JPH1032396A - 電子機器筐体及び不要輻射波低減方法 - Google Patents

電子機器筐体及び不要輻射波低減方法

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JPH1032396A
JPH1032396A JP20530396A JP20530396A JPH1032396A JP H1032396 A JPH1032396 A JP H1032396A JP 20530396 A JP20530396 A JP 20530396A JP 20530396 A JP20530396 A JP 20530396A JP H1032396 A JPH1032396 A JP H1032396A
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JP
Japan
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sheet
housing
electronic device
circuit boards
electromagnetic wave
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Application number
JP20530396A
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English (en)
Inventor
Kazunori Kanda
和典 神田
Mitsuyuki Oda
光之 小田
Masato Morimoto
眞人 森本
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁波が発生しやすい回路基板を多数格納し
ている大型の電子機器筐体の電磁波の漏洩を確実に防止
し、しかも電子機器内部の省スペース化に対応できる大
型電子機器筐体及び不要輻射波低減方法を提供する。 【解決手段】 多数の平行に設置された回路基板を格納
してなる大型電子機器筐体であって、上記回路基板間の
うち少なくとも1つに、実質的に電磁波シールド能を有
しないシートが挿設されてなり、上記シートは、バイン
ダー樹脂(a)7〜60重量%及び磁気的損失項を有す
る磁性体粉末(b)40〜93重量%からなる磁性体含
有樹脂組成物を厚さ70〜300μmに成形してなるも
のである大型電子機器筐体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不要輻射波低減効
果を有する大型電子機器筐体及び不要輻射波低減方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器の筐体は、一般に、軽量性及び
成形性に優れた合成樹脂、アルミ、スチール等の金属板
又はその複合材で構成されている。電子機器の内部回路
や電気部品には、雑音、画像の歪み等の電波障害の原因
となる不所望電磁波を発生するものがある。特に、通信
機器、情報機器等の集積回路を搭載した電子機器等は、
高周波信号を扱うものが多く、電波障害の原因となる高
周波の漏洩が発生する可能性が高いので、これらの電子
機器を使用する機会の多い日本、アメリカ、欧州等で
は、高周波の漏洩についての規制が強化されてきてい
る。
【0003】電子機器筐体を合成樹脂で構成する場合、
合成樹脂は電磁波を良好に透過させる性質があるため、
上述のような電磁波の漏洩が甚だしくなり、電波障害が
発生する。電磁波の漏洩を防止するために、合成樹脂に
電磁波を遮蔽する性質のある金属粉等を含有させてなる
電磁波遮蔽性樹脂を使用する工夫がなされたが、この場
合には、ある程度の電磁波の漏洩は防げるものの、材料
コストが高くつくとともに、成形性等の合成樹脂が有し
ている性能が低下する。
【0004】そこで、通常の電磁波透過性合成樹脂より
なる筐体の内面に、金属メッキ又は導電性塗料からなる
導電性層を成形しておくことが提案されている。このよ
うな導電性層には電磁波を反射させる性質があるので、
筐体内で発生した電磁波を反射させて、筐体の外部に漏
れないようにすることができる。図2は、このような従
来提案の電磁波遮蔽構造を備えた電子機器筐体の概略構
成を示している。合成樹脂製筐体10の内部には、金属
メッキ又は導電性塗料からなる導電性層20が形成され
ており、電磁波発生源12で発生した電磁波は、導電性
層20の内面で反射し、筐体10を透過して外部に漏れ
ないようにしてある。また、アルミ等の金属薄板等によ
り成形した場合には、必ずしも電磁波を反射させる導電
性層を設ける必要はないものの、電磁波発生源で発生し
た電磁波が外部に漏れないように種々の方策が採られて
いる。
【0005】図2に示すように、電子機器筐体には、通
常通気口、内部点検口、信号ケーブル口等の開口部14
が存在している。合成樹脂製筐体及び金属製筐体におい
て、電磁波を反射させる導電性層20が形成されている
個所では電磁波の漏洩は生じず、電磁波は反射を繰り返
す。この電磁波は、電子機器の内部で発生する可能性が
高く、しかも、電波障害の影響が大きい0.3〜3GH
