JPH10323839A - 成形用型およびその製造方法 - Google Patents

成形用型およびその製造方法

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JPH10323839A
JPH10323839A JP13473497A JP13473497A JPH10323839A JP H10323839 A JPH10323839 A JP H10323839A JP 13473497 A JP13473497 A JP 13473497A JP 13473497 A JP13473497 A JP 13473497A JP H10323839 A JPH10323839 A JP H10323839A
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mold
resin
metal
thermosetting resin
temperature
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JP13473497A
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English (en)
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Ikushi Heta
育士 部田
Osamu Shinji
修 新治
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い寸法精度で成形品を得ることができる成
形用型を提供すること。成形用型の製造に際して生じる
産業廃棄物を減じることが可能な成形用型の製造方法を
提供すること。 【解決手段】 被成形物の凹凸パターンが反転された凹
凸パターンが設けられた金属金型5(雌(凹)型)を用
意する(a)。この金属金型5に、第1の熱硬化性樹脂
6を注入して第1の温度で硬化させる(b)。硬化後、
離型して樹脂製型6(雄(凸)型)を得る(c)。上記
樹脂製型6に第2の熱硬化性樹脂7を注入し、該第2の
熱硬化性樹脂層7に、金属製またはセラミックス製の板
状物8を積層する(d)。積層したままで第2の温度で
一次硬化させて一次硬化型9(雌(凹)型)を得る
(e)。上記樹脂製型6から一次硬化型9を離型後、一
次硬化型9を第3の温度で二次硬化させて成形用型10
を作製する(f)を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビデオプロジェク
ションテレビジョンのスクリーン用のフレネルレンズシ
ート、オーバーヘッドプロジェクター用のフレネルレン
ズシートなどの光学レンズシートの製造に好適に用いら
れる成形用型およびその成形用型を製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】フレネルレンズシートは、同心円状に配
置されたフレネルレンズ形状を有する薄肉の光学レンズ
であり、凸レンズのレンズ厚さを薄くするために、凸レ
ンズ面をレンズの厚さ方向に対して垂直な方向に微細な
大きさに分割し、その分割されたレンズ面を直線に近似
したものを分割した方向に垂直な一平面上に平行移動す
ることにより設計されている。ビデオプロジェクション
テレビジョン用のスクリーンに用いられるフレネルレン
ズシートの場合、投射レンズからの発散光を集光する働
きを持ち、光学的な条件を満足するように設計されたパ
ターン通りのフレネルレンズ形状を有するものを製造す
る必要がある。フレネルレンズシートの製造方法として
は、ホットプレス成形法、キャスティング法、インジェ
クション法などが挙げられる。最近では、フォトポリマ
ー法(2P法)を利用して製造することも行われてい
る。これらの製造方法では、高い精度を有するNC旋盤
