JPH10324677A - Nos阻害作用を有する3環性複素環式化合物 - Google Patents

Nos阻害作用を有する3環性複素環式化合物

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JPH10324677A
JPH10324677A JP10075790A JP7579098A JPH10324677A JP H10324677 A JPH10324677 A JP H10324677A JP 10075790 A JP10075790 A JP 10075790A JP 7579098 A JP7579098 A JP 7579098A JP H10324677 A JPH10324677 A JP H10324677A
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JP10075790A
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English (en)
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Nagahisa Sekiguchi
修央 関口
Toshihiko Makino
俊彦 牧野
Toru Ezaki
徹 江崎
Takeshi Emura
岳 江村
Yasushi Kito
康 紀藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chugai Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Chugai Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れたnNOS阻害活性またはiNOS阻害
活性を有し、過剰なNO或いはNO代謝産物が関与して
いると考えられる種々の疾病の治療剤として有効な化合
物を提供すること。 【解決手段】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1は、任意の位置が低級アルキル基および/
またはハロゲン原子で置換されていてもよい、窒素原子
を1個以上有する3環性複素環基を表し;R2は、置換
基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していて
もよいピリジル基、一般式(2) 【化2】 (式中、R3はハロゲン原子または低級アルコキシ基ま
たは低級アルキルチオ基で置換されていてもよい低級ア
ルキル基を表すか、あるいは、NHR4、SR5、OR5
を表し;ここで、R4は、低級アルキル基、ニトロ基を
表し;R5は、低級アルキル基を表す。)で表される化
合物または、その可能な互変異性体、立体異性体、光学
活性体およびこれらの医薬として許容される塩。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、3環性複素環式化
合物、さらに詳しくは一酸化窒素合成酵素(nitri
c oxide synthase,NOS)阻害作用を
有し、一酸化窒素(nitric oxide,NO)
生成を抑制することにより、過剰なNO或いはNOの代
謝産物の関与が考えられている脳血管障害(脳出血、く
も膜下出血、脳梗塞[アテローム血栓性梗塞、ラクナ梗
塞、心原性塞栓症]、一過性脳虚血発作、脳浮腫)、頭
部外傷、脊椎損傷、痛み(頭痛[片頭痛、緊張型頭痛、
群発性頭痛、慢性発作頭痛])、パーキンソン氏病、ア
ルツハイマー病、痙攣、モルヒネ耐性や依存、敗血症シ
ョック、慢性関節リウマチ、変形性関節症、ウイルス性
または非ウイルス性感染症、糖尿病に対して有用な一般
式(1)で表される化合物またはその可能な互変異性
体、立体異性体、光学活性体およびこれらの医薬として
許容される塩とこれらを有効成分として含有することを
特徴とする予防及び治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】本邦における脳血管障害による死亡数は
急性期治療の向上に伴い1970年を境に減少に転じた
が、成人病の死亡原因としては未だ癌に次ぎ2位であ
る。一方、発症率に関しては多くの統計結果から変化は
ないと考えられ、世界に類を見ない今後の高齢化を考え
れば患者数はむしろ増加していくと推測される。死亡率
の低下と高齢化は慢性期脳血管障害の増加を生み、この
ことは患者個人及び社会的な面からは勿論、長期療養に
伴う医療経済性の面からも国家的な問題となっている。
脳血管障害のうち大部分を占める脳梗塞では、脳動脈の
閉塞により閉塞部位から末梢側で乏血を起こし虚血状態
となる。脳梗塞の慢性期症状は神経細胞の脱落に起因す
るものが殆どであり、これらの症状を完全に回復させる
治療薬あるいは治療方法の確立は困難を極めるものと考
えられる。従って、脳梗塞に対する治療成績の向上は如
何に神経細胞の保護を目的とした急性期の治療を実施す
るか、急性期にどこまで症状の改善が行えるのかにかか
っていると言っても過言ではない。しかしながら、現在
臨床で用いられている治療薬は、抗血小板薬、抗凝固
薬、血栓溶解薬等であり、これらは直接神経保護作用を
有するものではない(峰松一夫ら「medicina」
(医学書院)32,1995; 水澤英洋ら「内科」(南
江堂)79,1997)。従って、脳血管障害、とりわ
け脳梗塞に対する治療法として、従来の治療薬とは作用
機序の異なる、全く新しい作用機序の薬剤を開発するこ
とが望まれる。
【0003】NOSのアイソフォームは少なくとも三種
類存在するという説が、遺伝子解析から現在のところ有
力である。即ち、神経細胞中に構成的に存在しカルシウ
ム依存性であるnNOS(タイプ1)、血管内皮細胞中
に構成的に存在しカルシウム依存性であるeNOS(タ
イプ3)、そしてマクロファージやその他多くの細胞で
サイトカインや生体内微量毒素(lipopolysa
ccharide,LPS)刺激により誘導合成され
て、見かけ上はカルシウム非依存性であるiNOS(タ
イプ2)である(Nathan et al.,FAS
EB J.16,3051−3064,1992;Na
gafuji et al.,Mol.Chem.Ne
uropathol.26,107−157,199
5)。
【0004】脳虚血に伴う脳組織障害の有力な機序とし
て、細胞外グルタミン酸濃度の上昇、シナプス後部に存
在するグルタミン酸受容体の異常な活性化、細胞内カル
シウム濃度の上昇、カルシウム依存性酵素の活性化とい
う一連の経路が提唱されている(Siesjoe,J.
Cereb.Blood Flow Metab.1,
155−185,1981;Siesjoe,J.Ne
urosurg.60,883−908,1984;C
hoi,Trends Neurosci.11,46
5−469,1988; Siesjoe and B
engstsson,J.Cereb.Blood F
low Metab.9,127−140,198
9)。前述した様に、nNOSはカルシウム依存性であ
るので、このタイプのNOSアイソフォームの異常な活
性化を阻害することが、NOS阻害剤による神経細胞の
保護作用を発揮しているものと考えられている(Daw
sonet al.,Annals Neurol.3
2,297−311,1992)。事実、nNOSのm
RNA量とnNOS含有神経細胞数はラット局所脳虚血
後早期から増大し始め、その経時変化は梗塞巣出現のそ
れと一致する(Zhanget al.,Brain
Res.654,85−95,1994)。また、マウ
ス局所脳虚血モデルに於いて、少なくとも梗塞巣縮小作
用が認められるNG−nitro−L−arginin
e(L−NA)の用量範囲ではnNOS活性の阻害率と
梗塞巣の縮小率は相関する(Carreau et a
l.,Eur.J.Pharmacol.256,24
1−249,1994)。さらに、nNOSノックアウ
トマウスでは、局所脳虚血後に観察される梗塞巣の体積
が対照と比較して有意に小さいことが報告されている
(Huang et al.,Science 26
5,1883−1885,1994)。
【0005】一方、NOは、血管内皮由来弛緩因子(e
ndothelium−derived relaxi
ng factor,EDRF)の少なくとも一つの本
体であるため、血管の張力と血流量の調節に関与してい
ると考えられている(Moncada et al.,
Pharmacol.Rev.43,109―142,
1991)。事実、ラットにL―NAを高用量投与する
と、用量依存的に体血圧の上昇とともに脳血流量の低下
が観察される(松居徹ら,実験医学,11,55―6
0,1993)。脳には、一定範囲の体血圧の変動にか
かわらず脳血流量を一定に維持する機構(「自己調節機
構」と一般に呼ばれている)が備わっている(佐野圭司
監修「脳卒中実験ハンドブック」アイピーシー,24
7―249,1990)。松居らの報告は、この「自己
調節機構」が作動しなくなっていることを示唆するもの
である。従って、脳虚血時に、特にeNOSをある程度
以上に阻害すると脳血管を収縮し、脳血流量を低下さ
せ、微小循環動態が悪化し、最終的には虚血病変が拡大
することが考えられる。また、eNOSノックアウトマ
ウスでは、局所脳虚血後に観察される梗塞巣は対照と比
較して大きく、これは、L−NAの投与で有意に縮小さ
れたという(Huang et al.,J.Cere
b.Blood Flow Metab.16,981
−987,1996)。これらの報告は、eNOS由来
のNOは、恐らくは血管拡張作用や血小板凝集抑制作用
等を介して脳組織に保護的に働くことを示している。
【0006】これまでに、本発明者らは、NOSの阻害
剤として知られ既知物質であるL−NAが、実験的脳虚
血後に発生する脳浮腫、脳梗塞(Nagafuji e
tal.,Neurosci.Lett.147,15
9−162,1992;特開平6―192080号公
報)、神経細胞壊死(Nagafuji et a
l.,Eur.J.Pharmacol.Env.To
x.248,325−328,1993)を改善する作
用を有することを見い出した。一方で、比較的高用量の
NOS阻害剤は、虚血性脳損傷に対して無効、あるいは
かえって増悪させることも報告されている(Iadec
ola et al.,J.Cereb.Blood
Flow Metab.14,175−192,199
4;長藤寿昭,松居徹,実験医学,13,127―13
5,1995;Nagafuji et al.,Mo
l.Chem.Neuropathol.26,107
―157,1995)。しかしながら、永久あるいは一
時的な脳虚血モデルにおいて、脳内や血中のNOあるい
はNO関連代謝産物の変化を報告した論文の結果は、す
べて一致して増大していることも事実である(長藤寿
昭,松居徹,実験医学,13,127―135,199
5;Nagafuji et al.,Mol.Che
m.Neuropathol.26,107―157,
1995)。
【0007】脳虚血モデルに対するNOS阻害剤の効果
について、相反する報告がなされている理由として、使
用したNOS阻害剤の、nNOSに対する選択性の低さ
が考えられる。事実、L―NAやNG−nitro−L
−arginine methyl ester(L―
NAME)を始めとする既存のNOS阻害剤の中には、
特定のNOSアイソフォームに高い選択的阻害作用を有
するものは存在しない(Nagafuji et a
l.,Neuroreport 6,1541―154
5,1995;Nagafuji et al.,Mo
l.Chem.Neuropathol.26,107
―157,1995)。従って、虚血性脳血管障害治療
剤としては、nNOSに対して選択的な阻害作用を有す
るものが望ましいと考えられる。(Nowicki e
t al.,Eur.J.Pharmacol.20
4,339―340,1991;Dawson et
al.,Proc.Natl.Acad.Sci.US
A 88,6368―6371,1991;Iadec
ola et al.,J.Cereb.BloodF
low Metab.15,52−59,1995;I
adecola etal.,J.Cereb.Blo
od Flow Metab.15,378−384,
1995;長藤寿昭,松居徹,実験医学,13,127
―135,1995;Nagafuji et a
l.,Mol.Chem.Neuropathol.2
6,107―157,1995)。
【0008】なお、nNOS阻害剤には、頭部外傷(O
ury et al.,J.Biol.Chem.26
8,15394−15398,1993;MacKen
zie et al.,Neuroreport 6,
1789−1794,1995;Mesenge et
al.,J.Neurotrauma.13,11−
16,1996;Wallis et al.,Bra
in Res.,710,169−177,199
6)、頭痛や痛み(Moore et al.,Br.