z程度の周波数領域の電磁波である。この電磁波エネル
ギーの大部分は、筐体に存在するわずかな開口や隙間か
らも容易に透過して外部に出てしまうので、このような
高周波電磁波の漏洩を遮断することは困難であった。そ
のうえ、合成樹脂製筐体及び金属製筐体の内面に導電性
層を形成しておくと、筐体の内部で発生した電磁波は、
導電性層で反射を繰り返して筐体の内面全体を移動し、
最終的には開口部から集中的に漏洩することになる。ま
た、導電性層が、あたかも半波長アンテナのように作用
して筐体内部の局部発振器からの電磁波を2次放射する
ことにもつながる。従って、導電性層の形成はそれほど
有効な電磁波遮蔽手段とはならず、その改善が要望され
ている。
【0006】特開平6−97691号公報には、少なく
とも一面を導電性にした板状体により筐体及び基板を構
成するとともに、板状体の導電性面に磁気的損失を呈す
るフェライト粉末を含んだ薄膜を被着することによっ
て、筐体に格納した基板上に設けられた電子回路から発
生する電磁波の不所望漏洩を防止することを特徴とする
電磁波遮蔽構造体が開示されている。しかしながら、薄
膜を形成する場合に溶剤を含む塗料を塗布しているの
で、薄膜の不必要である個所に塗料が付着しないよう
に、予めマスキングを施す必要があった。また、電子回
路を組み込んだ基板を収めて筐体を組み上げた場合、3
次元的な形状となるので、このような溶剤を含む塗料で
は充分に被着できないうえ、膜厚のコントロールが難し
く、効果が再現性よく得られない問題があった。また、
それらの被着場所の特定が必ずしも充分に行われないた
めに、被着処理をした後でも、不所望電磁波の漏洩がみ
られる場合があった。
【0007】EP−A−0398672号公報では、3
75μm〜37.5mmの厚さを有する不要輻射波を抑
制する磁性シートが開示されている。しかし、これらの
シートは、375μm以上の厚さを有しているため、適
用する電子機器内部の省スペース化により、装着が難し
くなってきている。
【0008】上述のほかに、ノイズフィルターやフェラ
イトビーズを電子回路自体に組み込む方法、導電性シー
ルドに磁性材料を加えて隙間からの漏洩を防止する方法
等が採られているが、電子機器筐体の組み立てを著しく
難しくしたり、その効果の再現性が不充分であったり、
電子機器内部の省スペース化に充分に対応できない等の
問題点があった。また、このようなシートを設置する場
合には、0T等の折り曲げを行っても割れないシートが
必要とされている。
【0009】更に、最近では、通信・情報機器、マルチ
メディア等の発達により、画像、音声、数値、文字情報
等の情報や、そのファイルを統合、集約して取り扱う設
置型の大型電子機器が普及してきている。このような、
大型電子機器としては、電子交換機、電話中継器、ディ
ジタル交換機、ATM交換機、ディジタル中継器、画像
処理装置、画像伝送装置、電子計算機、ミニコンピュー
タ、オフィスコンピュータ、スーパーコンピュータ、計
測測定機器、サーバー等を挙げることができる。これら
は、基本クロック周波数によるディジタル信号を取り扱
う装置として使用される電子情報機器であって、筐体内
に多数の回路基板を有しており、この回路基板は、水平
面に対して水平又は垂直に並べられて設置されている。
【0010】これらの大型電子機器は、小型電子機器や
携帯型電子機器と比較して、桁違いに多くの電子部品を
有しているため、回路基板の回路部分から発生した不所
望の高周波が、回路基板に取り付けられた電子部品によ
って小型電子機器や携帯型電子機器の数千倍〜数万倍に
も達してしまう。また、大型電子機器の筐体は、入力や
出力のための多くのケーブルが接続されており、筐体の
開口部も小型のものと比較して大きく、数も多いので、
高周波の不所望電磁波の漏洩を防止することはかなり困
難である。
【0011】大型電子機器筐体からの高周波の不所望電
磁波の漏洩を防止する手段としては、導電性のシールド
材を回路基板間に挿入する方法が行われている。しかし
ながら、シールド材の実装の密度が高くなっており、高
周波の電磁波はノイズ源に対して低インピーダンスとな
っており、配線基板の相互間隔も接近して配置されてい
るため、対向する回路基板に対しては不所望電磁波の漏
洩防止効果を得ることができるものの、同一の基板面に
対しては、不要輻射波が生じてしまう。
【0012】特開平7−212079号公報には、導電
性支持体と、その少なくとも1面に設けられた絶縁性軟
磁性体層とを有し、その絶縁性軟磁性体層が軟磁性体粉
末と有機結合剤とを含む電磁波干渉抑制体が開示されて
いる。この技術は、電磁波の透過に対しては、導電性の
シールド材と同様の遮蔽効果を有し、電磁波の反射に対
しては、少なくとも反射による電磁結合を助長させない
ことで不要輻射を防止しようとしたものであるが、電磁
波干渉体の構造が複雑であり、かつ、厚いので、電子機
器筐体内の限られた狭い空間しか有しない回路基板間に
は設置しにくいうえ、鋏で切ることができるような加工
性にも乏しいし、可とう性も充分ではない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、電磁波が発生しやすい回路基板を多数格納している
大型の電子機器筐体の電磁波の漏洩を確実に防止し、し
