JPH10328984A - センターレス研削方法、およびセンターレス研削盤 - Google Patents

センターレス研削方法、およびセンターレス研削盤

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JPH10328984A
JPH10328984A JP14494797A JP14494797A JPH10328984A JP H10328984 A JPH10328984 A JP H10328984A JP 14494797 A JP14494797 A JP 14494797A JP 14494797 A JP14494797 A JP 14494797A JP H10328984 A JPH10328984 A JP H10328984A
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JP
Japan
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grinding
wheel
workpiece
adjusting
blade
Prior art date
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Application number
JP14494797A
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English (en)
Inventor
Norifumi Takeuchi
徳文 竹内
Kenichi Matsuki
憲一 松木
Kazutoshi Asano
和利 浅野
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Toyota Motor Corp
Micron Machinery Co Ltd
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Micron Machinery Co Ltd
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Publication date
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  • Grinding Of Cylindrical And Plane Surfaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 被加工物の直径寸法に応じて、自動的に、最
適の研削条件に調節してセンターレス研削する技術を提
供する。 【解決手段】 適宜の直径寸法の被加工物を(A1)に
示すように仮に標準の径の被加工物5を定める(この仮
標準は任意に設定することができる)。(A2)に示す
ように、上記仮標準径よりも大径の被加工物7を研削す
るときは「心高寸法H′が変わらないように」、ブレー
ド2と調整砥石3との間隔を調節する。上記双方の被加
工物(5,7)の直径寸法差が或る程度以内のとき(同
一直径区域内のとき)は、上記調節だけで良い。直径寸
法差が或る程度以上(直径区域外)のときは、研削砥石
4(若しくは調整砥石3)の切込みストロークのモード
を調節して対応する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、3種類以上の直径
寸法を有する被加工物の素材を無心研削して、それぞれ
の種類の素材に適応した直径寸法に仕上げる方法、およ
び同装置に係り、特に、直径寸法を異にする被加工物に
対応するための段取り替え作業を自動的ないし半自動的
に遂行できるように改良したものである。ただし、本発
明において3種類以上とは、3を含み、それよりも多い
種類の意である。
【0002】
【従来の技術】図6は、センターレスグラインダの基本
的な構造・機能を説明するために示した模式的な側面図
である。円柱面状外周面を有する被加工物1は、ブレー
ド2の上に載置され、該ブレード2と調整砥石3とによ
って支承される。この支承は、ブレード2の頂面と調整
砥石3の外周面とによって為され、被加工物1の中心軸
を検出して位置決めすることは行なわれない。上記の調
整砥石3は、図示しない駆動装置により矢印R1方向に
回転しており、これと接触している被加工物1は矢印L
のごとく回転せしめられる。研削砥石4は、上記矢印L
方向に回転ている被加工物1の周速よりも大きい周速で
矢印R2方向に回転駆動されつつ、該被加工物1に摺触
して、これを真円柱面に研削する。図示の角αはブレー
ド2の頂角、同じく寸法Hは心高、同じく角βは研削砥
石に対する心高角、同じく角γは調整砥石に対する心高
角であって、角(β+γ)は心高角と呼ばれる。これら
の諸数値は高精度のセンタレス研削を行なうため厳密に
管理されねばならないが、公式によって一義的に算出す
ることは困難であり、高度の知識と多年の経験に基づい
て設定される要素を含んでいるのが現状である。
【0003】図示のX−Xは、本図においては調整砥石
3の中心点3Sと、研削砥石4の中心点4Sとを結ぶ直線
であって、必ずしも水平軸とは限らない。本図6に示さ
れている構成を立体的に理解すると、X−Xは平面を表
わしている。このX−Xは、調整砥石3の中心線3
Sと、研削砥石4の中心線4Sとを含む面である。説明の
便宜上、この面を基準面と呼ぶ。本図6を立体的に理解
すると、前記調整砥石3の中心点3Sは調整砥石車(紛
らわしくない場合は調整砥石と略称する)の回転中心線
であって紙面に直交しており、前記研削砥石4の中心点
Sは研削砥石車(略称・研削砥石)の回転中心線であ
って紙面に直交している。被加工物1の直径寸法に応じ
て調整砥石3や研削砥石4の位置を調整する場合、およ
び、研削作業の進行に応じて調整砥石3もしくは研削砥
石4に切込み送りを与える場合は、調整砥石車の回転中
心軸3Sや研削砥石車の回転中心軸4Sを、前記の基準面
Xに沿わせて動かす。説明の便宜上、調整砥石3や研削
砥石4を被加工物1に接近させる動作を前進と呼び、離
間させる動作を後退という。上記の被加工物1はブレー
ド2の上に載置されているので、調整砥石3や研削砥石
4がブレード2に接近する方向の移動は前進となり、ブ
レード2から離間する方向の移動は後退となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】機器類を工業的に大量
生産する場合、ほぼ円柱状の面を有する素材をセンター
レス研削して所定寸法の真円柱面に仕上げる作業は広く
行われている。この場合、被加工部である円柱面の直径
寸法が若干異なる類似の部材のそれぞれをセンターレス
研削する場合も多い。従来技術においては、被加工物の
直径寸法が変われば、それに応じて調整砥石3と研削砥
石4とブレード2との相対的位置を調節しなければなら
ないため、多大の時間と労力とを要し、しかも高度の熟
練者によって調節作業を行なわなければ高精度のセンタ
ーレス研削ができなかった。その上、熟練者が慎重に調
節しても、人為的なミスの絶無を期することは容易でな
い。
【0005】本発明は上述の事情に鑑みて為されたもの
であって、3種類以上の直径寸法を有する3種類以上の
被加工物をセンターレス研削する場合、直径寸法の変化
に対応して自動的ないし半自動的に、迅速,容易に段取
り替えを行なうことができ、別段の熟練を要せず、人為
的ミスが配設する虞れの無いセンターレス研削技術を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに創作した本発明の基本的原理について、前掲の図
6、および本発明の1実施形態に対応する図2を参照し
て略述すると次のとおりである。
【0007】(図6参照)被加工物1の直径寸法が変わ
ると、ブレード2を基準として考えたとき、調整砥石3
の位置および研削砥石4の位置を調節して最良の研削条
件を整え直さなければならないが、本発明者らが、各種
の直径寸法間の被加工物変更に対応する調整砥石および
研削砥石の調節について、多年の実験データを統計的に
研究したところ、被加工物の直径寸法変化が比較的少な
い場合は、ブレードと調整砥石との相対的関係を変える
だけで最良の研削条件を得ることが可能であって、ブレ
ードと研削砥石との相対的関係は必ずしも変えなくても
良いこと、および、上記のようにして、研削砥石の調節
状態を変えずに調整砥石の調節状態のみを変える際、該
調整砥石とブレードとによって支承される被加工物の心
高(被加工物の中心の、基準面Xからの高さ寸法)を一
定に保つように調整砥石の調節状態を変化させることに
