JPH10316806A - ポリエチレン系樹脂成形材料及びフィルム - Google Patents
ポリエチレン系樹脂成形材料及びフィルムInfo
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- JPH10316806A JPH10316806A JP9126854A JP12685497A JPH10316806A JP H10316806 A JPH10316806 A JP H10316806A JP 9126854 A JP9126854 A JP 9126854A JP 12685497 A JP12685497 A JP 12685497A JP H10316806 A JPH10316806 A JP H10316806A
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Abstract
り、また低温での耐衝撃性及び耐突き刺し性に優れ、か
つ低温ヒートシール性が良好なフィルムを形成しうる樹
脂成形材料、及びそれからなるフィルムを提供すること
を課題とする。 【解決手段】 低結晶成分と高結晶成分とからなるエチ
レンと炭素数3〜18のα−オレフィンとの共重合体を
主成分とし、温度上昇溶離分別による溶出曲線におい
て、低結晶成分の溶出ピーク温度が60〜80℃の範囲
にあり、低結晶成分の溶出温度のピーク分子量が高結晶
成分のそれより大きく、低結晶成分のピークの高さをH
とし低結晶成分のピークと高結晶成分のピークとの間の
最小谷間の高さをMとしたときH/Mの値が9以上、前
記曲線の全面積に対する低結晶成分の溶出ピーク温度以
下の面積割合が35%以上、MFRが0.5〜15g/
10分、密度が0.912〜0.93である樹脂成形材
料とする。
Description
および突き刺し強度に優れ、また脱気ボイル性が良好で
高温殺菌が可能な、特に食品包装用フィルムに好適なポ
リエチレン樹脂組成物および該組成物からなるフィルム
に関するものである。
えて、商品パッケージ、貯蔵、輸送、および加熱ないし
冷却処理に付したときなどに問題が生じないように、一
定の品質が要求されている。その要求される品質として
は、具体的には主に以下の4点を挙げることができる。
る。すなわち、加工肉等の固体状の商品は、包装用フィ
ルムにより形成された袋に収容した後、通常、食品の腐
食等を防止するため酸素除去を目的として脱気し、かつ
食品の保存期間を延ばして長期保存を可能にするためフ
ィルム内を真空にすることが行われるが、このような脱
気・真空処理の後に、さらに包装した食品の殺菌を目的
として、高温で煮沸する場合がある。その際、フィルム
の最内層の面同士が高温により融着すると、中の食品を
取り出すことができなくなり、また、袋の形状がつぶれ
る等の問題が生じることから、脱気・真空後の高温処理
によりフィルム同士の融着が生じない性質、すなわち脱
気ボイル性(耐熱性)を備えた食品包装フィルムが望ま
れている。
ば袋詰めされた食品を冷凍保存して輸送した場合に、フ
ィルムが衝撃に弱い場合は、輸送中に袋同士の衝突や衝
撃によって破袋し食品が損傷する等の問題が生じること
から、そのような衝撃による破袋が生じない性質(耐衝
撃性)、特に低温(例えば冷凍保存温度)での耐衝撃性
に優れた食品包装フィルムが望まれている。
食品の中には水産品も多く、包装フィルムが尖鋭なもの
の突き刺しに対して弱い場合は、例えばカニやエビ等の
ハサミの先端や突起部分でフィルムが破袋する等の問題
が生じる恐れがあることから、かかる突き刺しに対する
耐性(耐突き刺し性)に優れた食品包装フィルムが望ま
れる。特に低温になると、突き刺しに対する耐性が低下
する傾向にあることから、特に低温(例えば冷凍保存温
度)での耐突き刺し性に優れたフィルムが望まれる。
シール性である。従来のフィルムは十分なシール強度を
得るために比較的高温でヒートシールする必要がある
が、高温でシールすると、フィルムの収縮などにより外
観的に満足する包装品が得られない。一方、かかる外観
上の観点からヒートシール温度を下げると、シール強度
が不十分となりシール面から破袋するといった問題が起
こることがある。したがって、このような従来のフィル
ムではシール温度の調整が難しく、このため低温でヒー
トシールした場合でも十分なシール強度が得られる性質
(低温ヒートシール性)を有する包装フィルムが望まれ
ている。
気ボイル性、すなわち耐熱性を向上させると、低温での
ヒートシール性が低下するなど、上述した脱気ボイル
性、耐衝撃性、耐突き刺し性、及び低温ヒートシール性
のすべてを同時に向上させることは容易ではなく、これ
らの性質について全て満足しうる包装フィルムは未だ得
られていなかった。
なるものもあるが、基材にポリアミド、ポリエステル、
プロピレン系重合体等のフィルムを用い、最内層にポリ
エチレン系樹脂フィルムを用いた3種3層、3種5層、
4種5層等の構造をとる多層フィルムが一般的に使用さ
れている。特に、かかる多層フィルムにおける最内層に
は、近年、脱気ボイル性や低温ヒートシール性が良好な
線状低密度ポリエチレン(以下、単に「LLDPE」と
略記する)が用いられている。
PEを用いた多層フィルムは、脱気ボイル性や低温ヒー
トシール性においては優れているものの、低温での耐衝
