JPH1032132A - 一方向性珪素鋼板の加工方法 - Google Patents

一方向性珪素鋼板の加工方法

Info

Publication number
JPH1032132A
JPH1032132A JP18709696A JP18709696A JPH1032132A JP H1032132 A JPH1032132 A JP H1032132A JP 18709696 A JP18709696 A JP 18709696A JP 18709696 A JP18709696 A JP 18709696A JP H1032132 A JPH1032132 A JP H1032132A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
strain
silicon steel
steel sheet
processing
bending
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP18709696A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3147290B2 (ja
Inventor
Masayuki Sakaguchi
雅之 坂口
Toshihiko Tanaka
稔彦 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Denki Corp
Original Assignee
Kawatetsu Densetsu KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawatetsu Densetsu KK filed Critical Kawatetsu Densetsu KK
Priority to JP18709696A priority Critical patent/JP3147290B2/ja
Publication of JPH1032132A publication Critical patent/JPH1032132A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3147290B2 publication Critical patent/JP3147290B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 面折れ発生を防止できる方向性珪素鋼板の加
工方法を提案する。 【解決手段】 一方向性珪素鋼板に、予め0.01/sec以下
の歪速度で予備歪を付与したのち、曲げ加工、打ち抜き
加工等の製品加工を施す。さらに、前記予備歪は、0.00
02〜0.01の塑性歪を付与することが好ましい。また、本
発明は、前記製品加工が、2R/t<300 (R:曲げ曲率半
径、t:板厚) を満足する曲げ加工の場合にとくに好適
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、小型変圧器の鉄芯
等に用いられて好適な方向性珪素鋼板の加工方法に関
し、とくに面折れの発生、電磁特性の劣化等の加工工程
のトラブルを解消した方向性珪素鋼板の加工方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】変圧器の鉄芯として用いられる電磁鋼板
には、方向性珪素鋼板と無方向性珪素鋼板とがあり、用
途により使い分けられている。従来、小型トランスには
厳しい電磁特性が要求されない場合が多く、コスト面か
ら無方向性珪素鋼板が主として用いられてきた。しか
し、最近は、小型トランスにも、性能の向上や小型化軽
量化の要求が強く、磁気特性の優れた方向性珪素鋼板が
用いられるようになってきた。
【0003】巻き鉄芯とする場合には、鋼板は曲げ加工
を施されるが、小型トランスでは曲げ半径が必然的に小
さくなる。小型トランスに方向性珪素鋼板を用いると、
曲げ加工する際に面折れが発生する頻度が多くなる。面
折れが発生すると、その後のトランス製作工程に支障が
生じ、さらに、電磁特性も劣化し、問題となっていた。
【0004】一方、EI型トランス等の積み鉄芯とする
場合には、鋼板は打ち抜き加工を施されるが、一般的
