JPH10324957A - 高周波用無方向性電磁鋼板 - Google Patents

高周波用無方向性電磁鋼板

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JPH10324957A
JPH10324957A JP9149922A JP14992297A JPH10324957A JP H10324957 A JPH10324957 A JP H10324957A JP 9149922 A JP9149922 A JP 9149922A JP 14992297 A JP14992297 A JP 14992297A JP H10324957 A JPH10324957 A JP H10324957A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高周波領域において鉄損の低い無方向性電磁
鋼板を提供する。 【解決手段】 重量%で、C:0.005%以下、Si:3.0%
超え4.5%以下、Mn:0.05〜1.5%、P:0.2%以下、
N:0.005%以下(0を含む)、Al:0.1〜1.5%、Si+Al
=4.5%以下、S:0.001%以下(0を含む)、Sb+Sn/2=
0.001〜0.05%を含有し、残部が実質的にFeであり、板
厚が0.1〜0.35mmの高周波鉄損の低い無方向性電磁鋼
板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波領域におい
て鉄損の低い無方向性電磁鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電気機器の小型化、高効率化の要
請に伴い200〜1kHz程度の高周波域で電気機器が使用さ
れることが多くなっている。このような電気機器のコア
材として無方向性電磁鋼板が広く用いられているが、高
周波域で電気機器を使用した場合には、渦電流損の増大
に伴う全鉄損の増大が問題となる。このため従来の高周
波用電磁鋼板に於いては、コア材の渦電流損を低減する
ことが指向されてきた。
【0003】すなわち、鋼板中のSi、Al量を多くして固
有抵抗を高めたり、鋼板の板厚を薄くする検討が数多く
なされている。
【0004】そのような例として、特開平3−2234
45号公報にはSi+Al量を2.0〜4.0%とし、板厚を0.1〜
0.25mm、結晶粒径を5〜60μmとした、700Hz以上で使用
される高周波用無方向性電磁鋼板が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、より一層の機
器の高効率化の要請も高まっており、そうした場合に
は、さらなる低鉄損材の開発が望まれている。このため
Si、Al量を従来材よりもさらに増大させることも考えら
れるが、この場合鋼板が脆くなるため冷間圧延が困難と
なるという問題がある。また、板厚を0.1mmよりも薄く
した場合には需要家における鋼板積層時の手間が著しく
増大するため、好ましくない。このような背景から新し
い鉄損低減手法が望まれているのが現状である。
【0006】本発明はこのような課題を解決するために
なされたもので、上記のような問題点がなく、高周波領
域において鉄損の低い無方向性電磁鋼板を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の骨子は、所定成
分を有する板厚が0.1〜0.35mmの電磁鋼板に於いてSを
低減し、かつSb、Snを添加することにより高周波鉄損が
低下させることにある。
【0008】すなわち、前記課題は、重量%で、C:0.
005%以下、Si:3.0%超え4.5%以下、Mn:0.05〜1.5
%、P:0.2%以下、N:0.005%以下、Al:0.1〜1.5
%、Si+Al=4.5%以下、S:0.001%以下、Sb+Sn/2=0.00
1〜0.05%を含有し、残部が実質的にFeであり、板厚が
0.1〜0.35mmの高周波鉄損の低い無方向性電磁鋼板によ
り解決される。
【0009】さらに、Sb+Sn/2の範囲を0.001〜0.005%
に限定することにより、鉄損を一層低減させることがで
きる。
【0010】ここにおいて、「残部が実質的にFeであ
る」とは、不可避不純物の他に、本発明の作用効果を阻
害しない範囲で他の微量元素をも含み得る趣旨である。
また、本明細書において、鋼の成分を示す%は、特に断
らない限り重量%を意味し、ppmも重量ppmを意味する。
【0011】(Sの限定理由)最初に、鉄損に及ぼすS