撃性および耐突き刺し性に関しては必ずしも十分満足で
きるものではない。このため、冷凍保存・輸送時のフィ
ルム破壊や穴あき等の問題が発生しやすい傾向にある。
よって、少なくとも従来のLLDPEと同等以上の低温
ヒートシール性を有し、かつ低温での耐衝撃性および耐
突き刺し性が―層向上した包装フィルムの開発が必要と
されている。
多層フィルムでも、上述した脱気ボイル性、耐衝撃性、
耐突き刺し性、及び低温ヒートシール性のすべてにおい
て優れたものは未だに得られていないのが現状である。
題点に鑑みなされたものであり、脱気ボイル性が良好で
高温殺菌が可能であり、また低温での耐衝撃性及び耐突
き刺し性に優れ、かつ低温ヒートシール性が良好なフィ
ルムを形成しうる樹脂成形材料、及びかかる成形材料か
らなるフィルム、特に食品包装フィルムを提供すること
を課題とする。
を解決するべく鋭意検討した結果、特定の性状を有する
低結晶成分と高結晶成分からなるエチレンと炭素数3〜
18のα−オレフィンとの共重合体を主成分とするポリ
エチレン系樹脂成形材料を用いることにより、食品包装
用として優れた物性を有するフィルムが得られることを
見出し、本発明を完成した。
形材料は、エチレンと炭素数3〜18のα−オレフィン
との共重合体を主成分とするポリエチレン系樹脂成形材
料であって、前記共重合体が低結晶成分と高結晶成分と
からなり、かつ前記成形材料が下記(1)〜(6)に示
す条件をすべて満たすことを特徴とする。
温度上昇溶離分別による溶出曲線において、低結晶成分
の溶出ピーク温度が60〜80℃の範囲にある。
温度上昇溶離分別による溶出曲線において、低結晶成分
の溶出ピーク温度におけるピーク分子量《Mw》Aと、
高結晶成分の溶出ピーク温度におけるピーク分子量《M
w》Bとの関係が、下記式(I)を満たす。
温度上昇溶離分別による溶出曲線において、低結晶成分
のピークの高さをHとし、低結晶成分のピークと高結晶
成分のピークとの間の最小谷間の高さをMとしたとき、
H/Mの値が9以上である。
温度上昇溶離分別による溶出曲線の全面積に対する低結
晶成分の溶出ピーク温度以下の面積割合が35%以上で
ある。 (5)前記成形材料のMFRが0.5〜15g/10分
である。 (6)前記成形材料の密度が0.912〜0.93g/
cm3である。
レン系樹脂成形材料からなる層を少なくとも有すること
を特徴とする。好ましくは、本発明のフィルムは、前記
ポリエチレン系樹脂成形材料からなる層と、ポリアミ
ド、ポリエステル及びプロピレン系重合体からなる群か
ら選ばれる樹脂材料からなる層とを含む多層フィルムで
ある。
品包装フィルム、特に高温殺菌用食品包装フィルムであ
る。
突き刺し強度に優れ、低温ヒートシール性も優れ、また
脱気ボイル性が良好で高温殺菌が可能な、特に食品包装
に好適なフィルムを得ることができる。
成形材料をフィルム状にした層と基材層とからなる多層
フィルムとして用いれば、剛性等の面からも食品包装フ
ィルムとして―段と優れた機能を発揮する。
明する。 1.ポリエチレン系樹脂成形材料 本発明のポリエチレン系樹脂成形材料は、エチレンと炭
素数3〜18のα−オレフィンとの共重合体(以下、単
に「本発明のエチレン共重合体」ということがある)で
あって、低結晶成分と高結晶成分とからなるものを主成
分とする。
るエチレン共重合体とは、同じ共重合体中の共重合成分
として低結晶成分と高結晶成分とを含む形態をとるもの
であってもよく、また低結晶成分からなる低結晶エチレ
ン共重合体と高結晶成分からなる高結晶エチレン共重合
体との混合物の形態をとっていてもよい。さらに、共重
合成分として低結晶成分と高結晶成分とを含むエチレン
共重合体と、低結晶エチレン共重合体及び/又は高結晶
エチレン共重合体との混合物の形態をとっていてもよ
い。
度上昇溶離分別による溶出曲線における溶出ピーク温度
が80℃以下、より好ましくは40〜80℃の範囲にあ
る成分をいう。また、「高結晶成分」とは、温度上昇溶
離分別による溶出曲線における溶出ピーク温度が81℃
以上、より好ましくは81〜105℃の範囲にある成分
をいう。
しては、単独のエチレン・α−オレフィン共重合体から
なるものであってもよく、また複数のエチレン・α−オ
レフィン共重合体の混合物からなるものであってもよ
い。
して用いられるα−オレフィンは、炭素数3〜18の1
−オレフィン、好ましくは炭素数3〜12の1−オレフ
ィンである。具体的には、プロピレン、1−ブテン、1
−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−へプテ
ン、4−メチル−ペンテン−1、4−メチル−ヘキセン
−1、4,4−ジメチルペンテン−1等を挙げることが
できる。
マーとして含まれるα−オレフィンは1種類に限られな
い。ターポリマーのようにコモノマーを2種類以上用い
た多元系共重合体も、本発明のエチレン共重合体の好ま
しいものとして挙げられる。
マー単位中、エチレン単位は全体の97〜70重量%で
あり、炭素数3〜18のα−オレフィンは3〜30重量
%であるのが好ましい。
いては、触媒や重合方法など特に制約はない。触媒とし
ては、例えば、チーグラー型触媒(すなわち、担持また
は非担持ハロゲン含有チタン化合物と有機アルミニウム
