JPH1032728A - ダイナミックフォーカス補正回路 - Google Patents

ダイナミックフォーカス補正回路

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JPH1032728A
JPH1032728A JP18788596A JP18788596A JPH1032728A JP H1032728 A JPH1032728 A JP H1032728A JP 18788596 A JP18788596 A JP 18788596A JP 18788596 A JP18788596 A JP 18788596A JP H1032728 A JPH1032728 A JP H1032728A
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智浩 左方
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 横長アスペクト比16:9のダイナミックフ
ォーカスCRTにおいて、フォーカス性能を向上させる
ために必要なダイナミックフォーカス補正電圧波形を得
ること。 【解決手段】 水平偏向に同期したパラボリック電圧波
形をコンデンサ45を介して入力する。 パルストラン
ス41には巻数比の異なる2つのタップA,Bがあり、
ダイオードに接続されている。ダイオード46、47の
出力は、抵抗43を介して電源に接続されている。 こ
の構成にすることで、GNDレベルより高い領域でAの
電圧が出力され、GNDレベルより低い領域でBの電圧
が出力される。よって、横長アスペクト比16:9のダ
イナミックフォーカスCRTに必要なダイナミックフォ
ーカス補正電圧波形を簡単な回路構成で得ることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラーテレビジョ
ン受像機の陰極線管のフォーカス電圧を補正するダイナ
ミックフォーカス補正回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】陰極線管(CRT)のアスペクト比が従
来の4:3から16:9に変化するに伴い、特に画像の
左右両端部でより良いダイナミックフォーカスを得るこ
とが求められている。このような、アスペクト比が1
6:9のCRTに対応するダイナミックフォーカス回路
として、例えば特開平4−135378号公報には、フ
ライバック方式で特別に発生させたパルス幅の広いフラ
イバックパルスと、パラボリック電圧波形とを重畳する
ことにより、必要なダイナミックフォーカス補正電圧波
形を得る構成が示されている。以下図面を参照しなが
ら、上述した従来のダイナミックフォーカス補正回路に
ついて説明する。
【0003】図6、図7はそれぞれ、従来のダイナミッ
クフォーカス補正回路の構成及び、動作電圧波形を示す
図である。図6において、陰極線管1はダイナミックフ
ォーカスCRTであって、この陰極線管は2つのダイナ
ミックフォーカス電極2および2’を有する。その一方
の電極2には、高電圧発生回路10内のフォーカスボリ
ューム12から直流電圧を、他方の電極2’には、フォ
ーカスボリューム13から、直流電圧とダイナミックフ
ォーカス補正電圧とを重畳した電圧を印加する。このダ
イナミックフォーカス補正電圧はコンデンサ14を介し
て加えられる。
【0004】図7の電圧波形(ニ)は図6のパルストラ
ンス21の二次巻線24に発生するフライバックパルス
電圧波形である。そのパルス幅t1は共振用コンデンサ
27の容量と偏向コイル23のインダクタンスの値で決
まる。(ホ)はLC積分回路22のコンデンサの両端に
発生するパラボリック電圧波形、(ヘ)はパルス発生回
路30のパルストランス34の一次巻線に発生したフラ
イバックパルスをパルストランス34の二次巻線35に
出力したフライバックパルスの電圧波形である。パルス
幅t2は、共振用コンデンサ33の容量とパルストラン
ス34の一次巻線のインダクタンスの値で決まる。ここ
では上述のパルス幅t1より広く設定する。(ト)はパ
ルストランス34の二次巻線35に発生するフライバッ
クパルス(へ)を上述したLC積分回路22に発生する
