
    と、前記透明部材と未硬化及び硬化後の液状樹脂中を透
    過する膜厚計測用光ビームを照射可能な半導体レーザか
    らなる膜厚計測用光源と、前記硬化用光ビーム及び膜厚
    計測用光ビームを下方へ集光可能で且つそれらの焦点位
    置調整可能な集光レンズと、前記膜厚計測用光ビームの
    樹脂用容器の底板からの反射光を検出する光検出器とを
    有する光ヘッドとを備え、 前記樹脂用容器又は光ヘッドが水平面内移動自在である
    と共に、この樹脂用容器又は光ヘッドの水平位置と、前
    記エレベータの高さ位置とをコントローラで制御するこ
    とにより、 あらかじめ設定したスライスデータに基づいて、前記樹
    脂用容器の底板と透明部材との間の未硬化の液状樹脂層
    を前記透明部材の下面に前記硬化用光ビームの焦点を合
    わせた状態で光硬化させて、前記樹脂用容器の底板上に
    所定厚さ及び所定形状の単位積層膜を順次に積層できる
    マイクロ光造形装置であって、 前記光検出器で膜厚計測用光ビームの焦点と樹脂用容器
    の底板との間隔を計測して焦点誤差信号を前記コントロ
    ーラへ送出させると共に、 前記透明部材の下面を前記樹脂用容器の底板の上面又は
    単位積層膜の上面と同じ高さにし、且つ、前記膜厚計測
    用光ビームの焦点を樹脂用容器の底板の上面に合わせた
    時を基準高さとし、この基準高さからのエレベータの上
    昇幅を、前記焦点誤差信号に基づいて前記スライスデー
    タの設定厚さとすることにより、 前記液状樹脂層の光硬化により形成される単位積層膜の
    厚さが前記設定厚さと略同一となるように構成したこと
    を特徴とするマイクロ光造形装置。
  5. 【請求項5】 所定位置に略水平に支持される底板と側
    壁板とからなり且つ前記底板の所定範囲が透明部材で構
    成された樹脂用容器と、 所定位置に水平姿勢で昇降自在に支持されて前記樹脂用
    容器に注入する液状樹脂中に浸漬されるエレベータと、 前記樹脂用容器の底板より下方の所定位置に、前記透明
    部材中を透過して前記液状樹脂を光硬化させる硬化用光
    ビームを照射可能な半導体レーザからなる光源と、前記
    透明部材と未硬化及び硬化後の液状樹脂中を透過する膜
    厚計測用光ビームを照射可能な半導体レーザからなる膜
    厚計測用光源と、前記硬化用光ビーム及び膜厚計測用光
    ビームを上方へ集光可能で且つそれらの焦点位置調整可
    能な集光レンズと、前記膜厚計測用光ビームのエレベー
    タの下面からの反射光を検出する光検出器とを有する光
    ヘッドとを備え、 前記エレベータ又は光ヘッドが水平面内移動自在である
    と共に、このエレベータ又は光ヘッドの水平位置と、前
    記エレベータの高さ位置とをコントローラで制御するこ
    とにより、 あらかじめ設定したスライスデータに基づいて、前記エ
    レベータと透明部材との間の未硬化の液状樹脂層を前記
    透明部材の上面に前記硬化用光ビームの焦点を合わせた
    状態で光硬化させて、前記エレベータの下面に所定厚さ
    及び所定形状の単位積層膜を順次に積層できるマイクロ
    光造形装置であって、 前記光検出器で膜厚計測用光ビームの焦点とエレベータ
    との間隔を計測して焦点誤差信号を前記コントローラへ
    送出させると共に、 前記エレベータの下面又は単位積層膜の下面を前記透明
    部材の上面と同じ高さにし、且つ、前記膜厚計測用光ビ
    ームの焦点をエレベータの下面に合わせた時を基準高さ
    とし、この基準高さからのエレベータの上昇幅を、前記
    焦点誤差信号に基づいて前記スライスデータの設定厚さ
    とすることにより、 前記液状樹脂層の光硬化により形成される単位積層膜の
    厚さが前記設定厚さと略同一となるように構成したこと
    を特徴とするマイクロ光造形装置。
  6. 【請求項6】 所定位置に液状樹脂を滴下可能に支持さ
    れた樹脂滴下手段と、 該樹脂滴下手段からその上面に滴下される液状樹脂を回
    転の遠心力により所定厚さの液状樹脂層に形成可能なよ
    うに、所定位置に水平姿勢で回転自在且つ昇降自在に配
    置されたスピナーと、 該スピナーより上方の所定位置に、前記液状樹脂を光硬
    化させる硬化用光ビームを照射可能な半導体レーザから
    なる光源と、未硬化及び硬化後の液状樹脂中を透過する
    膜厚計測用光ビームを照射可能な半導体レーザからなる
    膜厚計測用光源と、前記硬化用光ビーム及び膜厚計測用
    光ビームを下方へ集光可能で且つそれらの焦点位置調整
    可能な集光レンズと、前記膜厚計測用光ビームのスピナ
    ーからの反射光を検出する光検出器とを有する光ヘッド
    とを備え、 前記スピナー又は光ヘッドが水平面内移動自在であると
    共に、前記樹脂滴下手段における液状樹脂の滴下量と、
    前記スピナーの回転速度と、前記スピナー又は光ヘッド
    の水平位置と、前記スピナーの高さ位置とをコントロー
    ラで制御することにより、 あらかじめ設定したスライスデータに基づいて、前記ス
    ピナー上に形成される未硬化の液状樹脂層の所定範囲
    を、前記スピナーを静止させ且つ前記液状樹脂層の液面
    に前記硬化用光ビームの焦点を合わせた状態で光硬化さ
    せて、前記スピナー上に所定厚さ及び所定形状の単位積
    層膜を順次に積層できるマイクロ光造形装置であって、 前記光検出器で膜厚計測用光ビームの焦点とスピナーと
    の間隔を計測して焦点誤差信号を前記コントローラへ送
    出させると共に、 前記膜厚計測用光ビームの焦点をスピナーの上面に合わ
    せた時を基準高さとし、この状態で前記液状樹脂層の厚
    さを前記スライスデータの設定厚さに形成して、前記基
    準高さからのスピナーの降下幅を、前記焦点誤差信号に
    基づいて前記設定厚さとすることにより、 前記光硬化時における硬化用光ビームの焦点位置を略一
    定の高さに保持できるように構成したことを特徴とする
    マイクロ光造形装置。
  7. 【請求項7】 前記液状樹脂層の中心部分を光硬化させ
    ると共に、この中心部分から外方へ所定間隔離れた外周
    部分を光硬化させて、前記スピナー上に所定厚さ及び所
    定形状の単位積層膜と、この単位積層膜から外方へ所定
    間隔離れた単位積層包囲膜とをそれぞれ順次に積層でき
    るように構成したことを特徴とする請求項6記載のマイ
    クロ光造形装置。
  8. 【請求項8】 前記スピナーを包囲するように所定位置
    に側面カバーを設けたことを特徴とする請求項6又は7
    記載のマイクロ光造形装置。
JP14049497A 1997-05-29 1997-05-29 マイクロ光造形装置 Expired - Fee Related JP3764980B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14049497A JP3764980B2 (ja) 1997-05-29 1997-05-29 マイクロ光造形装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14049497A JP3764980B2 (ja) 1997-05-29 1997-05-29 マイクロ光造形装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10329219A true JPH10329219A (ja) 1998-12-15
JP3764980B2 JP3764980B2 (ja) 2006-04-12