を用いて金属板にフレネルレンズ形状とは逆型のV溝を
切削して金属金型を作製し、その形状を正確に被成形物
に転写することにより成形することが行われている。こ
こで、金属金型を用いて被成形物を1個1個成形するこ
とが一般的である。成形を繰り返すことにより金型表面
が摩耗することなどから、1台の金属金型を用いて成形
し得るフレネルレンズシートの枚数には限界があり、こ
のような金属金型を用いた成形法でフレネルレンズシー
トを量産するためには、多くの台数の金属金型が必要と
なる。1台の金属金型を切削するために要する時間は長
く、また、切削の歩留まりの低さなどを考慮すると、フ
レネルレンズシートの製造原価に占める金型のコストは
非常に大きなものであり、金型に要する経費の削減が望
まれている。
【0003】これに対して、金属金型から樹脂中間型を
介して金型と同一寸法の成形用樹脂型を作製する技術が
ある(特開平1−174418号公報参照)。これは、
金属金型から複数の樹脂中間型を作製し、この樹脂中間
型を用いて複数の成形用樹脂型を作製し、この成形用樹
脂型を用いて被成形物を成形するものであり、1つの金
属金型から多数の成形用樹脂型が得られることから、1
つの成形物当たりに要する金属金型のコストを下げるこ
とができ、金属金型の平均寿命を向上させることができ
る。また、本件の出願人は、金属金型から樹脂中間型を
介して成形用樹脂型を作製する際に、成形用樹脂型の硬
化工程を樹脂中間型を離型せずに行う一次硬化と、樹脂
中間型を離型した後に行う二次硬化との2つの硬化工程
に分離し、一次硬化温度および二次硬化温度を適宜設定
することにより、1つのピッチの金属金型から複数の種
類のピッチを有する成形用樹脂型を作製することがで
き、したがって、異なるピッチを有する被成形物毎に金
属金型を準備する必要がなく、金属金型に要するコスト
を下げることができる技術を開発した(特願平7−30
2647号明細書参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ビデオプロジェクショ
ンテレビジョン用のスクリーンに用いられるフレネルレ
ンズシートなどでは、高い光学性能が要求される傾向が
強まっており、寸法精度を従来以上に向上させる必要が
ある。また、近年、産業廃棄物の処理が問題視され、産
業廃棄物の減量化が求められている。しかし、上記従来
の成形用樹脂型を作製する技術は、寸法精度に若干問題
があり、また大量の産業廃棄物が生じるという課題が存
在していた。
【0005】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたもので、高い寸法精度で成形品を得ることができ
る成形用型を提供することを目的とする。また、本発明
は、成形用型の製造に際して生じる産業廃棄物を減じる
ことが可能な成形用型の製造方法を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決する本
願の請求項1の発明に係る成形用型は、金属製またはセ
ラミックス製の板状物に、被成形物の凹凸パターンを反
転した凹凸パターンが形成された熱硬化性樹脂層が積層
されてなることを特徴とする。
【0007】この本発明の成形用型は、被成形物の凹凸
パターンを反転した凹凸パターンが設けられた金属金型
の雌(凹)型に、第1の熱硬化性樹脂を注入し第1の温
度で硬化させた後、離型して樹脂製雄(凸)型を作製す
る工程と、上記樹脂製雄(凸)型に第2の熱硬化性樹脂
を注入した後に、金属製またはセラミックス製の板状物
を該第2の熱硬化性樹脂に積層し、第2の温度で一次硬
化させて一次硬化型(雌(凹)型)を作製する工程と、
上記樹脂製雄(凸)型から第2の熱硬化性樹脂の一次硬
化型(雌(凹)型)を離型する工程と、上記第2の熱硬
化性樹脂の一次硬化型(雌(凹)型)を第3の温度で二
次硬化させて成形用型を作製する工程とを有する本願の
