JP2651582B2 - プラスチック光伝送体およびその製造方法 - Google Patents

プラスチック光伝送体およびその製造方法

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JP2651582B2 JP63014176A JP1417688A JP2651582B2 JP 2651582 B2 JP2651582 B2 JP 2651582B2 JP 63014176 A JP63014176 A JP 63014176A JP 1417688 A JP1417688 A JP 1417688A JP 2651582 B2 JP2651582 B2 JP 2651582B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、表面から内部に連続的な屈折率分布を有す
るプラスチック光伝送体およびその製造方法に関するも
のである。さらに詳述するならば、光集束性レンズ、光
集束性光ファイバ、光IC等に使用される光伝送路など各
種の光伝送体およびその製造方法に関するものである。
<従来の技術> 表面から内部に連続的な屈折率分布を有する光伝送体
は、すでに特公昭47−816号においてガラス製のものが
提案されている。しかしながらこのようなガラス製の光
伝送体は生産性が低く、高価なものとなり、かつ屈曲性
も乏しいという問題点を有している。
このようなガラス製光伝送体に対し、プラスチック製
の光伝送体を製造する方法がいくつか提案されている。
これらの表面から内部に連続的な屈折率分布を有するプ
ラスチック光伝送体を大別すると、(1)イオン架橋重
合体よりなる合成樹脂体の中心軸よりその表面に向って
金属イオンを連続的に濃度変化をもたせるようにしたも
の(特公昭47−26913号)、(2)屈折率の異なる二種
以上の透明な重合体の混合物より製造された合成樹脂体
を特定の溶剤で処理し、前記合成樹脂体の構成成分の少
なくとも一つを部分的に溶解除去することによって製造
されるもの(特公昭47−28059号)、(3)2種の屈折
率の異なるモノマーを、重合方法を工夫して、表面から
内部にわたり連続的に屈折率分布ができるようにして作
製したもの(特公昭54−30301号)、(4)架橋重合体
の表面から重合体より屈折率の低いモノマーを拡散させ
て、表面より内部にわたり、該モノマーの含有率が連続
的に変化するよう配置せしめた後、重合して屈折率分布
をもたせたもの(特公昭52−5857号、特公昭56−37521
号)、および(5)反応性を有する重合体の表面より、
重合体よりも低い屈折率を有する低分子化合物を拡散、
反応させて表面より内部にわたり連続的に屈折率分布を
もたせるようにしたもの(特公昭57−29682号)等であ
る。
ところでメチルメタクリレート重合体とフッ化メタク
リレート系重合体との混合物の組み合わせは種々考えら
れるが、この組み合わせで良好に相溶する混合物はこれ
まで知られていない。例えば、メチルメタクリレート重
合体と2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート重合
体、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルメタクリレー
ト重合体、4,4,4,3,2,2−ヘキサフロオロブチルメタク
リレート重合体または1−(トリフルオロメチル)−2,
2,2−トリフルオロエチルメタクリレート重合体との組
み合わせからなる混合物はいずれも相溶性が不十分であ
り、白濁もしくは青みがかったものしか得られない。そ
して、これらの混合物から製造される成形物は光伝送体
としては使用することが困難である。
<発明が解決しようとする課題> これら従来法の共通した問題点としては、拡散あるい
は抽出などの工程に長時間を要すること、あるいは長さ
が限定されることなどから、生産工程は断続的であり換
言すればバッチ式生産方法であり、生産性が極めて低い
のと同時に製造条件の選定が極めて難しかったり再現性
が得られない等、工業化技術としてはそれぞれ問題点を
有する製造方法である。
本発明は、上記従来技術がかかえていた断続的な生産
工程による不合理性を解決し、ガラスあるいはプラスチ
ック光ファイバと同様な連続生産を可能とし、かつ透明
性の良好な光伝送体とその製造方法を提供するものであ
る。
<課題を解決するための手段> 本発明は、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタク
リレートを主成分とする重合体(A)とメチルメタクリ
レート単量体を主成分とする単量体(C)とを溶解混合
してなる組成物に光照射して単量体(C)を重合させて
メチルメタクリレートを主成分とする重合体(B)とし
た混合物からなるプラスチック光伝送体であって、重合
体(A)と重合体(B)との混合比が内部から表面に向
って連続的に変化していることを特徴とするプラスチッ
ク光伝送体を第一の発明とし、2,2,3,3−テトラフルオ
ロプロピルメタクリレートを主成分とする重合体(A)
およびメチルメタクリレート単量体を主成分とする単量
体(C)とを溶解混合してなる組成物から成形物を得、
この成形物の表面より単量体(C)を揮発させ、この成
形物の内部から表面に向って単量体(C)の連続的な濃
度分布を与えた後、あるいは与えながら単量体(C)を
光重合させてメチルメタクリレートを主成分とする重合
体(B)とし、重合体(A)と重合体(B)との混合比
が内部から表面に向って連続的に変化しているプラスチ
ック光伝送体を得ることを特徴とするプラスチック光伝
送体の製造方法を第二の発明とする。
本発明において用いられる2,2,3,3−テトラフルオロ
プロピルメタクリレートを主成分とする重合体(A)と
しては2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレー
トの単独重合体を用いてもよいし、他の共重合可能な単
量体との共重合体を用いてもよい。
このような単量体としては、メチルメタクリレート、
エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、
イソプロピルメタクリレート、t−ブチルメタクリレー
ト、シクロヘキシルメタクリレート、2,2,2−トリフル
オロエチルメタクリレートなどフッ化アルキルメタクリ
レート類、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−
フェノキシエチルメタクリレート、2−(n−ブトキ
シ)エチルメタクリレート、グリシジルメタクリレー
ト、2−メチルグリシジルメタクリレート等のメタクリ
レート類、メチルアクリレート、エチルアクリレート、
プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、2,2,2−
トリフルオロエチルアクリレートなどフッ化アルキルア
クリレート等のアクリレート類、メタクリル酸、アクリ
ル酸等の1種以上が挙げられる。
これらのうち、メチルメタクリレートや2−ヒドロキ
シエチルメタクリレートの1種以上を共重合させること
が、相溶性が向上し、得られる光伝送体の透明性が向上
する点で好ましい。
メチルメタクリレートでは吸水性が小さくなり、より
好ましい結果を得る。
メチルメタクリレートや2−ヒドロキシエチルメタク
リレートは、屈折率差が小さい用途において有用である
が、屈折率差を大きくしたいときには、2,2,2−トリフ
ルオロエチルメタクリレート等のフッ化アルキルメタク
リレートやフッ化アルキルアクリレートの1種以上が好
適である。
これらの共重合可能な単量体成分は、重合体(A)中
において50重量%以下、好ましくは30重量%以下である
ことが好ましい。これは、30重量%を超えると、低屈折
率の重合体である2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメ
タクリレートを主成分とする重合体(A)の屈折率を上
げすぎてしまったり、吸水性が向上してしまったり、相
溶性が悪くなったりするからである。
本発明では、さらに原料成分としてメチルメタクリレ
ートを主成分とする単量体(C)を用い、この結果、本
発明のプラスチック光伝送体には、メチルメタクリレー
トを主成分とする重合体(B)が含まれる。重合体
(B)としては、メチルメタクリレートの単独重合体で
あってもよく、他の共重合可能な単量体との共重合体で
あってもよい。
この共重合体を構成する他の単量体成分としては、エ
チルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n−ブ
チルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、シク
ロヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、
ベンジルメタクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル
メタクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメ
タクリレートなどフッ化アルキルメタクリレート、2−
ヒドロキシエチルメタクリレート、フェノキシエチルメ
タクリレート、グリシジルメタクリレート、2−メチル
グリシジルメタクリレート等のメタクリレート類、メチ
ルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリ
レート、ブチルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエ
チルアクリレートなどフッ化アルキルアクリレート等の
アクリレート類、メタクリル酸、アクリル酸、スチレ
ン、α−メチルスチレン等の1種以上が挙げられるが、
これらに限定されるものではなく、さらに少量のアクリ
ロニトリル、無水マレイン、N−置換マレイン酸イミ
ド、フマル酸ジエステル等であってもさしつかえない。
これら他の単量体成分は目的に応じて任意に選択する
ことができ、特に限定されるものではない。
ただ、これらのうち、屈折率差を大きくする場合に
は、相溶性の点で2−ヒドロキシエチルメタクリレート
が特に好ましく、また吸水性の点では、フェニルメタク
リレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメ
タクリレート、スチレン、α−メチルスチレン等の1種
以上が特に好ましい。
また、屈折率差が小さい用途では、相溶性の点で、2,
2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレートが特に
好ましい。
これらの単量体成分の重合体(B)中における量は30
重量%以下が好ましく、さらに、好ましくは20重量%以
下であることが好ましい。30重量%を超えると透明性が
劣化する。
本発明は、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタク
リレートを主成分とする重合体と光重合で得られるメチ
ルメタクリレートを主成分とする重合体との混合物が、
屈折率がかなり異なる重合体同士の混合にもかかわら
ず、かなり広い範囲においても透明である性質を応用し
たものである。
たとえば、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタク
リレートの単独重合体と光重合によって得られるメチル
メタクリレート重合体の場合は、全混合比において透明
になる。
本発明の大きな特徴は、各種の形状及び屈折率分布
を、目的に応じて設定することができる点にある。
本発明において、光伝送体のより有意義な形状および
屈折率分布は、断面形状が円の繊維状であり屈折率がそ
の中心より周辺に向って連続的に小さくなっており、光
集束機能あるいは凸レンズ機能、光ファイバ機能がある
ものである。
この場合、光伝送体の中心部から外周表面に向って、
2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレートを主
成分とする重合体(A)の混合比が連続的に増加するも
のである。
特に望ましくは、光伝送体の中心軸に垂直な各断面で
の屈折率Nが、中心軸部の屈折率をN0、中心軸より半径
方向の距離をrとしたとき、 N=N0(1−ar2) (ただしaは屈折率分布定数) に近い分布で与えられる場合である。
なお、このような屈折率分布を有するためには、重合
体(A)の含有量は、光伝送体中心部で40〜75重量%程
度、光伝送体周辺部で60〜100重量%程度、光伝送体中
の平均含有量は50〜85重量%程度であることが好まし
い。
また、このときの屈折率は、光伝送体中心部で1.43〜
1.48程度、光伝送体周辺部で1.42〜1.47程度であり、以
下に述べる本発明法によれば、上記のような連続的な屈
折率分布が得られるものである。
これ以外にも、本発明により平板内に屈折率分布が形
成された導波路、平板レンズも可能である。
なお、光伝送体の組成は、NMR等の公知の化学分析法
により測定することができる。
次に本発明のプラスチック光伝送体の製造方法の好適
実施例を説明する。
本発明の光伝送体の製造装置の一例の断面図を第1図
に示す。
まず重合体(A)と単量体(C)とをシリンダ(11)
に仕込み、ヒーター(13)で20〜90℃程度に加熱して溶
解しながら、ピストン(14)で定量的に押し出し、混練
部(12)で均質に混合した後、ノズル(15)より押出し
て成形し、ストランドファイバ(16)を得る。次に、ス
トランドファイバ(16)は揮発部(17)に導かれ、ガス
導入孔(19)より導入された空気、窒素、アルゴン等の
ガスにより単量体(C)がストランドファイバ(16)の
表面より揮発し、その内部に単量体(C)の連続的な濃
度分布が生ずる。
その濃度分布を、目的に応じて、ストランドファイバ
の太さ、吐出量、引き取り速度、揮発部での滞在時間と
揮発部の温度、ガス流量等によりコントロールした後、
活性光線照射部(18)に導き、残存している単量体を光
照射により重合固化せしめて重合体(B)とし、ニップ
ローラ(20)を経て巻取ドラム(21)に巻取り、目的の
光伝送体(22)、すなわち、重合体(A)と重合体
(B)との混合比が内部から表面に向って連続的に変化
して分布している光伝送体を連続的に得るものである。
なお、本発明法において光照射する時期は、上述のよ
うに揮発部の後でもよいが、条件設定が可能であれば揮
発と光照射を同時に行ってもよい。また、揮発は空気あ
るいは窒素、アルゴン等の不活性ガスの気流で行なって
もよいし、減圧下に行なうことも可能である。さらに、
光伝送体(22)の残留単量体をさらに少なくするため
に、光照射部の後に熱重合部を設定してもよいし、ポリ
マーのTg以上の加熱下にさらに光照射を行なうことも有
効である。
なお、重合体(A)と単量体(C)からなる組成物中
において、重合体(A)の量比は30〜70重量%程度であ
ることが所望の形に賦形できるという点で好ましい。ま
た、上記したような屈折率分布を得るための揮発部の温
度およびストランドファイバの揮発部での滞在時間は、
揮発部のガス流量、圧力等によっても異なるが、通常、
それぞれ20〜120℃程度および1〜30分程度である。
本発明においては、2,2,3,3−テトラフルオロプロピ
ルメタクリレートを主成分とする重合体(A)と単量体
(C)との混合物からなる組成物(前駆体組成物)を使
用するが、透明性を阻害しない範囲であれば、これらに
加え、メチルメタクリレート重合体を使用しても差支え
ない。メチルメタクリレート重合体としては、前記の重
合体(B)に例示した単独重合体あるいは共重合体を用
いればよい。メチルメタクリレート重合体と単量体
(C)との合計量は、前駆体組成物中において30〜80重
量%であり、かつ、この合計量中のメチルメタクリレー
ト重合体の量比は30重量%以下であることが、必要とす
る屈折率差をとれる点で好ましい。
また、溶解させる単量体(C)には、単量体として、
メチルメタクリレートのみを使用してもよいし、先に述
べたメチルメタクリレート共重合体を構成する共重合体
成分の単量体を含むことは一向に差支えない。さらに、
エチレングリコールジメタクリレートのような二官能性
あるいは三官能性の単量体を耐熱性、加工性、機械的特
性を向上させるために併用するのも好ましいことであ
る。この場合、これらの単量体の量比は単量体(C)中
において20重量%以下であることが好ましい。
また、本発明において光重合を促進するために、従来
公知の光重合開始剤、あるいは促進剤、増感剤を添加併
用することは有効な手段である。
さらに組成物の貯蔵安定性を高めるため、および組成
物を繊維状などに成形するときの粘度変化、即ち熱重合
を防止するために、従来公知の熱重合禁止剤を用いるこ
とが好ましい。
このようにして得られた組成物は、100℃程度の温度
では熱重合反応は起さないが、均質な光伝送体を得るた
めには、組成物を十分に均質に混練する必要がある。
混練操作には、従来公知の混練装置が使用できる。ま
た、直径が0.5〜5mmφ程度の繊維状の光伝送体を得るに
は、特にこの組成物の押出温度での粘度が重要であり、
1,000〜100,000ポイズ、好ましくは5,000〜50,000ポイ
ズの粘度範囲にあることが好ましい。
本発明に用いることのできる活性光線の光源として
は、150〜600nmの波長の光を放出する炭素、アーク灯、
超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、ケミカルラン
プ、キセノンランプ、レーザー光等が使用できる。また
場合によっては電子線を照射して重合させても差支えな
い。さらに重合を完結させるため、あるいは残留単量体
をできるだけ少なくするために、光照射を二段階にす
る、あるいは熱重合と併用することが有効である。重合
に引き続いて残留単量体分を熱風等により乾燥してもよ
い。本発明の光伝送体に残留している単量体は出来るだ
け少ないことが好ましく、5重量%以下、さらには3重
量%以下、さらに好ましくは1.5重量%以下であり、こ
れは上述の方法により達成することが可能である。
本発明によって得られた光伝送体の光学特性を更に向
上させるために、得られた光伝送体を、約70℃より高く
かつ2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート
系重合体およびメチルメタクリレート系重合体の混合物
の下限臨界共溶温度より低い温度に一旦加熱した後、空
気、水、氷、ドライアイス、液体窒素等の冷媒にて、室
温あるいはそれ以下の温度に急冷することが好ましい。
このような熱処理後急冷することにより、光伝送体の光
伝送性、解像性は向上する。
<実施例> 以下、本発明をより詳しく、実施例にて説明する。
〔評価方法〕
I.レンズ性能の測定 評価装置 レンズ性能の評価は第2図に示すような評価装置を用
いて行なった。
試料の調整 実施例により得られた光伝送体を、通過するHe−Neレ
ーザー光線のうねりから判定した光線の周期(λ)のほ
ぼ1/4の長さ(λ/4)となるよう切断し、研磨機を用い
て、試料の両端面が長軸に垂直な平行平面となるよう研
磨し、評価試料とした。
測定方法 第2図に示したように、光学ベンチ(101)の上に配
置された試料台の上に試作した評価用試料(108)をセ
ットし、絞り(104)を調節して光源(102)からの光が
集光用レンズ(103)、絞り(104)、ガラス板(105)
を通り、試料の端面全面に入射するようにした後、試料
(108)およびポラロイドカメラ(107)の位置をポラロ
イドフイルム上にピントがあうよう調節し、正方形格子
像を撮影し、格子のゆがみを観察した。ガラス板(10
5)はフォトマスク用クロムメッキガラスのクロム被膜
を0.1mmの正方形格子模様に精密加工したものを用い
た。
II.屈折率分布の測定 カールツアイス社製インターファコ干渉顕微鏡を用い
て公知の方法により測定した。
(実施例 1) 塊状重合により製造した2,2,3,3−テトラフルオロプ
ロピルメタクリレート重合体 60重量部、メチルメタクリレート40重量部、1−ヒドロ
キシシクロヘキシルフェニルケトン0.1重量部、ハイド
ロキノン0.1重量部の混合物を第1図の装置のシリンダ1
1に仕込み、80℃に加熱し、混練部を通して、径が2.0mm
のノズルより押し出した。この時この混練組成物の押し
出し時の粘度は1×104ポイズであった。続いて押し出
しにより得たストランドファイバを80℃に加熱し、窒素
ガスが10/minの速度で流れる揮発部を13分間で通過さ
せ、円状に等間隔に設置された6本の500Wの超高圧水銀
灯の中心にストランドファイバを通過させ約0.5分間光
を照射し、20cm/minの速度でニップローラーで引き取
り、光伝送体を得た。
得られた光伝送体の直径は1000μmであり、インター
ファコ干渉顕微鏡(東独カールツアイス社製)により測
定した屈折率NDの分布は中心部が1.441、周辺部が1.427
であり、中心部から周辺部に向って連続的に減少してい
た。なお、得られた光伝送体のNMRによる組成分析の結
果は、中心部には2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメ
タクリレート重合体が70重量%、周辺部には90重量%含
まれていた。メチルメタクリレート単量体の残留分は、
全体として1.0重量%であった。
また、先述のレンズ性能の測定を行なった結果、正方
形格子の像は歪が少ないものであった。
(実施例2) 実施例1の2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタク
リレート90重量%と2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト10重量%からなる共重合体(nD=1.43)55重量部、メ
チルメタクリレート単量体45重量部、1−ヒドロキシシ
クロヘキシルフェニルケトン0.1重量部、ハイドロキノ
ン0.1重量部の混合物を第1図の装置に仕込み、実施例
1と同様にして光伝送体を得た。実施例1と同様にして
評価した結果、中心部はnD=1.454、2,2,3,3−テトラフ
ルオロプロピルメタクリレート共重合体含有量比60重量
%、周辺部はnD=1.442、同含有量比80重量%であり、
中心部から周辺部に向ってnDが連続的に減少していた。
レンズ性能の測定を行なった結果、像は歪が少なく、
また実施例1で得られた光伝送体と比べ、明るくなって
いた。
(実施例3) 2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート重
合体 42重量部、連続塊状重合法で得たメチルメタクリレート
重合体(nD=1.49)10重量部、メチルメタクリレート単
量体48重量部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニル
ケトン0.1重量部、ハイドロキノン0.1重量部の混合物を
第1図の装置に仕込み、実施例1と同様にして光伝送体
を得た。
実施例1と同様にして評価した結果、中心部はnD=1.
4522、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレー
ト重合体含有量比54重量%、周辺部はnD=1.4424、同含
有量比68重量%であり、中心部から周辺部に向ってnD
連続的に減少していた。
この光伝送体についてレンズ性能の測定を行なった結
果、正方形格子の像は歪が少ないものであったが、像の
コントラストが若干低いものであった。また、光伝送体
の周辺部における光の散乱がみられた。このレンズを11
0℃にて5分間加熱し、10℃の水で急冷した。
この熱処理後急冷した光伝送体のレンズ特性は、像が
コントラスト良く鮮明に写るものであった。
また、光伝送体周辺部の散乱も小さくなっていた。
(実施例4) 2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート重
合体 55重量部、メチルメタクリレート単量体40重量部、2−
フェノキシエチルメタクリレート5重量部、1−ヒドロ
キシシクロヘキシルフェニルケトン0.1重量部、ハイド
ロキノン0.1重量部の混合物を第1図の装置に仕込み、
実施例1と同様にして光伝送体を得た。
実施例1と同様にして評価した結果、中心部はnD=1.
448、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート
重合体含有量比61重量%、周辺部はnD=1.438、同含有
比75重量%であり、中心部から周辺部に向ってnDが連続
的に減少していた。
レンズ性能を測定した結果、像は歪が少ないものであ
った。
(実施例5) 2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート70
重量%と、メチルメタクリレート30重量%とからなる共
重合体(nD=1.431)50重量部とメチルメタクリレート
単量体50重量部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニ
ルケトン0.1重量部、ハイドロキノン0.1重量部とを第1
図の装置に仕込み実施例1と同様にしてファイバーを得
た。
実施例1と同様にして評価した結果、中心部はnD=1.
456、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート
共重合体組成比57重量%、周辺部はnD=1.445、同組成
比75重量%であり、中心から周辺部に向かってnDが連続
的に減少していた。
レンズ性能の測定を行った結果、象は歪が少なく、ま
た明るくなっていた。
(実施例6) 実施例3で用いた2,2,3,3−テトラフルオロプロピル
メタクリレート重合体55重量部と、メチルメタクリレー
ト単量体40重量部、フェニルメタクリレート5重量部、
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.1重量
部、ハイドロキノン0.1重量部を第1図の装置に仕込み
実施例1と同様にしてファイバーを得た。
実施例1と同様にして評価した結果、中心部はnD=1.
453、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート
重合体組成比60重量%、周辺部はnD=1.435、同組成比7
5重量%であり、中心から周辺部に向かってnDが連続的
に減少していた。
レンズ性能の測定を行った結果、象は歪が少ないもの
であった。
(実施例7) 実施例3で用いた2,2,3,3−テトラフルオロプロピル
メタクリレート重合体55重量部、メチルメタクリレート
単量体40重量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート
5重量部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン0.1重量部およびハイドロキノン0.1重量部を、第1図
の装置に仕込み実施例1と同様にしてファイバーを得
た。
実施例1と同様にして評価した結果、中心部はnD=1.
450、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート
重合体組成比58重量%、周辺部はnD=1.439、同組成比7
8重量%であり、中心から周辺部に向かってnDが連続的
に減少していた。
レンズ性能の測定を行った結果、象は歪が少ないもの
であった。
<発明の効果> 本発明の光伝送体は、光伝送損失が少なく、好適な屈
折率分布が付与され、屈曲性、柔軟性、加工性等に優れ
る屈折率分布型光伝送体を構成し得る。また、本発明の
光伝送体の製造法は、この様に優れた性能を発揮する光
伝送体を、簡便にしかも連続して大量に製造することが
できる。
本発明による光伝送体は、光信号伝送用媒体、光セン
サ用基材のみならず複写機用レンズアレイ、ファクシミ
リ用レンズアレイ、光ファイバ結合素子、光分波器、ラ
インセンサ等に利用されるロッドレンズなど、広汎な用
途に好適に使用され得るものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のプラスチック光伝送体の製造方法を実
施するための装置の一例を示す模式図である。 第2図は本発明のプラスチック光伝送体のレンズ性能を
評価するための装置の概念図である。 符号の説明 11……シリンダ、12……混練部、 13……ヒータ、14……ピストン、 15……ノズル、 16……ストランドファイバ、 17……揮発部、 18……活性光線照射部、19……ガス導入孔、 20……ニップローラ、21……巻取ドラム、 22……光伝送体、 101……光学ベンチ、102……光源、 103……集光用レンズ、104……絞り、 105……ガラス板、106……試料台、 107……カメラ、108……評価用試料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02B 6/18 G02B 6/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタク
    リレートを主成分とする重合体(A)とメチルメタクリ
    レート単量体を主成分とする単量体(C)とを溶解混合
    してなる組成物に光照射して単量体(C)を重合させて
    メチルメタクリレートを主成分とする重合体(B)とし
    た混合物からなるプラスチック光伝送体であって、重合
    体(A)と重合体(B)との混合比が内部から表面に向
    って連続的に変化していることを特徴とするプラスチッ
    ク光伝送体。
  2. 【請求項2】2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタク
    リレートを主成分とする重合体(A)およびメチルメタ
    クリレート単量体を主成分とする単量体(C)を溶解混
    合してなる組成物から成形物を得、この成形物の表面よ
    り単量体(C)を揮発させ、この成形物の内部から表面
    に向って単量体(C)の連続的な濃度分布を与えた後、
    あるいは与えながら単量体(C)を光重合させてメチル
    メタクリレートを主成分とする重合体(B)とし、重合
    体(A)と重合体(B)との混合比が内部から表面に向
    って連続的に変化しているプラスチック光伝送体を得る
    ことを特徴とするプラスチック光伝送体の製造方法。
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