JP2009058019A - ブリード式バルブ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 シンプルな構造によってスリーブとシート部材との間のシール性を高めることのできるブリード式バルブ装置を提供する。
【解決手段】 スプール4がシート部材31に着座する状態において供給ポート12とブリード室34とを微小に連通する微小連通手段は、スプール後端面62に形成された細溝αであり、この細溝αはスプール後端面62の外縁からスプール後端面62の中心を通り、再びスプール後端面62の外縁まで延びる1本の直線として設けられている。この1本の細溝αにより、スプール4がシート部材31に着座すると、第2シート座面の円周上の対向する2箇所に第2オリフィスが形成される。これにより、第1シール部S1は径方向に連通せず、スリーブ3とシート部材31との間を「第1シール部S1」と「第2シール部S2」の両方によってシールすることができ、外部へのオイル漏れを抑えることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ブリード室内の油圧によってスプールが駆動されるブリード式バルブ装置に関する。
〔従来の技術〕
ブリード室内の油圧によってスプールが駆動されるブリード式バルブ装置として、例えば、特許文献1に開示された電磁油圧制御弁が知られている。
特許文献1に開示された電磁油圧制御弁を、図4、図5を参照して説明する。なお、実施例と同一機能物には、同一符号を付して説明する。
電磁油圧制御弁は、スリーブ3の摺動穴6内において軸方向へ摺動自在に支持されるスプール4を、ブリード室34の圧力によって軸方向に駆動するものであり、スリーブ3、スプール4、およびスプール4を摺動方向の一方(図4右側)へ付勢するスプール用リターンスプリング5を備えるスプール弁1と、ブリード室34の圧力制御を行う電磁ブリード弁2とで構成される。
電磁ブリード弁2は、スプール4との間に加圧されたオイルが供給されるブリード室34を形成するとともに、ブリード室34と低圧側を連通させるブリードポート35が形成されたシート部材31と、ブリードポート35を開閉するための開閉弁32と、この開閉弁32を駆動する電磁アクチュエータ33とを備えるものであり、スプール4がシート部材31に着座(当接)することによって、ブリード室34にオイルを供給する供給ポート12とブリード室34の連通がスプール4によって遮断され、スプール4がシート部材31から離座することによって、供給ポート12とブリード室34が連通する構造を採用している。
シート部材31は、略円筒形状を呈するものであり、その内部にブリード室34が形成される。このシート部材31は、摺動穴6と同軸上に形成されたシート嵌合穴61に嵌め入れられ、圧入等の結合手段によりスリーブ3に結合される。
シート嵌合穴61は、摺動穴6より大径に設けられて、シート嵌合穴61における軸方向(シート部材31の挿入方向)の奥底には、環状の段差面(環状奥底面61aと称す)が形成されている。一方、シート部材31の端面には、シート嵌合穴61の環状奥底面61aと軸方向に環状圧接する第1シート座面M1と、スプール4が着座してスプール4の端面と環状に当接する第2シート座面M2とが設けられている。
そして、シート嵌合穴61の内部にシート部材31が嵌め入れられた状態において、第1シート座面M1と環状奥底面61aとが軸方向に環状圧接して第1シール部S1(径方向シール部)が形成されるとともに、シート部材31の外周面とシート嵌合穴61の内周面とが径方向に筒状圧接して第2シール部S2(軸方向シール部)が形成される構造を採用し、第1シール部S1と第2シール部S2とにより、スリーブ3とシート部材31との間(微細な隙間)から供給ポート12に供給されたオイルが外部へ漏れるのを防いでいる。
スプール4がシート部材31(具体的には第2シート座面M2)に着座すると、上述したように、供給ポート12とブリード室34の連通がスプール4によって遮断される。
スプール4がシート部材31に着座して、供給ポート12とブリード室34の連通が「完全に遮断」されてしまうと、ブリード室34へのオイル供給ができなくなり、開閉弁32によりブリードポート35が閉塞されてもブリード室34に油圧が発生しない。
シート部材31に着座したスプール4を離座させるには、ブリードポート35の開度を小さくし(例えば、ブリードポート35の閉塞)、ブリードポート35から排出されるオイル流量より、ブリード室34に供給されるオイル流量を多くし、ブリード室34の油圧を昇圧させ、スプール4をシート部材31から離座させる油圧(以下、スプール4がシート部材31から離座するブリード室34の油圧を「離座油圧」と称す)をブリード室34に発生させる必要がある。
このため、スプール4が第2シート座面M2に着座した状態であっても、供給ポート12のオイルをブリード室34に導く微小連通手段を設ける必要がある。
この微小連通手段は、ブリード室34へのオイル流量を多くすることで、ブリード室34の油圧が「離座油圧」に達するまでの時間(スプール4をシート部材31から離座させる際の応答時間)を短くできるが、スプール4がシート部材31に着座した状態においてブリード室34から低圧側に排出されるオイル流量(リーク量)が多くなってしまう。このため、微小連通手段には「応答性」と「リーク量」の両立を図るための高い精度が要求される。
