JPH10323948A - 貼合用共押出多層フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

貼合用共押出多層フィルムおよびその製造方法

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JPH10323948A
JPH10323948A JP9134935A JP13493597A JPH10323948A JP H10323948 A JPH10323948 A JP H10323948A JP 9134935 A JP9134935 A JP 9134935A JP 13493597 A JP13493597 A JP 13493597A JP H10323948 A JPH10323948 A JP H10323948A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性と耐衝撃性に優れ、物性バランスの良
好な貼合用多層フィルムを提供する。 【解決手段】 外層(A)/中間層(B)/内層(C)
からなる多層フィルムであって、外層(A)および内層
(C)が樹脂(1)からなり、中間層(B)が樹脂
(2),(3)及び(4)からなる樹脂組成物である貼
合用共押出多層フィルムを用いる。 (1)エチレン・α−オレフィン共重合体 (2)樹脂(1)より少なくとも0.003g/cm3
高い密度であるエチレン・α−オレフィン共重合体 (3)樹脂(1)と同じ密度またはそれ以下の密度であ
るエチレン・α−オレフィン共重合体 (4)高圧ラジカル重合法による低密度ポリエチレン

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インフレーション
成形によるポリエチレン・フィルムにおいて、これまで
にない高透明性と高耐衝撃性を合わせ持つ、物性バラン
スの良好な貼合用多層フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレ
ン等からなる包装基材は、透明性や機械的強度に優れる
が、ヒートシール温度が高いため包装速度を速くするこ
とができない、ヒートシール時にフィルムが収縮し包装
外観が悪い、あるいはシール強度が低い等の問題があ
る。このため、上記の包装基材が単独で使用されること
は少なく、通常はヒートシール層を設けた積層フィルム
として使用される。
【0003】この積層フィルムの製造方法としては、ナ
イロン等の基材フィルムと、インフレーション成形やキ
ャスト成形により別に製造したヒートシールフィルムと
を、ドライラミネート法、サンドラミネート法等の種々
の方法で貼り合わせる製造法が一般的であり、貼り合わ
せ用のヒートシール層を有するフィルムを当業界では
「貼合用フィルム」と呼称している。
【0004】貼合用フィルムの材料としては、高圧ラジ
カル重合法により製造される低密度ポリエチレン(以下
「LDPE」と略すことがある)、エチレン・酢酸ビニ
ル共重合体(以下「EVA」と略すことがある)、アイ
オノマー、高密度ポリエチレン(以下「HDPE」と略
すことがある)、エチレン・α−オレフィン共重合体
(いわゆる直鎖状低密度ポリエチレン、以下「L−LD
PE」と略すことがある)等が一般的に使用される。
【0005】LDPEおよびEVAは、低温ヒートシー
ル性は良好であるが、耐熱性やホットタック性(製袋工
程における高速充填性の目安となる)および引張強度等
に劣り、屈曲により屈曲部にピンホールが発生しやす
い。HDPEは、ヒートシール強度には優れているが、
低温ヒートシール性や透明性に劣り、またキャスト成形
時のネックインが大きく加工性が悪い。アイオノマー
は、ヒートシール強度やホットタック性に優れるが、押
出加工性に劣り、フィルムにフィッシュアイが発生しや
すい。これに対しL−LDPEは、引張り強度、ヒート
シール強度、ホットタック性、および夾雑物シール性に
優れるため、貼合用フィルム材料として多用されてい
る。
【0006】L−LDPE貼合用フィルムの製造方法と
して、広く採用されているインフレーション成形では、
L−LDPEフィルムの透明性の改良および耐衝撃性の
改良が要求されている。特に、食品包装を主とする包装
用フィルムでは、内容物の視認性や製品外観の向上をも
たらすことから、より透明度の高いフィルムが、また充
填した製品の破袋による不良率低減をもたらすことか
ら、より耐衝撃性の高いフィルムが望まれている。