J.Pharmacol.102,198−202,1
991;Olesen.,Trends Pharma
col.15,149−153,1994)、パーキン
ソン氏病(Youdim et al.,Advace
s Neurol.60,259−266,1993;
SchulZ et al.,J.Neuroche
m.64,936−939,1995;Hantray
e etal.,Nature medicine
2,1017−1021,1996)、アルツハイマー
病(Hu and EI−FaKahany,Neur
oreport 4,760−762,1993;Me
da et al.,Nature 374,647−
650,1995)、痙攣(Rigaud−Monne
t et al.,J.Cereb.Blood Fl
ow Metab.14,581−590;199
4)、モルヒネ耐性や依存(Kolesnikov e
t al.,Eur.J.Pharmacol.22
1,399−400,1992;Cappendijk
et al.,Neurosci Lett.16
2,97−100,1993)に対する治療剤としての
可能性も示唆されている。
【0009】一方、ある種のサイトカインやLPSによ
り、マクロファージやグリア細胞等の免疫担当細胞やそ
の他の細胞中にiNOSが誘導合成され、発生する大量
のNOが血管を拡張し致命的な血圧低下を招くため、i
NOS阻害剤は敗血症ショックに有効ではないかと考え
られている(Kilbourn and Griffi
th,J.Natl.Cancer Inst.84,
827−831,1992;Cobb et al.,
Crit.Care Med.21,1261−126
3,1993;Lorente et al.,Cri
t.CareMed.21,1287−1295,19
93)。さらに、iNOS阻害剤は、慢性関節リウマチ
や変形関節症(Farrell et al.,An
n.Rheum.Dis.51,1219―1222,
1992;Hauselmannet al.,FEB
S Lett.352,361―364,1994;I
slante et al.,Br.J.Pharma
col.110,701―706,1993)、ウイル
ス性または非ウイルス性感染症(Zembvitz a
nd Vane,Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA 89,2051―2055,1992;K
oprowski et al.,Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA 90,3024―30
27,1993)、糖尿病(Kolb et al.,
Life Sci.PL213―PL217,199
1)に対する治療剤として有用であることが示唆されて
いる。
【0010】これまでに、nNOSに対してある程度選
択性を示すNOS阻害剤として、NG−cyclopr
opyl−L−arginine(L−CPA)(La
mberte et al.,Eur.J.Pharm
acol.216,131−134,1992)、L−
NA(Furfine et al.,Bioche
m.32,8512−8517,1993)、S−me
thyl−L−thiocitrulline(L―M
IN)(Narayanan and Griffit
h,J.Med.Chem.37,885−887,1
994;Furfine et al.,J.Bio
l.Chem.37,885−887,1994;Fu
rfine et al.,J.Biol.Chem.
269,26677−26683,1994;WO95
/09619号公報;Narayanan et a
l.,J.Biol.Chem.270,11103―
11110,1995;Nagafuji et a
l.,Neuroreport 6,1541―154
5,1995)、S−ethyl−L−thiocit
rulline(L―EIN)(Furfine et
al.,J.Biol.Chem.269,2667
7−26683,1994;WO95/09619号公
報;Narayanan et al.,J.Bio
l.Chem.270,11103―11110,19
95)、ARL17477(Gentile et a
l.,WO95/05363号公報;Zhang et
al.,J.Cereb. Blood Flow
Metab.,16,599−604,1996)が報
告されている。また、iNOSに対してある程度選択性
を示す阻害剤として、NG―iminoethyl―L
―ornithine(L―NIO)(McCall
etal.,Br.J.Pharmacol.102,
234―238,1991)、aminoguanid
ine(AG)(Griffith et al.,B
r.J.Pharmacol.110,963―96
8,1993;Hasan et al.,Eur.
J.Pharmacol.249,101−106,1
993)等が報告されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、脳内
の主に神経細胞中に構成的に存在しカルシウム依存性で
あるnNOS、あるいは、誘導型で、見かけ上カルシウ
ム非依存性であるiNOSに対して阻害作用を有する、
脳血管障害(脳出血、くも膜下出血、脳梗塞[アテロー
ム血栓性梗塞、ラクナ梗塞、心原性塞栓症]、一過性脳
虚血発作、脳浮腫)、頭部外傷、脊椎損傷、痛み(頭痛
[片頭痛、緊張型頭痛、群発性頭痛、慢性発作頭痛])、
パーキンソン氏病、アルツハイマー病、痙攣、モルヒネ
耐性や依存、敗血症ショック、慢性関節リウマチ、変形
性関節症、ウイルス性または非ウイルス性感染症、糖尿
病に対する治療剤として有用な新規化合物を提供するこ
とにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、一般式(1)
【0013】
【化4】
【0014】(式中、R1は、任意の位置が低級アルキ
ル基および/またはハロゲン原子で置換されていてもよ
い、窒素原子を1個以上有する3環性複素環基を表し;
2は、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基
を有していてもよいピリジル基、一般式(2)
【0015】
【化5】
【0016】(式中、R3はハロゲン原子または低級ア
ルコキシ基または低級アルキルチオ基で置換されていて
もよい、低級アルキル基を表すか、あるいは、NH
4、SR5、OR5を表し;ここで、R4は、低級アルキ
ル基、ニトロ基を表し;R5は、低級アルキル基を表
す。)で表される基を表す。)で表される3環性複素環
式化合物、またはその可能な互変異性体、立体異性体、
光学活性体およびこれらの医薬として許容される塩が、
nNOSあるいはiNOSに対する阻害作用を有し、脳
血管障害治療剤(特に閉塞性脳血管障害の治療剤)とし
て著明な効果を示すことを見い出し、本発明を完成する
に至った。本発明において、窒素原子を1個以上有する
3環性複素環基とは、本発明の目的を達成することがで
きるあらゆる3環性の複素環基を意味し、構成する環が
単結合もしくは二重結合により結合したもの(連結
型)、構成する環の2もしくは3個が互いに縮合したも
の(縮合型)、構成する環の2もしくは3個がスピロ結
合したもの(スピロ結合型)、および、これらが組み合
わされたもの(複合型)などが含まれる。なかでも、縮
合型のものが好ましく、これに含まれるものとしては、
以下の一般式(3)〜(20)で表されるものが挙げら
れる。
【0017】
【化6】
【0018】(式中、nは0から2の整数を表す。) 一般式(3)から(20)で表される基において、環を
形成している任意の原子が窒素原子および/または酸素
原子および/または硫黄原子で置換されていてもよく、
任意の隣接する原子間で不飽和結合を形成していてもよ
い。したがって、例えば、一般式(4)で表される基と
しては、以下に示す構造で表される基が挙げられる。
【0019】
【化7】
【0020】
【化8】
【0021】また、一般式(3)および一般式(5)か
ら(20)についても各々、同様に種々の3環性複素環
基を含むものである。
【0022】低級アルキル基とは、直鎖の炭素数1から
6のアルキル基、分岐または環状の炭素数3から8のア
ルキル基を表し、例えば、メチル基、エチル基、n―プ
ロピル基、n―ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシ
ル基、i―プロピル基、i―ブチル基、sec―ブチル
基、tert―ブチル基、i−ペンチル基、ネオペンチ
ル基、tert−ペンチル基、i−ヘキシル基、シクロ
プロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シク
ロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基な
どが挙げられる。低級アルコキシ基とは、直鎖の炭素数
1から6のアルコキシ基、分岐または環状の炭素数3か
ら8のアルコキシ基を表し、例えば、メトキシ基、エト
キシ基、n―プロポキシ基、n―ブトキシ基、n−ペン
トキシ基、n−ヘキソキシ基、i―プロポキシ基、i―
ブトキシ基、sec―ブトキシ基、tert―ブトキシ
基、i−ペントキシ基、ネオペントキシ基、tert−
ペントキシ基、i−ヘキソキシ基、シクロプロポキシ
基、シクロブトキシ基、シクロペントキシ基、シクロヘ
キソキシ基、シクロヘプトキシ基、シクロオクトキシ基
などが挙げられる。
【0023】低級アルキルチオ基とは、直鎖の炭素数1
から6のアルキルチオ基、分岐または環状の炭素数3か
ら8のアルキルチオ基を表し、例えば、メチルチオ基、
エチルチオ基、n―プロピルチオ基、n―ブチルチオ
