JPH10319252A - プラスチック光ファイバ母材の製造方法 - Google Patents

プラスチック光ファイバ母材の製造方法

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JPH10319252A
JPH10319252A JP9128728A JP12872897A JPH10319252A JP H10319252 A JPH10319252 A JP H10319252A JP 9128728 A JP9128728 A JP 9128728A JP 12872897 A JP12872897 A JP 12872897A JP H10319252 A JPH10319252 A JP H10319252A
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Japan
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cylindrical body
liquid
optical fiber
fiber preform
plastic optical
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JP9128728A
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Inventor
Takashi Fujii
隆志 藤井
Hiroo Matsuda
裕男 松田
Toshifumi Hosoya
俊史 細谷
Maki Ikechi
麻紀 池知
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチック光ファイバ母材の長手方向に沿
った外径変動を低減させることのできるプラスチック光
ファイバ母材の製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明は、中空状の円筒体1であるプラ
スチック光ファイバ母材をコラップスして充実化した円
柱形のプラスチック光ファイバ母材とするプラスチック
光ファイバ母材の製造方法であって、円筒体1を、その
ガラス転移温度Tg以上の温度に保持した液槽4中の液
体Lに差し込み、その液体Lにより円筒体1を加熱しつ
つコラップスすることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック光フ
ァイバ母材の製造方法に係り、特に、中空円筒状のプラ
スチック光ファイバ母材をコラップスして充実化したプ
ラスチック光ファイバ母材を製造するプラスチック光フ
ァイバ母材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、中空状の円筒体であるプラス
チック光ファイバ母材をコラップスして、充実化した円
柱状のプラスチック光ファイバ母材を製造する方法が知
られている(例えば特開平5−107404号公報)。
【0003】この特開平5−107404号公報には、
中空状のパイプ状体の内部を減圧状態に保持しながらそ
のパイプ状体をリング状の発熱体に通すことによって加
熱し、そのパイプ状体の下部より連続して引き延ばすこ
とにより、円柱状の透明重合体を製造する技術が開示さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来の製造方法によれば、引き延ばされた円柱状の透
明重合体は、その長手方向に沿って外径ムラが生じやす
いという問題があった。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、プラスチック光ファイバ母材の長手方向に沿
った外径変動を低減させることのできるプラスチック光
ファイバ母材の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、中空状の円筒体であるプラスチック光フ
ァイバ母材をコラップスして充実化した円柱形のプラス
チック光ファイバ母材とするプラスチック光ファイバ母
材の製造方法であって、円筒体を、そのガラス転移温度
(Tg)以上の温度に保持した液槽中の液体に差し込