化合物の組み合わせに基づくもの)、フィリップス型触
媒(すなわち、担持酸化クロム(Cr6+)に基づくも
の)、カミンスキー型触媒(すなわち、担持または非担
持メタロセン化合物と有機アルミニウム化合物、特にア
ルモキサンの組み合わせに基づくもの)が挙げられる。
でのスラリー法、気相流動床法(例えば、特開昭59ー
23011号公報に記載の方法)や溶液法、あるいは圧
力が200kg/cm2以上、重合温度が130℃以上
での高圧バルク重合法等が挙げられる。
ン共重合体を製造する方法については、例えば1つの反
応槽で低結晶成分と高結晶成分を同時に形成させて低結
晶成分と高結晶成分とからなるエチレン共重合体を製造
する方法、2以上の反応槽を連結させて各槽で各々の成
分を重合するようにして、多段重合により段階的に低結
晶成分と高結晶成分とからなるエチレン共重合体を製造
する方法、低結晶エチレン共重合体と高結晶エチレン共
重合体とを別々に製造した後、両者を通常の樹脂組成物
の製造方法と同様の方法に従って配合することによって
製造する方法等を挙げることができる。
高結晶エチレン共重合体とを配合する方法としては、具
体的には、低結晶エチレン共重合体と高結晶エチレン共
重合体とを前もってドライブレンドし、そのままフィル
ム成形機のホッパーに投入して溶融混練しつつ成形する
こととしてもよく、また、押出機、ブラべンダープラス
トグラフ、バンバリーミキサー、ニーダーブレンダー等
を用いて溶融混練し、通常用いられている方法でペレッ
ト状とした後フィルムを製造することとしてもよい。
いて比較的狭い組成分布を有するものが望ましいので、
低結晶エチレン共重合体を製造する場合は特にカミンス
キー型触媒を用いることが好ましい。高結晶成分におい
ても結晶性に関し比較的狭い組成分布を有するものが望
ましいが、高結晶側では特に触媒差は見られないので、
触媒に制約はない。
述したエチレン共重合体を主成分とするが、その他に、
―般に成形用樹脂材料に用いられている補助添加成分、
例えば、酸化防止剤、アンチブロッキング剤、スリップ
剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、防曇剤、着色剤
及び/又は接着剤等が配合されていてもよい。酸化防止
剤としては、フェノール系およびリン系酸化防止剤が好
ましい。
高結晶エチレン共重合体を配合する場合は、混合前、混
合途中、あるいは混合後に、低結晶エチレン共重合体及
び高結晶エチレン共重合体のいずれか一方、あるいは両
方に上記補助添加成分を配合することができる。
料には、低結晶成分と高結晶成分とからなるエチレン共
重合体の総重量に対して、本発明の効果が損なわれない
程度で、他のポリエチレン系樹脂材料、例えば高圧法低
密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等を5〜3
0重量%程度配合することもできる。
上述したエチレン共重合体を主成分とし、かつ下記
(1)〜(6)に記載した条件をすべて満たすことを特
徴とする。
F」と略す)による溶出曲線において、低結晶成分の溶
出ピーク温度が60〜80℃を示す。前記溶出ピーク温
度が上記範囲より大きいと、低温ヒートシール性、透明
性、耐衝撃性(衝撃強度)が悪化するので好ましくな
い。また、前記溶出ピーク温度が上記範囲より小さい
と、脱気ボイル性(耐熱性)が悪化したり、フィルム表
面にべたつきが生じるので好ましくない。
(TREF)による溶出曲線とは、測定対象となる試料
(ポリマー)を―度高温にて完全に溶解させた後に、ガ
ラスビーズ等の不活性担体の存在下に冷却し、該不活性
担体表面に析出させて薄いポリマー層を生成させ、次い
で、温度を連続または段階的に昇温して各温度(溶出温
度)で溶出した成分を回収し、溶出温度と各溶出温度で
の溶出量とによって描かれるグラフであり、ポリマーの
組成分布(結晶性の分布)を表す。
形材料の主成分であるエチレン共重合体は、低結晶成分
と高結晶成分とからなるものであり、前記TREFによ
る溶出曲線を求めた場合に、該溶出曲線中に低結晶成分
の溶出ピークと高結晶成分の溶出ピークとが明瞭に存在
し、両ピークの間に谷間部分が認められることを特徴と
する。
ーク温度におけるピーク分子量《Mw》Aと、高結晶成
分のTREFによる溶出ピーク温度におけるピーク分子
量《Mw》Bとの関係が、下記式(I)を満たす。な
お、ピーク分子量は、溶出ピーク温度における溶出成分
の分子量である。
状にしたとき、耐衝撃性および耐突き刺し性(突き刺し
強度)が低下するので好ましくない。
低結晶成分のピークの高さをHとし、低結晶成分のピー
クと高結晶成分のピークとの間の最小谷間の高さをMと
したとき、H/Mの値が9以上、好ましくは9〜50で
ある。H/Mの値が9より小さいと、耐衝撃性及び耐突
き刺し性が低下するので好ましくない。
対する低結晶成分の溶出ピーク温度以下の面積割合が3
5%以上、好ましくは40〜70%である。上記の値が
35%より小さいと、低温ヒートシール性、衝撃強度、
突き刺し強度、透明性が悪化するので好ましくない。
S−K7210によるMFR(メルトフローレート:溶
融流量)が0.5〜15g/10分、好ましくは0.8
〜10g/10分である。該MFRが上記範囲より大き
いと、脱気ボイル性(耐熱性)及びフィルム強度が低下
