JPH10325981A - Ｉｔｖカメラの取付架台 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 取付け後の調整作業が容易で、かつカメラ本
体の取り付け作業が容易にできる新規なＩＴＶカメラの
取付架台の提供。 【解決手段】 カメラ本体ｄを壁面や柱などの垂直面Ｓ
に取り付ける取付架台１において、上記カメラ本体ｄを
支持する支持アーム２の端部にフランジ状のスライドブ
ロック３を取り付けると共に、このスライドブロック３
を上記垂直面Ｓに固定されたスライドレール４に天地方
向にスライド自在に係合し、他方、このスライドレール
４の側部に、このスライドレール４内に出没自在に水平
移動可能な高さ調整用ブロック５を上下多段に複数配置
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、室内の様子を遠隔
で監視すべくＩＴＶカメラ（工業用ＴＶカメラ）の取付
架台の構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、核燃料再処理施設等における各
種処理工程は、作業員が直接監視することが困難である
ことから、予め室内に設置されたＩＴＶカメラ（工業用
ＴＶカメラ）によって遠隔で監視されるようになってい
る。

【０００３】例えば、図３に示すように、高レベル放射
性廃液をガラス固化処理するためのガラス固化処理室内
には、処理室内の全体の様子を監視するための天井水平
カメラＸや、ガラス溶融炉ａのガラス流下ノズル部ｂの
中心部を斜め４５゜下方から監視するためのノズル監視
用カメラＹ、さらにガラス溶融炉ａの結合部ｃ付近等を
専ら監視するための結合部監視用カメラＺ等の各種ＩＴ
Ｖカメラが複数設置されており、これら各種ＩＴＶカメ
ラを用いることで処理室内の各部を詳細に遠隔監視でき
るようになっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、これら各種
ＩＴＶカメラは、その視認が確実に行われるように各種
取付架台に取付けた後に微調節を行う必要があるが、現
在提案されているような構成をした取付架台では、その
調整作業が煩わしい上に、取り付けたカメラ本体が設置
後にずれ易く、その機能を発揮できなくなるといった欠
点がある。

【０００５】例えば、ノズル監視用カメラＹにあって
は、カメラ本体ｄを支持する水平アーム状の取付架台ｅ
を室内の柱や壁面等の垂直面ｆに直接溶接して取り付け
ることが考えられているが、カメラ本体ｄの俯仰方向と
ガラス流下ノズル部ｂの視認窓との高さが一致するまで
取付架台ｅの溶接を何度もやり直す必要がある。そのた
め、図４に示すように、このカメラ本体ｄと取付架台ｅ
との間に、上方に延びるロッドｇとこのロッドｇを挿入
するパイプｈとワッシャｉとからなる高さ調整機構ｊを
設け、ロッドｇに挿入するワッシャｉの数を増減するこ
とでパイプｈ側に取り付けられたカメラ本体ｄの高さを
調整することが考えられる。

【０００６】しかしながら、このような高さ調整機構ｊ
を備えた取付架台ｅではガラス溶融炉ａの運転を開始し
た後、すなわち、室内が放射能で満たされた後にその調
整をし直す必要が生じた場合に、調整作業が極めて難し
くなるといった欠点がある。

【０００７】一方、結合部監視用カメラＺにあっては、
図５に示すように、カメラ本体ｄを予め室内に固定され
たカメラ駆動装置ｋの俯仰角調整軸ｌに取り付けること
で、俯仰駆動と旋回駆動を組み合わせてカメラ本体ｄの
視野角を調整するようになっているが、このカメラ本体
ｄを駆動軸ｌに取り付けるには、図示するように断面円
形をしたカメラ本体ｄの軸部ｍを俯仰角調整軸ｌの端部
に一対の取付けビスｎ，ｎで挟持するようして取り付け
ているため、取り付けが煩わしい上に取り付け後にこの
軸部ｍが空回りして視野角が傾いてしまいやすいといっ
た欠点ある。