み、その液体により円筒体を加熱しつつコラップスする
ことを特徴とする。ここで、コラップスとは、円筒体で
あるプラスチック光ファイバ母材の内部を融着させて充
実化することをいう。
【0007】この発明によれば、円筒体が、そのTg以
上の温度に保持した液槽中の液体に差し込まれると、円
筒体は、液体により円筒体の長手方向及び周方向にわた
って均一に加熱されることにより均一に軟化され、円筒
体内を減圧すること及び/又は軟化された重合体自体の
熱膨張によりコラップスされて、充実化した円柱形のプ
ラスチック光ファイバ母材となる。
【0008】また、円筒体が有する最高のTg(Tg
1)に対し、液体を(Tg1+30)〜(Tg1+20
0)℃の温度に保持することが好ましい。これは、液体
の温度が(Tg1+30)℃未満の場合にあっては、円
筒体の内部を減圧しながら円筒体を液体に差し込んでも
円筒体がコラップスされにくい傾向にあり、液体の温度
が(Tg1+200)℃を越える場合にあっては、円筒
体はコラップスされるが外径にムラのあるプラスチック
光ファイバ母材が得られ易い傾向にあるからである。
【0009】また、円筒体の開口を封止し、その円筒体
の内部を0.1〜1.0atmの圧力に保持しながら円
筒体をコラップスすることが好ましい。これは、円筒体
の内部圧力が0.1atm未満の場合にあっては、円筒
体から得られる円柱形プラスチック光ファイバ母材が非
円し易い傾向にあり、円筒体の内部圧力が1.0atm
を越える場合にあっては、円筒体がコラップスされにく
い傾向にあるからである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面と共に本発明に係るプ
ラスチック光ファイバ母材の製造方法について詳細に説
明する。
【0011】図1は、中空状の円筒体であるプラスチッ
ク光ファイバ母材と、その円筒体を差し込むべき液体を
入れた液槽を示す断面図であり、図2は、円筒体を液体
中に差し込み、円筒体の一部をコラップスしている様子
を示す断面図である。
【0012】図1において、円筒体1は、複数の円筒状
の重合体層を積層して構成されるコア層1aを有し、こ
のコア層1aはその径方向に屈折率分布(ステップイン
デックス型、グレーテッドインデックス型等)を有して
いる。また、円筒体1には、そのコア層1aの外側にコ
ア層1aより屈折率の低い円筒状のクラッド層1b(円
筒管)が設けられている。コア層1aおよびクラッド層
1bは、主として単独のモノマーの重合体又は異なるモ
ノマー同士の共重合による共重合体で構成されている。
このようなモノマーとしては、例えばメチルメタクリレ
ート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレー
ト、α−フルオロアクリレート、重水素化メチルメタク
リレート等が挙げられる。
【0013】ここで、円筒体1は、種々の製造方法によ
り製造可能であるが、例えば射出成形法、押出成形法を
用いた製法やクラッド層1bを回転させながらその内側
に多段に重合体層を積層してコア層1aを形成するいわ
ゆる内付け法を用いて製造することができる。このう
ち、内径の小さな円筒体1を得ると共に不純物を混入さ
せ難くする観点から、内付け法が好適に用いられ、この
製造方法によれば、円筒体1は次のように製造される。
【0014】まず、反応管(例えばガラス管)を用意
し、その反応管内に、上記のモノマー又は異なるモノマ
ーを含有する組成物を投入した後、反応管に栓をし、そ
の反応管を水平に保持した状態で加熱しながらその中心
軸回りに回転させて組成物を重合させる。ここで、組成
物には、モノマーのほか、重合開始剤(例えばパーブチ
ルI)及び/又は連鎖移動剤(例えばn−ブチルメルカ
プタン)が適宜含まれる。また、反応管の回転は、組成
物が遠心力により反応管の内側に塗布されるように行わ
れる。このようにして、反応管の内側にクラッド層1b
が形成される。
【0015】続いて、反応管からクラッド層1bを取り
出し、そのクラッド層1b内に、前述した組成物に例え
ば高屈折率ドーパント(ジフェニルスルフィド等)を添
加したものを投入し、クラッド層1bの場合と同様にし
て組成物を重合させる。この結果、クラッド層1bの内
側には、複数の重合体層が積層され、これらの重合体層