Family

ID=15269938

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14049497A Expired - Fee Related JP3764980B2 (ja) 1997-05-29 1997-05-29 マイクロ光造形装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3764980B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007014140A (ja) * 2005-06-30 2007-01-18 Mitsubishi Electric Corp スロットレスモータのコイル保持枠、ステータ、スロットレスモータ、コイル保持枠の製造方法及びステータの製造方法
CN107662336A (zh) * 2016-07-28 2018-02-06 禾鈶股份有限公司 利用全像投影的积层打印系统及其方法
JP2018083354A (ja) * 2016-11-24 2018-05-31 ソニー株式会社 情報処理装置、造形装置、情報処理方法、およびプログラム
CN108454100A (zh) * 2018-04-09 2018-08-28 常州轻工职业技术学院 基于全反射原理提高成型效果的光固化成型设备
KR20180122322A (ko) * 2015-12-22 2018-11-12 클라우스 슈타들만 3차원 바디를 생산하기 위한 방법
US20210245435A1 (en) * 2016-08-23 2021-08-12 Canon Kabushiki Kaisha Three dimensional manufacturing apparatus and method for manufacturing three dimensional manufactured product
WO2024024529A1 (ja) * 2022-07-25 2024-02-01 国立大学法人横浜国立大学 造形装置、造形物生産方法およびプログラム