基、n−ペンチルチオ基、n−ヘキシルチオ基、i―プ
ロピルチオ基、i―ブチルチオ基、sec―ブチルチオ
基、tert―ブチルチオ基、i−ペンチルチオ基、ネ
オペンチルチオ基、tert−ペンチルチオ基、i−ヘ
キシルチオ基、シクロプロピルチオ基、シクロブチルチ
オ基、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基、
シクロヘプチルチオ基、シクロオクチルチオ基などが挙
げられる。置換基を有していてもよいフェニル基、置換
基を有していてもよいピリジル基における置換基とは、
ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、カル
ボキシル基、水酸基、ハロゲン原子で置換されていても
よい低級アルキル基、ハロゲン原子で置換されていても
よい低級アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていて
もよい低級アルキルチオ基、低級アルコキシカルボニル
基、低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ基が
挙げられる。
【0024】低級アルコキシカルボニル基とは、アルキ
ル部分が直鎖の炭素数1から6のアルキル基であるアル
コキシカルボニル基、アルキル部分が分岐または環状の
炭素数3から8のアルキル基であるアルコキシカルボニ
ル基を表し、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシ
カルボニル基、n―プロポキシカルボニル基、n―ブト
キシカルボニル基、n−ペントキシカルボニル基、n−
ヘキソキシカルボニル基、i―プロポキシカルボニル
基、i―ブトキシカルボニル基、sec―ブトキシカル
ボニル基、tert―ブトキシカルボニル基、i−ペン
トキシカルボニル基、ネオペントキシカルボニル基、t
ertーペントキシカルボニル基、i−ヘキソキシカル
ボニル基、シクロプロポキシカルボニル基、シクロブト
キシカルボニル基、シクロペントキシカルボニル基、シ
クロヘキソキシカルボニル基、シクロヘプトキシカルボ
ニル基、シクロオクトキシカルボニル基などが挙げられ
る。低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ基と
は、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ
基、ジメチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、ピロリ
ジニル基、ピペリジノ基、などが挙げられる。
【0025】置換基を有していてもよいフェニル基と
は、置換基を1から5個有していてもよいフェニル基を
表し、例えば、フェニル基、2−フルオロフェニル基、
3−ニトロ−4−シアノフェニル基、2−ホルミル−3
−メチルフェニル基、2−カルボキシル−4−メチルチ
オフェニル基、2−ニトロ−5−メトキシフェニル基、
2−ブロモ−6−n−プロピルフェニル基、3−メトキ
シカルボニル−4−ヒドロキシフェニル基、3−クロロ
−5−エトキシフェニル基、2−メチルアミノ−3−n
−プロピルチオ−4−メチルフェニル基、2−n−プロ
ピルオキシカルボニル−4−フルオロ−5−エチルアミ
ノフェニル基、2−ピロリジノ−3−i−プロピル−6
−ニトロフェニル基、2−シアノ−4−i−プロポキシ
−6−ピペリジノフェニル基、3−ホルミル−4−メチ
ル−5−トリフルオロメトキシフェニル基、2−フルオ
ロ−3−ニトロ−4−トリフルオロメチル−5−メトキ
シフェニル基、2−クロロ−3−エチル−4−メチルチ
オ−6−メトキシカルボニルフェニル基、2−ニトロ−
3−メトキシ−4−メチル−5−アミノ−6−フルオロ
フェニル基などが挙げられる。
【0026】置換基を有していてもよいピリジル基と
は、置換基を1から4個有していてもよいピリジル基を
表し、例えば、2−ピリジル基、2−(3−フルオロピ
リジル)基、2−(4−メチルピリジル)基、2−(5
−シアノピリジル)基、2−(6−ホルミルピリジル)
基、2−(3−カルボキシル−4−メトキシピリジル)
基、2−(3−アミノ−5−ヒドロキシピリジル)基、
2−(3−ニトロ−6−メトキシピリジル)基、2−
(4−メチルチオ−5−n−プロピルピリジル)基、2
−(4−エチル−6−メトキシカルボニルピリジル)
基、2−(5−トリフルオロメトキシ−6−アミノメチ
ルピリジル)基、2−(3−トリフルオロメチル−4−
エトキシ−5−メチルピリジル)基、2−(3−シアノ
−4−エチルチオ−6−トリフルオロメトキシピリジ
ル)基、2−(4−ヒドロキシ−5−シアノ−6−トリ
フルオロメチルチオピリジル)基、2−(3−フルオロ
−4−メトキシ−5−メチル−6−エチルアミノピリジ
ル)基、3−ピリジル基、3−(2−トリフルオロメチ
ルピリジル)基、3−(4−ヒドロキシピリジル)基、
3−(5−メトキシカルボニルピリジル)基、3−(6
−ニトロピリジル)基、3−(2−メチルアミノ−4−
メチルピリジル)基、3−(2−アミノ−5−メチルチ
オピリジル)基、3−(2,6−ジメトキシピリジル)
基、3−(4−メチルチオ−5−トリフルオロメトキシ
ピリジル)基、3−(4−メトキシ−6−トリフルオロ
メチルチオピリジル)基、3−(5−ニトロ−6−メト
キシピリジル)基、3−(2−ホルミル−4−エチルチ
オ−5−エトキシピリジル)基、3−(2−アミノ−4
−クロロ−6−メトキシピリジル)基、3−(2−フル
オロ−4−アミノ−5−クロロ−6−フルオロピリジ
ル)基、4−ピリジル基、4−(2−メチルピリジル)
基、4−(3−クロロピリジル)基、4−(2−ホルミ
ル−3−ヒドロキシピリジル)基、4−(2−メトキシ
−5−ニトロピリジル)基、4−(2−アミノ−6−ク
ロロピリジル)基、4−(3−カルボキシル−5−シア
ノピリジル)基、4−(2−ヒドロキシ−3−シアノ−
5−トリフルオロメチルピリジル)基、4−(2,6−
ジメトキシ−3−エトキシカルボニルピリジル)基、4
−(2,6−ジクロロ−3,5−ジシアノピリジル)基
などが挙げられる。
【0027】R1としては、一般式(3)で表される基
が好ましく、特に7−(1,2,3,3a,4,5−ヘ
キサヒドロピロロ[1,2−a]キナゾリニル)基が好
ましい。R2としては、一般式(2)で表される基が好
ましく、特に、Sーエチルチオイミジル基が好ましい。
一般式(1)で表される化合物としては、7−(S−エ
チルイソチオウレイド)−1,2,3,3a,4,5−
ヘキサヒドロピロロ[1,2−a]キナゾリンが好まし
い。NOS阻害作用を有するとは、nNOSあるいはi
NOSの活性を阻害することをいい、具体的には、例え
ば、後述する試験例記載の方法で、NOS活性を阻害す
ることをいう。特に、nNOSあるいはiNOSのIC
50値(50%活性阻害に必要な濃度)が10μM以下で
あることが好ましい。
【0028】
【発明の実施の形態】一般式(1)で表される本発明化
合物は、商業的に入手可能または、文献記載の式(2
1)で表される化合物を出発原料とし、R2の種類によ
って合成方法が異なり、例えば以下のようにして合成す
ることができる。
【0029】
【化9】
【0030】ただし、上記式(21)から(39)にお
いて、R1は、任意の位置が低級アルキル基および/ま
たはハロゲン原子で置換されていてもよい、窒素原子を
1個以上有する3環性複素環基を表し、R5は、低級ア
ルキル基を表し、R6は、置換基有していてもよいフェ
ニル基、置換基を有していてもよいピリジル基を表し、
7は、ハロゲン原子または低級アルコキシ基または低
級アルキルチオ基で置換されていてもよい低級アルキル
基を表し、R8は、tert−ブチル基、ベンジル基を
表し、Lは、ハロゲン原子、トリフルオロメタンスルホ
ニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基、メタ
ンスルホニルオキシ基等の脱離基を表す。式(1)で表
される化合物のうちR2がR6である、式(23)で表さ
れる化合物は、式(21)で表される化合物を出発原料
として、式(22)で表される化合物と反応させ、合成
することができる。
【0031】式(21)で表される化合物と式(22)
で表される化合物を、炭酸カリウム、トリエチルアミ
ン、ナトリウム−tert−ブトキシド、カリウム−t
ert−ブトキシド等の塩基存在下、必要ならば銅、パ
ラジウム等の金属触媒を添加し、反応に影響を及ぼさな
い溶媒中、例えばメタノール、エタノール、i−プロパ
ノール等のアルコール類、または、ジメチルホルムアミ
ド、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、トルエン、
ジオキサン中、好ましくはトルエン中で、室温から反応
混合物の沸点までの温度、好ましくは80℃で反応さ
せ、式(23)で表される化合物を得る。式(1)で表
される化合物のうちR2が式(2)
【0032】
【化10】
【0033】(式中、R3は、ハロゲン原子または低級
アルコキシ基または低級アルキルチオ基で置換されてい
てもよい低級アルキル基を表す。)である、すなわち、
式(26)で表される化合物(式中、R7は前記R3と同
一のものを意味する。)は、式(21)で表される化合
物を出発原料として、式(25)で表される化合物を経
由し、合成することができる。
【0034】式(21)で表される化合物と式(24)
で表される化合物を4−ジメチルアミノピリジン存在
下、または非存在下、反応に影響を及ぼさない溶媒中、
例えばメタノール、エタノール、i−プロパノール等の
アルコール類、またはクロロホルム、塩化メチレン、
1,2−ジクロロエタン、トルエン、ジメチルホルムア
ミド中、好ましくは塩化メチレン中、0℃から反応混合
物の沸点までの温度、好ましくは室温で反応させ、式