【０００８】他方、天井水平カメラＸにあっては、図３
に示すようにカメラ本体ｄを収容したカメラ受箱ｏの上
部を天井付近から延びる吊下げアームｐで吊り下げるよ
うにして水平状態を維持するようにしていることから、
僅かな揺れが加わってもカメラ受箱ｏが大きく揺動して
カメラ本体ｄの俯仰角がずれてしまい易いといった欠点
がある。

【０００９】そこで、本発明はこれらの課題を有効に解
決するために案出されたものであり、その主な目的は、
取付け後の調整作業が容易で、かつカメラ本体の取り付
け作業が容易にできる新規なＩＴＶカメラの取付架台を
提供するものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に第一の発明は、室内の様子を遠隔で監視すべくカメラ
本体をその壁面や柱などの垂直面に取り付ける取付架台
において、上記カメラ本体を支持する支持アームの端部
にフランジ状のスライドブロックを取り付けると共に、
このスライドブロックを上記垂直面に固定されたスライ
ドレールに天地方向にスライド自在に係合し、他方この
スライドレールの側部に、このスライドレール内に出没
自在に水平移動可能な高さ調整用ブロックを上下多段に
複数配置してなるものである。

【００１１】従って、このスライドブロックをスライド
レール内を任意の高さにスライド昇降させた後、そのス
ライドブロック下側にスライドレール側面から必要な数
の高さ調整用ブロックを移動させることで、そのスライ
ドブロックをその高さに維持することができるため、垂
直面に備えられるＩＴＶカメラの高さ調整を容易、かつ
確実に行うことができる。

【００１２】また、第二の発明は、室内の様子を遠隔で
監視すべく略円筒状をしたカメラ本体をカメラ駆動装置
に着脱自在に取り付けるための取付架台において、上記
カメラ駆動装置の俯仰角調整軸に上記カメラ本体を挿入
すべく一端部が開口した筒状のカメラ受箱を取り付ける
と共に、上記カメラ本体の外面とカメラ受箱の内面に、
それぞれそれらの長さ方向に沿ってカメラ本体の回止め
用のキーとキー溝を形成し、さらに、そのカメラ受箱の
開口端部に挿入後のカメラ本体の落下を防止する落下防
止蓋を開閉自在に取り付けてなるものである。

【００１３】すなわち、本発明は、カメラ駆動装置の俯
仰角調整軸に取り付けられた筒状のカメラ受箱内にカメ
ラ本体を挿入して取り付けるようにしたため、カメラ駆
動装置へのカメラ本体の着脱作業を迅速に行うことがで
きる。また、カメラ本体及びカメラ受箱内にキー及びキ
ー溝を形成して、カメラ本体をカメラ受箱内に挿入する
際にこれらを一致させるようにしたため、カメラ本体の
回りによる取り付け後の水平軸のずれも効果的に防止す
ることができる。

【００１４】さらに、第三の発明は、室内の様子を遠隔
で監視すべくカメラ本体をその天井付近から吊り下げて
取り付ける取付架台において、上記カメラ本体をカメラ
収容箱に収容し、そのカメラ収容箱を上記天井付近から
延びる吊り下げアームに俯仰角方向に揺動自在に吊り下
げると共に、上記カメラ本体を水平に保持すべくその収
納箱の重心下部に錘部材を取り付けてなるものである。

【００１５】従って、カメラ本体の設置時或いはカメラ
本体に揺れが加わっても短時間で自動的に水平状態に復
帰できるため、カメラ本体に対する水平方向の調整作業
が不要となる。

【００１６】

【発明の実施の形態】次に、本発明を実施する好適一形
態を添付図面を参照しながら説明する。

【００１７】図１は本発明に係るガラス流下ノズル監視
用カメラＹの取付架台１を示す側面図、図２（Ａ）はそ
のＸ−Ｘ矢視図、図２（Ｂ）は図２（Ａ）中Ｘ−Ｘ断面
図である。

