JP5391838B2 - ウエハレンズの製造方法 - Google Patents
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というのも、樹脂レンズを成形するための金型は一般に金属製であり、そのため当該金型を介して内部に硬化光を照射しようとしても光透過性が低く、十分に硬化させる事ができないためである。
ところが、このような基板の両面にレンズ部を形成する製法において表裏両面に形成する少なくとも一方のレンズ部が、入射光を集束させる正のパワーを有する場合(凸状を呈する場合など)に、次のような不都合が生じている。
したがって、本発明の主な目的は、金属製のような光透過性の低い金型を用いた、正のパワーを有するレンズ部を構成するウエハレンズ製法においても、光硬化性樹脂を均一的に硬化させることができ、高品質のウエハレンズが得られるウエハレンズの製造方法を提供することにある。
ガラス基板の表裏両面に対しそれぞれ光硬化性樹脂製のレンズ部が形成されたウエハレンズの製造方法において、
前記光硬化性樹脂に光照射して一方の面に第1のレンズ部を形成する工程と、
前記光硬化性樹脂に光照射して他方の面に第2のレンズ部を形成する工程と、
を備え、
前記第2のレンズ部が入射光を集束させる正のパワーを有し、
前記第1のレンズ部を形成する工程の後に、前記第2のレンズ部を形成する工程の処理をおこない、
前記第2のレンズ部を形成する工程では、前記第1のレンズ部の表面を平坦にした状態で、前記第1のレンズ部と前記ガラス基板とを介し、前記第2のレンズを構成する前記光硬化性樹脂に光照射することを特徴とするウエハレンズの製造方法が提供される。
図1に示す通り、ウエハレンズ1はガラス基板2を有している。ガラス基板2は基板の一例であり、平面視するとウエハ状(円形状)を呈している。
樹脂部4は光硬化性の樹脂4Aで構成されており、凸状を呈した凸レンズ部4aと、入射光をそのまま透過させる非レンズ部4bとを、有している。凸レンズ部4aは光学面を構成しており、入射光を集束させる正のパワーを有している。非レンズ部4bは、凸レンズ部4a以外の部位であって凸レンズ部4aの周辺の部位であり、平板状に構成されて実質的に入射光をそのまま透過させる。凸レンズ部4aの厚さ4athは、凸レンズ部4aが凸状を呈しているため非レンズ部4bの厚さ4bthより肉厚となっている。
樹脂部6は光硬化性の樹脂6Aから構成されており、凹状を呈した凹レンズ部6aと、入射光をそのまま透過させる非レンズ部6bとを、有している。凹レンズ部6aは光学面を構成しており、入射光を発散させる負のパワーを有している。非レンズ部6bは、凹レンズ部6a以外の部位であって凹レンズ部6aの周辺の部位であり、平板状に構成されて実質入射光をそのまま透過させる。凹レンズ部6aの厚さ6athは、凹レンズ部6aが凹状を呈しているため非レンズ部6bの厚さ6bthより肉薄となっている。
ベース32の上部には内側に突出する突出部34が形成されている。ベース32の底部と突出部34との間にはガイド36が立設されている。ガイド36間にはステージ40が設けられている。ステージ40には貫通孔42が形成されており、ガイド36が貫通孔42を貫通している。
ステージ40の下部には圧力検出用のロードセル44が設けられている。ステージ40の自重でシャフト52の先端部がロードセル44と当接している。
ウエハレンズ製造装置30では、ギヤードモータ50の作動によりシャフト52が上下方向に伸縮するようになっており、これに伴いステージ40がガイド36に案内されながら上下方向に移動可能となっている。
平行出し部材60上にはXYステージ62,θステージ64が設けられている。XYステージ62はステージ40上のXY平面(2次元平面)において移動可能となっており、θステージ64はその中心部を回転軸として回動可能となっている。
本実施形態では、真空チャック装置70上に金型20が配置され真空チャック装置70により金型20が吸引・固定される。金型20は金属製の成形型であり、樹脂の成形に用いられる成形型の一例である。金型20上には成形しようとする樹脂(樹脂4Aや樹脂6A)が配置される。
なお、光源90の光は平行光であり、ガラス基板2に対し直交するように入射するようになっている。
高圧水銀ランプは、365nm,436nmに狭いスペクトルを持つランプである。メタルハライドランプは、水銀灯の一種で、紫外域における出力は高圧水銀ランプよりも数倍高い。キセノンランプは、最も太陽光に近いスペクトルを持つランプである。ハロゲンランプは長波長の光を多く含んでおり、近赤外光がほとんどであるランプである。蛍光灯は光の三原色に均等な照射強度を持っている。ブラックライトはピークトップを351nmに持ち、300〜400nmの近紫外光を放射するライトである。
特に本実施形態では、制御装置100はロードセル44,ポテンショメータ51の出力値に基づきギヤードモータ50の動作(回転量)を制御するようになっている。
その後、金型20上に所定量の樹脂6Aを滴下する。そして、制御装置100により平行出し部材60,XYステージ62,θステージ64を制御して、ガラス基板2の下面と金型20の上面とを平行にする(準備工程)。
詳しくは、ギヤードモータ50を作動させてシャフト52を上方に伸ばし、金型20を上方に移動させる。この場合、制御装置100がポテンショメータ51の出力値に基づきギヤードモータ50の作動を制御し、金型20を所定の高さ位置まで移動させる。
