JPH10323884A - ポリエステル系樹脂製中空成形品およびその製造方法 - Google Patents

ポリエステル系樹脂製中空成形品およびその製造方法

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JPH10323884A
JPH10323884A JP15161597A JP15161597A JPH10323884A JP H10323884 A JPH10323884 A JP H10323884A JP 15161597 A JP15161597 A JP 15161597A JP 15161597 A JP15161597 A JP 15161597A JP H10323884 A JPH10323884 A JP H10323884A
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polyester resin
hollow molded
molded article
blow molding
dyne
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JP15161597A
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Hiroyuki Nakada
裕之 中田
Toshiro Taniguchi
俊郎 谷口
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボカシ状、艶消し状のフロスト調の表面状態
を呈し、高級感、重量感、意匠効果などに優れるポリエ
ステル系樹脂製中空成形品、及び該中空成形品を凹凸加
工を施した高価な金型を使用することなく簡単に且つ円
滑に製造し得る方法の提供。 【解決手段】 外表面の全体又は一部に周方向に並ぶ微
細な波状凹凸模様を有する本発明のポリエステル系樹脂
製中空成形品、並びに前記の中空成形品を、ポリエステ
ル系樹脂を用いて、(σ−σss)>3×106dyne/cm2
の条件下[式中σは押出ブロー成形時におけるポリエス
テル系樹脂の溶融剪断応力(dyne/cm2)、σssは押出ブロ
ー成形時におけるポリエステル系樹脂のシャークスキン
臨界剪断応力(dyne/cm2)を示す]に押出ブロー成形して
製造する方法により、上記の課題が解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステル系樹
脂製中空成形品およびその製造方法に関する。より詳細
には、本発明は、外表面の全体または一部に、特有の微
細な凹凸模様を有するポリエステル系樹脂製中空成形品
およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートをはじめと
するポリエステル系樹脂は、透明性、力学的特性、ガス
バリヤー性、フレーバーバリヤー性などの種々の性質に
優れ、成形品にした際にも残留モノマーや有害な添加物
の心配が少なく、衛生性および安全性に優れていること
から、従来汎用されてきた塩化ビニル樹脂容器に代え
て、ジュース、清涼飲料、油、化粧品、洗剤などの中空
容器として近年広く使用されるようになっている。ポリ
エステル系樹脂製中空容器では、従来、透明性および表
面平滑性に優れることが強く求められてきており、その
ために、透明性および表面平滑性の向上を目的とする成
形技術や素材の開発が専らなされてきた。
【0003】しかしながら、ポリエステル系樹脂製中空
成形品の用途の拡大に伴って、ポリエステル系樹脂製中
空成形品の外観や品質に対する要望も多様化してきてお
り、従来求められたきた透明で且つ表面が平滑であると
いう特性のみでは、多様化した要望に対応できなくなっ
ている。例えば、化粧品容器、シャンプーやリンスなど
のトイレタリー製品容器などでは、高級感、重量感、意
匠効果に優れるものが求められているが、従来の透明で
且つ表面が平滑なポリエステル系樹脂製中空容器では、
高級感、重量感、意匠効果などの点で十分に満足のゆく
ものとなっていない。
【0004】プラスチック容器に高級感、重量感、意匠
効果などを付与する方法の一つとして、容器を艶消し
状、ボカシ状、不透明にしたりする、いわゆる“フロス
ト調”の外観にすることが行われている。“フロスト
調”のプラスチック容器を製造する方法としては、従
来、 (i)金型のキャビティ表面にサンドブラスト加工や放
電加工などによって微細な凹凸を形成し、そのような金
型を用いて押出ブロー成形を行って、金型に設けた凹凸
模様を押出ブロー成形時に中空容器の外表面に転写させ
る方法; (ii)無機粉末を配合した樹脂を用いて中空容器を製造
する方法(特開昭57−70154号公報、特開昭63
−22338号公報など); (iii)熱硬化性樹脂粉末を配合した樹脂を用いて中空
容器を製造する方法(特開平5−339508号公報な
ど); (iv)中空容器の表面に艶消し剤などを塗布する方法
(特公昭43−20391号公報など); が知られている。
【0005】上記した従来法のうち、上記(i)の方法
による場合は、高度で且つ手間のかかる金型の凹凸加工
が必要であり、そのために時間がかかり且つコスト高と
なる。しかも、製造しようとする中空成形品ごとに凹凸
加工を施した金型を別途作製する必要があり、それまで
用いてきた凹凸加工を施していない金型をそのまま使用
することができず、極めて不経済である。その上、溶融
状態にある樹脂が金型に接触して冷却される際に、金型
の凹凸に十分に入り込まず、凹凸模様が容器表面に良好
に転写されないという欠点があり、特に金型に設けた凹
凸が微細になるほど成形品表面への凹凸の転写が難しく
なり、高価な金型を用いるにも拘わらず、その効果が十
分に発揮されないという欠点がある。
【0006】また、上記(ii)の方法による場合は、無
機粉末を樹脂中に均一に混合分散させる必要があるが、
通常ペレット状で用いられることの多いポリエステル系
樹脂では、粒度の違いによってポリエステル系樹脂ペレ
ット中に無機粉末を均一に混合分散させることが困難で
あり、十分に効果を発揮させ得ない。しかも、この(i
i)の方法による場合は、成形品全体が不透明な艶消し
状になるために、得られる成形品が高級感や意匠効果に
十分に優れているとは言えず、また成形品の表面のみに
微細な凹凸を形成したい場合には採用できない。そし
て、上記(iii)の方法による場合も、粉末状の熱硬化
樹脂を用いるものであるため、通常ペレット状で用いら
れることの多いポリエステル系樹脂では、上記(ii)の
場合と同様に、ポリエステル系樹脂ペレットと熱硬化樹
脂粉末とが均一に混合されにくいという問題があり、し
かも成形品の表面のみに微細な凹凸を形成したい場合に
は採用できない。しかも、上記(ii)および(iii)の
方法による場合は、中空容器用の樹脂の他に、無機粉末
や熱硬化樹脂を別途準備し、それを混合して使用する必
要があるため、材料面および作業面で手間やコストのか
かるものとなる。
【0007】また、上記(iv)の方法による場合は、中
空成形品の製造に用いる樹脂と共に艶消し剤を用いる必
要があり、さらに中空成形品を製造した後にその表面に
艶消し剤を塗布する多段階の作業が必要であり、材料面
および工程面で複雑になり且つコストがかかるという問
題がある。しかも、ポリエステル系樹脂に適した艶消し
用塗剤が少なく、中空成形品からの艶消し用塗剤の剥離
の面でも問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、放電
加工やサンドブラスト加工などによって凹凸加工を施し
た高価な金型を使用することなく、それまで使用されて
きた通常の金型を用いることによって、ボカシ状および
/または艶消し状の、いわゆるフロスト調の表面状態を
呈し、高級感、重量感、意匠効果などに優れるポリエス
テル系樹脂製中空成形品を、簡単に且つ円滑に、しかも
経済的に製造し得る方法を提供することである。そし
て、本発明の目的は、無機粉末や熱硬化性樹脂粉末など
を添加しなくても、ボカシ状、艶消し状のフロスト調の
表面状態を呈し、高級感、重量感、意匠効果などに優れ
るポリエステル系樹脂製中空成形品を円滑に製造し得る
方法を提供することである。さらに、本発明の目的は、
高級感、重量感、意匠効果などに優れる、ボカシ状、艶
消し状などのフロスト調の表面状態を有する、従来にな
い、ポリエステル系樹脂製中空成形品を提供することで
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべく
本発明者らは種々検討を重ねてきた。その結果、ポリエ
ステル系樹脂を用いて中空成形品を製造するに当たっ
て、特定の溶融剪断応力の条件下に押出ブロー成形を行
うと、凹凸加工を施していない通常の金型を用いた場合
であっても、さらには無機粉末や熱硬化性樹脂粉末を配
合していないポリエステル系樹脂を用いた場合であって
も、中空成形品の外表面の全体または一部に中空成形品
の周方向に並ぶ微細な波状凹凸模様を有していて、ボカ
シ状および/または艶消し状のフロスト調を呈する、高
級感、重量感、意匠効果などに優れるポリエステル系樹
脂製中空成形品が極めて簡単に且つ円滑に製造できるこ
とを見出して本発明を完成した。
【0010】すなわち、本発明は、ポリエステル系樹脂
を用いて、下記の数式(1)を満足する溶融剪断応力σ
(dyne/cm2)の条件下に押出ブロー成形を行う
ことを特徴とする、ポリエステル系樹脂製中空成形品の
製造方法である。
【0011】
【数2】 (σ−σss)>3×106dyne/cm2 (1) [式中、σは押出ブロー成形時におけるポリエステル系
樹脂の溶融剪断応力(dyne/cm2)を示し、σss
は押出ブロー成形時におけるポリエステル系樹脂のシャ
ークスキン臨界剪断応力(dyne/cm2)を示
す。]
【0012】そして、本発明は、上記の製造方法により
得られるポリエステル系樹脂製中空成形品である。
【0013】さらに、本発明は、ポリエステル系樹脂製
中空成形品であって、外表面の全体または一部に、中空
成形品の周方向に並ぶ微細な波状凹凸模様を有すること
を特徴とする中空成形品である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明について詳細に説