に、打ち抜き加工前に鋼板をレベラーに通し、形状矯正
および/または張力制御を行っている。しかし、方向性
珪素鋼板の場合には、レベラーを通した際に、鋼板に面
折れが発生し、抜き打ち加工が行えなくなるという問題
があった。
【0005】珪素鋼板の折れについては、例えば、特開
平6-179977号公報に、鋼板中の窒化物の析出形態を制御
し鋼板の折れを改善する方法が提案されている。しか
し、この技術では、鋼板を緩やかに繰り返し曲げた場合
に発生する折れは改善できても、急速に曲げた場合に発
生する面折れについては全く改善できない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を有利に解決し、歪速度0.01/sec以上の高速加工した場
合でも面折れ発生を防止できる方向性珪素鋼板の加工方
法を提案することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、方向性珪
素鋼板を高速加工する際に発生する面折れについて詳細
に調査した結果、発生する面折れは、従来言われている
ような粗大析出物起因の界面割れではなく、双晶変形起
因であることを突き止めた。双晶変形とは、結晶が応力
を受けて変形するとき、原子が双晶面を境界として鏡面
対称に配列を変えることにより起こる変形で、転位の発
生、移動によるすべり変形とは変形様式が異なる変形で
ある。
【0008】さらに、本発明者らは、高速曲げ加工に際
しすべり変形が起きずに双晶変形が起きる原因につい
て、詳細に調査した結果、微細析出物等によりすべり変
形を起こす転位の発生、移動が抑制されている場合であ
り、すべり変形の代わりに双晶変形が生じ易くなるため
であることを見いだした。そこで、本発明者らは、転位
の易動度を高め、双晶変形を抑制するためには、予め軽
度の塑性歪を予備歪として製品加工前に材料に付与させ
ることが効果的であることを知見した。
【0009】つぎに、本発明の基礎となった実験結果に
ついて説明する。板厚0.20mmの方向性珪素鋼板製品板か
ら300 ×280mm の試験片を採取し、予備歪加工を行っ
た。予備歪加工は、直径の異なる丸棒に試験片を巻き付
けて歪量を変化させ、丸棒に巻き付けたのち、開放し、
開放後の曲げ曲率を測定し付与した塑性歪量とした。同
一条件の繰り返し数は10枚とした。なお、予備歪を付与
しない試験片も準備した。ついで、半数の試験片につい
て、予備歪とは逆方向に曲率を持つように、0.5secで20
mmφに曲げ加工した。曲げ加工後、面折れの有無を調査
し、面折れ発生率を求めた。残りの試験片については、
平坦化し、窒素雰囲気中で850 ℃×1hrの歪取り焼鈍を
実施し、鉄損W17/50 を測定し、予備歪加工無試験片に
対する鉄損の低下率をもとめ、鉄損劣化率とした。その
結果を図1に示す。
【0010】図1から、予備歪を付与することにより、
面折れの発生率は減少し、とくに塑性歪量が0.0002以上
の塑性歪を付与した場合に面折れ発生率が著しく減少し
0となることがわかる。塑性歪量が0.01を超えると鉄損
劣化率が10%以上となり、鉄損の劣化度合いが大きくな
る。さらに、本発明者らは、予備歪を付与する際の歪速
度の影響について検討した。板厚0.20mmの方向性珪素鋼
板製品板から300 ×280mm の試験片を採取し、直径60mm
φの丸棒に、試験片を巻き付けるときの時間、すなわち
歪速度を変化して巻き付け、塑性歪0.0033の予備歪を付
与し、予備歪加工による面折れの有無を調査し、面折れ
発生率を求めた。同一条件の繰り返し数は10枚とした。
その結果を図2に示す。
【0011】図2から、予備歪を付与する歪速度が0.01
/secを超えると面折れ発生率が高くなることがわかる。
本発明は、上記知見をもとに構成されたものである。す
なわち、本発明は、一方向性珪素鋼板に曲げ加工、打ち
抜き加工等の製品加工を施す一方向性珪素鋼板の加工方
法であって、該一方向性珪素鋼板に、予め予備歪を0.01
/sec以下の歪速度で付与したのち、該製品加工を施すこ
とを特徴とする面折れ発生を防止した一方向性珪素鋼板
の加工方法であり、前記予備歪は、0.0002〜0.01の塑性
歪であることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】方向性珪素鋼板を変圧器等の鉄芯
