JPH10328041A - 真空二重構造体の製造方法 - Google Patents

真空二重構造体の製造方法

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JPH10328041A
JPH10328041A JP9141574A JP14157497A JPH10328041A JP H10328041 A JPH10328041 A JP H10328041A JP 9141574 A JP9141574 A JP 9141574A JP 14157497 A JP14157497 A JP 14157497A JP H10328041 A JPH10328041 A JP H10328041A
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真也 安田
Hiroshi Haida
寛 拝田
Masamitsu Sasaki
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所定の真空度で真空二重構造体を製造する際
に効率が良い加熱を行い、その製造に要する時間の短縮
を図る。 【解決手段】 構成部材(内瓶2、外瓶3)により閉じ
られた空間Sを、前記構成部材に形成した排気孔8より
排気した後、前記排気孔を封止する真空二重構造体(魔
法瓶1)の製造方法において、前記空間の両側の構成部
材のうち、いずれか一方の構成部材の真空側の表面に輻
射伝熱を防止する金属被膜(金属箔4)を設け、該金属
被膜を設けた構成部材側から100〜600℃の温度で
加熱しながら前記構成部材により閉じられた空間を排気
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、魔法瓶、真空二重
管、真空断熱パネル等の真空二重構造体の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、真空二重構造体、例えば、金属製
の内瓶と外瓶とからなる魔法瓶の製造方法は、前記外瓶
に排気孔を形成しておき、内瓶と外瓶とを固着して二重
容器を組み立てた状態で、該二重容器の表面を炉内で前
記外瓶側より加熱し、付着した油、水分、気体分子等の
付着物、および、内瓶と外瓶を構成する金属内に吸蔵し
たガスを排出しながら、前記内瓶と外瓶との間の空間を
前記排気孔から真空排気している。また、前記内瓶の外
面には、通常、輻射伝熱を防止するための金属被膜が設
けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記真
空二重構造体の製造方法では、前記加熱温度が低い場合
には、その加熱温度より高温の液体等を前記内瓶内に収
容させると、その熱によって外瓶との間の空間で前記付
着物や吸蔵ガスが発生して真空度が低下する。また、前
記内瓶に巻き付けた金属箔は吸蔵ガスが発生し易いた
め、十分に加熱して吸蔵ガスを除去しておく必要があっ
たが、前記排気時の加熱動作は外瓶側から行われるた
め、内瓶が遅れて加熱されるとともに、前記金属箔はさ
らに遅れて加熱されるため、長い加熱時間を要してい
た。
【0004】さらに、前記魔法瓶は、通常、前記排気動
作の後に、前記内瓶の内面をフッ素コーティングした
り、外瓶の外面を塗装している。そして、これらの焼成
温度が前記排気時の加熱温度より高い場合には、内瓶と
外瓶との間の空間でガスが発生し、内瓶と外瓶との間の
空間の真空度を低下させるという不都合があった。そこ
で、前記排気時の加熱温度は、前記各不都合が生じない
ように少し高めに設定されるが、前記構成部材がステン
レスのように鋭敏化温度を有するものでは、その温度域
で加熱すると金属が変質してしまう。
【0005】そこで、本発明は、所定の真空度で真空二
重構造体を製造する際に、効率の良い加熱を行い製造に
要する時間の短縮を図ることを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の真空二重構造体の製造方法は、構成部材に
より閉じられた空間を、前記構成部材に形成した排気孔
より排気した後、前記排気孔を封止する真空二重構造体
の製造方法において、前記空間の両側の構成部材のう
ち、いずれか一方の構成部材の表面に輻射伝熱を防止す
る金属被膜を設け、該金属被膜を設けた構成部材側から
100〜600℃の温度で加熱しながら前記構成部材に
より閉じられた空間を排気するものである。
【0007】前記金属被膜は金属箔とすることができ
る。あるいは、前記金属被膜はメッキとしてもよい。
【0008】前記真空二重構造体の各製造方法によれ
ば、加熱温度が到達しにくい金属被膜側から加熱するよ