量の影響を調査するため、C:0.0015%、Si:3.51%、
Mn:0.18%、P:0.01%、Al:0.50%、N:0.0020%と
し、S量をtr.〜40ppmの範囲で変化させた鋼を実験室に
て真空溶解し熱延、酸洗を行った。
【0012】引き続きこの熱延板に75%H2−25%N2
で830℃×3hrの熱延板焼鈍を施し、板厚0.35mmまで冷
間圧延し、10%H2−90%N2中で950℃×2min間の仕上
焼鈍を施した。磁気測定は25cmエプスタイン法により行
った。ここで、鉄損の評価はW10/400で行った。これ
は、400Hz程度の高周波域で駆動される電気機器は1.0T
程度で駆動されるためである。
【0013】図1に0.35mm材のS量と鉄損の関係を示
す。図1より、0.35mm材における周波数400Hzの鉄損W
10/400は、S≦10ppmとなった場合に大幅に低下するこ
とがわかる。この、S量の低下による鉄損の変化の原因
を調査するため、組織を光学顕微鏡により観察した。そ
の結果、S≦0.001%において結晶粒が粗大となっている
ことが明らかとなった。これは鋼中のMnSが低減したた
めと考えられる。
【0014】一般に、板厚0.5mmの電磁鋼板において結
晶粒が粗大化した場合には、高周波鉄損が増大するとい
われている。これに対し、本実験では結晶粒が粗大化し
た場合に、高周波鉄損が低下する結果となった。これ
は、本実験では鋼板の板厚を0.35mmとしたため渦電流損
が0.5mm材に比べ大幅に低下し、400Hzといえども結晶粒
径の粗大化によるヒステリシス損の低減が高周波鉄損の
低減に有効であるためと考えられる。
【0015】以上のことより0.35mm以下の板厚において
はSの低減は高周波域鉄損の低減に有効であるといえ
る。このため、本発明に於いては、S量の範囲を10ppm
以下に限定する。
【0016】(板厚の限定理由)また、S低減に伴う高
周波鉄損の低下は、0.35mm以下の板厚の電磁鋼板に於い
ては板厚が薄くなるほど顕著に認められた。しかし、板
厚が0.1mm未満では冷間圧延が困難となり、さらに需要
家における鋼板積層時の手間が増大するため、本発明に
於いては板厚を0.1〜0.35mmとする。
【0017】次に高周波鉄損をさらに低減させる手法に
ついて検討した。
【0018】(Sb、Snの限定理由)高周波鉄損を低減さ
せるための手法としては一般にSi、Al量を増大し、固有
抵抗を増大させることが有効である。しかし、Si+Al量
が4.5%を超えた場合には、鋼板が脆化するため冷間圧延
が困難となる。このため、Si、Al量を増大させる手法の
みでは鉄損の低減には限界が生じる。そこで、発明者ら
は、全く別の成分元素の添加により鉄損を低減させる方
法を模索した。
【0019】ところで、図1において、S量が10ppm以
下となると鉄損の低下は緩やかとなり、Sをさらに低減
したとしても鉄損W10/400は16.5W/kg程度にしかなら
ない。
【0020】本発明者らは、S≦10ppmの極低S材にお
いて鉄損の低減が阻害されるのは、MnS以外の未知の要
因によるものではないかと考え、光学顕微鏡にて組織観
察を行った。その結果、S≦10ppmの領域で鋼板表層に
顕著な窒化層が認められた。これに対し、S>10ppmの
領域では窒化層は軽微となっていた。この窒化層は窒化
雰囲気で行われる熱延板焼鈍時および仕上焼鈍時に生じ
たものと考えられる。
【0021】このS低減に伴う窒化反応促進の原因に関
しては次のように考えられる。すなわち、Sは表面およ
び粒界に濃化しやすい元素であることから、S>10ppm
の領域では、Sが鋼板表面へ濃化し、焼鈍時の窒素の吸
着を抑制しており、一方、S≦10ppmの領域ではSによ
る窒素吸着の抑制効果が低下したためと考えられる。
【0022】本発明者らは、この極低S材において顕著
に生じる窒化層が鉄損の低下を抑制するのではないかと
考えた。このような考えの下に、本発明者らは窒素吸着
の抑制が可能でかつ極低S材の優れた粒成長性を妨げる
ことのない元素を添加することができれば、極低S材の
鉄損はさらに低減するのではないかという着想を抱き、
種々の検討を加えた結果、SbおよびSnの添加が有効であ
ることを見いだした。
【0023】図2に、図1で示したサンプルの成分に40
ppmのSbを添加したサンプルについて同一の条件で試験
を行った結果を示す。Sbの鉄損低減効果に着目すると、
S>10ppmの領域では、Sb添加により鉄損は0.2〜0.3W/