明する。本発明の中空成形品の製造方法においては、ポ
リエステル系樹脂の溶融剪断応力が下記の数式(1)を
満足するような条件を採用して、ポリエステル系樹脂の
押出ブロー成形を行うことが必要である。
【0015】
【数3】 (σ−σss)>3×106dyne/cm2 (1) [式中、σは押出ブロー成形時におけるポリエステル系
樹脂の溶融剪断応力(dyne/cm2)を示し、σss
は押出ブロー成形時におけるポリエステル系樹脂のシャ
ークスキン臨界剪断応力(dyne/cm2)を示
す。]
【0016】押出ブロー成形時のポリエステル系樹脂の
溶融剪断応力σとシャークスキン臨界剪断応力σssとの
差(σ−σss)[以下単に「差(σ−σss)」というこ
とがある]が3×106dyne/cm2以下であると、
目的とする、外表面の全面または一部に中空成形品の周
方向に並ぶ微細な波状凹凸模様を有する、ボカシ状や艶
消し状のフロスト調を呈するポリエステル系樹脂製中空
成形品が得られにくくなる。前記したフロスト調のポリ
エステル系樹脂製中空成形品を円滑に得るには、該差
(σ−σss)が3.5×106dyne/cm2以上であ
ることが好ましく、6×106dyne/cm2以上であ
ることがより好ましい。一方、該差(σ−σss)が1×
107dyne/cm2を超えると、ポリエステル系樹脂
の押し出しが困難になって、押出ブロー成形が円滑に行
われにくくなるので、該差(σ−σss)は1×107
yne/cm2以下であることが好ましい。
【0017】ここで、本明細書でいう「押出ブロー成形
時におけるポリエステル系樹脂の溶融剪断応力σ」と
は、ポリエステル系樹脂を押出ブロー成形装置の押出機
から溶融押出しする際の押出し直前(ダイリップ)にお
いて溶融したポリエステル系樹脂にかかっている剪断応
力を意味する。前記した溶融剪断応力σ(dyne/c
2)は、一般には、以下のようにして求めることがで
きる。
【0018】[ポリエステル系樹脂の溶融剪断応力σの
求め方]キャピログラフにより、直径2mm×長さ10
mmのキャピラリーノズルを用いて、所定の温度(押出
ブロー成形で採用する押出温度)において剪断速度を変
化させて、剪断速度に対する溶融剪断応力のグラフを求
めておく。一方、押出ブロー成形装置の二重管型ダイリ
ップの開口部外半径r2(cm)、開口部内半径r1(c
m)、および押出速度Q(cm3/sec)を下記の数
式(2)に代入して、押出ブロー成形装置のダイリップ
における剪断速度γ(sec-1)を算出する。
【0019】
【数4】 γ(sec-1)=6Q/{π(r2+r1)(r2−r1)2} (2) 上記で得られた剪断速度γをキャピログラフによる、剪
断速度と溶融剪断応力のグラフにあてはめて、押出ブロ
ー成形時の溶融剪断応力σを求める。
【0020】また、本明細書でいう「シャークスキン臨
界剪断応力σss」は、次のようにして求められる。 [ポリエステル系樹脂のシャークスキン臨界剪断応力σ
ss]キャピログラフにより、直径2mm×長さ10mm
のキャピラリーノズルを用いて、所定の温度(押出ブロ
ー成形で採用する押出温度)において剪断速度を変化さ
せて、ポリエステル系樹脂をストランド状に押し出し、
ストランド表面が粗面化した時点[JIS B 060
1に準じて測定した中心線平均粗さ(Ra)が0.4μ
mになった時点]における剪断応力を求め、これをシャ
ークスキン臨界剪断応力σss(dyne/cm2)とす
る。
【0021】本発明の押出ブロー成形方法においては、
ポリエステル系樹脂の溶融剪断応力σとシャークスキン
臨界剪断応力σssとの差(σ−σss)を3×106dy
ne/cm2よりも大きくすることができる限りは、ど
のような押出ブロー成形装置および押出ブロー成形条件
を採用してもよい。また、本発明の押出ブロー成形によ
り得られるポリエステル系樹脂製中空成形品の形状、構
造、サイズも何ら制限されず、各々の用途に適したもの
とすることができる。
【0022】一般には、押出ブロー成形時の押出温度が
低くなるほど、押出速度が高くなるほど、押出圧力が高
くなるほど、またダイリップの間隙が小さくなるほど、
上記した差(σ−σss)が大きくなる。また、例えば、
同じ押出温度、押出速度、ダイリップ間隙である場合
は、ポリエステル系樹脂の重合度や溶融粘度が高くなる
ほど上記した差(σ−σss)が大きくなる。したがっ
て、ポリエステル系樹脂を押出ブロー成形するに当たっ
て、その押出温度、溶融粘度、押出圧力、押出速度、ダ
イリップ間隙などのうちの1つまたは2つ以上の条件を
調節することによって、或いはポリエステル系樹脂の重
合度を選ぶことによって、ポリエステル系樹脂の溶融剪
断応力σとシャークスキン臨界剪断応力σssとの差(σ
−σss)を3×106dyne/cm2よりも大きくし
て、目的とするフロスト調の外観を有するポリエステル
系樹脂製中空成形品を製造することができる。
【0023】そして、本発明のポリエステル系樹脂製中
空成形品は、外表面の全体または一部に、中空成形品の
周方向に並ぶ微細な波状凹凸模様を有している。本発明
でいう、「外表面の全面または一部に中空成形品の周方