請求項2の発明に係る成形用型の製造方法によって製造
することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の成形用型の概略斜視図を
図1に示す。ここでは、ビデオプロジェクションテレビ
ジョンのスクリーン用のフレネルレンズシートなどの光
学レンズシートの成形に本発明の成形用型を利用する場
合を例にして説明する。図1(a)に示す成形用型は、
金属製またはセラミックス製の板状物1に、熱硬化性樹
脂層2が積層された構造を有しており、熱硬化性樹脂層
2の表面には光学レンズシートの凹凸パターンが反転さ
れた凹凸パターン3が形成されている。この成形用型を
用いて、例えば2P成形することにより光学レンズシー
トが得られる。また、図1(b)に示す成形用型は、金
属製等の板状物1に、表面に光学レンズシートの凹凸パ
ターンが形成された熱硬化性樹脂層2が積層され、さら
に、板状物1の上記熱硬化性樹脂層2が積層された面と
は反対側にある他の面にも熱硬化性樹脂層4が積層され
ており、板状物を2つの熱硬化性樹脂層でサンドイッチ
する構造を有している。金属製等の板状物と熱硬化性樹
脂層とは線膨張係数が異なるため、これらを積層すると
反りが生じることがあるが、図1(b)のように構成す
ることにより、反りの発生を小さくすることができる。
【0009】本発明の成形用型の製造方法の工程を説明
する図を図2に示す。この発明の成形用型の製造方法で
は、まず被成形物である光学レンズシートの凹凸パター
ンが反転された凹凸パターン5が設けられた金属金型6
(雌(凹)型)を用意する(図2(a))。この金属金
型6に、第1の熱硬化性樹脂7を注入して第1の温度
(T1℃)で硬化させる(b)。硬化後、離型して樹脂
製型8(雄(凸)型)を得る(c)。上記樹脂製型8に
第2の熱硬化性樹脂9を注入し、該第2の熱硬化性樹脂
層9に、金属製またはセラミックス製の板状物10を積
層する(d)。積層したままで第2の温度(T2℃)で
一次硬化させて一次硬化型11(雌(凹)型)を得る
(e)。上記樹脂製型8から一次硬化型11を離型し、
離型後、一次硬化型11を第3の温度(T3℃)で二次
硬化させて成形用型12を作製する(f)。なお、図1
(b)のように板状物が2つの熱硬化性樹脂層でサンド
イッチされた構造の成形用型を製造する場合には、上記
樹脂製型8から離型された一次硬化型11に板状物10
を積層した後に、上記第2の熱硬化性樹脂層9が積層さ
れた面とは反対側にある他の面にも熱硬化性樹脂層を形
成する。
【0010】本発明の成形用型は、ビデオプロジェクシ
ョンテレビジョンのスクリーン用のフレネルレンズシー
ト、オーバーヘッドプロジェクター用のフレネルレンズ
シートなどの作製に好適に用いられる。特に、本発明の
成形用型は、凹状のフレネルレンズ形状を有するフレネ
ルレンズシートの作製に好適に用いられる。
【0011】本発明の成形用型は第2の熱硬化性樹脂の
層と金属製またはセラミックス製の板状物とが積層され
た構造を有していることから、金属金型から第1の熱硬
化性樹脂の樹脂製型を介して成形用型を作製するに際
し、金属製等の板状物によって、第2の熱硬化性樹脂の
硬化収縮、二次硬化時の収縮および二次硬化後に常温ま
で冷却する時の熱収縮の影響が抑制されるために、成形
用型の寸法が安定し、特に、成形用型に設けられたフレ
ネルレンズ形状等のピッチ方向における寸法精度を高く
することができる。また、この従来の技術では、第2の
熱硬化性樹脂を硬化させるときに、表面が筋状にへこむ
ことや、配向歪みが生じることがあったが、上記の通
り、金属製等の板状物を積層することにより、この現象
の発生をなくすことができる。
【0012】また、本発明の成形用型は金属製等の板状
物が熱硬化性樹脂に裏打ちされた構造であるから、長期
間使用しても平滑性に優れ、耐衝撃性が高く、長い型寿
命を有する。さらに、第2の熱硬化性樹脂の使用量を軽