よって最良の研削条件が得られることを発見し、さらに
試験を重ねて上記の法則性を確認した。図6を参照して
先に説明したセンターレス研削の基本から容易に理解さ
れるように、心高と心高角とは密接に関連しており、
「心高を変えないこと」は「心高角を変えないこと」と
置き換えることができる。本発明においては、説明を簡
明ならしめるため「心高寸法をほぼ一定に保つ」という
表現を用いるが、「心高角をほぼ一定に保つ」というこ
とと、実用上は同意である。
【0008】そこで、例えば図2、(A),(B),
(C)のように、被加工物の直径寸法(楕円で囲んで示
す)が31ミリメートルから21ミリメートルの区間に
亙って分散している場合、これを複数の直径区域(本例
では3つの区域)に区分して、大径区域と、中径区域
と、小径区域とを想定する。ただし、本発明において被
加工物を直径寸法によって直径区域に区分するとは、研
削作業における工程設計の手順として思考的に区分する
意であって、被加工物の実体を選別する意ではない。な
お、被加工物の直径寸法には、仕上げ寸法と素材寸法と
の別が有るので、特に区別して表わさねば紛らわしい場
合は研削仕上寸法もしくは仕上寸法、および素材寸法と
呼び分けることにする。
【0009】図2において、同一直径区域に属する直径
寸法(詳しくは仕上直径寸法)は2本の平行線で結んで
示してある。この同一直径区域内における直径寸法の変
更に際しては、調整砥石のブレードに対する相対的な位
置関係を「心高を変えないように」調節する。ただし、
この「心高を変えない」とは調節の目安であって、調節
精度の関係で心高が数パーセント変化しても、本発明の
技術的範囲を外れるものではない。そして、異なる直径
区域の間で直径寸法が変わった場合は、調整砥石とブレ
ードとの相対的関係位置だけでなく、研削砥石とブレー
ドとの相対的関係位置も併せて調節する。これにより、
最小限の調節操作で最良の研削条件が得られる。なお、
上記の相対的位置の関係とは、静的な位置関係に限られ
ず、動的な関係、すなわち、切込み送りのストロークを
も含む意である。
【0010】以上に説明した原理に基づいて請求項1の
発明方法は、調節砥石車とブレードとによって被加工物
を支承するとともに、調整砥石車を回転させて被加工物
を回転せしめつつ、研削砥石車を被加工物に接触せしめ
つつ回転させて研削する方法において、3種類以上の直
径寸法を有する3種類以上の被加工物を研削する場合、
最大直径寸法から最小直径寸法までの間を複数の直径区
域に区分し、同一直径区域内で、異なる直径寸法の被加
工物を研削するときは、心高寸法がほぼ一定となるよう
に調整砥石車をブレードに対して前後進せしめて調節
し、ブレードに対する調整砥石車の位置を変えることな
く、研削砥石車を回転させつつ一定のストロークで被加
工物に対して切込み送りして研削し、直径区域が異なる
寸法の被加工物を研削するときは、心高寸法がほぼ一定
となるように調整砥石車をブレードに対して前後進せし
めて調節し、かつ、ブレードに対する研削砥石車の切込
みストロークエンド位置を調節して該研削砥石車を回転
させつつ被加工物に対して切込み送りして研削すること
を特徴とする。以上に説明した請求項1の発明方法によ
ると、ある1種類の被加工物をセンターレス研削した
後、これに引き続いてセンターレス研削する被加工物が
上記と異なる種類であっても、同一直径区域内であれ
ば、該被加工物の心高が変化しないように、ブレードに
対する調整砥石車の位置を調節するだけで、研削砥石車
の切込みストロークを変更することなく、迅速かつ容易
に対応して高精度でセンターレス研削することが可能で
あり、さらに、引き続いてセンターレス研削する被加工
物が直径区域を異にする寸法である場合は、被加工物の
心高を変えないように、ブレードに対する調整砥石車の
位置を調節するとともに研削砥石車の切込みストローク
を変更することによって高精度、効能率のセンターレス
研削が可能であり、かつ、上述した一連の調節を通じて
被加工物の心高が変わらないので、該被加工物の研削を
安定した状態で行なうことができ、しかも、そのアンロ
ーディングを容易に確実に行なうことができる。
【0011】請求項2の発明方法は、調整砥石車とブレ
ードとによって被加工物を支承するとともに、該調整砥
石車を回転させて被加工物を回転せしめつつ、研削砥石
車を被加工物に接触せしめつつ回転させて研削する方法
において、3種類以上の直径寸法を有する3種類以上の
被加工物を研削する場合、最大直径寸法から最小直径寸
法までの間を複数の直径区域に区分し、同一直径区域内
で、異なる直径寸法の被加工物を研削するときは、心高
寸法がほぼ一定となるように調整砥石車をブレードに対
して前後進せしめて調節し、ブレードと調整砥石車との
位置関係を一定に保持したまま、該ブレードおよび調整
砥石車を一定のストロークで研削砥石車へ接近せしめる
方向に切込み送りして研削を行ない、直径区域が異なる
寸法の被加工物を研削すときは、心高寸法がほぼ一定と
なるように調整砥石車をブレードに対して前後進せしめ
て調節し、ブレードと調整砥石車との位置関係を一定に
保持したまま、該ブレードおよび調整砥石車を一定のス
トロークで研削砥石車へ接近せしめる方向に切込み送り
するとともに、上記研削砥石車の、研削盤ベッドに対す
る設置位置を、ブレードに対して接近,離間せしめる方
向に調節し、研削砥石車によって前記被加工物を研削し
ている期間中、研削盤ベッドに対する研削砥石車の設置
位置を移動せしめないことを特徴とする。以上に説明し
た請求項2の発明方法によると、ある1種類の被加工物
をセンターレス研削した後、これに引き続いてセンター
レス研削する被加工物が上記と異なる種類であっても、
同一直径区域内であれば該被加工物の心高が変化しない
ように、ブレードに対する調整砥石の位置を調節するだ
けで、研削砥石車の位置を変更することなく、迅速かつ
容易に対応して高精度でセンターレス研削することが可
能であり、さらに、引き続いてセンターレス研削する被
加工物が直径区域を異にする寸法である場合は、被加工
物の心高を変えないように、ブレードに対する調整砥石
車の位置を調節するとともに研削砥石車の設置位置を変
更することによって高精度,効能率のセンターレス研削
が可能であり、かつ、上述した一連の調節を通じて被加
工物の心高が変わらないので、該被加工物の研削を安定
した状態で行なうことができ、しかも、そのアンローデ
ィングを容易に確実に行なうことができる。
【0012】請求項3の発明方法は、調整砥石車とブレ
ードとによって被加工物を支承するとともに、該調整砥
石車を回転させて被加工物を回転せしめつつ、研削砥石
車を被加工物に接触せしめつつ回転させて研削する方法
において、3種類以上の直径寸法を有する3種類以上の
被加工物を研削する場合、同一直径区域内で、異なる直
径寸法の被加工物を研削するときは、心高寸法がほぼ一
定となるように調整砥石車をブレードに対して前後進せ
しめて調節し、ブレードと調整砥石車との位置関係を一
定に保持したまま、該ブレードおよび調整砥石車を一定
のストロークで研削砥石車へ接近せしめる方向に切込み
送りして研削を行ない、直径区域が異なる寸法の被加工
物を研削するときは、心高寸法がほぼ一定となるように
調整砥石車をブレードに対して前後進せしめて調節し、
ブレードと調整砥石車との位置関係を一定に保持したま
ま、該ブレードおよび調整砥石車に切込み送りを与える
とともに、この切込み送りのストロークエンド位置を被
加工物の直径寸法に応じて調節し、かつ、上述のように
して直径区域が異なる直径寸法を有する被加工物を研削
するとき、研削盤のベッドに対する研削砥石車の位置を
変化させないことを特徴とする。以上に説明した請求項
3の発明方法によると、ある1種類の被加工物をセンタ
ーレス研削した後、これに引き続いてセンターレス研削
する被加工物が上記と異なる種類であっても、同一直径
区域内であれば該被加工物の心高が変化しないように、
ブレードに対する調整砥石の位置を調節するだけで、調
整砥石車の切込みストロークを変更することなく、迅速
かつ容易に対応して高精度でセンターレス研削すること
が可能であり、さらに、引き続いてセンターレス研削す
る被加工物が直径区域を異にする寸法である場合は、被
加工物の心高を変えないように、ブレードに対する調整
砥石車の位置を調節するとともに研削砥石車の切込みス
トロークを変更することによって、高精度,効能率のセ
ンターレス研削が可能であり、かつ、上述した一連の調
節を通じて被加工物の心高が変わらないので、該被加工
物の研削を安定した状態で行なうことができ、しかも、
そのアンローディングを容易に確実に行なうことができ
る。
【0013】請求項4の発明方法は前記請求項1〜3の