(25)で表される化合物を得る。得られた式(25)
で表される化合物のCOOR8で表されるアミジノ基の
保護基を、通常の条件で脱保護することにより、式(2
6)で表される化合物を得る。アミジノ基の保護基の脱
保護反応は、例えば保護基がtert−ブトキシカルボ
ニル基の場合、反応に影響を及ぼさない溶媒中、例えば
メタノール、エタノール、1,4−ジオキサン中または
無溶媒で0℃から室温でトリフルオロ酢酸、塩酸、硫
酸、メタンスルホン酸等の脱保護剤を用いて行うのが好
ましく、特に無水条件下、室温でトリフルオロ酢酸を用
いるのが好ましい。また、例えば保護基がベンジルオキ
シカルボニル基の場合、接触還元反応に付し、脱保護を
行う。
【0035】接触還元反応は、触媒として、パラジウム
−炭素、ラネーニッケルまたは酸化白金を用い、反応に
影響を及ぼさない溶媒中、例えばエタノール、メタノー
ル、酢酸エチル、酢酸、1,4−ジオキサン中、好まし
くはエタノールまたはメタノール中、水素雰囲気下、も
しくは、ギ酸アンモニウム、水素化ホウ素ナトリウム等
の水素源存在下、室温から反応混合物の沸点までの温
度、好ましくは室温で行うことができる。式(1)で表
される化合物のうちR2が式(2)
【0036】
【化11】
【0037】(式中、R3は、NHR5を表し;ここで、
5は、低級アルキル基を表す。)である、すなわち、
式(30)で表される化合物は、式(21)で表される
化合物を出発原料として、式(27)、式(28)で表
される化合物を経由するか、式(32)で表される化合
物を経由することにより、合成することができる。式
(21)で表される化合物を炭酸カルシウム、炭酸カリ
ウム等の無機塩基または、トリエチルアミン、4−ジメ
チルアミノピリジン等の有機塩基存在下、クロロホル
ム、塩化メチレン、水、ジメチルホルムアミド等の反応
に影響を及ぼさない溶媒中、0℃から反応混合物の沸点
までの温度、好ましくは4−ジメチルアミノピリジン存
在下、塩化メチレン中、室温で、チオホスゲンと反応さ
せた後、濃アンモニア水または飽和アンモニア−メタノ
ール溶液で処理して、式(27)で表される化合物を得
る。また、式(27)で表される化合物は、式(21)
で表される化合物を反応に影響を及ぼさない溶媒中、例
えばアセトン中、塩化ベンゾイルおよびチオシアン酸ア
ンモニウムと室温から反応混合物の沸点までの温度、好
ましくは室温で反応させた後、10%水酸化ナトリウム
水溶液と加熱還流することによっても得られる。
【0038】つぎに、式(27)で表される化合物を
C.A.Maryanoffらの方法(J.Org.C
hem.51,1882−1884,1986)に従っ
て、式(28)で表される化合物に変換した後、式(2
9)で表されるアミンと反応することによって、式(3
0)で表される化合物を得る。また、式(21)で表さ
れる化合物をM.A.Possらの方法(Tetrah
edron Lett.33,5933−5936,1
992)に従って、式(31)で表される化合物と反応
させ、式(32)で表される化合物を得た後、tert
−ブトキシカルボニル保護基を脱保護し、式(30)で
表される化合物を得る。式(1)で表される化合物のう
ちR2が式(2)
【0039】
【化12】
【0040】(式中、R3は、NHNO2を表す。)であ
る、すなわち、式(33)で表される化合物は、式(2
1)で表される化合物を出発原料とし、以下のようにし
て合成することができる。式(21)で表される化合物
を、アセトニトリル、エタノール、メタノール、水等の
反応に影響を及ぼさない溶媒中、好ましくはアセトニト
リル中、室温から反応混合物の沸点までの温度、好まし
くは室温で、必要に応じてトリエチルアミンや酢酸を加
え、N−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジ
ンと反応させることにより、式(33)で表される化合
物を得る。式(1)で表される化合物のうちR2が式
(2)
【0041】
【化13】
【0042】(式中、R3は、SR5を表し;ここで、R
5は、低級アルキル基を表す。)である、すなわち、式
(35)で表される化合物は、式(27)で表される化
合物を出発原料として、式(34)と反応させることに
より合成することができる。また、式(21)で表され
る化合物を出発原料として、式(37)で表される化合
物を経由し、合成することもできる。式(27)で表さ
れる化合物を、式(34)で表される化合物と、アセト
ニトリル、アセトン、1,4−ジオキサン、メタノー
ル、エタノール等の反応に影響を及ぼさない溶媒中、室
温から反応混合物の沸点までの温度で、好ましくは、ア
セトニトリル中、反応混合物を加熱還流して、式(3
5)で表される化合物を得る。
【0043】また、式(21)で表される化合物を、ア
セトニトリル、ジメチルホルムアミド等の反応に影響を
及ぼさない溶媒中、好ましくはアセトニトリル中、0℃
から室温までの温度、好ましくは室温で、1−エチル−
3−(3−ジメチルアミノププロピル)カルボジイミド
の塩酸塩や塩化2−クロロ−1−メチルピリジニウム等
の適当な縮合剤存在下、式(36)で表される化合物と
反応させることにより、式(37)で表される化合物を
得る。得られた式(37)で表される化合物のCOOR
8で表されるイソチオウレア基の保護基を、アミジノ基
の保護基の脱保護反応と同様の条件で脱保護することに
より、式(35)で表される化合物を得る。式(1)で
表される化合物のうちR2が式(2)
【0044】
【化14】
【0045】(式中、R3は、OR5を表し;ここで、R
5は、低級アルキル基を表す。)である、すなわち、式
(39)で表される化合物は、式(21)で表される化
合物を出発原料とし、以下のようにして合成することが
できる。式(21)で表される化合物を、臭化シアンお
よび式(38)で表される各種アルコールと0℃から反
応混合物の沸点までの温度、好ましくは室温で反応さ
せ、式(39)で表される化合物を得る。また、式
(1)で表される化合物は、はじめに式(1)で表され
る化合物の部分構造(NHR2)を構築した後、R1に相
当する3環性複素環を形成することによって、合成する
ことができる。
【0046】上記式(23)、式(26)、式(2
7)、式(28)、式(30)、式(32)、式(3
3)、式(35)、式(37)、式(39)で表される
化合物の合成過程において、保護基が必要な置換基が存
在する場合は、その置換基の種類に応じて保護反応およ
び脱保護反応を行う。保護反応および脱保護反応は、基
本的に、Greene and Wuts.”PROT
ECTING GROUPSIN ORGANIC S
YNTHESIS”2nd Edition.John
Wiley & Inc.記載の方法で行うことがで
きる。例えば保護基が必要な置換基が、1級または2級
アミノ基である場合は、保護基として、例えば、ter
t−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル
基、トリフルオロアセチル基等が挙げられる。
【0047】アミノ基の保護反応は、例えばtert−
ブチルカルボニル化は、反応に影響を及ぼさない溶媒
中、例えばメタノール、エタノール、i−プロパノール
等のアルコール類、または塩化メチレン、ジメチルホル
ムアミド、1,4−ジオキサン中、トリエチルアミン、
4−ジメチルアミノピリジン等の有機塩基存在下、二炭
酸ジ−tert−ブチルと0℃から室温で反応させるこ
とにより行うことができる。例えば、ベンジルオキシカ
ルボニル化は、反応に影響を及ぼさない溶媒中、例えば
塩化メチレン中、トリエチルアミン、4−ジメチルアミ
ノピリジン等の有機塩基の存在下、クロロ炭酸ベンジル
と0℃から室温で行うことができる。例えばトリフルオ
ロアセチル化は、反応に影響を及ぼさない溶媒中、例え
ば塩化メチレン中、トリエチルアミン、ピリジン等の有
機塩基存在下、無水トリフルオロ酢酸と0℃から室温で
反応させることにより行うことができる。アミノ基の脱
保護反応は、例えば保護基がtert−ブトキシカルボ
ニル基やベンジルオキシカルボニル基の場合、アミジノ
基の保護基の脱保護反応と同様の条件で行うことができ
る。例えば保護基がトリフルオロアセチル等の場合、メ
タノール中、室温で炭酸カリウムと反応させることや塩
酸中、60℃にて加温し、反応させることにより脱保護
反応を行うことができる。
【0048】一般式(1)で表される本発明化合物中、
その構造中に不斉炭素を有しているものは、それらの純
粋な立体異性体および光学活性体は当該分野において公
知の方法、例えば、光学異性体分離カラムによるクロマ
トグラフ法や分別結晶を適用して得ることができる。一
般式(1)で表される本発明化合物の医薬として許容さ
れる塩は、医薬上許容し得る塩であれば特に制限は無い
が、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸、ヨウ化水
素酸等との無機酸塩、蟻酸、酢酸、フマル酸、酒石酸等
との有機酸塩、ナトリウム、カリウム等とのアルカリ金
属塩、カルシウム、マグネシウム等とのアルカリ土類金
属塩等が挙げられる。本発明化合物またはその塩は、適
当な賦形剤、補助剤、滑沢剤、防腐剤、崩壊剤、緩衝
剤、結合剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、着色剤、風味剤
または芳香剤等を加えて、錠剤、顆粒剤、細粒剤、散
剤、カプセル剤、シロップ剤、エリキシル剤、懸濁剤・
乳剤、注射剤等の形態にして、経口または非経口的に投
与することができる。脳血管障害の超急性期(発作直
後)、急性期(発作〜2、3日まで)、亜急性期(発作
後2、3日〜2週間後)では、主として筋肉注射もしく
は静脈注射で投与することが予想される。さらに、慢性
期(発作後第3週以降)において経口摂取可能であれ