特許文献1には、微小連通手段として、図5に示すように、第2シート座面M2の一部にブリード室34に流入するオイル流量を適正な値にコントロールする細溝α(スリット)が形成されており、第1シート座面M1の一部には供給ポート12のオイルを細溝αへ導く切欠部βが形成されていた。これにより、引用文献1では、スプール4がシート部材31に着座した状態であっても、供給ポート12のオイルが切欠部β→細溝αを介してブリード室34に供給される。
〔従来技術の問題点〕
従来技術では、上述したように、シート部材31の端面(第1、第2シート座面M1、M2)に細溝αおよび切欠部βを形成することで、スプール4がシート部材31に着座した状態であっても、供給ポート12のオイルをブリード室34に供給する構造を採用していた。
しかし、シート部材31の端面に細溝αおよび切欠部βを形成することで、第1シール部S1の内外(径方向)が連通してしまい、実質的なシール長は第2シール部S2のみとなっていた。即ち、スリーブ3とシート部材31との間のシール長は、「第1シール部S1+第2シール部S2」ではなく、実質的には「第2シール部S2」のみと短くなっており、スリーブ3とシート部材31との間から供給ポート12に供給されたオイルが外部へ漏れるリーク量が多くなってしまうという問題点1が生じていた。
なお、この問題点1は、第1シート座面M1と第2シート座面M2とを同一平面の共通座面とし、この共通座面に細溝αのみを設ける場合であっても同様に生じてしまう(図3参照)。
一方、従来技術では、図5(a)に示すように、細溝αが第2シート座面M2の円周上の1箇所のみに設けられていた。スプール4がシート部材31に着座した状態では、細溝αはスプール4とシート部材31に挟まれてオリフィス(供給ポート12とブリード室34を連通する微小通路:以下、第2オフィリスと称す)を成す。この細溝αによる第2オフィリスの内部には、供給ポート12から油圧が供給されるため、第2オリフィス内の油圧によってスプール4とシート部材31とを軸方向に離間させる油圧力が生じる。このため、軸芯から離れた1箇所(第2オフィリスの箇所)の油圧力によってスプール4に傾斜力が与えられてしまう。
スプール4に与えられた傾斜力によりスプール4が傾くことでスプール4の摺動不良が発生する懸念が生じる。スプール4の摺動不良が生じることで、電磁油圧制御弁の油圧出力特性が劣化するという問題点2が生じてしまう。
また、細溝αによる第2オリフィスが、オイルに含まれた異物によって目詰まりした場合、スプール4がシート部材31に着座した状態において、ブリード室34に流入するオイル流量が極めて少なくなる。この結果、スプール4をシート部材31から離座させる際の応答性が極めて悪くなるという問題点3が生じてしまう。
なお、上記問題点2、3を解決するべく、第2オリフィスがスプール4に対して軸対称に形成されるように、シート部材31を軸方向から見て細溝αが軸対称位置となるように、細溝αを複数形成することが考えられる(図3参照)。
しかし、細溝αには高い加工精度が要求されるため、高い精度が要求される細溝αの加工工数が増えることで製造コストが増加してしまうという新たな問題点4が生じてしまう。
特開2002−357281号公報
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、主な目的は、シンプルな構造によってスリーブとシート部材との間のシール性を高めることのできるブリード式バルブ装置の提供にある。
〔請求項1の手段〕
請求項1に記載のブリード式バルブ装置は、シート部材の軸方向端面(第1シート座面)と、シート嵌合穴の環状奥底面とが軸方向に環状圧接して第1シール部を形成するとともに、シート部材の外周面とシート嵌合穴の内周面とが径方向に筒状圧接して第2シール部を形成する構造を採用する。
そして、スプールがシート部材に着座する状態において供給ポートとブリード室とを微小に連通させる微小連通手段は、スプールにおけるシート部材側のスプール端面に形成されて、シート部材との間に微小隙間を形成する凹み(細溝等)である。
これによって、第1シール部の内外が微小連通手段としての凹みにより連通する不具合が生じず、スリーブとシート部材との間を「第1シール部」と「第2シール部」の両方でシールすることができる。このため、スリーブとシート部材の間からオイルが外部へ漏れるリーク量を減らすことができる。
即ち、スプール端面に微小連通手段としての凹みを設けるというシンプルな構造を採用することで、スリーブとシート部材との間のシール性を高めることができる。
〔請求項2の手段〕
請求項2に記載のブリード式バルブ装置における凹みは、スプール端面の外縁からスプール端面の略中心を通り、再びスプール端面の外縁まで延びる1本の直線状の細溝である。
微小連通手段は、1本の細溝(凹み)であるが、この1本の細溝により「スプールとシート部材とに挟まれて成される第2オリフィス」は軸対称の2箇所に形成される。このため、スプール端面の軸対称の2箇所に「スプールとシート部材とを軸方向に離間させる油圧力」が作用することになり、スプールに傾斜力を与えない。
また、万が一、2箇所に形成される第2オリフィスの一方が、オイルに含まれた異物によって目詰まりした場合であっても、第2オリフィスの他方によってオイルをブリード室に導くことができるため、スプールをシート部材から離座させる際の応答性の劣化を抑えることができる。
このように、スプールの傾斜を防ぎ、且つ応答性の劣化を抑える2つの第2オリフィスは、1本の細溝(凹み)によって設けられるものであるため、細溝の工数が増えることがなく、製造コストの増加を招かない。
即ち、製造コストの増加を招くことなく、スプールの傾斜を防ぎ、且つ応答性の劣化を抑えることができる。
〔請求項3の手段〕
