JPH09230145A - プラスティック光ファイバ母材及びその製造方法 - Google Patents

プラスティック光ファイバ母材及びその製造方法

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JPH09230145A
JPH09230145A JP8033837A JP3383796A JPH09230145A JP H09230145 A JPH09230145 A JP H09230145A JP 8033837 A JP8033837 A JP 8033837A JP 3383796 A JP3383796 A JP 3383796A JP H09230145 A JPH09230145 A JP H09230145A
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JP
Japan
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polymer
optical fiber
fiber preform
plastic optical
tube
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Application number
JP8033837A
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English (en)
Inventor
Takashi Fujii
隆志 藤井
Takehito Kobayashi
勇仁 小林
Toshifumi Hosoya
俊史 細谷
Maki Ikechi
麻紀 池知
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B6/00Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
    • G02B6/02Optical fibres with cladding with or without a coating
    • G02B6/02033Core or cladding made from organic material, e.g. polymeric material

Landscapes

  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明度の高いプラスティック光ファイバの製
造方法を提供する。 【解決手段】 重合後の屈折率が互いに異なる複数の重
合性材料を順次に重合させることにより、管状重合体の
内面上に他の重合体が形成された構造のグレーテッド・
インデックス型のプラスティック光ファイバ母材を製造
する方法であり、重合性材料を重合させた後、得られた
重合体に揮発成分除去処理を施す工程を含むことを特徴
としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスティック光
ファイバ母材及びその製造方法に関するものであり、特
に、径方向に沿って屈折率が単調に変化するグレーテッ
ド・インデックス型のプラスティック光ファイバ(以
下、必要に応じて「GI−POF」と略す。)母材及び
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、GI−POFは、径方向に沿っ
て単調に変化する屈折率分布を持ったプラスティック光
ファイバ母材を製造し、これを線引することで簡単に作
製することができる。このような母材を構成するプラス
ティックの重合方法としては、共重合反応を利用する方
法(特開昭61−130904号、特開昭60−119
509号、特開昭57−185001号、特開平4−9
7302号の各公報に記載)や、光学樹脂のマトリック
スの原材料として1種類以上の単量体を用意し、重合反
応には関与しない異屈折率物質を混入し、その物質の拡
散を利用して屈折率分布を形成する方法(特開平5−5
07610号公報に記載)が知られている。
【0003】このうち、特開昭61−130904号公
報には、共重合体を構成すべき二種類の単量体の反応性
比の差を利用して、径方向に滑らかに変化する屈折率分
布を形成する方法が開示されている。また、特開昭60
−119509号公報には、重合体を数段階で内付けす
ることによりクラッド及びコアを形成する方法が開示さ
れている。さらに、特開平5−507610号公報に
は、円筒形の重合管を作製し、その後、重合管の中空部
に数種類の単量体の混合溶液を注入して中心部分を一気
に作製する方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特開昭61−1309
04号や、特開平4−97302号、特開昭60−11
9509号などに記載される製造方法では、重合管の内
面上に他の重合体を重合形成する際に、重合管と重合中
の物質との間で相分離現象が起こりやすく、両者に含ま
れる単量体や重合体が拡散して、重合管から重合中の物
質へ、あるいは重合中の物質から重合管へ浸入しやすい
ようになっている。このため、従来の製造方法では、得
られる母材が白濁しやすく、この母材を線引して得られ
る光ファイバの散乱損失、ひいては伝送損失が大きくな
りやすいという問題点があった。
【0005】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、透明性の高い光ファイバ母材を製造す
る方法、及び透明性の高い光ファイバ母材を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本願に係る第1の光ファイバ母材製造方法は、1
種類の単量体から構成され、又は数種類の単量体を混合
した複数の重合性材料であって重合後の屈折率が互いに
異なるものを順次に重合させることにより、管状重合体
の内面上に他の重合体が形成された構造のグレーテッド
・インデックス型のプラスティック光ファイバ母材を製
造する方法であって、重合性材料を重合させた後、得ら
れた重合体に揮発成分除去処理を施す工程を含むことを
特徴としている。
【0007】なお、揮発成分除去処理としては、例え
ば、加熱処理や真空乾燥を用いることができる。
【0008】本願の発明者が、管状の重合体を形成し、
次いで、この管状重合体の内面上に他の重合体を重合し
て光ファイバ母材を製造する実験を繰り返し行ったとこ
ろ、重合体を重合し終えた段階で、得られた重合体中に
揮発成分が多く残っていることがよくあり、そのために
管状重合体の内面上に重合体を重合する際、管状重合体
と重合中の材料との界面近傍で単量体や重合体の拡散、
膨潤が起こりやすく、母材が白濁しやすいことがわかっ
た。
【0009】この点に鑑み、本願に係る第1の製造方法
は、重合体の重合後に重合体中の揮発成分を除去する工
程を含んでいるので、製造される母材は白濁しにくく、
全光線透過率が85.0%以上の高い透明度を有する母
材を製造することも可能となる。
【0010】なお、本願明細書において、「全光線透過
率」とは、「JISハンドブックプラスチック 199
5」の「プラスチックの光学的特性試験方法」(K71
05)の5.5に定義されるものをいい、所定の測定法
Aによって積分球式測定装置を用いて全光線透過量を測
定することにより求められる。測定法Aの条件も、同書
のK7105の5.5に記載されている。
【0011】次に、本願に係る第2の製造方法は、1種
類の単量体から構成され、又は数種類の単量体を混合し
た複数の重合性材料であって重合後の屈折率が互いに異
なるものを順次に重合させることにより、管状重合体の
内面上に他の重合体が形成された構造のグレーテッド・
インデックス型のプラスティック光ファイバ母材を製造
する方法であって、隣接する二つの重合体を構成すべき
二つの重合性材料間で、各重合性材料に含まれる単量体
の比率の差が、得られる光ファイバ母材の全光線透過率
が85.0%以上となる程度に小さいことを特徴として
いる。
【0012】本願発明者の知見によれば、隣接する二つ
の重合体を構成すべき二つの重合性材料の組成が類似し
ているほど、管状重合体の内面上に他の重合体を重合す
る際、単量体や重合体が拡散、膨潤しにくくなる。従っ
て、本願に係る第2の製造方法によれば、製造される母
材は白濁しにくくなり、全光線透過率が85.0%以上
の高い透明度を有する母材が製造されることになる。
【0013】実際に、本願発明者は、単量体である2,
2,2−トリフルオロエチルメタクリレート(3FM)
及びメチルメタクリレート(MMA)を材料として光フ
ァイバ母材を製造する実験を行った。具体的には、ま
ず、ガラス管を水平に保持しながら、管内に2,2,2
−トリフルオロエチルメタクリレートを注入し、続い
て、連鎖移動剤としてn−ブチルメルカプタン(n−B
M)を0.12重量%、及び重合開始剤としてベンジル
パーオキサイド(BPO)を0.30重量%加える。次
いで、ガラス管の開口部をシールしてから恒温槽に収容
し、20℃の大気中で20時間にわたりガラス管を13
00rpmで回転させて熱重合させることにより、外径
16.8mm、内径12.0mmのポリ2,2,2−ト
リフルオロエチルメタクリレートからなる重合管を作製
する。次に、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリ
レートとメチルメタクリレートとを所定のモル比で混合
した溶液を重合管の中空部に注入し、続いて、連鎖移動
剤としてn−ブチルメルカプタンを0.12重量%、及
び重合開始剤としてベンジルパーオキサイド(BPO)
を0.30重量%加える。次いで、重合管の開口部をシ
ールしてから恒温槽に収容し、20℃の大気中で20時
間にわたり重合管を1300rpmで回転させて熱重合
させることにより、重合管の内表面上に新たな重合管を
形成する。二つの重合管からなる管状体の外径は16.
8mmであり、内径は10.0mmである。以上によ
り、中空のプラスティック光ファイバ母材が得られる。
【0014】内側の重合管を構成する2,2,2−トリ
フルオロエチルメタクリレートとメチルメタクリレート
とのモル混合比を様々に変えて、母材の製造を繰り返し
行い、その母材の全光線透過率を測定したところ、次の
表に示されるような結果を得た。
【0015】
【表1】 上記の実験では、外側の重合管の材料として、連鎖移動
剤及び重合開始剤を除けば2,2,2−トリフルオロエ
チルメタクリレート(3FM)のみからなる重合性材料
を用い、内側の重合管の材料として2,2,2−トリフ
ルオロエチルメタクリレート(3FM)を少し減らし
て、その減少分をメチルメタクリレート(MMA)で補
った重合性材料を用いているので、これらの重合性材料
間での3FMのモル混合比の差と、MMAのモル混合比
の差とは当然等しくなる。上記表中の「隣接材料間での
単量体の比率の差」とは、このような混合比の差を表し
ている。
【0016】表1に示されるように、隣接材料間での単
量体の比率の差が小さいときは、全光線透過率が85.