向に並ぶ微細な波状凹凸模様」とは、微細な波状の凹凸
シボ模様が、中空成形品の外表面においてその周方向
[押出方向(長さ方向)と直角の方向]に多数並んで形
成されていることを意味する。その場合に波状凹凸模様
は、それぞれが一本の波としてつながって中空成形品の
周方向に複数列に並んで配置していても、または所々で
途切れながら中空成形品の周方向に全体として複数列に
並んで配置していてもよい。本発明のポリエステル系樹
脂製中空成形品の外表面に形成されている、「中空成形
品の周方向に並ぶ微細な波状凹凸模様」の代表例として
は、図1(図面代用写真)に示されているような、微細
な波状の凹凸シボ模様がその周方向に並んだ形態のもの
を挙げることができる。
【0024】本発明のポリエステル系樹脂製中空成形品
は、上記した微細な波状の凹凸模様を、中空成形品の外
表面の全体に有していても、または中空成形品の外表面
の一部にのみ有していてもよい。微細な波状の凹凸模様
を中空成形品の外表面の一部に有している場合は、中空
成形品の少なくとも胴部(側周壁)の外表面に該微細な
波状の凹凸模様が存在するようにしておくのがよい。ま
た、本発明のポリエステル系樹脂製中空成形品では、外
表面における上記した微細な波状の凹凸模様は、中空成
形品の外表面の全面で同じであっても(例えば凹凸模様
の密度や深さが同じであっても)、または中空成形品の
外表面の位置に応じて該微細な波状の凹凸模様が互いに
異なっていてもよい(例えば凹凸模様の密度や深さなど
が異なっていてもよい)。さらに、本発明のポリエステ
ル系樹脂製中空成形品では、中空成形品の外表面の一部
にその周方向に並ぶ前記した微細な波状の凹凸模様が形
成され、他の外表面部分は凹凸のない平滑面になってい
てもよい。
【0025】何ら限定されるものではないが、本発明に
包含されるポリエステル系樹脂製中空成形品の具体例と
しては、図2に示すようなものをあげることができる。
図2の(a)に示すような肩部分から底部までの直径が
ほぼ同じになっている中空成形品1では、押出されたパ
リソンのブロー比(伸張率)が肩部分から底部に至るま
で同じ(ほぼ同じ)であるから、溶融押出し時にパリソ
ンの外表面に形成された微細な凹凸が、ブロー成形時に
そのまま肩部分から底部まで同じ比率で伸ばされる結
果、中空成形品の肩部分から底部に至るまでの外表面
に、ほぼ同じ内容(同じ密度および深さ)の微細な波状
の凹凸シボ模様が周方向に並んで形成される。
【0026】また、例えば図2の(b)に示すようなく
びれた部分3を有する中空成形品においては、膨張した
部分2および4と、くびれた部分3とでは、押出された
パリソンの伸張率(ブロー比)が異なり、膨張した部分
2および4では大きく伸張され、くびれた部分3では伸
張されないか又は小さく伸張される結果、膨張した部分
2および4に相当するパリソンの外表面に形成された凹
凸シボ模様は引き伸ばされてその部分では凹凸シボ模様
の密度が小さくかつ浅くなり、一方くびれた部分3では
引き伸ばしが小さいことにより、凹凸シボ模様の密度が
高く且つ深くなり、中空成形品の外表面における凹凸シ
ボ模様が場所によって異なったものとなる。
【0027】さらに、例えば図2の(c)に示すような
径が底部に向かって徐々に大きくなる中空成形品では、
押出されたパリソンの伸張状態(ブロー比率)が肩部分
5では小さく、底部6に向かって徐々に大きくなってい
ることによって、中空成形品の外表面に形成された微細
な凹凸シボ模様の密度が肩部分5から底部6に向かって
徐々に小さくなっている。
【0028】また、図2の(d)に示すように、押出ブ
ロー成形に用いる金型の温度を部分的に変化させて、例
えば、符号7に相当する部分の金型温度を低くし、符号
8に相当する部分の金型温度をパリソンの外表面に形成
された凹凸シボ模様が消失するような高温にしておく
と、符号7に相当する部分の外表面には微細な凹凸シボ
模様が周方向に多数並んで形成され、一方符号8に相当
する部分の外表面には凹凸のない平滑面が形成された中
空成形品を得ることができる。そして、上記とは別に、
1本のパリソンを押出している途中で、ダイリップの間
隔を変化させるか、および/または押出速度を変化させ
ることによっても、図2の(d)に示すのと同様の、凹
凸シボ模様を有する部分と平滑面とを有する中空成形品
を得ることができる。
【0029】図2の(a)〜(d)で例示した以外に
も、中空成形品の形状を種々変化させることによって、
押出機からのポリエステル系樹脂の押出状態を変えるこ
とによって、および/またはブロー成形時の金型の温度
やブロー比率を変えることによって、ポリエステル系樹
脂製中空成形品の外表面における微細な凹凸模様の内容
が色々変化したポリエステル系樹脂製中空成形品を得る
ことができる。
【0030】本発明のポリエステル系樹脂製中空成形品
は、上記の数式(1)を満足する条件下で押出ブロー成
形することによって円滑に製造することができる。しか
しながら、本発明のポリエステル系樹脂製中空成形品
は、上記した押出ブロー成形によって製造されるものに
限定されず、ポリエステル系樹脂からなる中空成形品で
あって、外表面の全体または一部に、中空成形品の周方