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007014140A (ja) * 2005-06-30 2007-01-18 Mitsubishi Electric Corp スロットレスモータのコイル保持枠、ステータ、スロットレスモータ、コイル保持枠の製造方法及びステータの製造方法
KR20180122322A (ko) * 2015-12-22 2018-11-12 클라우스 슈타들만 3차원 바디를 생산하기 위한 방법
CN107662336A (zh) * 2016-07-28 2018-02-06 禾鈶股份有限公司 利用全像投影的积层打印系统及其方法
US20210245435A1 (en) * 2016-08-23 2021-08-12 Canon Kabushiki Kaisha Three dimensional manufacturing apparatus and method for manufacturing three dimensional manufactured product
US11951677B2 (en) * 2016-08-23 2024-04-09 Canon Kabushiki Kaisha Three dimensional manufacturing apparatus and method for manufacturing three dimensional manufactured product
JP2018083354A (ja) * 2016-11-24 2018-05-31 ソニー株式会社 情報処理装置、造形装置、情報処理方法、およびプログラム
WO2018096963A1 (ja) * 2016-11-24 2018-05-31 ソニー株式会社 情報処理装置、造形装置、情報処理方法、およびプログラム
US11155038B2 (en) 2016-11-24 2021-10-26 Sony Corporation Information processing apparatus, modeling apparatus, and information processing method
CN108454100A (zh) * 2018-04-09 2018-08-28 常州轻工职业技术学院 基于全反射原理提高成型效果的光固化成型设备
CN108454100B (zh) * 2018-04-09 2024-04-02 常州工业职业技术学院 基于全反射原理提高成型效果的光固化成型设备
WO2024024529A1 (ja) * 2022-07-25 2024-02-01 国立大学法人横浜国立大学 造形装置、造形物生産方法およびプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP3764980B2 (ja) 2006-04-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4837097B2 (ja) 有形物体製造システムおよび方法
JP5267174B2 (ja) 光造形装置及び造形ベース
CN104589651B (zh) 光固化打印设备及方法
JPH0541411B2 (ja)
CN105856573A (zh) 一种高精度高速度连续3d打印机及其打印方法
CN102007433B (zh) 薄膜悬浮光学元件及相关方法
JP2019528202A (ja) 光重合性拡散反射材料を固化させるための方法
KR101025132B1 (ko) 블루레이 픽업 유니트를 이용한 광조형 장치
JPH10329219A (ja) マイクロ光造形装置
CN111421815A (zh) 一种dlp 3d生物打印机
WO2007023724A1 (ja) 光造形装置および光造形方法
JPH09277384A (ja) 三次元構造体の製造装置と製造方法
WO2006035739A1 (ja) 光造形装置及び光造形方法
CN110370625B (zh) 一种提升dlp光固化增材制造效率的方法
CN110524874A (zh) 光固化3d打印装置及其打印方法
CN206011731U (zh) 一种高精度高速度连续3d打印机
CN109203468B (zh) 一种快速光固化3d打印装置
JP2617532B2 (ja) 三次元形状の形成方法および装置
JP3805749B2 (ja) 薄膜硬化型光造形装置
JPS6237109A (ja) 立体形状形成装置
JP2558355B2 (ja) 三次元形状の形成方法
KR20040102531A (ko) 마이크로 광 조형 방법 및 장치
CN113276408A (zh) 一种液体内连续光固化成型增材制造装置及其制造方法
JP5391838B2 (ja) ウエハレンズの製造方法
WO2021239146A1 (zh) 光固化型三维打印装置和三维打印方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040531

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20040616

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051122

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20051206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060105

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R154 Certificate of patent or utility model (reissue)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R154

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees