JPH10328601A - 連続走行フィルム用塗布方法およびその塗布装置 - Google Patents
連続走行フィルム用塗布方法およびその塗布装置Info
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- JPH10328601A JPH10328601A JP14200897A JP14200897A JPH10328601A JP H10328601 A JPH10328601 A JP H10328601A JP 14200897 A JP14200897 A JP 14200897A JP 14200897 A JP14200897 A JP 14200897A JP H10328601 A JPH10328601 A JP H10328601A
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- Japan
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- film
- coating
- die
- coating liquid
- lip
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- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ダイのスリットから塗液を押し出して、走行
フィルムの少なくとも一方の表面に塗液を連続的に塗布
する連続走行フィルム用の塗布方法において、良好な塗
布面を得ることを目的とする。 【解決手段】 塗布装置の構成を変更することなく、フ
ィルム1の走行速度に応じてダイのリップ面の有効長L
を変化させる。好ましくは、ダイにはスリット3〜5を
フィルム走行方向のd方向に複数設け、フィルム走行速
度に応じて塗液を押し出させるスリットの数を変化させ
ることで、ダイのリップ面の有効長Lを変化させる。
フィルムの少なくとも一方の表面に塗液を連続的に塗布
する連続走行フィルム用の塗布方法において、良好な塗
布面を得ることを目的とする。 【解決手段】 塗布装置の構成を変更することなく、フ
ィルム1の走行速度に応じてダイのリップ面の有効長L
を変化させる。好ましくは、ダイにはスリット3〜5を
フィルム走行方向のd方向に複数設け、フィルム走行速
度に応じて塗液を押し出させるスリットの数を変化させ
ることで、ダイのリップ面の有効長Lを変化させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダイのスリットか
ら塗液を押し出して、走行フィルムの少なくとも一方の
表面に塗液を連続的に塗布する連続走行フィルム用塗布
方法、およびその装置に関する。
ら塗液を押し出して、走行フィルムの少なくとも一方の
表面に塗液を連続的に塗布する連続走行フィルム用塗布
方法、およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスティックフィルム等のフィルム
(シート状基材含む)に、易接着性、易滑性、ガス遮断
性、防湿性、制電性、インク受容性等の機能を付与する
目的でコーティング加工することが一般的に行われてい
る。
(シート状基材含む)に、易接着性、易滑性、ガス遮断
性、防湿性、制電性、インク受容性等の機能を付与する
目的でコーティング加工することが一般的に行われてい
る。
【0003】これに用いるコーターとして、例えばグラ
ビアコーター、キスロールコーター、リバースロールコ
ーター、スライドコーター、カーテンコーター、ナイフ
コーター、エクストルージョンダイコーター等が知られ
ている。特に高速塗布にはダイコーターが適しており、
磁性塗剤の塗布には広く用いられている。
ビアコーター、キスロールコーター、リバースロールコ
ーター、スライドコーター、カーテンコーター、ナイフ
コーター、エクストルージョンダイコーター等が知られ
ている。特に高速塗布にはダイコーターが適しており、
磁性塗剤の塗布には広く用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしフィルム製膜ラ
イン中でのインラインコート用としては、未だダイコー
ターは実用化されていない。これは、インラインでは塗
工に合わせてフィルム製膜の条件を変えることが従来は
困難であり、ダイコーターは種々の塗布条件に柔軟に適
応させるのが難しいことが実用を妨げていると考えられ
る。しかしながら今後もフィルム製膜速度は速くなるこ
とが見込まれるため、それに対応したインラインコーテ
ィング設備が必要になる。
イン中でのインラインコート用としては、未だダイコー
ターは実用化されていない。これは、インラインでは塗
工に合わせてフィルム製膜の条件を変えることが従来は
困難であり、ダイコーターは種々の塗布条件に柔軟に適
応させるのが難しいことが実用を妨げていると考えられ
る。しかしながら今後もフィルム製膜速度は速くなるこ
とが見込まれるため、それに対応したインラインコーテ
ィング設備が必要になる。
【0005】そうしたダイコーターに関して特開平8−
24770号公報では、フィルム速度に応じてダイの下
流側リップのリップ面の有効長を規定する技術が開示さ
れている。条件を塗工に最適化できるオフラインコート
であればこれで問題ないが、フィルム製膜ライン中のイ
ンラインコーティングでは、刻々と変化する製膜条件
(フィルム厚み、速度、フィルム張力)や塗液変更に対
応することが課題となる。
24770号公報では、フィルム速度に応じてダイの下
流側リップのリップ面の有効長を規定する技術が開示さ
れている。条件を塗工に最適化できるオフラインコート
であればこれで問題ないが、フィルム製膜ライン中のイ
ンラインコーティングでは、刻々と変化する製膜条件
(フィルム厚み、速度、フィルム張力)や塗液変更に対
応することが課題となる。
【0006】特にフィルム速度は、銘柄により10m/
分から350m/分近くまで変化する。このため従来
は、1台のダイですべての銘柄に対応するのは困難であ
り、時間をかけてダイ交換をする必要があり、また複数
のダイを持たねばならず多大な設備コストがかかった。
分から350m/分近くまで変化する。このため従来
は、1台のダイですべての銘柄に対応するのは困難であ
り、時間をかけてダイ交換をする必要があり、また複数
のダイを持たねばならず多大な設備コストがかかった。
【0007】本発明はかかる課題を解決して、フィルム
製膜工程での刻々と変化する製膜条件のうち、特に変化
幅の大きいフィルム速度の変化に設備変更を伴わずに適
応し、均一で適切な塗布量で筋故障のない塗布面の得ら
れる連続走行フィルム用塗布方法を得ることを目的とす
る。
製膜工程での刻々と変化する製膜条件のうち、特に変化
幅の大きいフィルム速度の変化に設備変更を伴わずに適
応し、均一で適切な塗布量で筋故障のない塗布面の得ら
れる連続走行フィルム用塗布方法を得ることを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の連続走行フィル
ム用塗布方法は、ダイのスリットから塗液を押し出し
て、走行フィルムの少なくとも一方の表面に塗液を連続
的に塗布する連続走行フィルム用の塗布方法において、
塗布装置の構成を変更することなく、フィルム走行速度
に応じてダイのリップ面の有効長を変化させることを特
徴としている。
ム用塗布方法は、ダイのスリットから塗液を押し出し
て、走行フィルムの少なくとも一方の表面に塗液を連続
的に塗布する連続走行フィルム用の塗布方法において、
塗布装置の構成を変更することなく、フィルム走行速度
に応じてダイのリップ面の有効長を変化させることを特
徴としている。
【0009】本発明における走行フィルムとしては、プ
ラスティックフィルムが好ましい。このプラスティック
フィルムとしては、ポリオレフィンフィルム(たとえば
ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等)、
ポリエステルフィルム(たとえばポリエチレンテレフタ
レートフィルム、ポリエチレン−2,6−ナフタレート
フィルム等)、ポリアミドフィルム(たとえばポリエー
テルエーテルケトンフィルム等)、ポリカーボネートフ
ィルム等が例示できる。この中でもポリエステルフィル
ム、特にポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエ
チレン−2,6−ナフタレートフィルムが好ましい。こ
うしたフィルムは未延伸フィルムでもよいし、縦もしく
は横に1軸延伸されたフィルムでもよいし、2軸延伸フ
ィルムであってもよい。
ラスティックフィルムが好ましい。このプラスティック
フィルムとしては、ポリオレフィンフィルム(たとえば
ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等)、
ポリエステルフィルム(たとえばポリエチレンテレフタ
レートフィルム、ポリエチレン−2,6−ナフタレート
フィルム等)、ポリアミドフィルム(たとえばポリエー
テルエーテルケトンフィルム等)、ポリカーボネートフ
ィルム等が例示できる。この中でもポリエステルフィル
ム、特にポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエ
チレン−2,6−ナフタレートフィルムが好ましい。こ
うしたフィルムは未延伸フィルムでもよいし、縦もしく
は横に1軸延伸されたフィルムでもよいし、2軸延伸フ
ィルムであってもよい。
【0010】また本発明において塗液は、フィルム表面
に機能特性例えば接着性(含、易接着性、ヒートシール
性)、易滑性(走行性)、帯電防止性、導電性、耐摩耗
性、耐削れ性、耐候性、離型性、耐薬品性(含、耐水
性、耐溶剤性)、易印刷性、流滴性、防汚性、筆記性、
遮光性、防水性、ガスバリアー性等を付与する表面加工
用の塗液であれば如何なるものであっても良い。これら
の塗液は従来から知られ、あるいは用いられているもの
を用いることができる。塗液の粘度としては1〜200
センチポイズ(cP)、更に1.1〜20cPが好まし
い。
に機能特性例えば接着性(含、易接着性、ヒートシール
性)、易滑性(走行性)、帯電防止性、導電性、耐摩耗
性、耐削れ性、耐候性、離型性、耐薬品性(含、耐水
性、耐溶剤性)、易印刷性、流滴性、防汚性、筆記性、
遮光性、防水性、ガスバリアー性等を付与する表面加工
用の塗液であれば如何なるものであっても良い。これら
の塗液は従来から知られ、あるいは用いられているもの
を用いることができる。塗液の粘度としては1〜200
センチポイズ(cP)、更に1.1〜20cPが好まし
い。
【0011】本発明におけるリップ面とは、ダイのリッ
プのフィルムに対向している面のことを言い、リップ面
の有効長とは、リップ面のうちリップ面とフィルム間に
塗液が満ちていて液圧を発生している部分の、フィルム
走行方向の長さのことをいう。
プのフィルムに対向している面のことを言い、リップ面
の有効長とは、リップ面のうちリップ面とフィルム間に
塗液が満ちていて液圧を発生している部分の、フィルム
走行方向の長さのことをいう。
【0012】ここで、リップ面とフィルム面がともに平
面である場合には、リップ面とフィルムの間にできる液
膜によって発生する液圧Pは、次式によって表される。
面である場合には、リップ面とフィルムの間にできる液
膜によって発生する液圧Pは、次式によって表される。
【0013】P=6μVBL2/(h1−h2)2×{lo
g(h1/h2)−2(h1−h2)/(h1+h2)} この式中で、Pは液圧、μは塗液の粘度、Vはフィルム
の走行速度、Lはリップ面の有効長、Bは塗布幅、h1
は最上流側のリップエッジとフィルムとの距離、h2は
最下流側のリップエッジとフィルムとの距離である。
g(h1/h2)−2(h1−h2)/(h1+h2)} この式中で、Pは液圧、μは塗液の粘度、Vはフィルム
の走行速度、Lはリップ面の有効長、Bは塗布幅、h1
は最上流側のリップエッジとフィルムとの距離、h2は
最下流側のリップエッジとフィルムとの距離である。
【0014】液圧Pと張力Tで走行しているフィルムに
リップを押し付けることで発生する反力のバランスによ
って、リップとフィルムの間隔が決まり、塗膜厚が決定
される。Pがフィルム反力に対して過小になると、リッ
プとフィルムが接触してフィルムに擦り傷が入り、Pが
フィルム反力に対して過大になると、フィルムが塗液供
給量以上に浮き上がり幅方向に塗膜が切れる現象が起こ
る。
リップを押し付けることで発生する反力のバランスによ
って、リップとフィルムの間隔が決まり、塗膜厚が決定
される。Pがフィルム反力に対して過小になると、リッ
プとフィルムが接触してフィルムに擦り傷が入り、Pが
フィルム反力に対して過大になると、フィルムが塗液供
給量以上に浮き上がり幅方向に塗膜が切れる現象が起こ
る。
【0015】そして前述の式で示されるように、液圧P
は、フィルム速度V、塗液の粘度μ、リップ面の有効長
L、リップとフィルムとの間隔h1、h2で変化する。h
1とh2の比率は塗布面の均一性、筋斑のでにくさから最
適値があり、フィルム速度、塗液粘度はフィルム製膜工
程内では他の制約があって変化させることは困難なの
で、リップとフィルムの間隔を希望の塗布量になるよう
に合わせるためには、リップ面の有効長Lを変化させる
のが最適である。またLには2乗がかかっており、小さ
な変化でも大きなPの変化が発生するという利点もあ
る。
は、フィルム速度V、塗液の粘度μ、リップ面の有効長
L、リップとフィルムとの間隔h1、h2で変化する。h
1とh2の比率は塗布面の均一性、筋斑のでにくさから最
適値があり、フィルム速度、塗液粘度はフィルム製膜工
程内では他の制約があって変化させることは困難なの
で、リップとフィルムの間隔を希望の塗布量になるよう
に合わせるためには、リップ面の有効長Lを変化させる
のが最適である。またLには2乗がかかっており、小さ
な変化でも大きなPの変化が発生するという利点もあ
る。
【0016】そして本発明において実質的にダイのリッ
プ面の有効長を変化させる方法としては、ダイにはスリ
ットをフィルム走行方向に複数設け、フィルム走行速度
に応じて塗液を押し出させるスリットの数を変化させる
方法が、より良好な塗布面をより生産性良く得るために
は好ましい。
プ面の有効長を変化させる方法としては、ダイにはスリ
ットをフィルム走行方向に複数設け、フィルム走行速度
に応じて塗液を押し出させるスリットの数を変化させる
方法が、より良好な塗布面をより生産性良く得るために
は好ましい。
【0017】例えば図1は、3系統のスリットを備えた
ダイにおいて、全てのスリットから塗液を押し出してい
る様子の断面模式図である。そして図2は、その際のダ
イ先端部の拡大図である。
ダイにおいて、全てのスリットから塗液を押し出してい
る様子の断面模式図である。そして図2は、その際のダ
イ先端部の拡大図である。
【0018】図中の1は走行フィルム、2は塗液膜、3
はフィルム1の走行方向において上流側にある上流スリ
ット、4は中間スリット、5は下流スリット、6は上流
マニホールド、7は中間マニホールド、8は下流マニホ
ールド、9は上流リップ、10は上流側中間リップ、1
1は下流側中間リップ、12は下流リップ、そしてdは
走行フィルムの進行方向である。
はフィルム1の走行方向において上流側にある上流スリ
ット、4は中間スリット、5は下流スリット、6は上流
マニホールド、7は中間マニホールド、8は下流マニホ
ールド、9は上流リップ、10は上流側中間リップ、1
1は下流側中間リップ、12は下流リップ、そしてdは
走行フィルムの進行方向である。
【0019】さらに図中の13は液離れエッジ、14は
上流リップ9のリップ面、15は上流側中間リップ10
のリップ面、16は下流側中間リップ11のリップ面、
17は下流リップのリップ面、そしてLはリップ面の有
効長である。
上流リップ9のリップ面、15は上流側中間リップ10
のリップ面、16は下流側中間リップ11のリップ面、
17は下流リップのリップ面、そしてLはリップ面の有
効長である。
【0020】図3は、図1のダイにおいて、中間スリッ
ト4と下流スリット5から塗液を押し出した状態におけ
るダイ先端部の拡大図である。図4は、図1のダイにお
いて、下流スリット5からのみ塗液を押し出した状態に
おけるダイ先端部の拡大図である。
ト4と下流スリット5から塗液を押し出した状態におけ
るダイ先端部の拡大図である。図4は、図1のダイにお
いて、下流スリット5からのみ塗液を押し出した状態に
おけるダイ先端部の拡大図である。
【0021】図1〜4に示すように、どのスリットから
塗液を吐出するかによって、実質的なリップ面の有効長
Lを変化させることができ、液圧をフィルムの速度に合
わせて容易に調整することができる。塗布面の安定性か
ら塗布面からリップが離れるのは下流リップのリップ面
17上であるのが好ましく、液離れエッジ13から離れ
るのがさらに好ましい。そのため最下流側のスリット3
からは常時塗液を押し出し下流リップのリップ面17は
常時液密であることが好ましい。
塗液を吐出するかによって、実質的なリップ面の有効長
Lを変化させることができ、液圧をフィルムの速度に合
わせて容易に調整することができる。塗布面の安定性か
ら塗布面からリップが離れるのは下流リップのリップ面
17上であるのが好ましく、液離れエッジ13から離れ
るのがさらに好ましい。そのため最下流側のスリット3
からは常時塗液を押し出し下流リップのリップ面17は
常時液密であることが好ましい。
【0022】そしてまた本発明においては、ダイのリッ
プ面の有効長L(mm)を、フィルム走行速度V(m/
分)に対して、V(m/分)<40の時は5≦L(m
m)≦30、40≦V(m/分)<100の時は3≦L
(mm)≦20、100≦V(m/分)<200の時は
1≦L(mm)≦15、V(m/分)≧200の時は
0.5≦L(mm)≦10とすることが、より良好な塗
布面を得るためるは好ましい。
プ面の有効長L(mm)を、フィルム走行速度V(m/
分)に対して、V(m/分)<40の時は5≦L(m
m)≦30、40≦V(m/分)<100の時は3≦L
(mm)≦20、100≦V(m/分)<200の時は
1≦L(mm)≦15、V(m/分)≧200の時は
0.5≦L(mm)≦10とすることが、より良好な塗
布面を得るためるは好ましい。
【0023】こうした本発明の塗布方法は良好な塗布面
を得られることから、フィルムを製膜する製造ライン中
の走行フィルムに対して適用させることが好ましい。
を得られることから、フィルムを製膜する製造ライン中
の走行フィルムに対して適用させることが好ましい。
【0024】また本発明の連続走行フィルム用塗布装置
は、ダイのスリットから塗液を押し出して、走行フィル
ムの少なくとも一方の表面に塗液を連続的に塗布する連
続走行フィルム用塗布装置において、ダイにはフィルム
走行方向にスリットを複数設け、各スリットには独立し
たマニホールドを連結させ、さらに各マニホールドには
塗液供給源を連結させるとともに、フィルム速度に応じ
て各マニホールドに塗液を供給することの有無を独立し
て制御する塗液制御手段を、塗液供給源と各マニホール
ドとの間には設けることを特徴としている。これによ
り、走行フィルムに対して塗布面を良好にすることがで
きる。
は、ダイのスリットから塗液を押し出して、走行フィル
ムの少なくとも一方の表面に塗液を連続的に塗布する連
続走行フィルム用塗布装置において、ダイにはフィルム
走行方向にスリットを複数設け、各スリットには独立し
たマニホールドを連結させ、さらに各マニホールドには
塗液供給源を連結させるとともに、フィルム速度に応じ
て各マニホールドに塗液を供給することの有無を独立し
て制御する塗液制御手段を、塗液供給源と各マニホール
ドとの間には設けることを特徴としている。これによ
り、走行フィルムに対して塗布面を良好にすることがで
きる。
【0025】ここで塗液供給源には、定量性のあるポン
プが使用できる。例えばモーノポンプ、ギアポンプ、プ
ランジャーポンプ、ベーンポンプ等がある。また圧力タ
ンクを使用し、静圧をかけて塗液を押し出す方式も使用
可能である。塗液供給源をマニホールドの個数分用意し
マニホールドごとに完全に独立して塗液を供給してもよ
いし、1つの塗液供給源から配管を分岐して各マニホー
ルドに塗液供給してもよい。
プが使用できる。例えばモーノポンプ、ギアポンプ、プ
ランジャーポンプ、ベーンポンプ等がある。また圧力タ
ンクを使用し、静圧をかけて塗液を押し出す方式も使用
可能である。塗液供給源をマニホールドの個数分用意し