ば、経口投与も考えられる。
【0049】本発明化合物またはその塩の投与量は、患
者の体型、年齢、体調、疾患の度合い、発症後の経過時
間等により、適宜選択することができるが、1日当たり
0.1〜10mg/bodyと予想される。なお、一般
的に同用量を投与しても患者により血中濃度が大きく異
なることがあるため、薬剤の血中濃度をモニターしなが
ら患者毎に薬剤の至適用量を決定することが理想的であ
る。内服剤として製剤化する場合は、例えば製剤用担体
としては、乳糖、ショ糖、ソルビット、マンニット、ジ
ャガイモデンプンまたはトウモロコシデンプン等のデン
プンまたはデンプン誘導体、セルロース誘導体もしくは
ゼラチンの様な通常使用し得る助剤が適当であり、同時
に例えばステアリン酸マグネシウム、カルボワックスま
たはポリエチレングリコールの様な滑沢剤を添加するこ
とができ、これらの混合物を常法により、顆粒剤、錠
剤、カプセル剤等にすることができる。水性製剤として
製剤化する場合は、例えば注射用蒸留水に有効量の主成
分を溶解し、必要に応じて、抗酸化剤、安定剤、溶解補
助剤、緩衝剤、保存剤等を加え、完全に溶解した後、常
法によりろ過、充填、密封し、高圧蒸気滅菌法、乾熱滅
菌法等により滅菌して注射剤を調製することができる。
凍結乾燥剤として製剤化する場合は、注射用蒸留水に主
成分を溶解した水溶液を常法により凍結乾燥してもよ
く、また必要に応じて、凍結乾燥の行いやすい賦形剤と
して、マンニトール、イノシトール、ラクトース、マル
トース、スクロース等の糖または糖アルコール類あるい
はグリシン等を添加して常法通り凍結乾燥を行い、調製
することができる。
【0050】本発明に含まれる化合物としては、表1〜
表3に例示される化合物を挙げることができる。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】
【実施例】以下に本発明の化合物の製造について実施例
に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの
例によって何ら制限されるものではない。また、本発明
の有用性を示すために、一般式(1)で示される化合物
の各種NOSに対する阻害作用に関する試験結果を試験
例に示す。
【0055】
【実施例1】7−(S−エチルイソチオウレイド)−1,2,3,3
a,4,5−ヘキサヒドロピロロ[1,2−a]キナゾ
リン・二トリフルオロ酢酸塩の合成
【0056】実施例1aN−(2−(4,4−ジメトキシブチルアミノ)−5−
ニトロフェニルメチル)カルバミン酸tert−ブチル
エステルの合成 N−(2−フルオロ−5−ニトロフェニルメチル)カル
バミン酸tert−ブチルエステル(2.27g)とジ
メチルホルムアミド(2.0ml)の混合物に室温下、
4−アミノブチルアルデヒドジメチルアセタール(5.
9ml)を加えた。反応混合物を80℃にて1時間撹拌
後、室温まで冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液を加
え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化アンモニ
ウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した
後、減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーに付して精製し、標記化合物1.
87gを得た(収率58%)。1 H−NMR(CDCl3)δ:8.11(1H,dd,
J=2.7,9.3Hz),7.94(1H,d,J=
2.7Hz),6.53(1H,d,J=9.3H
z),6.48−6.30(1H,m),5.00−
4.85(1H,m),4.47−4.37(1H,
m),4.25(2H,d,J=6.8Hz),3.3
4(6H,s),3.40−3.15(2H,m),
1.85−1.62(4H,m),1.46(9H,
s)
【0057】実施例1bN−(5−アミノ−2−(4,4−ジメトキシブチルア
ミノ)フェニルメチル)カルバミン酸tert−ブチル
エステルの合成 実施例1aで得られた化合物(1.85g)とメタノー
ル(100ml)の混合物に5%パラジウム−炭素
(0.50g)を加え、水素雰囲気下、室温にて1時間
撹拌した。反応混合物をろ過することによりパラジウム
−炭素を除去した後、ろ液を減圧下濃縮した。得られた
残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付して
精製し、標記化合物1.54gを得た(収率90%)。1 H−NMR(CDCl3)δ:6.63(1H,dd,
J=2.7,8.1Hz),6.57−6.43(2
H,m),4.85−4.62(1H,m),4.41
(1H,t,J=5.4Hz),4.17(2H,d,
J=6.1Hz),4.63−2.90(3H,m),
3.32(6H,s),3.16−3.01(2H,
m),1.82−1.53(4H,m),1.45(9
H,s)
【0058】実施例1cN−(tert−ブトキシカルボニル)−N’−(3−
(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−(4,
4−ジメトキシブチルアミノ)フェニル)−S−エチル
イソチオウレアの合成 実施例1bで得られた化合物(1.96g)とアセトニ
トリル(20ml)の混合物に、トリエチルアミン
(1.8ml)、N−(tert−ブトキシカルボニ
ル)ジチオカルバミン酸エチルエステル(1.35g)
およびヨウ化2−クロロ−1−メチルピリジニウム
(1.56g)を順次加えた。反応混合物を室温にて3
0分間撹拌後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機
層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減
圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーに付して精製し、標記化合物2.40g
を得た(収率80%)。1 H−NMR(CDCl3)δ:11.01(1H,
s),7.46(1H,dd,J=2.5,8.5H
z),6.88(1H,d,J=2.5Hz),6.5
4(1H,d,J=8.5Hz),5.09(1H,b
rs),4.85−4.68(1H,m),4.47−
4.38(1H,m),4.20(2H,d,J=6.
4Hz),3.33(6H,s),3.23−3.05
(2H,m),3.04(2H,q,J=7.6H
z),1.85−1.65(4H,m),1.54(9
H,s),1.46(9H,s),1.22(3H,
t,J=7.6Hz)
【0059】実施例1d7−(S−エチルイソチオウレイド)−1,2,3,3
a,4,5−ヘキサヒドロピロロ[1,2−a]キナゾ
リン・二トリフルオロ酢酸塩の合成 実施例1cで得られた化合物(216mg)に、トリフ
ルオロ酢酸(15ml)と水(5ml)の混合物を加え
た。反応混合物を室温にて3時間撹拌後、減圧下濃縮し
た。得られた残渣をエタノール−ヘキサンの混合液から
再結晶し、標記化合物179mgを得た(収率89
%)。1 H−NMR(DMSO−d6)δ:13.00−8.5
0(5H,br),7.27−7.01(2H,m),
6.80(1H,d,J=8.3Hz),4.80−
4.60(1H,m),4.48(1H,d,J=1
6.7Hz),4.36(1H,d,J=16.7H
z),3.77−2.97(4H,m),2.55−
2.30(1H,m),2.25−1.86(3H,
m),1.28(3H,t,J=7.3Hz)
【0060】
【実施例2】(−)−7−(S−エチルイソチオウレイド)−1,
2,3,3a,4,5−ヘキサヒドロピロロ[1,2−
a]キナゾリンの合成 および
【実施例3】(+)−7−(S−エチルイソチオウレイド)−1,
2,3,3a,4,5−ヘキサヒドロピロロ[1,2−
a]キナゾリンの合成 実施例1で得られた化合物(750mg)に、飽和重曹
水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層無水硫酸
ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた残
留物を光学異性体分離カラム(ダイセルキラルセルOD
2cmΦ×25cm)を用いたカラムクロマトグラフ
ィーに付して光学分割を行い、(−)体85.7mgお
よび(+)体82.3mgをそれぞれ得た。 (−)−7−(S−エチルイソチオウレイド)−1,
2,3,3a,4,5−ヘキサヒドロピロロ[1,2−
a]キナゾリン1 H−NMR(CDCl3)δ:6.82−6.65(1
H,m),6.65−6.52(1H,m),6.44
(1H,d,J=8.3Hz),5.00−4.00
(2H,m),4.42(1H,dd,J=5.4,
8.5Hz),4.11(1H,d,J=16.4H
z),3.89(1H,d,J=16.4Hz),3.
53−3.33(1H,m),3.31−2.80(3
H,m),2.45−2.25(1H,m),2.19
−1.82(2H,m),1.65−1.40(1H,
m),1.35(3H,t,J=7.3Hz) [α]D 20 −138.1°(c 0.533,AcO
Et)
【0061】(+)−7−(S−エチルイソチオウレイ
ド)−1,2,3,3a,4,5−ヘキサヒドロピロロ
[1,2−a]キナゾリン1 H−NMR(CDCl3)δ:6.82−6.65(1
H,m),6.65−6.52(1H,m),6.44
(1H,d,J=8.3Hz),5.00−4.00
(2H,m),4.42(1H,dd,J=5.4,
8.5Hz),4.11(1H,d,J=16.4H
z),3.89(1H,d,J=16.4Hz),3.