kg程度しか低下しないが、S≦10ppmの領域では、Sb添
加により鉄損は1.0w/kg程度低下しており、S量が少な
い場合にSbの鉄損低減効果は顕著に認められる。また、
このサンプルではS量によらず窒化層は認められなかっ
た。これはSbが鋼板表層部に濃化し窒素の吸着を抑制し
たためと考えられる。
【0024】以上のことより、板厚0.35mmの極低S材に
Sbを添加することにより、高周波鉄損の大幅な低減が可
能となることが明らかとなった。
【0025】次にSbの最適添加量を調査するため、C:
0.0023%、Si:3.51%、Mn:0.30%、P:0.02%、Al:
0.50%、S:0.0004%、N:0.0015%とし、Sb量をtr.〜70
0ppmの範囲で変化させた鋼を実験室にて真空溶解し、熱
延後、酸洗を行った。引き続きこの熱延板に75%H2−2
5%N2中で830℃×3hrの熱延板焼鈍を施し、板厚0.35mm
まで冷間圧延し、10%%H2−90%N2中で950℃×2min間
の仕上焼鈍を施した。
【0026】図3はこのようにして得られたサンプルの
Sb量と鉄損W10/400の関係を示したものである。図3よ
り、Sb量が10ppm以上の領域で鉄損が低下し、W10/400=
15.5W/kgが達成されることがわかる。しかし、Sbをさ
らに添加し、Sb>50ppmとなった場合には、鉄損はSb量
の増大に伴い緩やかに増大することもわかる。このSb>
50ppmの領域での鉄損増大原因を調査するため、光学顕
微鏡による組織観察を行った。その結果、表層窒化層は
認められなかったものの、平均結晶粒径が若干小さくな
っていた。この原因は明確ではないが、Sbが粒界に偏析
しやすい元素であるため、Sbの粒界ドラッグ効果により
粒成長性が低下したためと考えられる。
【0027】但し、Sbを700ppmまで添加してもSbフリー
鋼と比べると鉄損は良好である。
【0028】以上のことよりSbは10ppm以上とし、コス
トの問題から上限を500ppmとする。また鉄損の観点よ
り、望ましくは10ppm以上、50ppm以下、より望ましくは
20ppm以上、40ppm以下とする。
【0029】SnもSb同様表面偏析する元素であるため、
Sbと同様な窒化抑制効果が得られるものと考えられる。
そこで、Snの最適添加量を調査するため、C:0.0020
%、Si:3.00%、Mn:0.20%、P:0.02%、Al:1.05
%、S:0.0003%、N:0.0015%とし、Sn量をtr.〜1400pp
mの範囲で変化させた鋼を実験室にて真空溶解し、熱延
後、酸洗を行った。引き続きこの熱延板に75%H2−25
%N2中で830℃×3hrの熱延板焼鈍を施し、板厚0.35mm
まで冷間圧延し、10%%H2−90%N2中で950℃×2min間
の仕上焼鈍を施した。
【0030】図4はこのようにして得られたサンプルの
Sn量と鉄損W10/400の関係を示したものである。図4よ
り、Sn添加量が20ppm以上の領域で鉄損が低下し、W
10/400=15.5W/kgが達成されることがわかる。しかし、
Snをさらに添加し、Sn>100ppmとなった場合には、鉄損
はSn量の増大に伴い緩やかに増大することもわかる。但
し、Snを1400ppmまで添加してもSnフリー鋼と比べると
鉄損は良好である。このSnとSbの鉄損に及ぼす影響の違
いは以下のように理解できる。
【0031】すなわち、Snは偏析係数がSbよりも小さい
ため、表面偏析により窒化を抑えるためには、Sbの2倍
程度の量が必要となる。このため、Snは20ppm以上の添
加により鉄損が低下することとなる。一方、Snの粒界偏
析によるドラッグ効果により鉄損が増大し始める添加量
も、Sbに比べSnの偏析係数が小さいことより、2倍程度
となる。このため、Snは100ppm以上の添加により鉄損が
緩やかに増大することとなる。
【0032】以上のことよりSnは20ppm以上とし、コス
トの問題から上限を1000ppmとする。また鉄損の観点よ
り、望ましくは20ppm以上、100ppm以下、より望ましく
は30ppm以上、90ppm以下とする。
【0033】以上述べてきたように、SbとSnが窒化を抑
制するメカニズムは同一である。このためSbとSnを同時
に添加しても同様の窒化抑制効果を得ることができる。
ただし、SnがSbと同一の効果を発揮するためにはSbの2
倍の添加量が必要となる。このため、SbおよびSnを同時
添加する場合には、Sb+Sn/2で0.001%以上、0.05%以下と
