JPH11165110A - 走行フィルムへの塗布方法および装置 - Google Patents
走行フィルムへの塗布方法および装置Info
- Publication number
- JPH11165110A JPH11165110A JP33698497A JP33698497A JPH11165110A JP H11165110 A JPH11165110 A JP H11165110A JP 33698497 A JP33698497 A JP 33698497A JP 33698497 A JP33698497 A JP 33698497A JP H11165110 A JPH11165110 A JP H11165110A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- die
- coating
- pressure
- running
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Coating Apparatus (AREA)
- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 走行フィルムに塗液膜を連続的に形成する際
に、高速域でもロールコーターのような筋欠陥がなく、
フィルム幅方向に厚み分布や張力分布があっても均一な
塗膜を形成することを目的とする。 【解決手段】 走行フィルムの少なくとも一方の表面上
に塗液を連続的に塗布するダイ、ダイに塗液を連続的に
調節供給する塗液供給手段、走行フィルム側へのダイ押
し付け圧を調整する付加圧力調整手段、ダイのフィルム
への押しつけ圧力を測定するダイ付加圧測定手段とを備
える。付加圧力調整手段はダイ幅方向の少なくとも2箇
所に設ける。ダイ付加圧測定手段はダイ幅方向の少なく
とも2箇所に設ける。ダイのフィルムへの押しつけ圧力
のばらつきをダイ付加圧測定手段によって測定し、圧力
のばらつきがダイで塗布している幅全域にわたって±3
0%以内になるよう、付加圧力調整手段によって調整を
しつつ走行フィルムに塗液膜を形成する。
に、高速域でもロールコーターのような筋欠陥がなく、
フィルム幅方向に厚み分布や張力分布があっても均一な
塗膜を形成することを目的とする。 【解決手段】 走行フィルムの少なくとも一方の表面上
に塗液を連続的に塗布するダイ、ダイに塗液を連続的に
調節供給する塗液供給手段、走行フィルム側へのダイ押
し付け圧を調整する付加圧力調整手段、ダイのフィルム
への押しつけ圧力を測定するダイ付加圧測定手段とを備
える。付加圧力調整手段はダイ幅方向の少なくとも2箇
所に設ける。ダイ付加圧測定手段はダイ幅方向の少なく
とも2箇所に設ける。ダイのフィルムへの押しつけ圧力
のばらつきをダイ付加圧測定手段によって測定し、圧力
のばらつきがダイで塗布している幅全域にわたって±3
0%以内になるよう、付加圧力調整手段によって調整を
しつつ走行フィルムに塗液膜を形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行フィルムの少
なくとも一方の表面にダイ塗布法によって塗液膜を連続
的に形成する方法及びその装置に関する。さらに詳しく
は走行フィルムへの高速オフラインコートまたはフィル
ム製造工程での高速インラインコートに適用でき、均一
かつ良好な外観を有する塗液膜(コート層)を形成する
塗布方法及びその装置に関する。
なくとも一方の表面にダイ塗布法によって塗液膜を連続
的に形成する方法及びその装置に関する。さらに詳しく
は走行フィルムへの高速オフラインコートまたはフィル
ム製造工程での高速インラインコートに適用でき、均一
かつ良好な外観を有する塗液膜(コート層)を形成する
塗布方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスティックフィルム等のフィルム
(シート状基材含む)に、易接着性、易滑性、ガス遮断
性、防湿性、制電性、インク受容性等の機能を付与する
目的でコーティング加工することが一般的に行われてい
る。これに用いるコーターとして、例えばグラビアコー
ター、キスロールコーター、リバースロールコーター、
スライドコーター、カーテンコーター、ナイフコータ
ー、エクストルージョンダイコーター等が知られてい
る。
(シート状基材含む)に、易接着性、易滑性、ガス遮断
性、防湿性、制電性、インク受容性等の機能を付与する