かも電子機器内部の省スペース化に対応できる大型電子
機器筐体及び不要輻射波低減方法を提供することを目的
とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、多数の平行に
設置された回路基板を格納してなる大型電子機器筐体で
あって、上記回路基板間のうち少なくとも1つに、実質
的に電磁波シールド能を有しないシートが挿設されてな
り、上記シートは、バインダー樹脂(a)7〜60重量
%及び磁気的損失項を有する磁性体粉末(b)40〜9
3重量%からなる磁性体含有樹脂組成物を厚さ70〜3
00μmに成形してなるものである大型電子機器筐体で
ある。以下に本発明を詳述する。
【0015】本発明の電子機器筐体は、多数の平行に設
置された回路基板を格納してなり、上記回路基板間のう
ち少なくとも1つに、実質的に電磁波シールド能を有し
ないシートが挿設されてなる。
【0016】上記シートは、単一で使用した場合におい
ては、実質的に電磁波シールド能を有しない。ここに、
実質的に、とは、感知することができない程度であるこ
とを意味する。本明細書において、実質的に電磁波シー
ルド能を有しない、とは、電磁波を吸収する機能及び電
磁波を反射する機能が非常に低いために、実質的に電磁
波が70%以上、好ましくは80%以上、更に好ましく
は90%以上透過してしまうため、結果的に、感知する
ことができる程度に充分な電磁波シールド能を発揮する
ことができないことを意味する。
【0017】本発明においては、単一で使用した場合に
おいては実質的に電磁波シールド能を有しない上記シー
トを、大型電子機器筐体の回路基板の間に複数挿設す
る。本発明においては、挿設される上記シートの枚数
は、多数であることが好ましい。本発明は、単一で使用
した場合においては実質的に電磁波シールド能を有しな
い上記シートの多数を、大型電子機器筐体に適用するこ
とにより、全体として、実質的に電磁波シールド能が発
揮されることを見いだしたことにより、初めて完成をみ
たものであり、本発明の要旨は、ここに存在する。上記
シートは、上記大型電子機器筐体の回路基板の間の少な
くとも1つに挿設すればよいが、電磁波シールド能を充
分に発揮させるためには、上記大型電子機器筐体の回路
基板のなるべく数多くの間に挿設することが好ましく、
更に好ましくは、全部に挿設する。
【0018】本発明で使用されるシートは、バインダー
樹脂(a)7〜60重量%、及び、磁気的損失項を有す
る磁性体粉末(b)40〜93重量%からなる磁性体含
有樹脂組成物を厚さ70〜300μmに成形してなる。
上記バインダー樹脂(a)としては、熱硬化性樹脂及び
熱可塑性樹脂を使用することができ、なかでも、熱可塑
性樹脂を使用することが好ましい。上記熱可塑性樹脂と
しては特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、結晶性ポ
リブタジエン、ポリスチレン、ポリブタジエン、スチレ
ンブタジエン等の非極性樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ酢
酸ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリテトラクロロエチレン、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、変性エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチ
レン−酢酸ビニル−塩化ビニルグラフト共重合体樹脂、
塩素化ポリエチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル
共重合体樹脂(SAN樹脂)、アクリロニトリル−ブタ
ジエン−スチレン共重合体樹脂(ABS樹脂)、アクリ
レート−スチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂(A
SA樹脂)、塩素化ポリエチレン−アクリロニトリル−
スチレン共重合体樹脂(ACS樹脂)、ポリアセタール
樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフ
ェニレンエーテル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹
脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリアクリレー
ト樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミ
ドイミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリオ
キシベンゾイル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹
脂、ポリエーテルイミド樹脂、シリコーン樹脂、エポキ
シ樹脂等の樹脂;これらの変性樹脂等を挙げることがで
きる。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を併
用してもよい。
【0019】上記バインダー樹脂(a)としては、磁性
体粉末(b)との濡れ性、樹脂の混練加工時の粘度、温
度、フィルムの物性、耐化学性、耐熱性、耐水性、金属
やプラスチックとの接着性等を考慮して適宜選択するこ
とができる。なかでも、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、変性エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢
酸ビニル−塩化ビニルグラフト共重合体、塩素化ポリエ
チレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アク
リル樹脂、アミド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂
から選ばれる樹脂、及び、これらの変性樹脂が好まし
い。上記バインダー樹脂(a)の配合量は、磁性体含有
樹脂組成物中、7〜60重量%である。7重量%未満で
あると、シートの製造性に欠け、60重量%を超える
と、不要輻射波低減効果が小さいので、上記範囲に限定
される。
【0020】上記磁性体粉末(b)は、平均粒子径が1
〜30μmである金属酸化物磁性体、及び、平均粒子径
が1〜30μmである金属磁性体のうち少なくとも1種
である。上記金属酸化物磁性体としては特に限定され
ず、例えば、Fe2 3 にMnO、ZnO、NiO、M
gO、CuO、Li2 O等を組み合わせたフェライト;
NiO−MnO−ZnO−Fe2 3 、MnO−ZnO
−Fe2 3 、NiO−ZnO−Fe2 3 等のスピネ
ル型フェライト;ガーネット型フェライト;スピネル型
(立方晶)のγ−Fe2 3 、γ−Fe4 4 等を挙げ
ることができる。上記金属酸化物磁性体の平均粒子径
は、1〜30μmである。好ましくは、1〜5μmであ
る。
【0021】上記金属磁性体としては特に限定されず、
例えば、純鉄系のメタル粉、窒化鉄粉、Fe−Si−A
l合金(センダスト)、Ni−Fe合金(パーマロ
イ)、Co−Fe合金、Fe基又はCo基を有するアモ
ルファス合金等を挙げることができる。上記金属磁性体
の平均粒子径は、1〜30μmである。
【0022】本発明において、上記磁性体粉末(b)と
しては、得られるシートの放熱効率が高くなるようにす
るために、金属酸化物磁性体を使用することが好まし
い。より好ましくは、Fe2 3 にMnO、ZnO、N
iO、MgOを組み合わせたスピネル型フェライト磁性
体粉末である。更に好ましくは、Mn−Mg−Zn系フ
ェライト磁性体粉末及びMn−Zn系フェライト磁性体
粉末である。上記磁性体粉末(b)の配合量は、磁性体
含有樹脂組成物中、40〜93重量%である。40重量
%未満であると、不要輻射波低減効果が小さく、93重
量%を超えると、シートの製造性に欠けるので、上記範
囲に限定される。
【0023】上記磁性体粉末(b)は、必要に応じて、
シランカップリング剤、チタン系カップリング剤、アル
ミネート系カップリング剤、その他の添加剤、樹脂等に
より表面処理されていてもよい。このような処理を施す
ことにより、磁性体粉末(b)に反応性を与える官能基
や濡れ性を支配する官能基を導入するので、磁性体粉末
(b)が高充填となる場合や複合化される場合に製造性
や造膜性の点から好適に使用される。上記添加剤として
は特に限定されず、例えば、磁性体粉末(b)の濡れ性
や流動性を改良するための界面活性剤、湿潤剤、粘度低
下剤;製造時の安定性のための熱安定剤、酸化防止剤等
を挙げることができる。
【0024】上記磁性体含有樹脂組成物からなるシート
は、例えば、以下のような方法により製造することがで
きる。ロール、バンバリーミキサー、加圧ニーダー等を
用い、バインダー樹脂(a)、必要に応じて表面処理さ
れた磁性体粉末(b)及びその他の添加剤とを混練して
磁性体含有樹脂組成物として、更に加圧プレス、カレン
ダーロール、押し出し機等によりシートを成形する。塩
化ビニル樹脂のように可塑剤により可塑化した樹脂、又
は、必要に応じて有機溶剤や水によって溶解した樹脂若
しくは分散体とした樹脂を用いる場合は、磁性体粉末
(b)を含んだ溶液又はペーストを公知の塗装機により
塗装して、揮発成分を除くことによりシートを成形する
こともできる。
【0025】上記シートの厚さは、70〜300μmで
ある。70μm未満であると、不要輻射波の低減効果や
電磁波の漏洩防止効果が小さく、300μmを超える
と、不要輻射波低減に対する効果や電磁波の漏洩防止効
果には問題はないが、その厚みによってシートを設置す
る機器や場所の制限が増え、使用範囲が限定されたり、
シート製造時の均一性が損なわれたりするので、上記範
囲に限定される。好ましくは、120〜250μmであ
る。
【0026】上記シートは、上述したように非常に薄
く、柔軟性が良好であるので、加工性に優れている。従
って、電子機器筐体内部のシートを設置する場所に応じ
て、鋏等で簡単に切断することができ、また、折り曲げ
も可能であり、容易に所望の形状にすることができる。
【0027】上記シートは、厚さが70〜300μmで
あるので、電子機器筐体内部の回路基板間に挿設する場