減することができ、成形用型を廃棄する際には、金属製
等の板状物のみを取り除いてこれを再使用し、第2の熱
硬化性樹脂の部分のみを廃棄することが可能であるため
に、産業廃棄物の削減を図ることができる。
【0013】ところで、本発明の成形用型の製造方法の
ように、樹脂製の型(樹脂製雄型)から樹脂製の型(成
形用型)を作製する場合には、型を離形するときに静電
気による帯電が発生することが多く、被成形物または樹
脂製の型(樹脂製雄型または成形用型)に傷が付くこと
があった。しかし、金属製の板状物が熱硬化性樹脂に裏
打ちされた本発明による構造であれば、金属製の板状物
からアースを取ることができ、静電気による帯電を製品
などに傷を付けない程度に軽減することができる。
【0014】ここで、金属金型の雌型に注入される第1
の熱硬化性樹脂としては、金型に傷を付けずに離型する
必要があることから、柔軟性を有するものが好ましく、
例えば、付加重合タイプのシリコーン樹脂が挙げられ
る。第1の熱硬化性樹脂による樹脂製雄型に注入される
第2の熱硬化性樹脂としては、第1の熱硬化性樹脂には
密着性がなく、金属またはセラミックスに密着するもの
が好ましく、例えば、注型用エポキシ樹脂やメラミン樹
脂が挙げられる。金属またはセラミックスに対する密着
性が小さい第2の熱硬化性樹脂であっても、金属等の板
状物が多孔質であったり、金網状であったり、表面が粗
面化されていれば、密着性が向上する。該第2の熱硬化
性樹脂に積層される金属製等の板状物としては、例え
ば、アルミ板、アルミパンチ板、金網、陶器板などが挙
げられ、この金属製等の板状物は第2の硬化性樹脂によ
り変質されず、第2の硬化性樹脂に密着性があり、しか
も平滑であることが望ましい。
【0015】本発明における樹脂製雄型および成形用型
を構成する材料の一例とその硬化収縮率、線膨脹係数お
よび硬化温度として選択可能な温度範囲を表1に示す。
なお、表1には、金属金型用材料として一般に用いられ
る7/3真鍮の線膨脹係数、上記板状物の材料として一
般に用いられるアルミニウム、ステンレスおよびジュラ
ルミン、陶磁器の線膨脹係数を合わせて記載する。
【0016】
【表1】
【0017】板状物を構成する金属またはセラミックス
の線膨脹係数が、上記第2の硬化性樹脂の線膨脹係数よ
り小さいことにより、第2の硬化性樹脂層の寸法変化が
抑制される。材料の選択は、上記した密着性などの点の
他に、線膨脹係数の大小を考慮して行えば良い。
【0018】金属金型から第1の熱硬化性樹脂の中間型
(硬化温度T1℃)を介して第2の熱硬化性樹脂からな
る成形用型を作製するに際し、樹脂中間型を離型せずに
行う一次硬化(一次硬化温度T2℃)と、樹脂中間型を
離型した後に行う二次硬化(二次硬化温度T3℃)との
2つの硬化工程に分離した技術で成形用型を作製する
と、元の金属金型の寸法Lと、成形用型の寸法L´との
間には下記の式(1)で示す関係が成立する(特願平7
−302647号明細書参照)。ここで、熱硬化性樹脂
層と金属製等の板状物とが積層された構造の本発明の成
形用型を用いると、式(1)のうち、二次硬化の際の硬
化収縮の項および成形用型の熱収縮の項を非樹脂材(金
属製またはセラミックス製の板状物)の熱収縮の項に近
似できるため、二次硬化の際の硬化収縮の項および成形
用型の熱収縮の項を0とすることができ、非樹脂材の熱
収縮の項のみが残る。よって、金属金型の寸法Lと、成
形用型の寸法L´とは下記の式(2)で示す関係とな
る。したがって、第2の熱硬化性樹脂の一次硬化温度T
2℃を管理することにより第2の硬化樹脂の硬化収縮量
を制御することができ、成形用型の高い寸法精度を得る