に加工する際に、製品加工として、巻き鉄芯においては
曲げ加工、積み鉄芯においては打ち抜き加工が施され
る。本発明では、これらの製品加工を施す前に、予め軽
度の塑性歪を予備歪として、鋼板に付与する。この予備
歪を与えることにより、製品加工に際し、方向性珪素鋼
板に厳しい変形を加えてもすべり変形が生じ双晶が発生
しないため、面折れの発生を防止できる。
【0013】予備歪を付加する際の歪速度は、0.01/sec
以下とする。歪速度が0.01/secを超えると、方向性珪素
鋼板では双晶が発生する可能性が高くなり、予備歪付与
がすべり変形のための転位密度の増加に結びつかないた
め、予備歪付与の効果が減少する。付加する予備歪は、
0.0002以上0.01以下の塑性歪とするのが好ましい。予備
歪が0.0002未満では、面折れ発生を防止する効果が若干
少ない。また、予備歪が0.01を超える塑性歪では、歪取
り焼鈍を施しても付与した歪の開放が不十分となり、製
品の電磁特性がやや劣化する。
【0014】予備歪付与の方法は、曲げあるいは引張加
工等いずれでもよく、とくに限定しないが、コイルの場
合を想定し、曲げロールを通過させることにより連続的
に歪を付与するのが好ましい。本発明は、製品加工が、
2R/t<300 (R:曲げ曲率半径、t:板厚) を満足する
曲げ加工の場合にとくに好適である。2R/tが300 未満の
ような厳しい曲げ加工を必要とする場合には、とくに面
折れの発生頻度が高く、予備歪を製品加工前に付与する
ことで、面折れの発生は防止できる。
【0015】
【実施例】
(実施例1)0.20mm厚、55mm幅の方向性珪素鋼製品鋼帯
を、図3に示す本発明の実施に好適な加工装置により巻
き鉄芯を作製した。ペイオフリール7に巻かれたコイル
2からペイオフされた鋼帯1を、テンションパッド3を
介し、2個の曲げロール4aからなる予備歪付与装置4
により、予備歪を付与したのち、巻き取りリール5に巻
き取り巻き鉄芯6とした。曲げロール4aのロール径お
よび鋼帯送り速度をかえて表1に示す予備歪量および歪
速度とした。作製した巻き鉄芯を巻解いて長手方向10cm
あたりの面折れ発生本数を調査した。また、巻き鉄芯に
850 ℃×1hrの歪取り焼鈍を施し鉄損値を測定した。そ
れらの結果を表1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】さらに、同一寸法の方向性珪素鋼製品鋼帯
を、図4に示す加工装置により予備歪を付与せずに巻き
鉄芯を作製し、比較例とした。実施例と同様に長手方向
10cmあたりの面折れ発生本数および歪取り焼鈍後の鉄損
値を調査し、表1に示す。本発明範囲の本発明例は、比
較例に比べ面折れ本数も低く、面折れの発生を防止で
き、また、鉄損値の劣化も少ない。
【0018】(実施例2)0.20mm厚、55mm幅の方向性珪
素鋼製品鋼帯に予備歪をとして、曲げロールで0.005 の
塑性歪を歪速度0.005/sec で付与したのち、レベラーに
より形状矯正を行い、打ち抜き加工を施し、E型積み鉄
芯を製作した。予備歪を付与することによりレベラー矯
正時に面折れの発生はなかった。一方、予備歪無しの従
来例では、レベラー矯正時にも面折れの発生し、抜き打
ち加工が困難となった。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、方向性珪素鋼板を高速
加工した場合でも面折れ発生を防止でき、しかも磁気特
性の劣化も少ない。また、本発明によれば、製作工程に
おけるトラブルの発生を防止して製作能率を向上でき、
方向性珪素鋼板を小型トランス用材料として有利に適用
できるという著しい効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】面折れ発生率、鉄損劣化率と予備歪加工で付与
された塑性歪量との関係を示すグラフである。
【図2】面折れ発生率と予備歪付与時の歪速度の関係を
示すグラフである。
【図3】本発明の実施に好適な巻き鉄芯加工装置の概略
側面図である。
【図4】従来の巻き鉄芯加工装置の概略側面図である。
【符号の説明】
1 鋼帯 2 コイル 3 テンションパッド 4 予備歪付与装置 4a 曲げロール 5 巻き取りリール 6 鉄芯 7 ペイオフリール