【００１８】図示するように、この取付架台１はカメラ
本体ｄを水平に支持する支持アーム２と、この支持アー
ム２の端部に取り付けられたフランジ状のスライドブロ
ック３と、壁面や柱などの垂直面Ｓに固定されたスライ
ドレール４と、このスライドレール４の側部に設けられ
た出没自在な高さ調整用ブロック５とから主に構成され
ている。

【００１９】このスライドレール４は垂直面Ｓに溶接又
はボルト６等によって固定される垂直プレート７の周囲
に沿って断面Ｌ字状の縁部８が形成されており、さらに
その内部には垂直プレート７の長さ方向に沿って延びる
断面Ｔ字状の仕切バー９によってスライド部１０と、高
さ調整用ブロック５が収容されるブロック収容部１１が
区画形成されている。

【００２０】このスライド部１０には矩体状をしたスラ
イドブロック３が係合されるようになっており、このス
ライドブロック３がその長さ方向（上下方向）に自在に
スライドすることでカメラ本体ｄが取り付けられた支持
アーム２が昇降されるようになっている。尚、このスラ
イド部１０の上端は開放された状態となっているため、
この上端部側からスライドブロック２を自在に係脱させ
ることが可能となっている。また、このスライドブロッ
ク２の上端面には垂直上方に延びる吊り上げフック１２
が設けられており、この吊り上げフック１２を図示しな
いマニュピュレータ（遠隔操作ロボット）によって把持
し、持ち上げることでスライドブロック２を任意に昇降
できるようになっている。

【００２１】一方、ブロック収容部１１には、矩体状の
高さ調整用ブロック５がその長さ方向に沿って複数（本
実施の形態では７個）上下多段に設けられており、図示
するように、これら各高さ調整用ブロック５はブロック
収容部１１側からスライド部１０側にそれぞれ水平に往
復移動自在となっている。

【００２２】尚、これら各高さ調整用ブロック５の端部
には把持ピン１３がそれぞれ形成されており、上記吊り
上げフック１２と同様にこの把持ピン１３を図示しない
マニュピュレータ（遠隔操作ロボット）によって把握す
ることで容易に往復移動操作できるようになっている。

【００２３】そして、本発明の取付架台１はこのように
構成したことから、ＩＴＶカメラｄの高さを調整するに
は、図示しないマニュピュレータによって吊り上げフッ
ク１２を利用してスライドブロック３を任意の高さに持
ち上げた後、このスライドブロック３の下部に位置する
すべての高さ調整用ブロック５をブロック収容部１１か
らスライド部１０側に移動させ、その後、このスライド
部１０に移動してきた高さ調整用ブロック５上に、吊り
上げられたスライドブロック３を載置させることで達成
できる。

【００２４】尚、これら各高さ調整用ブロック５の水平
移動距離は、その幅よりも小さいことから、移動しない
高さ調整用ブロック５がその下部の高さ調整用ブロック
５上の載置した状態となり、そのまま落下してしまうよ
うなことはない。

【００２５】従って、本発明の取付架台１によれば、カ
メラの保守交換時やカメラの形式変更時に寸法が変化し
ても、その高さ調整を簡単にかつ確実に行うことが可能
となるため、従来のようにその都度に取付架台を取り外
したり、溶接作業等をやり直さなければならない等とい
った煩わしい作業が不要となる。

【００２６】次に、図６及び図７は第二の発明に係るＩ
ＴＶカメラの取付架台２０の実施の一形態を示したもの
である。

【００２７】すなわち、本発明は図５に示した従来のカ
メラ駆動装置ｋの側部から水平に延びる俯仰角調整軸ｌ
にカメラ本体ｄを支持するカメラ受箱２１を一体的に取
り付けるようにしたものである。

