JPH10329207A - ポリオレフィン製多段延伸シートの製造方法 - Google Patents

ポリオレフィン製多段延伸シートの製造方法

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Publication number
JPH10329207A
JPH10329207A JP13875797A JP13875797A JPH10329207A JP H10329207 A JPH10329207 A JP H10329207A JP 13875797 A JP13875797 A JP 13875797A JP 13875797 A JP13875797 A JP 13875797A JP H10329207 A JPH10329207 A JP H10329207A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roll
stretching
rolls
sheet
pinch roll
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP13875797A
Other languages
English (en)
Inventor
Masanori Nakamura
雅則 中村
Satoru Yamamoto
哲 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的簡便な装置で延伸ムラなく安定的に、
ポリオレフィン製多段延伸シートを製造する方法を提供
すること。 【解決手段】 繰出ピンチロール8と引取ピンチロール
9との間の加熱層内に、一定の回転速度比をもって回転
するロールが設置され、ポリオレフィンシートは、ロー
ルと接触させることにより、ロールから摩擦力を受けな
がら延伸されることを特徴とする方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィン製
多段延伸シートを安定的に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィンシートの原反を延伸する
際に通常適用される方法に、一軸延伸法がある。一軸延
伸法とは、速度の異なる2対のピンチロール間に挟ん
で、延伸原反を加熱しながら引っ張る方法をいう。延伸
原反を一軸方向のみに強く配向させることができる方法
である。この場合、ロールの速度比が延伸倍率となる。
【0003】上記方法では、延伸倍率を高く設定しすぎ
ると、一ヶ所で大きく伸びが集中して破断に至りやす
い。そこで、通常は上記操作を何度か繰り返す、いわゆ
る多段延伸法が採用される。しかし、何度もロールを通
す多段延伸方法では、延伸ロールの数が増えるほど各ロ
ールの回転ムラなどを生じやすい。回転ムラは、延伸の
バラツキの原因となる。また、ロールの数が増えるほ
ど、必要な延伸装置も複雑にならざるを得ない。
【0004】特開平5-230732号公報には、ポリオレフィ
ンの多段延伸方法として、温度の異なる複数の延伸槽を
直列に配置し、各層内の延伸倍率を温度により制御する
方法を利用した多段延伸方法が開示されている。この場
合、繰出ロールと引取ロールによりトータルの延伸倍率
を決めてしまえば、その間には、延伸ムラの原因となる
駆動ロールによる回転ムラなどがないため、延伸ムラが
ない安定性の高い多段延伸を行うことができるとされて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術では、
ピンチロールを、繰出ピンチロールおよび引取ピンチロ
ールの2本だけとして、その間に置かれる複数の延伸槽
の温度を変えることにより結果的に多段延伸を行う方法
が提案された。しかし、各延伸槽の温度を正確に調整す
る必要があり、製造工程が複雑であった。従って、熱媒
体として液体を用いることなく、同一温度の空気槽内に
おいて延伸ムラの生じない多段延伸を達成し得る方法が
所望された。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は、新規な多段延伸シートの製造方法を提
供する。本発明の方法においては、繰出ピンチロールと
引取ピンチロールとの間の加熱層内に、一定の回転速度
比をもって回転するロールが設置され、ポリオレフィン
シートは、ロールと接触させることにより、ロールから
摩擦力を受けながら延伸されることを特徴とする。
【0007】以下作用について説明する。本発明の製造
方法では、繰出ピンチロールと引取ピンチロールの速度
比、すなわち総延伸倍率を高く設定した場合でも、安定
した延伸状態が得られる。シートは、速度制御されたロ
ールに接しながら延伸されるので、延伸が特定の箇所に
集中する現象が避けられるからである。その結果、シー
トを高倍率で、代表的には約40倍まで、好ましくは約30
倍までの倍率で、安定的に製造することが可能である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で採用される多段延伸方法
の例を、図1に従って説明する。繰出ピンチロール8と
引取ピンチロール9との間に延伸槽を1つだけ設置し、
槽内は適切な一定の温度に設定する。槽内には、1個以
上のロールを設置する。槽内のロールの数は、代表的に
は1個〜19個、好ましくは2個〜15個、より好ましくは
4個〜10個である。繰出ピンチロールおよび引取ピンチ
ロールと合わせたロールの総数が3個未満では多段延伸
とならない。ロールの総数を22個以上としても、通常良
い効果は得られない。槽内の各ロールは、ピンチされな
い。これらのロールは、一定の速度比をもって回転する
ように、ギア、チェーン、プーリー、ベルト、またはそ
れらの組み合わせなどにより連結される。各ロールの次
のロールとの速度比は、1〜2が好ましい。1以下では
延伸の意味をなさない。2以上では延伸が不安定になり
やすい。次のロールとの速度比は、入口から出口にかけ
て、なるべく小さくなっていくようなバランスで設定さ
れるべきである。これは、高倍率延伸になるほど、延伸
が不安定になる傾向があるからである。繰出ロールと引
取ロールの速度比すなわち総延伸倍率は、各ロールの速
度比を掛け合わせたものになることが好ましい。通常2
〜40倍の延伸が達成される。
【0009】槽内のロールはピンチされないので、ロー
ル表面の材質については、延伸シートと滑りが生じにく
いようにシートとの摩擦係数の高いものが必要とされ、
金属ロールにゴムライニングを施すことが好ましい。こ
の目的での適切なゴムの例としては、ブチルゴム、ニト
リルゴム、または天然ゴムなどのゴムが挙げられる。加
熱した状態で使用されるため、耐熱性の高いシリコンゴ
ムが好ましい。
【0010】本発明のポリオレフィンシートに用いられ
るポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン
(直鎖低密度ポリエチレンを含む)、高密度ポリエチレ
ン、ホモポリプロリレン、ブロックポリプロピレンなど
が挙げられる。延伸後の弾性率を考慮すると、理論弾性
率が高いポリエチレンが好ましく、特に結晶性の高い高
密度ポリエチレンが好ましい。高倍率での延伸を達成す
るために、使用するポリオレフィン樹脂のメルトフロー
レート(以下MIとする;熱可塑性樹脂の溶融粘度を表す
指標のことである。JIS-K6760参照)は、約0.1〜約20で
あることが好ましい。
【0011】延伸前の原反シートを得る方法について
は、特に限定はなく、Tダイ法などの通常のシート化工
程を用いることができる。原反シートの厚みは、0.5mm
〜4mmの範囲にあることが好ましい。0.5mm以下では、
延伸後のシートの厚みが薄くなりすぎ、4mm以上では延
伸が困難となる。
【0012】槽内温度については、樹脂の種類に応じて
適切な値が求められる。温度が高すぎると、シートが切
れやすくなる。温度が低すぎると、シートが白化して延
伸が困難になる。ポリエチレンを例に取れば、85〜120
℃の範囲が好ましい。
【0013】比較的厚いシートの場合であって、ロール
延伸法のみで円滑な延伸が困難なときには、ロール延伸
に先だってロール圧延処理を行う必要がある。ロール圧
延法とは、一対の反対方向に回転する圧延ロールの間
に、圧延ロール間よりも厚い上記延伸原反を挿入し、原
反シートの厚みを減少させると同時に長さ方向に伸長さ
せる方法である。ロール圧延処理を施したシートは、予
め配向処理がなされているので、次の一軸延伸による一
軸方向の延伸を円滑に進めることができる。
【0014】
【実施例】本発明を実施例により説明するが、本発明
は、以下の実施例に限定されない。
【0015】実施例1 本実施例は、図1に示される装置に基づいて説明され
る。
【0016】高密度ポリエチレン(商品名HY540、三菱
化学(株)、MI=1)を30mm二軸押出機にて樹脂温度200
℃で溶融混練し、Tダイにてシート状に押し出した後、
冷却ロールを用いて冷却し、厚み1.6mm、幅100mmの延伸
原反を得た。上記延伸原反を表面温度100℃に設定され
た6インチロール(小平製作所(株))を用いて圧延倍
率8倍でロール圧延を行い、厚み200μmの約8倍圧延シ