発明方法の構成要件に加えて、前記の3種類以上の直径
寸法を有する3種類以上の被加工物について、各直径寸
法の被加工物ごとに、研削仕上寸法Φと、該研削仕上寸
法に研削代を加えた素材の直径寸法Φ+Δφとを対応せ
しめて記憶しておき、ローディングのために搬入された
被加工物の素材ごとに該素材の直径寸法を計測して、上
記の素材寸法計測値に対応する研削仕上寸法を求め、上
記のようにして求めた研削仕上寸法に基づいてブレード
に対する調整砥石車の位置を設定するとともに、前記研
削仕上寸法に基づいて、ブレードおよび調整砥石の切込
みストローク、または研削砥石の切込みストロークもし
くは研削砥石の位置を設定することを特徴とする。以上
に説明した請求項4の発明方法によると、複数種類の被
加工物それぞれのために予め作られた複数種類の素材が
次々に供給されたとき、該素材の刻印やラベルの標記事
項を読み取る必要なく、各素材ごとに適正な仕上寸法を
判定して、該仕上寸法に適応せしめて、ブレードと、調
整砥石車と、研削砥石車との三者について、適正な静的
位置関係および適正な動的位置関係(切込みストロー
ク)を設定することができる。センターレス研削盤の主
要構成部材であるブレード・調整砥石車・研削砥石車の
静的・動的調節状態と素材寸法とのマッチングが狂う
と、高精度の研削仕上が出来ないのみでなく、研削盤に
損傷を生じる虞れが有るので、本請求項4の発明方法に
よって「素材に適応した調節状態」を設定することは、
センターレス研削を高能率で高精度に遂行するのみでな
く、研削盤の保守・安全のためにも大きい意義を有して
いる。
【0014】請求項5の発明方法は前記請求項4の発明
方法の構成要件に加えて、前記被加工物の素材がブレー
ドと調整砥石車とによって支承された状態で、前記研削
砥石車もしくは調整砥石車の切込み送りを開始するより
も前に、インプロセスゲージによって被加工物の素材の
直径寸法を計測し、上記インプロセスゲージによる計測
値を、前記Φ+Δφの値と比較して、許容される測定誤
差の範囲内で両者が一致することを確認してから、前記
研削砥石車もしくは調整砥石車の切込み送りを開始する
ことを特徴とする。以上に説明した請求項5の発明方法
によると、被加工物の素材の直径寸法を、ローディング
前とローディング後との2回に亙って、異なる計測器を
用いて計測した結果を照合するので、万一の計測誤りに
因るトラブルを未然に防止して、安全の完璧を期するこ
とが出来る。このような2重安全方式を採ることの技術
的な意義は次のとおりである。すなわち、本発明に係る
一連の技術を総合すると、「各種寸法の素材を不規則に
混合して搬入しても、それぞれの素材に適応した形状寸
法に研削仕上して搬出される、全自動一貫作業センター
レス研削盤」を構成することが可能になるのであるが、
このような全自動一貫作業を行なわせる場合の信頼性を
担保するためには、本請求項5を適用して万一の計測誤
差トラブルを未然に防止することが必要となる。この請
求項5の発明の効果のもう一つの意義は、先に請求項4
について述べたように、センターレス研削盤を自動化し
た場合の素材直径寸法計測誤りは、単に当該素材を「検
査不良品」としてスクラップにしてしまうだけの「歩留
まり低下」だけでは済まず、砥石車の衝撃破損などの重
大故障を招く虞れが少なくないことを併せ考慮すれば理
解される。全自動センターレス研削盤の作動信頼性を向
上せしめることによって、大規模な機械生産工場におけ
る複雑な機械加工の工程系統の一構成機器としてのセン
ターレス研削盤の価値が向上し、その結果、センターレ
ス研削盤産業の発展に貢献するところ多大である。
【0015】請求項6の発明装置の構成は、研削盤のベ
ッドの上に載置され、研削砥石車およびその回転駆動手
段を搭載した研削砥石摺動台、並びに、該研削砥石摺動
台の往復駆動手段と、前記研削盤のベッドの上に載置さ
れ、調整砥石車およびその回転駆動手段を搭載した調整
砥石摺動台、並びに、該調整砥石摺動台の往復駆動手段
と、前記研削盤のベッド上に載置されたブレードと、を
具備しているセンターレス研削盤において、前記調整砥
石摺動台の往復駆動手段を制御して、ブレードと調整砥
石との間隔を、予め定められた複数の間隔寸法の何れか
に選択的に調節する機能と、前記研削砥石摺動台の駆動
手段を制御して、予め定められた複数種類の往復ストロ
ークモードの何れかを選択して切込み作動せしめる機能
と、を有する自動制御機構を具備していることを特徴と
する。以上に説明した請求項6の発明装置によると、ブ
レードと調整砥石との間隔寸法が「予め定められた複数
の設定値の内の何れか一つの間隔寸法」となるように、
自動的に調節されるので、複数種類の被加工物素材を供
給されたとき、それぞれの被加工物素材に対応せしめた
適正な「ブレード・調整砥石間隔」となるように自動調
節される。これにより、前回に研削加工した被加工物に
比して直径寸法の差が少ないときは、調整砥石車とブレ
ードとの間隔寸法の調節が自動的に行なわれ、手作業に
よる調節を必要とせずに、被加工物の直径寸法変化に対
応することができる。この場合、予め定められた複数の
値の中から一つの値が選択されるので、人為的な調節ミ
スを生じる虞れ無く最適の調節状態が得られる。さら
に、研削砥石の往復ストロークモードが「予め定められ
た複数のストロークモードの何れか一つ」に選択される
ので、前回の被加工物に比して直径寸法の変化が或る程
度以上の場合は、研削砥石の切込みストロークを併せて
調節することによって対応することができ、作業者に別
段の熟練を要せず、複数種類の被加工物のそれぞれを適
正にセンターレス研削することができる。
【0016】請求項7の発明装置の構成は、研削盤のベ
ッドの上に載置され、研削砥石車およびその回転駆動手
段を搭載した研削砥石摺動台、並びに、該研削砥石摺動
台の往復駆動手段と、前記研削盤のベッドの上に載置さ
れ、ブレードを設置された調整砥石摺動台下部、および
該調整砥石摺動台下部の往復駆動手段と、上記調整砥石
摺動台下部の上に載置され、調整砥石車およびその回転
駆動手段を搭載した調整砥石摺動台上部、並びに、該調
整砥石摺動台上部の往復駆動手段を具備しているセンタ
ーレス研削盤において、前記調整砥石摺動台上部の往復
駆動手段を制御して、ブレードと調整砥石車との間隔寸
法を、予め定められた複数の間隔寸法の何れか一つに選
択的に調節する機能と、前記調整砥石摺動台下部の往復
駆動手段を制御して、予め定められた一定のモードに従
って調整砥石摺動台下部を往復駆動して切込み送り作動
を行なわせる機能と、前記研削砥石摺動台の往復駆動手
段を制御して、研削砥石車を予め定められた複数の位置
の何れかに選択的に位置せしめる機能と、を具備してい
ることを特徴とする。以上に説明した請求項7の発明装
置によると、ブレードと調整砥石との間隔寸法が「予め
定められた複数の設定値の内の何れか一つの間隔寸法」
となるように、自動的に調節されるので、複数種類の被
加工物素材を供給されたとき、それぞれの被加工物素材
に対応せしめた適正な「ブレード・調整砥石間隔」とな
るように自動調節される。これにより、前回に研削加工
した被加工物に比して直径寸法の差が少ないときは、調
整砥石車とブレードとの間隔寸法の調節が自動的に行な
われ、手作業による調節を必要とせずに、被加工物の直
径寸法変化に対応することができる。この場合、予め定
められた複数の値の中から一つの値が選択されるので、
人為的な調節ミスを生じる虞れ無く最適の調節状態が得
られる。さらに、研削砥石の設置位置が「予め定められ
た複数個所の設置位置の何れか一つ」に選択されるの
で、前回の被加工物に比して直径寸法の変化が或る程度
以上の場合は、研削砥石の設置位置を併せて調節するこ
とによって対応することができ、作業者に別段の熟練を
要せず、複数種類の被加工物のそれぞれを適正にセンタ
ーレス研削することができる。
【0017】請求項8の発明装置の構成は、研削盤のベ
ッドの上に設置された研削砥石車およびその回転駆動手
段と、前記研削盤ベッドの上に載置され、ブレードを設
置された調整砥石摺動台下部、および調整砥石摺動台下
部の往復駆動手段と、上記調整砥石摺動台下部の上に載
置され、調整砥石車およびその回転駆動手段を搭載した
調整砥石摺動台上部、並びに調整砥石摺動台上部の往復
駆動手段を具備しているセンターレス研削盤において、
前記調整砥石摺動台上部の往復駆動手段を制御して、ブ
レードと調整砥石車との間隔寸法を、予め定められた複
数の間隔寸法の何れか一つに選択的に調節する機能と、
前記調整砥石摺動台の往復駆動手段を制御して、調整砥
石車について予め定められた複数の往復ストロークモー
ドの何れか一つを選択して切込み作動を行なわせる機能