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方向性珪素鋼板に曲げ加工、打ち抜き
    加工等の製品加工を施す一方向性珪素鋼板の加工方法で
    あって、該一方向性珪素鋼板に、予め予備歪を0.01/sec
    以下の歪速度で付与したのち、該製品加工を施すことを
    特徴とする面折れ発生を防止した一方向性珪素鋼板の加
    工方法。
  2. 【請求項2】 前記予備歪が、0.0002〜0.01の塑性歪で
    あることを特徴とする請求項1記載の一方向性珪素鋼板
    の加工方法。
JP18709696A 1996-07-17 1996-07-17 一方向性珪素鋼板の加工方法 Expired - Fee Related JP3147290B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18709696A JP3147290B2 (ja) 1996-07-17 1996-07-17 一方向性珪素鋼板の加工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18709696A JP3147290B2 (ja) 1996-07-17 1996-07-17 一方向性珪素鋼板の加工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1032132A true JPH1032132A (ja) 1998-02-03
JP3147290B2 JP3147290B2 (ja) 2001-03-19

Family

ID=16200042

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18709696A Expired - Fee Related JP3147290B2 (ja) 1996-07-17 1996-07-17 一方向性珪素鋼板の加工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3147290B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0538779A2 (de) * 1991-10-22 1993-04-28 VOEST-ALPINE AUSTRIA DRAHT GmbH Langgestrecktes Zugelement
US5306583A (en) * 1992-12-04 1994-04-26 Saft Hydridable material for the negative electrode of a nickel-hydride storage cell
WO2018131613A1 (ja) * 2017-01-10 2018-07-19 新日鐵住金株式会社 巻鉄心、及びその製造方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0538779A2 (de) * 1991-10-22 1993-04-28 VOEST-ALPINE AUSTRIA DRAHT GmbH Langgestrecktes Zugelement
US5306583A (en) * 1992-12-04 1994-04-26 Saft Hydridable material for the negative electrode of a nickel-hydride storage cell
WO2018131613A1 (ja) * 2017-01-10 2018-07-19 新日鐵住金株式会社 巻鉄心、及びその製造方法
KR20190089982A (ko) * 2017-01-10 2019-07-31 닛폰세이테츠 가부시키가이샤 권철심, 및 그 제조 방법
JPWO2018131613A1 (ja) * 2017-01-10 2019-11-07 日本製鉄株式会社 巻鉄心、及びその製造方法
RU2713622C1 (ru) * 2017-01-10 2020-02-05 Ниппон Стил Корпорейшн Ленточный сердечник и способ его изготовления
EP3570305A4 (en) * 2017-01-10 2020-08-19 Nippon Steel Corporation COILED CORE AND METHOD FOR MANUFACTURING THE SAME
US10886055B2 (en) 2017-01-10 2021-01-05 Nippon Steel Corporation Wound core and manufacturing method thereof

Also Published As

Publication number Publication date
JP3147290B2 (ja) 2001-03-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2537059C2 (ru) Лист из текстурированной электротехнической стали и способ его изготовления
US7465361B2 (en) Method for producing grain oriented magnetic steel sheet and grain oriented magnetic steel sheet
EP2770075A1 (en) Oriented electromagnetic steel sheet and method for manufacturing same
EP2602339A1 (en) Grain-oriented electrical steel sheet, and method for producing same
RU2764010C1 (ru) Лист электротехнической стали с ориентированной зеренной структурой
KR20030013258A (ko) 방향성 전자강판의 제조방법
JP3147290B2 (ja) 一方向性珪素鋼板の加工方法
JP6614398B1 (ja) 方向性電磁鋼板
CN112912186A (zh) 无取向电磁钢板和使用其的层叠铁芯的制造方法
KR100779580B1 (ko) 저철손 고자속밀도 방향성 전기강판의 제조방법
JP2009197299A (ja) 高珪素鋼板の製造方法
KR960005227B1 (ko) 자구미세화에 의한 방향성 전기강판의 철손개선방법 및 자구미세화 장치
EP4060059A1 (en) Method for producing non-oriented electrical steel sheet
WO2023167303A1 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JP7286889B1 (ja) 鋼製フープ材およびその製造方法
JP5779948B2 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
EP4335938A1 (en) Method for producing grain-oriented electromagnetic steel sheet
EP4343009A1 (en) Wound core and wound core manufacturing method
JP6116793B2 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JP2001323322A (ja) 方向性珪素鋼帯の最終仕上げ焼鈍方法
EP4060062A1 (en) Method for manufacturing non-oriented electrical steel
JPS62274047A (ja) 加工成形性に優れた高珪素鉄板
KR100340644B1 (ko) 극박 규소강판의 제조방법
EP0423623A1 (en) Process for preparing wound core having low core loss
JPH09310124A (ja) 形状と磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees