JPH10318408A - 電磁弁 - Google Patents

電磁弁

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JPH10318408A
JPH10318408A JP13912097A JP13912097A JPH10318408A JP H10318408 A JPH10318408 A JP H10318408A JP 13912097 A JP13912097 A JP 13912097A JP 13912097 A JP13912097 A JP 13912097A JP H10318408 A JPH10318408 A JP H10318408A
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JP
Japan
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mover
core
magnetic leakage
coil
relative distance
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Application number
JP13912097A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeaki Yamamuro
重明 山室
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Unisia Jecs Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可動子に対して大きな吸引力を与えると共
に、コアと可動子との間の距離が変化しても吸引力が変
化しない平坦な特性を備えた電磁弁の提供。 【解決手段】 円筒状のケース1内に固定された略円筒
状のコイル組立て体2と、このコイル組立て体2の筒状
内部に固定されたコア3と、このコア3の軸端側に配置
され、コア3に対して接近及び離間可能な可動子10
と、この可動子10に連繋された弁体31と設ける。前
記可動子10とコア3との間に、可動子10の移動に伴
って相対距離が変化する相関面17及び相対距離が変化
しない独立面18を備えた内側磁気漏洩部15を形成す
る。前記可動子10とケース1との間に、可動子10の
移動に伴って相対距離が変化する相関面22及び相対距
離が変化しない独立面23を備えた外側磁気漏洩部20
を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電磁弁に関し、とり
わけ自動車用自動変速機の制御圧力を得るための圧力調
整弁等に施用して良好な電磁弁に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の電磁弁として、例えば特開平2
−180390号公報に示されたものが知られている。
前記公報に記載された電磁弁は、円筒状のケースと、こ
のケース内に固定された円筒状のコイル組立て体と、こ
のコイル組立て体の筒状内部に固定されたコアと、この
コアの軸端側に、コアに対して接近及び離間可能に配置
され、コアとの間に磁気漏洩部を形成する可動子と、こ
の可動子に連繋する弁体とを有し、前記コイル組立て体
の電磁コイルへの通電を制御して可動子の移動を制御
し、この可動子に連繋する弁体を制御するようにしてあ
る。
【0003】前記従来例の電磁弁は、電磁コイルによる
可動子の吸引力の大きさを決定する磁気漏洩部がコアと
可動子との間の一箇所に形成されているから、大きい吸
引力を得ようとする場合にはコア及び可動子を大きくし
なければならず、電磁弁が大型化することになる。
【0004】これに対して、特開平5−52274号公
報には、可動子を筒状に形成して、この可動子の内周側
に、コアの外周側テーパ面に適合するテーパ面を備えた
内側環状突起を形成し、外周側に、コアに連結されたヨ
ークの外周側テーパ面に適合するテーパ面を備えた外側
環状突起を形成することにより、コアの外周側テーパ面
と内側環状突起のテーパ面との間に内側磁気漏洩部を形
成し、ヨークの外周側テーパ面と外側環状突起のテーパ
面との間に外側磁気漏洩部を形成して、大きな吸引力が