目的でコーティング加工することが一般的に行われてい
る。これに用いるコーターとして、例えばグラビアコー
ター、キスロールコーター、リバースロールコーター、
スライドコーター、カーテンコーター、ナイフコータ
ー、エクストルージョンダイコーター等が知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ロールコーターではロ
ール間の間隔やグラビアロールメッシュのサイズ等で塗
液を計量する。計量後の塗液膜をロールによってトラン
スファーする構成が良く用いられる。しかし、このよう
な通常のロールコーターでは、塗液が空気に暴露され、
乾燥による性状変化を生じやすい。またロールからロー
ル、ロールからフィルムへの塗液膜の転写時に液溜まり
部の乱れによって筋模様が発生しやすい。このため塗布
条件に規制が多く特に高速塗布ではこの筋模様が避けら
れない課題があった。
ール間の間隔やグラビアロールメッシュのサイズ等で塗
液を計量する。計量後の塗液膜をロールによってトラン
スファーする構成が良く用いられる。しかし、このよう
な通常のロールコーターでは、塗液が空気に暴露され、
乾燥による性状変化を生じやすい。またロールからロー
ル、ロールからフィルムへの塗液膜の転写時に液溜まり
部の乱れによって筋模様が発生しやすい。このため塗布
条件に規制が多く特に高速塗布ではこの筋模様が避けら
れない課題があった。
【0004】このようなロールコーターの欠点を補うべ
くダイコーターが考案された。しかし基材とダイのリッ
プエッジの間隔で計量するため、塗布量を幅方向に均一
化する調整が困難である。これを回避するためリップエ
ッジを弾性体で構成する方法が考案された(特開平5−
138104号公報記載)が、弾性体ではリップエッジ
を高い精度で仕上げることができず、筋の原因となるこ
とが考えられる。また特公平6−9670号公報に示さ
れた、ダイ前後のガイドロールを変位させることで幅方
向に均一な塗液膜を作るダイコーターが考案された。し
かしその調整はフィルムの特性に合わせて行わねばなら
ず、幅方向に厚みむらや弛みのあるフィルムでは容易で
はない。また良好な塗布面を得るためには、フィルムの
張力を塗布条件に合わせて厳密に調整する必要がある。
フィルム製膜ライン中に適用することを考えた場合、フ
ィルム張力をコーティングに合わせる事は、設備コスト
が過大になったり、設置スペースが無いことで、実現が
困難である。
くダイコーターが考案された。しかし基材とダイのリッ
プエッジの間隔で計量するため、塗布量を幅方向に均一
化する調整が困難である。これを回避するためリップエ
ッジを弾性体で構成する方法が考案された(特開平5−
138104号公報記載)が、弾性体ではリップエッジ
を高い精度で仕上げることができず、筋の原因となるこ
とが考えられる。また特公平6−9670号公報に示さ
れた、ダイ前後のガイドロールを変位させることで幅方
向に均一な塗液膜を作るダイコーターが考案された。し
かしその調整はフィルムの特性に合わせて行わねばなら
ず、幅方向に厚みむらや弛みのあるフィルムでは容易で
はない。また良好な塗布面を得るためには、フィルムの
張力を塗布条件に合わせて厳密に調整する必要がある。
フィルム製膜ライン中に適用することを考えた場合、フ
ィルム張力をコーティングに合わせる事は、設備コスト
が過大になったり、設置スペースが無いことで、実現が
困難である。
【0005】本発明は、これらの課題解決して、高速域
でもロールコーターのような筋欠陥がなく、フィルム幅
方向に厚み分布や張力分布があっても均一な塗膜を形成
でき、フィルム製膜工程内でも適用できる塗布方法とそ
の装置を得ることを目的とする。
でもロールコーターのような筋欠陥がなく、フィルム幅
方向に厚み分布や張力分布があっても均一な塗膜を形成
でき、フィルム製膜工程内でも適用できる塗布方法とそ
の装置を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の走行フィルムへ
の塗布方法は、走行フィルムの少なくとも一方の表面に
ダイ塗布法によって塗液膜を連続的に形成する際に、ダ
イと走行フィルムとの間の塗液膜に生じる液圧によって
きまるダイと走行フィルムの間隙で塗布量を調節する塗
布方法において、単位幅当たりのダイと走行フィルムの
間にある塗液膜に生じる液圧を単位幅液圧とし、フィル
ム幅方向の塗布幅全域にわたっての単位幅液圧のばらつ