パラボリック電圧(ホ)に重畳し、さらにフォーカスボ
リューム13の中点で直流電圧に重畳して得られたダイ
ナミックフォーカス補正電圧波形である。このように、
水平偏向回路20で発生するフライバックパルス(ニ)
より幅の広いフライバックパルスを発生するパルス発生
回路30を設け、パルス発生回路30で発生したこのフ
ライバックパルス(ヘ)をLC積分回路22で得られる
パラボリック電圧(ホ)に重畳している。こうすること
により、横長アスペクト比16:9のダイナミックフォ
ーカスCRT1が必要とするダイナミックフォーカス補
正電圧波形(ト)を得ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図6の
構成によって得られるダイナミックフォーカス補正電圧
波形(ト)は、電圧波形の両端部にフライバックパルス
が重畳されたものとなっているため、両端では正弦波の
半波に近い形状となる。そのため図7(ト)のCRT有
効表示期間の両端付近では、ダイナミックフォーカス電
圧は必要とする補正電圧波形と一致しなくなり、画質が
劣化するという問題がある。また、パルス発生回路30
において、水平偏向回路20とは別に改めてフライバッ
クパルスを発生させる構成となっているため、部品点数
が多くなるという問題がある。本発明は、これらの問題
点を解決し、横長CRTのダイナミックフォーカス補正
電圧波形を簡単な回路構成で精度良くできるダイナミッ
クフォーカス補正回路を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、本発明のダイナミックフォーカス補正回路は、同
じ周期で振幅の異なる2つのパラボリック電圧波形を組
み合わせ、ダイナミックフォーカス補正に必要な電圧波
形を得るように構成したものである。これにより簡単な
回路構成で、精度が良い横長CRTのダイナミックフォ
ーカス補正電圧波形が得られる。
【0007】
【発明の実施の形態】請求項1に記載した発明に係るダ
イナミックフォーカス補正回路は、同じ周期で振幅の異
なる2つのパラボリック電圧波形を組み合わせる電圧波
形組合せ手段を具え、ダイナミックフォーカス補正に必
要な電圧波形を発生することを特徴とするものである。
これにより簡単な回路構成で、精度が良い補正電圧波形
が得られるという作用を有する。
【0008】請求項2に記載した発明に係るダイナミッ
クフォーカス補正回路は、請求項1に記載したものにお
いて、前記電圧波形組合せ手段が、水平偏向に同期した
パラボリック電圧波形の電圧を入力とするトランスと、
前記トランスの二次巻線側の2つのタップにそれぞれ一
方の端子が接続された2つのダイオードを有し、その各
々のダイオードの他方の端子が抵抗を介して電源に接続
されていることを特徴とするものである。これにより、
部品点数が少ない構成で、精度が良い補正電圧波形が得
られるという作用を有する。
【0009】請求項3に記載した発明に係るダイナミッ
クフォーカス補正回路は、請求項1に記載したものにお
いて、前記電圧波形組合せ手段が、水平偏向に同期した
パラボリック電圧波形の電圧を入力とする第1のトラン
スと、同じく水平偏向に同期したパラボリック電圧波形
の電圧を入力とする前記第1のトランスと巻線比の異な
る第2のトランスと、この第1と第2のトランスの二次
巻線側にそれぞれ一方の端子が接続された2つのダイオ
ードを有し、その各々のダイオードの他方の端子が、抵
抗を介して電源に接続されていることを特徴とするもの
である。これにより簡単な構成のトランスを用いて、精
度が良い補正電圧波形が得られるという作用を有する。
【0010】請求項4に記載した発明に係るダイナミッ
クフォーカス補正回路は、請求項1に記載したものにお
いて、前記電圧波形組合せ手段が、水平偏向に同期した
パラボリック電圧波形の電圧を入力とするダイオードお
よび演算増幅器を含む回路の利得を、1つのしきい値を
境に利得を変化させて、ダイナミックフォーカス補正に
必要な電圧を得ることを特徴とするものである。これに
よりトランスの代わりに演算増幅器によって精度が良い
補正電圧波形が得られるという作用を有する。以下、本
発明の実施例について、図1ないし図5を用いて説明す
る。