マニホールドごとに完全に独立して塗液を供給してもよ
いし、1つの塗液供給源から配管を分岐して各マニホー
ルドに塗液供給してもよい。
【0026】また塗液制御手段には、通常の市販されて
いる流体用コックや締め切り弁が使用可能である。また
配管途中には塗液の濾過装置を設置するのが好ましく、
泡取り装置を設置するのがさらに好ましい。
いる流体用コックや締め切り弁が使用可能である。また
配管途中には塗液の濾過装置を設置するのが好ましく、
泡取り装置を設置するのがさらに好ましい。
【0027】
【実施例1】前述の図1に示す3系統のスリットを備え
た設備を用いて、走行フィルム1への塗液の連続塗布を
行った。その際にここでは、下流リップ12のリップ面
の長さは2mm、下流側中間リップ11のリップ面の長
さは6mm、上流側中間リップ10のリップ面の長さは
8mmのものを使用した。そして塗液は、粘度10c
P、表面張力40dyne/cmの水系エマルジョン塗
液を使用した。フィルムは、フィルム製膜工程内の厚み
50μm、幅500mmの縦に1軸延伸した後のPET
フィルムを使用した。塗布速度は30m/分、張力はウ
ェブ全幅で150kgに調整した。そして3つのスリッ
トすべてから塗液を吐出し吐出量の合計を、45cc/
分となるように調整した。
た設備を用いて、走行フィルム1への塗液の連続塗布を
行った。その際にここでは、下流リップ12のリップ面
の長さは2mm、下流側中間リップ11のリップ面の長
さは6mm、上流側中間リップ10のリップ面の長さは
8mmのものを使用した。そして塗液は、粘度10c
P、表面張力40dyne/cmの水系エマルジョン塗
液を使用した。フィルムは、フィルム製膜工程内の厚み
50μm、幅500mmの縦に1軸延伸した後のPET
フィルムを使用した。塗布速度は30m/分、張力はウ
ェブ全幅で150kgに調整した。そして3つのスリッ
トすべてから塗液を吐出し吐出量の合計を、45cc/
分となるように調整した。
【0028】ダイリップ面をフィルム面に対して1mm
ほど押し込むと、上流側中間リップ10のリップ面1
5、下流側中間リップ11のリップ面16、下流リップ
のリップ面17はそれぞれ塗液で満たされフィルム走行
方向に連続したビードが形成され、リップ面の有効長L
は実質的に16mmとなった。この状態で均一で筋のな
い良好な塗布面が得られ、塗布量はウェット状態で3g
/m2が得られた。
ほど押し込むと、上流側中間リップ10のリップ面1
5、下流側中間リップ11のリップ面16、下流リップ
のリップ面17はそれぞれ塗液で満たされフィルム走行
方向に連続したビードが形成され、リップ面の有効長L
は実質的に16mmとなった。この状態で均一で筋のな
い良好な塗布面が得られ、塗布量はウェット状態で3g
/m2が得られた。
【0029】
【比較例1】実施例1と同様の設備、条件で下流側スリ
ット5からのみ塗液を吐出した場合はリップ面の有効長
Lは2mmとなり、液圧が不足しフィルムに対してダイ
をわずかに押し込んだだけでダイとフィルムが直接接触
し、フィルムに擦り傷が入った。狙いとする塗布量を得
るためにダイとフィルム間の間隔を広げると、フィルム
を押さえる力が弱いためフィルムの微少な振動やシワに
よって塗布面を均一に保つことができなかった。
ット5からのみ塗液を吐出した場合はリップ面の有効長
Lは2mmとなり、液圧が不足しフィルムに対してダイ
をわずかに押し込んだだけでダイとフィルムが直接接触
し、フィルムに擦り傷が入った。狙いとする塗布量を得
るためにダイとフィルム間の間隔を広げると、フィルム
を押さえる力が弱いためフィルムの微少な振動やシワに
よって塗布面を均一に保つことができなかった。
【0030】
【実施例2〜4、比較例2〜4】以上と同様の評価試験
を条件(フィルム速度、吐出スリット状態とそれによる
リップ面の有効長)を変えて実施した。
を条件(フィルム速度、吐出スリット状態とそれによる
リップ面の有効長)を変えて実施した。
【0031】フィルム速度が80m/分の場合に、中流
スリット4と下流スリット5を使用した場合には、リッ
プ面の有効長は8mmとなり、得られた塗布面の状態は
良好であった(実施例2)。
スリット4と下流スリット5を使用した場合には、リッ
プ面の有効長は8mmとなり、得られた塗布面の状態は
良好であった(実施例2)。
【0032】同じフィルム速度が80m/分の場合で
も、下流スリット5のみを使用した場合には、リップ面
の有効長は2mmとなり、得られた塗布面にはフィルム
とダイが接触による擦り傷が生じており不良であった
(比較例2)。
も、下流スリット5のみを使用した場合には、リップ面
の有効長は2mmとなり、得られた塗布面にはフィルム
とダイが接触による擦り傷が生じており不良であった
(比較例2)。
【0033】フィルム速度が150m/分の場合に、中
流スリット4と下流スリット5を使用した場合には、リ
ップ面の有効長は8mmとなり、得られた塗布面の状態
は良好であった(実施例3)。
流スリット4と下流スリット5を使用した場合には、リ
ップ面の有効長は8mmとなり、得られた塗布面の状態
は良好であった(実施例3)。
【0034】同じフィルム速度が150m/分の場合で
も、上流スリット3と中流スリット4と下流スリット5
を使用した場合には、リップ面の有効長は16mmとな
り、フィルムがダイから浮きすぎて塗布面上の塗膜は不
均一となり不良であった(比較例3)。
も、上流スリット3と中流スリット4と下流スリット5
を使用した場合には、リップ面の有効長は16mmとな
り、フィルムがダイから浮きすぎて塗布面上の塗膜は不
均一となり不良であった(比較例3)。
【0035】フィルム速度が300m/分の場合に、下
流スリット5のみを使用した場合には、リップ面の有効
長は2mmとなり、得られた塗布面の状態は良好であっ
た(実施例4)。
流スリット5のみを使用した場合には、リップ面の有効
長は2mmとなり、得られた塗布面の状態は良好であっ
た(実施例4)。
【0036】同じフィルム速度が300m/分の場合で
も、上流スリット3と中流スリット4と下流スリット5
を使用した場合には、リップ面の有効長は16mmとな
り、フィルムがダイから浮きすぎて塗布面上の塗膜は不
均一となり不良であった(比較例4)。
も、上流スリット3と中流スリット4と下流スリット5
を使用した場合には、リップ面の有効長は16mmとな
り、フィルムがダイから浮きすぎて塗布面上の塗膜は不
均一となり不良であった(比較例4)。
【0037】
【発明の効果】ダイ塗布法において、ダイのリップ面の
有効長Lをフィルム速度に応じて設備変更することなく
変化させることによって、フィルム製膜ライン中のイン
ラインコーティングでの刻々と変化する製膜条件(フィ
ルム厚み、速度、フィルム張力)や塗液変更に迅速に適
応し、均一で適切な塗布量で筋故障のない塗布面を得る
ことができる。
有効長Lをフィルム速度に応じて設備変更することなく
変化させることによって、フィルム製膜ライン中のイン
ラインコーティングでの刻々と変化する製膜条件(フィ
ルム厚み、速度、フィルム張力)や塗液変更に迅速に適
応し、均一で適切な塗布量で筋故障のない塗布面を得る
ことができる。
【図1】ダイの断面
【図2】全スリットから塗液押し出し状態でのダイ先端
部の拡大
部の拡大
【図3】中間スリットと下流スリットから塗液押し出し
状態でのダイ先端部の拡大
状態でのダイ先端部の拡大
【図4】下流スリットからのみ塗液押し出し状態でのダ
イ先端部の拡大
イ先端部の拡大
1 走行フィルム 2 塗液膜 3 上流スリット 4 中間スリット 5 下流スリット 6 上流マニホールド 7 中間マニホールド 8 下流マニホールド 9 上流リップ 10 上流側中間リップ 11 下流側中間リップ 12 下流リップ 13 液離れエッジ 14 上流リップ9のリップ面 15 上流側中間リップ10のリップ面 16 下流側中間リップ11のリップ面 17 下流リップのリップ面 d 走行フィルムの進行方向 L リップ面の有効長
Claims (5)
- 【請求項1】 ダイのスリットから塗液を押し出して、
走行フィルムの少なくとも一方の表面に塗液を連続的に
塗布する連続走行フィルム用の塗布方法において、塗布
装置の構成を変更することなく、フィルム走行速度に応
じてダイのリップ面の有効長を変化させることを特徴と