【００２８】このカメラ受箱２１は、図６に示すように
後端部に開口部２２を備えた筒状に形成されており、こ
の開口部２２から筒状をしたカメラ本体ｄを挿入するこ
とでカメラ本体ｄをカメラ駆動装置ｋ側に簡単に取り付
けることができるようになっている。また、この開口部
２２側の端部には、落下防止蓋２３が開閉自在にヒンジ
結合されており、カメラ受箱２１内に収容されたカメラ
本体ｄの落下を防止するようになっている。また、図示
するように、この落下防止蓋２３の中央部にはＵ字状の
切り込み２４が形成されており、開閉に際してカメラ本
体ｄの軸部２５と干渉しないようになっている。さら
に、この落下防止蓋２３の切り込み２４付近には直角に
折り曲げられた固定爪２６，２６が設けられており、図
７に示すように閉止後の落下防止蓋２３が開かないよう
にネジ２７等によってカメラ受箱２１側に固定されるよ
うになっている。

【００２９】また、このカメラ受箱２１の内面には開口
部２２端面からその長さ方向に沿って延びる凹状のキー
溝２８が、またカメラ本体ｄの外側にはその長さ方向に
沿って延びる凸状のキー２９がそれぞれ形成されてお
り、カメラ本体ｄをその開口部２２からカメラ受箱２１
に挿入する際に、このキー２９をキー溝２８側に嵌合さ
せることで、カメラ本体ｄの回転を阻止してカメラ本体
ｄの水平度を担保できるようになっている。

【００３０】従って、本発明の取付架台２０によれば、
カメラ駆動装置ｋへのカメラ本体ｄの脱着作業が容易に
なると共に、回転阻止用のキー及びキー溝を備えたこと
によりカメラ本体ｄの水平軸のずれも未然に防止するこ
とが可能となる。尚、上述したキー２９、及びキー溝２
８の形成位置やその数は本実施の形態に限定されるもの
ではなく必要に応じて変化させて良いことは勿論であ
る。また、落下防止蓋２３の開閉方向も上下方向ではな
く横方向にすれば固定爪２６の取り付け作業も容易にす
ることができる。

【００３１】次に、図８、図９は第三の発明に係る水平
カメラ用の取付架台３１の実施の一形態を示したもので
ある。

【００３２】図示するように、この取付架台３１は、天
井から斜め下方に延びる吊り下げアーム３２の下端に、
上述したカメラ本体ｄにカメラ収容箱３４をユニバーサ
ルジョイント３３を介して揺動自在に設け、このカメラ
収容箱３４の重心下部に錘部材３５を取り付けてなるも
のである。

【００３３】このユニバーサルジョイント３３は、上記
吊り下げアーム３２とカメラ収容箱３４を揺動自在に吊
り下げるハンガー３６との間を、このハンガー３６の上
端部に設けられた回転部材３７によってそれぞれ直角に
交差するようにピン結合してなるものであり、図８に示
すようにカメラ収容箱３４をハンガー３６の吊下げ軸３
６ａを軸として揺動自在に吊り下げると共に、図９に示
すように、ハンガー３６自体が吊り下げアーム３２の先
端を中心として旋回揺動自在となっている。

【００３４】従って、本発明によれば、地震などの震動
によりカメラ本体ｄが揺れてもその瞬間だけ俯仰角が変
化し、まもなく水平状態に戻ることになるため、カメラ
本体ｄの俯仰角の調整作業などの煩わしい作業が不要と
なる。

【００３５】しかも、このカメラ本体ｄを収容したカメ
ラ収容箱３４の底面、すなわちカメラ収容箱３４の重心
に錘部材３５を備えることにより、揺れを抑制できると
共に、カメラ収容箱３４の水平状態への復帰を効果的に
早めることが可能となる。尚、吊り下げアーム３２に対
するカメラ収納箱３４の旋回角の調整及び修正は、第一
の発明と同様、室内に予め備えられるマニュピュレータ
（図示せず）等によって行われることになる。