合に、上記回路基板の設置間隔を大きくする必要がな
く、電子機器内部の省スペース化に対応することがで
き、また、筐体自体の大きさも変更する必要がない。一
般に、筐体内部の回路基板の設置間隔は、1〜5cm程
度であるので、上記シートを挿設するのに充分であり、
この空間に上記シートを挿設することにより、本発明の
電子機器筐体とすることができる。一組の回路基板間に
挿設される上記シートは、1枚であってもよく、複数枚
であってもよい。
【0028】上記シートを上記回路基板間に挿設する方
法としては特に限定されず、例えば、以下の方法を挙げ
ることができる。 (1)シートを回路基板と平行に並べてそのまま設置す
る方法。 (2)接着剤層を介してシートを回路基板に貼りつける
方法。 (3)接着剤層を介してシートを絶縁性の堅固な支持体
に固定した後、回路基板の間に挿設する方法。 (4)接着剤層を介してシートを回路基板と対向する電
子機器筐体の構造平面に貼りつける方法。
【0029】本発明においては、上述のように、上記シ
ートを上記回路基板間に容易に挿設することができるの
で、例えば、上記シートに汚損、破損等が生じ、交換の
必要がある場合であっても、回路基板間から使用済みの
シートを抜き出し、上記挿設の方法に従って、容易に交
換することができる。
【0030】上記シートと上記回路基板との間隔は、
0.2mm以上であることが好ましい。0.2mm未満
であると、上記回路基板から発生する熱を有効に排出す
ることができない。冷却効果を高めるためには、上記シ
ートと上記回路基板との間隔は、2mm以上がより好ま
しい。本発明においては、電子機器筐体内部の冷却効果
を更に高めるために、上記シートに数mm〜数cmの穴
をあけていてもよい。
【0031】上記シートは、電気絶縁性を有するバイン
ダー樹脂(a)及び電気絶縁性を有する磁気的損失項を
有する磁性体粉末(b)からなるので、高い電気絶縁性
を有している。従って、上記シートが回路基板間に挿設
されても、電子回路のショートのような電気系統の異常
を引き起こすことはない。上記シートの電気絶縁性を示
す体積抵抗値は、106 Ωcm以上である。上記シート
の電磁気特性は、透磁率の実数項と虚数項としてネット
ワークアナライザーで容易に求めることができる。
【0032】本発明で使用される筐体は、多数の回路基
板を平行に設置してなる。上記回路基板としては、10
cm×15cm以上の大きさを有するものが好ましい。
更に、上記回路基板は、150〜3000cm2 の大き
さを有するものが好ましい。
【0033】本発明において、上記筐体は、上記回路基
板が2〜60枚単位で筐体内に取り付けられたもの又は
上記回路基板が引き出しやすいように複数枚の回路基板
からなる回路基板ユニットを形成しているものが好まし
い。筐体内に設置される上記回路基板ユニットは、電子
機器筐体の大きさにもよるが、1〜20個程度が好まし
い。
【0034】上記筐体は、金属、合成樹脂、木質材料、
無機質材料等の電磁波非透過性又は電磁波透過性材料か
らなるものが好ましい。一般に、電子機器筐体として使
用する筐体の内部表面には導電性層が形成されている。
金属製筐体の場合には、表面を塗料等の絶縁性層で被覆
してあってもよい。
【0035】上記導電性層としては、従来の電磁波遮蔽
構造体でも使用されていた通常の電磁波反射材料が用い
られ、筐体の内部表面に対する導電性層成形の手法も、
通常の手法を採用することができる。例えば、銅、アル
ミニウム等の導電性金属でメッキを施し、これらの金属
を蒸着等の手法で薄膜に成形し、金属箔にして貼り付け
る方法、塗料に金属粉等を混合して得られる各種の導電
性塗料を塗布する方法、導電性樹脂からなるフィルムを
接着剤や粘着剤を用いて貼り付ける方法等を挙げること
ができる。上記導電性層の厚さは、筐体内で発生する電
磁波の種類や量、電磁波吸収層との組み合わせによって
も異なるが、通常、40〜60μmが好ましい。筐体の
形状や構造は、電子機器の全体構造に適合した任意の形
状構造を採用することができる。また、電子機器の機能
上、筐体の少なくとも一部にスリットや孔、切り欠き等
の開口が存在している。
【0036】本発明の電子機器筐体は、上記シートを、
更に、筐体内部表面の開口部に接する部分又は開口部近
傍に設けることが好ましい。本明細書中、電子機器筐体
の開口部とは、電子機器筐体が動作のために必要な信
号、電流、電力及び他の光学的、物理的エネルギーを入
出力するために設けられているものであり、カソード
線、液晶、LED等による画像情報を表示する表示装
置;操作用表示装置;リモコン用の受信部装置;信号、
電力、光量、電波等の入出力のための末端、ターミナル
装置;バッテリー電源装置;スピーカー装置;CD、C
D−ROM、フロッピー、カセットテープ、ディスク、
ミニディスク等の筐体内部に設置してなる装置等の筐体
内部の冷却を目的として設置してなる開口部、筐体の合
わせ目、継ぎ目等の筐体の成形に起因した部分等の筐体
内と筐体外に開連した部分をいう。
【0037】上記シートの設置場所は、開口部に接して
いることがより好ましいが、開口部から10mm以内の
開口部近傍であれば、開口部に接して設置するのと同様
の効果が得られる。開口部から10mmを超えて離れる