ウエハレンズ製造装置30では、移動させようとする金型20の高さ位置が制御装置100に予め設定されており、制御装置100は金型20が基準位置Sに到達する位置までギヤードモータ50を作動させ、金型20が基準位置Sに到達したらギヤードモータ50の作動を停止させる(位置制御工程)。
詳しくは、ギヤードモータ50を再度作動させてシャフト52を上方に伸ばし、ステージ40を上方に移動させる。この場合、制御装置100がロードセル44の出力値に基づきギヤードモータ50の作動を制御し、ガラス基板2に対するステージ40の押圧力を所定圧力に保持しながらステージ40を上方に移動させる。
ウエハレンズ製造装置30では、ステージ40のガラス基板2に対する押圧力が制御装置100に予め設定されており、制御装置100はロードセル44から受ける出力値に基づきギヤードモータ50の作動を制御し、ステージ40のガラス基板2に対する押圧力を所定圧力に保持する(圧力制御工程)。
その後、ギヤードモータ50を作動させてシャフト52を下方に縮ませ、金型20をもとの高さ位置に戻し、硬化後の樹脂6Aをガラス基板2とともに金型20から離型する(離型工程)。
その結果、ガラス基板2に対し、複数の凹レンズ部6aが形成された樹脂部6を形成することができる。
この場合、樹脂部6を形成するための金型20に代えて、樹脂部4を形成するための金型20を使用するとともに、樹脂6Aに代えて樹脂4Aを使用する。
なお、樹脂4A,樹脂6Aは基本的には同一(同種)材料である。
第2の実施形態は下記の点で第1の実施形態と異なっており、それ以外の技術的事項(構成や作用など)は第1の実施形態と同じである。
なお、この場合、凹レンズ部6aは先に形成された凸レンズ部4aの影響を受けるが、凸レンズ部4aに比べて影響は少ない。
2 ガラス基板
4 樹脂部
4a 凸レンズ部
4b 非レンズ部
6 樹脂部
6a 凹レンズ部
6b 非レンズ部
10 光透過剤
20 金型
30 ウエハレンズ製造装置
32 ベース
34 突出部
36 ガイド
40 ステージ
42 貫通孔
44 ロードセル
46 凹部
50 ギヤードモータ
51 ポテンショメータ
52 シャフト
60 平行出し部材
62 XYステージ
64 θステージ
70 真空チャック装置
72 連通溝
80 スタンプホルダ
82 連通溝
90 光源
100 ウエハレンズ
102 ガラス基板
104,106 レンズ部
110 金型
A 密な領域
B 疎な領域
Claims (7)
- ガラス基板の表裏両面に対しそれぞれ光硬化性樹脂製のレンズ部が形成されたウエハレンズの製造方法において、
前記光硬化性樹脂に対して硬化を進める光を照射して一方の面に第1のレンズ部を形成する工程と、
前記光硬化性樹脂に対して硬化を進める光を照射して他方の面に第2のレンズ部を形成する工程と、
を備え、
前記第2のレンズ部が入射光を集束させる正のパワーを有し、
前記第1のレンズ部を形成する工程の後に、前記第2のレンズ部を形成する工程の処理をおこない、
前記第2のレンズ部を形成する工程では、前記第1のレンズ部の表面を平坦にした状態で、前記第1のレンズ部と前記ガラス基板とを介し、前記第2のレンズを構成する前記光硬化性樹脂に光照射することを特徴とするウエハレンズの製造方法。 - 請求項1に記載のウエハレンズの製造方法において、
前記第1のレンズ部が入射光を発散させる負のパワーを有し、
前記第2のレンズ部を形成する工程では、前記第1のレンズ部に光透過剤を充填して前記第1のレンズ部の表面を平坦とすることを特徴とするウエハレンズの製造方法。 - 請求項1に記載のウエハレンズの製造方法において、
前記第1のレンズ部が少なくとも一部に凹部を有し、
前記第2のレンズ部を形成する工程では、前記第1のレンズ部の凹部に光透過剤を充填して前記第1のレンズ部の表面を平坦とすることを特徴とするウエハレンズの製造方法。 - 請求項1に記載のウエハレンズの製造方法において、
前記第1のレンズ部が不整な形状を呈し、
前記第2のレンズ部を形成する工程では、前記第1のレンズ部の凹部に光透過剤を充填して前記第1のレンズ部の表面を平坦とすることを特徴とするウエハレンズの製造方法。 - 請求項2〜4のいずれか一項に記載のウエハレンズの製造方法において、
前記光透過剤は、前記光硬化性樹脂から光開始剤を除外した樹脂材料であることを特徴とするウエハレンズの製造方法。 - ガラス基板の一方の面に光硬化性樹脂製の正のパワーを有する第1レンズ部、他方の面に光硬化性樹脂性の負のパワーを有する第2レンズ部が形成されたウエハレンズの製造方法において、
前記ガラス基板の一方の面と前記第1レンズ部の形状に対応する成形面を有する成形型との間に光硬化性樹脂を充填する第1レンズ部充填工程と、
前記ガラス基板の他方の面と前記第2レンズ部の形状に対応する成形面を有する成形型との間に光硬化性樹脂を充填する第2レンズ部充填工程と、
前記第1レンズ部充填工程を行った後、前記第2レンズ部充填工程前に前記ガラス基板の他方の面側から前記ガラス基板を介して充填された前記第1レンズ部の光硬化性樹脂の硬化を進める光硬化工程を行うことを特徴とするウエハレンズの製造方法。
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