【0011】《実施例1》図1に本発明の第1の実施例
に係るダイナミックフォーカス補正回路を示す。陰極線
管1は2つのフォーカス電極2および2’を有する。そ
の一方の電極2には、フォーカスボリューム12から直
流電圧を、他方の電極2’には、フォーカスボリューム
13から、直流電圧とダイナミックフォーカス補正電圧
とを重畳した電圧を印加する。ダイナミックフォーカス
補正電圧はコンデンサ14を介して加えられる。
【0012】高電圧発生回路10では、スイッチングト
ランジスタ25’、ダンパーダイオード26’、共振コ
ンデンサ27’およびフライバックトランス11の一次
側のコイルでフライバックパルスを発生させる。このフ
ライバックパルスをフライバックトランス11で昇圧、
整流し高電圧を発生させる。発生した高電圧は高電圧端
子15を介して陰極線管1のアノードに印加される。フ
ライバックトランスの中間タップから得られた直流電圧
はフォーカスボリューム12および13の一方の端子に
加えられる。
【0013】水平偏向回路20では、偏向コイル23に
偏向電流を流すとともに、偏向コイル23とS字補正コ
ンデンサ28とでフライバックパルスを積分してパラボ
リック電圧波形を得る。フライバックパルスはスイッチ
ングトランジスタ25、ダンパーダイオード26、共振
コンデンサ27および偏向コイル23によって発生させ
る。これを偏向コイル23とS字補正コンデンサ28と
で積分することによりパラボリック電圧波形を得てい
る。チョークコイル29は水平偏向回路に電流を供給す
るためのものである。積分によって得られたパラボリッ
ク電圧波形を有する電圧は偏向コイル23とS字補正コ
ンデンサ28の接続点からダイナミックフォーカス補正
電圧発生回路40に加えられる。
【0014】通常のテレビ受像機では、高電圧発生回路
10は水平偏向回路20と一体となっている。すなわ
ち、通常のテレビ受像機では高電圧発生回路10のスイ
ッチングトランジスタ25’、ダンパーダイオード2
6’、共振コンデンサ27’は、水平偏向回路20のス
イッチングトランジスタ25、ダンパーダイオード2
6、共振コンデンサ27とそれぞれ共用されている。し
かしハイビジョンなど高級タイプのテレビ受像機ではこ
れらの回路は分離して構成されている。図1に示す第1
の実施例は高級タイプのテレビ受像機に係るものである
ので、高圧発生回路10と水平偏向回路20は分離され
ている。本実施例ではこのように分離された構成で図示
し説明してあるが、通常のテレビ受像機のように両回路
が一体の場合であっても本発明は適用できる。なお図4
および図5に示す第2の実施例および第3の実施例にお
いても同様である。
【0015】電圧波形組合せ手段としてのダイナミック
フォーカス補正電圧発生回路40では、次のような構成
で同じ周期で振幅の異なる2つのパラボリック電圧波形
を組み合わせてダイナミックフォーカス補正電圧を得て
いる。すなわちパルストランス41の二次巻線42の一
端を接地し、巻数比の異なる2つのタップAおよびBに
それぞれダイオード46および47の一方の端子を接続
する。また、これら2つのダイオードの他方の端子は、
抵抗43を介して、DC電源44に接続する。以下、図
1および図2を用いて、その動作を説明する。
【0016】図1のダイナミックフォーカス補正電圧発
生回路40にコンデンサ45(約0.1μF)を介し
て、パラボリック電圧波形を有する電圧(有効画面に相
当する振幅を60Vとする。)を加えるとパルストラン
ス41(巻線比は一次巻線を1とすると、二次巻線のタ
ップAは22、タップBは7.5)によって、この電圧
が、二次巻線側42に昇圧されて出力される。図2に二
次巻線42のタップA、タップBに出力される電圧波形
を示す。図2(A)は二次巻線42のタップAに発生す
るパラボリック電圧波形であり、図2(B)はタップB
に発生するパラボリック電圧波形である。上記巻線比の
パルストランスを用いた場合、CRT有効表示期間で
は、タップAに振幅が1320Vのパラボリック電圧波
形が、タップBに振幅が450Vのパラボリック電圧波
形が得られる。
【0017】二次巻線42のタップAおよびBにおける
パラボリック電圧波形の振幅は、一次巻線側から見た巻
数比がタップAにおけるよりもタップBにおける方が少