ことができる。 L'=L{1+(T1-T0)K1}(1-A){1+(T2-T1)K2}(1-B'(T2)){1+(T0-T2)K3}(1-B"(T3)) (1) L´=L{1+(T1-T0)K1}(1-A){1+(T2-T1)K2}{1+(T0-T2)K4} (2) L´:常温での成形樹脂型の長さ L :常温での金属金型の長さ T0:常温(25℃) T1:樹脂中間型の硬化温度 T2:成形用型の一次硬化温度 K1:金属金型の線膨張係数 K2:樹脂中間型の線膨張係数 A :樹脂中間型の温度T1℃からの成形収縮率 B´(T2):成形用型の温度T2℃からの成形収縮率 B”(T3):成形用型の温度T3℃からの成形収縮率 K3:成形用型の線膨張係数 K4:金属またはセラミックスの線膨張係数
【0019】金属製等の板状物は、第2の硬化性樹脂層
との間に気泡が噛込まれないようにセットされる。気泡
が抜け切らなかった時には、真空脱気して気泡を追い出
すことが好ましい。なお、第1の熱硬化性樹脂による樹
脂製雄型と該板状物との間隔が0.5〜2.5mmの範
囲になるようにセットすることが好ましく、例えば、第
2の熱硬化性樹脂で作製されたスぺーサーを板状物の周
囲に配置し、金属製等の板状物を、上部より均等に加圧
しながらセットするのが良い。
【0020】
【実施例】以下、本発明の一実施例を説明する。なお、
以下の実施例は、本発明をフレネルレンズシートの成形
用型の製造に適用したものである。
【0021】まず、7/3真鍮の板を一定温度のT℃下
で高精度のNC旋盤により切削して、フレネルレンズの
凸状パターンが反転された雌(凹)パターンのフレネル
レンズ形状を有する金属金型を得る。この金属金型に、
寸法安定性、離型性、転写性の優れた付加重合タイプの
シリコーン樹脂を注入し、T1℃の温度条件で硬化させ
ることにより、雄(凸)型のフレネルレンズ形状を有す
る樹脂製雄型を得る。ここで、シリコーン樹脂(第1の
熱硬化性樹脂)を注型後、金属型との接触面に気泡の発
生がないように真空脱泡を行い、その反対面は、金属型
との接触面が概ね水平となるように平滑性のあるプレー
ト(定盤)を配置する。なお、硬化触媒、重合遅延剤な
どを適宜使用することにより重合温度T1℃を、例え
ば、10〜50℃の温度範囲で選定することが可能であ
る。
【0022】シリコーン樹脂を完全に硬化させた後、金
属金型からシリコーン樹脂型を離型して雄型のフレネル
レンズ形状を有する樹脂製雄型を得る。この樹脂製雄型
(シリコーン樹脂型)に第2の熱硬化性樹脂として、例
えば、エポキシ樹脂を温度T2℃の条件で注入する。そ
の上から予めT2℃の温度に加熱されたアルミニウムの
パンチ板などからなる板状物を、気泡が噛込まれないよ
うに積層する。ここで、樹脂製雄型と金属製等の板状物
との間には厚さが0.5mmのスペーサーを入れてお
き、金属製等の板状物を積層する際には、金属製等の板
状物を数回スライドさせることが好ましい。また、樹脂
製雄型(シリコーン樹脂型)もT2℃の温度になるよう
に調整しておくことが好ましい。なお、上記の板状物を
構成するアルミニウムの線膨脹係数は、上記エポキシ樹
脂の線膨脹係数より小さいものである。
【0023】樹脂製雄型(シリコーン樹脂型)に第2の
熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂)と金属製等の板状物とを
セットした後、加熱下で十分に真空脱気し、硬化後に成
形物のレンズ面などに泡が発生することがないようにし
て一次硬化(硬化温度T2℃)させる。これにより、第
2の熱硬化性樹脂と金属製等の板状物とが一体化し、フ
レネルレンズシートのピッチ方向について、一次硬化後
の加熱による重合収縮量、硬化後に常温まで冷却するこ
とによる熱収縮などが抑制される。一次硬化後、樹脂製
雄型を離型し、一次硬化型をT3℃の温度条件で十分に
二次硬化させて凹状のフレネルレンズを有する成形型を
得る。上記の通り、温度T3℃での二次硬化による硬化
収縮、常温への冷却による伸縮は抑制されるので、一次
硬化の膨張比のままの、安定した形状の成形用型が得ら
れる。
【0024】このようにして作製した50インチサイズ
のフレネルレンズシート用の成型用型を使用して製造し