【００３６】

【発明の効果】以上要するに本発明によれば、以下に示
す如く優れた効果を発揮することができる。

【００３７】第一の発明によれば、垂直面に備えられ
るＩＴＶカメラの高さ調整を容易、かつ確実に行うこと
ができる。

【００３８】第二の発明によれば、カメラ駆動装置へ
のＩＴＶカメラの着脱作業を迅速に行うことができると
共に、水平軸のずれも効果的に防止することができる。

【００３９】第三の発明によれば、カメラ本体の設置
時或いはカメラ本体に揺れが加わっても自動的に水平状
態に維持されるため、カメラ本体に対する水平方向の調
整作業が不要となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第一の発明に係るＩＴＶカメラ取付架台の実施
の一形態を示す側面図である。

【図２】図１中Ｘ−Ｘ矢視図である。

【図３】ガラス溶融炉室内等への適用が検討されている
各種ＩＴＶカメラの設置状態を示す概念図である。

【図４】従来のノズル監視用カメラの一例を示す側面図
である。

【図５】従来の結合部監視用カメラの一例を示す斜視図
である。

【図６】第二の発明に係るＩＴＶカメラ取付架台へのカ
メラ本体取り付け前の状態を示す実施の一形態を示す斜
視図である。

【図７】第二の発明に係るＩＴＶカメラ取付架台へのカ
メラ本体取り付け後の状態を示す実施の一形態を示す斜
視図である。

【図８】第三の発明に係るＩＴＶカメラ取付架台の実施
の一形態を示す斜視図である。

【図９】図８中Ｘ部を示す部分拡大図である。

【符号の説明】

１，２０，３１ 取付架台 ２ 支持アーム ３ スライドブロック ４ スライドレール ５ 高さ調整用ブロック ２１ カメラ受箱 ２２ 開口部 ２３ 落下防止蓋 ２８ キー溝 ２９ キー ３２ 吊り下げアーム ３３ ユニバーサルジョイント ３４ カメラ収納箱 ３５ 錘部材 ｄ カメラ本体 ｋ カメラ駆動装置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 孝治 神奈川県横浜市磯子区新中原町１番地 石 川島播磨重工業株式会社横浜エンジニアリ ングセンター内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 室内の様子を遠隔で監視すべくカメラ本
   体をその壁面や柱などの垂直面に取り付ける取付架台に
   おいて、上記カメラ本体を支持する支持アームの端部に
   フランジ状のスライドブロックを取り付けると共に、こ
   のスライドブロックを上記垂直面に固定されたスライド
   レールに天地方向にスライド自在に係合し、他方、この
   スライドレールの側部に、このスライドレール内に出没
   自在に水平移動可能な高さ調整用ブロックを上下多段に
   複数配置してなることを特徴とするＩＴＶカメラの取付
   架台。
2. 【請求項２】 室内の様子を遠隔で監視すべく略円筒状
   をしたカメラ本体をカメラ駆動装置に着脱自在に取り付
   けるための取付架台において、上記カメラ駆動装置の俯
   仰角調整軸に上記カメラ本体を挿入すべく一端部が開口
   した筒状のカメラ受箱を取り付けると共に、上記カメラ
   本体の外面とカメラ受箱の内側に、それぞれそれらの長
   さ方向に沿ってカメラ本体の回止め用のキーとキー溝を
   形成し、さらに、そのカメラ受箱の開口端部に挿入後の
   カメラ本体の落下を防止する落下防止蓋を開閉自在に取
   り付けてなることを特徴とするＩＴＶカメラの取付架
   台。
3. 【請求項３】 室内の様子を遠隔で監視すべくカメラ本
   体をその天井付近から吊り下げて取り付ける取付架台に
   おいて、上記カメラ本体をカメラ収容箱に収容し、その
   カメラ収容箱を上記天井付近から延びる吊り下げアーム
   に俯仰方向に揺動自在に吊り下げると共に、上記カメラ
   本体を水平に保持すべくその収納箱の重心下部に錘部材
   を取り付けてなることを特徴とするＩＴＶカメラの取付
   架台。