うにしているため、効率的に吸蔵ガス等を除去すること
ができる。また、前記加熱動作を100〜600℃の温
度で行っているため、製造した真空二重構造体に熱がか
かることによりガスが発生して真空度を低下させること
を防止することができる。
【0009】前記真空二重構造体の製造方法では、前記
構成部材は少なくとも一部材が鋭敏化温度を有するもの
であり、前記加熱温度は100℃以上でかつ鋭敏化温度
以下とし、構成部材の形成材料が変質するのを防止する
ことを好ましい。
【0010】また、前記加熱する側の構成部材にゲッタ
ーを取り付け、製造した真空二重構造体の空間で発生し
た少量のガスを前記ゲッターにより吸収して真空度が低
下することを防止できるようにすることが好ましい。
【0011】さらに、前記真空二重構造体は内瓶と外瓶
とからなる真空二重容器であり、前記内瓶側より加熱す
ることができる。この場合、前記内瓶の内面に撥水性樹
脂をコーティングし、前記排気時の熱で前記撥水性樹脂
を焼成させることにより、真空二重容器の製造に要する
時間を大幅に短縮できる。前記撥水性樹脂はフッ素とす
ることができる。
【0012】あるいは、前記真空二重構造体は内瓶と外
瓶とからなる真空二重容器であり、前記外瓶側より加熱
してもよい。この場合、前記外瓶の外面を塗装し、前記
排気時の熱でその塗料の焼成させることにより、前記と
同様に真空二重容器の製造に要する時間を短縮できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に従って詳細に説明する。図1(A),(B)は、本発
明の第1実施形態の製造方法によって製造した真空二重
構造体であるステンレス製の魔法瓶1を示す。該魔法瓶
1は、内瓶2と外瓶3とからなる真空二重容器であり、
これら内瓶2と外瓶3の間には閉じられた空間Sが形成
されている。前記内瓶2と外瓶3は、胴体2a,3aと
底板2b,3bとに分割して形成され、これら各構成部
材2a,3a,2b,3bを溶接等することによって組
み立てられている。
【0014】前記内瓶2には、図1(A)に示すよう
に、胴体2aおよび底板2bの外面に、輻射伝熱を防止
するための金属被膜の1つである銅またはアルミニウム
等からなる金属箔4が巻き付けられている。また、底板
2bにはゲッター5が取付部材6を介して取り付けられ
ている。該取付部材6は、前記ゲッター5の外表面を略
覆うように断面凹状とされた保持部6aと、該保持部6
aの一側より延びた取付部6bとを備え、該取付部6b
を前記底板2bに溶接等することによって固着されてい
る。
【0015】前記外瓶3の底板3bには、略中央部に下
向きに突出する円形凸部7が設けられている。該円形凸
部7は、図1(B)に示すように、円筒部7aと円錐状
に傾斜した底部7bとからなり、該底部7bの下端に排
気孔8が形成されている。排気前の二重容器1’には、
図1(B)に示すように、前記排気孔8の周囲にろう材
9が配設されるとともに、該ろう材9を覆うようにガイ
ド部材10が配設されている。該ガイド部材10は、溶
融したろう材9を前記排気孔8に導くもので、前記円形
凸部7の円筒部7aに嵌合する円筒部10aと、円形凸
部7の底部7bと平行する傾斜底部10bとからなり、
前記円筒部10aを円形凸部7の円筒部7aに無理嵌め
等して取り付けられている。また、ガイド部材10に
は、前記排気孔8と対向する下端に貫通孔10cが設け
られている。
【0016】前記魔法瓶1を製造する前記製造装置15
は、図2に示すように、大略、炉体16、加熱手段1
7、配置パレット18および排気手段19からなり、前
記二重容器1’を正立させた状態で内瓶2と外瓶3との
間を排気して魔法瓶1を製造するものである。
【0017】前記炉体16は、断熱性を有する壁材から
なる底部開口の箱体からなり、その開口部には複数の配
置パレット18が幅方向にかけて、かつ、長手方向に並
列に配置されている。
【0018】前記加熱手段17は温風ヒータからなり、
その出力部にダクト20が取り付けられ、該ダクト20
に複数の噴出ノズル21が分岐接続されている。これら
噴出ノズル21は、前記炉体16内に配置する二重容器
1’と対応するように、炉体16の上壁部16aを貫通
させて炉体16内に下向きに突設されている。本実施形
態では、前記加熱手段17は、100〜600℃の温風
を前記噴出ノズル21より噴射できるように設定してい
る。ここで、前記温度範囲は、100℃を下限としたの
は、製造した魔法瓶1の内瓶2内に熱湯を収容させた場
合に前記空間S内でガスが発生することを防ぐためであ
り、600℃を上限としたのは、構成部材に油等が付着
していた場合、付着した油が熱分解によりガス化して完
