JPH10323197A - 菌類の即時判別方法 - Google Patents

菌類の即時判別方法

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JPH10323197A
JPH10323197A JP16937097A JP16937097A JPH10323197A JP H10323197 A JPH10323197 A JP H10323197A JP 16937097 A JP16937097 A JP 16937097A JP 16937097 A JP16937097 A JP 16937097A JP H10323197 A JPH10323197 A JP H10323197A
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fungi
bacteria
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fluorescent dye
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Yoshiyuki Tokuda
美幸 徳田
Yoshiyasu Ishiyama
慶泰 石山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 原核細胞からなる細菌類と真核細胞からなる
黴菌類及び酵母菌類との蛍光染料の細胞内への選択浸透
性を適正化せしめ、以って細菌類においては迅速且正確
な判別を、更に黴菌類や酵母菌類も簡便且正確に判別し
える判別方法の提供。 【構成】 生理的食塩水にフルオレセイン若しくはその
誘導体からなる蛍光染料及びプロピデュームイオダイド
からなる蛍光染料がそれぞれ3乃至15μmol/ml
の濃度で混合された染色溶液を25乃至36℃の温度に
加温させたうえ、細菌類においては3乃至9分間蛍光染
色をなし、更に黴菌類や酵母菌類では15乃至30分間
蛍光染色をなしたうえ、それぞれの染色菌液にその波長
が488nmの励起光を照射せしめて、その生菌細胞や
死菌細胞からの蛍光発光で菌種、生菌及び死菌並びに菌
数を視認判別する菌類の即時判別方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は原核細胞からなる細菌類
と、真核細胞からなる黴菌類や酵母菌類の細胞内への蛍
光染料の浸透速度の違いを利用して、細菌類と黴菌類及
び酵母菌類の生菌、死菌並びにその菌数を正確且簡便に
而も即時に判別する方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】細菌類を始め黴菌類或いは酵母菌類の判別
方法としては、従来これら菌類を検体より採取のうえ発
色酵素を適宜の培地に混合させた発色培地に植菌し、こ
れを所用温度に保持されたインキュベーター等の培養器
で略24乃至48時間培養しコロニーを形成のうえ、こ
れを拡大顕微鏡で視認判別したり或いはβ−ガラクトシ
ターゼ酵素で発色酵素を分解発光させて目視判別方法す
ること等がなされている。
【0003】しかしながらかかる菌類の判別方法では、
検体より採取した菌類の判別には実質的に24乃至48
時間後でなければ確認できぬもので、反面菌類の混在や
繁殖等衛生管理が強く求められる食品類においては菌類
の繁殖条件とされる水分や栄養源を保持しているため、
これに温度や酸素が存在する条件下では短時に繁殖する
危険があることから、生産段階はもとより流通段階にお
いても逐次菌類の確認をなす必要があり、従って従来の
菌類の判別方法では適切な衛生管理がなしえぬ問題を抱
えていた。
【0004】かかる問題を解決するため発明者等は鋭意
研究を重ねた結果、検体より被着採取した菌類を生理的
食塩水に該菌類の生菌細胞及び死菌細胞内に選択的に浸
透し、且励起光の照射により異る蛍光波長で蛍光発光す
るフルオレセイン若しくはその誘導体からなる蛍光染
料、及びプロピディユームイオダイドからなる蛍光染料
を3乃至15μmol/mlの濃度で混合させた染色溶
液中に混入して蛍光染色させた染色菌液に励起光を照射
し、発光する蛍光波長、発光形状及び発光数を拡大視認
することで、菌類の種類やその生菌数や死菌数を即時に
判別する方法及び装置を究明し既に特願平8−1252
18号での内容を開示している。
【0005】ところで衛生管理が強く求められる食品類