と、を有する自動制御機構を具備していることを特徴と
する。以上に説明した請求項8の発明装置によると、ブ
レードと調整砥石との間隔寸法が「予め定められた複数
の設定値の内の何れか一つの間隔寸法」となるように、
自動的に調節されるので、複数種類の被加工物素材を供
給されたとき、それぞれの被加工物素材に対応せしめた
適正な「ブレード・調整砥石間隔」となるように自動調
節される。これにより、前回に研削加工した被加工物に
比して直径寸法の差が少ないときは、調整砥石車とブレ
ードとの間隔寸法の調節が自動的に行なわれ、手作業に
よる調節を必要とせずに、被加工物の直径寸法変化に対
応することができる。この場合、予め定められた複数の
値の中から一つの値が選択されるので、人為的な調節ミ
スを生じる虞れ無く最適の調節状態が得られる。さら
に、研削砥石の往復ストロークモードが「予め定められ
た複数のストロークモードの何れか一つ」に選択される
ので、前回の被加工物に比して直径寸法の変化が或る程
度以上の場合は、調整砥石の切込みストロークを併せて
調節することによって対応することができ、作業者に別
段の熟練を要せず、複数種類の被加工物のそれぞれを適
正にセンターレス研削することができる。
【0018】請求項9の発明装置の構成は前記請求項6
〜8の何れか一つの発明の構成要件に加えて、被加工物
の素材を搬入する手段、および、搬入された素材を調整
砥石とブレードとに支承せしめる自動ローディング機構
とが設けられるとともに、搬入された被加工物素材の直
径寸法をローディング前に計測して、計測値を表わす信
号を前記自動制御機構に入力せしめる自動計測手段を具
備しており、かつ、上記自動制御機構は入力された素材
寸法の基づいて研削仕上寸法を算出し、研削仕上寸法算
出値に応じて制御指令信号を出力する機能を有するもの
であることを特徴とする。以上に説明した請求項9の発
明装置によると、被加工物の素材を搬入する手段が設け
られるとともにローディング機構が設けられているの
で、該素材をセンターレス加工するための準備作業が自
動的に遂行される。その上、搬入された被加工物素材
は、ローディングされる前に直径寸法を自動的に計測さ
れるとともに、素材寸法に基づいて研削仕上寸法が自動
的に算出され、上記算出値に基づいて制御指令信号が出
力されるので、センターレス研削盤はローディングされ
る被加工物素材に対して適正なセンターレス研削を行な
う調節状態になる。本発明において、上述の請求項9の
作用・効果が有している技術的な意義は、複数種類の被
加工物素材が不規則な順序で搬入,ローディングされた
場合においても、それぞれの被加工物素材を自動的に判
別して、当該種類の素材に応じた適正な調整状態が自動
的に整えられるという処に有る。こうした作用,効果
は、複数種類の被加工物素材を加工対象として、搬入か
ら研削・搬出に至る一貫自動作業機を構成するための要
件である。
【0019】請求項10の発明装置の構成は前記請求項
9の発明装置の構成要件に加えて、研削中の被加工物の
直径寸法を継続的に計測するインプロセスゲージ、およ
び、研削された被加工物のアンローダを具備しており、
かつ、前記の自動制御機構は、(イ)入力された素材寸
法の計測値を記憶する機能と、(ロ)前記インプロセス
ゲージの出力信号を前記の素材寸法計測値と比較し
て、,計測の許容誤差の範囲内で双方の値が一致するこ
とを確認したとき研削砥石車もしくは調整砥石車の切込
み作動を開始せしめる機能と、(ハ)前記インプロセス
ゲージの出力値が研削仕上寸法と一致したとき前記のア
ンローダを作動させる機能と、を有していて、搬入され
た複数種類の被加工物の素材を自動的に判別し、該素材
を確認し、素材寸法に対応する仕上寸法に研削し、仕上
寸法に研削されたことを確認して搬出する自動的な一貫
作業機能を有していることを特徴とする。以上に説明し
た請求項10の発明装置によれば、複数種類の被加工物
素材を供給されたとき、各種類に亙って混合している素
材を自動的に判別して、それぞれの素材に適応して自動
的に研削調節状態を変更して適正なセンターレス研削を
行なって搬出するという一貫作業全自動が可能となる。
ただし、一貫作業全自動を実用的に可能ならしめるの
は、単に各種自動機構を配列しただけでは足りず、作動
信頼性の万全を期するだけの裏付けが無くてはならない
(全自動の一貫工程を採用しているとき、多数の工程の
内の一つにトラブルが発生すると、前工程を非常停止さ
せなければならないので、単独工程におけるトラブル発
生に比して損害が膨大であり、作動信頼性がほぼ100
%でなければ全工程の一貫自動化は危険である)。本請
求項10の発明は、複数種類の被加工物素材が不規則な
順序で供給されても、素材の判別を自動的に行なうのみ
ならず、判別結果を照合・確認してから送り込みを与え
るようにし、目的研削仕上寸法になったことを確認して
アンロードするように構成されているので、高い信頼性
をもって「複数種類の被加工物の全自動一貫センターレ
ス研削」を可能ならしめるという優れた実用的効果を奏
する。
【0020】
【発明の実施の形態】図2は、本発明のセンターレス研
削盤を用いて本発明のセンターレス研削方法を実施し
て、複数の直径寸法を有する多数の被加工物をセンター
レス研削した実施の形態における直径寸法の分布、およ
び該直径寸法を区分した直径区域を表した図表であっ
て、(A)は第1の実施例を、(B)は第2の実施例
を、(C)は第3の実施例を、それぞれ示している。本
図2の左端に示した目盛は、第1〜第3の実施例を含め
て、被加工物の研削面の直径φ20〜φ31を表してい
る。なお、被加工物は必ずしも単一の直径を有する円柱
もしくは円筒とは限らないが、本発明において対象とす
るのは研削加工を施す部分の直径である。ただし、説明
を簡明ならしめるため、紛らわしくない場合は「被加工
物の研削面の直径」を単に被加工物の直径と略称する。
さらに、同一直径で長さの異なる被加工物は相互に異種
の被加工物であるが、本発明においては直径寸法の異同
を特に重視し、長さ寸法が異なっていても直径寸法の等
しい被加工物は、特に区別することなく取り扱うことに
する。
【0021】本実施形態においては、被加工物の直径寸
法をφ20〜φ22の小径区域と、φ23〜φ28の中
径区域と、φ29〜φ31の大径区域との、三つの直径
区域に区分する。ただし、本発明を実施する場合、4つ
の直径区域もしくはそれ以上の直径区域に区分しても良
く、また、2つの直径区域に区分しても良い。本図
(A)に示した第1の実施例では、仕上寸法φ24,φ
25.5,φ26.5,φ30の4種類の被加工物を対
象としてセンターレス研削を行なう。この第1の実施例
においては、φ24の被加工物と、φ25.5の被加工
物と、φ26.5の被加工物とが同一の直径区域(中径
区域)に属している。この直径区域の中で被加工物の直
径寸法が変化したときは、後に図4を参照して詳しく述
べるように、ブレードに対する調整砥石の間隔を自動的
に調節するだけで対応する。このため、調節状態の修正
が即時的に行なわれて作業能率が高く、しかも、自動的
に行なわれるので人為的ミスを生じる虞れが無い。これ
らの調節作動の詳細は図4を参照して後に詳しく説明す
ることにする。この第1の実施例(図2(A)参照)に
おいては、φ30の被加工物が大径区域に属している。
中径区域内の何れかの被加工物を研削していた状態から
大径区域の被加工物を研削するには、前述の「ブレード
に対する調整砥石の間隔調節」だけでなく、図1,図3
を参照して後述するように、(調整砥石+ブレード)と
研削砥石との相対的関係も調節を修正する。この場合の
相対的関係を修正する方式には、(a)研削砥石の切込
みストロークのモードを変える方式と、(b)研削砥石
は切込み送りせず、その位置だけを変える方式と、
(c)研削砥石は動かさず(ブレード+調整砥石)の切
込み送りのストロークモードを変える方式と、の三つの
方式が有る。詳細については図1を参照して後に説明す
る。以上に述べた4種類の直径寸法の被加工物間の調節
修正は可逆的に行なわれ、何れが基準であるという差は
無いが、本実施例においては後述するインプロセスゲー
ジについてφ25.5をマスターとして合わせ、他の径
には自動シフトさせた。このφ25.5を仮標準と呼
ぶ。
【0022】図2(B)に示した第2の実施例において
は、φ24,φ25,φ26の3種類が中径区域に属し
ており、これらの間ではブレードに対する調整砥石の間
隔調節で対応する。この第2の実施例(B図)におい
て、大径区域に属するφ30もしくはφ31の被加工物
を研削するときは、前記a〜cの何れかによって(ブレ
ード+調整砥石)に対する研削砥石の関係を調節する
が、該大径区域内でのφ30とφ31との間の調節修正
は、ブレードに対する調整砥石の間隔調節のみで行なわ
れる。第3の実施例(図2(C)参照)においては、小
径区域に属するφ20とφ21との間、中径区域に属す
るφ25とφ26との間、および、大径部に属するφ3
0とφ31との間で被加工物の直径が変化した場合は、
それぞれブレードに対する調整砥石の間隔寸法を調節し
て対応する。そして、大径・中径・小径の直径区分を越
えて被加工物の直径寸法が変化する場合は、(ブレード
+調整砥石)と研削砥石との相対的関係を調節する。
【0023】図3は、本発明に係るセンターレス研削方
法を実施するために構成したセンターレス研削盤の実施
形態を示し、(A)は第4の実施例の研削盤の模式的な
側面図に制御系統を付記した図、(B)は第5の実施例
の研削盤の模式的な側面図に制御系統を付記した図、
(C)は第6の実施例の研削盤の模式的な側面図に制御
系統を付記した図である。ベッド8の上に研削砥石摺動
台9が搭載されている。4は研削砥石、M1は研削砥石
摺動台駆動モータである。ブレード2は、ベッド8に対
して固定的に設置されている。
【0024】前記ベッド8の上に調整砥石摺動台10が
搭載されている。3は調整砥石、M2は調整砥石摺動台
駆動モータである。ブレード2と調整砥石3とによって
支承されている被加工物(図示省略)の直径寸法を継続
的に自動計測して、その計測値を自動制御機構14に入
力するインプロセスゲージ13が設けられている。上記
の直径寸法を継続的に自動計測するとは、高サイクルで
継続的計測を続けることも含む意である。上記のインプ
ロセスゲージは自動定寸装置とも呼ばれる公知の機器で
あるからその構造の詳細は省略するが、本発明において
インプロセスゲージとは、センターレス研削中の被加工
物の直径寸法を直接的もしくは間接的に監視する手段を
総称し、接触型であるか非接触型であるかを問わない。
図示を省略するが、図3に示した各実施例の研削盤に
は、被加工物の素材を搬入する手段と、搬入された被加
工物素材の直径寸法を自動的に計測して計測信号を自動
制御機構14に入力させる自動計測手段(例えばマグネ
スケール)と、自動計測された被加工物素材をブレード
と調整砥石車との上に載置して支承せしめるローダと、
研削仕上げを終えた被加工物を取り卸すアンローダとを
備えていて、それぞれ前記自動制御機構14によって制
御されるようになっている。なお、本図3は模式化して
描いてあるので、自動制御機構14は一つに取り纏めて
表してあるが、自動制御機能の一部が各構成機器に分散
されていても良く、例えば前記の自動計測手段の出力信
号を自動制御機構14に入力されて記憶されるのではな
く、該自動計測手段自身が計測値の記憶機能を有してい
ても、本発明の技術的範囲に属する。
【0025】多数の被加工物を順次にセンターレス加工
し、前回の被加工物に比して(図2参照)直径範囲を同
じくする異なった直径寸法である場合は、調整砥石摺動
台10の駆動モータM2を作動せしめ、ブレード2と調
整砥石3との間隔調節して対応する。図4は、ブレード
に対する調整砥石の間隔寸法の調節を説明するために示
したもので、(A)は仮標準の直径寸法の被加工物をブ
レードと調整砥石とで支承している状態の模式的な側面
図であり、(B)は仮標準の直径寸法の被加工物に比し
て、直径区域が同じであって直径寸法が大きい被加工物
に適応して調節した後の状態を表している。図4(A)
に示した比較的小径の仮標準径の被加工物5を研削する
とき、調節砥石3の前後進(図において左右動)は、心
高寸法が適正値H′となるように調節される。この心高
寸法が高すぎると、被加工物がブレード上で安定せず
(いわゆる、ワークがあばれる状態となり)ビレを生じ
る。また、心高寸法が低すぎるとセンターレス研削の造
円機能が旨く働かず(いわゆる、おむすび形になる傾向
を生じる)ので、心高寸法を適正にすることは重要であ
る。図4(B)に示したように被加工物の直径寸法が大
きくなったときは、心高寸法が適正値H′となるよう
に、調整砥石3を寸法δだけ後退させる。以上のように
調節すると、被加工物の直径寸法の変化に応じて調整砥
石3を前後進させて、心高寸法が適正値H′に保たれる
ので、被加工物の直径寸法変化が或る程度以内(具体的
には、同一直径区域内)である場合は最適の研削条件が
得られる。
【0026】次に、図3(A)に示した第4の実施例に
おいては、直径区域を異にする被加工物を研削す場合に
ついて述べる。この場合は、前述と同様にして調整砥石
3を調節して適正な心高寸法H′を維持するとともに、
これと併せて研削砥石摺動台9の駆動モータM1を制御
して、切込みストロークのモードを調節する。次に、上
記切込みストロークモードの調節について述べる。図1
は、本発明に係るセンターレス研削盤の実施形態を示す
模式的な側面図であって、(A1)は第4の実施例にお
いて仮標準径の被加工物を研削している状態を描き、
(A2)は同じく直径区域を異にする大径被加工物を研
削している状態を描いてある。(B1)は第5の実施例
において仮標準径の被加工物を研削している状態を描
き、(B2)は同じく直径区域外の大径被加工物を研削
している状態を描いてある。(C1)は第6の実施例に
おいて仮標準径の被加工物を研削している状態を描き、
(C2)は同じく直径区域外の大径被加工物を研削して
いる状態を描いてある。先に図3(A)を参照して説明
した第4の実施例における調節作動を図1(A1),
(A2)について説明すると、比較的小径の仮標準径の
被加工物5を研削する場合(A1)に比して、比較的大
径の直径区域外の被加工物7を研削する場合(A2)
は、研削砥石4を実線の位置から鎖線の位置まで、図の
左方から右方へ向けて切込み送りする作動ストロークの
モードを変える。作動ストロークのモード変更の中で最
も大切なことは、X軸方向の切込みストロークのエンド
位置をΔχだけ多く前進させることであるが、切込みス
トロークのアイドル区間(早送り区間)と実行切込み区
間(遅送り区間)との切り替えなど、往復ストロークの
モード全般を調節することが望ましい。
【0027】以上に述べたように、被加工物の直径寸法
の変化に応じて、該変化が直径区域内の変化であるか直
径区域外への変化を判別して、調整砥石の位置調節、お
よび研削砥石の往復ストローク(切込みストローク)モ
ードを調節する操作は、図3に示した自動制御機構14
により、次のようにして行なわれる。図5は、図2
(A)に示した第1の実施例に係る4種類の被加工物
を、図3(A)に示した装置を用い、図1(A1),
(A2)に示したように作動せしめて自動的に被加工物
素材を選別し、素材の種類に応じて自動的に調節し、研
削する制御のフロー図である。先に述べた素材の搬入手
段によって被加工物の素材が搬入されると、先に述べた
自動計測手段(例えばマグネスケール)によって外径の
判別が行なわれる(フロー15)。この場合、被加工物
の素材寸法は、仕上寸法に比して若干(例えば0.3ミ
リメートル)の研削代が付されていて大径であるので、
計測寸法値から研削代を差引いて仕上寸法が算出され
る。すなわち、研削仕上寸法Φと、これに研削代を加え
たΦ+Δφとを対応せしめて記憶しておき、素材寸法
(Φ+Δφ)から研削仕上寸法Φを算出して、以下に述
べるように制御する。いま、前回の研削サイクルにおけ
る被加工物が仮標準径(φ25.5)であったとする
と、仕上寸法算出値がφ26.5,もしくはφ24であ
ればフロー16に進んで調整砥石が移動される(心高寸
法を変えないように、ブレード・調整砥石間隔が調節さ
れる)。この場合、仕上寸法算出値がφ25.5であれ
ば、フロー16の調整砥石移動は行なわれるが、移動量
ゼロである。
【0028】フロー15で外径判別したとき、研削仕上
直径寸法がφ30であったときは、直径区域が異なるの
でフロー17に進んで、研削砥石の切込みストロークモ
ードが調節された後、フロー16に進んで「ブレード・
調節砥石間隔」が調節される。この場合の間隔調節も、
直径区域内における調節と同様に、最適心高寸法が得ら
れるように行なわれる。フロー16の次に被加工物の研
削が行なわれる前に、先に述べたインプロセスゲージ1
3(図3(A)参照)の計測値とフロー15における計
測値とが照合される。この場合、異なる計測器による2
つの計測値が比較されるので僅少の差が出ることが有っ
ても、許容される計測誤差の範囲内で一致すれば、研削
砥石に切込み送りを与えて研削が開始される(フロー1
8)。そして、先に述べたインプロセスゲージによる直
径寸法の計測値が研削仕上目標値に一致すると、先に述
べたアンローダが作動して、研削済み被加工物が取り出
され、搬出される(フロー19)。本実施例によれば、
複数種類の被加工物が搬入されたとき、研削代を加えた
素材の直径寸法Φ+Δφから研削代Δφを差し引いて、
全自動一貫工程で研削仕上寸法Φの製品が得られ、全自
動であるから作業能率が高く、しかも、全自動であるか
ら熟練した作業員の労力を要せず、人為的ミスによる仕
損じ品を発生する虞れが無い。
【0029】次に、図1(B1),(B2)および図3
(B)を参照して第5の実施例について説明すると、図
3(B)の左半部は前述した図3(A)の左半部と類似
の構成である。図3(B)の右半部に示したように、ベ
ッド8の上に調整砥石下部11が搭載されており、該調
整砥石摺動台下部11に対してブレード2が固定的に設
置されるとともに、調整砥石摺動台上部12が搭載され
ている。M2は調整砥石摺動台下部11の駆動用モー
タ、M3は調整砥石摺動台上部12の駆動用モータであ
る。(図3(B)と、図1(B1),(B2)とを併せ
て参照)、供給された被加工物の直径寸法変化が同一の
直径区域内の変化であるときは、調整砥石摺動台上部1
2の駆動モータM3を作動させて、心高寸法を一定に保
つように「ブレード・調節砥石間隔」が自動的に調節さ
れる。この調節の状態を局部的に見ると、前掲の図4に
おけると同様である。比較的小径の仮基準径の被加工物
5を研削していた図1(B1)の状態に比して、直径区
域を異にする大径の被加工物7を研削するときは、図3
(B)に示した駆動モータM1を作動させて、図1(B
2)に示すように研削砥石4の位置をΔχだけ前進させ
るとともに、調整砥石摺動台下部11の駆動モータを作
動させて、調整砥石3を一定の往復ストロークモードで
切込み作動させる(矢印b)。
【0030】次に、図1(C1),(C2)および図3
(C)を参照して第6の実施例について説明すると、図
3(C)の右半部は前述した図3(B)の右半部と同様
の構成である。図3(C)の左半部に示したように、研
削砥石車4およびその回転駆動手段(図示省略)はベッ
ド8上の定位置に設置されていて、被加工物に応じた位
置調節は行なわれない。図3(C)から理解されるよう
に、ブレード2が調整砥石摺動台下部11に固定的に設
置されるとともに、調整砥石摺動台上部12が駆動モー
タM3によって前後進せしめられる構造であるから、こ
の構造により前記第5の実施例(図3(B)参照)にお
けると同様に、被加工物の直径寸法変化に対応して、心
高寸法を変えないように「ブレード・調節砥石間隔」を
調節することができる。上述のように「ブレード・調節
砥石間隔」を調節するための構造として、図1(C
1),(C2)に示したように、調整砥石摺動台に対し
てブレードの位置を移動せしめるように構成することも
出来る。
【0031】仮標準径の被加工物5を研削した図1(C
1)の状態に比して、直径区域外の大径の被加工物7を
研削するときは、図1(C2)に示すように調整砥石車
の切込み送りストロークのモード(矢印c1,c2)を
変化させる。すなわち、仮標準径の被加工物5を研削す
るときの切込み送りストローク(矢印c1)に比して、
直径区域外の大径の被加工物7を研削するときの切込み
送りストローク(矢印c2)は、そのストロークエンド
位置を研削砥石4に対してΔχだけ接近させる。
【0032】
【発明の効果】以上に本発明の実施形態を挙げてその構
成・機能を明らかならしめたように、請求項1の発明方
法によると、ある1種類の被加工物をセンターレス研削
した後、これに引き続いてセンターレス研削する被加工
物が上記と異なる種類であっても、同一直径区域内であ
れば、該被加工物の心高が変化しないように、ブレード
に対する調整砥石車の位置を調節するだけで、研削砥石
車の切込みストロークを変更することなく、迅速かつ容
易に対応して高精度でセンターレス研削することが可能
であり、さらに、引き続いてセンターレス研削する被加
工物が直径区域を異にする寸法である場合は、被加工物
の心高を変えないように、ブレードに対する調整砥石車
の位置を調節するとともに研削砥石車の切込みストロー
クを変更することによって高精度、高能力のセンターレ
ス研削が可能であり、かつ、上述した一連の調節を通じ
て被加工物の心高が変わらないので、該被加工物の研削
を安定した状態で行なうことができ、しかも、そのアン
ローディングを容易に確実に行なうことができる。
【0033】請求項2の発明方法によると、ある1種類
の被加工物をセンターレス研削した後、これに引き続い
てセンターレス研削する被加工物が上記と異なる種類で
あっても、同一直径区域内であれば該被加工物の心高が
変化しないように、ブレードに対する調整砥石の位置を
調節するだけで、研削砥石車の位置を変更することな
く、迅速かつ容易に対応して高精度でセンターレス研削
することが可能であり、さらに、引き続いてセンターレ
ス研削する被加工物が直径区域を異にする寸法である場
合は、被加工物の心高を変えないように、ブレードに対
する調整砥石車の位置を調節するとともに研削砥石車の
設置位置を変更することによって高精度,効能率のセン
ターレス研削が可能であり、かつ、上述した一連の調節
を通じて被加工物の心高が変わらないので、該被加工物
の研削を安定して状態で行なうことができ、しかも、そ
のアンローディングを容易に確実に行なうことができ
る。
【0034】請求項3の発明方法によると、ある1種類
の被加工物をセンターレス研削した後、これに引き続い
てセンターレス研削する被加工物が上記と異なる種類で
あっても、同一直径区域内であれば該被加工物の心高が
変化しないように、ブレードに対する調整砥石の位置を
調節するだけで、調整砥石車の切込みストロークを変更
することなく、迅速かつ容易に対応して高精度でセンタ
ーレス研削することが可能であり、さらに、引き続いて
センターレス研削する被加工物が直径区域を異にする寸
法である場合は、被加工物の心高を変えないように、ブ
レードに対する調整砥石車の位置を調節するとともに調
整砥石車の切込みストロークを変更することによって高
精度,効能率のセンターレス研削が可能であり、かつ、
上述した一連の調節を通じて被加工物の心高が変わらな
いので、該被加工物の研削を安定して状態で行なうこと
ができ、しかも、そのアンローディングを容易に確実に
行なうことができる。
【0035】請求項4の発明方法によると、複数種類の
被加工物それぞれのために予め作られた複数種類の素材
が次々に供給されたとき、該素材の刻印やラベルの標記
事項を読み取る必要なく、各素材ごとに適正な仕上寸法
を判定して、該仕上寸法に適応せしめて、ブレードと、
調整砥石車と、研削砥石車との三者について、適正な静
的位置関係および適正な動的位置関係(切込みストロー
ク)を設定することができる。本請求項4の発明方法に
よって「素材に適応した調節状態」を設定することは、
センターレス研削を効能率で高精度に遂行するのみでな
く、研削盤の保守・安全のためにも大きい意義を有して
いる。
【0036】請求項5の発明方法によると、被加工物の
直径寸法を、ローディング前とローディング後との2回
に亙って、異なる計測器を用いて計測した結果を照合す
るので、万一の計測誤りに因るトラブルを未然に防止し
て、安全の完璧を期することが出来る。このような2重
安全方式を採ることの意義は次のとおりである。すなわ
ち、全自動センターレス研削盤の作動信頼性を向上せし
めることによって、大規模な機械生産工場における複雑
な機械加工の工程系統の一構成機器としてのセンターレ
ス研削盤の価値が向上し、その結果、センターレス研削
盤産業の発展に貢献するところ多大である。
【0037】請求項6の発明装置によると、ブレードと
調整砥石との間隔寸法が「予め定められた複数の設定値
の内の何れか一つの間隔寸法」となるように、自動的に
調節されるので、複数種類の被加工物素材を供給された
とき、それぞれの被加工物素材に対応せしめた適正な
「ブレード・調整砥石間隔」となるように自動調節され
る。これにより、前回に研削加工した被加工物に比して
直径寸法の差が少ないときは、調整砥石車とブレードと
の間隔寸法の調節が自動的に行なわれ、手作業による調
節を必要とせずに、被加工物の直径寸法変化に対応する
ことができる。この場合、予め定められた複数の値の中
から一つの値が選択されるので、人為的な調節ミスを生
じる虞れが無く最適の調節状態が得られる。さらに、研
削砥石の往復ストロークモードが「予め定められた複数
のストロークモードの何れか一つ」に選択されるので、
前回の被加工物に比して直径寸法の変化が或る程度以上
の場合は、研削砥石の切込みストロークを併せて調節す
ることによって対応することができ、作業者に別段の熟
練を要せず、複数種類の被加工物のそれぞれを適正にセ
ンターレス研削することができる。
【0038】請求項7の発明装置によると、ブレードと
調整砥石との間隔寸法が「予め定められた複数の設定値
の内の何れか一つの間隔寸法」となるように、自動的に
調節されるので、複数種類の被加工物素材を供給された
とき、それぞれの被加工物素材に対応せしめた適正な
「ブレード・調整砥石間隔」となるように自動調節され
る。さらに、研削砥石の設置位置が「予め定められた複
数のストロークモードの何れか一つ」に選択されるの
で、前回の被加工物に比して直径寸法の変化が或る程度
以上の場合は、研削砥石の設置位置を併せて調節するこ
とによって対応することができ、作業者に別段の熟練を
要せず、複数種類の被加工物のそれぞれを適正にセンタ
ーレス研削することができる。
【0039】請求項8の発明装置によると、ブレードと
調整砥石との間隔寸法が「予め定められた複数の設定値
の内の何れか一つの間隔寸法」となるように、自動的に
調節されるので、複数種類の被加工物素材を供給された
とき、適正な「ブレード・調整砥石間隔」となるように
自動調節される。さらに、調整砥石の往復ストロークの
モードが「予め定められた複数のストロークモードの何
れか一つ」に選択されるので、前回の被加工物に比して
直径寸法の変化が或る程度以上の場合は、調整砥石の切
込みストロークを併せて調節することによって対応する
ことができ、作業者に別段の熟練を要せず、複数種類の
被加工物のそれぞれを適正にセンターレス研削すること
ができる。
【0040】請求項9の発明装置によると、被加工物の
素材を搬入する手段が設けられるとともにローディング
機構が設けられているので、該素材をセンターレス加工
するための準備作業が自動的に遂行される。その上、搬
入された被加工物素材は、ローディングされる前に直径
寸法を自動的に計測されるとともに、素材寸法に基づい
て研削仕上寸法が自動的に算出され、上記算出値に基づ
いて制御指令信号が出力されるので、センターレス研削
盤はローディングされる被加工物素材に対して適正なセ
ンターレス研削を行なう調節状態になる。本発明におい
て、上述の請求項9の作用・効果が有している技術的な
意義は、複数種類の被加工物素材が不規則な順序で搬
入,ローディングされた場合においても、それぞれの被
加工物素材を自動的に判別して、当該種類の素材に応じ
た適正な調節状態が自動的に整えられるという処に有
る。こうした作用,効果は、複数種類の被加工物素材を
加工対象として、搬入から研削・搬出に至る一貫自動作
業機を構成するための要件である。
【0041】請求項10の発明装置によれば、複数種類
の被加工物素材を供給されたとき、各種類に亙って混合
している素材を自動的に判別して、それぞれの素材に適
応して自動的に研削状態を変更して適正なセンターレス
研削を行なって搬出するという一貫作業全自動が可能と
なる。ただし、一貫作業全自動を実用的に可能ならしめ
るのは、単に各種自動機構を配列しただけでは足りず、
作業信頼性の万全を期するだけの裏付けが無くてはなら
ない(全自動の一貫工程を採用しているとき、多数の工
程の内の一つにトラブルが発生すると、全工程を非常停
止させなければならないので、単独工程におけるトラブ
ル発生に比して損害が膨大であり、作動信頼性がほぼ1
00%でなければ全工程の一貫自動化は危険である)。
本請求項10の発明は、複数種類の被加工物素材が不規
則な順序で供給されても、素材の判別を自動的に行なう
のみならず、判別結果を照合・確認してから送り込みを
与えるようにし、目的研削仕上寸法になったことを確認
してアンロードするように構成されているので、高い信
頼性をもって「複数種類の被加工物の全自動一貫センタ
ーレス研削」を可能ならしめるという優れた実用的効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るセンターレス研削盤の実施形態を
示す模式的な側面図であって、(A1)は第4の実施例
において仮標準径の被加工物を研削している状態を描
き、(A2)は同じく直径区域を異にする大径被加工物
を研削している状態を描いてある。(B1)は第5の実
施例において仮標準径の被加工物を研削している状態を
描き、(B2)は同じく直径区域外の大径被加工物を研
削している状態を描いてある。(C1)は第6の実施例
において仮標準径の被加工物を研削している状態を描
き、(C2)は同じく直径区域外の大径被加工物を研削
している状態を描いてある。
【図2】本発明のセンターレス研削盤を用いて本発明の
センターレス研削方法を実施して、複数の直径寸法を有
する多数の被加工物をセンターレス研削した実施の形態
における直径寸法の分布、および該直径寸法を区分した
直径区域を表した図表であって、(A)は第1の実施例
を、(B)は第2の実施例を、(C)は第3の実施例
を、それぞれ示している。
【図3】本発明に係るセンターレス研削方法を実施する
ために構成したセンターレス研削盤の実施形態を示し、
(A)は第4の実施例の研削盤の模式的な側面図に制御
系統を付記した図、(B)は第5の実施例の研削盤の模
式的な側面図に制御系統を付記した図、(C)は第6の
実施例の研削盤の模式的な側面図に制御系統を付記した
図である。
【図4】ブレードに対する調整砥石の間隔寸法の調節を
説明するために示したもので、(A)は仮標準の直径寸
法の被加工物をブレードと調整砥石とで支承している状
態の模式的な側面図であり、(B)は仮標準径の直径寸
法の被加工物に比して、直径区域が同じであって直径寸
法が大きい被加工物に適応して調節した後の状態を表し
ている。
【図5】図2(A)に示した第1の実施例に係る4種類
の被加工物を、図3(A)に示した装置を用い、図1
(A1),(A2)に示したように作動せしめて自動的
に被加工物素材を選別し、素材の種類に応じて自動的に
調節し、研削する制御のフロー図である。
【図6】センターレスグラインダの基本的な構造・機能
を説明するために示した模式的な側面図である。
【符号の説明】
1…被加工物、2…ブレード、3…調整砥石、4…研削
砥石、5…仮標準径の被加工物、6…同一直径区域内の
大径被加工物、7…直径区域外の大径被加工物、8…研
削盤のベッド、9…研削砥石摺動台、10…調整砥石摺
動台、11…調整砥石摺動台下部、12…調整砥石摺動
台上部、13…インプロセスゲージ、14…自動制御機
構、15〜19…フローを表す符号。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅野 和利 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 調整砥石車とブレードとによって被加工
    物を支承するとともに、該調整砥石車を回転させて被加
    工物を回転せしめつつ、研削砥石車を被加工物に接触せ
    しめつつ回転させて研削する方法において、 3種類以上の直径寸法を有する3種類以上の被加工物を
    研削する場合、 最大直径寸法から最小直径寸法までの間を複数の直径区
    域に区分し、 同一直径区域内で、異なる直径寸法の被加工物を研削す
    るときは、心高寸法がほぼ一定となるように調整砥石車
    をブレードに対して前後進せしめて調節し、ブレードに
    対する調整砥石車の位置を変えることなく、研削砥石車
    を回転させつつ一定のストロークで被加工物に対して切
    込み送りして研削し、 直径区域が異なる寸法の被加工物を研削するときは、心
    高寸法がほぼ一定となるように調整砥石車をブレードに
    対して前後進せしめて調節し、 かつ、ブレードに対する研削砥石車の切込みストローク
    エンド位置を調節して該研削砥石車を回転させつつ被加
    工物に対して切込み送りして研削することを特徴とす
    る、センターレス研削方法。
  2. 【請求項2】 調整砥石車とブレードとによって被加工
    物を支承するとともに、該調整砥石車を回転させて被加
    工物を回転せしめつつ、研削砥石車を被加工物に接触せ
    しめつつ回転させて研削する方法において、 3種類以上の直径寸法を有する3種類以上の被加工物を
    研削する場合、 最大直径寸法から最小直径寸法までの間を複数の直径区
    域に区分し、 同一直径区域内で、異なる直径寸法の被加工物を研削す
    るときは、心高寸法がほぼ一定となるように調整砥石車
    をブレードに対して前後進せしめて調節し、ブレードと
    調整砥石車との位置関係を一定に保持したまま、該ブレ
    ードおよび調整砥石車を一定のストロークで研削砥石車
    へ接近せしめる方向に切込み送りして研削を行ない、 直径区域が異なる寸法の被加工物を研削すときは、心高
    寸法がほぼ一定となるように調整砥石車をブレードに対
    して前後進せしめて調節し、ブレードと調整砥石車との
    位置関係を一定に保持したまま、該ブレードおよび調整
    砥石車を一定のストロークで研削砥石車へ接近せしめる
    方向に切込み送りするとともに、 上記研削砥石車の、研削盤ベッドに対する設置位置を、
    ブレードに対して接近,離間せしめる方向に調節し、研
    削砥石車によって前記被加工物を研削している期間中、
    研削盤ベッドに対する研削砥石車の設置位置を移動せし
    めないことを特徴とする、センターレス研削方法。
  3. 【請求項3】 調整砥石車とブレードとによって被加工
    物を支承するとともに、該調整砥石車を回転させて被加
    工物を回転せしめつつ、研削砥石車を被加工物に接触せ
    しめつつ回転させて研削する方法において、 3種類以上の直径寸法を有する3種類以上の被加工物を
    研削する場合、 同一直径区域内で、異なる直径寸法の被加工物を研削す
    るときは、心高寸法がほぼ一定となるように調整砥石車
    をブレードに対して前後進せしめて調節し、ブレードと
    調整砥石車との位置関係を一定に保持したまま、該ブレ
    ードおよび調整砥石車を一定のストロークで研削砥石車
    へ接近せしめる方向に切込み送りして研削を行ない、 直径区域が異なる寸法の被加工物を研削するときは、心
    高寸法がほぼ一定となるように調整砥石車をブレードに
    対して前後進せしめて調節し、ブレードと調整砥石車と
    の位置関係を一定に保持したまま、該ブレードおよび調
    整砥石車に切込み送りを与えるとともに、この切込み送
    りのストロークエンド位置を被加工物の直径寸法に応じ
    て調節し、 かつ、上述のようにして直径区域が異なる直径寸法を有
    する被加工物を研削するとき、研削盤のベッドに対する
    研削砥石車の位置を変化させないことを特徴とする、セ
    ンターレス研削方法。
  4. 【請求項4】 前記の3種類以上の直径寸法を有する3
    種類以上の被加工物について、各直径寸法の被加工物ご
    とに、研削仕上寸法Φと、該研削仕上寸法に研削代を加
    えた素材の直径寸法Φ+Δφとを対応せしめて記憶して
    おき、 ローディングのために搬入された被加工物の素材ごとに
    該素材の直径寸法を計測して、 上記の素材寸法計測値に対応する研削仕上寸法を求め、 上記のようにして求めた研削仕上寸法に基づいてブレー
    ドに対する調整砥石車の位置を設定するとともに、 前記研削仕上寸法に基づいて、ブレードおよび調整砥石
    の切込みストローク、または研削砥石の切込みストロー
    クもしくは研削砥石の位置を設定することを特徴とす
    る、請求項1ないし請求項3の何れか一つに記載したセ
    ンターレス研削方法。
  5. 【請求項5】 前記被加工物の素材がブレードと調整砥
    石車とによって支承された状態で、前記研削砥石車もし
    くは調整砥石車の切込み送りを開始するよりも前に、 インプロセスゲージによって被加工物の素材の直径寸法
    を計測し、 上記インプロセスゲージによる計測値を、前記Φ+Δφ
    の値と比較して、 許容される測定誤差の範囲内で両者が一致することを確
    認してから、前記研削砥石車もしくは調整砥石車の切込
    み送りを開始することを特徴とする、請求項4に記載し
    たセンターレス研削方法。
  6. 【請求項6】 研削盤のベッドの上に載置され、研削砥
    石車およびその回転駆動手段を搭載した研削砥石摺動
    台、並びに、該研削砥石摺動台の往復駆動手段と、 前記研削盤のベッドの上に載置され、調整砥石車および
    その回転駆動手段を搭載した調整砥石摺動台、並びに、
    該調整砥石摺動台の往復駆動手段と、 前記研削盤のベッド上に設置されたブレードと、を具備
    しているセンターレス研削盤において、 前記調整砥石摺動台の往復駆動手段を制御して、ブレー
    ドと調整砥石との間隔を、予め定められた複数の間隔寸
    法の何れかに選択的に調節する機能と、 前記研削砥石摺動台の駆動手段を制御して、予め定めら
    れた複数種類の往復ストロークモードの何れかを選択し
    て切込み作動せしめる機能と、を有する自動制御機構を
    具備していることを特徴とする、センターレス研削盤。
  7. 【請求項7】 研削盤のベッドの上に載置され、研削砥
    石車およびその回転駆動手段を搭載した研削砥石摺動
    台、並びに、該研削砥石摺動台の往復駆動手段と、 前記研削盤のベッドの上に載置され、ブレードを設置さ
    れた調整砥石摺動台下部、および該調整砥石摺動台下部
    の往復駆動手段と、 上記調整砥石摺動台下部の上に載置され、調整砥石車お
    よびその回転駆動手段を搭載した調整砥石摺動台上部、
    並びに、該調整砥石摺動台上部の往復駆動手段を具備し
    ているセンターレス研削盤において、 前記調整砥石摺動台上部の往復駆動手段を制御して、ブ
    レードと調整砥石車との間隔寸法を、予め定められた複
    数の間隔寸法の何れか一つに選択的に調節する機能と、 前記調整砥石摺動台下部の往復駆動手段を制御して、予
    め定められた一定のモードに従って調整砥石摺動台下部
    を往復駆動して切込み送り作動を行なわせる機能と、 前記研削砥石摺動台の往復駆動手段を制御して、研削砥
    石車を予め定められた複数の位置の何れかに選択的に位
    置せしめる機能と、を具備していることを特徴とするセ
    ンターレス研削盤。
  8. 【請求項8】 研削盤のベッドの上に設置された研削砥
    石車およびその回転駆動手段と、 前記研削盤ベッドの上に載置され、ブレードを設置され
    た調整砥石摺動台下部、および調整砥石摺動台下部の往
    復駆動手段と、 上記調整砥石摺動台下部の上に載置され、調整砥石車お
    よびその回転駆動手段を搭載した調整砥石摺動台上部、
    並びに調整砥石摺動台上部の往復駆動手段を具備してい
    るセンターレス研削盤において、 前記調整砥石摺動台上部の往復駆動手段を制御して、ブ
    レードと調整砥石車との間隔寸法を、予め定められた複
    数の間隔寸法の何れか一つに選択的に調節する機能と、 前記調整砥石摺動台の往復駆動手段を制御して、調整砥
    石車について予め定められた複数の往復ストロークモー
    ドの何れか一つを選択して切込み作動を行なわせる機能
    と、を有する自動制御機構を具備していることを特徴と
    するセンターレス研削盤。
  9. 【請求項9】 被加工物の素材を搬入する手段、およ
    び、搬入された素材を調整砥石とブレードとに支承せし
    める自動ローディング機構とが設けられるとともに、 搬入された被加工物素材の直径寸法をローディング前に
    計測して、計測値を表わす信号を前記自動制御機構に入
    力せしめる自動計測手段を具備しており、 かつ、上記自動制御機構は入力された素材寸法に基づい
    て研削仕上寸法を算出し、研削仕上寸法算出値に応じて
    制御指令信号を出力する機能を有するものであることを
    特徴とする、請求項6ないし請求項8の何れか一つに記
    載したセンターレス研削盤。
  10. 【請求項10】 研削中の被加工物の直径寸法を継続的
    に計測するインプロセスゲージ、および、研削された被
    加工物のアンローダを具備しており、 かつ、前記の自動制御機構は、(イ)入力された素材寸
    法の計測値を記憶する機能と、(ロ)前記インプロセス
    ゲージの出力信号を前記の素材寸法計測値と比較して、
    計測の許容誤差の範囲内で双方の値が一致することを確
    認したとき研削砥石車もしくは調整砥石車の切込み作動
    を開始せしめる機能と、(ハ)前記インプロセスゲージ
    の出力値が研削仕上寸法と一致したとき前記のアンロー
    ダを作動させる機能と、を有していて、 搬入された複数種類の被加工物の素材を自動的に判別
    し、該素材を確認し、素材寸法に対応する仕上寸法に研
    削し、仕上寸法に研削されたことを確認して搬出する自
    動的な一貫作業機能を有していることを特徴とする、請
    求項9に記載したセンターレス研削盤。
JP14494797A 1997-06-03 1997-06-03 センターレス研削方法、およびセンターレス研削盤 Pending JPH10328984A (ja)

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