0%以上と、透明度の高い母材が得られるが、単量体の
比率の差が20.7%や39.5%になると、得られる
母材が見た目にもはっきりと白濁するようになった。な
お、白濁した場合の全光線透過率は測定しなかったが、
85.0%という高い全光線透過率を有するはずはな
く、40%以下程度の低い透明度しか有しないと思われ
る。
【0017】従って、本願に係る第2の製造方法におい
て、上記の重合性材料に、単量体であるメチルメタクリ
レートと2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレー
トとを互いに異なる混合比で混合した数種類の溶液が含
まれる場合には、これらの溶液のうち隣接する二つの重
合体を構成すべき二つの溶液間に含まれる各単量体のモ
ル混合比の差が20.0%以内、より好ましくは18.
0%以内になるようにすると良い。
【0018】次に、本願に係る第1又は第2の製造方法
では、上記の管状重合体を、その厚さが0.5mm以上
になるように形成すると良い。このようにすると、管状
重合体の内面上及び外面上の双方に重合体を形成する場
合にも、管状重合体の内側の重合体から管状重合体へ向
けて生じた膨潤が管状重合体の外側の重合体まで波及せ
ず、また逆に、外側の重合体から管状重合体へ向けて生
じた膨潤が内側の重合体まで波及しなくなるので、いっ
そう透明度の高いプラスティック光ファイバ母材を製造
することができる。
【0019】次に、本願に係るグレーテッド・インデッ
クス型のプラスティック光ファイバ母材は、所定の屈折
率を有する管状の重合体と、この管状重合体の内面上に
形成され、この管状重合体と異なる屈折率を有する他の
重合体とを備えており、全光線透過率が85.0%以上
であることを特徴としている。
【0020】本願のプラスティック光ファイバ母材は、
85.0%以上という極めて高い全光線透過率を有して
おり、透明度が高いので、これを線引すると、伝送損失
の極めて少ないプラスティック光ファイバが得られるこ
とになる。
【0021】本願のプラスティック光ファイバ母材は、
母材の軸を中心軸にして延びる貫通穴を有していると良
い。このような中空構造の母材は、中実の母材よりも少
ない工程で製造することができるので、量産性に優れて
いる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら本
発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明に
おいて同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明
を省略する。また、図面の寸法比率は説明のものと必ず
しも一致していない。
【0023】図1〜図5は、本実施形態に係るプラステ
ィック光ファイバの製造方法を説明するための図であ
る。本実施形態では、まず、円環状の断面を有するガラ
ス管1を水平に保持しながら、単量体である2,2,2
−トリフルオロエチルメタクリレートを管内に注入し、
続いて、連鎖移動剤としてn−ブチルメルカプタンを
0.12重量%、及び重合開始剤としてベンジルパーオ
キサイド(BPO)を0.30重量%加える。次いで、
ガラス管1の開口部をシールしてから、ガラス管1を恒
温槽に収容し、70℃の大気中で20時間にわたり13
00rpmで回転させて熱重合を行わせる。これによ
り、ポリ2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレー
トからなる管状の重合体、すなわち重合管10が得られ
る(図1)。この重合管10は、円環状の断面を有して
おり、その外径は16.8mm、内径は11.4mmで
ある。
【0024】こうして得られた重合管10には揮発成分
12が多く含まれているため、本実施形態では、ガラス
管1を付けたまま重合管10を恒温槽に収容し、70℃
の大気中で24時間にわたり放置するという加熱処理を
行って、揮発成分12を除去する(図2)。
【0025】次に、単量体である2,2,2−トリフル
オロエチルメタクリレートとメチルメタクリレートとを
体積比6:1(モル比82.1%:17.9%)で混合
した溶液を重合管10の中空部に注入し、続いて、連鎖
移動剤としてn−ブチルメルカプタンを0.12重量
%、及び重合開始剤としてベンジルパーオキサイド(B
PO)を0.30重量%加える。なお、二つの単量体の
混合比は、この混合溶液の重合後の屈折率が重合管10
の屈折率よりも高くなるように決められている。
【0026】次いで、重合管10を、そのの開口部をシ
ールしてから恒温槽に収容し、70℃の大気中で20時
間にわたり重合管10を1300rpmで回転させて熱
重合を行わせて、重合管10の内面上に新たな重合管2
0を形成する。重合管20は、重合管10と同じく、円
環状の断面を有しており、二つの重合管10及び20か
らなる管状体(以下、「複合重合管」と呼ぶ。)25の
外径は16.8mmであり、内径は9.4mmである
(図3)。遠心力の作用により、重合管20内でのメチ
ルメタクリレートの分布は径方向に沿って内側から外側
に単調に減少するものとなるので、その結果、重合管2
0は、径方向に沿って内側から外側に単調に減少する屈