ないため、常にタップAにおける電圧波形の振幅がタッ
プBにおけるものより、大きくなる。また、パルストラ
ンス42の二次巻線の一端は、GNDレベルに接地され
ているので、タップA、タップBともパラボリック電圧
波形の平均値は、GNDレベルとなる。二次巻線側に接
続されたダイオード46および47の他方の端子は、抵
抗43(数K〜数MΩ)を介してDC電源44(−45
0V)に接続されている。こうすることによって、補正
に必要な電圧波形を得ることができる。GNDレベルよ
り高い領域で、タップAの電圧が出力され、GNDレベ
ルより低い領域で、タップBの電圧が出力される。すな
わち図2(C)の実線に示すような電圧波形を得ること
ができる。
【0018】上記パルストランスの設計は32型アスペ
クト比16:9CRTに対するものであるが、CRTの
大きさが変わった場合、例えば28型アスペクト比1
6:9CRTに対しても、パルストランスの設計を同じ
周期で振幅の異なる二つのパラボリック電圧波形の交点
が、有効表示域の60%の位置になるようにすれば対応
できる。
【0019】このように本構成においては、パラボリッ
ク電圧波形をコンデンサ45を介して入力し、パルスト
ランス40の二次巻線の巻数比の異なる2つのタップA
およびBにそれぞれダイオード46および47を接続
し、ダイオード46および47の他方の端子を抵抗を介
して電源に接続する構成とすることにより、横長アスペ
クト比16:9のダイナミックフォーカスCRTの必要
とするダイナミックフォーカス補正電圧波形、図2
(C)(実線)を得ている。そして、図6の従来のダイ
ナミックフォーカス補正回路のようにパルス発生回路3
0を用いていないので部品点数が少なくなっている。な
お、以上説明したダイナミックフォーカス補正電圧発生
回路40の入力部に直流阻止用コンデンサ45を用いて
いるが、入力にDC成分が無い場合は、このコンデンサ
を省略することができる。
【0020】図3に本発明に係るダイナミックフォーカ
ス補正回路によって得られる補正電圧波形(実線)と補
正に必要な電圧波形(理想の波形)(点線)を比較して
示す。このダイナミックフォーカス補正電圧波形は、同
じ周期で振幅の異なる2つのパラボリック電圧波形の交
点が、CRTの有効表示域の±60%において得られる
ように設計してある。ここで有効表示域とは、図2のC
RT有効表示期間に対応して、CRTの中央を0%と
し、有効画面の両端を±100%に割り振ったCRT画
面上の距離である。有効表示域の85%では、理想の波
形に対して電圧差が約50Vにとどまっており、本発明
に係るダイナミック(フォーカス)補正電圧の電圧波形
が理想の波形によく近似していることが分かる。
【0021】《実施例2》図4に本発明の第2の実施例
に係るダイナミックフォーカス補正回路を示す。図4に
おける陰極線管1の2つのフォーカス電極2および2’
へのフォーカス電圧の印加手段、高圧発生回路10およ
び水平偏向回路20の構成と動作は、前記第1の実施例
について説明したのと同じであるので省略する。
【0022】電圧波形組合せ手段としてのダイナミック
フォーカス補正電圧発生回路50では、次のような構成
で同じ周期で振幅の異なる2つのパラボリック電圧波形
を組み合わせてダイナミックフォーカス補正電圧を得て
いる。すなわち巻数比の異なる2つのパルストランス5
1及び52のそれぞれ一次巻線側の一端を入力端子と
し、それぞれ二次巻線側の一端AおよびBにそれぞれダ
イオード56および57の一方の端子を接続する。これ
ら2つのダイオードの他方の端子は、抵抗53を介し
て、DC電源54に接続されている。以下、図4および
第1の実施の形態の動作を説明したときに用いた図2を
用いてその動作を説明する。
【0023】図4のダイナミックフォーカス補正電圧発
生回路50に、水平偏向回路20内の偏向コイル23と
S字補正コンデンサ28の接続点からコンデンサ55
(約0.1μF)を介して、パラボリック電圧波形を有
する電圧(有効画面に相当する振幅を60Vとする)が
加えられる。この電圧がパルストランス51(巻線比は
一次巻線を1として二次巻線は22)およびパルストラ
ンス52(巻線比は一次巻線を1として二次巻線を7.