得られるようにした電磁弁が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来例においては、内側及び外側の2箇所に磁気漏洩部が
形成してあることにより、可動子に対する大きな吸引力
が得られるけれども、各磁気漏洩部は何れも可動子の移
動に伴って相対距離が変化する各テーパ面間に形成され
るから、可動子がコアに近付くにつれて吸引力が大きく
なる特性を示すことになる。
【0006】即ち、前記内側環状突起のテーパ面はコア
の外周側テーパ面に対して平面的に接近及び離間し、外
側環状突起のテーパ面はヨークの外側テーパ面に対して
平面的に接近及び離間するから、結局、コアと可動子と
の間には、コアの移動に伴って相対距離は変化する平面
が対峙して形成され、この平面間に磁気漏洩部が形成さ
れることになる。このため、前記可動子がコアに近付く
につれて、この可動子に対する吸引力が大きくなる特性
を示すのである。
【0007】前記特性は、この電磁弁が電磁コイルへの
通電及び通電停止によって弁体をON−OFF制御する
場合には、格別不具合は生じないのであるが、この電磁
弁を圧力制御弁として使用し、電磁コイルへ印加する電
流(または電圧)の大きさに応じて吸引力を変化させ、
この吸引力に応じて流体の圧力を制御しようとする場合
は好ましくない。
【0008】即ち、前記可動子がコアに近付くにつれて
吸引力が変化する特性は、この可動子に連繋する弁体が
移動して圧力制御を司るとき、電磁コイルへの印加電流
(または電圧)の大きさが一定であっても、弁体のスト
ロークによって圧力特性が変化することになり、好まし
くない。
【0009】そこで、圧力制御弁に適用可能な電磁弁の
特性は、コアと可動子との間の相対距離が変化しても可
動子に作用する吸引力が変化しない平坦な領域をもつ特
性が望まれるのである。
【0010】本発明は前記従来の実情に鑑みて案出され
たもので、可動子に対して大きな吸引力を与えることが
できると共に、コアと可動子との間の距離が変化しても
可動子に作用する吸引力が変化しない平坦な特性を備え
た電磁弁を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで、請求項1記載の
発明は、円筒状のケースと、このケース内に固定され、
ボビンとこのボビンに巻着された電磁コイルとを有する
略円筒状のコイル組立て体と、このコイル組立て体の筒
状内部に固定されたコアと、このコアの軸端側に配置さ
れ、コアに対して接近及び離間可能な可動子と、この可
動子に連繋された弁体と、前記可動子とコアとの間に形
成され、可動子の移動に伴って相対距離が変化する相関
面及び相対距離が変化しない独立面を備えた内側磁気漏
洩部と、前記可動子とケースとの間に形成され、可動子
の移動に伴って相対距離が変化する相関面及び相対距離
が変化しない独立面を備えた外側磁気漏洩部と、を備え
た構成にしてある。
【0012】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の発明の構成のうち、前記コイル組立て体のボビンの
一端側に、電磁コイルの接続端が位置するコイル挿入部
が形成され、このコイル挿入部とコアとの間には、環状
の空隙部が形成される一方、前記可動子には、前記空隙
部に入り込んで内側磁気漏洩部を形成する環状のフラン
ジが形成されてなる構成にしてある。
【0013】また、請求項3記載の発明は、請求項2記
載の発明の構成のうち、前記空隙部は、コイル挿入部の
内径を拡径することによって形成されてなる構成にして
ある。
【0014】また、請求項4記載の発明は、請求項3記
載の発明の構成のうち、前記コイル挿入部の内径は、ボ
ビンの一端側に向かって内径寸法が漸増するようにテー
パ状に拡径されてなる構成にしてある。
【0015】斯かる構成にあっては、前記コイル組立て
体の電磁コイルへ通電することによって、この電磁コイ
ルに磁界が発生する。これによって、前記電磁コイルで
発生した磁界が、ケース、外側磁気漏洩部、可動子、及
び内側磁気漏洩部を通ってコアに至り、その結果、可動
子がコア側に吸引される。
【0016】前記可動子のコア側への吸引移動は、電磁
コイルへの通電を制御することによって制御される。こ
れによって、前記可動子に連繋する弁体が移動制御さ
れ、所定の制御状態、例えば所定の制御圧力が得られ
る。
【0017】ここで、前記可動子に対しては、内側磁気
漏洩部を通過する磁力及び外側磁気漏洩部を通過する磁
力の両方が作用するから、この可動子に対して両方の磁
力が加算されて大きな吸引力が与えられることになる。
【0018】また、前記内側磁気漏洩部及び外側磁気漏
洩部は、何れも可動子の移動に伴って相対距離が変化す
る相関面及び相対距離が変化しない独立面を備えて形成
してあるから、これら内側磁気漏洩部及び外側磁気漏洩
部で可動子に与えられる加算された吸引力の特性は、可
動子とコア(またはケース)との相対距離が変化しても
吸引力が変化しない平坦な領域を持つ特性が得られる。
【0019】即ち、前記可動子の移動に伴って相対距離
が変化する相関面で形成される磁気漏洩部では、可動子
がコア(またはケース)に近付くにつれて、この可動子
に対する吸引力が大きくなる特性(反比例特性)を示す
一方、可動子の移動に伴って相対距離が変化しない独立
面で形成される磁気漏洩部では、可動子がコア(または
ケース)に近付くにつれて、この可動子に対する吸引力
が小さくなる特性(比例特性)を示す。
【0020】前記内側磁気漏洩部及び外側磁漏洩部は、
それぞれ相関面及び独立面を備えており、可動子に対す
る吸引力特性として、反比例特性と比例特性との両方が
加算された特性を持つことになる。このため、前記内側
磁気漏洩部及び外側磁気漏洩部で可動子に与えられる加
算された吸引力の特性は、可動子とコア(またはケー
ス)との相対距離が変化しても吸引力が変化しない平坦
な領域を持つ特性が得られるのである。
【0021】したがって、前記可動子に対して大きな吸
引力を与えることができると共に、コアと可動子との間
の距離が変化しても可動子に作用する吸引力が変化しな
い平坦な特性を備えた電磁弁が得られる。
【0022】また、請求項2記載の発明によれば、前記
可動子が移動してコアに対して接近するとき、この可動
子に形成した環状のフランジが、ボビンのコイル挿入部
とコアとの間に形成された空隙部内に入り込んで内側側
磁気漏洩部を形成するから、電磁弁の小型化を図ること
ができる。
【0023】つまり、前記可動子の環状のフランジは、
空隙部内に入り込むから、コアの端部をコイル組立て体
の端面から大きく突出させることがなく、電磁弁が軸方
向に長大化することがない。
【0024】とりわけ、前記ボビンのコイル挿入部は、
電磁コイルの接続端が位置するのみであり、この内周側
に空隙部を形成しても電磁コイルによる磁気力の発生に
格別悪影響を及ぼすことがない。
【0025】したがって、軸方向寸法の短縮化を図り、
小型化することが可能な電磁弁が得られる。
【0026】また、請求項3及び請求項4記載の発明に
よれば、前記コアの直径が減じられることがないから、
このコアと可動子の環状のフランジとの間に形成される
内側磁気漏洩部の磁路の面積を大きくすることができ
る。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に基づいて詳述する。
【0028】図1は本発明の実施の形態を示す電磁弁の
断面図で、上半分は電磁コイルへ通電しない状態を示す
図面、下半分は電磁コイルへ通電した状態を示す図面で
ある。図2は本発明の電磁弁の電磁コイルによる可動子
の吸引力特性を示す線図である。
【0029】図において、1は一端側が封止された円筒
状のケース、2はこのケース1内に固定された略円筒状
のコイル組立て体である。3は前記コイル組立て体2の
筒状内部に固定されたコアで、このコア3はこの実施の
形態においてケース1に一体に形成してある。
【0030】前記コイル組立て体2は、ボビン4とこの
ボビン4に巻着された電磁コイル5とを有しており、ボ
ビン4の一端側には、コイル挿入部6が形成されてい
る。前記コイル挿入部6には、電磁コイル5の接続端
(図示せず)が位置しており、この接続端はピン端子7
を介して図外の制御装置及び電源に接続される。
【0031】前記ボビン4に形成されたコイル挿入部6
とコア3との間には、環状の空隙部8が形成してある。
前記空隙部8はコイル挿入部6の内径を拡径することに
よって形成されており、この内径はボビン4の一端側端
部に向かって内径寸法が漸増するようにテーパ状に拡径
してある。
【0032】前記コイル組立て体2はカバー9によって
その外周側が覆われてピン端子7と一体化されており、
この状態で、ケース1内に収容固定してある。
【0033】10は前記コア3の軸端側に配置された略
平板状の可動子で、この可動子10には、略中心位置に
貫通孔11が形成してあると共に、やや外周寄りに複数
の貫通孔12が形成されている。前記可動子10は、略
中心位置の貫通孔11がコア3の先端に形成した支持突
起13に対して軸受け14を介して嵌合されており、こ
れによって軸方向に摺動自在で、コア3に対して接近及
び離間可能である。
【0034】前記可動子10には、コア3側の端面に、
空隙部8に入り込んで内側磁気漏洩部15を形成する環
状のフランジ16が形成してある。前記フランジ16
は、その外周側がコア3側に向かって収斂するテーパ状
に形成してある。
【0035】前記可動子10のフランジ16よりも内周
側の軸方向端面及びこれに対向するコア3の端面は、可
動子10の移動に伴って相対距離が変化する、内側磁気
漏洩部15の相関面17となっており、また、フランジ
16の内周面及びこれに対向するコア3の外周面は、可
動子10の移動に伴って相対距離が変化しない、内側磁
気漏洩部15の独立面18となっている。
【0036】また、前記可動子10の外周側には、この
可動子10とケース1との間に、この実施の形態におい
てはケース1の内周に取付けたヨーク19を介して、外
側磁気漏洩部20を形成する環状のフランジ21が形成
してある。前記フランジ21は、その内周側がコイル組
立て体2側に向かって拡径するテーパ状に形成してあ
る。
【0037】前記可動子10のフランジ21よりも外周
側の軸方向端面及びこれに対向するヨーク19の端面
は、可動子10の移動に伴って相対距離が変化する、外
側磁気漏洩部20の相関面22となっており、また、フ
ランジ21の外周面及びこれに対向するヨーク19の内
周面は、可動子10の移動に伴って相対距離が変化しな
い、外側磁気漏洩部20の独立面23となっている。
【0038】25は前記可動子10とコア3の端面との
間に設けられた吸着防止シムである。前記吸着防止シム
25はゴムや合成樹脂等の非磁性材料から薄板状に形成
されてなり、支持突起13の外周側の相関面17に位置
して配置され、可動子10のコア3の端面(相関面1
7)への吸着を防止している。
【0039】また、前記軸受け14とコア3の端面との
間にはばね部材26が設けられている。前記ばね部材2
6は、可動子10の貫通孔11内に収容されており、一
端が軸受け14に接し、他端が吸着防止シム25に接し
て、軸受け14をコア3から離間する方向に付勢してい
る。
【0040】31は前記可動子10に連繋する弁体であ
る。前記弁体31は、ケース1の開放する他端側にかし
めによって固定された封止板32及びこの封止板32に
一体の通路形成体33に形成された弁孔34内に摺動自
在に収容してある。
【0041】前記弁体31は、この実施の形態において
糸まき状の所謂スプール弁で、大径ランド部35と、小
径ランド部36と、これら大径ランド部35と小径ラン
ド部36との間に形成された小径部37とを有してお
り、大径ランド部35が弁孔34の大径部34a内に挿
入され、小径ランド部36が弁孔34の小径部34b内
に挿入されると共に、大径ランド部35側の端面38が
可動子10及び軸受け14に当接している。また、前記
弁体31には、軸方向の貫通孔39が形成してある。
【0042】前記弁体31は、大径ランド部35側の端
面38が可動子10に接していることによってこの可動
子10に連繋されており、また、この可動子10と共に
接する軸受け14を介してばね部材26のばね力を受
け、このばね力によって常時図において左方向に付勢さ
れている。
【0043】前記弁体31の弁孔34内からの抜脱は、
弁孔34の開口端に設けた止め板40によって防止され
ている。また、前記止め板40の略中央部分には、弁体
31の貫通孔39に斉合する貫通孔41が形成されてい
る。
【0044】一方、前記通路形成体33には、ポンプ4
2の吐出通路43に連通する導入孔44、図外のアクチ
ュエータへの供給通路45に連通する供給孔46、及び
ドレン通路47に連通するドレン孔48が形成されてい
る。前記導入孔44は弁孔34の小径部34bに開口し
ており、弁体31の小径ランド部36で開閉制御可能で
ある。また、前記供給孔46及びドレン孔48は弁孔3
4の大径部34aに開口しており、ドレン孔48のみが
弁体31の大径ランド部35で開閉制御可能である。
【0045】49は作動流体のリザーバである。なお、
作動流体としては、液体または気体の何れでも採用可能
である。
【0046】次に、斯かる構成の電磁弁の作用について
説明する。
【0047】先ず、前記コイル組立て体2の電磁コイル
5に図外の制御装置及び電源から制御電流が供給されな
い状態(非通電状態)においては、可動子10及び弁体
31はばね部材26のばね力によって図において左方向
に付勢されており、これによって、この弁体31は止め
板40に当接して停止し、図1の上半分に示す状態にあ
る。
【0048】前記非通電状態では、通路形成体33の導
入孔44は弁体31の小径ランド部36で閉塞されるこ
となく弁孔34内に開口している一方、ドレン孔48は
弁体31の大径ランド部35で閉塞されている。これに
よって、前記ポンプ42から吐出通路43及び導入孔4
4を介して弁孔34内に導入された作動流体の圧力はポ
ンプ42の吐出圧に基づく所定の圧力(A圧力)とな
り、この所定の圧力(A圧力)が供給孔46及び供給通
路45を介して図外のアクチュエータに作用することに
なる。
【0049】このとき、前記弁体31はポンプ42から
弁孔34内に導入された作動流体の圧力を受けている。
前記弁体31は大径ランド部35と小径ランド部36と
の受圧面積の差を持っているから、作動流体の圧力がそ
れぞれの受圧面に作用することにより、弁体31には受
圧面積の差によって生ずる力が作用し、具体的には、弁
体31には、大径ランド部35方向(図において右方
向)の力(スラスト力)が作用していることになる。
【0050】前記弁体31に作用するスラスト力は可動
子10及び軸受け14に作用し、この可動子10及び軸
受け14をばね部材26に抗して図において右方向に押
圧するのであるが、電磁コイル5への非通電状態におい
ては、作動流体の圧力によって弁体31に生ずるスラス
ト力よりもばね部材26のばね力が勝っており、このた
め、弁体31はばね部材26のばね力によって止め板4
0に接した状態にあり、この状態で圧力制御を司ること
になる。
【0051】次に、前記電磁コイル5に制御電流が印加
されると(通電状態)、制御電流(または電圧)の大き
さに応じて、この電磁コイル5に磁界が発生する。これ
によって、前記電磁コイル5で発生した磁界が、ケース
1、ヨーク19、外側磁気漏洩部20、可動子10、及
び内側磁気漏洩部15を通ってコア3に至り、その結
果、可動子10がコア3側に吸引される。
【0052】前記可動子10が吸引される力は、電磁コ
イル5に印加される制御電流(または電圧)の大きさに
応じて変化し、その吸引力に応じて、可動子10はばね
部材26のばね力に抗してコア3側に接近移動すること
になる。
【0053】前記可動子10が吸引されてコア3側に移
動すると同時に、弁体31は弁孔34内に導かれる作動
流体の圧力によって生ずるスラスト力を受けているか
ら、このスラスト力によって、弁体31はその端面38
が可動子10及び軸受け14に接した状態で右方向に移
動し、図1の上半分に示す状態から下半分に示す状態に
至る。
【0054】前記電磁コイル5への通電状態では、弁体
31が図1の上半分に示す状態から下半分に示す状態
に、右方向に移動することによって、導入孔44は弁体
31の小径ランド部36によって閉じられる傾向となる
一方、大径ランド部35によって閉じられていたドレン
孔48が開かれる傾向となる。これによって、前記弁孔
34内の作動流体の圧力が低下し、供給孔46及び供給
通路45から図外のアクチュエータに作用する作動流体
の圧力は、非通電状態時の所定の圧力(A圧力)から低
下した圧力(B圧力)に制御されることになる。
【0055】このとき、前記弁孔34内の作動流体の圧
力が低下し、供給孔46及び供給通路45から導かれる
作動流体の圧力が低下すると同時に、弁孔34内の作動
流体の圧力によって弁体31に生じるスラスト力も低下
することになるけれども、電磁コイル5によって可動子
10を吸引する力が増加することによって、可動子10
及び弁体31はばね部材26のばね力に抗して移動する
ことになる。つまり、前記弁体31は、電磁コイル5に
よって可動子10を吸引する力に弁孔34内の作動流体
の圧力によって弁体31に生じるスラスト力を加えた力
と、ばね部材26のばね力とが釣り合う位置に移動し、
この釣り合い位置で圧力制御を司ることになる。
【0056】前記弁体31が移動して制御される作動流
体の圧力は、電磁コイル5への制御電流の印加によって
可動子10がコア3側に移動する量に応じて変化し、可
動子10がコア3側に接近することによって低下し、可
動子10がコア3から離間することによって増加するこ
とになる。また、前記可動子10のコア3への接近及び
離間は電磁コイル5へ印加される制御電流(または電
圧)の大きさに応じて制御され、制御電流(または電
圧)の増加に伴って可動子10はばね部材26のばね力
に抗してコア3に接近し、制御電流(または電圧)の減
少に伴って可動子10はばね部材26のばね力によって
コア3から離間することになる。
【0057】これによって、前記電磁コイル5への制御
電流(または電圧)の増加に伴って作動流体の圧力は低
下するように制御され、制御電流(または電圧)に逆比
例した流体圧力に制御することが可能となるのである。
【0058】ここで、前記可動子10に対しては、内側
磁気漏洩部15を通過する磁力及び外側磁気漏洩部20
を通過する磁力の両方が作用するから、この可動子10
に対して両方の磁力が加算されて大きな吸引力が与えら
れることになる。
【0059】また、前記内側磁気漏洩部15及び外側磁
気漏洩部20は、何れも可動子10の移動に伴って相対
距離が変化する相関面17、22及び相対距離が変化し
ない独立面18、23を備えて形成してあるから、これ
ら内側磁気漏洩部15及び外側磁気漏洩部20で可動子
10に与えられる加算された吸引力の特性は、可動子1
0とコア3(またはヨーク19)との相対距離が変化し
ても吸引力が変化しない平坦な領域を持つ特性が得られ
る(図2参照)。
【0060】即ち、前記可動子10の移動に伴って相対
距離が変化する相関面17、22で形成される磁気漏洩
部15、20では、可動子10がコア3(またはヨーク
19)に近付くにつれて、この可動子10に対する吸引
力が大きくなる特性(反比例特性)を示す一方、可動子
10の移動に伴って相対距離が変化しない独立面18、
23で形成される磁気漏洩部15、20では、可動子1
0がコア3(またはヨーク19)に近付くにつれて、こ
の可動子10に対する吸引力が小さくなる特性(比例特
性)を示す。
【0061】前記内側磁気漏洩部15及び外側磁漏洩部
20は、それぞれ相関面17、22及び独立面18、2
3を備えており、可動子10に対する吸引力特性とし
て、反比例特性と比例特性との両方が加算された特性を
持つことになる。このため、前記内側磁気漏洩部15及
び外側磁気漏洩部20で可動子10に与えられる加算さ
れた吸引力の特性は、可動子10とコア3(またはヨー
ク19)との相対距離が変化しても吸引力が変化しない
平坦な領域を持つ特性が得られるのである。
【0062】したがって、前記可動子10に対して大き
な吸引力を与えることができると共に、コア3と可動子
10との間の距離が変化しても可動子10に作用する吸
引力が変化しない平坦な特性を備えた電磁弁が得られ
る。
【0063】また、前記可動子10が移動してコア3に
対して接近するとき、この可動子10に形成した環状の
フランジ16が、ボビン4のコイル挿入部6とコア3と
の間に形成された空隙部8内に入り込んで内側磁気漏洩
部15を形成するから、電磁弁の小型化を図ることがで
きる。
【0064】つまり、前記可動子10の環状のフランジ
16は、空隙部8内に入り込むから、コア3の端部をコ
イル組立て体2の端面から大きく突出させることがな
く、電磁弁が軸方向に長大化することがない。
【0065】とりわけ、前記ボビン4のコイル挿入部6
は、電磁コイル5の接続端が位置するのみであり、この
内周側に空隙部8を形成しても電磁コイル5による磁気
力の発生に格別悪影響を及ぼすことがない。
【0066】したがって、軸方向寸法の短縮化を図り、
小型化することが可能な電磁弁が得られる。
【0067】また、前記可動子10のフランジ16が入
り込む空隙部8は、コイル挿入部6の内径を拡径するこ
とによって形成したことにより、コア3の直径が減じら
れることがないから、このコア3と可動子10のフラン
ジ16との間に形成される内側磁気漏洩部15の磁路の
面積を大きくすることができる。
【0068】また、前記コイル挿入部6の内径は、ボビ
ン4の一端側に向かって内径寸法が漸増するようにテー
パ状に拡径したことにより、可動子10に形成した環状
のフランジ16の形状を空隙部8の形状に合致した先細
形状とすることができる。このため、前記フランジ16
の先端での面積が小さく、この先端側で磁気飽和するこ
とによって磁力線が半径方向に対して傾斜して形成され
るから、電磁コイル5による可動子10の吸引力を高め
ることができる。
【0069】以上、実施の形態を図面に基づいて説明し
たが、具体的構成はこの実施の形態に限られるものでは
なく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、前記可動子10とケース1との間に、ヨーク1
9を介して外側磁気漏洩部20を形成した実施の形態に
ついて述べたが、ヨーク19を廃止して、直接ケース1
との間に外側磁気漏洩部20を形成してもよいものであ
る。
【0070】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、可動子に対して大きな吸引力を与えることがで
きると共に、コアと可動子との間の距離が変化しても可
動子に作用する吸引力が変化しない平坦な特性を備えた
電磁弁が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す電磁弁の断面図で、
上半分は電磁コイルへ通電しない状態を示す図面、下半
分は電磁コイルへ通電した状態を示す図面である。
【図2】本発明の電磁弁の電磁コイルによる可動子の吸
引力特性を示す線図である。
【符号の説明】
1 ケース 2 コイル組立て体 3 コア 4 ボビン 5 電磁コイル 10 可動子 15 内側磁気漏洩部 17 相関面 18 独立面 20 外側磁気漏洩部 22 相関面 23 独立面 31 弁体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状のケースと、このケース内に固定
    され、ボビンとこのボビンに巻着された電磁コイルとを
    有する略円筒状のコイル組立て体と、このコイル組立て
    体の筒状内部に固定されたコアと、このコアの軸端側に
    配置され、コアに対して接近及び離間可能な可動子と、
    この可動子に連繋された弁体と、前記可動子とコアとの
    間に形成され、可動子の移動に伴って相対距離が変化す
    る相関面及び相対距離が変化しない独立面を備えた内側
    磁気漏洩部と、前記可動子とケースとの間に形成され、
    可動子の移動に伴って相対距離が変化する相関面及び相
    対距離が変化しない独立面を備えた外側磁気漏洩部と、
    を備えてなることを特徴とする電磁弁。
  2. 【請求項2】 前記コイル組立て体のボビンの一端側
    に、電磁コイルの接続端が位置するコイル挿入部が形成
    され、このコイル挿入部とコアとの間には、環状の空隙
    部が形成される一方、前記可動子には、前記空隙部に入
    り込んで内側磁気漏洩部を形成する環状のフランジが形
    成されてなることを特徴とする、請求項1記載の電磁
    弁。
  3. 【請求項3】 前記空隙部は、コイル挿入部の内径を拡
    径することによって形成されてなることを特徴とする、
    請求項2記載の電磁弁。
  4. 【請求項4】 前記コイル挿入部の内径は、ボビンの一
    端側端部に向かって内径寸法が漸増するようにテーパ状
    に拡径されてなることを特徴とする、請求項3記載の電
    磁弁。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114484047A (zh) * 2022-01-25 2022-05-13 江苏奕隆机电科技有限公司 一种直驱式连续控制气阀及其流量特性控制方法

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