と、不要輻射波を低減させる効果は極めて小さい。より
好ましくは、開口部から5mm以内の部分である。電子
機器筐体に複数個所開口部がある場合には、それぞれの
開口部に接してシートを設置してもよい。
【0038】また、本発明の電子機器筐体は、更に、上
記シートを、筐体内部表面の開口部に接する部分又は開
口部近傍、及び、開口部に接する部分又は開口部近傍で
はない部分にも設けていてもよい。上記シートを設置す
る開口部に接する部分又は開口部近傍ではない部分とし
ては、磁界強度が最大となる場所、電子回路基板近傍、
電磁波発生源ユニットの近傍、筐体の合わせ目又は継ぎ
目となる部分の全面又は一部等が好ましい。上記シート
を筐体内部表面全体に設置すると、設置しない場合より
も不要輻射波強度が増すので、好ましくない。
【0039】上記シートの接着方法としては特に限定さ
れず、例えば、シートを導電性処理を施してなる筐体内
部表面に対して、両面テープ、接着剤等によって貼り付
ける方法;高周波ミシン、熱プレス等によって、シート
を筐体と一体化させる方法;シートを筐体に合わせて、
その上からテープ、その他のフィルム、パネル、治具等
によって固定する方法等を挙げることができる。
【0040】更に、本発明の電子機器筐体は、特開平6
−97691号公報に開示されているように、粘着層が
設けられた上記シートを5〜30mm巾のリボン状のテ
ープに加工した後、筐体から出ているコード類に巻き付
けたものであってもよい。上記粘着層は、上記シートに
両面テープを貼り付ける方法、粘着剤を塗布する方法等
により形成することができる。上記粘着層が設けられた
シートをコード類に巻き付ける部分としては、特に限定
されないが、コード類が筐体に接する部分又はその筐体
近傍が好ましい。また、筐体内部であっても、直接回路
基板から繋がれているコード類に上記粘着層が設けられ
たシートを巻き付けることも可能であり、巻き付ける部
分としては、回路基板ユニットに接する部分又は回路基
板ユニット部分近傍が好ましい。
【0041】本発明の電子機器筐体は、上述したような
筐体の開口部又は開口部近傍に上記シートを設ける方
法、及び、コード類に上記シートを巻き付ける方法によ
って、上記シートを回路基板間の他の部分に設置するこ
とにより、更に不要輻射波の低減効果を高めることがで
きる。本発明において、上記筐体の開口部又は開口部近
傍に上記シートを設ける方法、及び、上記コード類に上
記シートを巻き付ける方法は、それぞれ単独で適用して
もよく、双方を一度に適用してもよい。
【0042】本発明の電子機器筐体は、電子交換機、電
話中継器、ディジタル交換機、ATM交換機筐体、ディ
ジタル中継器、画像処理装置、画像伝送装置、電子計算
機、ミニコンピュータ、オフィスコンピュータ、スーパ
ーコンピュータ、計測測定機器、サーバー、その他クロ
ック周波数を発生させて用いる機器等に使用することが
できる。なかでも、電子交換機筐体、ATM交換機筐
体、画像処理装置、画像伝送装置、電子計算機等の大型
電子機器筐体として使用することが好ましい。
【0043】本発明の不要輻射波低減方法は、多数の平
行に設置された回路基板を格納してなる大型電子機器筐
体の不要輻射波低減方法であって、上記回路基板間のう
ち少なくとも1つに、実質的に電磁波シールド能を有し
ない上記シートを挿設してなる。本発明の不要輻射波低
減方法において使用されるシートは、バインダー樹脂
(a)7〜60重量%及び磁気的損失項を有する磁性体
粉末(b)40〜93重量%からなる磁性体含有樹脂組
成物を厚さ70〜300μmに成形してなるものである
ので、実質的に電磁波シールド能を有していないもので
あり、従来より使用されている電磁波遮蔽材と比較し
て、電磁波吸収能や電磁波反射能が極めて小さい。しか
しながら、複数の上記シートを回路基板間に挿設するこ
とにより、従来の電磁波遮蔽材を筐体内に設置した場合
と同等の電磁波遮蔽効果を得ることができる。
【0044】本発明の電子機器筐体及び本発明の不要輻
射波低減方法が奏する特有の効果が発現する理由につい
ては必ずしも明らかではないが、電子機器筐体内に設け
られたシートが、単一で使用した場合においては実質的
に電磁波シールド能を有しないにもかかわらず、多数用
いられているために、全体として、回路基板から発生す
る電磁波の衝立のように機能するために、不要輻射波を
低減することができるものと考えられる。
【0045】更に、本発明においては、上記シートが厚
さ70〜300μmの薄型であるので、電子機器筐体内
部の回路基板間に上記シートを挿設するためにシートの
厚みに応じた設置場所を新たに選ぶ必要はない。従っ
て、上記シートを挿設するために、電子機器筐体の製造
設計を変更しなくてもよく、例えば、現在使用されてい
る電子機器筐体の回路基板間に上記シートを挿設するだ
けで不要輻射波を低減することができる。すなわち、上
記シートは、電磁波吸収能や電磁波反射能に優れた厚み
のある従来の電磁波遮蔽材を使用することができなかっ
た電子機器筐体にも適用することができる。
【0046】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照しながら、本
発明を説明する。図1は、本発明の電子機器筐体の第一
の実施形態の概略構成を示す断面図である。また、図3
は、本実施形態の部分拡大図である。本実施形態におい
て、回路基板2は、縦に平行に設置されており、その間
には、実質的に電磁波シールド能を有しないシート1が
挿設されている。筐体10の内面には、導電性層20が
設けられている。
【0047】上記シート1は、回路基板2と平行して設
置される。シート1と回路基板2との間隔は、0.2m
m以上である。図1において、上記シート1は、すべて
の回路基板2の間に挿設されている。本発明において、
上記シート1は、上記回路基板2の間のうち少なくとも
1つに挿設されていればよいが、複数組の回路基板2の
間に挿設された場合には、より不要輻射波低減効果を高
めることができる。また、上記シート1は、筐体10の
内壁と回路基板2との間にも挿設されていてもよい。上
記シート1を設置又は交換する場合には、図3に示すよ
うに回路基板2を引き出してから、シート1を挿入する
ことができる。一組の回路基板2の間に挿入されるシー
ト1は、1枚であってもよく、複数枚であってもよい。
【0048】図4及び図5は、上記シート1を挿設する
のに適した電子機器筐体の概略図である。本発明の電子
機器筐体Aは、図4のように多数の回路基板2が縦方向
に平行に設置されたもの、又は、図5のように多数の回
路基板2が横方向に平行に設置されたものであることが
好ましい。図4の電子機器筐体Aは、25cm×40c
mの回路基板2が9枚集まって回路基板ユニット3を形
成し、その回路基板ユニットが3組集まっているもので
ある。図5の電子機器筐体Aは、20cm×35cmの
回路基板2が7枚集まって回路基板ユニット3を形成
し、その回路基板ユニット3が1組のみからなってい
る。図4及び図5中の電子機器筐体Aに格納された回路
基板2は、図3に示すように、1枚ずつ引き出すことが
できる。上記シート1は、回路基板2を引き出したとき
に設置することが可能である。
【0049】図6は、本発明の電子機器筐体の第二の実
施形態を示す断面図である。本実施形態においては、回
路基板2の間に上記シート1を挿設し、更に、開口部1
4にも上記シート1を設けている。開口部14の導電性
層20の内面に上記シート1を設けることにより、不所
望電磁波の漏洩をより効果的に防止することができる。
電子機器筐体Aに開口部14が複数の箇所に存在する場
合には、そのうちの一部に上記シート1を設けてもよ
く、すべての開口部に上記シート1を設けてもよい。
【0050】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0051】実施例1 EVA(SUMITATE RB−11、住友化学社
製)をバインダー樹脂に用い、Mn−Znフェライト粉
末を磁性体粉末として、バインダー樹脂10重量部に対
して磁性体粉末90重量部を配合して混練体を得た。混
練は、110℃に設定したテストロールにて行った。次
に、得られた混練体を適当量取り、110℃の熱プレス
で圧延した後、140℃の熱圧ロールで270±20μ
mの膜厚分布となるように成形した。得られたシートを
二つ折りにして曲げて、その可とう性をみたが、充分な
柔軟性を有しており、割れやクラック等は見られなかっ
た。得られたシートの電磁波の反射量、透過量及び吸収
量を、500MHz〜10GHzまで測定したところ、
図7に示すような反射吸収透過曲線が得られた。200
MHz、300MHz、500MHz、800MHz及
び1GHzの電磁波反射量、透過量及び吸収量を表1に
示した。
【0052】
【表1】
【0053】得られたシート31枚を、30×40cm
の回路基板30枚を有する図4に示す型式であって扉が
筐体本体と一体化してシールド構造を形成しているディ
ジタル交換機のそれぞれの回路基板の間に挿設し、3m
法で不要輻射波を測定したところ、600MHzと70
0MHzにあった不要輻射ピークがそれぞれシートの設
置前と比べて10dB低下していた。
【0054】実施例2 塩化ビニル樹脂100重量部、可塑剤30重量部、Zn
系とBa系熱安定剤1重量部、エポキシ化大豆油2重量
部を混合して塩化ビニルペレットを作り、更にMn−M
g−Znフェライト粉末1197重量部を配合して、加
圧ニーダーでコンパウンドを作り、更に押し出し機によ
り、ダイからシートを成形した。かかるシートは、25
0±30μmの膜厚分布を有していた。得られたシート
の電磁波の反射量、透過量及び吸収量を、実施例1と同
様にして測定したところ、図8に示すような反射吸収透
過曲線が得られた。得られたシート31枚を、実施例1
と同様に30×40cmの回路基板30枚を有するディ
ジタル交換機のそれぞれの回路基板の間に挿設し、3m
法で不要輻射波を測定したところ、600MHzと70
0MHzにあった不要輻射ピークがそれぞれシートの設
置前と比べて8dB低下していた。
【0055】実施例3 実施例1において、EVAの代わりに塩素化ポリエチレ
ンを10重量部、Mn−Mg−Znフェライト粉末の代
わりに金属磁性体のCoアモルファス粉末90重量部を
用い、実施例1と同様にして厚さ150μmのシートを
得た。かかるシートの電磁波の反射量、透過量及び吸収
量を、実施例1と同様にして測定したところ、図9に示
すような反射吸収透過曲線が得られた。得られたシート
31枚を、実施例例1と同様に30×40cmの回路基
板30枚を有するディジタル交換機のそれぞれの回路基
板の間に挿設し、3m法で不要輻射波を測定したとこ
ろ、600MHzと700MHzにあった不要輻射ピー
クがそれぞれシートの設置前と比べて10dB低下して
いた。
【0056】実施例4 実施例1において、大型電子機器筐体の背面にある5c
m×10cmの大きさのケーブル用の開口部の筐体内側
に、実施例1で用いたと同じシートを3cm巾としたも
のを両面テープを用いて貼り付ける以外は実施例1と同
様にして、不要輻射波を測定したところ、600MHz
と700MHzでの不要輻射ピークの低下の他に、50
0MHzにあった不要輻射ピークが3dB低下してい
た。
【0057】
【発明の効果】本発明の電子機器筐体及び不要輻射波低
減方法は上述のとおりであり、回路基板を多数有してい
る大型の電子機器筐体であっても、電磁波の漏洩を確実
に防止し、しかも電子機器内部の省スペース化に対応す
ることができるので、大型電子機器筐体の不要輻射波を
効果的に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子機器筐体の第一の実施形態の概略
構成を示す断面図である。
【図2】従来の電子機器筐体の例を模式的に示す断面図
である。
【図3】本発明の電子機器筐体の第一の実施形態の拡大
図である。
【図4】本発明の不要輻射波低減方法に使用する大型電
子機器筐体の一例を示す図である。
【図5】本発明の不要輻射波低減方法に使用する大型電
子機器筐体の一例を示す図である。
【図6】本発明の電子機器筐体の第二の実施形態の概略
構成を示す断面図である。
【図7】実施例1におけるシートの電磁波反射吸収透過
曲線を表す図である。実線は、反射量である。破線は、
吸収量である。左縦軸は、反射量(%)を表し、右縦軸
は、吸収量(%)を表し、横軸は、周波数(GHz)を
表す。
【図8】実施例2におけるシートの電磁波反射吸収透過
曲線を表す図である。実線は、反射量である。破線は、
吸収量である。左縦軸は、反射量(%)を表し、右縦軸
は、吸収量(%)を表し、横軸は、周波数(GHz)を
表す。
【図9】実施例3におけるシートの電磁波反射吸収透過
曲線を表す図である。実線は、反射量である。破線は、
吸収量である。左縦軸は、反射量(%)を表し、右縦軸
は、吸収量(%)を表し、横軸は、周波数(GHz)を
表す。
【符号の説明】
1 シート 2 回路基板 3 回路基板ユニット 10 筐体 12 電磁波発生源 14 開口 20 導電性層 A 電子機器筐体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の平行に設置された回路基板を格納
    してなる大型電子機器筐体であって、前記回路基板間の
    うち少なくとも1つに、実質的に電磁波シールド能を有
    しないシートが挿設されてなり、前記シートは、バイン
    ダー樹脂(a)7〜60重量%及び磁気的損失項を有す
    る磁性体粉末(b)40〜93重量%からなる磁性体含
    有樹脂組成物を厚さ70〜300μmに成形してなるも
    のであることを特徴とする大型電子機器筐体。
  2. 【請求項2】 更に、シートを、筐体内部表面の開口部
    に接する部分又は開口部近傍に設けてなる請求項1記載
    の大型電子機器筐体。
  3. 【請求項3】 大型電子機器筐体が、電子交換機筐体、
    ATM交換機筐体、画像処理装置、画像伝送装置又は電
    子計算機筐体である請求項1又は2記載の大型電子機器
    筐体。
  4. 【請求項4】 多数の平行に設置された回路基板を格納
    してなる大型電子機器筐体の不要輻射波低減方法であっ
    て、前記回路基板間のうち少なくとも1つに、実質的に
    電磁波シールド能を有しないシートを挿設し、前記シー
    トは、バインダー樹脂(a)7〜60重量%及び磁気的
    損失項を有する磁性体粉末(b)40〜93重量%から
    なる磁性体含有樹脂組成物を厚さ70〜300μmに成
    形してなるものであることを特徴とする大型電子機器筐
    体の不要輻射波低減方法。
JP20530396A 1996-07-15 1996-07-15 電子機器筐体及び不要輻射波低減方法 Pending JPH1032396A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002164689A (ja) * 2000-11-28 2002-06-07 Polymatech Co Ltd 高熱伝導性電波吸収体
JP2009212198A (ja) * 2008-03-03 2009-09-17 Mitsubishi Electric Corp 電子機器筐体
WO2010035874A1 (ja) * 2008-09-29 2010-04-01 日油株式会社 アンテナ用磁性複合体及びそれを用いたアンテナ素子

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