5)によって二次巻線側に昇圧される。図2にパルスト
ランス51の出力端子Aおよびパルストランス52の出
力端子Bに出力される電圧波形を示す。図2(A)はパ
ルストランス51の出力端子Aに発生するパラボリック
電圧波形であり、図2(B)はパルストランス52の出
力端子Bに発生するパラボリック電圧波形である。上記
巻線比の2つのパルストランスを用いた場合、CRT有
効表示期間に、端子Aには振幅が1320Vのパラボリ
ック電圧波形が、端子Bには振幅が450Vのパラボリ
ック電圧波形が得られる。
【0024】端子AおよびBにおけるパラボリック電圧
波形の振幅は、一次巻線側から見た巻数比が端子Aにお
けるよりも端子Bにおける方が少ないため、常に端子A
における電圧波形の振幅が端子Bにおけるものより、大
きくなる。また、パルストランス51および52の二次
巻線の一端は、GNDレベルに接地されているので、端
子A、端子Bともパラボリック電圧波形の平均値は、G
NDレベルとなる。二次巻線側に接続されたダイオード
56および57の他方の端子は、抵抗53(数K〜数M
Ω)を介してDC電源54(−450V)に接続されて
いる。こうすることによって補正に必要な電圧波形を得
ることができる。GNDレベルより高い領域で、端子A
の電圧が出力され、GNDレベルより低い領域で、端子
Bの電圧が出力される。すなわち図2(C)の実線に示
すような電圧波形を得ることができる。
【0025】上記2つのパルストランスの設計は32型
アスペクト比16:9CRTに対するものであるが、C
RTの大きさが変わった場合、例えば28型アスペクト
比16:9CRTに対しても、パルストランスの設計を
同じ周期で振幅の異なる2つのパラボリック電圧波形の
交点が、有効表示域の60%の位置になるようにすれば
対応できる。
【0026】このように本構成においては、パラボリッ
ク電圧波形をコンデンサ55を介して入力し、二次巻線
の巻数比の異なる2つのパルストランス51および52
の端子AおよびBにそれぞれダイオード56および57
を接続し、ダイオード56および57の他方の端子を抵
抗を介して電源に接続する構成とすることにより、横長
アスペクト比16:9のダイナミックフォーカスCRT
の必要とするダイナミックフォーカス補正電圧波形、図
2(C)(実線)を得ることができる。そして従来のダ
イナミックフォーカス補正回路のように図6のパルス発
生回路30を用いていないので部品点数が少なくなって
いる。さらにパルストランス51および52には二次巻
線側にタップがないのでパルストランスの構成が簡単に
なっている。なお、以上説明したダイナミックフォーカ
ス補正電圧発生回路の入力部に直流阻止用コンデンサ5
5を用いているが、入力にDC成分がない場合は、この
コンデンサを省略することができる。
【0027】以上のような構成により、第2の実施例に
おいても、図3に示す第1の実施例によるものと同様の
補正効果が得られる。
【0028】《実施例3》図5に本発明の第3の実施例
に係るダイナミックフォーカス補正回路を示す。図5に
おける陰極線管1の2つのダイナミックフォーカス電極
2および2’へのフォーカス電圧の印加手段、高電圧発
生回路10および水平偏向回路20の構成と動作は、前
記第1の実施例について説明したのと同じであるので省
略する。
【0029】電圧波形組合せ手段としてのダイナミック
フォーカス補正電圧発生回路60では、次のような構成
で同じ周期で振幅の異なる2つのパラボリック電圧波形
を組み合わせてダイナミックフォーカス補正電圧を得て
いる。すなわち図5に示すように抵抗61、61’、6
1”、ダイオード62、演算増幅器63、トランジスタ
64で構成される回路でしきい値を境に利得を変えて、
ダイナミックフォーカス補正に必要な電圧波形を得てい
る。以下、図5および第1の実施例の動作を説明したと
きに用いた図2を用いてその動作を説明する。
【0030】図5のダイナミックフォーカス補正電圧発
生回路60に、水平偏向回路20内の偏向コイル23と
S字補正コンデンサ28の接続点からコンデンサ65
(約0.1μF)を介して、パラボリック電圧波形を有
する電圧(有効画面に担当する振幅を60Vとする)が
加えられる。図5においてダイオード62の両端を短絡
した状態を仮定する。このときの演算増幅器63の利得
G1は下記数式(1)となる。
【0031】
【数1】
【0032】次にダイオード62を遮断した状態を仮定
する。このときの演算増幅器63の利得G2は下記数式