53−3.33(1H,m),3.31−2.80(3
H,m),2.45−2.25(1H,m),2.19
−1.82(2H,m),1.65−1.40(1H,
m),1.35(3H,t,J=7.3Hz) [α]D 20 +136.8°(c 0.500,AcO
Et)
【0062】
【実施例5】7−(S−エチルイソチオウレイド)−1,2−ジヒド
ロ−3,5H−イミダゾ[1,2−a]キナゾリン・二
塩酸塩の合成
【0063】実施例5aN−(6−フルオロ−3−ニトロフェニルメチル)カル
バミン酸トリフルオロメチルの合成 4−フルオロニトロベンゼン(100mg)、N−ヒド
ロキシメチルトリフルオロアセタミド(101mg)お
よび30%発煙硫酸(1.0ml)の混合物を80℃に
て1時間攪拌した後、反応混合物を氷水中に注いだ。得
られた沈殿物を濾取し標記化合物を得た(収率85
%)。1 H−NMR(CDCl3)δ:4.67(2H,d,J
=5.9Hz),6.86(1H,brs),7.22
−7.31(1H,m),8.23−8.31(2H,
m)
【0064】実施例5bN−(6−(N’−(tert−ブトキシカルボニルア
ミノエチル))−3−ニトロフェニルメチル)カルバミ
ン酸トリフルオロメチルの合成 N−(2−アミノエチル)カルバミン酸tert−ブチ
ル(22.6g)、トリエチルアミン(7.86ml)
およびN,N−ジメチルホルムアミド(100ml)の
混合物に実施例5aで得られた化合物(7.5g)の
N,N−ジメチルホルムアミド(50ml)溶液を滴下
し、室温下14時間攪拌した。反応混合物を減圧下濃縮
し、得られた残留物に飽和食塩水を加え、酢酸エチルで
抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、
減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(展開液;酢酸エチル:n−ヘキサン
=2:3)に付して精製し、標記化合物を得た(収率8
6%)。1 H−NMR(CDCl3)δ:1.44(9H,s),
3.30−3.57(4H,m),4.47(2H,
d,J=6.3Hz),5.16(1H,brs),
6.08(1H,brs),6.57(1H,d,J=
8.6Hz),7.46(1H,brs),8.08−
8.12(2H,m)
【0065】実施例5cN−(6−(N’−(tert−ブトキシカルボニルア
ミノエチル))−3−ニトロフェニルメチル)アミンの
合成 実施例5bで得られた化合物(859mg)、炭酸カリ
ウム(585mg)、水(6ml)およびメタノール
(30ml)の混合物を室温下16時間攪拌した後、減
圧下濃縮した。得られた残留物に飽和食塩水を加え、酢
酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾
燥した後、減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(展開液;メタノール:ク
ロロホルム=1:9)に付して精製し、標記化合物を得
た(収率97%)。1 H−NMR(CDCl3)δ:1.45(9H,s),
3.30−3.55(4H,m),3.94(2H,
s),4.90(1H,brs),6.57(1H,
d,J=9.2Hz),7.25(1H,brs),
7.95(1H,d,J=2.6Hz),8.08(1
H,dd,J=2.6,9.2Hz)
【0066】実施例5d1−(N−(tert−ブトキシカルボニルアミノエチ
ル))−6−ニトロ−3,4−ジヒドロキナゾリン−2
−チオンの合成 実施例5cで得られた化合物(470mg)、4−ジメ
チルアミノピリジン(407mg)およびジクロロメタ
ン(20ml)の混合物に室温下、チオホスゲン(0.
13ml)を滴下した。反応混合物を室温にて16時間
攪拌し、減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(展開液;メタノール:ジク
ロロメタン=1:49)に付して精製し、標記化合物を
得た(82%)。1 H−NMR(CDCl3)δ:1.46(9H,s),
3.50−3.64(2H,m),4.45−4.66
(2H,m),4.51(2H,s),4.99(1
H,brs),7.07(1H,brs),7.64
(1H,d,J=8.9Hz),7.95(1H,
s),8.25(1H,d,J=8.9Hz)
【0067】実施例5e6−アミノ−1−(N−(tert−ブトキシカルボニ
ルアミノエチル))−3,4−ジヒドロキナゾリン−2
−チオンの合成 実施例5dで得られた化合物(300mg)、塩化ニッ
ケル六水和物(20mg)およびメタノール(30m
l)の混合物に氷冷下、水素化ホウ素ナトリウム(12
9mg)を加え氷冷下5分、室温下1時間攪拌した。反
応混合物を減圧下濃縮し、得られた残留物に水を加え、
酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで
乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(展開液;メタノール:
クロロホルム=1:9)に付して精製し、標記化合物を
得た(収率40%)。1 H−NMR(CDCl3)δ:1.45(9H,s),
3.42−3.60(2H,m),3.66(2H,b
rs),4.33(2H,s),4.44−4.60
(2H,m),5.50(1H,brs),6.33
(1H,s),6.50(1H,brs),6.62
(1H,d,J=8.9Hz),7.15(1H,d,
J=8.9Hz)
【0068】実施例5f1−(N−(tert−ブトキシカルボニルアミノエチ
ル))−6−チオウレイド−3,4−ジヒドロキナゾリ
ン−2−チオンの合成 実施例5eで得られた化合物(100mg)、4−ジメ
チルアミノピリジン(106mg)およびジクロロメタ
ン(20ml)の混合物に室温下、チオホスゲン(0.
033ml)を滴下した。反応混合物を室温にて5分間
攪拌し、ついで28%アンモニア水溶液(10ml)を
加えた。反応混合物を室温にて16時間攪拌後、ジクロ
ロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無
水硫酸ナトリウムで乾燥した後減圧下濃縮し、標記化合
物を定量的に得た。1 H−NMR(DMSO−d6)δ:1.38(9H,
s),3.20−3.40(2H,m),4.24(2
H,s),4.30−4.48(2H,m),7.06
(1H,brs),7.12−7.37(3H,m),
8.80(1H,brs),9.63(1H,brs)
【0069】実施例5g1−(N−(tert−ブトキシカルボニルアミノエチ
ル))−6−(S−エチルイソチオウレイド)−3,4
−ジヒドロキナゾリン−2−イル−メルカプトエタンの
合成 実施例5fで得られた化合物(118mg)、ヨウ化エ
チル(0.25ml)およびアセトン(10ml)の混
合物を16時間加熱還流した後、減圧下濃縮した。得ら
れた残留物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢
酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無
水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得ら
れた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展
開液;メタノール:クロロホルム=1:9)に付して精
製し、標記化合物を得た(収率80%)。1 H−NMR(CDCl3)δ:1.20−1.42(6
H,m),1.45(9H,s),2.89−3.17
(4H,m),3.38−3.48(2H,m),3.
86−4.03(2H,m),4.52(2H,s),
4.76(1H,brs),6.50−7.00(3
H.m)
【0070】実施例5h7−(S−エチルイソチオウレイド)−1,2−ジヒド
ロ−3,5H−イミダゾ[1,2−a]キナゾリン・二
塩酸塩の合成 実施例5gで得られた化合物(90mg)およびトリフ
ルオロ酢酸(20ml)の混合物を室温下30分攪拌し
た後減圧下濃縮し、つづいて塩化水素の1,4−ジオキ
サン溶液(4規定,10ml)を加え室温下30分攪拌
した。反応混合物を減圧下濃縮し、標記化合物を得た
(収率78%)。1 H−NMR(D2O)δ:1.42(3H,t,J=
7.3Hz),3.24(2H,q,J=7.3H
z),3.87−3.94(2H,m),4.09−
4.15(2H,m),4.66(2H,s),7.0
4(1H,d,J=8.3Hz),7.24(1H,
s),7.35(1H,d,J=8.3Hz)
【0071】
【実施例6】8−(S−エチルイソチオウレイド)−5,6−ジヒド
ロベンゾ[c][1,8]ナフチリジン・二塩酸塩の合
【0072】実施例6aN−(3−ヨードピリジン−2−イル)−2−クロロ−
5−ニトロベンジルアミンの合成 2−アミノ−3−ヨウドピリジン(1.00g)、臭化
2−クロロ−5−ニトロベンジル(1.21g)およ
びテトラヒドロフラン(50ml)の混合液に氷冷下、
カリウム tert−ブトキシド(1.09g)を加え
た。反応混合液を0℃にて10分攪拌した後、酢酸エチ
ルと水を加えた。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウム上乾
燥し、減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(展開液;酢酸エチル:n−ヘ
キサン=1:5)で精製し標記化合物771mgを得た
(収率41%)。1 H−NMR(CDCl3)δ:4.81(2H,d,J
=5.9Hz),5.53(1H,brt),6.39
(1H,dd,J=7.6,4.6Hz),7.53
(1H,d,J=8.9Hz),7.87(1H,d
d,J=7.6,1.7Hz),8.05(1H,d
d,J=8.9,2.6Hz),8.02−8.10
(1H,m),8.28(1H,d,J=2.6Hz)
【0073】実施例6b8−ニトロ−5,6−ジヒドロベンゾ[c][1,8]
ナフチリジンの合成 実施例6aで得られた化合物(491mg),銅粉(3
20mg)およびジメチルホルムアミド(15ml)の
混合液を150度にて3時間加熱攪拌した後、塩化パラ
ジウム(II)(11mg)を加えた。さらに、反応混
合物を150℃にて5時間加熱攪拌した後、冷却し、酢
酸エチルと水を加え、濾過した。有機層を飽和食塩水で
洗浄後、無水硫酸ナトリウム上乾燥し、減圧下濃縮し
た。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(展開液;酢酸エチル:n−ヘキサン=1:4)で
精製し標記化合物126mgを得た(収率44%)1 H−NMR(CDCl3)δ:4.85(2H,d,J
=6.3Hz),5.56(1H,brt),6.60
(1H,dd,J=7.9,5.0Hz),7.50
(1H,dd,J=7.9,1.3Hz),7.53
(1H,d,J=8.6Hz),8.00(1H,d
d,J=5.0,1.3Hz),8.06(1H,d
d,J=8.6,2.6Hz),8.30(1H,d,
J=2.6Hz)
【0074】実施例6c8−アミノ−5,6−ジヒドロベンゾ[c][1,8]
ナフチリジンの合成 実施例6bで得られた化合物(125mg)を出発原料
とし実施例1bと同様にし標記化合物34mgを得た
(収率31%)。1 H−NMR(CDCl3)δ:3.64(2H,br
s),4.70(2H,d,J=5.9Hz),5.3
9(1H,brt),6.52(1H,dd,J=8.