によりコア層1aが形成され、円筒体1の製造が完了す
る。
【0016】図1に示すように、円筒体1においては、
その下端開口が例えばテフロンテープ2で封止され、そ
の上端には、ガス導入口3aをもった円板状底部とその
底部の外周縁から垂直に延びる円筒部とで構成された蓋
3が取り付けられている。ガス導入口3aには、図示し
ない圧力調節装置をもったガス供給部(例えばガスボン
ベ)により不活性ガス(例えば窒素ガス)が導入される
ようになっている。不活性ガスを導入するのは、円筒体
1の内部において、大気中のガスを不活性ガスに置換
し、円筒体1のコラップス時における大気中のガスと円
筒体1を構成する重合体との反応を防止するためであ
る。
【0017】また、図1においては、円筒体1を差し込
むべき液槽4が示され、この液槽4は、その上端開口か
ら底部までの長さ(深さ)が少なくとも円筒体1の長手
方向の長さ以上となっており、この液槽4には、液体L
が入れられている。ここで、液体Lは、円筒体1の変質
を防止する観点から、円筒体1を構成する重合体と反応
せずかつその重合体を膨潤させない液体であることが好
ましい。このような液体Lは、円筒体1を構成する重合
体の種類によって適宜選択されるが、このような液体L
として、例えばシリコンオイル、ポリフェニルエーテ
ル、ジエステル、ネオペンチルポリオール、フッ素系オ
イル、フェニルメチルシリコン等が挙げられる。
【0018】ここで、液体Lは、例えば円筒体1のガラ
ス転移温度(以下、Tgという)以上の温度に保持さ
れ、好ましくは、円筒体1の最高のTg(以下、Tg1
という)に対し、液体Lが(Tg1+30)〜(Tg1
+200)℃の温度に保持される。これは、液体Lの温
度が(Tg1+30)℃未満の場合にあっては、円筒体
1の内部を減圧しながら円筒体1が液体Lに差し込まれ
ても円筒体1がコラップスされにくい傾向にあり、液体
Lの温度が(Tg1+200)℃を越える場合にあって
は、円筒体1はコラップスされるが外径ムラのある円柱
形のプラスチック光ファイバ母材(以下、円柱形母材と
いう)が得られ易い傾向にあるからである。
【0019】なお、最高のTg(Tg1)とは、コア層
1aが単一の重合体層で構成される場合には、コア層1
aのTg及びクラッド層1bのTgのうちいずれか高い
方をいい、コア層1aが複数の重合体層で構成される場
合には、各重合体層のTg及びクラッド層1bのTgの
うち最も高いTgをいう。
【0020】そして、円筒体1をコラップスするに当た
っては、蓋3のガス導入口3aを通して、減圧状態の、
好ましくは0.1〜1.0atmの範囲内の圧力の不活
性ガスを導入しつつ、円筒体1をその下端から図2の矢
印A方向に沿って液槽4の液体Lに差し込み、円筒体1
の上端が完全に液体L内に入るまで差し込む。
【0021】このように円筒体1が液体L内に差し込ま
れると、円筒体1は、液体Lにより加熱されて軟化状態
になると共に円筒体1を構成する重合体自体が熱膨張す
る。更に、円筒体1の内部空間は、0.1〜1atmの
範囲内の圧力で一定に保持されている。従って、円筒体
1の一端が液体Lの液面からある深さ(図2の一点鎖線
で示すX)に達すると、液体Lから円筒体1に加えられ
る圧力と円筒体1の内部圧力との差により円筒体1はコ
ラップスされ、径方向に屈折率分布をもった円柱形母材
が完成する。
【0022】このとき、円筒体1は、その下端から上端
にかけて液体Lに差し込まれ、図2に示すように、円筒
体1の下端から上端にかけて順次コラップスされるた
め、円筒体1から得られる円柱形母材において、その内
部に気泡が残ることがない。
【0023】また、円筒体を従来のようなリング状の発
熱体により空気を介して加熱しながら引き延ばす方法に
よるコラップスの場合と異なり、円筒体1が、空気より
熱容量の大きい液体Lを介して加熱される。このため、
円筒体1を挿入した際における円筒体1近傍での温度変
化の発生が極めて小さく抑えられると共に、円筒体1に
加えられる温度を容易に制御することができる。従っ
て、円筒体1をその長手方向及び周方向にわたって均一
な温度で加熱することが可能となる。この結果、外径ム
ラが十分に低減された円柱形母材を得ることができる。
【0024】更に、円筒体1をコラップスして円柱形母
材を作製する場合には、円筒体の一端を加熱しつつ引き
延ばして円柱形母材を得る従来の場合のように、円筒体
1のそれぞれについて加熱装置を用意し且つ円筒体1を
引き延ばす必要がない。このため、複数の円筒体1を液
体L中に差し込むことにより、短時間で複数の円柱形母
材を効率よく作製することができ、ひいてはコストの低
下を図ることができる。
【0025】なお、円筒体1の内径が十分に小さい(例
えば、(内径/外径)=1/10以下)場合には、円筒
体1を液体L内に差し込む速度、液体Lの温度にも依存
するが、必ずしも不活性ガスを導入して減圧する必要は
なく、この場合、蓋3においてガス導入口3aは形成さ
れていなくてもよい。
【0026】また、円筒体1を液体Lに差し込む前に、
円筒体1をその円筒体1の最低のTg(以下、Tg2と
いう)〜(Tg1+50)℃の温度に予め保持しておく
ことが好ましい。円筒体1が、そのTg2(例えばコア
層1aのTg)未満の温度に保持される場合にあって
は、その円筒体1が液体Lに差し込まれる際に気泡が残
り易い傾向にあり、(Tg1+50)℃を越える場合に
あっては、延伸された円柱形母材が得られやすい傾向に
あるからである。そして、前述した温度範囲において
は、液体Lにより熱が伝わり難いためコラップスされに
くい肉厚の円筒体1であっても、容易にコラップスさせ
ることができる。このときの円筒体1の加熱は、例えば
液体Lの液面の上方に設置されたリングヒータによって
行うことができる。
【0027】また、円筒体1を液体Lに差し込む際に
は、円筒体1をその中心軸線回りに回転させながら液体
Lに差し込まれることが好ましく、特に、円筒体1の回
転数は、1〜60rpmの範囲内にあることが好まし
い。これは、1rpm未満の場合にあっては、液体Lに
温度分布がある場合に非円することがあり、60rpm
を越える場合にあっては、ねじ曲がった円柱形母材が得
られる傾向にあるからである。
【0028】また、液体Lは、(Tg1+30)〜(T
g1+200)℃の温度をもった部分の最下部(図3の
一点鎖線で示すY)より下側の部分において、円筒体1
の最高のTg未満の温度を有することが好ましく、特に
液体Lの深さ方向に向かって低温になっていることが好
ましい。この場合、液体L中において、コラップスによ
り形成された円柱形母材が液体Lにより冷却されて固く
なり、その円柱形母材が液体Lの温度によって過度に変
形されることがなくなる。
【0029】また、円筒体1を液体Lに差し込む際に
は、円筒体1は、液体Lの深さ方向に0.1〜50mm
/分の速度で移動させながら差し込まれることが好まし
い。これは、円筒体1を液体Lに差し込む速度が0.1
mm/分未満の場合にあっては、生産性が悪く、50m
m/分を越える場合にあっては、円筒体1がコラップス
されにくかったり円柱形母材中に気泡が残ったりする傾
向にあるからである。
【0030】また、(円筒体1の比重−液体Lの比重)
が0〜0.5であることが好ましい。これは、(円筒体
1の比重−液体Lの比重)が0未満の場合にあっては、
浮力により円筒体1が湾曲するおそれがあり、円筒体1
の比重と液体Lの比重との差が0.5を越える場合にあ
っては、その円筒体1が液体Lに差し込まれている際
に、円筒体1がその重力によりその長手方向に延びる傾
向にあるからである。そして、(円筒体1の比重−液体
Lの比重)が前述した範囲に定められることにより、そ
の円筒体1から得られる円柱形母材において、その長手
方向に沿った外径の変動が十分に低減されることとな
る。
【0031】更に、円筒体1を液体Lに差し込む操作を
複数回(例えば3回)繰り返すことが好ましい。このよ
うにすることで、円筒体1の内径が徐々に小さくされ、
この結果、外径ムラの低減された円柱形母材が得られる
こととなる。
【0032】以下、実施例により本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれによって制限されるものでは
ない。
【0033】
【実施例】
(実施例1)まず、長さ40cm、内径27mm、外径
30mmのガラス製の円筒管を用意し、水平に保持した
当該円筒管内に、メチルメタクリレート100重量部に
対して、連鎖移動剤であるn−ブチルメルカプタン0.
15重量部と、重合開始剤であるパーブチルI(PB
I)0.15重量部とからなる組成物を124ml加え
た後、円筒管の開口部をゴム栓で封止し、その円筒管を
1300rpmで回転させながら80℃で20時間熱重
合させることにより、長さ40cm、外径27mm、内
径20mm、Tg=105℃のポリメチルメタクリレー
トからなる円筒状のクラッド層を得た。
【0034】次に、このクラッド層内に、メチルメタク
リレートとジフェニルスルフィドとを重量比で4:1に
混合した混合溶液に対して連鎖移動剤であるn−ブチル
メルカプタン0.15重量%と、重合開始剤であるパー
ブチルI(PBI)0.15重量%とを添加して構成さ
れる組成物を105ml加えた後、円筒管の開口部をゴ
ム栓で封止し、その円筒管を1300rpmで回転させ
ながら、85℃で20時間大気下で熱重合させた。この
結果、クラッド層内に、長さ40cm、外径20mm、
内径11mm、Tg=55℃のコア層をもった円筒体
(比重:1.2)を得た。
【0035】一方、深さ100cmの液槽を用意し、そ
の液槽内に比重の異なる3種類のシリコンオイルを入
れ、表層部から15cmの深さまでの部分には比重0.
955〜0.965、深さ15cmから深さ35cmま
での部分には比重0.98〜1.00、深さ35cmか
ら液槽の底面までの部分には比重1.06〜1.08の
シリコンオイルが配置されるようにした。そして、表層
部から10cmの深さの部分をヒータで185℃に制御
することにより、表層部を160℃、表層部から深さ1
0cmの部分を185℃、表層部から深さ20cmの部
分を150℃、表層部から深さ50cm以下の部分を1
00℃に保持した。
【0036】そして、円筒体の下端の開口部はテフロン
テープで封止し、上端の開口部には、ガス導入口をもっ
た蓋を取り付けた。続いて、60℃に保持した円筒体の
内部に、蓋のガス導入口を通して、ガスボンベから73
0mmHgに保持した窒素ガスを導入しつつ、円筒体を
その中心軸回りに10rpmで回転させながら、1mm
/分の速度で下降させた。そして、円筒体の上端を液面
から深さ35cmのところまで沈めた。その結果、液面
からほぼ5cmのところで円筒体がコラップスされて充
実化され、最小外径/最大外径=0.98の円柱形のプ
ラスチック光ファイバ母材が得られた。
【0037】(実施例2)外径27mm、内径20mm
のクラッド層1bと、外径20mm、内径9mmのコア
層1aとからなる円筒体を作製し、液体として比重1.
07のシリコンオイルを用い、その表層部を170℃、
表層部から深さ20cmの部分を185℃、表層部から
深さ50cmの部分を185℃の温度に保持すると共に
円筒体の内部を0.13atmに保持しつつ、円筒体を
10mm/分の速度で液体に差し込んだ以外は、実施例
1と同様にして円柱形のプラスチック光ファイバ母材を
作製した。その結果、液面からほぼ4cmのところで円
筒体がコラップスされて充実化された。得られた円柱形
のプラスチック光ファイバ母材の最小外径/最大外径
は、0.85であった。
【0038】(比較例1)実施例1と同様の方法で外径
27mm、内径9mmの円筒体を作製した。一方、図4
に示すように、直径5cm、長さ20cmの石英管5
と、直径5cm、長さ5cmのリングヒータ6を用意
し、石英管5をリングヒータ6の内側にはめ込み、リン
グヒータ6の上端部が石英管5の上端部から8cmの位
置にくるように設置した。そして、リングヒータ6にか
ける電圧を調節し、石英管5の上端部から2cmの部分
を160℃、上端部から10cmの部分は185℃、上
端部から18cmの部分は150℃になるようにした。
【0039】そして、円筒体1内を730mmHgに保
持した窒素ガスを導入しつつ、円筒体1を10rpmで
回転させながら、1mm/分の速度で円筒体1を石英管
5内に差し込んだ。その結果、得られたプラスチック光
ファイバ母材の最小外径/最大外径は0.8であり、外
径変動が大きいことがわかった。しかも、この母材内に
は、直径0.5mm、長さ1cm程度の気泡が数ヶ所残
ると共に全長40cmの母材が延伸して全長45cmと
なった。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
液体に差し込まれた円筒体が液体によりその長手方向及
び周方向で均一に加熱され、円筒体が軟化されてコラッ
プスされる。この結果、プラスチック光ファイバ母材の
長手方向に沿った外径変動を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラスチック光ファイバ母材の製造方
法の一実施形態に係る円筒体及びその円筒体をコラップ
スすべき液体を入れた液槽を示す断面図である。
【図2】本発明によるプラスチック光ファイバ母材の製
造方法の一実施形態を示す断面図である。
【図3】本発明によるプラスチック光ファイバ母材の製
造方法の他の実施形態を示す断面図である。
【図4】比較例1により円筒体をコラップスする様子を
示す斜視図である。
【符号の説明】