きを、単位幅液圧のフィルム幅方向における平均値に対
して、±30%以内に調整して塗液を塗布することを特
徴とする。
の塗布方法は、走行フィルムの少なくとも一方の表面に
ダイ塗布法によって塗液膜を連続的に形成する際に、ダ
イと走行フィルムとの間の塗液膜に生じる液圧によって
きまるダイと走行フィルムの間隙で塗布量を調節する塗
布方法において、単位幅当たりのダイと走行フィルムの
間にある塗液膜に生じる液圧を単位幅液圧とし、フィル
ム幅方向の塗布幅全域にわたっての単位幅液圧のばらつ
きを、単位幅液圧のフィルム幅方向における平均値に対
して、±30%以内に調整して塗液を塗布することを特
徴とする。
【0007】そしてダイをフィルムに押し付けることに
よって発生するフィルム反力をダイの両端部で測定し、
ダイの両端部での各圧力を塗布幅の1/2の長さで除し
た値を、単位幅液圧とすることが、生産性の点からは好
ましい。またダイを押し付ける位置のフィルムを、ダイ
の反対側からロール等の支持物によって支持しないこと
が好ましい。
よって発生するフィルム反力をダイの両端部で測定し、
ダイの両端部での各圧力を塗布幅の1/2の長さで除し
た値を、単位幅液圧とすることが、生産性の点からは好
ましい。またダイを押し付ける位置のフィルムを、ダイ
の反対側からロール等の支持物によって支持しないこと
が好ましい。
【0008】また本発明の走行フィルムへの塗布装置
は、走行フィルムの少なくとも一方の表面上に塗液を連
続的に塗布するダイ、ダイに塗液を連続的に調節供給す
る塗液供給手段、走行フィルム側へのダイ押し付け圧を
調整する付加圧力調整手段、ダイのフィルムへの押しつ
け圧力を測定するダイ付加圧測定手段とを備え、付加圧
力調整手段はダイ幅方向の少なくとも2箇所に設け、ダ
イ付加圧測定手段はダイ幅方向の少なくとも2箇所に設
け、ダイのフィルムへの押しつけ圧力のばらつきをダイ
付加圧測定手段によって測定し、圧力のばらつきがダイ
で塗布している幅全域にわたって±30%以内になるよ
う、付加圧力調整手段によって調整をしつつ走行フィル
ムに塗液膜を形成することを特徴とする。
は、走行フィルムの少なくとも一方の表面上に塗液を連
続的に塗布するダイ、ダイに塗液を連続的に調節供給す
る塗液供給手段、走行フィルム側へのダイ押し付け圧を
調整する付加圧力調整手段、ダイのフィルムへの押しつ
け圧力を測定するダイ付加圧測定手段とを備え、付加圧
力調整手段はダイ幅方向の少なくとも2箇所に設け、ダ
イ付加圧測定手段はダイ幅方向の少なくとも2箇所に設
け、ダイのフィルムへの押しつけ圧力のばらつきをダイ
付加圧測定手段によって測定し、圧力のばらつきがダイ
で塗布している幅全域にわたって±30%以内になるよ
う、付加圧力調整手段によって調整をしつつ走行フィル
ムに塗液膜を形成することを特徴とする。
【0009】その際に、ダイを押し付ける位置のフィル
ムはロール間に装架され、ダイの反対側からは支持物に
よって支持されていないことが好ましい。
ムはロール間に装架され、ダイの反対側からは支持物に
よって支持されていないことが好ましい。
【0010】連続的に走行するフィルムとしては、プラ
スティックフィルムが好ましい。このプラスティックフ
ィルムとしては、ポリオレフィンフィルム(たとえばポ
リエチレン(PE)フィルム、ポリプロピレン(PP)
フィルム等)、ポリエステルフィルム(たとえばポリエ
チレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレ
ン−2,6−ナフタレートフィルム等)、ポリアミドフ
ィルム(たとえばナイロン6フィルム、ナイロン66フ
ィルム等)、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポ
リカーボネートフィルム等が例示できる。この中でもポ
リエステルフィルム、特にポリエチレンテレフタレート
フィルム、ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィル
ムが好ましい。
スティックフィルムが好ましい。このプラスティックフ
ィルムとしては、ポリオレフィンフィルム(たとえばポ
リエチレン(PE)フィルム、ポリプロピレン(PP)
フィルム等)、ポリエステルフィルム(たとえばポリエ
チレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレ
ン−2,6−ナフタレートフィルム等)、ポリアミドフ
ィルム(たとえばナイロン6フィルム、ナイロン66フ
ィルム等)、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポ
リカーボネートフィルム等が例示できる。この中でもポ
リエステルフィルム、特にポリエチレンテレフタレート
フィルム、ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィル
ムが好ましい。
【0011】こうしたフィルムの厚みは通常5〜800
μm、好ましくは10〜200μmである。またフィル
ムの走行速度は5〜1000m/minが好ましく、1
0〜350m/minが最適である。
μm、好ましくは10〜200μmである。またフィル
ムの走行速度は5〜1000m/minが好ましく、1
0〜350m/minが最適である。
【0012】塗液膜は、フィルム表面に機能特性例え
ば、接着性(含、易接着性、ヒートシール性)、易滑性
(走行性)、帯電防止性、導電性、耐摩耗性、耐削れ
性、耐候性、離型性、耐薬品性(含、耐水性、耐溶剤
性)、易印刷性、流滴性、防汚性、筆記性、遮光性、防
水性、ガスバリアー性等を付与する表面加工用の塗液の
膜であれば良い。これらの塗液は従来から知られ、ある
いは用いられているものを用いることができる。塗液の
粘度としては1〜200センチポイズ(cP)、更に
1.1〜20cPが好ましい。
ば、接着性(含、易接着性、ヒートシール性)、易滑性
(走行性)、帯電防止性、導電性、耐摩耗性、耐削れ
性、耐候性、離型性、耐薬品性(含、耐水性、耐溶剤
性)、易印刷性、流滴性、防汚性、筆記性、遮光性、防
水性、ガスバリアー性等を付与する表面加工用の塗液の
膜であれば良い。これらの塗液は従来から知られ、ある
いは用いられているものを用いることができる。塗液の
粘度としては1〜200センチポイズ(cP)、更に
1.1〜20cPが好ましい。
【0013】塗液供給手段としては、定量性のあるポン
プが使用できる。例えばモーノポンプ、ギアポンプ、プ
ランジャーポンプ、ベーンポンプ等がある。また圧力タ
ンクを使用し、静圧をかけて塗液を押し出す方式も使用
可能である。
プが使用できる。例えばモーノポンプ、ギアポンプ、プ
ランジャーポンプ、ベーンポンプ等がある。また圧力タ
ンクを使用し、静圧をかけて塗液を押し出す方式も使用
可能である。
【0014】図2はダイコーターの塗布状態を説明する
図である。1は走行フィルム、2は塗液膜、3はダイ、
f1は単位幅当たりのダイのフィルムへの押しつけ力、
f2は単位幅当たりのフィルム反力、Pは液圧、Lはリ
ップ面の有効長、h1は最上流側のリップエッジとフィ
ルムとの距離、h2は最下流側のリップエッジとフィル
ムとの距離、Tはフィルム張力である。
図である。1は走行フィルム、2は塗液膜、3はダイ、
f1は単位幅当たりのダイのフィルムへの押しつけ力、
f2は単位幅当たりのフィルム反力、Pは液圧、Lはリ
ップ面の有効長、h1は最上流側のリップエッジとフィ
ルムとの距離、h2は最下流側のリップエッジとフィル
ムとの距離、Tはフィルム張力である。
【0015】リップ面、フィルム面がともに平面である
場合のリップ面とフィルムの間にできる液膜によって発
生する単位幅当たりの液圧Pは次式によって表される。 P=6μVL2/(h1−h2)2×{log(h1/h
2)−2(h1−h2)/(h1+h2)} ここで、P:液圧、μ:塗液の粘度、V:フィルムの走
行速度、L:リップ面の有効長、h1:最上流側のリッ
プエッジとフィルムとの距離、h2:最下流側のリップ
エッジとフィルムとの距離である。張力Tで走行してい
るフィルムへダイを単位幅当たりf1の力で押し付けた
時の単位幅当たりのフィルム反力f2と液圧Pとのバラ
ンスによってリップとフィルムの間隔が決まり、塗布膜
の厚みが決定される。すなわち、塗布状態ではf1=f
2=Pとなっている。
場合のリップ面とフィルムの間にできる液膜によって発
生する単位幅当たりの液圧Pは次式によって表される。 P=6μVL2/(h1−h2)2×{log(h1/h
2)−2(h1−h2)/(h1+h2)} ここで、P:液圧、μ:塗液の粘度、V:フィルムの走
行速度、L:リップ面の有効長、h1:最上流側のリッ
プエッジとフィルムとの距離、h2:最下流側のリップ
エッジとフィルムとの距離である。張力Tで走行してい
るフィルムへダイを単位幅当たりf1の力で押し付けた
時の単位幅当たりのフィルム反力f2と液圧Pとのバラ
ンスによってリップとフィルムの間隔が決まり、塗布膜
の厚みが決定される。すなわち、塗布状態ではf1=f
2=Pとなっている。
【0016】このように液圧Pと塗布膜厚みは密接な関
係があり、液圧Pを幅方向に一定にすることにより、幅
方向に均一な厚みの塗膜を得ることができる。塗膜の厚
みばらつきを±10%以内に収めれば、例外はあるが、
上記の品質のばらつきもほぼ許容範囲内に収まり、一つ
の目安とすることができる。塗膜の厚みばらつきを±1
0%以内に収めるには、液圧Pを塗布幅全域にわたって
±30%以内に調整した状態で塗布すればよいことを、
前述の液圧Pの式で表される潤滑理論及び実験検討の結
果からつかみ、本発明に至っている。さらには、生産上
の管理としては液圧Pを塗布幅全域にわたって±10%
以内に調整した状態で塗布するのがより好ましい。
係があり、液圧Pを幅方向に一定にすることにより、幅
方向に均一な厚みの塗膜を得ることができる。塗膜の厚
みばらつきを±10%以内に収めれば、例外はあるが、
上記の品質のばらつきもほぼ許容範囲内に収まり、一つ
の目安とすることができる。塗膜の厚みばらつきを±1
0%以内に収めるには、液圧Pを塗布幅全域にわたって
±30%以内に調整した状態で塗布すればよいことを、
前述の液圧Pの式で表される潤滑理論及び実験検討の結
果からつかみ、本発明に至っている。さらには、生産上
の管理としては液圧Pを塗布幅全域にわたって±10%
以内に調整した状態で塗布するのがより好ましい。
【0017】液圧Pを直接測定するのは現実的には困難
だが、押しつけ力f1を測定することで代用することが
できる。ロードセル6はダイの自重と押しつけ力f1を
検出する。ダイの自重を塗布前に測定しておき、塗布中
の値から差し引くことで押し付け力f1を求めることが
できる。
だが、押しつけ力f1を測定することで代用することが
できる。ロードセル6はダイの自重と押しつけ力f1を
検出する。ダイの自重を塗布前に測定しておき、塗布中
の値から差し引くことで押し付け力f1を求めることが
できる。
【0018】なおガイドロール7、8はフィルム搬送に
使われる通常の回転ロールが使用できる。ダイのフィル
ムを挟んでちょうど反対側にガイドロールを設置し、ロ
ールにフィルムを巻掛けた状態で塗布しても良いが、そ
の場合ガイドロールの精度が塗布膜の厚み均一性に直接
影響を与えるので、ガイドロールの精度は非常に高くす
る必要がある。特に薄い塗膜を形成しようとすると、ダ
イとフィルムの間隙を非常に小さく調整せねばならず、
調整が困難であるためあまり好ましくない。これらのガ
イドロールはフリー回転可能な構造でよく、必要があれ
ば駆動しても良く、またシャフトのみ駆動するテンデン
シー方式であっても良い。
使われる通常の回転ロールが使用できる。ダイのフィル
ムを挟んでちょうど反対側にガイドロールを設置し、ロ
ールにフィルムを巻掛けた状態で塗布しても良いが、そ
の場合ガイドロールの精度が塗布膜の厚み均一性に直接
影響を与えるので、ガイドロールの精度は非常に高くす
る必要がある。特に薄い塗膜を形成しようとすると、ダ
イとフィルムの間隙を非常に小さく調整せねばならず、
調整が困難であるためあまり好ましくない。これらのガ
イドロールはフリー回転可能な構造でよく、必要があれ
ば駆動しても良く、またシャフトのみ駆動するテンデン
シー方式であっても良い。
【0019】
【実施例1】図1は本発明の1つの実施形態を表すダイ
コーターの説明図である。1は走行フィルム、2は塗液
膜、3はダイ、4はダイのマニホールド、5はスリッ
ト、6はロードセル、7、8はガイドロールである。
コーターの説明図である。1は走行フィルム、2は塗液
膜、3はダイ、4はダイのマニホールド、5はスリッ
ト、6はロードセル、7、8はガイドロールである。
【0020】図1に示す設備を用いて走行フィルム1へ
の塗液の連続塗布を行った。塗液は粘度2cP、表面張
力40dyne/cmの水系エマルジョン塗液を使用
し、フィルムはフィルム製膜工程内の厚み50μm、幅
50cmの縦に1軸延伸した後のPETフィルムを使用
した。塗布速度は40m/min、張力はウェブ全幅で
500kgに調整し、ダイのスリットからの塗液の吐出
量を64g/minとなるように調整した。ダイをフィ
ルムに対して、ダイへのフィルムの巻掛け角度が1°に
なる位置まで概略平均に押し込んだ。ダイの両端部で測
定した反力から求めた塗布幅全域の平均の単位幅当たり
の液圧Pは、0.175kg/cmとなり、走行フィル
ム下流に向かって左側部分の単位幅当たりの液圧Pが
0.220kg/cm、走行フィルム下流に向かって右
側部分の単位幅当たりの液圧が0.130kg/cmで
あった。この状態でIR吸収式膜厚計で幅方向の塗膜厚
み分布を測定すると、平均4g/m2、膜厚のばらつき
が±8%となり、必要十分に均一で筋のない良好な塗布
面が得られた。
の塗液の連続塗布を行った。塗液は粘度2cP、表面張
力40dyne/cmの水系エマルジョン塗液を使用
し、フィルムはフィルム製膜工程内の厚み50μm、幅
50cmの縦に1軸延伸した後のPETフィルムを使用
した。塗布速度は40m/min、張力はウェブ全幅で
500kgに調整し、ダイのスリットからの塗液の吐出
量を64g/minとなるように調整した。ダイをフィ
ルムに対して、ダイへのフィルムの巻掛け角度が1°に
なる位置まで概略平均に押し込んだ。ダイの両端部で測
定した反力から求めた塗布幅全域の平均の単位幅当たり
の液圧Pは、0.175kg/cmとなり、走行フィル
ム下流に向かって左側部分の単位幅当たりの液圧Pが
0.220kg/cm、走行フィルム下流に向かって右
側部分の単位幅当たりの液圧が0.130kg/cmで
あった。この状態でIR吸収式膜厚計で幅方向の塗膜厚
み分布を測定すると、平均4g/m2、膜厚のばらつき
が±8%となり、必要十分に均一で筋のない良好な塗布
面が得られた。
【0021】
【比較例1】実施例1と同じ設備を使い、走行フィルム
下流に向かって左側部分の単位幅当たりの液圧Pが0.
240kg/cm、走行フィルム下流に向かって右側部
分の単位幅当たりの液圧が0.110kg/cmである
ことを除き、実施例1と同じ条件で製膜、塗布を行っ
た。この状態でIR吸収式膜厚計で幅方向の塗膜厚み分
布を測定すると、平均4g/m2、膜厚のばらつきが±
15%となり、製品化可能な管理レベルを超えた。
下流に向かって左側部分の単位幅当たりの液圧Pが0.
240kg/cm、走行フィルム下流に向かって右側部
分の単位幅当たりの液圧が0.110kg/cmである
ことを除き、実施例1と同じ条件で製膜、塗布を行っ
た。この状態でIR吸収式膜厚計で幅方向の塗膜厚み分
布を測定すると、平均4g/m2、膜厚のばらつきが±
15%となり、製品化可能な管理レベルを超えた。
【0022】
【実施例2】図1に示す設備を用いて走行フィルム1へ
の塗液の連続塗布を行った。塗液は粘度2cP、表面張
力40dyne/cmの水系エマルジョン塗液を使用
し、フィルムはフィルム製膜工程内の厚み30μm、幅
120cmの縦に1軸延伸した後のPETフィルムを使
用した。塗布速度は300m/min、張力はフィルム
全幅で1000kgに調整し、ダイのスリットからの塗
液の吐出量を600g/minとなるように調整した。
ダイをフィルムに対して、ダイへのフィルムの巻掛け角
度が2°になる位置まで概略平均に押し込んだ。ダイの
両端部で測定した反力から求めた塗布幅全域の平均の単
位幅当たりの液圧Pは、0.35kg/cmとなり、走
行フィルム下流に向かって左側部分の単位幅当たりの液
圧Pが0.28kg/cm、走行フィルム下流に向かっ
て右側部分の単位幅当たりの液圧が0.42kg/cm
であった。この状態でIR吸収式膜厚計で幅方向の塗膜
厚み分布を測定すると、平均2g/m2、膜厚のばらつ
きが±7%となり、必要十分に均一で筋のない良好な塗
布面が得られた。
の塗液の連続塗布を行った。塗液は粘度2cP、表面張
力40dyne/cmの水系エマルジョン塗液を使用
し、フィルムはフィルム製膜工程内の厚み30μm、幅
120cmの縦に1軸延伸した後のPETフィルムを使
用した。塗布速度は300m/min、張力はフィルム
全幅で1000kgに調整し、ダイのスリットからの塗
液の吐出量を600g/minとなるように調整した。
ダイをフィルムに対して、ダイへのフィルムの巻掛け角
度が2°になる位置まで概略平均に押し込んだ。ダイの
両端部で測定した反力から求めた塗布幅全域の平均の単
位幅当たりの液圧Pは、0.35kg/cmとなり、走
行フィルム下流に向かって左側部分の単位幅当たりの液
圧Pが0.28kg/cm、走行フィルム下流に向かっ
て右側部分の単位幅当たりの液圧が0.42kg/cm
であった。この状態でIR吸収式膜厚計で幅方向の塗膜
厚み分布を測定すると、平均2g/m2、膜厚のばらつ
きが±7%となり、必要十分に均一で筋のない良好な塗