3,2.6Hz),6.54(1H,dd,J=7.
6,5.3Hz),6.74(1H,d,J=2.6H
z),7.13(1H,d,J=8.3Hz),7.4
6(1H,dd,J=7.6,1.3Hz),8.04
(1H,dd,J=5.3,1.3Hz)
【0075】実施例6d8−チオウレイド−5,6−ジヒドロベンゾ[c]
[1,8]ナフチリジンの合成 実施例6cで得られた化合物を出発原料とし、実施例5
fと同様にして標記化合物30.2mgを得た(収率7
8%)。1 H−NMR(CDCl3)δ:4.75(2H,d,J
=6.3Hz),5.56(1H,brt),6.03
(2H,brs),6.58(1H,dd,J=7.
9,5.0Hz),7.05(1H,dd,J=8.
3,2.3Hz),7.30(1H,d,J=2.3H
z),7.42(1H,d,J=8.3Hz),7.4
9(1H,dd,J=7.9,1.3Hz),7.94
(1H,brs),7.95(1H,dd,J=5.
0,1.3Hz)
【0076】実施例6e8−(S−エチルイソチオウレイド)−5,6−ジヒド
ロベンゾ[c][1,8]ナフチリジン・二塩酸塩の合
実施例6dで得られた化合物(28mg)、ヨウ化エチ
ル(54μl)およびアセトニトリル(3ml)の混合
物を5時間還流した後、冷却し、減圧下濃縮した。得ら
れた残留物に酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナトリウ
ム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウ
ム上乾燥し、減圧下濃縮した。さらに得られた残留物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液;酢酸エ
チル:n−ヘキサン=1:1)で精製後、メタノールに
溶解した。この混合物に、塩化水素の1,4−ジオキサ
ン溶液(4規定、0.5ml)を加えた後、減圧下濃縮
し、標記化合物33.8mgを得た(収率86%)1 H−NMR(DMSO−d6−D2O)δ:1.27
(3H,t,J=6.9Hz),3.22(2H,q,
J=6.9Hz),4.67(2H,s),6.66
(1H,dd,J=7.6,5.0Hz),7.16
(1H,s),7.27(1H,d,J=8.2H
z),7.59(1H,d,J=8.2Hz),7.7
1(1H,d,J=7.6Hz),7.93(1H,
d,J=5.0Hz)
【0077】
【実施例24】7−(S−エチルイソチオウレイド)−1,2−ジヒド
ロ−3,5H−ピロロ[1,2−a]キナゾリン・二塩
酸塩の合成
【0078】実施例24aN−(3−ニトロ−6−(2−ピロリドン−1−イル)
フェニルメチル)カルバミン酸−tert−ブチルの合
水素化ナトリウム(含量60%、151mg)のN,N
−ジメチルホルムアミド(15ml)溶液にピロリドン
(920mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(5m
l)溶液を加え室温下20分間攪拌した。つづいてN−
(2−フルオロ−5−ニトロフェニルメチル)イミノジ
カルボン酸ジ−tert−ブチル(1.0g)を加え室
温下2時間攪拌した後、減圧下濃縮した。得られた残留
物に飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層
を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した
後、減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(展開液;酢酸エチル)に付して
精製し、標記化合物を得た(収率61%)。1 H−NMR(CDCl3)δ:1.45(9H,s),
2.24−2.35(2H,m),2.62(2H,
t,J=7.9Hz),3.85(2H,t,J=6.
9Hz),4.23(2H,d,J=6.3Hz),
5.39(1H,brs),7.31(1H,d,J=
8.9Hz),8.15(1H,dd,J=2.3,
8.9Hz),8.34(d,1H,J=2.3Hz)
【0079】実施例24bN−(3−アミノ−6−(2−ピロリドン−1−イル)
フェニルメチル)カルバミン酸−tert−ブチルの合
実施例24aで得られた化合物(1.2g)、10%パ
ラジウム−炭素(120mg)およびエタノール(12
0ml)の混合物を水素雰囲気下、室温にて1時間攪拌
した。反応混合物をろ過することによりパラジウム−炭
素を除去し、得られたろ液を減圧下濃縮した。得られた
残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開
液;メタノール:クロロホルム=1:9)に付して精製
し、標記化合物を得た(収率38%)。1 H−NMR(CDCl3)δ:1.44(9H,s),
2.13−2.25(2H,m),2.56(2H,
t,J=7.9Hz),3.67(2H,t,J=6.
9Hz),3.78(2H,brs),4.10(2
H,d,J=5.9Hz),5.40(1H,br
s),6.59(1H,dd,J=2.6,8.3H
z),6.74(1H,d,J=2.6Hz),6.9
1(1H,d,J=8.3Hz)
【0080】実施例24cN−(3−(tert−ブトキシカルボニル)アミノメ
チル−4−(2−ピロリドン−1−イル)フェニル)チ
オウレアの合成 実施例24bで得られた化合物(400mg)、4−ジ
メチルアミノピリジン(449mg)およびジクロロメ
タン(40ml)の混合物に室温下、チオホスゲン
(0.14ml)を滴下した。反応混合物を室温下5分
間攪拌し、ついで28%アンモニア水溶液(20ml)
を加えた。反応混合物を室温下30分間攪拌後、ジクロ
ロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無
水硫酸ナトリウムで乾燥した後減圧下濃縮し、標記化合
物を得た(収率94%)。1 H−NMR(CDCl3)δ:1.44(9H,s),
2.20−2.32(2H,m),2.62(2H,
t,J=7.9Hz),3.76(2H,t,J=6.
9Hz),4.17(2H,d,J=6.3Hz),
5.31(1H,brs),6.34(2H,br
s),7.07−7.22(3H,m),8.60(1
H,brs)
【0081】実施例24dN−(3−(tert−ブトキシカルボニル)アミノメ
チル−4−(2−ピロリドン−1−イル)フェニル)−
S−エチルイソチオウレアの合成 実施例24cで得られた化合物(100mg)、ヨウ化
エチル(0.044ml)およびアセトン(10ml)
の混合物を16時間加熱還流した後、減圧下濃縮した。
得られた残留物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加
え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮し
た。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(展開液;メタノール:クロロホルム=1:9)に
付して精製し、標記化合物を得た(収率93%)。1 H−NMR(CDCl3)δ:1.35(3H,t,J
=7.3Hz),2.16−2.25(2H,m),
2.58(2H,t,J=7.9Hz),3.02(2
H,q,J=7.3Hz),3.74(2H,t,J=
6.9Hz),4.17(2H,d,J=5.9H
z),5.37(1H,brs),6.87(1H,
d,J=8.3Hz),7.00(1H,s),7.0
8(1H,d,J=8.3Hz)
【0082】実施例24eN−(3−アミノメチル−4−(2−ピロリドン−1−
イル)フェニル)−S−エチルイソチオウレア・二塩酸
塩の合成 実施例24dで得られた化合物(90mg)およびトリ
フルオロ酢酸(20ml)の混合物を室温下1時間攪拌
した後減圧下濃縮し、つづいて塩化水素の1,4−ジオ
キサン溶液(4規定,10ml)を加え室温下30分攪
拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、標記化合物を得た
(収率72%)。1 H−NMR(D2O)δ:1.42(3H,t,J=
7.3Hz),2.25−2.36(2H,m),2.
70(2H,t,J=7.9Hz),3.25(2H,
q,J=7.3Hz),3.94(2H,t,J=7.
3Hz),4.14(2H,s),7.50−7.70
(3H,m)
【0083】実施例24f7−(S−エチルイソチオウレイド)−1,2−ジヒド
ロ−3,5H−ピロロ[1,2−a]キナゾリン・二塩
酸塩の合成 実施例24eで得られた化合物(10mg)および濃塩
酸(2ml)の混合物を95℃にて14時間攪拌した後
減圧下濃縮し、標記化合物を定量的に得た。1 H−NMR(D2O)δ:1.41(3H,t,J=
7.3Hz),2.29−2.40(2H,m),3.
07(2H,t,J=7.9Hz),3.23(2H,
q,J=7.3Hz),4.07(2H,t,J=7.