向に並ぶ微細な波状凹凸模様を有する中空成形品であれ
ば、いずれも本発明の範囲に包含される。
【0031】本発明のポリエステル系樹脂製中空成形品
では、中空成形品の外表面の全部または一部に存在する
前記した微細な波状凹凸模様のサイズが、中心線平均粗
さ(Ra)で0.5μm以上であることが好ましく、
0.5〜10μmであることがより好ましい。波状凹凸
模様の中心線平均粗さ(Ra)が0.5μm未満である
と、平滑面に近くなり、凹凸模様を形成した効果が小さ
くなる。微細な波状凹凸模様の中心線平均粗さ(Ra)
が0.5μm以上であるポリエステル系樹脂製中空成形
品は、溶融剪断応力σとシャークスキン臨界剪断応力σ
ssの差(σ−σss)が、上記の数式(1)を満足する条
件下、すなわち3×106dyne/cm2よりも大きく
なるような条件下にポリエステル系樹脂を押出ブロー成
形することによって円滑に製造することができる。な
お、本明細書でいう、「中心線平均粗さ(Ra)」と
は、表面粗さ計を用いてJIS B 0601に準じて
測定したときの表面粗さを言い、その詳細については、
以下の実施例の項に記載するとおりである。
【0032】本発明ではポリエステル系樹脂として押出
ブロー成形に用い得るポリエステル系樹脂であればいず
れも使用でき特に制限されない。本発明で用い得るポリ
エステル系樹脂としては、例えば、テレフタル酸、イソ
フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカル
ボン酸、ジフェノキシジカルボン酸、ジフェニルエーテ
ルジカルボン酸、フェニルスルホンジカルボン酸などの
芳香族ジカルボン酸;コハク酸、アジピン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸など脂肪族ジカルボン酸;デカリンジ
カルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式
ジカルボン酸;またはそれらのエステル形成性誘導体な
どのジカルボン酸成分の1種または2種以上と、エチレ
ングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレ
ングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチ
レングリコール、オクタメチレングリコール、デカメチ
レングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチル
グリコール、ジエチレングリコールなどの脂肪族グリコ
ール;シクロヘキサンジメタノールなどの脂環式グリコ
ール;ポリエチレングリコールなどのグリコール類の1
種または2種以上を、必要に応じて、トリメリット酸、
トリメシン酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸、
トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペン
タエリスリトールなどの多価アルコールの1種または2
種以上の併用下に反応させて得られるポリエステル類;
ポリラクトン類;ヒドロキシカルボン酸の重縮合により
形成されたポリエステル類などを挙げることができる。
【0033】そのうちでも、本発明では、ポリエステル
系樹脂として、エチレンテレフタレート単位から主とし
てなり場合により少量の他の共重合単位を含むポリエチ
レンテレフタレート系樹脂、ブチレンテレフタレート単
位から主としてなり場合により少量の他の共重合単位を
含むポリブチレンテレフタレート系樹脂が好ましく用い
られ、ポリエチレンテレフタレート系樹脂がより好まし
く用いられる。
【0034】そして、押出ブロー成形によって本発明の
ポリエステル系樹脂製中空成形品を製造する場合は、上
記の差(σ−σss)が上記の数式(1)を満足する条件
下に、従来既知の押出ブロー成形と同様にして目的とす
るポリエステル系樹脂製中空成形品を製造することがで
き、例えば、ポリエステル系樹脂を溶融下に押出成形し
て円筒状のパリソンを形成し、このパリソンが軟化状態
にある間にブロー用金型に挿入し、空気などの気体を吹
き込んでパリソンを金型キャビティ形状に沿っって膨張
・賦形することによって本発明のポリエステル系樹脂製
中空成形品を得ることができる。
【0035】本発明のポリエステル系樹脂製中空成形品
は、その外表面の全面または一部に中空成形品の周方向
に並ぶ微細な波状凹凸模様を有していることによって、
中空成形品の外表面における該微細な凹凸模様部分で光
が乱反射されて、ボカシ状、艶消し状などのフロスト調
の外観を呈し、しかも完全な不透明状態にはなっておら
ず、ある程度の透光性を有しているので、高級感、重量
感、意匠効果に優れる外観を有する。そのため、本発明
のポリエステル系樹脂製中空成形品は、それらの特性を
活かして、例えば、化粧品容器、シャンプーやリンスな
どのトイレタリー製品容器、ジュース容器、清涼飲料容
器、油容器、その他の食品容器、医薬品容器、花瓶、食
器、装飾品、工芸品、日用雑貨品、玩具などの広範な用
途に有効に使用することができる。
【0036】
【実施例】以下に実施例および比較例により本発明につ
いて具体的に説明するが、本発明はそれにより何ら限定
されない。以下の例において、押出ブロー成形時におけ
るポリエステル系樹脂の溶融剪断応力σ(dyne/c
2)およびポリエステル系樹脂のシャークスキン臨界
剪断応力(dyne/cm2)は次のようにして求め
た。また、ポリエステル系樹脂製中空成形品(容器)の
外表面における中心線平均粗さ(Ra)の測定、および
ポリエステル系樹脂製中空成形品(容器)の外観の評価
は次のようにして行った。
【0037】(1)押出ブロー成形時のポリエステル系
樹脂の溶融剪断応力σ:キャピログラフにより、直径2
mm×長さ10mmのキャピラリーノズルを用いて、所
定の温度(押出ブロー成形で静養する押出温度)におい
て剪断速度を変化させて、剪断速度に対する溶融剪断応
力のグラフを求めておく。一方、押出ブロー成形装置の
二重管型ダイリップの開口部外半径r2(1.25c
m)、開口部内半径r1(1.165cm)、および押
出速度Q(cm3/sec)(但し溶融状態での樹脂密
度=1.27g/cm3として算出)を上記した数式
(2)に代入して、押出ブロー成形装置のダイリップに
おける剪断速度γ(sec-1)を算出し、それにより得
られた剪断速度γをキャピログラフによる剪断速度と溶
融剪断応力のグラフにあてはめて、押出ブロー成形字の
溶融剪断応力σを求めた。
【0038】(2)ポリエステル系樹脂のシャークスキ
ン臨界剪断応力σss:キャピログラフ(東洋精機株式会
社製「キャピログラフ1C型」)により、直径2mm×
長さ10mmのキャピラリーノズルを用いて、以下の実
施例および比較例で採用したそれぞれの押出温度におい
て剪断速度を変化させて、ポリエステル系樹脂をストラ
ンド状に押し出し、ストランド表面が粗面化の度合いを
表面粗さ計(株式会社三豊製作所製「サーフテスト50
1型」)を用いてJIS B0601に準じて測定し、
その中心線平均粗さ(Ra)の値が0.4μmになった
時点の剪断応力を求め、それをシャークスキン臨界剪断
応力σss(dyne/cm2)とした。
【0039】(3)ポリエステル系樹脂製中空成形品
(容器)の外表面における中心線平均粗さ(Ra)の測
定:以下の実施例および比較例で得られたポリエステル
系樹脂製中空成形品(容器)の側周壁の中央部分から試
験片(縦10mm×横10mm×厚さ0.5mm)を切
り出し、表面粗さ計(株式会社三豊製作所製「サーフテ
スト501型」)を用いて、カットオフ値0.8mm、
測定長さ2.4mmの条件下に、JIS B0601に
準じてその中心線平均粗さ(Ra)を測定した。
【0040】(4)ポリエステル系樹脂製中空成形品
(容器)の外観の評価:ポリエステル系樹脂製容器内に
ラベンダー色(薄紫色)に着色した水を充填し、それを
容器の外から目視にて観察して、下記の表1に示す評価
基準にしたがってポリエステル系樹脂製容器の外観の評
価を行った。
【0041】
【表1】 [ポリエステル系樹脂製中空成形品(容器)の外観の評価基準] ◎:ボカシ状、艶消し状のフロスト調の表面状態を呈しており、内部に 充填したラベンダー色の水が、中空成形品(容器)の器壁を通して 柔らかな薄紫色として外部から観察され、高級感、重量感、意匠効 果に極めて優れる外観を呈している。 ○:ボカシ状、艶消し状のフロスト調の表面状態をほぼ呈しており、内 部に充填したラベンダー色の水が、中空成形品(容器)の器壁を通 してほぼ柔らかな色調となって外部から観察され、高級感、重量感、 意匠効果にほぼ優れる外観を呈している。 △:容器の外表面がややボカシ状、やや艶消し状の表面状態になってい るが、内部に充填したラベンダー色の水が、中空成形品(容器)の 器壁を通してかなりきつい色調(容器に充填する前の水の色とほぼ 同じ色調)として外部から観察され、高級感、重量感、意匠効果に かなり欠けている。 ×:容器の外表面が平滑であってフロスト調になっておらず、完全な透 明状態を呈し、容器の内部に充填したラベンダー色の水の色が、中 空成形品(容器)の器壁を通して、充填前と同じ色調でそのまま外 部から観察され、高級感、重量感、意匠効果に欠けている。
【0042】《実施例1〜2および比較例1〜2》 (1) 押出ブロー成形用ポリエチレンテレフタレート
樹脂(イーストマン・ケミカル社製「Kodapak
PET13339」)を、押出ブロー成形装置(押出ス
クリュー60mmφ)(株式会社プラコー製「中空成形
機BM−304・J2型機」)に供給し、下記の表2に
示す押出温度(押出ダイ温度)、押出速度および溶融剪
断応力σの条件下に筒状パリソン(外形25mm、肉厚
1mm)として押出し、それを温度10℃の金型内に挿
入して、ブロー成形を行って、円筒形容器(容量300
ml、外径約45mm、口部の径25mm、胴部の肉厚
約0.5mm)を製造した。 (2) 上記(1)で得られた容器の胴部(側周壁中央
部分)の表面粗さの測定および外観の評価を上記した方
法で行ったところ、下記の表2に示すとおりであった。
なお、参考までに実施例1で得られた容器における口部
の外表面の表面粗さを同様にして測定したところ、5.