ートを得た。
【0017】次いで、この圧延シートを繰り出し速度2
m/分で繰出ピンチロールより繰り出し、100℃に設定さ
れた加熱炉を通して、引き取り速度8m/分の引取ピンチ
ロールで引き取り、約4倍に一軸延伸し、巻き取った。
加熱炉内には、図1で示される7本のシリコンゴム被覆
ロールを設置し、図で示すパスラインを通して延伸を行
った。各シリコンゴム被覆ロールは、表1に示された次
のロールに対する回転速度比で回転するように、ギアお
よびチェーンを用いて制御されている。得られたシート
サンプルは、幅50mm、厚み0.11mmであり、白化はなく、
透明であった。このサンプルを下記の方法により評価
し、表2の結果を得た。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】<サンプルの平均延伸倍率>上記シートサ
ンプルから20cmおきに10個のサンプルを切り取り、重量
を測定する。また、延伸原反の20cmの重量を別に測定し
た。延伸倍率は原反重量を延伸後のサンプル重量で除す
ることで表す。値は10個の平均値である。 <サンプルの延伸倍率のバラツキ>延伸倍率のバラツキ
は下記の式で計算される。(単位%)
【0021】
【数1】
【0022】<引張強度、引張弾性率>JIS K7113の引
張試験方法に準じて、サンプルの引張特性を評価し、表
2に結果を記載した。
【0023】<比較例>実施例1において、図1に示さ
れる7本のシリコンゴム被覆ロールが、チェーンを外さ
れ、自由回転できるように変更した他は全て実施例1と
同様にしてサンプルを調製し、評価した。
【0024】
【発明の効果】本発明のポリオレフィン製多段延伸シー
トの製造方法によれば、回転比率を予め適度な比率に決
められた回転ロールに接触しながらシートが延伸される
ので、比較的簡便な装置にも関わらず、延伸ムラのない
ポリオレフィン製多段延伸シートを安定的に延伸成形す
ることが可能である。その結果、上記の実施例に示すよ
うに、本発明の方法を用いない場合に比べて延伸倍率の
バラツキが低くなる。
【0025】また、本発明のポリオレフィン製多段延伸
シートの製造方法によれば、延伸槽内の加熱に空気加熱
を用い、液体媒体などを用いないため装置が簡便にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製造方法に用いる、好適な製造装置
の概要図を示す。
【符号の説明】
1〜7 加熱炉内シリコンゴム被覆ロール 8 繰出ピンチロール 9 引取ピンチロール 10 加熱延伸炉

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィンシートを多段延伸する方
    法において、繰出ピンチロールと引取ピンチロールとの
    間の加熱層内に、一定の回転速度比をもって回転するロ
    ールが設置され、該ポリオレフィンシートは、該ロール
    と接触させることにより、該ロールから摩擦力を受けな
    がら延伸されることを特徴とする、ポリオレフィン製多
    段延伸シートの製造方法。
JP13875797A 1997-05-28 1997-05-28 ポリオレフィン製多段延伸シートの製造方法 Withdrawn JPH10329207A (ja)

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JP13875797A JPH10329207A (ja) 1997-05-28 1997-05-28 ポリオレフィン製多段延伸シートの製造方法

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JP13875797A Withdrawn JPH10329207A (ja) 1997-05-28 1997-05-28 ポリオレフィン製多段延伸シートの製造方法

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007245635A (ja) * 2006-03-17 2007-09-27 Dainichi Seikan Kk ポリ乳酸延伸材料の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007245635A (ja) * 2006-03-17 2007-09-27 Dainichi Seikan Kk ポリ乳酸延伸材料の製造方法

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