折率分布を有することになる。
【0027】本実施形態では、上述の加熱処理により、
重合管10中の揮発成分が除去されているので、重合管
20の重合中に、2,2,2−トリフルオロエチルメタ
クリレートやメチルメタクリレートやポリ2,2,2−
トリフルオロエチルメタクリレートの拡散、膨潤は生じ
にくくなっている。また、重合管10を得るための重合
性材料と重合管20を得るための重合性材料との間で、
2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレートのモル
比の差は、17.9%であり、メチルメタクリレートの
モル比の差も同じであることから、隣接する重合管10
及び20の重合性材料間で各単量体のモル比の差が20
%以内に抑えられており、この点からも、メチルメタク
リレート等の拡散、膨潤が生じにくくなっている。
【0028】次いで、ガラス管1の付いた複合重合管2
5を恒温槽に収容し、70℃の環境下で24時間にわた
り放置することにより、複合重合管25に含まれる揮発
成分を除去する。
【0029】続いて、2,2,2−トリフルオロエチル
メタクリレートとメチルメタクリレートを体積比3:1
(モル比69.6%:30.4%)で混合した溶液を複
合重合管25の中空部に注入し、続いて、連鎖移動剤と
してn−ブチルメルカプタンを0.12重量%、及び重
合開始剤としてベンジルパーオキサイド(BPO)を
0.30重量%加える。
【0030】次いで、ガラス管1の付いた複合重合管2
5を、その開口部をシールしてから恒温槽に収容し、7
0℃の大気中で20時間にわたり30rpmで回転させ
て熱重合を行わせる。これにより、複合重合管25の内
面上に円柱状の重合体30が新たに形成され、円柱状の
複合重合体(外径16.8mm)35が得られる(図
4)。遠心力の作用により、重合体30内でのメチルメ
タクリレートの分布は径方向に沿って内側から外側に単
調に減少するものとなるので、その結果、重合体30
は、径方向に沿って内側から外側に単調に減少する屈折
率分布を有することになる。
【0031】上述の加熱処理により複合重合管25中の
揮発成分が除去されているので、円柱状重合体30の重
合中に、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレー
トやメチルメタクリレートやポリ2,2,2−トリフル
オロエチルメタクリレートの拡散、膨潤は生じにくくな
っている。また、重合管20を得るための重合性材料と
円柱状重合体30を得るための重合性材料との間で、
2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレートのモル
比の差は、12.5%であり、メチルメタクリレートの
モル比の差も同じであることから、隣接する重合管20
及び重合体30の重合性材料間で各単量体のモル比の差
が20%以内に抑えられており、この点からも、メチル
メタクリレート等の拡散、膨潤が生じにくくなってい
る。
【0032】さらに、重合管20は、2mmという十分
な厚さを有しているので、重合体30の重合時にメチル
メタクリレート等の膨潤が生じたとしても、それが重合
管20の外側にある重合管10にまで及ぶことはない。
【0033】この後、ガラス管1付きの複合重合体35
を恒温槽に収容し、70℃の大気中で24時間にわたり
放置することにより、複合重合体35に含まれる揮発成
分を除去し、続いて、ガラス管1の付いた複合重合体3
5を恒温槽から取り出し、徐冷してからガラス管1を取
り外せば、円柱状のプラスティック光ファイバ母材10
0が得られる(図5)。
【0034】この光ファイバ母材100において、最も
外側に位置する重合管10はクラッドであり、重合管1
0の内側にある重合管20と円柱状重合体30とはコア
を形成している。重合管20は、コアの外層部を構成し
ていることから外層コアと呼び、重合管20の内側に位
置する重合体30は、外層コアに対する意味で内層コア
と呼ぶことにする。
【0035】なお、母材を構成する各重合体の重量平均
分子量(Mw)が10万未満であると気泡が発生しやす
く、100万を超えると硬くなりすぎて線引が困難とな
るので、この重量平均分量は、10万以上100万以下
であるのが好ましい。また、各重合体のMw/Mn(Mn
は、数平均分子量をさす)の値が10よりも小さい場
合、より望むらくは2〜3程度の値の場合、膨潤層の厚
さが薄くなり、白濁が一層生じにくくなる。
【0036】本発明者らが、干渉顕微鏡を用いて、この
光ファイバ母材の径方向の屈折率分布を測定したとこ
ろ、図6に示すような結果が得られた。この図に示され
るように、本実施形態の方法により製造されるプラステ
ィック光ファイバ母材は、屈折率が外径から中心に向か
って単調に上昇するグレーテッド・インデックス型の光
ファイバ(GI−POF)母材である。
【0037】このGI−POF母材を、250℃の円筒
形加熱筒内で間接加熱しながら熱延伸し、直径0.75
mmのGI−POFを作製し、この光ファイバの伝送損
失を白色光源とスペクトルアナライザを用いて測定した
ところ、波長575nmにおける伝送損失は140dB
/kmと少なく、このプラスティック光ファイバが高い
光学特性を持っていることがわかった。
【0038】
【発明の効果】以上、詳細に説明した通り、本願に係る
第1の母材製造方法では、重合体の重合後に重合体中の
揮発成分を除去する工程を含んでいるので、製造される
母材は白濁しにくくなり、全光線透過率が85.0%以
上の高い透明度を有する母材を製造することも可能とな
る。
【0039】本願に係る第2の母材製造方法では、隣接
する二つの重合体を構成すべき二つの重合性材料間で、
各重合性材料に含まれる単量体の比率の差を十分に小さ
くしていることから、隣接する重合性材料間で組成が類
似しており、単量体や重合体が拡散、膨潤しにくくなる
ので、製造される母材は白濁しにくく、全光線透過率が
85.0%以上という高い透明度を有する母材が製造さ
れる。
【0040】次に、本願のプラスティック光ファイバ母
材は、85.0%以上という極めて高い全光線透過率を
有しており、透明度が高いので、これを線引すること
で、伝送損失の少ないプラスティック光ファイバを容易
に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の母材製造方法を説明する第1の図で
あり、製造途中に得られる重合管10の構造を示す破砕
斜視図である。
【図2】実施形態の母材製造方法を説明する第2の図で
あり、揮発成分除去処理を施した後の重合管10を示す
破砕斜視図である。
【図3】実施形態の母材製造方法を説明する第3の図で
あり、製造途中に得られる複合重合管25の構造を示す
斜視図である。
【図4】実施形態の母材製造方法を説明する第4の図で
あり、製造途中に得られる複合重合体35の構造を示す
斜視図である。
【図5】実施形態の母材製造方法を説明する第5の図で
あり、本実施形態の方法により製造されたプラスティッ
ク光ファイバ母材100の構造を示す斜視図である。
【図6】本実施形態で製造された光ファイバ母材100
の径方向屈折率分布を示す図である。
【符号の説明】
1…ガラス管、10及び20…重合管、12…揮発成
分、25…複合重合管、30…円柱状重合体、35…複
合重合体、100…プラスティック光ファイバ母材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池知 麻紀 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1種類の単量体から構成され、又は数種
    類の単量体を混合した複数の重合性材料であって重合後
    の屈折率が互いに異なるものを順次に重合させることに
    より、管状重合体の内面上に他の重合体が形成された構
    造のグレーテッド・インデックス型のプラスティック光
    ファイバ母材を製造する方法において、 前記重合性材料を重合させた後、得られた重合体に揮発
    成分除去処理を施す工程を含むことを特徴とするプラス
    ティック光ファイバ母材の製造方法。
  2. 【請求項2】 1種類の単量体から構成され、又は数種
    類の単量体を混合した複数の重合性材料であって重合後
    の屈折率が互いに異なるものを順次に重合させることに
    より、管状重合体の内面上に他の重合体が形成された構
    造のグレーテッド・インデックス型のプラスティック光
    ファイバ母材を製造する方法において、 隣接する二つの重合体を構成すべき二つの前記重合性材
    料間で、各重合性材料に含まれる単量体の比率の差が、
    得られる光ファイバ母材の全光線透過率が85.0%以
    上となる程度に小さいことを特徴とするプラスティック
    光ファイバ母材の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記複数の重合性材料には、単量体であ
    るメチルメタクリレートと2,2,2−トリフルオロエ
    チルメタクリレートとを互いに異なる混合比で混合した
    数種類の溶液が含まれており、これらの溶液のうち隣接
    する二つの重合体を構成すべき二つの溶液間に含まれる
    前記各単量体のモル混合比の差が20%以内であること
    を特徴とする請求項2記載のプラスティック光ファイバ
    母材の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記管状重合体を、その厚さが0.5m
    m以上になるように形成することを特徴とする請求項1
    又は2記載のプラスティック光ファイバ母材の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 所定の屈折率を有する管状の重合体と、
    この管状重合体の内面上に形成され、この管状重合体と
    異なる屈折率を有する他の重合体とを備え、 全光線透過率が85.0%以上であることを特徴とする
    グレーテッド・インデックス型のプラスティック光ファ
    イバ母材。
  6. 【請求項6】 母材の軸を中心軸にして延びる貫通穴を
    有することを特徴とする請求項5記載のプラスティック
    光ファイバ母材。
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