2μmであった。 (3) また、下記の表2に示す押出温度と同じ温度を
採用して実施例1〜2および比較例1〜2におけるシャ
ークスキン臨界剪断応力σssを上記した方法で測定、差
(σ−σss)を求めたところ、下記の表2に示すとおり
であった。
【0043】
【表2】
【0044】上記の表2の結果から、ポリエステル系樹
脂の溶融剪断応力σとシャークスキン臨界剪断応力σss
との差(σ−σss)が、3×106dyne/cm2を超
える条件下に押出ブロー成形を行って容器を製造してい
る実施例1および実施例2では、容器の外表面に、中心
線平均粗さ(Ra)が0.5μm以上である微細な波状
凹凸模様が容器の周方向に多数形成されて、ボカシ状、
艶消し状のフロスト調の表面状態を有する、高級感、重
量感、意匠効果に優れる容器(中空成形品)が得られる
ことがわかる。それに対して、上記の差(σ−σss)が
3×106dyne/cm2以下である条件下に押出ブロ
ー成形を行った比較例1および比較例2の場合は、容器
の外表面に微細な波状凹凸模様が良好に形成されない
か、または凹凸模様のない平滑面となり、高級感、重量
感および意匠効果に優れる容器(中空成形品)が得られ
ないことがわかる。
【0045】《実施例3〜4および比較例3〜4》 (1) 押出ブロー成形用ポリエチレンテレフタレート
樹脂(株式会社クラレ製の押出ブロー成形用ポリエチレ
ンテレフタレート樹脂「KS710B」)を用いて、実
施例1で使用したのと同じ押出ブロー成形装置を用い
て、下記の表3に示す押出温度(押出ダイ温度)、押出
速度および溶融剪断応力σの条件下に筒状パリソン(外
径25mm、肉厚1mm)として押出し、それを温度1
0℃の金型内に挿入して、ブロー成形を行って、実施例
1で製造したのと同じ形状および寸法を有する円筒形容
器を製造した。 (2) 上記(1)で得られた容器の胴部(側周壁中央
部分)の表面粗さの測定および外観の評価を上記した方
法で行ったところ、下記の表3に示すとおりであった。
なお、参考までに実施例3で得られた容器における口部
の外表面の表面粗さを同様にして測定したところ、4.
8μmであった。 (3) また、下記の表3に示す押出温度と同じ温度を
採用して実施例3〜4および比較例3〜4におけるシャ
ークスキン臨界剪断応力σssを上記した方法で測定、差
(σ−σss)を求めたところ、下記の表3に示すとおり
であった。
【0046】
【表3】
【0047】上記の表3の結果から、ポリエステル系樹
脂の溶融剪断応力σとシャークスキン臨界剪断応力σss
との差(σ−σss)が、3×106dyne/cm2を超
える条件下に押出ブロー成形を行って容器を製造してい
る実施例3および実施例4では、容器の外表面に、中心
線平均粗さ(Ra)が0.5μm以上である微細な波状
凹凸模様が容器の周方向に多数形成されて、ボカシ状、
艶消し状のフロスト調の表面状態を有する、高級感、重
量感、意匠効果に優れる容器(中空成形品)が得られて
いるのに対して、該差(σ−σss)が3×106dyn
e/cm2以下の条件下に押出ブロー成形を行った比較
例3および比較例4の場合は、容器の外表面に微細な波
状凹凸模様が良好に形成されないか又は凹凸模様のない
平滑面となり、高級感、重量感および意匠効果に優れる
容器(中空成形品)が得られないことがわかる。
【0048】《実施例5〜6および比較例5〜6》 (1) 非晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂(イー
ストマン・ケミカル社製「PETG6763」)を用い
て、実施例1で使用したのと同じ押出ブロー成形装置を
用いて、下記の表4に示す押出温度(押出ダイ温度)、
押出速度および溶融剪断応力σの条件下に筒状パリソン
を押出し、それを温度10℃の金型内に挿入して、ブロ
ー成形を行って、実施例1で製造したのと同じ形状およ
び寸法を有する円筒形容器を製造した。 (2) 上記(1)で得られた容器の胴部(側周壁中央
部分)の表面粗さの測定および外観の評価を上記した方
法で行ったところ、下記の表4に示すとおりであった。
なお、参考までに実施例5で得られた容器における口部
の外表面の表面粗さを同様にして測定したところ、6.
9μmであった。 (3) また、下記の表4に示す押出温度と同じ温度を
採用して実施例5〜6および比較例5〜6におけるシャ
ークスキン臨界剪断応力σssを上記した方法で測定、差
(σ−σss)を求めたところ、下記の表4に示すとおり
であった。 (4) さらに、実施例5で得られたポリエステル系樹
脂製中空成形品の胴部(側周壁中央部分)の外表面に形
成された微細な波状凹凸模様を拡大して撮影したとこ
ろ、図1の図面代用写真に示すとおりであった。
【0049】
【表4】
【0050】
【発明の効果】本発明のポリエステル系樹脂製中空成形
品は、外表面の全体または一部に、周方向に並ぶ微細な
波状凹凸模様を有し、ボカシ状、艶消し状のフロスト調
の表面状態を呈しているので、高級感、重量感、意匠効
果などに優れており、そのためそのような特性を活かし
て、例えば、化粧品容器、シャンプーやリンスなどのト
イレタリー製品容器、ジュース容器、清涼飲料容器、油
容器、その他の食品容器、医薬品容器、花瓶、食器、装
飾品、工芸品、日用雑貨品、玩具などの広範な用途に有
効に使用することができる。本発明の押出ブロー成形方
法による場合は、上記した優れた特性を備えるポリエス
テル系樹脂製中空成形品を、放電加工やサンドブラスト
加工などによって凹凸加工を施した高価な金型を使用す
ることなくそれまで使用されてきた通常の金型を用い
て、またポリエステル系樹脂中に無機粉末や熱硬化性樹
脂粉末などを添加しなくても、極めて簡単な操作で円滑
に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリエステル系樹脂製中空成形品の外
表面における、周方向に並ぶ微細な波状凹凸模様の代表
的な例を示す図(図面代用写真)である。
【図2】本発明のポリエステル系樹脂製中空成形品の形
状または外表面の状態の例を示す図である。
【符号の説明】
1 肩部分から底部までの直径がほぼ同じになっている
中空成形品 2 中空成形品における膨張した部分 3 中空成形品におけるくびれた部分 4 中空成形品における膨張した部分 5 中空成形品の肩部分 6 中空成形品の底部 7 中空成形品における微細な波状凹凸模様が形成され
た部分 8 中空成形品における平滑部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 22:00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル系樹脂を用いて、下記の数
    式(1)を満足する溶融剪断応力σ(dyne/c
    2)の条件下に押出ブロー成形を行うことを特徴とす
    る、ポリエステル系樹脂製中空成形品の製造方法。 【数1】 (σ−σss)>3×106dyne/cm2 (1) [式中、σは押出ブロー成形時におけるポリエステル系
    樹脂の溶融剪断応力(dyne/cm2)を示し、σss
    は押出ブロー成形時におけるポリエステル系樹脂のシャ
    ークスキン臨界剪断応力(dyne/cm2)を示
    す。]
  2. 【請求項2】 中空成形品の外表面の全面または一部
    に、中空成形品の周方向に並ぶ微細な波状凹凸模様を有
    するポリエステル系樹脂製中空成形品を製造する請求項
    1の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2の製造方法により得ら
    れるポリエステル系樹脂製中空成形品。
  4. 【請求項4】 ポリエステル系樹脂製中空成形品であっ
    て、外表面の全体または一部に、中空成形品の周方向に
    並ぶ微細な波状凹凸模様を有することを特徴とするポリ
    エステル系樹脂製中空成形品。
  5. 【請求項5】 波状凹凸模様の中心線平均粗さ(Ra)
    が0.5μm以上である請求項4のポリエステル系樹脂
    製中空成形品。
  6. 【請求項6】 波状凹凸模様の中心線平均粗さ(Ra)
    が0.5〜10μmである請求項4のポリエステル系樹
    脂製中空成形品。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002019257A (ja) * 2000-06-30 2002-01-23 Yoshino Kogyosho Co Ltd 示温インキにより印刷されたプラスチック容器及びプラスチック容器の印刷方法
JP2009102029A (ja) * 2007-10-22 2009-05-14 Yoshino Kogyosho Co Ltd ボトル
JP2017065738A (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 大日本印刷株式会社 プラスチックボトル、充填体、及び充填体の製造方法
WO2020054709A1 (ja) * 2018-09-13 2020-03-19 東洋製罐グループホールディングス株式会社 加飾押出成形品
US11040475B2 (en) 2017-09-08 2021-06-22 Graham Packaging Company, L.P. Vertically added processing for blow molding machine

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