し、より望ましくは0.001%以上、0.005%以下とする。
【0034】(その他の成分の限定理由)次に、その他
の成分の限定理由について説明する。
【0035】Cは磁気時効の問題があるため0.005%以
下とした。
【0036】Siは鋼板の固有抵抗を上げるために有効な
元素であるため3%を超えて添加する。一方、4.5%を超
えると冷間圧延が困難となるため上限を4.5%とした。
【0037】Mnは熱間圧延時の赤熱脆性を防止するため
に、0.05%以上必要であるが、1.5%以上になると磁束
密度を低下させるので0.05〜1.5%とした。
【0038】Pは鋼板の打ち抜き性を改善するために必
要な元素であるが、0.2%を超えて添加すると鋼板が脆
化するため0.2%以下とした。
【0039】Nは、含有量が多い場合にはAlNの析出量
が多くなり、AlNが粗大となった場合においても粒成長
性が低下し鉄損を増大させるため0.005%以下とした。
【0040】Alは微量に添加すると微細なAlNを生成し
磁気特性を劣化させる。このため、下限を0.1%以上と
し、AlNを粗大化する必要がある。一方、1.5%以上に
なると磁束密度を低下させるため上限は1.5%以下とす
る。
【0041】また、Si+Al量が4.5%を超えた場合には冷
間圧延が困難となるため上限を4.5%とした。
【0042】(製造方法)本発明においては、S、Sb、S
nを始め所定の元素が所定の範囲内であれば、製造方法
は通常の方法でかまわない。すなわち、転炉で吹練した
溶鋼を脱ガス処理し所定の成分に調整し、引き続き鋳
造、熱間圧延を行う。熱間圧延時の仕上焼鈍温度、巻取
り温度は特に規定する必要はなく、通常の無方向性電磁
鋼板を製造する温度でかまわない。また、熱延後の熱延
板焼鈍は行っても良いが必須ではない。次いで一回の冷
間圧延、もしくは中間焼鈍をはさんだ2回以上の冷間圧
延により所定の板厚とした後に、最終焼鈍を行う。
【0043】
【実施例】表1に示す鋼を用い、転炉で吹練した後に脱
ガス処理を行うことにより所定の成分に調整後鋳造し、
スラブを1150℃で1hr加熱した後、板厚2.0mmまで熱間
圧延を行った。熱延仕上げ温度は750℃とし、巻取り温
度は610℃とした。次にこの熱延板を酸洗し、表2、表
3に示す条件で熱延板焼鈍を行った。その後、板厚0.1
〜0.5mmまで冷間圧延を行い、表2、表3に示す仕上焼
鈍条件で焼鈍を行った。表1、表2、表3において、N
o.は鋼板番号を示し、各表に共通である。
【0044】磁気測定は25cmエプスタイン試験片を用い
て行った。各鋼板の磁気特性を表2、表3に併せて示
す。
【0045】鋼板番号1〜16のものが、本発明の実施
例である。これらの実施例においては、いずれも同じ板
厚の比較例に比して、鉄損W10/400、W5/1k共に小さ
い。
【0046】比較例のうち、No.17の鋼板は、S、Sb+S
n、板厚が本発明の範囲を外れているため、鉄損が非常
に大きくなっている。
【0047】No.18の鋼板は、Sb+Snと板厚が本発明の
範囲を外れているため、やはり、鉄損が非常に大きくな
っている。
【0048】No.19の鋼板は、板厚が本発明の範囲を外
れているため、同様に鉄損が非常に大きくなっている。
【0049】No.20とNo.24の鋼板は、SとSb+Snが本発
明の範囲を外れているため、それぞれ同じ板厚の本発明
品に対して鉄損が大きくなっている。
【0050】同様に、No.21の鋼板はSが、No.22、No.2
3、No.25の鋼板は、Sb+Snが本発明の範囲を外れている
ため、それぞれ同じ板厚の本発明品に対して鉄損が大き
くなっている。
【0051】No.26の鋼板は、Siが本発明の範囲を下回
っているので、鉄損が大きくなっている。
【0052】No.27の鋼板は、SiとSi+Alが本発明の範
囲を上回っているので、圧延時に破断し、製品とするこ
とができなかった。
【0053】No.28の鋼板は、Alの含有量が本発明の範
囲を下回っているので、鉄損が大きい。
【0054】No.29の鋼板は、AlとSi+Al 量が本発明の
範囲を上回っているので、鉄損は小さいものの、磁束密
度B50が小さくなっている。
【0055】No.30の鋼板は、Mnが本発明の範囲を下回
っているので鉄損が大きくなっている。これに対し、N
o.31の鋼板は、Mnが本発明の範囲を上回っているので、
鉄損は小さいものの、磁束密度B50が小さくなってい
る。
【0056】No.32の鋼板は、Cが本発明の範囲を上回
っているので、鉄損が大きいばかりか、磁気時効の問題