し、フィルムの成膜が不安定となる。また、該MFRが
上記範囲より小さいと、成形時に必要な樹脂圧力が高く
なり、押し出し性が低下するので好ましくない。
S−K7112による密度が0.912〜0.93g/
cm3である。該密度が上記範囲より大きいと、低温ヒ
ートシール性、耐衝撃性、耐突き刺し性および透明性が
不良となる。また、該密度が小さすぎると、耐熱性が悪
化し、脱気ボイルできなくなるので好ましくない。
材料からなる層を少なくとも有する。かかるフィルム
は、前記ポリエチレン系樹脂成形材料からなる層のみか
らなる単層フィルムであってもよく、また前記ポリエチ
レン系樹脂成形材料からなる層と他の樹脂材料からなる
層とを積層構造中に含む多層フィルムであってもよい。
あって、被包装物品と接触する最内層となる層(以下、
単に「最内層」という)を上記ポリエチレン系樹脂成形
材料により構成し、フィルムの基材層を該ポリエチレン
系樹脂成形材料以外の樹脂材料により構成した包装用の
多層フィルムが挙げられる。
チレン系樹脂材料からなる層(以下、単に「ポリエチレ
ン系樹脂層」という)と基材層と各1層ずつからなるも
のの他に、上記両層いずれか一方あるいは両方が複数存
在するもの、前記ポリエチレン系樹脂層と基材層とこれ
ら両層以外であって目的に応じて適宜設けられる層なら
びに部材とからなるもの等が含まれる。すなわち、包装
フィルムの層構成は基本的にはどのような構成になって
いても良いが、例えば、ポリエチレン系樹脂層を最内層
(被包装物品との接触層)として用いた場合、ポリエチ
レン系樹脂層(最内層)/基材層、ポリエチレン系樹脂
層(最内層)/基材層/基材層、ポリエチレン系樹脂層
(最内層)/基材層/ポリエチレン系樹脂層等の層構成
が考えられる。
れないが、単層フィルムの場合は好ましくは30〜90
μm程度であり、多層フィルムの場合は、一層の厚みと
して20〜60μm程度である。また、基材層を設ける
場合は、基材層の厚みは特に限定されないが、好ましく
は10〜40μm程度である。
いて、前記ポリエチレン系樹脂層および基材層あるいは
これ以外の層ならびに部材は、本発明のフィルム全面に
設けられている必要はない。従って本発明のフィルムに
は、そのような前記ポリエチレン系樹脂層および基材層
あるいはこれ以外の層ならびに部材からなる構造が、フ
ィルムの全面のみならず、一部のみを構成するものも含
まれる。
用いられているものの中から、目的に応じて任意のもの
を採用することができる。例えば、本発明では、ポリア
ミド、ポリエステル及びプロピレン重合体からなる群か
ら選ばれる樹脂材料を用いることが好ましい。これら3
種の樹脂材料の中から選択する樹脂材料は1種類のみで
あってもよく、また2種類もしくは3種類を選択し、複
合的に積層することも可能である。
ナイロン6、ナイロン66、ナイロン7、ナイロン1
0、ナイロン12、ナイロン610等が挙げられ、ポリ
エステルとしては、例えばポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート等が挙げられ、プロピレン重
合体としては、例えばポリプロピレン、プロピレン・α
−オレフィンブロック共重合体、プロピレン・α−オレ
フィンランダム共重合体等が挙げられる。
樹脂成形材料からなる層のみにより構成される単層フィ
ルムの場合、該フィルムの成形は、空冷インフレーショ
ン成形、空冷2段冷却インフレーション法、Tダイフィ
ルム成形、水冷インフレーション成形等を採用すること
ができる。
積層して多層フィルムを製造する方法としては、目的に
応じて任意の方法を採用することができるが、従来の多
層フィルムの成形方法に従って、例えば、各層をあらか
じめ別々にフィルム状に形成した後それらを接着させて
積層する方法、及び、押出法によって各層の形成および
積層を同―工程で行う方法等がある。
に形成する場合において、該フィルムの成形は、単層フ
ィルムを成形する場合と同様に、空冷インフレーション
成形、空冷2段冷却インフレーション法、Tダイフィル
ム成形、水冷インフレーション成形等を採用することが
できる。また、後者の押出法においては、押出ラミネー
ト法、ドライラミネート法、サンドイッチラミネート
法、共押出し法(接着層を設けない共押出し、接着層を
設ける共押出し、接着樹脂を配合する共押出し等を含
む)等の方法がある。本発明では、いずれの方法によっ
ても各種の多層フィルムを得ることができる。
して、上述したポリエチレン系樹脂層とポリアミド、ポ
リエステル及びプロピレン重合体からなる群から選ばれ
る樹脂材料により構成される基材層とを積層して得られ
る多層フィルムが挙げられ、これは包装フィルムとして
好適に用いることができる。本発明のポリエチレン系樹
脂成形材料からなるポリエチレン系樹脂層は、単層フィ
ルムとした場合でも十分本発明の効果を活かした包装フ
ィルムとして用いることができるが、基材層と積層して
使うことによって、その性能の特徴を十分発揮した機能
性フィルムとすることができ、本発明特有の効果がより
優れた形で発現される。
上記多層フィルムにおいて、ポリエチレン系樹脂層が被
包装物品と接触する面である最内層として設けられてい
る袋状の包装フィルムの形態である。この形態では、ポ
リエチレン系樹脂層が対向していて、この間でヒートシ
ールが行われているものが代表的である。
本発明のポリエチレン系樹脂成形材料からなる層を有す
るものであり、低温での耐衝撃性及び耐突き刺し性に優
れ、また、脱気ボイル性が良好で高温殺菌が可能であ
り、低温ヒートシール性にも優れたフィルムである。こ
のフィルムは、特に食品包装フィルム、就中高温殺菌用
(具体的には、例えば95℃以上の高温殺菌処理に適し
た)食品包装フィルムとして好適に用いられる。
れらの実施例における物性の測定とフィルム物性評価
は、以下に示す方法によって実施したものである。
価 (1)溶出曲線の測定 本実施例における溶出曲線の測定は、次のようにして行
った。測定装置としてクロス分別装置(三菱化学(株)
製、CFC−T150A)を使用し、付属の操作マニュ
アルの測定法に従って行った。このクロス分別装置は、
溶解温度の差を利用して試料を分別する温度上昇溶離分
別(TREF)機構と、分別された区分を更に分子サイ
ズで分別するサイズ排除クロマトグラフ(Size Exclusi
on Chromatography:SEC)とをオンラインで接続し
た装置である。
系樹脂成形材料)を、溶媒(O−ジクロロべンゼン)を
用いて濃度が4mg/mlとなるように140℃で溶解
し、これを測定装置内のサンプルループ内に注入した。
以下の測定は、設定条件に従って自動的に行われた。
は、溶解温度の差を利用して分別するTREFカラム
(不活性担体であるガラスビーズが充填された内径4m
m、長さ150mmの装置付属のステンレス製カラム)
に0.4ml注入された。次に、該サンプルは1℃/分
の速度で140℃から0℃の温度まで冷却された。その
結果、上記不活性担体に析出したサンプルがコーティン
グされた。すなわち、このとき不活性担体表面には、高
結晶成分(結晶しやすいもの)から低結晶成分(結晶し
にくいもの)の順でポリマー層が形成された。
で更に30分間保持した後、この溶出温度(0℃)で溶
解している成分2mlが、1ml/分の流速でTREF
カラムからSECカラム(昭和電工社製、AD80M−
S:3本)へ注入された。SECで分子サイズでの分別
が行われている間に、TREFカラムでは第2の溶出温
度(5℃)に昇温され、カラムはその温度にて約30分
間保持された。SECでの各溶出区分の測定は39分間
隔で行われた。
温度となるように段階的に昇温された:0℃/5℃/1
0℃/15℃/20℃/25℃/30℃/35℃/40
℃/45℃/49℃/52℃/55℃/58℃/61℃
/64℃/67℃/70℃/73℃/76℃/79℃/
82℃/85℃/88℃/91℃/94℃/97℃/1
00℃/102℃/120℃/140℃。
分別された溶液は、装置付属の赤外分光光度計でポリマ
ーの濃度に比例する吸光度が測定され(波長3.42μ
m、メチレンの伸縮振動で検出)、各溶出温度区分のク
ロマトグラムが得られた。内蔵のデータ処理ソフトを用
い、上記測定で得られた各溶出温度区分のクロマトグラ
ムのべースラインを引き、演算処理された。各クロマト
グラムの面積が積分され、積分溶出曲線が計算された。
また、この積分溶出曲線を温度で微分して、微分溶出曲
線が計算された。計算結果の作図はプリンターに出力さ
れた。出力された微分溶出曲線の作図は、横軸に溶出温
度を100℃当たり89.3mm、縦軸に微分量(全積
分溶出量を1.0に規格し、1℃の変化量を微分量とし
た)0.1当たり76.5mmで行った。
ークにおける温度を低結晶成分の溶出曲線の溶出ピーク
温度とし、また、この微分溶出曲線の低結晶成分側のピ
ーク高さをHとし、低結晶成分のピークと高結晶成分の
ピークとの間の最小谷間の高さをMとして、H/Mの値
を算出した。さらに、上記の積分溶出曲線から、溶出曲
線が形成する全面積に対する低結晶成分の溶出ピーク温
度以下の面積割合を算出した。
結晶成分の溶出ピーク温度を読みとり、SECにより得
られたデータから、各成分の溶出ピーク温度におけるピ
ーク分子量を求め、低結晶成分の溶出ピーク温度におけ
るピーク分子量を《Mw》A、高結晶成分の溶出ピーク
温度におけるピーク分子量を《Mw》Bとした。
210に準拠して測定した(190℃、2.16kg荷
重)。
12に準拠して測定した。
辺100mmとして4方をヒートシールして袋状とした
後、一つの角を切ってそこから真空ポンプで袋内を脱気
した。次いで切り取った角を即座にヒートシールし、袋
内を真空に近い状態にした。このようにして得られたサ
ンプルを、恒温水槽(トーマス化学(株)製、THERMOST
ATIC・OIL・BATH−F305)に入れ、各温度の水で15分
ボイルした。
さ60mmの短冊を切り出し、180度剥離融着強度を
測定した。剥離融着強度が200g未満であれば簡単に
剥がれるレべルであるので、剥離融着強度が100g/
20mm幅の値のときを脱気ボイル温度とし、この脱気
ボイル温度を求めることにより脱気ボイル性を評価し
た。なお、本評価は同一サンプルにつき3回ずつ行い、
その平均値を脱気ボイル温度とした。
2枚重ね、東洋精機製熱盤式ヒートシーラーにて、80
℃から5℃間隔でシール圧力:2kg/cm2、シール
時間:1秒、の条件でヒートシールし、引張試験機にて
引張速度:500mm/分の速度で引っ張り、ヒートシ
ール部の強度を測定した。ヒートシール部の強度が0.