請求項3に記載のブリード式バルブ装置は、シート部材における第1シート座面(シート嵌合穴の環状奥底面と軸方向に環状圧接する面)と、シート部材における第2シート座面(スプールが着座する面)とが、同一平面に設けられる。
このように、第1シート座面と第2シート座面が共通座面として設けられることで、シート部材の形状を簡素化でき、シート部材の製造コストを抑えることができる。
最良の形態のブリード式バルブ装置は、軸方向へ伸びる摺動穴、およびこの摺動穴と同軸上に形成されて摺動穴より大径のシート嵌合穴を備えたスリーブ(バルブボディの一例)と、摺動穴の内部において軸方向へ変位可能に支持されたスプールと、シート嵌合穴の内部に嵌め入れられ、スプールとの間にブリード室を形成するとともに、このブリード室を低圧側に連通させるブリードポートを有する略円筒形状のシート部材と、ブリードポートを開閉可能な電磁アクチュエータ(開閉手段の一例)とを具備する。
このブリード式バルブ装置は、シート部材の軸方向端面とシート嵌合穴の環状奥底面とが軸方向に環状圧接して第1シール部を形成するとともに、シート部材の外周面とシート嵌合穴の内周面とが径方向に筒状圧接して第2シール部を形成する構造を採用する。
さらに、スプールがシート部材に着座する状態において供給ポートとブリード室とを微小に連通させる微小連通手段は、スプールにおけるシート部材側のスプール端面に形成されて、シート部材との間に微小隙間を形成する細溝(凹みの一例)である。
本発明のブリード式バルブ装置を電磁油圧制御弁に適用した実施例1を説明する。この実施例1では、先ず「電磁油圧制御弁の基本構造」を説明し、その後で「実施例1の特徴」を説明する。なお、以下では説明の便宜上、図1(a)の左側を前(フロント)、右側を後(リヤ)とするが、実際の搭載方向にかかるものではない。
〔電磁油圧制御弁の基本構造〕
図1に示す電磁油圧制御弁は、例えば自動変速機の油圧制御装置に搭載されるものであり、油圧の切替あるいは油圧の調整を行う油圧制御弁を構成するスプール弁1と、このスプール弁1を駆動する電磁ブリード弁2とを組み合わせたものである。
なお、実施例1では、電磁ブリード弁2の一部を成す電磁アクチュエータ33(後述する)がOFFの状態で、ブリードポート35(後述する)の開度が最大になるタイプであり、且つ、電磁アクチュエータ33がOFFの状態で、後述する入力ポート7と出力ポート8の連通度合が最小(閉鎖)になるとともに、後述する出力ポート8と排出ポート9の連通度合が最大になるタイプ{電磁油圧制御弁全体で見ればN/L(ノーマリロー出力)タイプ}の電磁油圧制御弁を示す。
(スプール弁1の説明)
スプール弁1は、スリーブ3、スプール4およびスプール用リターンスプリング5を備えている。
スリーブ3は、図示しない油圧コントローラのケース内に挿入されるものであり、略円筒形状を呈する。
スリーブ3には、スプール4を軸方向へ摺動自在に支持する摺動穴6、オイルポンプ(油圧発生手段)のオイル吐出口に油路等を介して連通し、オイルポンプから入力油圧(オイル)が供給される入力ポート7、スプール弁1で調圧された出力油圧が出力される出力ポート8、低圧側(オイルパン等)に連通する排出ポート9が形成されている。
スリーブ3の前端には、スリーブ3内にスプール用リターンスプリング5を組み入れるためのバネ挿入穴11が形成されている。
入力ポート7、出力ポート8、排出ポート9等のオイルポートは、スリーブ3の側面に形成された穴であり、スリーブ3の側面には前側から後側に向けて、入力ポート7、出力ポート8、排出ポート9、後述するブリード室34にオイルを供給する供給ポート12、ブリード室34から排出されたオイルをスリーブ3の外部(低圧側)に排出するブリード排出ポート13が形成されている。
ここで、供給ポート12には、供給ポート12を通過する最大のオイル流量を規制する制御オリフィス12a(第1オリフィス)が設けられており、後述する開閉弁32が開かれた際の消費流量を抑えるように設けられている。
なお、供給ポート12は、スリーブ3の外部(油圧コントローラ内)で減圧弁を介して入力ポート7と連通し、排出ポート9とブリード排出ポート13はスリーブ3の外部(油圧コントローラ内)で連通するものである。
スプール4は、スリーブ3内に摺動自在に配置され、入力ポート7を閉塞可能な入力シールランド14と、排出ポート9を閉塞可能な排出シールランド15とを有し、入力シールランド14と排出シールランド15の間に分配室16が形成される。
スプール4は、入力シールランド14の前側に、入力シールランド14より小径のF/B(フィード・バック)ランド17を備え、入力シールランド14とF/Bランド17のランド差(径差)によってF/B室18が形成される。
スプール4内には、分配室16とF/B室18を連通するF/Bポート19が形成されており、出力圧に応じたF/B油圧をF/B室18に発生させる。なお、F/Bポート19には、F/Bオリフィス19aが設けられており、F/B室18内に適切なF/B油圧が発生するように設けられている。
このため、F/B室18に印加される油圧(出力圧)が大きくなるに従って入力シールランド14とF/Bランド17のランド差による差圧により、スプール4には後方に変位する軸力が発生する。これによって、スプール4の変位が安定し、入力圧の変動により出力圧が変動するのを防ぐことができる。
なお、スプール4は、スプール用リターンスプリング5のバネ荷重と、ブリード室34の圧力によるスプール4の駆動力と、入力シールランド14とF/Bランド17のランド差による軸力とが釣り合う位置で静止するものである。