(2)となる。
【0033】
【数2】
【0034】ここで抵抗値R1、R2、R3はそれぞれ抵
抗61、61’、61”の抵抗値である。上記利得G1
を22とした場合、CRT有効表示期間では、トランジ
スタ64の出力端子に振幅が1320Vのパラボリック
電圧波形が発生する。この電圧波形を図2(A)に示
す。上記他の利得G2を7.5とした場合、CRT有効
表示期間では、トランジスタ64の出力端子に振幅が4
50Vのパラボリック電圧波形が発生する。この電圧波
形を図2(B)に示す。
【0035】図5では演算増幅器63の−端子にはダイ
オード62が接続され、+端子はGNDレベルに接地さ
れている。パラボリック電圧波形を有する電圧がGND
レベルより高いときはダイオード62は遮断され演算増
幅器63の利得は数式(2)のG2となり、GNDレベ
ルより低いときはダイオード62は導通し利得は数式
(1)のG1となる。すなわち図2(C)の実線に示す
ような電圧波形を得ることができる。
【0036】上記抵抗61、61’、61”、ダイオー
ド62、演算増幅器63、トランジスタ64で構成され
る回路の設計は、32型アスペクト比16:9CRTに
対するものであるが、CRTの大きさが変わった場合、
例えば28型アスペクト比16:9CRTに対しても、
パルストランスの設計を同じ周期で振幅の異なる2つの
パラボリック電圧波形の交点が、有効表示域の60%の
位置になるようにすれば対応できる。
【0037】このように本構成においては、パラボリッ
ク電圧波形をコンデンサ65を介して入力し、GNDレ
ベルをしきい値とし、それより入力電圧が高いか低いか
によって異なる2つの利得を有する演算増幅器を有する
構成とすることにより、横長アスペクト比16:9のダ
イナミックフォーカスCRTの必要とするダイナミック
フォーカス補正電圧波形、図2(C)(実線)を得るこ
とができる。従って実施例1または2のようにパルスト
ランスを用いていない。また従来のダイナミックフォー
カス補正回路のようにパルス発生回路30を用いていな
いので部品点数が少なくなっている。なお、以上説明し
たダイナミックフォーカス補正電圧発生回路の入力部に
直流阻止用コンデンサ65を用いているが、入力にDC
成分がない場合は、このコンデンサを省略することがで
きる。
【0038】以上のような構成により、第3の実施例に
おいても、図3に示す第1の実施例によるものと同様の
補正効果が得られる。
【0039】なお、上記各実施例では、本発明を2つの
フォーカス電極を有する陰極線管に適用した場合につい
て説明したが、本発明はこれに限定されるものではな
く、フォーカス電極を1つ、又は3つ以上有する陰極線
管のダイナミックフォーカス波形として適用することが
できる。さらに、上記各実施例では、本発明をアスペク
ト比16:9の陰極線管に用いた場合について、有効画
面の60%の位置で2つのパラボリック電圧波形を切り
替える例について説明したが、2つの波形の切替位置は
陰極線管のパネル形状の変化によって適宜選択すべきも
のであることは言うまでもない。また、2つのハイパボ
リック電圧波形を適宜組み合わせて最適なダイナミック
フォーカス電圧を得るという本発明は、アスペクト比1
6:9の陰極線管以外にも、例えばアスペクト比4:3
の陰極線管において、より厳密なダイナミックフォーカ
ス電圧が求められた場合や、より平坦なパネル形状の陰
極線管が実用化された場合等にも、適宜用いることがで
きる。
【0040】
【発明の効果】以上のように本発明のダイナミックフォ
ーカス補正回路は、同じ周期で振幅の異なる2つのパラ
ボリック電圧波形を組み合わせる手段により、ダイナミ
ックフォーカス補正に必要な電圧波形を得ているので、
簡単な回路構成で、部品点数が少なく、精度が良いダイ
ナミックフォーカス補正電圧が得られるという有利な効
果が得られる。上記2つのパラボリック電圧波形を組み
合わせる手段として、水平偏向に同期したパラボリック
電圧波形の電圧を入力とするトランスの二次巻線側の2
つのタップにそれぞれ一方の端子が接続された2つのダ
イオードを有し、その各々のダイオードの他方の端子が
抵抗を介して電源に接続されているので、簡単な回路構
成で、精度が良い補正電圧波形が得られるという効果が
得られる。そして上記2つのタップを有するトランスの
代わりに、第1と第2のトランスを用いることにより、
簡単な構成のトランスを用いて、精度が良い補正電圧波