においては専ら大腸菌や一般細菌類の生菌数が問題視さ
れ、更には毒素生産菌種の存在が重要視されるものであ
って、間断なく生産され流通に供される食品類において
は、これら細菌類の生菌数や毒素生産菌の判別のため多
量の検体が採取されることとなる。
【0006】然るに細菌類は原核細胞からなり更には黴
菌類や酵母菌類は真核細胞からなるものであるから、先
願発明たる特願平8−125218号で開示してなる適
宜手段で被着採取した菌類全体の生菌細胞や死菌細胞内
への蛍光染色においては、原核細胞からなる細菌類と真
核細胞からなる黴菌類及び酵母菌とでは蛍光染料の細胞
内への浸透染色時間に大きな差異が発生するため、食品
類における大腸菌や一般細菌類を且多量に判別するには
未だ能率的手段とは言えず、而も細菌類、黴菌類或いは
酵母菌類が混在する菌類を画一的条件で蛍光染色した場
合には、蛍光染料の浸透速度の相違により蛍光発光度合
に差異が生じ正確な視認判別に難さが内在する問題も発
見される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる問題に
鑑みなされたものであって、原核細胞からなる細菌類と
真核細胞からなる黴菌類及び酵母菌類との、蛍光染料の
細胞内への選択浸透性を適正化せしめ、以って細菌類に
おいては迅速且正確な判別を、更に黴菌類や酵母菌類で
も正確な判別のなしえる判別方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに本発明が採用した技術的手段は、適宜手段で被着採
取した菌類を、生理的食塩水にフルオレセイン若しくは
その誘導体からなる蛍光染料及びプロピデュームイオダ
イドからなる蛍光染料がそれぞれ3乃至15μmol/
mlの濃度で混合されてなる染色溶液中に混入し、該菌
類の生菌細胞及び死菌細胞内に選択的に浸透させて蛍光
染色した染色菌液に、中心波長が488nmの励起光を
照射させ生菌細胞及び死菌細胞より蛍光発光される蛍光
波長、発光形状及び発光数を拡大視認し以って菌類の即
時判別する方法において、原核細胞からなる細菌類につ
いては25乃至36℃に加温された染色溶液中で3乃至
9分間生菌細胞及び死菌細胞内に蛍光染料を浸透せしめ
て蛍光発光が適正になされるよう蛍光染色せしめたう
え、励起光の照射により蛍光発光する蛍光波長、発光形
状及び発光数を拡大視認し、以って迅速且正確に細菌類
の即時判別をする方法に存するものであり、更には細菌
類、黴菌類及び酵母菌類の混在する菌類を、25乃至3
6℃に加温された染色溶液中で15乃至30分間その生
菌細胞及び死菌細胞内に蛍光染料を浸透せしめるととも
に、細胞内への浸透性の高い細菌類においては細胞内か
ら再び浸透染色された蛍光染料が漏出された状態で且黴
菌類や酵母菌類ではその細胞内に十分に蛍光染料が浸透
保持された状態で励起光を照射させることにより、黴菌
類及び酵母菌類からの蛍光発光を適正化させて、その蛍
光波長、発光形状及び発光数を拡大視認し、以って黴菌
類や酵母菌類を正確且簡便に即時判別をする方法に存す
るものである。
【0009】
【作 用】上述のような技術的手段を用いてなる本発明
は以下のような作用を有する。即ち原核細胞の如き細胞
内への浸透性が高い細胞からなる細菌類と、真核細胞の
如く細胞内への浸透性の低い細胞からなる黴菌類や酵母
菌類等が混在する菌類を、その生菌細胞内に選択的に浸
透して染色するフルオレセイン若しくはその誘導体から
なる蛍光染料、及び死菌細胞内に選択的に浸透し染色す
るプロピデュームイオダイドからなる蛍光染料が生理的
食塩水に対し3乃至15μmol/mlの濃度で混合さ
れ、且その温度が25乃至36℃に加温された染色溶液
中で3乃至9分間蛍光染色させた場合には、浸透性の高
い原核細胞からなる細菌類の生菌細胞及び死菌細胞内に
蛍光染料が選択的に短時間に浸透し染色され、而も浸透
性の低い真核細胞からなる黴菌類や酵母菌類の細胞内に
は蛍光染料が未浸透の状態におかれる。
【0010】而してかかる状態における染色菌液にその
波長が488nmの励起光を照射させると、細菌類の生
菌細胞内に浸透したフルオレセイン若しくはその誘導体
からなる蛍光染料は、ストークス則によりその波長が5
20nmの蛍光波長で、而も菌体の形状で且生菌数に等
しく発光し、更にプロピデュームイオダイドからなる蛍
光染料はストークス則によりその波長が625nmの蛍
光波長で、而も菌体の形状で且死菌数に等しく発光す
る。
【0011】更に細菌類、黴菌類或いは酵母菌類の混在