を有している。
【0057】No.33の鋼板は、Nが本発明の範囲を上回
っているので、鉄損が大きくなっている。
【0058】
【発明の効果】以上述べたように、本発明においては、
重量%で、C:0.005%以下、Si:3.0超え4.5%以下、M
n:0.05〜1.5%、P:0.2%以下、N:0.005%以下、A
l:0.1〜1.5%、Si+Al=4.5%以下、S:0.001%以下、S
b+Sn/2=0.001〜0.05%を含有し、残部が実質的にFeであ
り、板厚が0.1〜0.35mmの無方向性電磁鋼板としている
ので、高周波鉄損の低い無方向性電磁鋼板を得ることが
できる。
【0059】さらに、Sb+Sn/2=0.001〜0.005%とすれ
ば、一層の鉄損の低減が得られる。
【0060】これらの高周波用無方向性電磁鋼板は、高
周波において鉄損の低い特性が要求される電気材料とし
て使用されるのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】S量と仕上焼鈍後の鉄損との関係を示す図であ
る。
【図2】S、Sb量と仕上焼鈍後の鉄損との関係を示す図
である。
【図3】Sb量と仕上焼鈍後の鉄損との関係を示す図であ
る。
【図4】Sn量と仕上焼鈍後の鉄損との関係を示す図であ
る。
【表1】
【表2】
【表3】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C:0.005%以下、Si:3.0%
    超え4.5%以下、Mn:0.05〜1.5%、P:0.2%以下、
    N:0.005%以下(0を含む)、Al:0.1〜1.5%、Si+Al
    =4.5%以下、S:0.001%以下(0を含む)、Sb+Sn/2=
    0.001〜0.05%を含有し、残部が実質的にFeであり、板
    厚が0.1〜0.35mmの高周波鉄損の低い無方向性電磁鋼
    板。
  2. 【請求項2】 重量%で、C:0.005%以下、Si:3.0%
    超え4.5%以下、Mn:0.05〜1.5%、P:0.2%以下、
    N:0.005%以下(0を含む)、Al:0.1〜1.5%、Si+Al
    =4.5%以下、S:0.001%以下(0を含む)、Sb+Sn/2=
    0.001〜0.005%を含有し、残部が実質的にFeであり、板
    厚が0.1〜0.35mmの高周波鉄損の低い無方向性電磁鋼
    板。
  3. 【請求項3】 重量%で、C:0.005%以下、Si:3.0%
    超え4.5%以下、Mn:0.05〜1.5%、P:0.2%以下、
    N:0.005%以下(0を含む)、Al:0.1〜1.5%、Si+Al
    =4.5%以下、S:0.001%以下(0を含む)、Sb=0.001
    〜0.05%を含有し、残部が実質的にFeであり、板厚が0.
    1〜0.35mmの高周波鉄損の低い無方向性電磁鋼板。
  4. 【請求項4】 重量%で、C:0.005%以下、Si:3.0%
    超え4.5%以下、Mn:0.05〜1.5%、P:0.2%以下、
    N:0.005%以下(0を含む)、Al:0.1〜1.5%、Si+Al
    =4.5%以下、S:0.001%以下(0を含む)、Sb=0.001
    〜0.005%を含有し、残部が実質的にFeであり、板厚が
    0.1〜0.35mmの高周波鉄損の低い無方向性電磁鋼板。
  5. 【請求項5】 重量%で、C:0.005%以下、Si:3.0%
    超え4.5%以下、Mn:0.05〜1.5%、P:0.2%以下、
    N:0.005%以下(0を含む)、Al:0.1〜1.5%、Si+Al
    =4.5%以下、S:0.001%以下(0を含む)、Sn=0.002
    〜0.1%を含有し、残部が実質的にFeであり、板厚が0.1
    〜0.35mmの高周波鉄損の低い無方向性電磁鋼板。
  6. 【請求項6】 重量%で、C:0.005%以下、Si:3.0%
    超え4.5%以下、Mn:0.05〜1.5%、P:0.2%以下、
    N:0.005%以下(0を含む)、Al:0.1〜1.5%、Si+Al
    =4.5%以下、S:0.001%以下(0を含む)、Sn=0.002
    〜0.01%を含有し、残部が実質的にFeであり、板厚が0.
    1〜0.35mmの高周波鉄損の低い無方向性電磁鋼板。
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