3Hz),4.87(2H,s),7.18(1H,
d,J=8.6Hz),7.22(1H,s),7.3
6(1H,d,J=8.6Hz)
【0084】
【試験例】
【試験例1】現在までに知られている3種類のNOSア
イソフォームに対する、本発明化合物の阻害作用を検討
した。以下の手順で各粗酵素標品を調製した(Naga
fuji et al.,Neuroreport
6,1541―1545,1995)。nNOSの粗酵
素標品は以下の手順で調製した。無処置の雄性Spra
gueDawley(SD)系ラット(体重300−4
00g)を断頭し、素早く全脳を取り出し、氷上で大脳
皮質を分取した。次いで、5倍量の50mM Tris
−HCl,1mM DTT(pH7.4)溶液を加え、
3分間ホモゲナイズし、これを1,000×gで10分
間遠心した。得られた上清を、100,000×gで6
0分間遠心し、最終的に得られた上清の可溶性細胞質画
分をnNOSの粗酵素標品とした。
【0085】iNOSの粗酵素標品は以下の手順で調製
した。LPS(10mg/kg)をラットに腹腔内投与
し、6時間後に経心的に10U/mlのヘパリン含有の
生理食塩水で灌流した後、肺を摘出した。次いで、5倍
容量の50mM Tris−HCl,1mM DTT
(pH7.4)溶液を加え、3分間ホモゲナイズし、こ
れを1,000×gで10分間遠心した。得られた上清
を、今度は100,000×gで60分間遠心し、最終
的に得られた上清の可溶性細胞質画分をiNOSの粗酵
素標品とした。eNOSの粗酵素標品は以下の手順で調
製した。ウシ肺動脈血管内皮細胞株(CPAE)を20
%FBS含有のMEM培地中で培養した。数日後、これ
を0.25%trypsin,1mM EDTA溶液で
フラスコから剥離し、FBSを適量添加した後、1,0
00rpmで10分間遠心した。沈査の細胞にカルシウ
ムとマグネシウムを含まないリン酸緩衝溶液(pH7.
4)を適量加え、1,000rpmで10分間遠心し
た。同一操作を繰り返して細胞を洗浄した後、1% T
ritonX−100と1mM DTTを含む50mM
Tris−HCl(pH7.4)を加え、1時間氷中
放置した。続いて、3分間ホモゲナイズした後、撹拌を
繰り返しながら30分間氷中放置した。最終的に10
0,000×gで60分間遠心して得られた上清をeN
OSの粗酵素標品とした。
【0086】NOS活性は、基本的に本発明者らが報告
した方法に従い、基質の一つであるL−[3H]arg
inineから反応産物の一つであるL−[3H]ci
trullineへの変換量を定量することによって測
定した(Nagafuji et al.,in Br
ain Edema IX(Ito et al.ed
s.)60,pp.285−288,1994;Nag
afuji et al.,Neuroreport
6,1541―1545,1995)。反応液は、10
0nM L−[3H]arginine,粗酵素標品
(10―30μg/ml蛋白),1.25mM CaC
2,1mM EDTA,10μg/ml calmo
dulin,1mM NADPH,100μM tet
rahydrobiopterine,10μM FA
D,10μM FMN,50mM Tris−HCl
(pH7.4)から構成され、これに、本発明の化合
物、あるいは対照化合物を加えた。
【0087】L−[3H]Arginineを加えて反
応を開始し、37℃で10分間インキュベーションした
後、50mM Tris−HCl(pH5.5),1m
MEDTAを2ml加え、氷中に置いて反応を停止させ
た。反応溶液を陽イオン交換樹脂カラム(Dowex
AG50WX−8,Na+form,3.2ml)に通
して、未反応で残存する基質L−[3H]argini
neと反応産物であるL−[3H]citrullin
eを分離した。この溶出液と、さらに一定量の蒸留水を
カラムに通して得た溶出液をミニバイアルに入れ、L−
3H]citrullineを回収した。その後、シ
ンチレーターを加え、放射能を液体シンチレーションカ
ウンターで計測し、L−[3H]citrulline
を定量した。nNOSとeNOSの活性は、CaCl2
とcalmodulinの存在下で検出される活性から
CaCl2とcalmodulinの非存在下で検出さ
れる活性を差し引いて求めた。iNOSの活性は、Ca
Cl2とcalmodulinの非存在下で検出した。
粗酵素標品中の蛋白濃度は、バイオラッド社のマイクロ
アッセイキットを用いて決定した。実験は、すべてデュ
プリケートで行った。表4に、試験化合物の各NOSア
イソフォームに対するIC50値と選択性を示す指標とし
て、各IC50値の比を表示した。
【0088】
【表4】
【0089】
【発明の効果】本発明化合物は、優れたnNOS阻害活
性またはiNOS阻害活性を示し、脳血管障害(脳出
血、くも膜下出血、脳梗塞[アテローム血栓性梗塞、ラ
クナ梗塞、心原性塞栓症]、一過性脳虚血発作、脳浮
腫)、頭部外傷、脊椎損傷、痛み(頭痛[片頭痛、緊張
型頭痛、群発性頭痛、慢性発作頭痛])、パーキンソン
氏病、アルツハイマー病、痙攣、モルヒネ耐性や依存、
敗血症ショック、慢性関節リウマチ、変形性関節症、ウ
イルス性または非ウイルス性感染症、糖尿病に対する治
療剤として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 31/505 ABJ A61K 31/505 ABJ ABN ABN ADP ADP ADY ADY ADZ ADZ AED AED 31/535 AAM 31/535 AAM 31/54 AAB 31/54 AAB 31/55 AAH 31/55 AAH C07D 221/14 C07D 221/14 237/26 237/26 239/70 239/70 455/04 455/04 471/04 112 471/04 112Z 121 121 487/04 139 487/04 139 140 140 144 144 498/04 513/04 383 513/04 383 C07D 498/04 112T // C07M 7:00 (72)発明者 江村 岳 静岡県御殿場市駒門1丁目135番地 中外 製薬株式会社内 (72)発明者 紀藤 康 静岡県御殿場市駒門1丁目135番地 中外 製薬株式会社内

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1は、任意の位置が低級アルキル基および/
    またはハロゲン原子で置換されていてもよい、窒素原子
    を1個以上有する3環性複素環基を表し;R2は、置換
    基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していて
    もよいピリジル基、一般式(2) 【化2】 (式中、R3はハロゲン原子または低級アルコキシ基ま
    たは低級アルキルチオ基で置換されていてもよい低級ア
    ルキル基を表すか、あるいは、NHR4、SR5、OR5
    を表し;ここで、R4は、低級アルキル基、ニトロ基を
    表し;R5は、低級アルキル基を表す。)で表される化
    合物または、その可能な互変異性体、立体異性体、光学
    活性体およびこれらの医薬として許容される塩。
  2. 【請求項2】 R1が、任意の位置が低級アルキル基お
    よび/またはハロゲン原子で置換されていてもよく、環
    を形成している任意の原子が窒素原子および/または酸
    素原子および/または硫黄原子で置換されていてもよ
    く、任意の隣接する原子間で不飽和結合を形成していて
    もよい、一般式(3) 【化3】 (式中、nは0から2の整数を表す。)で表される基で
    ある請求項1記載の化合物または、その可能な互変異性
    体、立体異性体、光学活性体およびこれらの医薬として
    許容される塩。
  3. 【請求項3】 7−(S−エチルイソチオウレイド)−
    1,2,3,3a,4,5−ヘキサヒドロピロロ[1,
    2−a]キナゾリンである請求項1記載の化合物また
    は、その可能な互変異性体、立体異性体、光学活性体お
    よびこれらの医薬として許容される塩。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の化
    合物を有効成分とするnNOS阻害剤。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の化
    合物を有効成分とする脳血管障害治療剤。
  6. 【請求項6】 脳血管障害の病型が、脳出血である請求
    項5記載の治療剤。
  7. 【請求項7】 脳血管障害の病型が、くも膜下出血であ
    る請求項5記載の治療剤。
  8. 【請求項8】 脳血管障害の病型が、脳梗塞である請求
    項5記載の治療剤。
  9. 【請求項9】 脳梗塞の亜病型がアテローム血栓性梗塞
    である請求項8記載の治療剤。
  10. 【請求項10】 脳梗塞の亜病型がラクナ梗塞である請
    求項8記載の治療剤。
  11. 【請求項11】 脳梗塞の亜病型が心原性塞栓症である
    請求項8記載の治療剤。
  12. 【請求項12】 脳血管障害の病型が一過性脳虚血発作
    (TIA)である請求項5記載の治療剤。
  13. 【請求項13】 脳血管障害の病型が脳浮腫である請求
    項5記載の治療剤。
  14. 【請求項14】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    化合物を有効成分とする頭部外傷治療剤。
  15. 【請求項15】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    化合物を有効成分とする脊椎損傷治療剤。
  16. 【請求項16】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    化合物を有効成分とする鎮痛剤。
  17. 【請求項17】 痛みの病型が頭痛である請求項16記
    載の治療剤。
  18. 【請求項18】 頭痛の亜病型が片頭痛である請求項1
    7記載の治療剤。
  19. 【請求項19】 頭痛の亜病型が緊張型頭痛である請求
    項17記載の治療剤。
  20. 【請求項20】 頭痛の亜病型が群発頭痛及び慢性発作
    性頭痛である請求項17記載の治療剤。
  21. 【請求項21】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    化合物を有効成分とするパーキンソン氏病治療剤。
  22. 【請求項22】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    化合物を有効成分とするアルツハイマー治療剤。
  23. 【請求項23】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    化合物を有効成分とする抗痙攣剤。
  24. 【請求項24】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    化合物を有効成分とするモルヒネ耐性および依存に対す
    る治療剤。
  25. 【請求項25】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    化合物を有効成分とする敗血症ショック治療剤。
  26. 【請求項26】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    化合物を有効成分とする慢性関節リウマチ治療剤。
  27. 【請求項27】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    化合物を有効成分とする変形性関節症治療剤。
  28. 【請求項28】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    化合物を有効成分とするウイルス性または非ウイルス性
    感染症治療剤。
  29. 【請求項29】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    化合物を有効成分とする糖尿病治療剤。
  30. 【請求項30】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    化合物からなる医薬。
  31. 【請求項31】 NOS阻害作用を有する、請求項1〜
    3のいずれか1項に記載の化合物。
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