スプール用リターンスプリング5は、スプール4を閉弁側(入力側シール長が長くなって出力圧が低下する側:この実施例では後側)に付勢する筒状に螺旋形成されたコイルスプリングであり、スリーブ3の前側のバネ室21内に圧縮された状態で配置される。このスプール用リターンスプリング5は、一端がF/Bランド17の内部に形成された凹部22の底面に当接し、他端がスリーブ3の前端に溶接やカシメ等により固定されたバネ座23の底面に当接した状態で保持される。
なお、バネ室21内に形成された段差21aは、スプール4の前端が当接することによって、スプール4の「最大開弁位置(スプール最大リフト位置)」を決定するものである。
(電磁ブリード弁2の説明)
電磁ブリード弁2は、スプール4の後側に形成されるブリード室34の圧力によってスプール4を前方へ駆動するものであり、シート部材31と、開閉弁32を備えた電磁アクチュエータ33とからなる。
シート部材31は、スリーブ3の後側の内部に固定された略円筒形状を呈するものであり、スプール4との間にスプール4を駆動するためのブリード室34が形成される。また、シート部材31の中心部には、ブリード室34と低圧側(上述したブリード排出ポート13)を連通させるブリードポート35が形成されている。
シート部材31は、前端面にスプール4が着座して、スプール4の「最大閉弁位置(スプール着座位置)」を決定するものである。また、シート部材31は、後端面に後述するシャフト48の前端部に設けられた開閉弁32が当接するものであり、開閉弁32がシート部材31の後端面に当接することでブリードポート35が閉塞される。
電磁アクチュエータ33は、コイル41、可動子42、可動子用リターンスプリング43、ステータ44、ヨーク45、コネクタ46を備え、開閉弁32を駆動してブリードポート35の開度を制御するものであり、開閉弁32がブリードポート35の開度を小さくすると、ブリード室34の内圧が上昇してスプール4が開弁方向(前方)へ変位し、逆に開閉弁32がブリードポート35の開度を大きくすると、ブリード室34の内圧が低下してスプール4が閉弁方向(後方)へ変位する。
コイル41は、通電されると磁力を発生して、可動子42(具体的には、後述するムービングコア47)と磁気固定子(ステータ44、ヨーク45)を通る磁束ループを形成させるものであり、樹脂ボビンの周囲に絶縁被膜線を多数巻回したものである。
可動子42は、コイル41の発生する磁力により軸方向へ磁気吸引される筒形状を呈したムービングコア47と、このムービングコア47の筒内に圧入され、軸方向の端部に開閉弁32が直接形成されたシャフト48とからなる。
ムービングコア47は、略円筒形状を呈した磁性体金属(例えば、鉄:磁気回路を構成する強磁性材料)であり、ステータ44の内周面と直接摺動する。
シャフト48は、ムービングコア47内に圧入固定された略棒形状を呈する高硬度の非磁性材料(例えば、ステンレス等)であり、前端部にブリードポート35を開閉する開閉弁32が形成されている。
可動子用リターンスプリング43は、シャフト48を閉弁側(開閉弁32がブリードポート35を閉じる側)に付勢する筒状に螺旋形成されたコイルスプリングであり、シャフト48の後端部と、ヨーク45の中心部に軸方向に螺合されたアジャスタ(調整ネジ)49との間で圧縮された状態で配置される。
ここで、この実施例1に示す電磁ブリード弁2は、電磁アクチュエータ33がOFFの時(ムービングコア47に前方へ向かう磁力が作用していない時)に、ブリードポート35内から開閉弁32が受けるオイルの吐出圧によって、開閉弁32が後方に移動してブリードポート35を開くものである。
そして、可動子用リターンスプリング43は、可動子42に対して特性調整のための付勢力を与えるものであり、電磁アクチュエータ33がOFFの時に、ブリードポート35内から開閉弁32が受けるオイルの吐出圧によってシャフト48が後方へ移動できるバネ力に設定されている。なお、可動子用リターンスプリング43のバネ荷重は、アジャスタ49の螺合量(ねじ込み量)によって調整される。
シャフト48の後端部には、可動子用リターンスプリング43の内側において後方に伸びるシャフト端凸部48aが設けられており、アジャスタ49の前端部には、可動子用リターンスプリング43の内側において前方に伸びるアジャスタ端凸部49aが設けられている。このシャフト端凸部48aおよびアジャスタ端凸部49aは、シャフト48が後方に変位した際に当接する。
ステータ44は、磁性体金属(例えば、鉄:磁気回路を構成する強磁性材料)よりなり、ムービングコア47を軸方向(前方:開閉弁32がブリードポート35を閉じる方向)へ磁気吸引する吸引ステータ44aと、ムービングコア47の周囲を覆ってムービングコア47と径方向の磁束の受け渡しを行う摺動ステータ44bと、吸引ステータ44aと摺動ステータ44bの間を通る磁束量を抑制して吸引ステータ44a→ムービングコア47→摺動ステータ44bへ磁束を通すための磁気飽和溝(磁気抵抗が大きくなる部分)44cとを備える。
ステータ44の内周には、ムービングコア47を軸方向へ摺動自在に支持する軸方向穴44dが形成されている。この軸方向穴44dは、ステータ44の一端から他端に向けて同径の貫通穴である。
吸引ステータ44aは、ヨーク45とスリーブ3との間に軸方向に挟まれるフランジを介してヨーク45と磁気的に結合されている。また、吸引ステータ44aは、ムービングコア47を磁気吸引した際にムービングコア47と軸方向に交差する筒部を備える。この筒部の外周面は、テーパ形状に設けられており、ムービングコア47のストローク量に対して磁気吸引力が変化しないように設けられている。