全に排出できる温度が実験上600℃より僅かに低い温
度だったことによる。
【0019】前記配置パレット18は中空四角柱形状を
なし、その上面には前記二重容器1’を配置するための
開口からなる複数の配置部23が所定間隔をもって設け
られている。また、配置パレット18の上面の一端近傍
には、後述する排気手段19用の接続口24が設けられ
ている。
【0020】前記排気手段19は、ポンプ26と、前記
配置パレット18に内装するパイプからなる排気通路2
7とを備えている。前記ポンプ26は、前記炉体16の
外部に配設されており、その出力部に接続した配管26
aが前記炉体16を貫通して配置パレット18の接続口
24に配管され、前記排気通路27に接続されている。
前記排気通路27は、各配置部23に向けて突出する分
岐管を備え、該分岐管の先端部に筒体28が設けられて
いる。また、該筒体28の外周縁にはシール部材29が
取り付けられている。
【0021】次に、前記魔法瓶1の第1実施形態の製造
方法について説明する。まず、二重容器1’を組み立て
る前に、予め、前記内瓶2の底板2bの空間S側に位置
する面の所定位置にゲッター5を配設するとともに、該
ゲッター5の外面を保持部6aで覆うように取付部材6
を配置し、該取付部材6の取付部6bを底板2bに溶接
することによって取り付ける。
【0022】ついで、前記内瓶2の底板2bを胴体2a
の底部に配置し、溶接することによって固着した後、該
内瓶2の口部および底部中央を除く外面に金属箔4を巻
き付ける。
【0023】そして、前記内瓶2を外瓶3の胴体3aの
内部に底部より挿入し、互いの口部を溶接して固着した
後、前記胴体3aの底部に底板3bを溶接して固着す
る。
【0024】ついで、前記外瓶3の底板3bの排気孔8
の周囲、あるいは、前記ガイド部材10の貫通孔10c
の周面にろう材9を配置させるとともに、該ろう材9と
排気孔8とを覆うように前記ガイド部材10を無理嵌め
して二重容器1’を組み立てる。なお、前記ろう材9
は、例えば、前記排気孔8のろう材9側の表面にフラッ
クスを付着させておき、該フラックスの表面にメタルろ
う材を溶着させて第1ろう材層を形成し、前記第1ろう
材層より露出する前記フラックスを拭き取って除去した
後、前記第1ろう材層の表面に所定量の固形メタルろう
材からなる第2ろう材層を付着させてなる。
【0025】次に、前記製造装置15の配置パレット1
8の配置部23に、前記組み立てた複数の二重容器1’
を口部が上向きになるように配設し、前記加熱手段17
および排気手段19を動作させる。これにより、加熱手
段17から噴出ノズル21を介して温風が二重容器1’
の内瓶2内に噴き込まれ、該内瓶2を加熱するととも
に、該内瓶2の口部より外部に漏出する熱気と伝熱によ
り外瓶3を加熱する。
【0026】前記加熱動作により、前記二重容器1’を
組み立てる際に表面に付着した油、水分、気体分子等が
ガス化するとともに各構成部材中の吸蔵ガスが排出さ
れ、さらに、前記ゲッター5が活性化される。また、前
記排気動作により、内瓶2と外瓶3との間の空気のみな
らず、空間Sで発生したガス(油、水分、吸蔵ガス等)
が排気孔8より外部に強制的に排気される。
【0027】そして、前記排気手段19によって、二重
容器1’の空間Sが所定の真空度に達すると、誘導加熱
装置やレーザ加熱装置等の図示しない適宜の封止手段に
よって前記ろう材9を溶融させ、前記排気孔8を封止す
る。この封止後に生じるガスは前記ゲッター5によって
吸収される。なお、前記外瓶3の底板3bの中央は、二
重容器1’の全体の中で最も昇温速度が遅いため、所定
の真空度に達したときの底板3bの温度で溶融するろう
材9を前記排気孔8の周囲に配設するようにしてもよ
い。
【0028】このように、本発明の製造方法では、金属
箔4を取り付けた内瓶2の内側から温風を噴出させ、該
内瓶2側より加熱するようにしているため、従来、位置
的に昇温しにくかった金属箔4および内瓶2が充分に加
熱され、付着した油、水分および吸蔵ガスを排気手段1
9を介して確実に効率的に短時間で排気することができ
る。また、前記加熱手段17からは、100〜600℃
の温風を噴射するようにしているため、製造した魔法瓶
1内に熱湯を収容させたときに、各構成部材からガスが
発生して空間Sの真空度が低下することを抑制すること
ができる。なお、構成部材に鋭敏化温度域を有する材料
がある場合には、その鋭敏化温度以下で加熱すれば、形
成材料が変質することはない。具体的には、ステンレス
製の場合には450℃以下の加熱温度とすれば問題はな
い。
【0029】図3は第2実施形態の製造方法によって製
造した魔法瓶1を示す。該魔法瓶1は、前記金属箔4お
よびゲッター5が外瓶3の内面に取り付けられ、また、
前記ゲッター5は、前記第1実施形態に示す取付部材6
を使用せずに、前記金属箔4と外瓶3の内面との間に位
置決めされている点で前記第1実施形態と相違してい
る。なお、ゲッター5は、図1(A)に示す取付部材6
と同様の部材によって配設してもよいことは言うまでも
ない。
【0030】前記魔法瓶1を製造する製造装置15は、
図4に示すように、第1実施形態に示す噴出ノズル21
を設けずに、ダクト20によって炉体16の内部を直接
加熱することによって、前記二重容器1’を外瓶3側よ
り加熱するようにした周知の構成のものを使用する。
【0031】次に、前記魔法瓶1の第2実施形態の製造
方法について説明する。まず、二重容器1’を組み立て
る前に、予め、前記外瓶3の胴体3aの内面にゲッター
5を配置するとともに、該胴体3aの内面に金属箔4を
巻き付け、胴体3aと金属箔4との間にゲッター5を位
置決めして取り付けておく。なお、金属箔4の巻き付け
が充分にできない場合は、金属箔4の端部を図示しない
ろう材あるいはスポット溶接等の任意の取付方法を追加
してもよい。
【0032】ついで、前記内瓶2の胴体2aに底板2b
を溶接して固着するとともに、該内瓶2を前記外瓶3の
胴体3aの内部に挿入して互いの口部を固着する。ま
た、外瓶3の胴体3aに底板3bを固着し、外瓶3の排
気孔8の周囲にろう材9を配設するとともに、ガイド部
材10を取り付けて二重容器1’を組み立てる。
【0033】次に、前記第1実施形態と同様に、製造装
置15の配置パレット18の配置部23に、前記組み立
てた複数の二重容器1’を口部が上向きになるように配
設し、前記加熱手段17および排気手段19を動作させ
る。
【0034】これにより、加熱手段17によって炉体1
6の内部が加熱されることにより、前記二重容器1’が
外瓶3側から加熱され、第1実施形態と同様に、二重容
器1’に付着した油、水分、気体分子等および吸蔵ガス
が除去されるとともに、前記ゲッター5が活性化され、
二重容器1’の空間Sが所定の真空度に達すると、前記
排気孔8を封止する。
【0035】図5(A),(B),(C)は第3実施形
態の製造方法によって製造した魔法瓶1を示す。該魔法
瓶1は第1実施形態と略同一であり、内瓶2の内面に撥
水性樹脂であるフッ素コーティングにより形成した内層
11が設けられるとともに、外瓶3の胴体3aの外面に
塗装により形成した外層12が設けられている点でのみ
相違している。
【0036】次に、前記魔法瓶1の第3実施形態の製造
方法について説明する。まず、前記第1実施形態と同様
に、二重容器1’を組み立てる前に、予め、前記内瓶2
の底板2bにゲッター5を取付部材6を介して取り付け
ておき、該内瓶2の胴体2aに底板2bを固着した後、
該内瓶2の口部および底部中央を除く外面に金属箔4を
巻き付ける。
【0037】そして、前記内瓶2を外瓶3の胴体3aの
内部に挿入して互いの口部を固着するとともに胴体3a
に底板3bを固着した後、外瓶3の排気孔8の周囲にろ
う材9を付着させるとともに、該ろう材9と排気孔8と
を覆うように前記ガイド部材10を無理嵌めして二重容
器1’を組み立てる。
【0038】その後、前記内瓶2の内面に内層11とな
るフッ素樹脂を塗布するとともに、外瓶3の外面に外層
12となる所定の塗料を塗布する。
【0039】次に、前記第1実施形態と同様に、図2に
示す前記製造装置15の配置パレット18の配置部23
に、前記組み立てた複数の二重容器1’を口部が上向き
になるように配設し、前記加熱手段17および排気手段
19を動作させる。本実施形態では、前記加熱手段17
は、前記フッ素樹脂を焼成するために約380℃の温風
を噴出する。
【0040】これにより、第1実施形態と同様に、加熱
手段17から噴出ノズル21を介して内瓶2を加熱する
とともに、該内瓶2の口部より外部に漏出する熱気と伝
熱により外瓶3を加熱し、前記二重容器1’に付着した
油、水分、気体分子等および吸蔵ガスを除去するととも
に、前記ゲッター5を活性化させる。また、前記内瓶2
の内面に塗布したフッ素樹脂、および、外瓶3の外面に
塗布した塗料が焼成される。そして、前記排気手段19
によって二重容器1’の空間Sが所定の真空度に達する
と、前記排気孔8を封止する。
【0041】このように、前記第3実施形態の製造方法
では、従来では二回の加熱動作に分けていた排気時の加
熱動作と、焼成時の加熱動作を一回で実施するようにし
ているため、大幅に作業時間を短縮することができる。
また、従来、焼成時の加熱温度が排気時の加熱温度より
高い場合にガスが発生し、空間Sの真空度を低下させる
という不都合を確実に防止することができる。なお、本
実施形態の製造方法は、内瓶2の内面にのみ、あるい
は、外瓶3の塗装とは別にフッ素コーティングを施す場
合にも好適に適用できる。なお、内瓶2の内層11は、
前記フッ素コーティングに限られず、シリコン系塗料
等、撥水性があり、所定の温度域(100〜600℃)
で焼成できるものであればよい。
【0042】図6(A),(B)は第4実施形態の製造
方法によって製造した魔法瓶1を示す。該魔法瓶1は第
2実施形態と略同一であり、第3実施形態と同様に内瓶
2の内面にフッ素コーティングにより形成した内層11
が設けられるとともに、外瓶3の胴体3aの外面に塗装
により形成した外層12が設けられている点でのみ相違
している。
【0043】次に、前記魔法瓶1の第4実施形態の製造
方法について説明する。まず、第2実施形態と同様に、
二重容器1’を組み立てる前に、予め、前記外瓶3の胴
体3aの内面にゲッター5を配置するとともに、該胴体
3aの内面に金属箔4を巻き付け、胴体3aと金属箔4
との間にゲッター5を位置決めして取り付けておく。
【0044】ついで、前記内瓶2の胴体2aに底板2b
を固着するとともに、該内瓶2を前記外瓶3の胴体3a
の内部に挿入して互いの口部を固着した後、胴体3aに
底板3bを固着し、外瓶3の排気孔8の周囲にろう材9
を配設するとともに、ガイド部材10を取り付けて二重
容器1’を組み立てる。
【0045】その後、前記第3実施形態と同様に、前記
内瓶2の内面にフッ素樹脂を塗布するとともに、外瓶3
の外面に所定の塗料を塗布する。
【0046】次に、前記第2実施形態と同様に、図4に
示す製造装置15の配置パレット18の配置部23に、
前記組み立てた複数の二重容器1’を口部が上向きにな
るように配設し、前記加熱手段17および排気手段19
を動作させる。本実施形態では、前記加熱手段17は、
内瓶2内が流れ込んだ熱気および伝わった熱により約3
80℃の温度で加熱されるように、炉体16内を所定温
度に加熱する。
【0047】これにより、二重容器1’に付着した油、
水分、気体分子等および吸蔵ガスの除去、前記ゲッター
5の活性化、および、フッ素樹脂や塗料の焼成を行いな
がら、前記二重容器1’の空間Sを排気し、該空間Sが
所定の真空度に達すると前記排気孔8を封止する。
【0048】なお、前記第4実施形態の製造方法は、内
瓶2の内面にフッ素コーティングをする必要がない場
合、あるいは、別途に行う場合にも好適に適用すること
ができる。
【0049】図7(A),(B)は第5実施形態の製造
方法によって製造した魔法瓶1を示す。該魔法瓶1は、
金属被膜として前記金属箔4の代わりに金属メッキ層1
3を形成した点で前記各実施形態と相違している。前記
金属メッキ層13のメッキ材料としては、銅、ニッケ
ル、銀等の任意のものでよい。なお、図示では、第1実
施形態と同様に、内瓶2の外面に前記金属メッキ層13
を形成した構成としている。また、第2から第4のいず
れの実施形態にも適用できるが、第2および第4実施形
態においては、ゲッター5は取付部材6によって取り付
けられる。
【0050】なお、本発明の真空二重構造体の製造方法
は前記に限定されるものではない。例えば、金属被膜
は、前記金属箔4あるいは金属メッキ層13に限られ
ず、真空蒸着、スパッタリング等の任意の方法で形成し
てもよい。
【0051】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の真空二重構造体の製造方法では、排気時に温度の上が
りにくい金属被膜を設けた構成部材側より加熱し、構成
部材により閉じられた空間で発生するガスを除去するよ
うにしているため、製品不良の発生を抑制することがで
きる。また、効率的に加熱してガスを除去することがで
きるため、製造に要する作業時間の短縮を図ることがで
き、生産性の向上を図ることができる。さらに、構成部
材に撥水性樹脂のコーティングや塗装の必要がある場合
に、前記排気時の熱により焼成させることにより、製造
に要する作業時間を大幅に短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は本発明の第1実施形態の真空二重構造
体の製造方法によって製造した魔法瓶を示す部分断面
図、(B)は(A)の要部拡大断面図である。
【図2】 第1実施形態の製造方法を適用した製造装置
を示す概略断面図である。
【図3】 第2実施形態の真空二重構造体の製造方法に
よって製造した魔法瓶を示す部分断面図である。
【図4】 第2実施形態の製造方法を適用した製造装置
を示す概略断面図である。
【図5】 (A)は第3実施形態の真空二重構造体の製造
方法によって製造した魔法瓶を示す部分断面図、(B),
(C)は(A)の要部拡大断面図である。
【図6】 (A)は第4実施形態の真空二重構造体の製造
方法によって製造した魔法瓶を示す部分断面図、(B)は
(A)の要部拡大断面図である。
【図7】 (A)は第5実施形態の真空二重構造体の製造
方法によって製造した魔法瓶を示す部分断面図、(B)は
(A)の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1…魔法瓶(真空二重構造体)、2…内瓶(構成部材)、3
…外瓶(構成部材)、4…金属箔、5…ゲッター、8…排
気孔、9…ろう材、15…製造装置、16…炉体、17
…加熱手段、18…配置パレット、19…排気手段、S
…空間S。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 政実 大阪府大阪市北区天満1丁目20番5号 象 印マホービン株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構成部材により閉じられた空間を、前記
    構成部材に形成した排気孔より排気した後、前記排気孔
    を封止する真空二重構造体の製造方法において、前記空
    間の両側の構成部材のうち、いずれか一方の構成部材の
    表面に輻射伝熱を防止する金属被膜を設け、該金属被膜
    を設けた構成部材側から100〜600℃の温度で加熱
    しながら前記構成部材により閉じられた空間を排気する
    ことを特徴とする真空二重構造体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記金属被膜は金属箔であることを特徴
    とする請求項1に記載の真空二重構造体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記金属被膜はメッキであることを特徴
    とする請求項1に記載の真空二重構造体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記構成部材は少なくとも一部材が鋭敏
    化温度を有するものであり、前記加熱温度は100℃以
    上でかつ鋭敏化温度以下としたことを特徴とする請求項
    1乃至請求項3のいずれか1項に記載の真空二重構造体
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記加熱する側の構成部材にゲッターを
    取り付けることを特徴とする請求項1乃至請求項4のい
    ずれか1項に記載の真空二重構造体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記真空二重構造体は内瓶と外瓶とから
    なる真空二重容器であり、前記内瓶側より加熱すること
    を特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記
    載の真空二重構造体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記内瓶の内面に撥水性樹脂をコーティ
    ングし、前記排気時の熱で前記撥水性樹脂を焼成するこ
    とを特徴とする請求項6に記載の真空二重構造体の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 前記撥水性樹脂はフッ素である請求項7
    に記載の真空二重構造体の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記真空二重構造体は内瓶と外瓶とから
    なる真空二重容器であり、前記外瓶側より加熱すること
    を特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記
    載の真空二重構造体の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記外瓶の外面を塗装し、前記排気時
    の熱でその塗料の焼成することを特徴とする請求項9に
    記載の真空二重構造体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN100340513C (zh) * 2005-06-23 2007-10-03 郑顺清 真空玻璃板
JP2016176661A (ja) * 2015-03-20 2016-10-06 株式会社タイエイジャパン 焼成炉及びコーティング方法

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