布面が得られた。
【0023】
【比較例2】実施例2と同じ設備を使い、走行フィルム
下流に向かって左側部分の単位幅当たりの液圧Pが0.
21kg/cm、走行フィルム下流に向かって右側部分
の単位幅当たりの液圧が0.49kg/cmであること
を除き、実施例2と同じ条件で製膜、塗布を行った。こ
の状態でIR吸収式膜厚計で幅方向の塗膜厚み分布を測
定すると、平均2g/m2、膜厚のばらつきが±20%
となり、製品化可能な管理レベルを超えた。
下流に向かって左側部分の単位幅当たりの液圧Pが0.
21kg/cm、走行フィルム下流に向かって右側部分
の単位幅当たりの液圧が0.49kg/cmであること
を除き、実施例2と同じ条件で製膜、塗布を行った。こ
の状態でIR吸収式膜厚計で幅方向の塗膜厚み分布を測
定すると、平均2g/m2、膜厚のばらつきが±20%
となり、製品化可能な管理レベルを超えた。
【0024】
【発明の効果】ダイ塗布法において、ダイと走行フィル
ムの間にある塗液膜に生じた、単位幅当たりの液圧の幅
方向の平均値からのばらつきを、塗布幅全域にわたって
±30%以内に調整した状態で塗布することにより、幅
方向に均一で斑や欠陥のない塗布面を得ることができ
る。そして、基材の張力を製膜に合わせた場合でも、ダ
イコーターで均一な膜を塗布でき、幅方向の塗布量調整
も簡便に行える。
ムの間にある塗液膜に生じた、単位幅当たりの液圧の幅
方向の平均値からのばらつきを、塗布幅全域にわたって
±30%以内に調整した状態で塗布することにより、幅
方向に均一で斑や欠陥のない塗布面を得ることができ
る。そして、基材の張力を製膜に合わせた場合でも、ダ
イコーターで均一な膜を塗布でき、幅方向の塗布量調整
も簡便に行える。
【図1】ダイコーターによる塗布
【図2】塗布状態での力関係
1 走行フィルム 2 塗液膜 3 ダイ 4 ダイのマニホールド 5 スリット 6 ロードセル 7、8 ガイドロール f1 単位幅当たりのダイのフィルムへの押しつけ力 f2 単位幅当たりのフィルム反力 P 単位幅当たりの液圧 L リップ面の有効長 h1 最上流側のリップエッジとフィルムとの距離 h2 最下流側のリップエッジとフィルムとの距離 T フィルム張力
Claims (6)
- 【請求項1】 走行フィルムの少なくとも一方の表面に
ダイ塗布法によって塗液膜を連続的に形成する際に、ダ
イと走行フィルムとの間の塗液膜に生じる液圧によって
きまるダイと走行フィルムの間隙で塗布量を調節する塗
布方法において、単位幅当たりのダイと走行フィルムの
間にある塗液膜に生じる液圧を単位幅液圧とし、フィル
ム幅方向の塗布幅全域にわたっての単位幅液圧のばらつ
きを、単位幅液圧のフィルム幅方向における平均値に対
して、±30%以内に調整して塗液を塗布することを特
徴とする走行フィルムへの塗布方法。 - 【請求項2】 ダイをフィルムに押し付けることによっ
て発生するフィルム反力をダイの両端部で測定し、ダイ
の両端部での各圧力を塗布幅の1/2の長さで除した値
を、単位幅液圧とすることを特徴とする請求項1記載の
走行フィルムへの塗布方法。 - 【請求項3】 ダイを押し付ける位置のフィルムを、ダ
イの反対側から支持物によって支持しないことを特徴と
する請求項1〜2のいずれかに記載の走行フィルムへの
塗布方法。 - 【請求項4】 フィルム製膜ライン中の走行フィルム
に、塗布することを特徴とする請求項1〜3のいずれか
に記載の走行フィルムへの塗布方法。 - 【請求項5】 走行フィルムの少なくとも一方の表面上
に塗液を連続的に塗布するダイ、ダイに塗液を連続的に
調節供給する塗液供給手段、走行フィルム側へのダイ押
し付け圧を調整する付加圧力調整手段、ダイのフィルム
への押しつけ圧力を測定するダイ付加圧測定手段とを備
え、付加圧力調整手段はダイ幅方向の少なくとも2箇所
に設け、ダイ付加圧測定手段はダイ幅方向の少なくとも
2箇所に設け、ダイのフィルムへの押しつけ圧力のばら
つきをダイ付加圧測定手段によって測定し、圧力のばら
つきがダイで塗布している幅全域にわたって±30%以
内になるよう、付加圧力調整手段によって調整をしつつ
走行フィルムに塗液膜を形成することを特徴とする走行
フィルムへの塗布装置。 - 【請求項6】 ダイを押し付ける位置のフィルムはロー
ル間に装架され、ダイの反対側からは支持物によって支
持されていないことを特徴とする請求項5記載の走行フ