5kg/15mm幅を得られる温度を0.5kgヒート
シール温度とし、これによりヒートシール性を評価し
た。
強度の測定) (株)東洋精機製作所製フィルムインパクトテスター
(FILM・IMPACT・TESTER:以下、単に「試験機」とい
う)を用い、単位フィルム厚み当たりの貫通破壊に要し
た仕事量を測定した。具体的には、試験フィルム(厚さ
40μm)と試験機を−20℃の冷凍庫内で約1日保存
し、状態調節を行った後、−20℃の冷凍庫内で、試験
機に試験フィルムを直径50mmのホルダーにて固定
し、13.0mmの半球型金属を試験フィルムの内層面
から貫通部で打撃させ、貫通破壊に要した仕事量を測定
した。その時、荷重は除去し、最大目盛り(仕事量)が
30kg・cmとなるようにした。そして、仕事量をフ
ィルム厚みで除した値を、打抜衝撃強度値とした。
刺し強度の測定) 厚さ40μmのフィルムを試験片として島津製作所
(株)製オートグラフDCS2000に円錐形の治具
(先端角度;0.25R、底辺径;15.6mm、高
さ;18.5mm)を取り付け、雰囲気を−20℃にし
た後、円錐形の治具を500mm/分の速度でフィルム
に突き刺した。フィルムが破れたときの最大強度を突き
刺し強度として耐突き刺し性を評価した。
された方法で実施した。すなわち、錯体エチレンビス
(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニ
ウムジクロライド2.0mmolに、東洋ストウファー
社製メチルアルモキサンを上記錯体に対し1000モル
倍加え、トルエンで10リットルに希釈して、触媒溶液
を調製し、以下の方法で重合を行った。
ーブ型連続反応器に、エチレンと1−ヘキセンとの混合
物を1−へキセンの組成が75重量%となるように供給
し、反応器内の圧力を1300kg/cm2に保ち、1
40℃の温度で反応を行った。反応終了後、TREFに
よるピーク分子量《Mw》Aが92000、溶出曲線の
溶出ピーク温度が71℃であるエチレン・1−へキセン
共重合体を得た。これを低結晶成分からなるエチレン共
重合体(成分A)として用いた。
「ノバテックHD・HE580」(エチレンと1−ブテ
ンとの共重合体、TREFによるピーク分子量《Mw》
B:32000)を用い、(1)で得たエチレン・1−
ヘキセン共重合体(成分A)と、配合比が成分A:成分
B=70:30(重量比)となるようにブレンドし、4
0mmφ単軸押出機で190℃の温度にて溶融・混練し
てペレット状とし、低結晶成分(成分A)と高結晶成分
(成分B)とからなるエチレン・1−ヘキセンとエチレ
ン・1−ブテン共重合体との混合物を得た。
のピーク分子量《Mw》A;92000、TREFによ
る低結晶成分の溶出曲線の溶出ピーク温度;71℃、T
REFによる溶出曲線の全面積に対する低結晶成分の溶
出ピーク温度以下の面積割合;44%、高結晶成分(成
分B)のピーク分子量《Mw》B;32000、H/
M;32、組成物のMFR;1.9g/10分、密度;
0.925g/cm3であった。
剤(商品名イルガノックス1076:チバガイギー社
製)およびリン系酸化防止剤(商品名P−EPQ:サン
ド社製)、アンチブロッキング剤(商品名ダイカライト
・ホワイトフィラー:ラサ商事社製)、スリップ剤(オ
レイン酸アミド:日本化成(株)製)をドライブレンド
にて適量配合し、ポリエチレン系樹脂成形材料を得た。
い、以下の条件で水冷単層インフレーション成形を行っ
て単層フィルムを成形した。
社製) スクリュー径;50mmφ L/D;28 温度;180℃ ダイ径;100mmφ ダイリップ;3mm ダイス温度;190℃ ブロー比;1.4 フィルム厚み;40μm
により各物性を評価した。評価の結果は表1に示す通り
である。
における1−へキセンの組成及び重合温度を変えた以外
は、実施例1の(1)記載の方法と同様の方法で触媒調
製、重合を行い、エチレン・1−ヘキセン共重合体(低
結晶成分A)を得た。
(成分A)と日本ポリケム(株)製「ノバテックHD・
HE580」(成分B)とを、配合比が成分A:成分B
=90:10(重量比)となるように配合し、実施例1
と同様の方法でペレット化して、低結晶成分(成分A)
のピーク分子量《Mw》A;80000、TREFによ
る低結晶成分の溶出曲線の溶出ピーク温度;75℃、T
REFによる溶出曲線の全面積に対する低結晶成分の溶
出ピーク温度以下の面積割合;57%、高結晶成分(成
分B)のピーク分子量《Mw》B;32000、H/
M;35、組成物のMFR;2.5g/10分、密度;
0.919g/cm3の低結晶成分と高結晶成分からな
るエチレン・1−へキセンとエチレン・1ーブテン共重
合体の混合物を得た。
法で水冷インフレーション成形を行い、得られたフィル
ムの各物性を評価した。評価の結果は表1に示す通りで
ある。
共重合体(成分A)と日本ポリケム(株)製「ノバテッ
クHD・HE580」(成分B)とを、配合比が成分
A:成分B=80:20(重量比)となるように配合
し、実施例1と同様の方法でペレット化し、低結晶成分
(成分A)のピーク分子量《Mw》A;80000、T
REFによる低結晶成分の溶出曲線の溶出ピーク温度;
75℃、TREFによる溶出曲線の全面積に対する低結
晶成分の溶出ピーク温度以下の面積割合;50%、高結
晶成分(成分B)のピーク分子量《Mw》B;3200
0、H/M;35、組成物のMFR;2.9g/10
分、密度;0.923g/cm3の低結晶成分と高結晶
成分からなるエチレン・1−へキセンとエチレン・1−
ブテン共重合体の混合物を得た。
法で水冷インフレーション成形を行い、得られたフィル
ムの各物性を評価した。評価の結果は表1に示す通りで
ある。
における1−へキセンの組成及び重合温度を変えた以外
は、実施例1の(1)記載の方法と同様の方法で触媒調
製、重合を行い、エチレン・1−ヘキセン共重合体(低
結晶成分A)を得た。
(成分A)と日本ポリケム(株)製「ノバテックC6・
SF941」(エチレン・1−ヘキセン共重合体:成分
B)とを、配合比が成分A:成分B=70:30(重量
比)となるように配合し、実施例1と同様の方法でペレ
ット化し、低結晶成分(成分A)のピーク分子量《M
w》A;73000、TREFによる低結晶成分の溶出
曲線の溶出ピーク温度;81℃、TREFによる溶出曲
線の全面積に対する低結晶成分の溶出ピーク温度以下の
面積割合;46%、高結晶成分(成分B)のピーク分子
量《Mw》B;50000、H/M;14、組成物のM
FR;2.7g/10分、密度;0.927g/cm3
の低結晶成分と高結晶成分からなるエチレン・1−ヘキ
セン共重合体を得た。
法で水冷インフレーション成形を行い、得られたフィル
ムの各物性を評価した。評価の結果は表1に示す通りで
ある。このフィルムは、脱気ボイル性は良好であるが、
低温ヒートシール性がかなり劣る。
における1−へキセンの組成及び重合温度を変えた以外
は、実施例1の(1)記載の方法と同様の方法で触媒調
製、重合を行い、エチレン・1−ヘキセン共重合体(低
結晶成分A)を得た。
(成分A)と日本ポリケム(株)製「ノバテックHD・
HE580」(成分B)とを、配合比が成分A:成分B
=45:55(重量比)となるように配合し、実施例1
と同様の方法でペレット化し、低結晶成分(成分A)の
ピーク分子量《Mw》A;80000、TREFによる
低結晶成分の溶出曲線の溶出ピーク温度;68℃、TR
EFによる溶出曲線の全面積に対する低結晶成分の溶出
ピーク温度以下の面積割合32%、高結晶成分(成分
B)のピーク分子量《Mw》B;32000、H/M;
24、組成物のMFR;4.0g/10分、密度;0.
936g/cm3の低結晶成分と高結晶成分からなるエ
チレン・1−ヘキセンとエチレン・1−ブテン共重合体
の混合物を得た。
法で水冷インフレーション成形を行い、得られたフィル
ムの各物性を評価した。評価の結果は表1に示す通りで
ある。このフィルムは、脱気ボイル性は良好であるが、
低温ヒートシール性、−20℃の衝撃強度、−20℃の
突き刺し強度がかなり劣る。
における1−へキセンの組成及び重合温度を変えた以外
は、実施例1の(1)記載の方法と同様の方法で触媒調
製、重合を行い、エチレン・1−ヘキセン共重合体(低
結晶成分A)を得た。
(成分A)と日本ポリケム(株)製「ノバテックHD・
HY330」(成分B)とを、配合比が成分A:成分B
=70:30(重量比)となるように配合し、実施例1
と同様の方法でペレット化し、低結晶成分(成分A)の
ピーク分子量《Mw》A;66000、TREFによる
低結晶成分の溶出曲線の溶出ピーク温度;74℃、TR
EFによる溶出曲線の全面積に対する低結晶成分の溶出
ピーク温度以下の面積割合;54%、高結晶成分(成分
B)のピーク分子量《Mw》B;70000、H/M;
34、組成物のMFR;2.2g/10分、密度;0.