形が得られるという効果が得られる。さらに上記パラボ
リック電圧波形を組み合わせる手段として、水平偏向に
同期したパラボリック電圧波形を有する電圧を入力とす
る演算増幅器を有する回路で電圧の利得を1つのしきい
値を境に変化させているので、集積回路による回路構成
とすることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係るダイナミックフォ
ーカス補正回路の回路図
【図2】本発明の実施例に係るダイナミックフォーカス
補正回路の動作を説明するための電圧波形図
【図3】本発明の実施例により得られるダイナミックフ
ォーカス補正電圧波形図
【図4】本発明の第2の実施例に係るダイナミックフォ
ーカス補正回路の回路図
【図5】本発明の第3の実施例に係るダイナミックフォ
ーカス補正回路の回路図
【図6】従来のダイナミックフォーカス補正回路の回路
【図7】従来のダイナミックフォーカス補正回路の動作
を説明するための電圧波形図
【符号の説明】
1 陰極線管 2、2’ フォーカス電極 10 高電圧発生回路 12、13 フォーカスボリューム 20 水平偏向回路 21 パルストランス 22 LC積分回路 23 偏向コイル 25、25’、31 スイッチングトランジスタ 26、26’、32 ダンパーダイオード 27、27’、33 共振用コンデンサ 30 パルス発生回路 34、41、51、52 パルストランス 40、50、60 ダイナミックフォーカス補正電圧
発生回路 46、47、56、57、62 ダイオード 61、61’、61” 抵抗 63 演算増幅器 64 トランジスタ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同じ周期で振幅の異なる2つのパラボリ
    ック電圧波形を組み合わせる電圧波形組合せ手段を具
    え、ダイナミックフォーカス補正に必要な電圧波形を発
    生することを特徴とするダイナミックフォーカス補正回
    路。
  2. 【請求項2】 前記電圧波形組合せ手段が、水平偏向に
    同期したパラボリック電圧波形の電圧を入力とするトラ
    ンスと、前記トランスの二次巻線側の2つのタップにそ
    れぞれ一方の端子が接続された2つのダイオードを有
    し、その各々のダイオードの他方の端子が抵抗を介して
    電源に接続されていることを特徴とする請求項1記載の
    ダイナミックフォーカス補正回路。
  3. 【請求項3】 前記電圧波形組合せ手段が、水平偏向に
    同期したパラボリック電圧波形の電圧を入力とする第1
    のトランスと、同じく水平偏向に同期したパラボリック
    電圧波形の電圧を入力とする前記第1のトランスと巻線
    比の異なる第2のトランスと、この第1と第2のトラン
    スの二次巻線側にそれぞれ一方の端子が接続された2つ
    のダイオードを有し、その各々のダイオードの他方の端
    子が、抵抗を介して電源に接続されていることを特徴と
    する請求項1記載のダイナミックフォーカス補正回路。
  4. 【請求項4】 前記電圧波形組合せ手段が、水平偏向に
    同期したパラボリック電圧波形の電圧を入力とするダイ
    オードおよび演算増幅器を含む回路の利得を、1つのし
    きい値を境に変化させて、ダイナミックフォーカス補正
    に必要な電圧波形を得ることを特徴とする請求項1記載
    のダイナミックフォーカス補正回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2000010324A1 (fr) * 1998-08-14 2000-02-24 Sony Corporation Circuit modulateur de vitesse d'exploration pour dispositif de visualisation d'image
KR20020019774A (ko) * 2000-09-07 2002-03-13 김대철 전류형 트랜스를 이용한 모니터용 다이나믹 포커스 회로
US6664747B2 (en) 2001-08-31 2003-12-16 Samsung Electronics Co., Ltd. Dynamic focus regulation circuit of display apparatus

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