た、フレネルレンズのピッチの大きさを測定すると、フ
レネルレンズシート面内のピッチのばらつきは、最大
0.3%であった。これに対して、金属製等の板状物を
用いない以外は上記と同様にして作製した成型用型を使
用して製造したフレネルレンズシートにおけるピッチの
ばらつきは、0.8%程度であり、大きいものであっ
た。
【0025】なお、本発明の方法においては、樹脂製雄
型の硬化温度(T1℃)、第2の熱硬化性樹脂の一次硬
化(硬化温度T2℃)および二次硬化(硬化温度T3
℃)を適宜設定することにより、1種類の寸法の金属金
型から多種類のピッチの成形型を製造することができ
る。例えば、上記の実施例において、T1およびT3を
それぞれ25℃および200℃とすると、T2が65℃
であれば、元の金属金型のフレネルレンズのピッチより
も1.34%大きいピッチを有する成形用型(エポキシ
樹脂型)が得られ、T2が105℃であれば、金属金型
のピッチよりも2.00%大きいピッチを有する成形用
型(エポキシ樹脂型)が得られた。
【0026】なお、上記の実施例では、プロジェクショ
ンテレビジョン用のフレネルレンズシートの成形用型の
製造について述べたが、それ以外にもレンチキュラーレ
ンズシート用の成形用型の製造、OHP用フレネルレン
ズ用の成形用型の製造なども可能である。また、受光用
フレネルレンズ、その他の成形品の成形用型の製造も可
能である。
【0027】
【発明の効果】本発明の成型用型によれば、フレネルレ
ンズシートの成形などに有効な、寸法精度が高く、耐衝
撃性、平滑性に優れた成形用型が得られるため、高い光
学性能の要求への対応が可能となる。また、成形用型の
製造に際して生じる産業廃棄物を減じることが可能であ
る。
【0028】また、本発明の成型用型の製造方法は、常
温への冷却による伸縮などが抑制されることから、金属
金型のピッチよりも大きなピッチを有する成形用型を作
製することに有効である。さらに、1種類のピッチの金
属金型から多種類のピッチの成形用型を製造することが
できるから、金属金型の作製に要する費用を軽減するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の成形用型の概略斜視図である。
【図2】本発明の成形用型の製造方法の工程を説明する
図である。
【符号の説明】 1,10・・・金属製またはセラミックス製の板状物 2・・・熱硬化性樹脂層 3,5・・・凹凸パターン 4・・・他の熱硬化性樹脂層 6・・・金属金型 7・・・第1の熱硬化性樹脂 8・・・樹脂製型 9・・・第2の熱硬化性樹脂 11・・・一次硬化型 12・・成形用型

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製またはセラミックス製の板状物
    に、被成形物の凹凸パターンを反転した凹凸パターンが
    形成された熱硬化性樹脂層が積層されてなることを特徴
    とする成形用型。
  2. 【請求項2】 被成形物の凹凸パターンを反転した凹凸
    パターンが設けられた金属金型の雌(凹)型に、第1の
    熱硬化性樹脂を注入し第1の温度で硬化させた後、離型
    して樹脂製雄(凸)型を作製する工程と、上記樹脂製雄
    (凸)型に第2の熱硬化性樹脂を注入した後に、該第2
    の熱硬化性樹脂に金属製またはセラミックス製の板状物
    を積層し、第2の温度で一次硬化させて一次硬化型(雌
    (凹)型)を作製する工程と、上記樹脂製雄(凸)型か
    ら第2の熱硬化性樹脂の一次硬化型(雌(凹)型)を離
    型する工程と、上記第2の熱硬化性樹脂の一次硬化型
    (雌(凹)型)を第3の温度で二次硬化させて成形用型
    を作製する工程とを有する成形用型の製造方法。
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