ィルムへの塗布装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33698497A JPH11165110A (ja) | 1997-12-08 | 1997-12-08 | 走行フィルムへの塗布方法および装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33698497A JPH11165110A (ja) | 1997-12-08 | 1997-12-08 | 走行フィルムへの塗布方法および装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11165110A true JPH11165110A (ja) | 1999-06-22 |
Family
ID=18304413
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33698497A Pending JPH11165110A (ja) | 1997-12-08 | 1997-12-08 | 走行フィルムへの塗布方法および装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11165110A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009226284A (ja) * | 2008-03-21 | 2009-10-08 | Toppan Printing Co Ltd | 塗布方法及び塗布装置 |
-
1997
- 1997-12-08 JP JP33698497A patent/JPH11165110A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009226284A (ja) * | 2008-03-21 | 2009-10-08 | Toppan Printing Co Ltd | 塗布方法及び塗布装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4442144A (en) | Method for forming a coating on a substrate | |
US4267215A (en) | Process for coating a web using reverse applicator roll | |
US4518637A (en) | Coating solution metering method and apparatus | |
JPS584589B2 (ja) | 塗布方法 | |
JP2601367B2 (ja) | 塗布方法 | |
JP2889128B2 (ja) | 塗布方法及びその装置 | |
JPH07185436A (ja) | 両面塗工装置及びそれに用いる溝付きローラ | |
US4238533A (en) | Coating process and apparatus | |
JP2000185254A (ja) | 多層塗布装置 | |
JPH11165110A (ja) | 走行フィルムへの塗布方法および装置 | |
JPS6145506B2 (ja) | ||
JPH09122572A (ja) | 塗布方法及びその装置 | |
JPH0596219A (ja) | 帯状体の連続塗装方法並びにそのための装置 | |
US5083527A (en) | Coating apparatus and coating rod | |
JPH04190870A (ja) | 塗布方法及び装置 | |
US3473955A (en) | Coating process | |
JPH11138083A (ja) | ダイ塗布方法及び装置 | |
JP2001096212A (ja) | 塗布方法及び装置 | |
JPS6127113B2 (ja) | ||
JPH05177159A (ja) | 上面塗布バーコート法 | |
JPH1066927A (ja) | 塗布方法及びその装置 | |
JPH10328601A (ja) | 連続走行フィルム用塗布方法およびその塗布装置 | |
JP2000153202A (ja) | プラスチックフィルムの製造方法及びその装置 | |
JP2000080186A (ja) | 機能性プラスティックフィルムの製造方法 | |
JP2003230862A (ja) | 塗布方法 |