する連続走行フィルム用塗布方法。 - 【請求項2】 ダイにはスリットをフィルム走行方向に
複数設け、フィルム走行速度に応じて塗液を押し出させ
るスリットの数を変化させることで、ダイのリップ面の
有効長を変化させることを特徴とする請求項1記載の連
続走行フィルム用塗布方法。 - 【請求項3】 ダイのリップ面の有効長L(mm)を、
フィルム走行速度V(m/分)に対して、V(m/分)
<40の時は5≦L(mm)≦30、40≦V(m/
分)<100の時は3≦L(mm)≦20、100≦V
(m/分)<200の時は1≦L(mm)≦15、V
(m/分)≧200の時は0.5≦L(mm)≦10と
することを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の
塗布方法。 - 【請求項4】 塗布は、フィルムを製膜する製造ライン
中の走行フィルムに対して行なわれることを特徴とする
請求項1〜3のいずれかに記載の連続走行フィルム用塗
布方法。 - 【請求項5】 ダイのスリットから塗液を押し出して、
走行フィルムの少なくとも一方の表面に塗液を連続的に
塗布する連続走行フィルム用塗布装置において、ダイに
はフィルム走行方向にスリットを複数設け、各スリット
には独立したマニホールドを連結させ、さらに各マニホ
ールドには塗液供給源を連結させるとともに、フィルム
速度に応じて各マニホールドに塗液を供給することの有
無を独立して制御する塗液制御手段を、塗液供給源と各
マニホールドとの間には設けることを特徴とする連続走
行フィルム用塗布装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14200897A JPH10328601A (ja) | 1997-05-30 | 1997-05-30 | 連続走行フィルム用塗布方法およびその塗布装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14200897A JPH10328601A (ja) | 1997-05-30 | 1997-05-30 | 連続走行フィルム用塗布方法およびその塗布装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10328601A true JPH10328601A (ja) | 1998-12-15 |
Family
ID=15305240
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14200897A Pending JPH10328601A (ja) | 1997-05-30 | 1997-05-30 | 連続走行フィルム用塗布方法およびその塗布装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10328601A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008264765A (ja) * | 2007-03-28 | 2008-11-06 | Hitachi Chem Co Ltd | 塗工用ダイ、非接触ダイ塗工装置及び塗工方法 |
JP2020131083A (ja) * | 2019-02-15 | 2020-08-31 | 株式会社ヒラノテクシード | 塗工装置 |
-
1997
- 1997-05-30 JP JP14200897A patent/JPH10328601A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008264765A (ja) * | 2007-03-28 | 2008-11-06 | Hitachi Chem Co Ltd | 塗工用ダイ、非接触ダイ塗工装置及び塗工方法 |
JP2020131083A (ja) * | 2019-02-15 | 2020-08-31 | 株式会社ヒラノテクシード | 塗工装置 |
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