する菌類を、その温度が25乃至36℃に加温された前
記染色溶液中において15乃至30分間に亘って蛍光染
色をなした場合には、細胞内への浸透性の高い細菌類の
生菌細胞内や死菌細胞内には極めて短時間に蛍光染料が
浸透し細胞が染色されるものの、該染色溶液は25乃至
36℃に加温されてなるから細胞壁や細胞膜も一段と柔
軟化されるため、一旦細胞内に浸透した蛍光染料が時間
経過とともに細胞膜外に流失する。
【0012】他方細胞内への浸透性の低い真核細胞から
なる黴菌類や酵母菌類では、加温された染色溶液で該真
核細胞の細胞壁や細胞膜が柔軟化され、且その経過時間
とともに細胞内に浸透し染色されるため、かかる状態に
おける染色菌液にその波長が488nmの励起光を照射
させると黴菌類や酵母菌類の生菌細胞内に浸透したフル
オレセイン若しくはその誘導体からなる蛍光染料が、ス
トークス則に従い波長520nmの蛍光波長で而も菌体
の形状で且その生菌数に等しく発光し、更にプロピデュ
ームイオダイドからなる蛍光染料もストークス則に従い
波長625nmの蛍光波長で、而も菌体の形状で且死菌
数に等しく高い輝度で発光する。
【0013】
【実施例】以下に本発明実施例を図に基づき詳細に説明
すれば図1は本発明における蛍光染色の工程図であっ
て、判別のための菌類1は主として食品等の生産工程や
流通段階において随時に且適宜手段で被着採取されるも
ので、当然に該菌類1には細菌類を始め黴菌類や酵母菌
類も混在するものであって、被着採取する具体的手段と
しては滅菌綿棒に生理的食塩水を含ませたうえ検体面か
ら被着させたり、或いは水溶性培地を検体面に接触被着
させることが挙げられる。
【0014】かくして被着採取された菌類1は、該菌類
1の生菌細胞内或いは死菌細胞内に選択的に蛍光染料を
浸透させて染色する染色溶液2中に混入される。この染
色溶液2は生理的食塩水2Aに対し、生菌細胞内に選択
的に浸透するフルオレセイン若しくはその誘導体からな
る蛍光染料2Bと、死菌細胞内に選択的に浸透するプロ
ピデュームイオダイドからなる蛍光染料2Cとがそれぞ
れ3乃至15μmol/mlの濃度で混合されてなるも
ので、かかる蛍光染料2B及び2Cの混合濃度割合は励
起光の照射に際し視認判別しえる蛍光発光をなさしめる
うえからは少なくとも3μmol/ml以上の濃度が必
要とされることによるものであるが、過剰な濃度となる
と生菌に対し悪影響を与える結果となるため最大でも1
5μmol/ml以下に制限されることによるものであ
る。
【0015】更に染色溶液2に用いられる蛍光染料とし
ては、菌類等の微細な生菌細胞内や死菌細胞内に選択的
に浸透し励起光の照射で十分に蛍光発光して、菌種や生
菌数及び死菌数を視認判別しえるものが要求される。即
ち蛍光発光に関しては、照射される励起光の波長に対し
ストークス則に従った波長により蛍光発光するものであ
るから、蛍光染料としては励起光の照射により視認判別
し易い波長所謂色光を以って蛍光発光するものが好適と
なる。
【0016】かかることから生菌細胞内への選択的浸透
性がよいフルオレセイン若しくはその誘導体からなる蛍
光染料2Bを用いることにより、励起光として488n
mの波長で照射させれば、生菌細胞からはその波長が5
20nmの緑色にやや黄味色の視認判別し易い色光の蛍
光発光がなされる。更に死菌細胞内への選択的浸透性の
良いプロピデュームイオダイドからなる蛍光染料2Cを
用いることにより、励起光として488nmの波長で照
射させると、死菌細胞からはその波長が625nmの赤
味を帯びた橙色の視認判別し易く且異る色光の蛍光発光
がなされることとなる。
【0017】而して菌類1の蛍光染色に際しては、該菌
類1には原核細胞からなる細菌類の他に真核細胞からな
る黴菌類や酵母菌類も混在している。ところで原核細胞
からなる細菌類では細胞を包む細胞壁及び細胞膜が比較
的脆弱であるから外部からの浸透性も高く、従って加温
された染色溶液2を用いることで該細胞壁や細胞膜が柔
軟化され蛍光染料等を短時に且容易に細胞内に浸透させ
ることが可能であるが、真核細胞からなる黴菌類や酵母
菌類においてはその細胞壁や細胞膜が堅固であるから、
加温された染色溶液2を用いた場合にも細胞壁や細胞膜
の柔軟化が遅く、蛍光染料等の浸透性も極めて低い。
【0018】これがため菌類1を染色溶液2内で所定の
蛍光染色をなした場合に、その染色時間が短かいと蛍光
染料等の浸透性の高い原核細胞内所謂細菌類の生菌細胞
内や死菌細胞内には蛍光染料が浸透するものの、真核細
胞内所謂黴菌類や酵母菌類の生菌細胞内や死菌細胞内に
は蛍光染料が浸透されず、励起光の照射によっても視認
判別し得る蛍光発光がなされぬ結果となり、反面染色時
間を十分にかけると真核細胞内にも蛍光染料が浸透し励
起光の照射により視認判別し得る蛍光発光がなされる
が、浸透性の高い原核細胞においては該原核細胞内に短
時に浸透した蛍光染料が再びその細胞壁や細胞膜から漏
出し、励起光の照射に際しても鮮明な蛍光発光が得られ
ぬ結果となる。従って菌類1を画一的染色条件で蛍光染
色する場合では、染色溶液2に染色促進剤として更に3
乃至15μol/mlの濃度の塩類、キチネス若しくは
セルラーゼ等を混合させたり、或いは蛍光染色後の蛍光
染色の流失を防止するためジエチルスチルベストロール
やN,N’−ジシクロヘキシルカーボジイミドからなる
流失防止剤を5乃至20mol/mlの濃度で混合させ
てやる必要も生ずる。
【0019】そこで本発明では原核細胞と真核細胞とに
おける蛍光染色の細胞内への浸透速度の相違に着目した
もので、染色溶液2に混合された蛍光染料の原核細胞内
への浸透割合と真核細胞内への浸透割合は、染色溶液2
の温度とこれら原核細胞や真核細胞の細胞壁や細胞膜の
柔軟化とにより、表1の如き関係を有することを解明し
た。
【0020】
【表1】
【0021】即ち原核細胞においては染色溶液2の蛍光
染料の浸透性を高めるため該染色溶液2の温度を25乃
至36℃の範囲で且3乃至9分間の染色条件で染色させ
た染色菌液3に、その波長が488nmの励起光を照射
させると原核細胞からなる細菌類の生菌細胞内や死菌細
胞内に十分に浸透した蛍光染料からそれぞれ異る蛍光波
長の蛍光発光が、菌体の形状で且その菌数に等しく而も
視認判別し得る発光輝度を以って蛍光発光され、他方か
かる染色菌液3の状態においては真核細胞内への蛍光染
料の浸透が殆んどなされぬため、黴菌類や酵母菌類から
の蛍光発光は実質的に視認できない。
【0022】反面菌類1をその温度が25乃至36℃に
加温された染色溶液2において15乃至30分間に亘る
蛍光染色をなした場合には、菌類1に混在する真核細胞
からなる黴菌類や酵母菌類の堅固な細胞壁や細胞膜の柔
軟化に伴い蛍光染料がその生菌細胞内や死菌細胞内に浸
透し、かかる蛍光染色の施された染色菌液3にその波長
が488nmの励起光を照射させると、真核細胞からな
る黴菌類や酵母菌類の生菌細胞や死菌細胞に浸透した蛍
光染料により、それぞれ異る蛍光波長の蛍光発光が、菌
体の形状で且その菌数に等しく而も視認判別しえる発光
輝度を以って発光されるが、他方菌類1に混在する原核
細胞からなる細菌類では染色開始後極く短時間内に、そ
の生菌細胞内や死菌細胞内に蛍光染料が浸透するものの
時間経過とともに該浸透した蛍光染料が細胞外に流失す
る結果、細胞内の蛍光染料が希薄となり励起光の照射に
際してもその蛍光発光輝度が極めて低く、実質的に視認
判別できず黴菌類及び酵母菌類のみ視認判別できること
となる。
【0023】かかる如くして蛍光染色された染色菌液3
から、細菌類や黴菌類或いは酵母菌類等その菌種、生菌
及び死菌並びに菌数の視認判別する手段としては、図2
に示す如き装置を用いることが提案されるもので、該視
認判別のための装置は全体が暗室に保持されるようなケ
ーシング4の下方には、その波長が488nmの励起光
を照射しえる励起光源4Aが設けられ且その上方には励
起光源4Aからの励起光を集光させる集光レンズ4Bを
介して染色菌液3を滴下させる透光板4Cが設けられて
なるもので、該透光板4Cの下側面には集光レンズ4B
で集光された励起光を数倍乃至数十倍に拡大散乱しえる
よう散乱加工4Dが施されている。従って所要の蛍光染
色がなされた染色菌液3を該透光板4C上側面に滴下
し、励起光源4Aから励起光を照射させると、該励起光
は集光レンズ4Bで集光されたうえ透光板4Cで拡大散
乱され且染色菌液3を透過することで、その生菌細胞か
らは波長520nmの蛍光波長を以って菌体の形状で且
その生菌数に等しい映像光線として透出され、更には死
菌細胞からは波長625nmの蛍光波長でその菌体の形
状に且その死菌数に等しい映像光線が透出される。
【0024】かくして透出された映像光線を、更にその
上方に設けた拡大レンズ4Eと接眼レンズ4Fとの組合
せにより適宜拡大のうえ視認することにより、細菌類や
黴菌類或いは酵母菌類等に亘って菌種や生菌及び死菌並
びにその菌数も容易且正確に判別することができる。
【0025】
【発明の効果】本発明は上述の如き構成からなるもの
で、被着採取した菌類を生理的食塩水にフルオレセイン
若しくはその誘導体からなる蛍光染料、及びプロピデュ
ームイオダイドからなる蛍光染料がそれぞれ3乃至15
μmol/mlの濃度で混合されてなる染色溶液中で、
その生菌細胞及び死菌細胞内に蛍光染料を選択的に浸透
せしめた染色菌液に、波長が488nmの励起光を照射
し生菌細胞からはその波長が520nmの蛍光波長で且
死菌細胞からはその波長が625nmの蛍光波長で、而
も菌体の形状で且その菌数に等しく蛍光発光させ、以っ
て菌類を即時に判別する方法において、染色溶液の温度
が25乃至36℃で且染色時間を3乃至9分間で染色さ
せることにより、その細胞壁や細胞膜が脆弱で浸透性の
高い原核細胞からなる細菌類の生菌細胞や死菌細胞内に
蛍光染料が適正量浸透され、反面その細胞壁や細胞膜が
堅固な真核細胞からなる黴菌類や酵母菌類の細胞内には
蛍光染料が未浸透の状態にあるため、励起光の照射で細
菌類のみが生菌細胞及び死菌細胞より異る蛍光波長で且
菌体の形状で而もその菌数に等しく高い蛍光発光輝度で
発光される。従って特に食品の衛生管理の如く細菌類に
ついて多量の検体について判別する場合にも、極めて短
時間内に簡便に且正確な判別がなしえる。更に菌類を染
色溶液の温度が25乃至36℃で且染色時間を15乃至
30分で染色させることにより、真核細胞からなる黴菌
類や酵母菌類のように堅固な細胞壁や細胞膜が柔軟化さ
れこれら菌類の生菌細胞や死菌細胞内に適正量浸透し保
持されるものの、原核細胞からなる細胞壁や細胞膜が脆
弱で浸透性の高い細菌類では短時にその生菌細胞や死菌
細胞内に浸透するものの、再び細胞外に蛍光染料が流失
する結果励起光の照射に際しては蛍光染料が浸透保持さ
れた黴菌類や酵母菌類の生菌細胞及び死菌細胞から異る
蛍光波長で且その菌体の形状で而もその菌数に等しい蛍
光発光がなされ、特に菌類中に絶対量の多い細菌類の発
光が微弱となるため黴菌類や酵母菌類の判別が正確にな
しえる等、優れた特長を具備する菌類の即時判別方法で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】蛍光染色の工程図である。
【図2】判別装置の例示図である。
【符号の説明】
1 菌類 2 染色溶液 2A 生理的食塩水 2B フルオレセイン若しくはその誘導体からなる蛍
光染料 2C プロピデュームイオダイドからなる蛍光染料 3 染色菌液 4 ケーシング 4A 励起光源 4B 集光レンズ 4C 透光板 4D 散乱加工 4E 拡大レンズ 4F 接眼レンズ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 適宜手段で被着採取した菌類を、生理的
    食塩水にフルオレセイン若しくはその誘導体からなる蛍
    光染料、及びプロピデュームイオダイドからなる蛍光染
    料がそれぞれ3乃至15μmol/mlの濃度で混合さ
    れてなる染色溶液中でその菌類の細胞を選択的に染色さ
    せた染色菌液に、中心波長が488nmの励起光を照射
    させて生菌細胞及び死菌細胞より蛍光発光される蛍光波
    長、発光形状及び発光数を拡大視認する菌類の即時判別
    方法において、25乃至36℃に加温されてなる染色溶
    液中で被着採取した菌類を3乃至9分間蛍光染色させた
    る後、励起光を照射させ細菌類の生菌細胞及び死菌細胞
    から蛍光発光される蛍光波長並びに発光数を拡大視認す
    る菌類の即時判別方法。
  2. 【請求項2】 25乃至36℃に加温されてなる染色溶
    液中で被着採取した菌類を15乃至30分間蛍光染色さ
    せたる後、励起光を照射させて主として黴菌類或いは酵
    母菌類の生菌細胞及び死菌細胞から蛍光発光される蛍光
    波長、発光形状及び発光数を拡大視認する請求項1記載
    の菌類の即時判別方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2002064818A1 (fr) * 2001-02-15 2002-08-22 Nippon Mizushori Giken Co., Ltd. Methode et appareil de discrimination immediate de microorganismes
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