摺動ステータ44bは、ムービングコア47の全周を覆う略円筒形状を呈し、摺動ステータ44bの外周には、磁性体金属(例えば、鉄:磁気回路を構成する強磁性材料)よりなる磁気受渡しリング51が配置され、摺動ステータ44bとヨーク45が磁気的に結合されている。また、摺動ステータ44bは、軸方向穴44d内においてムービングコア47と直接摺動してムービングコア47を軸方向へ摺動自在に支持するとともに、ムービングコア47と径方向の磁束の受け渡しを行うものである。
ヨーク45は、コイル41の周囲を覆って磁束を流す略カップ状に形成された磁性体金属(例えば、鉄:磁気回路を構成する強磁性材料)であり、開口端部に形成された爪部をカシメることでスリーブ3と強固に結合される。
スリーブ3とヨーク45の連結部分には、スリーブ3内と電磁アクチュエータ33内を区画するダイアフラム52が設けられている。ダイアフラム52は、略リング形状のゴム製であり、外周部がスリーブ3とステータ44の間に挟み付けられ、中心部がシャフト48の外周に形成された溝に嵌め合わされてスリーブ3内(後述する排圧室53内)のオイルや異物が電磁アクチュエータ33の内部に侵入するのを防ぐものである。
スリーブ3の後側の内部には、シート部材31とダイアフラム52で区画され、ブリード排出ポート13に連通する排圧室53が形成されている。ダイアフラム52の排圧室53側に配置された略リング形状のプレートは防圧遮蔽板54であり、排圧室53の圧力が直接的にダイアフラム52に加わるのを防いでいる。
コネクタ46は、電磁油圧制御弁を制御する電子制御装置(AT−ECU:図示しない)と接続線を介して電気的な接続を行う接続手段であり、その内部にはコイル41の両端にそれぞれ接続される端子46aが配置されている。
なお、電子制御装置は、デューティ比制御によって電磁アクチュエータ33のコイル41へ供給する通電量(電流値)を制御するものであり、コイル41への通電量を制御することによって、ブリードポート35のオイルの吐出圧に抗して可動子42(ムービングコア47+シャフト48)の軸方向の位置を連続的に変位させ、可動子42の軸方向位置を変化させることで開閉弁32の軸方向位置を連続的に変化させて、ブリードポート35の開度を制御して、ブリード室34内の油圧をコントロールするものである。
このように、ブリード室34内の油圧が電子制御装置によって制御されることで、スプール4の軸方向位置が制御される。これによって、入力シールランド14による入力ポート7と分配室16の入力側シール長と、排出シールランド15による分配室16と排出ポート9の排出側シール長との比率が制御され、その結果、出力ポート8の出力油圧が制御される。
〔実施例1の特徴〕
先ず、スリーブ3に対するシート部材31の具体的な結合技術を、図1、図2を参照して説明する。
シート部材31は、上述したように、スリーブ3の後側の内部に固定される。
スリーブ3の後側の内部には、シート部材31をスリーブ3の内部に嵌め入れるためのシート嵌合穴61が形成されている。このシート嵌合穴61は、摺動穴6と同軸で、摺動穴6より大径の円筒穴であり、シート嵌合穴61の前端(奥底)には、摺動穴6(具体的には供給ポート12に通じる環状溝)とシート嵌合穴61との段差による環状奥底面61aが形成されている。この環状奥底面61aは、スリーブ3の中心軸に対して垂直な垂直面である。
シート部材31は、シート嵌合穴61の後方より前方へ向けて強く圧入されてスリーブ3に固定される略円筒形状を呈する部材であり、シート部材31の前端面(後述する第1シート座面M1および第2シート座面M2)はシート部材31の中心軸に対して垂直な垂直面である。
そして、シート部材31をシート嵌合穴61の内部に圧入することで、シート部材31はスリーブ3に固定されるものであり、シート部材31の前端面と環状奥底面61aとが軸方向へ環状に強く圧接することで第1シール部S1が形成され、シート部材31の外周円筒面とシート嵌合穴61の内周円筒面とが径方向へ筒状に圧接することで第2シール部S2が形成される。この第1シール部S1と第2シール部S2とにより、供給ポート12からスリーブ3内に供給されたオイルがスリーブ3とシート部材31との間を通って外部へ漏れるのを防いでいる。
ここで、シート部材31の前端面において環状奥底面61aと圧接する部分を第1シート座面M1と称し、シート部材31の前端面においてスプール4が着座する部分を第2シート座面M2と称する。
この実施例における第1シート座面M1と第2シート座面M2は、同一平面に設けられている。即ち、第1シート座面M1と第2シート座面M2が共通座面として設けられている。
次に、ブリード室34に「離座油圧」を発生させる微小連通手段を説明する。
シート部材31は、環状の部材であり、その内部にブリード室34が形成される。シート部材31の前端面には、スプール4が着座する環状の第2シート座面M2が設けられており、スプール4がシート部材31の第2シート座面M2に着座することで、供給ポート12とブリード室34の連通がスプール4により遮断されて、供給ポート12→ブリード室34→ブリードポート35を介して排出されるオイルの消費流量を抑えるように設けられている。
スプール4がシート部材31に着座して、供給ポート12とブリード室34の連通が「完全に遮断」されてしまうと、ブリード室34へオイルの供給ができなくなり、開閉弁32によりブリードポート35が閉塞されてもブリード室34に油圧が発生しない。
そこで、スプール4がシート部材31に着座した状態であっても、供給ポート12から供給されるオイルをブリード室34に導く微小連通手段を設けている。