1…円筒体、3…液槽、L…液体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池知 麻紀 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空状の円筒体であるプラスチック光フ
    ァイバ母材をコラップスして充実化した円柱形のプラス
    チック光ファイバ母材とするプラスチック光ファイバ母
    材の製造方法であって、 前記円筒体を、前記円筒体のガラス転移温度(Tg)以
    上の温度に保持した液槽中の液体に差し込み、その液体
    により前記円筒体を加熱しつつコラップスすることを特
    徴とするプラスチック光ファイバ母材の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記円筒体の最高のTg(Tg1)に対
    し、前記液体を(Tg1+30)〜(Tg1+200)
    ℃の温度に保持することを特徴とする請求項1に記載の
    プラスチック光ファイバ母材の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記液体が、(Tg1+30)〜(Tg
    1+200)℃の温度をもった部分より下側の部分にお
    いて、前記円筒体のTg1未満の温度を有することを特
    徴とする請求項2に記載のプラスチック光ファイバ母材
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記円筒体の開口を封止し、その円筒体
    の内部を0.1〜1.0atmの圧力に保持しながら前
    記円筒体をコラップスすることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれか一項に記載のプラスチック光ファイバ母材
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記円筒体をその中心軸回りに1〜60
    rpmの回転数で回転させることを特徴とする請求項1
    〜4のいずれか一項に記載のプラスチック光ファイバ母
    材の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記円筒体の内部に不活性ガスを導入す
    ることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載
    のプラスチック光ファイバ母材の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記円筒体を前記液体の深さ方向に0.
    1〜50mm/分の速度で移動させることを特徴とする
    請求項1〜6のいずれか一項に記載のプラスチック光フ
    ァイバ母材の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記円筒体を前記液体に差し込む操作を
    複数回繰り返すことを特徴とする請求項1〜7のいずれ
    か一項に記載のプラスチック光ファイバ母材の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記円筒体を前記液体に差し込む前に、
    前記円筒体をその円筒体の最低のTg(Tg2)〜(T
    g1+50)℃の温度に予め保持しておくことを特徴と
    する請求項1〜8のいずれか一項に記載のプラスチック
    光ファイバ母材の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記液体が、前記円筒体を構成する重
    合体と反応せず且つ前記重合体を膨潤させない液体であ
    ることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載
    のプラスチック光ファイバ母材の製造方法。
  11. 【請求項11】 (前記円筒体の比重−前記液体の比
    重)が0〜0.5であることを特徴とする請求項1〜1
    0のいずれか一項に記載のプラスチック光ファイバ母材
    の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記円筒体が、回転する円筒管の内側
    に順次重合体層を積層させることにより製造されたもの
    であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項
    に記載のプラスチック光ファイバ母材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005096043A1 (en) * 2004-04-02 2005-10-13 Fuji Photo Film Co., Ltd. Method and apparatus for manufacturing plastic optical fiber

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