【0007】一般にL−LDPEのインフレーション・
フィルムの透明性は、これを構成する樹脂の密度が低く
なると向上する傾向にある。ところが単なる樹脂の低密
度化は、フィルムの腰強さ(剛性)の低下や、耐ブロッ
キング性の低下を引き起こすため、フィルム作業性が低
下したり、あるいはブロッキング防止剤の多量添加の必
要から透明性が低下するという短所を持っていた。逆に
単なる樹脂の高密度化は、透明性の低下だけでなく、耐
衝撃性も低下するという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、特に
透明性と耐衝撃性に優れ、物性バランスの良好な貼合用
多層フィルムを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
の解決のため鋭意検討の結果、貼合用多層フィルムにお
いて、特定の樹脂組成物を中間層に配することにより、
高透明性と高耐衝撃性を合わせ持つフィルムが得られる
ことを見い出し、本発明を完成するに至った。すなわち
本発明の貼合用共押出多層フィルムは、外層(A)/中
間層(B)/内層(C)からなる多層フィルムであっ
て、外層(A)および内層(C)が下記の樹脂(1)か
らなり、中間層(B)が下記の樹脂(2),(3)及び
(4)からなる樹脂組成物であることを特徴とするもの
である。
【0010】(1)エチレン・α−オレフィン共重合体 (2)樹脂(1)より少なくとも0.003g/cm3
高い密度であるエチレン・α−オレフィン共重合体 (3)樹脂(1)と同じ密度またはそれ以下の密度であ
るエチレン・α−オレフィン共重合体 (4)高圧ラジカル重合法による低密度ポリエチレン ここで、基材と貼り合わせる貼合面を外層(A)、ヒー
トシール層となる層を内層(C)としている。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】[エチレン・α−オレフィン共重合体(L
−LDPE)]本発明の多層フィルムを構成する樹脂
(1)、(2)および(3)として用いられるエチレン
・α−オレフィン共重合体は、チーグラー触媒、酸化ク
ロム触媒、酸化モリブデン触媒、メタロセン触媒等の触
媒存在下、エチレンとα−オレフィンとを共重合させて
得られる。用いる触媒としては、チーグラー触媒、メタ
ロセン触媒が好ましく、特に好ましくはメタロセン触媒
である。
【0013】該共重合体のコモノマーであるα−オレフ
ィンとは、一般式R−CH=CH2(式中Rは炭素数1
以上のアルキル基を示す)で表されるもので、その具体
例を示せば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、
1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネ
ン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチ
ル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、
オクタデセン等が挙げられる。これらα−オレフィンの
中でも、共重合体成膜後のフィルムサンプルにおける引
張強度、引裂強度、衝撃強度、ヒートシール強度等に優
れる炭素数5〜10のものが好ましく、特に好ましくは
1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチ
ル−1−ペンテンである。該共重合体は、これらα−オ
レフィンの少なくとも1種をエチレンと共重合すること
により得られ、具体的には、エチレン・1−ヘキセン共
重合体、エチレン・1−ヘプテン共重合体、エチレン・
1−オクテン共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペ
ンテン共重合体、エチレン・プロピレン・1−ヘキセン
三元共重合体等が挙げられる。
【0014】本発明の多層フィルムの外層(A)および
内層(C)を構成する樹脂(1)として用いられるエチ
レン・α−オレフィン共重合体樹脂の密度は、好ましく
は0.910〜0.942g/cm3、さらに好ましく
は0.913〜0.935g/cm3、特に好ましくは
0.915〜0.930g/cm3である。該重合体の
密度が0.910g/cm3以上であると、フィルムの
腰強さがより適度になり、該重合体の密度が0.942
g/cm3以下であると、フィルムの衝撃強度がより大
きくなり好ましい。該重合体のMFRは好ましくは0.
5〜20g/10分、さらに好ましくは0.7〜10g
/10分、特に好ましくは0.8〜5g/10分であ
る。該重合体のMFRが0.5g/10分以上である
と、成形時の樹脂流動性がより良くなり、該重合体のM
FRが20g/10分以下であると、成形時の成膜安定
性がより良くなり好ましい。
【0015】本発明の多層フィルムの中間層(B)を構
成する樹脂(2)として用いられるエチレン・α−オレ
フィン共重合体は、樹脂(1)より少なくとも0.00
3g/cm3高い密度、好ましくは0.010g/cm3
以上高い密度、さらに好ましくは0.015g/cm3
以上高い密度である。外層(A)、内層(C)に異なる
密度の樹脂(1)が用いられる場合、高い方の密度を基
準とする。樹脂(2)が樹脂(1)を上回る密度差が
0.003g/cm3未満では、フイルムの透明性改良
効果が十分でなく好ましくない。該重合体のMFRは好
ましくは0.5〜20g/10分、さらに好ましくは
0.7〜10g/10分、特に好ましくは0.8〜5g
/10分である。該重合体のMFRが0.5g/10分
以上であると、成形時の樹脂流動性がより良くなり、該
重合体のMFRが20g/10分以下であると、成形時
の成膜安定性がより良くなり好ましい。
【0016】本発明の多層フィルムの中間層(B)を構
成する樹脂(3)として用いられるエチレン・α−オレ
フィン共重合体は、樹脂(1)と同じまたはそれ以下の
密度である。外層(A)、内層(C)に異なる密度の樹
脂(1)が用いられる場合、高い方の密度を基準とす
る。該重合体の密度が樹脂(1)の密度を越えて高い
と、フィルムの耐衝撃性改良効果が十分でなく好ましく
ない。該重合体のMFRは好ましくは0.5〜20g/
10分、さらに好ましくは0.7〜10g/10分、特
に好ましくは0.8〜5g/10分である。該重合体の
MFRが0.5g/10分以上であると、成形時の樹脂
流動性がより良くなり、該重合体のMFRが20g/1
0分以下であると、成形時の成膜安定性がより良くなり
好ましい。
【0017】[高圧ラジカル法による低密度ポリエチレ
ン(LDPE)]本発明の多層フィルムを構成する樹脂
(4)として用いられる高圧ラジカル法による低密度ポ
リエチレンは、エチレン単独をたとえば圧力1000〜
4000kg/cm2、温度230〜360℃の条件
で、ラジカル重合開始剤、連鎖移動剤の存在下、管状反
応器または槽型反応器内で重合して得られるものであ
る。
【0018】本発明の多層フィルムの中間層(B)を構
成する樹脂(4)として用いられる高圧ラジカル法によ
る低密度ポリエチレンは、好ましくは密度0.915〜
0.930g/cm3、MFR0.1〜10g/10分
である。該重合体の密度が0.915g/cm3以上で
あると、フィルムの腰強さがより適度になり、密度が
0.930g/cm3以下であると、フィルムの透明性
がより良くなり好ましい。また該重合体のMFRが0.
1g/10分以上であると、成形時の樹脂流動性がより
良くなり、該重合体のMFRが10g/10分以下であ
ると、成形時の成膜安定性がより良くなり好ましい。
【0019】[外層(A)および内層(C)]本発明の
多層フィルムを構成する外層(A)および内層(C)
は、樹脂(1)のエチレン・α−オレフィン共重合体か
らなるが、さらに成形安定性のため樹脂(4)を添加し
てもよい。樹脂(4)の添加量は樹脂(1)100重量
部に対して好ましくは1〜50重量部、さらに好ましく
は5〜40重量部、特に好ましくは10〜30重量部で
ある。添加量が50重量部以下であると、フィルムの透
明性がより良くなり好ましい。
【0020】外層(A)と内層(C)に用いる樹脂
(1)は、同一のエチレン・α−オレフィン共重合体で
も良く、異なるエチレン・α−オレフィン共重合体でも
良い。
【0021】樹脂(1)に樹脂(4)である低密度ポリ
エチレンを添加する場合、外層(A)と内層(C)で同
一の低密度ポリエチレン添加でも良く、異なる低密度ポ
リエチレン添加でも良い。また添加量について、外層
(A)と内層(C)で同一の添加量でも良く、異なる添
加量でも良い。
【0022】[中間層(B)]本発明の多層フィルムを
構成する中間層(B)は、樹脂(2)、樹脂(3)及び
樹脂(4)の3樹脂の組成物からなる。中間層(B)の
組成物中、樹脂(2)が配合されず樹脂(3)と樹脂
(4)だけの場合、フィルムの透明性改良効果が十分で
なく好ましくない。中間層(B)の組成物中、樹脂
(3)が配合されず樹脂(2)と樹脂(4)だけの場
合、フィルムの耐衝撃性が低下して好ましくない。中間
層(B)の組成物中、樹脂(4)が配合されず樹脂
(2)と樹脂(3)だけの場合、フィルムの透明性改良
効果が十分でなく好ましくない。
【0023】これら3樹脂の配合は特に限定されない
が、樹脂(2)を5〜35重量%、樹脂(3)を10〜
55重量%、樹脂(4)を10〜40重量%の範囲で配
合することが好ましい。
【0024】[外層(A)、中間層(B)および内層
(C)]本発明の多層フィルムの(A),(B),
(C)3層のうちの1層以上に、密度0.860〜0.
910g/cm3、MFR0.5〜20g/10分のエ
チレン・α−オレフィン共重合体を、該層の樹脂100
重量部に対し1〜100重量部添加することにより、本
発明の効果を保持したまま、さらにフィルムの耐衝撃性
や低温ヒートシール性を向上させることが可能である。
該重合体の密度が0.860g/cm3未満では、フィ
ルム同士がくっついてブロッキングしやすくなり、密度
が0.910g/cm3を越えると、フィルムの耐衝撃
性や低温ヒートシール性の改良効果が十分でなく、各々
好ましくない。該重合体のMFRが0.5g/10分未
満では溶融混練性が不良となり、20g/10分を越え
るとブロッキングしやすくなり、各々好ましくない。ま
た該重合体の添加量が100重量部を越えると、フィル
ムの剛性が低下して好ましくない。
【0025】該重合体は超低密度品であるため、その製
造においては、フィルム表面のベタつき原因となる低分
子量成分の少ないメタロセン触媒の使用が好ましい。
【0026】本発明のフィルムは、外層(A)/中間層
(B)/内層(C)の3層を基本構成としているが、本
発明の効果を損なわない範囲で、4層以上の多層フィル
ムであっても良い。
【0027】[共押出多層フィルムの製造法]本発明に
おける各層の組成物の調製は、上記の各成分を種々公知
の方法、たとえばヘンシェルミキサー、Vブレンダー、
リボンブレンダー、タンブラブレンダーなどで機械的に
混合する方法や、押出機、バンバリーミキサー、ニーダ
ー、熱ロール等を用いて溶融混練後に造粒あるいは粉砕
する方法などを、用いることができる。このうち生産性
の点から、一軸押出機または二軸押出機を用いて溶融混
練する方法が一般的である。
【0028】本発明における組成物には、本発明の効果
を損なわない程度の範囲内で、必要に応じて酸化防止
剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、滑剤、光安定
剤、紫外線吸収剤、着色剤、充填剤、造核剤、透明化
剤、有機過酸化物、可塑剤、難燃剤等の、一般に熱可塑
性プラスチックに用いられる添加剤を使用してもよい。
【0029】フィルムの成膜方法としては、空冷インフ
レーション法、水冷インフレーション法、Tダイキャス
ト法等があるが、実際のフィルム加工現場では煩雑なサ
イズ変更や樹脂変更の要求があり、これに対応できる操
作性の観点から、水冷インフレーション法やTダイキャ
スト法は汎用性に欠けるため、現実には前述のように空
冷インフレーション成形法が一般に広く採用されてい
る。このような背景から、本発明における共押出多層フ
ィルムは、空冷インフレーション法での成膜時に効果が
十分発現されるように検討されたものであるため、製造
法として空冷インフレーション法による成膜が好まし
い。
【0030】調製された各層の組成物を、3機の各押出
機で各加工温度130〜280℃にて溶融混練を行い、
3層用ダイ内接着型のサーキュラーダイに導入した後、
空冷インフレーション成形法により、共押出多層フィル
ムが成膜される。加工温度が130℃未満または280
℃を超える場合、成膜安定性が低下して好ましくない。
【0031】本発明の多層フィルムの厚みは特に限定す
るものではないが、多層フィルムに十分かつ経済的な機
械的強度を付与するため30〜80μmが好ましく、4
0〜60μmが更に好ましい。本発明の多層フィルムの
層間厚み比は特に限定するものではないが、多層フィル
ムに十分かつ経済的な機械的強度を付与するためと、成
形バランスや生産性の点から、(A)/(B)/(C)
=1/1/1〜1/2/1が好ましい。
【0032】本発明の多層フィルムは、ナイロン等の基
材フィルムとの貼合により、食品包装用、ストレッチ包
装用、農業用等の各種用途に利用される。貼り合わせる
方法は、ドライラミネート法、サンドイッチラミネート
法等の従来公知の方法が採用される。本発明の多層フィ
ルムの貼り合わせ対象となる基材としては、紙、アルミ
箔等の金属箔、セロハン、熱可塑性樹脂等が挙げられ、
目的や被包装物に応じて適宜選択される。また、これら
基材との貼合(接着)を補強する目的で、多層フィルム
の外層側表面にコロナ放電処理等の表面処理を行うこと
が好ましい。
【0033】
【実施例】次に実施例により本発明を更に詳しく説明す
るが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。
【0034】実施例及び比較例における物性の測定と評
価は、以下に示す方法によって実施した。
【0035】(a)密度 JIS K7112(1980年)に準拠して行った。
【0036】(b)MFR JIS K7210(1976年)に準拠して行った。
【0037】(c)ヘーズ JIS K7105(1981年)に準拠して行った。
【0038】(d)インパクト衝撃強度 日本理化学工業製フィルムインパクトテスターにて、フ
ィルムをリング状に固定し、1インチの衝撃頭をもつ振
り子でフィルムを打ち抜き、それに要したエネルギーを
測定した。
【0039】<実施例1>チーグラー触媒により製造さ
れた密度0.920g/cm3、MFR2g/10分、
コモノマーが1−ヘキセンのエチレン・α−オレフィン
共重合体(1)を、外層(A)および内層(C)の共通
原料とした。
【0040】チーグラー触媒により製造された密度0.
935g/cm3、MFR2g/10分、コモノマー1
−ヘキセンのエチレン・α−オレフィン共重合体(2)
30重量%と、樹脂(1)と同一のエチレン・α−オレ
フィン共重合体(3)50重量%と、高圧ラジカル重合
にて製造された密度0.924g/cm3、MFR1g
/10分の高圧法低密度ポリエチレン(4)20重量%
のブレンド物を、中間層(B)の原料とした。
【0041】これらの原料樹脂((A),(B),
(C))を3機の各押出機(外層用,中間層用,内層
用)により180℃で溶融混練して均等な吐出量を保
ち、3層用ダイ内接着型のサーキュラーダイに導入した
後、ブロー比2.2で空冷インフレーション成形を行
い、厚さが50μmの3層共押出フィルム(外層/中間
層/内層=1/1/1)を得た。得られた3層フィルム
の各種物性の評価結果を表1に示す。
【0042】<実施例2>「実施例1」における外層
(A)および内層(C)の共通原料である樹脂(1)1
00重量部に対し、高圧ラジカル重合にて製造された密
度0.924g/cm3、MFR1g/10分の高圧法
低密度ポリエチレン(4)を18重量部配合したもの
を、外層(A)および内層(C)の共通原料とした以外
は、「実施例1」と同様にして3層共押出フィルムを得
た。得られた3層フィルムの各種物性の評価結果を表1
に示す。
【0043】<実施例3>チーグラー触媒により製造さ
れた密度0.963g/cm3、MFR2g/10分、
コモノマーが1−ヘキセンのエチレン・α−オレフィン
共重合体(2)10重量%と、チーグラー触媒により製
造された密度0.918g/cm3、MFR2g/10
分、コモノマーが1−ヘキセンのエチレン・α−オレフ
ィン共重合体(3)70重量%と、高圧ラジカル重合に
て製造された密度0.924g/cm3、MFR1g/
10分の高圧法低密度ポリエチレン(4)20重量%の
ブレンド物を、中間層(B)の原料とし、外層(A)お
よび内層(C)の共通原料として「実施例2」と同一の
ものを用い、「実施例1」と同様の加工法により3層共
押出フィルムを得た。得られた3層フィルムの各種物性
の評価結果を表1に示す。
【0044】<実施例4>「実施例3」における中間層
(B)の原料100重量部に対し、メタロセン触媒によ
り製造された密度0.900g/cm3、MFR2g/
10分、コモノマーが1−ヘキセンのエチレン・α−オ
レフィン共重合体を15重量部配合したものを、中間層
(B)の原料とした以外は、「実施例3」と同様の原料
を用いた。これを「実施例1」と同様の加工法により3
層共押出フィルムを得た。得られた3層フィルムの各種
物性の評価結果を表1に示す。
【0045】<実施例5>「実施例2」における内層
(C)の原料100重量部に対し、メタロセン触媒によ
り製造された密度0.900g/cm3、MFR2g/
10分、コモノマーが1−ヘキセンのエチレン・α−オ
レフィン共重合体を15重量部配合したものを内層
(C)の原料とした以外は、「実施例2」と同様にして
3層共押出フィルムを得た。得られた3層フィルムの各
種物性の評価結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】<比較例1>「実施例1」における中間層
(B)の原料において、樹脂(2)を配合せず、樹脂
(3)80重量%と、樹脂(4)20重量%のブレンド
物を、中間層(B)の原料とした以外は、「実施例1」
と同様にして3層共押出フィルムを得た。得られた3層
フィルムの各種物性の評価結果を表2に示す。
【0048】<比較例2>チーグラー触媒により製造さ
れた密度0.925g/cm3、MFR2g/10分、
コモノマーが1−ヘキセンのエチレン・α−オレフィン
共重合体100重量%を、中間層(B)の原料とした以
外は、「実施例1」と同様にして3層共押出フィルムを
得た。得られた3層フィルムの各種物性の評価結果を表
2に示す。 <比較例3>「実施例2」における中間層(B)の原料
において、樹脂(2)を配合せず、樹脂(3)80重量
%と、樹脂(4)20重量%のブレンド物を、中間層
(B)の原料とした以外は、「実施例2」と同様にして
3層共押出フィルムを得た。得られた3層フィルムの各
種物性の評価結果を表2に示す。
【0049】<比較例4>「実施例2」における中間層
(B)の原料において、樹脂(3)を配合せず、樹脂
(2)80重量%と、樹脂(4)20重量%のブレンド
物を、中間層(B)の原料とした以は、「実施例2」と
同様にして3層共押出フィルムを得た。得られた3層フ
ィルムの各種物性の評価結果を表2に示す。
【0050】<比較例5>「実施例2」における中間層
(B)の原料において、樹脂(4)を配合せず、樹脂
(2)50重量%と、樹脂(3)50重量%のブレンド
物を、中間層(B)の原料とした以外は、「実施例2」
と同様にして3層共押出フィルムを得た。得られた3層
フィルムの各種物性の評価結果を表2に示す。
【0051】<比較例6>「実施例2」における中間層
(B)の原料において、樹脂(2)の代わりとしてチー
グラー触媒により製造された密度0.922g/c
3、MFR2g/10分、コモノマーが1−ヘキセン
のエチレン・α−オレフィン共重合体30重量%を配合
した以外は、「実施例2」と同様にして3層共押出フィ
ルムを得た。得られた3層フィルムの各種物性の評価結
果を表2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】
【発明の効果】以上のように本発明の共押出フィルムと
することにより、高透明性(低ヘーズ値)と高耐衝撃性
(高インパクト衝撃強度値)を合わせ持つ、物性バラン
スの良好な貼合用多層フィルムを得ることができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外層(A)/中間層(B)/内層(C)か
    らなる多層フィルムであって、外層(A)および内層
    (C)が下記の樹脂(1)からなり、中間層(B)が下
    記の樹脂(2),(3)及び(4)からなる樹脂組成物
    であることを特徴とする貼合用共押出多層フィルム。 (1)エチレン・α−オレフィン共重合体 (2)樹脂(1)より少なくとも0.003g/cm3
    高い密度であるエチレン・α−オレフィン共重合体 (3)樹脂(1)と同じ密度またはそれ以下の密度であ
    るエチレン・α−オレフィン共重合体 (4)高圧ラジカル重合法による低密度ポリエチレン
  2. 【請求項2】樹脂(1)が密度0.910〜0.942
    g/cm3、メルトフローレート(MFR)0.5〜2
    0g/10分のエチレン・α−オレフィン共重合体、樹
    脂(2)が密度0.913〜0.970g/cm3、M
    FR0.5〜20g/10分のエチレン・α−オレフィ
    ン共重合体、樹脂(3)が密度0.910〜0.942
    g/cm3、MFR0.5〜20g/10分のエチレン
    ・α−オレフィン共重合体、樹脂(4)が密度0.91
    5〜0.930g/cm3、MFR0.1〜10g/1
    0分の高圧ラジカル重合法による低密度ポリエチレンで
    ある請求項1に記載の貼合用共押出多層フィルム。
  3. 【請求項3】外層(A)および内層(C)が、樹脂
    (1)100重量部に対し樹脂(4)を1〜50重量部
    配合した樹脂組成物である請求項1〜2に記載の貼合用
    共押出多層フィルム。
  4. 【請求項4】中間層(B)が、樹脂(2)5〜35重量
    %、樹脂(3)10〜55重量%、樹脂(4)10〜4
    0重量%の範囲で配合した樹脂組成物である請求項1〜
    3に記載の貼合用共押出多層フィルム。
  5. 【請求項5】(A),(B),(C)3層のうちの1層
    以上が、密度0.860〜0.910g/cm3、MF
    R0.5〜20g/10分のエチレン・α−オレフィン
    共重合体を、該層の樹脂100重量部に対し1〜100
    重量部を配合した樹脂組成物である請求項1〜4に記載
    の貼合用共押出多層フィルム。
  6. 【請求項6】エチレン・α−オレフィン共重合体(1)
    〜(3)のうち、少なくとも1つがメタロセン触媒から
    製造されたものである請求項1〜5に記載の貼合用共押
    出多層フィルム。
  7. 【請求項7】エチレン・α−オレフィン共重合体(1)
    〜(3)が、エチレンと炭素数5〜10のα−オレフィ
    ンとの共重合体である請求項1〜6に記載の貼合用共押
    出多層フィルム。
  8. 【請求項8】外層(A)/中間層(B)/内層(C)か
    らなる多層フィルムであって、各層の樹脂組成物を、3
    機の各押出機で各加工温度130〜280℃にて溶融混
    練を行い、3層用ダイ内接着型のサーキュラーダイに導
    入した後、空冷インフレーション成形法にて成膜するこ
    とを特徴とする請求項1〜7に記載の貼合用共押出多層
    フィルムの製造方法。
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