925g/cm3の低結晶成分と高結晶成分からなるエ
チレン・1−へキセンとエチレン・1ーブテン共重合体
の混合物を得た。
法で水冷インフレーション成形を行い、得られたフィル
ムの各物性を評価した。評価の結果は表1に示す通りで
ある。このフィルムは、脱気ボイル性は良好であるが、
−20℃の衝撃強度、−20℃の突き刺し強度が弱く、
不十分である。
UF422」の物性を測定したところ、低結晶成分(成
分A)のピーク分子量《Mw》A;68000、TRE
Fによる低結晶成分の溶出曲線の溶出ピーク温度;77
℃、TREFによる溶出曲線の全面積に対する低結晶成
分の溶出ピーク温度以下の面積割合;53%、高結晶成
分(成分B)のピーク分子量《Mw》B;67000、
H/M;1.6、MFR;1.0g/10分、密度;
0.927g/cm3の低結晶成分と高結晶成分からな
るエチレン・1−ブテン共重合体であった。
水冷インフレーション成形を行い、得られたフィルムの
各物性を評価した。評価の結果は表1に示す通りであ
る。このフィルムは、脱気ボイル性、低温ヒートシール
性は良好であるが、−20℃の衝撃強度、−20℃の突
き刺し強度が弱く、不十分である。
は、低温での耐衝撃性、低温での耐突き刺し性、及びヒ
ートシール性に優れ、かつ脱気ボイル性が良好なフィル
ムを提供することができる。よって、これにより得られ
るフィルムは、高温処理が可能であり、食品包装フィル
ム、特に高温殺菌用食品包装フィルムに好適に用いられ
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 エチレンと炭素数3〜18のα−オレフ
ィンとの共重合体を主成分とするポリエチレン系樹脂成
形材料であって、前記共重合体が低結晶成分と高結晶成
分とからなり、かつ前記成形材料が下記(1)〜(6)
に示す条件をすべて満たすことを特徴とする、ポリエチ
レン系樹脂成形材料。 (1)前記ポリエチレン系樹脂成形材料の温度上昇溶離
分別による溶出曲線において、低結晶成分の溶出ピーク
温度が60〜80℃の範囲にある。 (2)前記ポリエチレン系樹脂成形材料の温度上昇溶離
分別による溶出曲線において、低結晶成分の溶出ピーク
温度におけるピーク分子量《Mw》Aと、高結晶成分の
溶出ピーク温度におけるピーク分子量《Mw》Bとの関
係が、下記式(I)を満たす。 【数1】《Mw》A>《Mw》B ・・・(I) (3)前記ポリエチレン系樹脂成形材料の温度上昇溶離
分別による溶出曲線において、低結晶成分のピークの高
さをHとし、低結晶成分のピークと高結晶成分のピーク
との間の最小谷間の高さをMとしたとき、H/Mの値が
9以上である。 (4)前記ポリエチレン系樹脂成形材料の温度上昇溶離
分別による溶出曲線の全面積に対する低結晶成分の溶出
ピーク温度以下の面積割合が35%以上である。 (5)前記成形材料のMFRが0.5〜15g/10分
である。 (6)前記成形材料の密度が0.912〜0.93g/
cm3である。 - 【請求項2】 請求項1記載のポリエチレン系樹脂成形
材料からなる層を少なくとも有することを特徴とするフ
ィルム。 - 【請求項3】 前記ポリエチレン系樹脂成形材料からな
る層と、ポリアミド、ポリエステル及びプロピレン系重
合体からなる群から選ばれる樹脂材料からなる層とを含
む多層フィルムである、請求項2記載のフィルム。 - 【請求項4】 食品包装フィルムである、請求項2又は
3記載のフィルム。 - 【請求項5】 高温殺菌用食品包装フィルムである、請
求項4記載のフィルム。
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---|---|---|---|
JP12685497A JP3844314B2 (ja) | 1997-05-16 | 1997-05-16 | ポリエチレン系樹脂成形材料及びフィルム |
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JP12685497A JP3844314B2 (ja) | 1997-05-16 | 1997-05-16 | ポリエチレン系樹脂成形材料及びフィルム |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10316806A true JPH10316806A (ja) | 1998-12-02 |
JP3844314B2 JP3844314B2 (ja) | 2006-11-08 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000343660A (ja) * | 1999-04-01 | 2000-12-12 | Japan Polychem Corp | 積層体及びそれからなる医療用袋 |
WO2019208169A1 (ja) * | 2018-04-25 | 2019-10-31 | 三井化学株式会社 | 接着性樹脂組成物および積層体 |
-
1997
- 1997-05-16 JP JP12685497A patent/JP3844314B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPWO2019208169A1 (ja) * | 2018-04-25 | 2021-05-13 | 三井化学株式会社 | 接着性樹脂組成物および積層体 |
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