(実施例1の背景1)
従来技術の微小連通手段は、図5(a)に示すように、第2シート座面M2の一部にブリード室34に流入するオイル流量を適正な値にコントロールする細溝α(スリット)が形成されるものであった。また、第1シート座面M1の一部には、供給ポート12のオイルを細溝αへ導く切欠部βが形成されていた。
しかし、細溝αおよび切欠部βを形成することで、図4に示すように、第1シール部S1の内外(径方向)が連通して第1シール部S1がオイルシールの機能を果たさなくなり、実質的なシール長は第2シール部S2のみとなっていた。このため、スリーブ3とシート部材31との間を通ってオイルが外部へ漏れるリーク量が多くなるという問題点1があった。
なお、この問題点1は、図3に示す参考例(周知の技術ではない)のように、第1シート座面M1と第2シート座面M2とを同一平面の共通座面とし、この共通座面に細溝αのみを設ける場合であっても、同様に生じてしまう。
(実施例1の背景2)
一方、従来技術における細溝αは、図5(a)に示すように、第2シート座面M2の円周上の1箇所のみに設けられていた。スプール4がシート部材31に着座した状態では、細溝αはスプール4とシート部材31に挟まれて第2オリフィス(供給ポート12とブリード室34を連通する微小通路)を成す。この第2オフィリスの内部(細溝αの内部)には、供給ポート12から油圧が供給されるため、第2オリフィス内の油圧によってスプール4とシート部材31とを軸方向に離間させる油圧力が生じる。このため、軸芯から離れた1箇所の第2オフィリスの油圧力によってスプール4に傾斜力が与えられてしまう。
スプール4に与えられた傾斜力によりスプール4が傾くことでスプール4の摺動不良が発生する懸念が生じる。スプール4の摺動不良が生じると、油圧出力特性が劣化するという問題点2が生じる。
また、シート部材31の1箇所だけに細溝αによる第2オリフィスが設けられるものであったため、1箇所だけの第2オリフィスがオイルに含まれた異物によって目詰まりした場合、スプール4がシート部材31に着座した状態において、ブリード室34に流入するオイル流量が極めて少なくなる。この結果、スプール4をシート部材31から離座させる際の応答性が極めて悪くなってしまうという問題点3が生じる。
上記問題点2、3を解決するべく、図3に示す参考例のように、シート部材31を軸方向から見て細溝αが軸対称位置となるように細溝αを2箇所に形成して、「第2オリフィスにおいて発生する油圧力」がスプール4に対して軸対称に与えられるようにすることが考えられる。
しかし、細溝αには高い加工精度が要求されるため、高い精度が要求される細溝αの加工工数が増えることで製造コストが増加してしまうという新たな問題点4が生じてしまう。
(上記問題点1〜4を解決する実施例1の特徴技術)
上記の問題点1〜4を解決するために、この実施例1では次の特徴技術を採用している。
スプール4がシート部材31に着座する状態において供給ポート12とブリード室34とを微小に連通する微小連通手段は、スプール4におけるシート部材31側の面(即ちスプール後端面62:スプール端面に相当する)に形成されて、シート部材31との間に微小隙間を形成する凹みである。
具体的に、この実施例1における凹みは、スプール4がシート部材31に着座する状態で、供給ポート12によって供給されたオイルをブリード室34に導く微細小の細溝αである。この細溝αは、図1(c)に示すように、スプール後端面62の外縁からスプール後端面62の中心を通り、再びスプール後端面62の外縁まで延びる1本の直線として形成されている。
この1本の細溝αにより、スプール4がシート部材31に着座すると、第2シート座面M2の円周上の対向する2箇所に第2オリフィスが形成される。
ここで、細溝αによる第2オリフィスの流路面積について説明する。
細溝αによる第2オリフィスの流路面積(細溝α内の断面積)を大きくすることで、第2オリフィスからブリード室34に流入するオイル流量を多くすることができ、ブリード室34の油圧が「離座油圧」に達するまでの時間を短くできる。即ち、スプール4をシート部材31から離座させる際の応答時間を短くできる。
しかし、スプール4がシート部材31に着座している状態は、開閉弁32がブリードポート35を開いた状態であるため、第2オリフィスの流路面積を大きくすると、第2オリフィスからブリード室34を介して低圧側に排出されるオイル流量(リーク量)が多くなってしまう。
このように、スプール4をシート部材31から離座させる際の応答性と、スプール4がシート部材31に着座している状態のリーク量とは、相反するものであり、応答性とリーク量を適切な範囲内で両立するように第2オリフィスの流路面積、即ち細溝αの溝幅、溝深さが設定されている。
(実施例1の作動)
次に、この実施例1における電磁油圧制御弁の作動を説明する。
電磁アクチュエータ33の通電が停止された状態では、ブリードポート35に加わるオイルの吐出圧によって開閉弁32が後方に押されて、可動子42(ムービングコア47+シャフト48)が後方に変位し、ブリードポート35の開度が大きくなる。これによって、ブリード室34が排圧状態となり、スプール4はシート部材31に着座して「最大閉弁位置(スプール4着座位置)」で停止する。このように、スプール4が「最大閉弁位置」で停止する状態では、入力ポート7と出力ポート8の連通度合が最小(閉鎖)になるとともに、出力ポート8と排出ポート9の連通度合が最大になり、出力ポート8が排圧状態になる。
電磁アクチュエータ33の通電停止状態から電磁アクチュエータ33に駆動電流が与えられると、ムービングコア47に前方へ向かう磁気吸引力が与えられ、可動子42(ムービングコア47+シャフト48)が前方に変位して、ブリードポート35の開度が小さくなる。
すると、ブリードポート35から排出されるオイル流量より、1本の細溝αによる2箇所の第2オリフィスを介してブリード室34に供給されるオイル流量が上回り、ブリード室34の油圧が上昇する。
ブリード室34の油圧が「離座油圧」に達すると、スプール4はシート部材31から離座する。
スプール4がシート部材31から離座すると、スプール後端面62と第2シート座面M2との間が広がり、供給ポート12からブリード室34に流入するオイル流量が増える。
電磁アクチュエータ33に与えられる駆動電流が増加するに従い、ブリードポート35の開度が小さくなり、その結果、ブリード室34の内圧が上昇して、スプール4がスプール用リターンスプリング5の付勢力に抗して前方へ移動する。即ち、電磁アクチュエータ33に与えられる駆動電流が増加するに従い、入力ポート7と出力ポート8の連通度合が大きくなるとともに、出力ポート8と排出ポート9の連通度合が小さくなり、出力ポート8の出力圧が高まる。
電磁アクチュエータ33に与えられる駆動電流がさらに増加し、開閉弁32がシート部材31に当接してブリードポート35が閉塞されると、供給ポート12からブリード室34に供給されるオイルの圧力によってブリード室34の内圧が最大となり、スプール4がスプール用リターンスプリング5の付勢力に抗して前方へさらに移動する。これにより、入力ポート7と出力ポート8の連通度合が最大になるとともに、出力ポート8と排出ポート9の連通度合が最小(閉鎖)になり、出力ポート8の出力圧が最大になる。
スプール4は、この最大出力時において、ブリード室34の圧力によるスプール4の後端面に発生する力と、スプール用リターンスプリング5のバネ荷重と、F/B室18に最大出力圧(F/B室18の入力圧)が加わった時に発生するF/Bによる軸力とが釣り合う位置で静止する。なお、この最大出力時におけるスプール4の静止位置は、通常はスプール4の「最大開弁位置(スプール最大リフト位置)」よりも後側に設定されるものであり、バネ室21内に形成された段差21aにスプール4が当接しないようになっている。
電磁アクチュエータ33に与えられる駆動電流が減少することで、上記とは逆の作動を行う。そして、電磁アクチュエータ33の通電が停止されることで、再びスプール4がシート部材31に着座して「最大閉弁位置(スプール着座位置)」で停止する。
(実施例1の効果)
この実施例1は、上述したように、スプール4がシート部材31に着座する状態において供給ポート12とブリード室34とを微小に連通させる微小連通手段として、スプール後端面62に形成された細溝αを採用している。
これによって、図2に示されるように、第1シール部S1には径方向を連通する細溝α等が形成されず、第1シール部S1の内外が細溝α等により連通する問題点1が生じない。このため、スリーブ3とシート部材31との間を「第1シール部S1」と「第2シール部S2」の両方によってシールすることができ、スリーブ3とシート部材31の間からオイルが外部へ漏れるリーク量を減らすことができる。
即ち、この実施例1では、スプール後端面62に細溝αを設けるというシンプルな構造を採用することで、スリーブ4とシート部材31との間のシール性を高めることができる。
この実施例1では、スプール後端面62に形成される細溝αが、スプール後端面62の外縁からスプール後端面62の中心を通り、再びスプール後端面62の外縁まで延びる1本の直線として設けられている。
スプール後端面62に形成された1本の細溝αにより、第2オリフィスが軸対称の2箇所に形成される。このため、スプール後端面62における軸対称の2箇所に「スプール4とシート部材31とを軸方向に離間させる油圧力」が作用することになり、スプール4に傾斜力を与えない。即ち、上述した問題点2を解決することができる。
このように、第2オリフィスが軸対称に設けられて、スプール4に傾斜力を与えないため、スプール4が傾くことでスプール4の摺動不良が発生する不具合を回避することができ、スプール4の摺動不良による油圧出力特性の劣化を防ぐことができる。
この実施例1では、スプール後端面62に形成された1本の細溝αによって第2オリフィスが2箇所に形成されるため、第2オリフィスの一方がオイルに含まれた異物によって目詰まりした場合であっても、第2オリフィスの他方によってオイルをブリード室34に導くことができる。即ち、上述した問題点3を解決することができる。
このように、一方の第2オリフィスが塞がれても、他方の第2オリフィスによってオイルをブリード室34に導くことができるため、スプール4をシート部材31から離座させる際の応答性の劣化を抑えることができる。
また、この実施例1では、スプール4の傾斜を防ぎ、且つ応答性の劣化を抑える2箇所の第2オリフィスは、1本の細溝α(凹み)によって設けられるものであるため、細溝αの工数が増えることがなく、製造コストの増加を招かない。即ち、上述した問題点4を招かない。このため、製造コストの増加を抑え、スプール4の傾斜を防ぎ、且つ応答性の劣化を抑えることができる。
さらに、この実施例1では、シート部材31における第1シート座面M1と第2シート座面M2とが同一平面に設けられ、第1シート座面M1と第2シート座面M2が共通座面として設けられている。
このように、第1シート座面M1と第2シート座面M2が同一平面の共通座面として設けられることにより、シート部材31の形状を簡素化でき、シート部材31の製造コストを抑えることができる。
〔変形例〕
上記の実施例では、第1シート座面M1と第2シート座面M2が同一平面(共通座面)に設けられるシート部材31を用いたが、第1シート座面M1と第2シート座面M2が軸方向に異なる面として形成されたシート部材31(従来技術参照)を用いても良い。
上記の実施例では、細溝αをスプール後端面62の外縁からスプール後端面62の中心を通り、再びスプール後端面62の外縁まで延びる1本の直線として設けたが、細溝αをスプール後端面62の外縁から途中まで(ブリード室34に達するまで)設けるようにしても良い。これにより、上記問題点1を解決することができる。
上記の実施例では、凹みの一例として細溝αを採用したが、スプール後端面62に段差面や微細凹凸を設けるなど、他の形状の凹みを用いても良い。具体的に、凹みの一例としてスプール後端面62に段差面を設ける場合、その段差面の形成位置を調整することで「スプール4がシート部材31に着座する状態」における「供給ポート12とブリード室34の連通度合」を調整して、応答性とリーク量とを適切な範囲内で両立させても良い。
上記の実施例では、シート部材31をシート嵌合穴61の内部に圧入固定する例を示したが、シート部材31をシート嵌合穴61の内部にカシメ固定(塑性変形による固定)するなど、他の固定技術を用いても良い。
上記の実施例では、電磁アクチュエータ33がOFFの状態で、ブリードポート35の開度が最大になるタイプを示したが、電磁アクチュエータ33がOFFの状態で、ブリードポート35が閉塞されるタイプに本発明を適用しても良い。
上記の実施例では、電磁アクチュエータ33がOFFの状態で、入力ポート7と出力ポート8の連通度合が最小になり、出力ポート8と排出ポート9の連通度合が最大になるN/Lタイプを示したが、電磁アクチュエータ33がOFFの状態で、入力ポート7と出力ポート8の連通度合が最大になり、出力ポート8と排出ポート9の連通度合が最小になるN/H(ノーマリハイ出力)タイプに本発明を適用しても良い。
上記の実施例では、スプール弁1が三方弁を構成する例を示したが、スプール弁1は三方弁に限定されるものではなく、二方弁(開閉弁)、四方弁など、他の構成のスプール弁であっても良い。
上記の実施例では、開閉手段の一例として電磁アクチュエータ33を用いる例を示したが、電動モータ、ピエゾスタック等を用いたピエゾアクチュエータなど、他のアクチュエータを用いても良い。
上記の実施例では、自動変速機の油圧制御装置に用いられる油圧制御弁に本発明を適用する例を示したが、自動変速機以外の他の油圧制御弁に本発明を適用しても良い。
上記の実施例では、油圧制御を行う油圧制御弁に本発明を適用する例を示したが、オイル流量制御を行うOCV(オイル・フロー・コントロール・バルブの略)に本発明を適用しても良い。
電磁油圧制御弁の軸方向に沿う断面図、スプールの軸方向に沿う断面図、およびスプールの後面図である(実施例1)。 電磁油圧制御弁の要部断面図である(実施例1)。 電磁油圧制御弁の要部断面図、シート部材の前面図、およびシート部材の軸方向に沿う断面図である(参考例)。 電磁油圧制御弁の軸方向に沿う断面図である(従来技術)。 シート部材の前面図、およびシート部材の軸方向に沿う断面図である(従来技術)。
符号の説明
3 スリーブ(バルブボディ)
4 スプール
6 摺動穴
12 供給ポート
31 シート部材
33 電磁アクチュエータ(開閉手段)
34 ブリード室
35 ブリードポート
61 シート嵌合穴
61a 環状奥底面
62 スプール後端面(スプール端面)
α 細溝(凹み:微小連通手段)
M1 第1シート座面
M2 第2シート座面
S1 第1シール部
S2 第2シール部

Claims (3)

  1. 軸方向へ伸びる摺動穴、およびこの摺動穴と同軸上に形成されて前記摺動穴より大径のシート嵌合穴を備えたバルブボディと、
    前記摺動穴の内部において軸方向へ変位可能に支持されたスプールと、
    前記シート嵌合穴の内部に嵌め入れられ、前記スプールとの間にブリード室を形成するとともに、このブリード室を低圧側に連通させるブリードポートを有する略円筒形状のシート部材と、
    前記ブリードポートを開閉可能な開閉手段と、を具備し、
    前記シート部材の軸方向端面と前記シート嵌合穴の環状奥底面とが軸方向に環状圧接して第1シール部を形成するとともに、前記シート部材の外周面と前記シート嵌合穴の内周面とが径方向に筒状圧接して第2シール部を形成する構造を有し、
    前記スプールが前記シート部材に着座する状態において、前記ブリード室にオイルを供給する供給ポートと、前記ブリード室とを微小に連通させる微小連通手段は、前記スプールにおける前記シート部材側のスプール端面に形成されて、前記シート部材との間に微小隙間を形成する凹みであることを特徴とするブリード式バルブ装置。
  2. 請求項1に記載のブリード式バルブ装置において、
    前記凹みは、前記スプール端面の外縁から前記スプール端面の略中心を通り、再び前記スプール端面の外縁まで延びる1本の直線状の細溝であることを特徴とするブリード式バルブ装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のブリード式バルブ装置において、
    前記シート部材において前記シート嵌合穴の環状奥底面と軸方向に環状圧接する第1シート座面と、前記シート部材において前記スプールが着座する第2シート座面とは、同一平面に設けられることを特徴とするブリード式バルブ装置。
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